「森友」「豊洲」…行政の「威信」回復せよ 松本浩史(産経:一筆多論)


 国民の暮らしを向上させたり平和を守ったりするために行政機関は存在する。つまりは公益の実現を図る仕事であり、そこに公平性や透明性が求められるのは言うまでもない。それを担保する責務を負っているのだが、仕事ぶりに国民が疑念を抱き信頼を置けなくなっては実現が危ぶまれる。
 行政の信頼を揺るがす事例が相次いでいる。学校法人「森友学園」(大阪市)の小学校開校をめぐっては、国有地を格安で購入していたことに疑義が生じ、国会では理事長の証人喚問が行われた。
 理事長は購入にあたり、政治家の関与が「あっただろう」と証言した。だが、政府側はこれまで一貫してこれを否定している。実態が曖昧なままでは、便宜が図られたのではと行政の適正さに不信が抱かれても仕方ない。
 安倍晋三首相の昭恵夫人が名誉校長に就いていたこともわかっている。大阪府の松井一郎知事は「財務省は学園に親切な対応をした」「職員が首相をおもんぱかった」との認識を示したが、そもそも行政に「忖度(そんたく)」が介在し事なかれ主義がはびこっては、あるべき姿が体現できない。
 豊洲市場(東京都江東区)への移転問題でも、都議会は調査特別委員会(百条委)を設置し、移転決定時の都政トップだった石原慎太郎元知事をはじめ、元都庁幹部や東京ガスの関係者を証人喚問した。
 ここでも都が豊洲を移転先に決定した経緯や、本来、売り手側の東ガスが負担すべき土壌汚染対策費をなぜ都が負担するようになり、その額が増大したのか、実態解明には至らなかった。
 石原氏らの口から「記憶にない」との発言が連発されたのも、無責任さの表れである。
 もとより憲法では、「すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とうたっている。最高裁も昭和34年の判決で、こうした考え方を踏まえ「公務の威信と公正を保持すべき必要のあることは多言を要せず」との見解を示している。
 先の2つの問題に、「公務の威信と公正」を感じとれるだろうか。課せられた使命感と倫理観が欠落しているのではと疑わせる。
 公務員制度では国でも地方でも稟議(りんぎ)制による弊害が指摘されて久しい。お伺い文書を下位の職員が起草し、順次、上位者に上げていく。仕事を担う公務員の全員参加だからこそ、決裁が済めば政策の実施は円滑に進むだろう。その一方で無責任体質の温床であることも忘れてはならない。
 セクショナリズムも影を落としている。森友学園問題などに関わった公務員の専門性や処理能力が高いことは推察できる。だが、他部署との連携を欠き、ひいては組織全体としての情報共有が軽んじられ、都合の悪い事実を隠し立てするような雰囲気が醸成されていなかったか。
 「威信と公正」の担保には、職務への専念が不可欠なのは無論である。さらには、事後に説明責任をきちんと果たせるよう、公文書の管理や情報公開制度に実効性を持たせる制度の整備も大切だといえる。(論説委員)
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3月26日(産経抄)


〈花は根に鳥は故巣(ふるす)に〉という。花は咲いた木の根元に散り、その肥やしとなる。空を行き交う鳥もやがては巣に戻る。あらゆる物事は、その元となるところへ帰っていくものだ-と。いにしえの言葉に、ある母親の悲哀に満ちた面差しが重なる。
 ▼〈巣立ちし日浜にはなやぐ乙女らに/帰らぬ吾娘の名を呼びてみむ〉横田早紀江。娘のめぐみさんが消息を絶ち、迎えた何度目かの春という。中学を巣立つ同じ年頃の少女に、わが子の影を母は求めた。北朝鮮による拉致の可能性を小紙などが報じたのは、失踪から約20年後の平成9年2月である。
 ▼その翌月に発足した「家族会」が今年で結成20年を迎えた。小紙連載『拉致40年 家族の慟哭』に胸を痛めた読者も多いだろう。一部の拉致被害者が帰国した14年10月以降、何の進展もみていない。鳥は故巣に-の言葉がむなしい。
 ▼小紙が拉致の存在を初めて報じたのは、昭和55年1月だった。拉致問題が北朝鮮の国家犯罪であることは言うまでもないが、世論の反応は鈍かった。解決を遅らせたのは、世間の無関心であり、政府の及び腰だったことを忘れまい。
 ▼早紀江さんは81歳、夫の滋さんは84歳になった。家族会のシンボルとして先頭に立ったこの20年は、数倍に匹敵する長さだったろう。「私たちは一庶民です。本当は普通のお父さん、お母さんとして生きたかった」と早紀江さんの言葉にある。平凡な幸せを奪われた怒りを、国民が分かち合いたい。
 ▼「拉」という字を【拉(みじ)く】と読めば「こまかく砕く」の意味になり、【拉(ひし)ぐ】と読めば「押してつぶす」の意味になる。団欒(だんらん)のときを粉々に砕き、肉親の情を踏みにじる。かの国の犯した罪には怒りをもって臨むほかない。非道の極みの罪である。

米F35B、精密爆撃訓練か=北朝鮮に「警告」-韓国(時事N)


【ソウル時事】聯合ニュースなど韓国メディアは25日、日本の岩国基地に配備されている米最新鋭ステルス戦闘機F35Bがこのほど、韓国北東部・江原道の演習場で精密爆撃訓練を実施したと報じた。
 北朝鮮と隣接した江原道での精密爆撃訓練実施は、「核・ミサイルの開発を続ける北朝鮮に対する警告のメッセージの意味合いがある」と聯合は伝えた。
 在韓米軍はこれより先、F35Bが韓国海兵隊との共同訓練に参加したと発表したが、訓練の詳細は明らかにしていなかった。
 米メディアは、北朝鮮が新たな核実験に向けた準備の最終段階に入っていると報道。韓国統一省報道官は「北朝鮮は指導部が決心さえすれば、いつでも核実験を行う準備ができているとみている」と述べている。

対「イスラム国」 有志連合の結束で壊滅目指せ(読売:社説)


過激派組織「イスラム国」による卑劣なテロを阻止するには、掃討作戦が不可欠だ。関係国は、米国を中心に緊密に連携し、組織の壊滅を急がねばなるまい。

 米国主導の有志連合の閣僚級会合が開かれ、68か国・地域などの代表が参加した。閣僚声明は「イスラム国」を「地球規模の脅威」と位置づけ、「根絶に向けて固く結束していく」と強調した。
 「米国第一」を掲げるトランプ政権が会合を呼びかけ、協調を確認した意義は小さくない。議長役のティラーソン米国務長官は、組織打倒への強い決意を示した。
 「イスラム国」は、2014年以来、イラクとシリアの一部地域を支配する。有志連合が支援する現地部隊の攻勢により、イラクで約60%、シリアで約30%を奪還したのは明るい材料である。
 イラク軍による北部の要衝モスルの制圧作戦は最終局面に入った。自爆テロなどの抵抗を抑え込まねばならない。
 壊滅のカギを握るのは、「イスラム国」が首都と称するシリア北部ラッカの攻略だ。米国は、米軍特殊部隊の増派や空爆強化などを検討している。早急に戦略を構築し、実行に移してもらいたい。
 「イスラム国」はインターネットで過激思想を拡散し、欧米での無差別テロを煽あおる。ロンドン中心部でも最近、関連が疑われるテロが起き、多くの死傷者が出た。
 閣僚声明は、ネットでの宣伝戦の対策拡充やテロリストに関する情報の共有を打ち出した。奪還した地域の復興支援や難民の帰還促進も課題に挙げた。
 軍事力だけで、過激思想やテロを根絶するのは困難である。現地の政治的安定と民生向上に向け、国際社会が長期的に関与し、資金を提供する取り組みが欠かせない。日本も、人道援助や教育支援などの貢献を続けていきたい。
 懸念されるのは、有志連合とは距離を置くロシアの動向だ。シリア内戦に軍事介入し、アサド政権を支援する。停戦協議の主導権も握りつつある。テロ組織の撲滅よりも、中東での影響力拡大に重点を置いているのは間違いない。
 トランプ大統領は、ロシアと共同で「イスラム国」掃討作戦を進める構想を持っていた。だが、側近らとロシアの癒着疑惑に関し、国内で強い批判を浴び、対露協調路線は行き詰まっている。
 トランプ氏には、同盟国を中心とする有志連合を対テロ戦略の軸に据えたうえで、米露の立場の違いを埋める努力が求められる。

南スーダンPKO撤収命令 新たな派遣先「不断に検討」(東京新聞)


稲田朋美防衛相は二十四日、防衛省・自衛隊の上層部で構成する防衛会議を開き、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊に五月末までの撤収を命じた。部隊の活動は五年余りで終了する。自衛隊部隊が参加するPKOはなくなり、防衛省は新たな派遣を検討する。
 稲田氏は防衛会議で「無事に締めくくることが最も難しい」と述べ、撤収にあたり隊員の安全確保を重視する考えを示した。防衛省の武田博史報道官は記者会見で「新規派遣は不断に検討している」と説明。(1)安全確保(2)国内外の支持(3)自衛隊の得意分野-などの条件を考慮し、参加の可否を判断する考えを示した。
 現在、国連が実施するPKOは十六件で、うち九件がアフリカに集中。治安が不安定な国もあり、南スーダンの隣国スーダンのPKOでは現地勢力の敵対行為で、二〇〇七年の活動開始から昨年二月までに約七十人のPKO要員が死亡した。このため、自民党内にも「しばらくPKOには派遣しなくていい」(防衛相経験者)との意見がある。
 政府は今回の撤収に関し、派遣部隊の施設整備活動に一定の区切りがつくことを理由に挙げ、昨年九月から撤収を検討してきたと説明している。ただ、同年十一月に派遣部隊に安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」の新任務を付与した際には、活動継続の必要性を強調していた。 (新開浩)

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