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中朝首脳会談要旨(産経N)

新華社電によると、中国の胡錦濤国家主席と北朝鮮の金正日総書記が27日行った会談での発言要旨は次の通り。

 胡主席 国連安全保障理事会が(韓国海軍哨戒艦)「天安」沈没事件について議長声明を発表後、朝鮮半島情勢には新たな動きが生じた。半島の平和と安定維持は人々の心が向かうところで、中国は半島情勢の緩和と外部環境の改善に向けた北朝鮮の積極的な努力を尊重、支持する。

 また、関係各国が引き続き半島の平和と安定維持と非核化の旗を高く掲げて、現在の緊張した情勢の緩和のため早期に6カ国協議を再開し、半島情勢が徐々に元に戻るよう積極的に努力することを主張する。

 金総書記 中国が6カ国協議と朝鮮半島の平和と安定維持のため行ってきた積極的な努力と貢献を高く称賛する。半島の非核化を堅持する北朝鮮の立場に変わりはない。

 半島情勢の緊張は見たくなく、中国側と密接な意思の疎通と協調を保ちながら、早期の6カ国協議再開を推進して朝鮮半島の緊張を緩和し、半島の平和と安定を維持したい。(共同)
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金総書記の後継問題で中朝首脳が意見交換か(讀賣N)

図們(中国吉林省延辺朝鮮族自治州)=比嘉清太、ソウル=仲川高志】中国国営新華社通信は30日、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が26日から30日まで訪中し、吉林省長春で27日、胡錦濤国家主席と会談したと伝えた。


 朝鮮中央通信など北朝鮮側も、ほぼ同時に報じた。中朝首脳会談は5月以来で今年2度目となる。

 新華社電によると、金総書記は会談で、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の再開問題について、「半島情勢の緊張を見たくない。中国側と緊密に協調しながら、協議の早期再開を推進し、半島の緊張緩和、平和・安定を維持したい」と述べ、早期再開への意欲を示した。

 胡主席は、韓国の哨戒艦沈没事件に関する国連安保理議長声明採択後の緊張緩和に向け、できるだけ早く協議再開が必要との認識を示した。

 北朝鮮メディアは、両首脳が両国関係や地域情勢などを巡る意見を交換し、「完全な見解の一致を見た」と伝えている。

 金総書記の後継体制をにらんだ意見交換も行われたとみられる。新華社通信は「双方が国内状況について相互に通報した」と伝えた。

 朝鮮中央通信によると、金総書記は27日の胡主席との宴会で、「伝統的な朝中親善のバトンを後代に引き継ぎ、強化発展していくことは重大な歴史的使命だ」と強調。胡主席は、9月上旬に開かれる朝鮮労働党代表者会にわざわざ言及し、「円満な成果が上がるよう祈願する」と強い関心を示した。この代表者会を機に、金総書記の三男、金ジョンウン氏への後継体制作りの動きが本格化するとみられている。

 ただ、金総書記がどこまで踏みこんだ説明をしたのかは不明。中朝双方の報道とも、ジョンウン氏には言及しなかった。

 今訪中で金総書記が強く望んだとみられる経済協力については、胡主席は、経済貿易協力推進、北朝鮮の経済発展への支持などを表明した。

 金総書記は30日午後7時(日本時間同8時)ごろ、吉林省延辺朝鮮族自治州図們市から帰国した。

(2010年8月31日01時03分 読売新聞)

陸自が総合火力演習 富士山ろくで実弾44トン3億5000万円 2万8000人見学(産経N)

陸上自衛隊による恒例の国内最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」が29日、東富士演習場(静岡県御殿場市など)で一般公開され、実弾約44トン(約3億5千万円相当)を使い、約2万8千人の見学者に披露した。

 約2400人の隊員が戦車や装甲車など車両80両、大砲など約80門、最新鋭の装備を持つ戦闘ヘリコプターなど航空機約30機を使用。上陸した敵のエリアを奪回する想定で、富士山ろくにミサイルや砲弾を次々と撃ち込み、地雷原を爆破処理するなど実戦さながらの様子を見せた。20日の射撃訓練中に砲身が破裂する事故を起こした主力の90式戦車も、安全確認を終えたため参加した。
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 陸自は初めてインターネット上で演習を生中継。終了後には、来年度以降に配備を予定する新型の10式戦車(試作車両)を見学者に紹介した。

【主張】日韓併合100年 「ご用聞き」外交の罪深さ(産経N)

日韓併合条約の発効から100年の節目の日を迎えた。韓国に過度に配慮した菅直人首相談話の効果もあって、現地の反日ムードは下火になっているというが、一時的にすぎない。謝罪すればするほど日韓関係は悪化してきた。国が違えば歴史認識は異なるという基本に立ち戻るしかない。

 菅談話の検討を仙谷由人官房長官が明らかにしたのは、先月16日だ。その後、複数の民主党有力議員が訪韓し、青瓦台(大統領府)幹部らに「どのような首相談話を希望されるか」と尋ねる一方、韓国側もさまざまなルートで要望を提示してきた。

 主な要望は、(1)併合は韓国人の「意に反して行われた」との言及がほしい(2)文化財返還も談話に入れてほしい-の2点だったとされる。菅内閣はこれを受け入れ、鳩山由紀夫前首相らの意見も盛り込んだという。

 しかも、その中身を国民に知らせないばかりか、与党・民主党の政策調査会でも十分な議論を尽くさず、閣議決定を強行した。

 韓国におもねった一方的首相談話が、日本政府の公式見解として後の内閣の行動を事実上、拘束するのだ。「ご用聞き」外交の罪深さを改めて思い知らされる。

 菅談話にわずかながら認めるべき点があるとすれば、「条約は日本の不当な圧力によるもので、締結当初から無効だった」とする韓国側の主張までは受け入れなかったことだ。韓国紙は一斉にこのことへの不満を伝えた。

 だが、韓国の主張は2001年の国際学術会議で欧米の国際法学者らに否定されている。岡田克也外相も25日、東京都内の講演で「日本政府としては、当時は合法に締結されたという考え方を持っている」と述べた。今後も、これを明確に主張すべきだ。

 菅談話でも不満だとする韓国の国会議員らのグループは、慰安婦問題などでの追加補償を要求している。だが、日韓間の補償・請求権問題は、昭和40年の日韓基本条約で決着し、菅首相も談話発表後の会見でこの考えを示した。決着済みの補償問題を蒸し返すことは厳に慎むべきだ。

 民主党内でも保守系議員らが最近、新たな勉強会を立ち上げた。菅談話の問題点に加え、手続き面の欠陥を指摘する声が相次いだという。与野党で、歴史認識の論議が深まることを期待したい。

金総書記電撃訪中の背景に深刻な経済事情 制裁に水害が追い打ちか(産経N)

 【ソウル=水沼啓子】北朝鮮の金正日総書記が今回、中国を電撃訪問した背景には、中国から経済援助を引き出さなければならない切迫した事情があるとみられている。1990年代から続く経済難に加え、今夏、北朝鮮各地で豪雨による水害が相次ぎ一部の穀倉地帯が浸水するなど、食糧不足をはじめとする北朝鮮の経済事情は相当深刻なようだ。

 長春に滞在していた金総書記は28日、市内の農業展示施設を視察した。現地からの報道によると、金総書記は、品種改良したカボチャの栽培方法などに関する説明を受けたという。国内の厳しい食糧事情が念頭にあったのは間違いない。

 北朝鮮では、“苦難の行軍”とされた90年代の飢饉(ききん)から10年以上過ぎた今もなお、食糧不足に苦しんでいる。近年は、核開発を続ける北朝鮮への国際社会の締め付けもあり、慢性的な肥料不足で、穀物生産量は低迷したままだ。

 韓国統一省は昨年、北朝鮮の食糧需要548万トンに対し、前年の生産量が431万トンにとどまり、外国からの支援が欠かせない状況にあることを明らかにした。
 10月に朝鮮労働党創建65周年を迎える北朝鮮は今、「強盛大国」建設のため経済政策に総力を注いでいる。統一省によると、2012年には飢饉前の1980年代後半の水準まで経済を回復させ、軽工業と農業部門での生産増で生活水準を向上させることを目指しているという。

 後継者とされる三男、ジョンウン氏が経済問題を担っているとの情報もあり、後継体制固めのためにはなおさら実績がほしいところだ。

 金総書記は5月に訪中した際、核開発問題に関する譲歩を促した中国の要求を拒み、中国からの経済援助の獲得に失敗した経緯がある。しかも今月、中朝国境の鴨緑江が豪雨で氾濫(はんらん)し、穀倉地帯に近い北朝鮮の新義州市の住宅や農地が浸水、甚大な被害が出たと伝えられている。

 それだけに金総書記にとっては今回、安定的な後継体制移行のために極めて重要な訪中だったといえる。

「日本版NSC」再検討 首相、代表選へ安保重視打ち出す(産経N)

外交・安全保障政策の司令塔となる「国家安全保障会議(日本版NSC)」の新設を目指し、政府の国家戦略室が組織体制の検討に入ったことが28日、明らかになった。首相官邸主導で外務、防衛両省などの縦割り弊害をなくすのが狙い。外交・安保政策は民主党のアキレス腱(けん)だけに、菅直人首相は、9月の民主党代表選に向け、対抗馬の小沢一郎前幹事長を外交・安保分野で牽(けん)制(せい)する狙いがある。

 NSCをめぐっては、自民党政権下で安倍晋三元首相が平成19年の通常国会に関連法案を提出したことがある。同法案は、議長を務める首相と、官房長官、外相、防衛相の計4人でNSCを構成し、迅速な意思決定を目指す内容だったが、同党は後に設置を断念。国家戦略室は同法案も参考に、各省との役割分担や事務局のあり方を検討中で、来年の通常国会への法案提出を視野に入れている。

 政治主導、官邸主導の意思決定を目指している首相は、NSCの設置に強い関心を示している。国家戦略室が今年7月、外交・安保に詳しい北岡伸一東大教授からヒアリングを行った際には、他国の設置状況に関し熱心に質問した。
また、荒井聡国家戦略担当相も17日の講演で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)移設問題で日米両政府の意思疎通が十分でなかったことを挙げ、NSCに「関心を持っている。一度、議論をやるべきではないか」と述べた。

 首相の諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」が27日にまとめた報告書は、「内閣の安全保障機構が高次元での国家安全保障戦略を策定する態勢になっていない」とした上で、「実効性のある制度を整備することが重要。米国をはじめ、多くの国がNSCを有している」と指摘している。

 米国のNSCは大統領が議長を務め、副大統領や国務長官、国防長官らがメンバーで、安全保障問題の政策立案や決定を担う組織として強い権限を持つ。

 民主党が昨年の衆院選で掲げた「国家戦略局」構想は、NSC機能を含むものだったが、岡田克也外相が「外交・安全保障の基本は戦略局構想に入っていない」と難色を示し、予算編成の基本方針策定などに機能が限定された経緯がある。首相は国家戦略室の「局」格上げ自体を断念しており、NSC発足へは、首相の指導力が問われることになりそうだ。

新安保懇の報告書案要旨(ドットコム)

政府の「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」がまとめた報告書案の要旨は次の通り。
 【安全保障戦略】
 一、日本の特性や「平和創造国家」としてのアイデンティティーを踏まえ、日本自身の取り組み、同盟国との協力、多層的な安保協力により、安保目標を実現。
 【防衛力の在り方】
 一、大綱別表については、その存否も含め再検討。
 一、「基盤的防衛力」構想は、既に過去のものであり、継承しないことを明確にすべきだ。多機能・弾力的・実効性を有する防衛力を引き続き目指す。
 一、ミサイル防衛(MD)は、防御のみでは完全ではなく、打撃力による抑止をさらに向上させるための機能について、日米協力を前提としつつ、適切な装備体系、運用方法、費用対効果を検討することが必要。
 一、離島・島しょへの武力攻撃を未然に阻止するため、新たな部隊配置などが必要。
 一、国連平和維持活動(PKO)のみならず、地域的枠組みや特定国との協力で効果的かつ適切に取り組める活動には積極的に参加。
 一、テロ・海賊などへの取り組みは、日本が後ろ向きであってはならない課題。国連安全保障理事会の決議がない場合でも、参加に備えるべきだ。
 一、水中監視能力の向上のため潜水艦の増強は合理的な選択。
 【防衛力を支える基盤整備】
 一、世界的な潮流である国際共同開発・生産の道を開くため、事実上の武器禁輸政策をできるだけ早く見直すことが必要。第三国への移転は慎重に検討。
 【安全保障戦略を支える基盤整備】
 一、従来の憲法解釈では困難とされる日米の共同運用にかかわる問題に関し、憲法論や法律論からではなく、日本が何をなすべきか、という観点から考える政治的意思が重要。
 一、PKO参加五原則は時代の流れに適応できない部分があり、修正について積極的に検討。包括的かつ恒久的な法律を制定すべきだ。(2010/07/28-01:01)
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「複数の脅威」への防衛力を…安保懇が提言(讀賣N)

菅首相の諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長=佐藤茂雄・京阪電気鉄道最高経営責任者)は27日、弾道ミサイル攻撃や離島での戦闘、テロなど複数の脅威が同時に発生する「複合事態」に対処できる防衛力の整備を求める報告書を首相に提出した。


 海外への武器輸出を禁じた武器輸出3原則の緩和なども提言している。政府が年内に策定する「防衛計画の大綱」のたたき台となるもので、報告書の内容がどこまで反映されるかが今後の焦点となる。

 日本の防衛力整備は冷戦以降、独立国として最小限の防衛力を保有すべきだとする「基盤的防衛力構想」を基本方針としてきた。しかし、報告書は「国家としての存立そのものを脅かすような本格的な武力侵攻は想定されない」とし、同構想の撤廃を提言した。そのうえで、部隊を全国に均衡配備する「静的抑止」から、「多様な事態への対処能力に裏打ちされた、信頼性の高い動的抑止力の構築」への転換を求めた。

 武器輸出3原則については、装備品の国際共同開発・生産への参加が開発コスト削減や他国との安全保障協力の深化につながるとし、早期緩和を迫った。

 非核3原則については、「当面、改めなければならない情勢にはない」とした。そのうえで、「一方的に米国の手を縛ることだけを原則として決めることは必ずしも賢明ではない」とし、米国の核持ち込みに関しては立場をあいまいにする戦略が有効だと指摘した。集団的自衛権に関しては、行使できないとする憲法解釈をとっている現状を批判し、「柔軟に解釈や制度を変え、日米同盟に深刻な打撃となる事態が発生しないようにする必要がある」とした。

(2010年8月27日21時46分 読売新聞)

【主張】防衛力報告書 現実的な政策に転換せよ(産経N)

首相の諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」がまとめた報告書のポイントは、集団的自衛権の行使を禁じる憲法解釈の変更や、将来的な非核三原則の見直しなどを求めたことだ。

 ややあいまいな表現はあるが、日本の平和と安全を守るために見直しは妥当なものであり評価したい。

 問題はいかに実現していくかである。報告書を受け取った菅直人首相は「国際的な安全保障環境に対応する観点から、政府としてしっかり検討していく」と述べた。これまで集団的自衛権の見直しなどを求めた報告書は、あまり顧みられなかった。年末に行われる「防衛計画の大綱」の改定などを通じて、首相は現実的な政策に転換すべきだ。

 報告書は中国が軍事力を急速に近代化させ、日本近海での海洋活動の活発化や東シナ海から太平洋にまで活動範囲を広げていることを注視し、「その能力、意図に関する不透明性・不確実性が問題」と指摘した。

 同時に、米国の国際社会での圧倒的優位性の低下が指摘されるなかで、「米国の抑止力への依存は、日本の通常戦力による防衛努力を減じてよいことを意味しない」と必要な防衛力整備を求めている。離島などの安全確保を重視したのも当然だ。

 日米同盟の実効性を高める集団的自衛権の行使容認や、受動的な防衛戦略の姿勢とされる専守防衛の問題点を挙げ、「こうした政策は、日本自身の選択によって変えることができる」と指摘した。必要な政治判断が行われてこなかったことが問題なのだ。

 非核三原則について「一方的に米国の手を縛ることだけを事前に原則として決めておくことは、必ずしも賢明でない」と、将来的な見直しを提起した。

 北朝鮮や中国の核の脅威に対し、「持ち込ませず」原則を見直すことは不可欠なのである。

 国連平和維持活動(PKO)参加5原則の見直しなども求められた。民主党はPKOへの積極的な参加を掲げていながら、必要な法整備を怠っている。

 政権与党でありながら確立された安全保障政策を民主党が持っていないことが、多くの懸念をもたらしている。党代表選での政策論争を通じて、安保政策の骨格を明確にしておく必要がある。

「共同使用」日米隔たり…普天間の代替施設協議(讀賣N)

沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題を巡り、日米両政府は26日、同県名護市辺野古につくる代替施設について検討する外務、防衛当局の専門家協議を外務省で開き、報告書の取りまとめに向けて詰めの協議を行った。


 代替施設に関しては5月の日米合意に盛り込まれた「米軍と自衛隊との間の施設の共同使用」の中身などで意見の隔たりがあり、両政府は27日も協議を継続し、31日にも報告書を公表したい考えだ。

 両政府は代替施設に関し〈1〉工法は埋め立て方式〈2〉滑走路は米側支持の「V字案」(滑走路2本)と日本が提案した「I字案」(同1本)の併記――を報告書に盛り込むことで大筋合意している。

 ただ、代替施設の共同使用では、日本が自衛隊を常駐させての共同管理を主張しているのに対し、米側はあくまで施設の管理は米軍が行うとし、共同使用は米軍の許可の下で自衛隊が施設を使う「一時使用」との立場を崩していない。

 日本側の主張には、施設内での事故や環境汚染に対処でき、周辺住民への配慮につながるとの考えがあるが、26日の協議でも結論に至らなかった。このため、報告書には共同使用に関する詳細な記述が盛り込まれない公算が大きくなっている。

(2010年8月27日03時07分 読売新聞)

正論】拓殖大学学長・渡辺利夫 現在の価値観で過去断罪するな(産経N)

韓国併合(日韓併合)条約は1910年8月22日に調印され、同29日に発効した。併合100年を機に菅直人氏の首相談話が、過日発表された。往時の日韓関係についての事情を顧みることなく、謝罪自体を自己目的としているがごとき談話であった。

 ≪謙虚で率直で勇気あることか≫

 「当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました。…この植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し、ここに改めて痛切な反省と心からのお詫(わ)びの気持ちを表明いたします」

 ここまで踏み込んでいいのか。談話はさらにこういう。「私は、歴史に対して誠実に向き合いたいと思います。歴史の事実を直視する勇気とそれを受け止める謙虚さを持ち、自らの過ちを省みることに率直でありたいと思います」

 現在の価値観をもって往時の日韓関係を眺め、“そういうことはあるべきではなかった”と考えることが、どうして謙虚で率直で勇気のあることなのだろうか。併合条約を有効だとする日本が、条約自体を無効だと言い張る韓国に謝罪の言葉をいくら積み上げたところで、相手を満足させることなどできはしない。道義において自国がいかに劣っていたかを強調すればするほど、姑息(こそく)と卑屈にみずからを深く貶(おとし)めるだけである。現在の価値観で過去を論じることのいかがわしさに、もうこのあたりで気づかねばならない。

 ≪各国との合意による合法統治≫

 李朝時代末期の韓国は、時に清国、時にロシア、時に日本と、周辺の大国に依存しようという「事大主義」の傾向を強め、自立と近代化への展望を欠いて政争に明け暮れた。当時の韓国は清国と君臣関係(清韓宗属関係)にあり、韓国内で内乱が起こるたびに清国に派兵を要請した。日本がこれを脅威と見立てたのは当然であり、清韓宗属関係を断ち切るための戦争が日清戦争であった。

 シベリア鉄道が完成してしまえば、ロシアが朝鮮半島の占領へと向かう可能性は十分にあった。当時、ロシアは満州(中国東北部)に強大な軍勢を張っており、日本人の多くがロシアを「北の脅威」とみていた。ロシアによる朝鮮半島の占領は、すなわち日本の亡国の危機である。そうであれば併合によって韓国の近代化を図り、半島の守りを固めることは日本にとってどうしても避けられない安全保障上の戦略であった。

 日露戦争とは、ロシアの南下政策に抗して、日本が韓国の「自由裁量権」を獲得しようとして戦った戦争である。自由裁量権とはいかにも“あけすけな”表現だが、弱者に「安住の地」がなかった帝国主義時代の用語法である。

 日本の韓国における自由裁量権は、ポーツマス条約でロシアにより、また日英同盟下のイギリスにより認められた。さらには日本は米国との間でも、日本が米国のフィリピン領有を承認し、米国が日本の韓国統治を承認するという桂・タフト協定を結んでいた。日本の韓国統治は幾重にも国際的に承認され、併合への道を阻止するものはなかった。各国との合法的な条約や協定に則って日本の韓国統治が展開されたのである。

 ≪近代化は日本の支援によって≫

 併合は韓国人にいまなおつづく鬱屈(うっくつ)であろう。日本人にとってもこんな手荒なやり方ではなく、別の方法を選択することができなかったかという思いはある。日本が韓国の独立を承認して韓国の近代化を助力し、2国の善隣関係を保ちながら「共に亜細亜を興す」(福澤諭吉)友邦たりえたとすれば、それに越したことはなかったであろう。しかし、現時点に立って判断してもそれは不可能事であったといわねばならない。

 1つには、日本の開国維新のような、近代化へと向かう挙国一致の政治的凝集力が韓国の中から生まれてくる可能性を期待することはできなかった。2つには、相当の軍事力を温存したまま敗北を余儀なくされたロシアが対日報復の挙に出ることを日本人は恐れていた。日本人がこの恐怖から解放されるには、革命によってロマノフ王朝が完全に崩壊するまで待たなければならなかった。

 韓国は日本の強圧によって結ばされた併合条約は無効だというが、往時の韓国民の中にも自国のみで韓国の近代化を図ることは無理であり、日本との「合邦」により日本の支援を受けながら近代化を実現するより他なしと考える一群の有力な人々が存在したことは指摘しておかねばならない。李容九、宋秉●などをリーダーとする「一進会」に集った人々である。統監府の資料によっても参加者は14万人、実際には数十万人に及ぶ当時の韓国最大の社会集団であった。首相桂太郎をして併合を決意せしめたものが彼らによる合邦への要請にあった。

 しかし、いくらこういった議論を重ねても、併合条約が有効か無効かの議論を日韓で一致させることは期待できそうにない。ならば、語られるべきは過去ではなく、現在と未来でなければならない。(わたなべ としお)

外信コラム】ロンドンの甃 日本海が危ない!(産経N)

欧州で日本海の呼称がどう扱われているのか取材した。ベルリンの壁博物館を訪れた知人から「展示物の世界地図や地球儀から『日本海』の表記が抹消され、ボールペンで『東海』や『朝鮮海』と書き込まれていた」と聞いたからだ。

 同博物館のアレクサンドラ・ヒルデブラント理事長は「2年前から落書きが始まった。誰かが『東海』などに書き換えると、次の人が『日本海』に書き換えるということが頻繁に起きる。落書き防止用のガラスで覆うことも考えたが、根本的な解決にならないので日本、韓国両政府と国連に手紙を書く」と話した。

 英紙タイムズのデータベースにも「日本が朝鮮半島を植民地支配した1910~45年に、日本海として広く知られるようになった」と、韓国の言い分通りの“歴史”が書かれているのには驚いた。韓国政府は欧米で一方的な調査を行い、日本が朝鮮半島を植民地支配するまでは「東海」や「朝鮮海」の呼称が圧倒的に多かった、との資料を作成し、各国に「東海」と表記するよう申し入れている。

 世界各国の地図や航空会社の路線図、新聞記事が「日本海」(Sea of Japan)と表記されていなかったら、根気よく訂正を求めていただきたい。「日本海」の呼称は江戸後期から世界に広まっていたのだから。(木村正人)

日韓併合条約「締結時は有効」岡田外相が初言及(産経N)

 岡田克也外相は25日、都内の日本外国特派員協会で講演し、100年前に締結された日韓併合条約について「日本政府としては当時は合法的に締結されたという考え方を持っている」と述べた。岡田氏はこれまで条約締結時の有効性について言及を避けていたが、初めて有効性を認めた。

 岡田氏は「(条約が)無効か有効かという不毛の議論を繰り返すつもりはない」とも指摘した。その上で「(昭和40年に)日韓基本条約が結ばれたときに、『今や無効である』との表現で両国は折り合った」とも述べた。韓国側は「条約締結時も無効」との姿勢をとっているが、岡田氏は日韓の認識の違いについて「政府間で議論しても答えは出ない」と答えた。

 岡田氏は20日の記者会見では「今や無効だとの考え方で落ち着いた。それに何か付け加えるべきものがあるとは考えていない」と述べていた。

正論】東洋学園大学准教授・櫻田淳 英国流なら「狡猾さ」にも学べ(産経N)

菅直人総理が就任以来、手掛けた対外政策判断の中で目立ったものは、金賢姫元北朝鮮工作員の招待と日韓併合100年を機にした菅談話の発表であろう。この2つの政策対応は、それぞれ別々のものであるけれども、菅内閣の対外姿勢を期せずして炙(あぶ)りだした。

 ≪性格が曖昧な首相談話≫

 先ず、金賢姫元工作員の招待は、費用対効果の観点からしても、その意義が疑わしい政策対応であった。彼女の招待には、邦人拉致案件への対応といった説明が付されたけれども、彼女から必要な証言を得るためならば、相応の費用を投じた日本招待は、無駄な対応であろう。

 大体、彼女は、少なくとも北朝鮮出国以後の二十余年の事情に関して、どのような「新情報」を持ち得るというのであろうか。

 次に、菅談話の発表もまた、それ自体としては意義や性格が曖昧(あいまい)な政策判断であったと評せざるを得ない。

 筆者は、従来の日韓関係の経緯を踏まえる限りは、日本政府が何らかのステートメントを出さないのも奇妙なことであると考えてきた。しかし、菅談話に絡む最大の難点は、それが日本の「国益」とどのように結び付いているかが判然としないことにある。

 良好な日韓関係の維持それ自体には、総論としては誰も異論を唱えないであろうけれども、菅内閣は、今後の対韓関係の中で此度の談話を、どのように位置付けようとしたのか。北朝鮮情勢への対応を念頭に置き、安全保障上の日韓提携を加速させようという思惑があるのか。それとも、たとえば日韓FTA(自由貿易協定)樹立を睨(にら)んだ経済・産業振興政策上の算段が働いているのか。

 そもそも、諸々の政策対応の一つ一つは、自らの「国益」に対する中長期的な考慮の中での「布石」として位置付けられるべきものである。谷垣禎一自民党総裁が菅談話発表に際し、「未来志向の関係に逆行しないように…」と釘(くぎ)を刺したのは、そうした「布石」の筋道が見えないからに他ならない。

 ≪永井教授の主張に倣えば…≫

 振り返れば、菅総理が所信表明演説で学生時代に薫陶を受けた政治学者として言及した故永井陽之助教授は、英国外交から倣(なら)うべきものの一つとして、「狡猾(こうかつ)さ」(guile)の感性を挙げた。

 菅総理が演説の中で紹介した永井教授の四十余年前の著書『平和の代償』には、「国際政治は、幼稚園の遊戯ではないから、みんな仲良く、お手々つないで、というわけにはいかない」と記されている。日本は、従来、二大政党や議会における「党首討論」の制度、そして直近では「マニフェスト」(政権公約)を掲げた選挙手法といったように、国家の「統治」に関わる多くを英国に倣おうとしてきた。

 けれども、戦後、現在に至るまで、日本では、こうした英国外交の「狡猾さ」に倣おうという空気が希薄なのは、何故なのか。

 もっとも、菅総理は、永井教授に倣う体裁で、「『現実主義』に立脚した外交」を展開すると表明している。故に、菅総理の表明した通りであるならば、元工作員の招待にせよ菅談話の発表にせよ、菅内閣下の対外政策判断には、筆者を含む内閣の部外の人々には与(あずか)り知らぬ「術策」が組み込まれているのだと想像しても、それを噴飯ものの類(たぐい)と決めつけることは、決して公正ではあるまい。「術策」とは、その意図が誰にでも察知できる事態は、好ましくない。率直にいえば、筆者は、そうした「術策」が菅内閣において密(ひそ)かに進行しているのであれば、それを大いに期待する。

 ≪「善意」が前面に出すぎる≫

 ただし、そうであるならば、菅内閣下における対外政策判断が、日本国民の全般的な利害の増進に、どのように寄与するのかは、適切に説明される必要がある。

 金賢姫来日に際して、彼女が「悲劇のヒロイン」であるかのような待遇を与えたり、菅談話に「痛みを与えられた側はそれを容易に忘れることは出来ない」という文言が盛り込まれたりしたように、情緒的な空気だけが漂うようでは、そうした「術策」の有り様に対する説得性が失われる。

 人間の「善意」に基調としては信を置かないのが、国際政治学における「現実主義学派」の政治認識の一つの「型」であるけれども、菅内閣の政策判断には、「善意」が前面に押し出され過ぎている嫌いがある。それとも、菅内閣が披露する「善意」とは、筆者の懸念とは異なり、自覚的に練られた「術策」の裏付けを持つ「偽善」の類なのであろうか。

 菅総理は、永井教授の「現実主義」から何を体得したのか。少なくとも、元工作員の招待や菅談話の発表といった政策判断からは、そうしたことは明瞭(めいりょう)には浮かび上がってこない。

 そろそろ、菅総理の言葉にある「『現実主義』に立脚した外交」が片鱗(へんりん)だけでも示されなければ、鳩山由紀夫前内閣以来の「国益」の侵食は、止まらないのではないか。(さくらだ じゅん)

飛行経路、陸上寄りに…普天間代替で米側説明(讀賣N)

沖縄県の米軍普天間飛行場の移設に伴って同県名護市辺野古に建設する代替施設の飛行経路について、米側が日本側の想定より陸上寄りの経路になると説明していることがわかった。


 沖縄側の反発を招きそうだ。

 日米関係筋によると、米側は代替施設の位置や工法を検討する日米両政府の専門家協議で、現行計画に基づくV字形滑走路で有視界飛行する場合、日本側の想定よりも陸上に近づくとしている。日本政府はV字形の2本の滑走路を離着陸時に使い分けるため、飛行経路は集落にかからないと地元に説明してきたが、実際には経路が直線ではなく外側に膨らむ形になることで、陸上側に近づくという。

 また、日本側が推す滑走路1本のI字形滑走路についても、米側は日本側の想定よりも集落上空の近くを飛ぶと説明している。

(2010年8月25日03時07分 読売新聞)

米海兵隊「V字形が最善」 普天間移設先の滑走路(産経N)

 米海兵隊トップのコンウェー司令官は24日、国防総省で記者会見し、沖縄県名護市辺野古崎と隣接水域に建設が検討されている米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の代替施設について、現行計画に沿った滑走路2本のV字形が「最善」との考えを示した。

 日米両政府は月内にまとめる専門家の報告書で、V字形と共に日本が新たに提案した滑走路1本のI字形を併記する方針だが、海兵隊が依然として計画変更に消極姿勢を保っていることが鮮明になった。

 司令官は滑走路の形状は「日米両政府の高官レベルで決着する問題だ」としつつ「航空機の安全性の観点から、もともとの合意であるV字形が今も最善と考える」と述べた。(共同)

シベリア抑留者追悼集会、厚労相が現職閣僚初参列(讀賣N)

シベリア抑留者らでつくる全国抑留者補償協議会(全抑協)は23日、東京の千鳥ヶ淵戦没者墓苑で「シベリア抑留犠牲者追悼の集い」を開いた。

 元抑留者や遺族など約150人が参列し、身元不明の抑留者を含む遺骨が納められた同墓苑に献花した。

 65年前の1945年8月23日は、旧ソ連のスターリンが日本軍捕虜らをシベリアなどに抑留して強制労働させるよう指令を出した日で、集会はこの日にちなみ、全抑協が2003年から毎年開催している。

 戦後65年の今年は、生存している元抑留者(日本国籍)に特別給付金を支給する「シベリア抑留者特別措置法」が6月に成立したことを受け、長妻厚生労働相が現職閣僚としては初めて参列した。

 あいさつした全抑協の平塚光雄会長(83)は、「戦後65年目にして、日本社会が私たちの体験した悲惨と不条理を正面から受け止めてくれた」と同法成立を評価。長妻厚労相は、「今後は抑留の実態解明を政府全体として取り組んでいきたい」と述べた。

(2010年8月23日19時30分 読売新聞)

中国の軍拡に日米は 思いやり予算削減に「造反」(産経N)

7月下旬、ワシントンの米連邦議会議事堂を異例の“陳情”に訪れた民主党議員と労組委員長がいた。在日米軍基地を多く抱える神奈川県を地盤とする衆院議員、斎藤勁(つよし)と、米軍基地で働く日本人労働者が加入する全駐留軍労働組合(全駐労)委員長、山川一夫だ。

 面会相手は上院歳出委員長、ダニエル・イノウエ。米政府の国防予算を左右する立場にある。

 在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)に関する日米特別協定は来年3月末に3年間の期限が切れる。改定をめぐる交渉で労務費を維持させるため、米側の理解を求めるのが斎藤らの訪問の目的だった。

 「基地がなくならず、雇用だけが失われるようなことになれば『第二の普天間飛行場(沖縄県宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)』のような火種になりかねない」

 山川は訴えた。

 「日本はインフラ、住宅、労働者を提供し、米国は日本の防衛を担う。国防予算の占める割合は日本はGDP(国内総生産)の1%未満だが米国は4%だ」

 米上院では最も日本に理解のあるイノウエは2人を歓迎しつつ、日本の負担の少なさを暗に批判した。米国の肩には、イラクやアフガニスタンでの戦費負担が重くのしかかっている。国防長官、ロバート・ゲーツは今月9日、今後5年間で1千億ドル(約8兆5千億円)の国防費削減を目指す取り組みを発表した。戦費負担のしわ寄せは在日米軍に及んでいる。

 同じく2人と面会した国防総省当局者はもっと直(ちょく)截(せつ)的だった。

 「米軍駐留経費を含めた日本の防衛予算のGDP比は少ない。外務、防衛両省に直接訴えてみてはどうですか?」
 × × ×

 日米両国が財政上の困難から防衛予算の効率化を迫られるなか、中国は着々と軍事力強化を進めている。

 今月16日、国防総省は中国の軍事動向に関する年次報告書を発表。2009年の実際の国防関連費は、中国政府が発表した予算案のほぼ2倍の1500億ドル(約12兆7500億円)と推計した。

 日本の防衛予算は平成22年度予算で約4兆8千億円。その2・6倍もの予算を、中国は国産空母や戦略ミサイル原子力潜水艦(SSBN)の建造に注ぎ込み、太平洋など外洋での作戦能力の向上を目指しているのだ。

 「そのうち東シナ海も南シナ海のように、中国の(領土保全などにかかわる)『核心的利益』になる。米国にとって、中国はもはや『軍拡の懸念』の域を超えた」

 対中外交に携わる外務省幹部は報告書を読んだ後、こうつぶやいた。さらに東シナ海での中国のガス田開発の真の狙いについてこう断言した。

 「海上に構造物を構築し、いずれ既成事実化した上で、太平洋への拠点にしたいと考えている。資源獲得だけが目的ではない」
× × ×

 中国の動きを日本は指をくわえてみているしかないのか。

 自衛隊幹部は「海・空戦力をより一体的に運用する米軍の『統合エアシーバトル構想』に日本が主体的に協力できる余地は多い」と語る。

 その一つが中国海軍の動向の監視だ。哨戒機などによる警戒・監視を強化して、情報収集能力を高める。陸上自衛隊や在沖縄米海兵隊を緊急展開させる高速輸送艦の導入も検討課題だ。陸自と海兵隊の共同対処能力の強化や、集団的自衛権の憲法解釈見直しで抑止力を高めることが必要なことは言うまでもない。

 思いやり予算も抑止力維持の必要経費だが、政府は事業仕分けの対象としたばかりか、平成23年度予算案の編成に当たっては公開の場で予算の優先順位を付ける「政策コンテスト」の対象とする方針だ。日米同盟よりも「財政の論理」の方が重要なのか。

 日米両政府が思いやり予算をめぐる交渉を始めた直後の7月27日、下院軍事委員会の公聴会に出席したアジア・太平洋安全保障問題担当の米国防次官補、ウォレス・グレグソンは事前に提出した書面のなかで、日本に主体的な「関与」を求めた。

 「これ以上の受け入れ国負担(思いやり予算)の削減は潜在的な敵国に、日本が防衛へのかかわりを真剣にとらえていないというサインを送ることになる。日本は防衛予算と受け入れ国負担を増やすべきだ」

 この問いかけに日本はどう答えるのか。(敬称略)

   ◇

 この連載は加納宏幸、半沢尚久、酒井充、尾崎良樹、有元隆志、久保田るり子、ロンドン 木村正人が担当しました。

正論】平和・安全保障研究所理事長 西原正 高圧的軍事大国の挑発に牽制を(産経N)

米中関係がこの5月末以降、急速に緊張の度を増している。日本の政治が内向きになり、外部の世界をまるで見ていないような状況の中で、東アジアの国際情勢は厳しくなりつつある。

 ≪5月以降、米中が非難の応酬≫

 中国は今年1月、オバマ米政権が台湾に武器を供与したことに抗議して、米中間の軍事交流を停止した。5月末北京で開いた第2回米中戦略経済対話では、中国国防部外事弁室副主任の関友飛少将が米国のウィラード太平洋軍司令官やグレッグソン国防次官補らを前に、「米国は覇権行動を繰り返し、戦略的同盟関係を構築して中国を包囲しようとしている」と米国を非難したという。

 6月3日、中国は、予定されたゲーツ米国防長官の訪中を時期尚早として拒絶したのである。

 翌4日始まったシンガポールでのアジア安全保障会議(通称シャングリラ会議)では、公開の場でゲーツ国防長官と馬暁天人民解放軍副参謀長が、対台湾武器供与、南シナ海における中国海軍の活動などに関して相当に強い言葉で議論を交わす場面があった。

 ついで中国は6月30日から1週間、黄海で大演習を実施した。これは、報道された米原子力空母ジョージ・ワシントンの黄海入りを「他人の玄関先に踏み込む行為」と牽制(けんせい)したものであった。

 これに対し7月23日のハノイでのASEAN(東南アジア諸国連合)地域フォーラム(ARF)でクリントン米国務長官は、「南シナ海での航行の自由は国益に合致する」と、周辺関係国による多国間の紛争解決を支持する旨を述べた。出席していた中国の楊潔●外相は意表を突かれて猛反発をしたといわれる。

 ≪画期的な「越」との合同演習≫

 この米中対立の原因はいうまでもなく中国海軍の覇権的行動である。増大した経済力に後押しされ中国は、米海軍が自国の排他的経済水域(EEZ)に入るのを阻止する戦略をとり始めた。2月に米国防総省が発表した『4年ごとの国防計画見直し』(QDR)、8月16日に発表された中国の軍事動向に関する年次報告書でも、東シナ海、南シナ海での「接近阻止能力の向上」に言及した。

 米国もこれに対応する行動に出ている。8月5日、国防総省は数カ月以内に空母ジョージ・ワシントンが黄海での米韓合同演習に参加するとの方針を明らかにした。これは7月初旬、中国海軍が黄海で大規模軍事演習を行ったことへの対抗措置であった。黄海における米中の対立は韓国哨戒艦「天安」の爆沈をめぐる米韓対中国の亀裂を一層深刻にしている。今後の北朝鮮をめぐる6カ国協議の運営にも悪影響を与えそうだ。

 米側の行動はそれにとどまらない。8月初め、南シナ海でベトナムとの初めての合同海軍演習を1週間実施した。かつての敵国同士が合同演習するというのは画期的なことであった。そして、8月8日、遠巻きに中国艦船が監視するなか、南シナ海の西沙諸島周辺に停泊中の米空母がベトナム軍高官を艦上に招いたのである。10日にはベトナム中部のダナン港に米駆逐艦が入港した。これらも、7月26日から中国海軍が大規模の実弾演習を南シナ海で行ったことへの対抗であった。

 ≪尖閣や東京湾近くも要警戒≫

 中国はここ数年、対外的に自己主張を強める「富国強兵」国に変貌(へんぼう)した。2008年夏に北京五輪を開催し、同年秋のリーマンショックを早期に克服した。その勢いをかって昨年4月、人民解放軍海軍の創立60周年、10月の建国60周年記念行事を開催、さらに開催中の上海万博と、民族意識の高揚行事を展開している。現在の米中間の新しい緊張はこうした中国の民族高揚の中で起きている。

 日本も4月に、10隻の中国艦隊が沖縄本島・宮古島間の宮古海峡を通って太平洋へ入り沖ノ鳥島周辺に航行、海上自衛隊の艦船に中国ヘリが異常接近する嫌がらせを受けている。米中の海軍は現在のところ、黄海と南シナ海で勢力圏争いをしているが、近い将来、それが東シナ海に拡大する可能性は大きい。

 中国が琉球列島以西を「核心的利益」と宣言して尖閣諸島を占拠することや、尖閣諸島の周辺で大規模な軍事演習をすることを予測しておくべきである。また米空母の黄海での演習に対抗して、中国が東京湾近くの公海で演習をすることも考えられる。

 中国がいよいよ高圧的な軍事大国として動き出した。これに対して日本が来年度の防衛費1割カットに象徴される弱腰では、中国にも、また米国やアジア諸国にもバカにされるだけである。年末に策定される新防衛大綱は、日本のシーレーンへの脅威を直視したものであるべきだ。中国に対し有利な勢力均衡を維持するための日米韓の連携、日米越の連携などが必要である。同時に、米第7艦隊の行動を強力に支援し、韓国やベトナムのように中国に対抗する米国との海軍合同演習を東シナ海で行うことも検討すべきだ。これは挑発ではない。中国の挑発への牽制である。(にしはら まさし)

陸自援助隊第一陣 パキスタン到着

大雨による洪水の被害が続くパキスタンで物資の輸送などに当たる陸上自衛隊の緊急航空援助隊の第1陣50人が、活動拠点となる中部のムルタンに到着し、今週中にも到着するヘリコプターを待って、被災者の支援に当たることにしています。



パキスタンで洪水の被災者の支援に当たる陸上自衛隊の緊急航空援助隊の第1陣50人は、22日、民間の旅客機で中部パンジャブ州のムルタンに到着しました。日本政府は、パキスタン政府の要請を受けて200人規模の部隊の派遣を決め、到着した第1陣は、まず今週中にも到着する多用途ヘリコプター3機の受け入れ態勢を整えることにしています。パキスタンでは、北西部を中心にイスラム過激派によるテロが相次いでいますが、今回の部隊は「国際緊急援助活動」としての派遣のため、武器は携行せず、パキスタン軍が警備を担うことになっています。部隊の指揮を執る石崎敦士隊長は「安全に留意しつつ、持てるかぎりの力を発揮し、パキスタンの被災者の方々に笑顔が戻るよう、努力していきたい」と話していました。パキスタンの洪水では、これまでに1500人以上が死亡、被災者は1500万人を超えており、自衛隊の部隊は、早ければ今週後半からおよそ1か月間、ヘリコプターを使って、被災者や救援物資の輸送に当たることになっています。

【同盟弱体化】第4部(上) 次期戦闘機選定めぐり、日米にすきま風(産経N)

東京・永田町の衆院第2議員会館にある民主党防衛部門会議座長、神(じん)風(ぷう)英男の部屋を米軍制服組トップの統合参謀本部議長を務めたリチャード・マイヤーズが訪ねたのは17日のことだ。話題は航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の機種選定についてだった。

 神風「ゲーツ国防長官が辞任するそうだが、そうなるとF22を調達できるか」

 マイヤーズ「F22は調達中止になっており難しい」

 神風「F35はいつ導入できるのか。F35の話に乗っていいのか疑問がある」

 昭和46年に導入が始まり老朽化した空自F4戦闘機の後継機となるFXをどの機種にするのか。中国は高性能の第5世代機の開発を進め、7年後の実戦配備を目指す。対抗するためにも早急な決断が迫られるが、見通しは立っていない。

 当初、日本政府が考えた本命は米空軍の最新鋭戦闘機F22Aラプターだった。だが、米議会は軍事機密を多く搭載しているF22の輸出を認めていない。また、昨年春、バラク・オバマ政権は対テロ戦を重視する国防長官ロバート・ゲーツの主導で、実戦経験のないF22の調達の中止を決めた。当然、日本の調達も困難になった。

 このため、現在、FXの有力候補は米英などが共同開発中のF35ライトニング2、米海軍のFA18E/F、欧州共同開発で英独伊などが採用しているユーロファイターの3機種だ。このうち、最有力はF35だが、開発は遅れている。そこで神風はマイヤーズに、「ユーロファイターという選択肢もあるのではないか」と語った。しかし、空軍出身のマイヤーズはコメントしなかった。

 空自は米国以外から戦闘機を調達したことはない。他国機が話題になること自体が、日米間のすきま風を意味するのだ。
英国南部ハンプシャー州。7月に開かれたファンボロー国際航空ショーでユーロファイターとFA18が展示飛行した。ユーロファイターは爆弾を想定した積載物をほぼ満載した状態で速やかな旋回を披露した。

 機種選定に割って入ろうと、ユーロファイターの販売を担当する英航空防衛機器大手「BAEシステムズ」は売り込みに躍起だ。16日にはアンディー・レイサム副社長が来日し、防衛省や防衛産業の関係者らと接触を重ねた。

 同社の宣伝文句は「ノー・ブラックボックス」。特許使用料を払えば、日本国内でライセンス生産できる。ブラックボックスだらけのF35と差別化を図っているのだ。

 「日米同盟に波風を立てるつもりはないが、日本も米国だけに依存することを望んでいないだろう」

 BAEの広報責任者ピーター・エドワーズは期待をにじませるが、対米交渉に当たる防衛省・自衛隊の当事者たちは消極的だ。内局幹部は打ち明ける。

 「F35導入をめぐる条件闘争として、ユーロファイターへの興味をちらつかせることも憚(はばか)られる」

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐり、日米同盟にすきま風が吹くなかで、米政府内に強まる不満を肌身で感じる日本政府の当事者らは神風のようにユーロファイターという単語を口に出すことにも慎重だ。些(さ)細(さい)な挑発でも米側から三下り半を突きつけられかねないからだ。

   × × ×

 7月末、東京・市谷にある防衛省の会議室。平成23年度予算案の概算要求に向けた背広組(内局)と制服組(自衛隊)の幹部を集めた検討会で、次期主力戦闘機(FX)をめぐり激しい議論が交わされた。
F35戦闘機の新規導入か、F2戦闘機の追加調達か。会議で提示された選択肢は(1)F35の調達費を計上(2)F35導入を見据えつつ調達費計上は見送り、現有するF2戦闘機の追加調達も見送り(3)F2の追加調達費を計上-の3案だった。

 「F2を20機ほど購入し、F35は余裕を持って米政府と交渉すべきだ」

 内局幹部の主張に対し、空自幹部はすぐ反論した。

 「一刻も早くF35導入に動かないと手遅れになる」

 21年度に最初の調達費を計上するはずだった予定から大幅に遅れているFX計画。省内は真っ二つに割れたままだ。

 F35は第5世代機で、ユーロファイターなどは第4世代機。世代間には、レーダーに捕捉されにくいステルス性と状況認識能力で格段の差がある。

 第5世代機は自分の姿をくらまし、敵の戦闘機の位置を把握して情報優位に立つ。最新のコンピューター画面は戦闘局面における最善の策をパイロットに表示する。空自は航空戦力を増強する中国に対抗するため「どんなに第4世代機に手を加えても追いつけない。第5世代機が必要」(幹部)とF35導入を目指す。

 空自は当初「のどから手が出ている」(田母神俊雄前航空幕僚長)とF22にこだわった。その結果、「FX=第5世代機」との錦の御(み)旗(はた)を降ろせなくなり、柔軟な発想も失われた。「第4世代機のFA18に敵の電波を妨害する強力な電子戦機器を搭載すれば、ステルス機と同様に探知されない」(空自OB)といった声は消えていった。

 FXをめぐる検討は近視眼的になりがちでもある。戦闘機は防空システムを構成する一要素にすぎず、F35を導入しても中国のステルス機を探知できない。ステルス機の探知には地上レーダーなどの能力向上が不可欠だが、そうした議論は前面に出てきていない。戦闘機を単体で議論しても意味がないのだ。
内局OBは断じる。

 「中核となる航空防衛戦略が欠落しているから、視野狭(きょう)窄(さく)に陥る」

   × × ×

 F35は海・空軍と海兵隊で約2400機を導入する米国を筆頭に、共同開発に参加した欧州各国も50~140機の調達を予定。世界の空を3000機以上が飛ぶ次代のグローバル・スタンダード戦闘機だ。

 空自幹部は「米国の同盟国だからといって優先されるわけではない。早い者勝ちだ」として、F35の発注競争に出遅れると、販売が後回しにされると焦燥感を募らせる。

 ただ、この交渉姿勢を疑問視する向きは多い。内局幹部は警告する。

 「F35の導入に焦れば米国に足元をみられ、高値づかみをさせられる」

 戦闘機は量産態勢に入る前の初期段階が最も価格が高いうえ、性能が安定していないため故障も多い。故障すると米側が修理し、修理代金を支払わされ、データも収集される。

 「米側はデータを性能向上に利用し、米軍用には価格が安くなり、性能も安定した機体を買う」(内局幹部)

 同盟国とはいえ、これがシビアな現実なのだ。
一方、内局側もFX候補としてF35が最有力であるという見解に異論はない。ただ、既存機のF2の追加調達を唱えるのは、国内の戦闘機生産・技術基盤を維持するためだ。契約済みのF2の最終号機が23年9月に納入されれば、生産ラインは止まる。下請け企業は撤退し、熟練工も消えていく。昭和30年にF86戦闘機のライセンス生産を開始して以降、間断なく続いてきた戦闘機生産が途絶え、「国内で戦闘機を造る基盤を失う」(内局幹部)と危機感は強い。

 「迷走から抜け出すカギは、FXとF2の追加調達を切り離すことにある」

 内局OBは、FXについてはF35の導入に向けて調査を進めつつ、防衛力整備と生産・技術基盤の維持を両立する観点からF2の追加調達も提言する。

 FXの選定は日米同盟、防衛産業の存亡も含めた航空防衛戦略として「鳥の目」で俯(ふ)瞰(かん)することが求められている。本来、日本がどう主体性を発揮していくかという安全保障戦略を描いてこそ、航空防衛戦略とその一角をなすFXの機種選定をめぐる答えも導き出される。

     ◇

 東シナ海で米中両国の勢力圏争いが激しさを増すなかで、日米の共同対処能力が試され、役割分担の見直しは喫緊の課題だ。防衛計画大綱の年内策定も控えているが、主体性のない迷走が続く。日本の防衛の現状を検証する。(敬称略)

りゅう弾砲訓練を再開 陸自・大分の日出生台演習場(産経N)

陸上自衛隊西部方面隊は21日、日出生台演習場(大分県玖珠町、由布市など)で、平成20年5月に砲弾の破片が県道に落ちて以来、中止していた203ミリりゅう弾砲の射撃訓練を再開した。

 訓練は22日まで2日間。再開初日は、陸自西部方面特科隊が午前8時15分ごろから夜にかけて約240発を発射。2日目は約110発の予定だ。

 20年5月の訓練では、演習場内を通る玖珠町の県道409号で弾の破片(縦約4センチ、横約9センチ)が見つかった。その後の調査で、訓練の際に破片が飛ぶ恐れがあるため立ち入りを禁止する「危険区域」に、本来は避けるべき県道が含まれていたことが分かった。

 陸自西部方面総監部によると、訓練再開に当たり新たな射撃区域を設定。着弾範囲を従来よりも狭めることで危険区域から県道を除外するなどして安全確保したという。

自衛隊ヘリ部隊に派遣命令…パキスタン洪水(讀賣N)

北沢防衛相は20日、深刻な洪水被害に見舞われたパキスタンを支援するため、国際緊急援助隊派遣法に基づき、自衛隊のヘリコプター部隊に派遣命令を出した。


 ヘリの輸送や後方支援にあたる部隊も含め、計500人規模となる。第1陣約50人が21日午前、福岡空港から民間機で出国し、現地で受け入れ準備に当たる。

 現地の活動には、陸上自衛隊の多用途ヘリUH1と大型輸送ヘリCH47を3機ずつ使う。

 活動は、パキスタン中部パンジャブ州ムルタンのパキスタン軍航空基地を拠点に、半径約200キロ・メートルの範囲で、救援物資の輸送や負傷者の搬送などを行う予定。派遣期間は約1か月を想定している。防衛省はムルタンの治安状況について「比較的安定している。現時点で、差し迫った脅威の情報はない」としている。

(2010年8月20日20時15分 読売新聞)

【主張】首相・幕僚長会合 安保戦略構築につなげよ(産経N)

菅直人首相が自衛隊の統合・陸海空4幕僚長を呼んで意見交換を行い、民主党政権では初めての制服組トップとの協議となった。

 中国の軍事力増強など日本を取り巻く安全保障環境が急速に悪化している。日本の安全に責任を負う最高指導者が専門家の意見を聴くのは重要かつ当たり前であり、むしろ遅きに失したといえる。

 問題は、意見交換で得た知識や情報を実際の防衛政策や防衛力整備にいかに生かしていくかだ。首相は意見交換を今後も続けるというが、それにとどまらず、安倍晋三政権下で打ち出された日本版国家安全保障会議(NSC)構想など、国家の安全保障戦略を構築する枠組みを具体化すべきだ。

 民主党は確立された安全保障政策がないと批判され、政権交代後も党内で徹底論議することなく現在に至っている。専門家の知識を生かさず、在日米軍の抑止力の重要性に関する認識が不十分なために、鳩山由紀夫前政権は普天間飛行場の県外移設論に固執したといえる。その結果、日米同盟関係を悪化させ、国益を大きく損なったことを深く反省すべきだろう。

 首相は「現場の最高幹部と頻繁にこういう機会を持つことは非常に有意義だ」と述べたが、今年末に策定する新たな防衛計画大綱や次期中期防衛力整備計画に結び付けていくことが政治の責任だ。

 NSC構想は安倍政権を引き継いだ福田康夫政権で見送られた。政治主導で一元的な外交・安保政策を進める枠組みが必要だ。首相官邸に制服組OBの補佐官を常駐させることも検討していい。

 制服組トップとの意見交換は、自民党政権下で橋本龍太郎元首相が熱心だった例があるが、定着したものではない。政治による文民統制とは異質な内局官僚(背広組)の「文官統制」がまかり通り、自衛隊の運用を含む基本方針の策定などから制服組が遠ざけられてきたことも背景にある。

 今回、菅首相が協議の冒頭で「改めて法律を調べたら自衛隊に対する最高の指揮監督権を有していた」と述べたことには驚く。

 制服組側は「冗談で言ったのだろう」と説明したが、国の守りに関する基本的な知識に欠けていると受け取られかねない。国民の安全に責任を負う首相の言動が、いかに注視されているかという自覚を持ってもらいたい。

首相、4幕僚長と初面談 「弱点」安保で右往左往 石破元防衛相の指摘に過敏反応 安保懇の報告書は宙づり (産経N)

菅直人首相が「弱点」の安全保障政策をめぐり右往左往している。19日には自衛隊の統合・陸海空4幕僚長と首相官邸で初めて意見交換したが、“勉強不足”をかえって露呈してしまった。年末に改定する「防衛計画の大綱」のたたき台として現実路線の提言を打ち出した諮問機関の報告書も宙づりのまま。米軍普天間飛行場(沖縄県宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)の移設問題で自滅した鳩山由紀夫前首相と同じく安保政策が政権のネックとなりつつある。(半沢尚久)

 「改めて法律を調べたら自衛隊に対する最高の指揮監督権を有していた…」

 首相は4幕僚長との会合の冒頭にこう発言した。折木良一統合幕僚長は「冗談だと思う」とフォローしたが、首相は「予習したら防衛相は自衛官ではないんだそうですね」とも述べており、最高指揮官としての自覚欠如は否めない。

 会合のきっかけは今月2日の衆院予算委員会だった。安保通で知られる自民党の石破茂政調会長に「制服組から意見を聞いたのか」と問い詰められ、首相は「機会を見つけて話を聞きたい」と明言した。2週間余りで“公約”は実現されたが、自民党議員は「軍事のプロに耳を傾ける必要性など考えていなかったのだろう」と冷ややかだ。

 石破氏は防衛大綱改定を念頭に「基盤的防衛力構想」に代わる新たな概念を採用する考えがあるかどうかもただした。これは必要最小限の防衛力を保有すべきだとする東西冷戦期の構想で、首相の諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」は報告書案で「有効ではない」と明記している。
ところが、首相は「(構想を)ある程度理解できた。(構想を維持すべきだという)立場の人の意見も聞きたい」と答弁した。これでは、基盤的防衛力構想に関して、報告書案をそのまま受け入れるつもりはないと明言したに等しい。plc1008192247017-n1.jpg


 報告書案は、ほかにも安保政策の抜本転換を促す提言をふんだんに盛り込んだが、ことごとく首相の主張と開きがある。

 たとえば、報告書案は集団的自衛権をめぐる憲法解釈を「柔軟に変える必要がある」と指摘。非核三原則も、米国の「核の傘」の重要性に触れた上で、三原則のうち「持ち込ませず」の見直しを促している。

 ところが、首相は集団的自衛権の解釈を「変える予定はない」と明言した。非核三原則に関しては厳格化に向け、法制化を検討する考えを示唆している。

 報告書案提出は6日に予定されていたが、大幅に遅れている。「首相のスタンスと異なり、官邸が扱いに困っている」(政府筋)ようだが、このままでは安保問題への首相の不勉強と無関心をますます世間にさらすことになりかねない。

<パキスタン洪水>自衛隊、海外派遣の方針 300人規模(毎日N)

 パキスタン北西部で起きた洪水災害を受け、政府は自衛隊のヘリコプター部隊を国際緊急援助隊として派遣する方針を固め、北沢俊美防衛相が近く準備指示を出すことが分かった。派遣部隊は300人規模に上る見通しで、物資輸送や被災者救助などを行う。洪水災害救援で自衛隊の海外派遣は初めて。

 パキスタンからは10日、援助物資輸送などのためヘリ派遣の要請が政府にあった。米国政府からも被災状況の説明や同国が救援のためヘリを派遣したことなどが伝えられた。政府は調査団を派遣し「治安状況や現地のニーズなどを踏まえ、派遣できる」と判断。多用途ヘリ・UH1と大型輸送ヘリ・CH47の派遣を想定している。

 パキスタンでは7月下旬から北部で大雨が続き、インダス川流域一帯で洪水が発生。死者は推定2000人を突破、避難民も約1200万人に上る。山岳部などでヘリによる救援活動が必要となっている。【樋岡徹也】

自衛隊が離島奪還訓練、南西諸島想定し12月(讀賣N)

 防衛省が今年12月、新たに策定した沖縄・南西諸島の防衛警備計画に基づき、陸海空自衛隊による初の本格的な離島奪回訓練を、大分・日(ひ)出生(じゅう)台(だい)演習場などで実施することが、18日、明らかになった。


 東シナ海における中国海軍の勢力拡大をけん制するのが狙いとみられる。訓練は日米共同統合演習の一環として行われ、米海軍第7艦隊が支援する。

 訓練は、青色(味方)軍と赤色(敵)軍に分かれ、大分県内の陸上自衛隊日出生台演習場の一部を離島に見立てて行われる。

 まず、赤色軍が自衛隊の配備されていない離島に上陸、占拠し、島内に対空ミサイルなどを備え付けるとともに、周辺海域に海軍艦艇を集結させているという状況から始まる。

 すぐさま防衛出動が発令され、防衛省は、対地、対艦攻撃能力の高い空自F2戦闘機と海自P3C哨戒機を出動させる。赤色軍の対空兵器を弱体化させるとともに、陸自空挺(くうてい)団員など約250人が乗り込んだ8機の空自C130輸送機が、空自F15戦闘機の護衛を受けながら離島に接近する。空挺団員らは次々にパラシュートで降下し、海空自の援護射撃を受けながら赤色軍を制圧、島を奪い返すというシナリオだ。

 訓練は同演習場のほか、沖縄・南西諸島周辺の訓練海域も使って行われる。

 これまで防衛省は、周辺国への政治的な配慮などから、離島を想定した大規模な訓練を控えてきた。だが今年3、4月の2度にわたって、中国海軍の艦隊が同諸島の周辺海域で大がかりな訓練や挑発行動を繰り返すなど、ここ数年、中国海空軍の活動は活発化しており、日本にとって相当な脅威となってきていた。

 防衛省幹部は「中国に対し、日本は南西諸島を守りきる意思と能力があることを示す。それが抑止力となる」と訓練の目的を説明する。同省は訓練の一部を公開する予定という。

(2010年8月19日03時05分 読売新聞)

陸自、県道を危険区域から外す 破片落下事故受けて(産経N)

陸上自衛隊日出生台演習場(大分県由布市など)で平成20年、射撃訓練中に203ミリりゅう弾砲の破片が県道に落ちた事故を受け、陸自西部方面特科隊は18日、県道を破片が飛ぶ恐れのある「危険区域」から外して新しい射撃区域を設定したと、地元住民らに説明した。

 住民に示した新しい射撃区域図では、着弾範囲を従来より狭めることによって、県道が危険区域に含まれないようにした。同隊は事故以降中止していたりゅう弾砲による訓練を21日に再開する方針を明らかにしている。

 ただ、同隊はこの日の説明で、事故を起こした砲弾の着弾地点を不明としており、市民団体「ローカルネット大分・日出生台」の浦田龍次事務局長は「着弾地点が分からないのに危険区域が把握できるのか。納得できる説明をしてもらうよう要請する」と話している。

中国軍の外洋展開能力増強に懸念…米国防総省(讀賣N)

【ワシントン=小川聡】米国防総省は16日、2010年版の「中国の軍事力と安全保障の進展に関する年次報告書」を米議会に提出、公表した。


 中国指導部が台湾に加え、東シナ海や南シナ海での国益確保を「新たな歴史的使命」に据えたと指摘したうえで、中国軍の外洋展開能力の増強が「外交的利益の獲得や、(領土)紛争の有利な解決のための軍事的威圧」に使われる可能性に懸念を示した。

 報告書は、「中国軍は東シナ海や南シナ海の懸念に対処するための新たな能力を獲得しようとしている」とし、南シナ海については、原子力潜水艦の母港となるとみられる海南島の新基地の建設をほぼ終えたとした。さらに、空母建造が今年末までに始まる可能性があり、10年以内に複数の空母の運用が実現すると分析した。日中間の尖閣諸島領有権問題やガス田問題にも言及した。

 その上で、「こうした傾向は、東アジアの軍事バランスを変える主要な要因だ」と記している。

 一方、報告書は、航行中の米空母を中国本土から攻撃できる射程1500キロ・メートルの対艦弾道ミサイルや新型潜水艦の開発・配備を進め、台湾有事の際に米国の支援を阻止する「接近拒否戦略」を強化しているとした。対艦弾道ミサイルの配備時期について、国防総省高官は「まだ時間が必要だ」と述べている。

 報告書の名称は、昨年までの「中国の軍事力に関する年次報告書」から変更された。

(2010年8月17日15時24分 読売新聞)

首相 自衛隊幹部と初の会談へ(NHK)

菅総理大臣は、19日、去年の政権交代後初めて、自衛隊幹部を総理大臣官邸に呼んで、直接、北朝鮮情勢などについて軍事的な観点から意見を聞くことにしており、安全保障問題に積極的に取り組む政権の姿勢を内外にアピールするねらいもあるものとみられます。

菅総理大臣は、19日、総理大臣官邸に、自衛隊の折木統合幕僚長や火箱陸上幕僚長、杉本海上幕僚長、それに外薗航空幕僚長らを呼んで、日本を取り巻く安全保障環境について、軍事的な観点から直接意見を聞くことになりました。去年秋の政権交代以降、総理大臣が、自衛隊の幹部から直接意見を聞くのは初めてのことで、菅総理大臣としては、核兵器の開発や弾道ミサイルの配備を進める北朝鮮や、急速に海軍力と空軍力を増強して日本近海で活動を活発化させている中国人民解放軍の動向などについて、詳しく報告を受けたい意向です。民主党をめぐっては、安全保障政策で見解が一致していないなどとの指摘もあり、菅総理大臣としては、自衛隊幹部との意見交換を通して、安全保障問題に積極的に取り組む政権の姿勢を内外にアピールするねらいもあるものとみられます。

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