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中国原潜、第1列島線突破 日米警戒網の穴を突く 宮古-与那国間を通過か(産経N)

中国海軍の原子力潜水艦が昨年2月ごろ、九州-台湾-フィリピンを結ぶ第1列島線を突破していたことが分かった。複数の政府筋が30日までに明らかにした。沖縄県の宮古島、与那国島間を通過したとみられる。警戒網の穴を突かれたことに日米両政府は強い衝撃を受け、中国潜水艦の監視網を強化。「防衛計画の大綱」で潜水艦増隻や島嶼(とうしょ)防衛強化に踏み切る転機にもなった。

 第1列島線を突破した原潜は、平成16年にグアム島からの帰路に日本領海を侵犯した際と同型の「漢(ハン)級」だった可能性が高い。16年は出港時から米国衛星などが探知し、米原潜や海上自衛隊のP3Cが継続して監視しており、ノーマークで突破されたのは初めて。

 東シナ海での中国の潜水艦探知・追尾のオペレーションで、海自は複数の艦艇を配置。加えてP3C哨戒機を飛行させ、周辺海域を隙間なく監視できる態勢をとる。ところが、昨年2月ごろは原油高騰の影響もあり、海自はP3Cの飛行回数を抑え、監視ポイントも減らしていた。

 中国側は偵察活動により艦艇とP3Cの監視位置を把握した上で監視網の穴を見つけ、原潜に第1列島線を突破させたとみられる。
原潜は中国・青島(チンタオ)から出港したとみられるが、グアム島近傍に進出するまで探知されなかった。宮古-与那国島間の海域は遠浅で大型原潜の潜航には適さないことから、今回の突破により、中国海軍が海洋調査により海底地形を熟知していることが裏付けられた。静粛性を高めるなど能力を向上させた可能性も大きい。

 第1列島線の突破を知り、海自は即座にP3Cの監視を増強。米側も原潜のスクリュー音などを収集するため音響測定艦「インペッカブル」を投入した。

 ところが、昨年3月にはインペッカブルが海南島沖で中国船舶に包囲される事件が起きた。海南島沖では中国海軍が潜水艦の地下格納施設建設を進めており、インペッカブルのソナーを外そうとするなど激しく妨害、米中間の緊張が一気に高まった。

 第1列島線は中国海軍が有事の対米防衛ラインとして設定した。2010年までに第1列島線内の制海権を確保し、2020年までに伊豆諸島-グアム、サイパンを結ぶ第2列島線までの防衛ライン拡大を狙う。中国は沖縄本島~宮古島間の海域を押さえ、宮古島以西の日本領土分断を狙うとの指摘もある。
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自民が安保改定を検討 双務的な日米同盟へ 在日米軍基地の提供義務は削除の方向(産経N)

自民党は、相互防衛義務を負わない代償に基地提供義務を負う現行の日米安全保障条約の片務性を解消するため、政権復帰後に安保条約改定を米国に提起する方針を固めた。複数の党関係者が30日までに明らかにした。「双務的な日米同盟」を目指し、集団的自衛権の行使を前提に日米双方が太平洋地域で共同防衛義務を負う一方、在日米軍基地の提供義務を条約から削除する方向で検討する。

 自民党は夏の参院選マニフェスト(政権公約)で「集団的自衛権に正面から取り組む」として、集団的自衛権行使を可能とし、安保条約の実効性を強化するための「安全保障基本法の制定」を明記した。石破茂政調会長は平成18年12月、党国防部会防衛政策検討小委員会委員長として基本法の私案を策定。この中で集団的自衛権行使の条件を「わが国と密接な関係にある他国に対する急迫不正の武力攻撃が発生した場合」と規定した。

 だが、集団的自衛権を行使できれば、安保条約の共同防衛範囲を、日本の個別的自衛権だけで対応できる「日本国の施政の下における、いずれか一方に対する武力攻撃」(第5条)に限定する必要はなくなる。
このため、自民党は条約対象地域を拡大し、日米双方が同等の防衛義務を負う条約への改定を目指すことにした。

 改定安保条約の素案では、条約対象地域を「太平洋地域」と規定。日米双方の領土に加え、「管轄下にある諸島」や域内の部隊、艦船、航空機に対する攻撃も共同防衛の対象とした。

 また、米軍への施設・区域の提供義務を定めた現行第6条を削除し、在日米軍基地は政策的判断により別途定める駐留協定に根拠を求める。さらに条約実施上の課題を協議するため、担当閣僚による理事会を常設するとしている。今後は対象を「太平洋地域」に限定するかどうかなどについて議論を進める。

 ただ、安保改定の提起は衆院選マニフェストには盛り込まない方針。自民党政調幹部は「相手国のある外交・安全保障政策を選挙で先に提示するのは適切ではない」と説明している。

中国・北朝鮮を監視…無人偵察機の導入検討(讀賣N)

防衛省は29日、無人偵察機の導入の可否を判断するため、2011年度から本格的な調査・研究に着手する方針を固めた。

 最新鋭の高高度無人偵察機「グローバルホーク(GH)」を活用する米軍に自衛隊幹部らを派遣して、運用や維持・整備の現状などを調べる。日本周辺海域で活動を活発化させる中国海軍の動向や朝鮮半島の警戒・監視活動の強化を目指すもので、費用対効果なども含め、導入を視野に検討する。

 無人機は、滞空時間の長さなどの利点があることに加え、紛争地域で犠牲者が出ないため、米軍、英軍などがすでにイラクなどで積極活用している。ドイツ軍も近く導入予定だ。

 日本政府も、17日に閣議決定した11年度以降の次期中期防衛力整備計画(中期防)で、「無人機を含む新たな各種技術動向等を踏まえ、広域における総合的な警戒監視態勢の在り方について検討する」と明記した。防衛省は計画最終年度の15年度までに導入の可否を判断する方針だ。

 米空軍のGHは、全長約14・5メートル、翼幅約40メートルの軍用機で、自衛隊にとってこれほど規模の大きな無人機導入は初めてとなる。センサー類を除く機体本体は1機約25億円。防衛省幹部によると、日本全域の警戒・監視のカバーには3機が必要だという。司令部機能を持つ地上施設の整備などを行うと、「初期費用の総額は数百億円に上る」(防衛省幹部)といい、予算面の検討が課題となっている。防衛省筋によると、無人のため、配備後の費用は漸減していくという。

 無人機導入をめぐっては、自衛隊内で人員削減を警戒する向きもある。現在、日本周辺の警戒・監視活動は有人機の海上自衛隊P3C哨戒機などが行っているが、「無人機になればその分、操縦やシステム運用の人員が減らされるのではないか」(空自関係者)との見方があるためだ。

 ◆無人偵察機=要員が乗らない偵察機。米空軍の最新鋭のグローバルホークの場合、旅客機の巡航高度よりはるかに高い上空約1万8000メートルを飛び、高性能センサーやレーダーで最大半径約550キロ・メートルの偵察・監視を行える。

 乗員交代が不要なため、30時間以上滞空でき、1回の任務で幅広い地域をカバーできる。今年1月のハイチ大地震では、被害状況の把握などでも活躍した。

(2010年12月30日03時04分 読売新聞)

「普天間」県外移設、沖縄知事が訪米し協議へ(讀賣N)

沖縄県の仲井真弘多知事は28日、記者会見し、来年3月末までに訪米し、自らが公約に掲げる米軍普天間飛行場の県外移設の実現へ向けて米政府関係者と直接協議する意向を明らかにした。


 近く米側と協議相手や日程の調整に入るという。

 知事は「(沖縄県名護市辺野古への移設は)日米両政府が決めたこと、と言われると話が止まってしまう。いろいろな方法でアプローチしなければいけない」と述べた。

 また、前原外相が21日に沖縄入りして知事と会談した際、普天間の継続使用の可能性に言及したことに対し、「(政府は)普天間の返還をどうやるかを(まず)考えないといけない。固定化の話が少しでも出ることは退廃の極みで、行政の責任者が言ってはいけない」と批判した。

(2010年12月28日21時36分 読売新聞)

【久保田るり子の外交ウオッチ】朝鮮半島、次の警戒は「ゲリコマ奇襲」、日本は大丈夫なのか?(産経N)

北朝鮮の延坪砲撃で高まった朝鮮半島の緊張は、事件後1カ月余りの現在も薄らぐ様子はみえない。予測のつかない北朝鮮の行動で次に懸念されるのは「ゲリコマ」ことゲリラ&コマンド、特殊部隊による破壊工作だ。現在の在韓米軍、在日米軍の対北情報監視体制(5段階、ウオッチコンディション)は「2」で戦時に次ぐ警戒態勢にある。だが年末も、日本の内政は小沢問題に明け暮れている。菅直人政権、政府が守るべきは民主党なのか? 菅首相、有事対応をどう考える?(久保田るり子)


日米韓連携のデリケートな温度差

 「いま日米韓は非常にいい状態。韓国の軍事演習についての日韓情報交換も刻々と日本政府に入っている」(外交筋)

 韓国は、事件後1カ月を期して海兵隊による射撃訓練(12月20日)、海軍による対潜水艦攻撃訓練(22-25日)、陸軍空軍による実弾射撃訓練(23日)と連日にわたる大規模演習を行っい、年の瀬も警戒態勢が続く。その訓練内容や開始時間など詳しい情報は逐一、日本に通知されているという。

 今春の哨戒艦天安撃沈事件に続く延坪砲撃事件で、韓国は国連安保理はじめ国際世論形成での日本の協力の重要性を強く意識しているためだ。一方で米国は、韓国の過度な対北反応に、若干の憂慮も持っているようだ。
オバマ米大統領の指令を受け12月8日、訪韓したマイク・マレン米統合参謀本部議長は、韓国の合同参謀本部議長と会談し、「韓国の領土防衛は正当だ。米国は支援を惜しまない」と米韓同盟を強調した。しかし、米関係者によるとこの訪韓の最大の目的は、「韓国軍が北朝鮮の挑発に過大に反応しないかどうかの米国は憂慮を伝えることだった」という。

 韓国世論が韓国軍の北朝鮮砲撃応戦に不満を持った結果、韓国軍の信頼が一気失墜。現状では過剰なまでの防衛体制を内外に強調せざるをえない。偶発的な衝突を招きかねない状況を、「米国はかなり深刻に受け止めている」(同)

 日米韓は、法的にも政治的にも難しい「3角同盟」を模索するのか。

 12月3日から10日まで行われた過去最大の日米共同統合演習(日米で45000人参加)には、史上はじめて韓国軍がオブザーバー参加。天安事件後は7月の米韓合同軍事演習に、日本の海上自衛隊が史上初のオブザーバー参加した。

 いずれも米国の意向だった。オブザーバー参加した日韓の制服組はともに数人のレベルに過ぎないが、米韓軍当局、防衛当局は高く評価した。朝鮮半島有事が現実化するなか、ようやく踏み越えた一線。「米韓合同軍事演習に特に日本の参加を望む」(マレン議長)と明言する米国の危機感の表れでもある。

 日米韓の連携は特に日韓関係でデリケートにならざるをえない。それぞれの歴史的経緯に配慮した用心深いプロセスが必要だ。しかし、事態の緊急性から速やかな進展が望ましい。

 そんななか、唐突で無神経な言葉が米韓、そして日本国民を吃驚させた。

「ハイ、この政権おしまい!」

 菅首相は無造作に言った。

 「朝鮮半島有事の際、日本人拉致被害者を救出するために自衛隊が直接出動し行動できるルールを議論したい。いまいくつか議論をすすめている…」

 専門家は「ありうべき武力の行使を予想して、紛争地に武装した自衛隊を送るなどということが、わが国の憲法解釈でできるわけがない。普通なら『はい、この政権終わり!』ですよ。だいたい、どこにいるかも特定できていない拉致被害者をどうやって救出するんですか」とあきれ顔だ。

 10日、日本人拉致被害者らの問題を考えるシンポジウムで述べた菅発言は、当然、各方面にハレーションを起こした。(拉致被害者への人気取りと批判された菅首相は翌日、救出対象を「韓国にいる在韓日本人」と言い換えた)

 韓国政府当局者はメディアに「(韓国に)提起もされたことはない」「自衛隊派兵などとうてい受け入れ難い」「不適切な失言だ」と一蹴(いっしゅう)。韓国メディアは「有事の邦人救出」という主旨を無視して「日本の菅首相、有事に自衛隊派遣を明言」とセンセーショナルに報道。韓国の有力紙は、「日本メディアも『憲法違反、自衛隊法違反』などと批判」と冷笑的に扱った。


実は「問題の本質」なのだ… 

 「自衛隊派遣」発言は結局、仙谷由人官房長官にも「そんな事実はない」と否定され、「失言レベル」で雲散霧消した。首相の言葉が、これほど軽く扱われ、国内政治のでも無視されたことに自身、平然とできる総理大臣が過去、存在しただろうか。
しかし実は、菅直人総理の「自衛隊派遣」発言は、朝鮮半島有事の日本の課題の本質である。

 有事となれば、在韓邦人2万8000人と旅行者あわせ、韓国で約4万人の日本人が危険にさらされることになる。北朝鮮の日本人拉致被害者の所在確認、救出方法が困難に直面するのはいうまでもない。

 日米韓で共同の作戦行動を検討できるかどうかには、いくつかの高いハードルがある。韓国が、日本の自衛隊と共同作戦行動することを国内の政治レベルや世論でどう判断するのか。日本は、朝鮮半島有事で問われる憲法問題、集団的自衛権問題などの法的問題はどう解決するのか。

 本来なら、政権のひとつやふたつかけて議論すべき喫緊の課題。米韓は年明けもまた軍事演習を行う。しかし、翻って日本で「首相の失言」が顧みられる気配はない。2010年師走の日本政治の縮図である。

北方領土、複数の露閣僚が「来年始め」に訪問(讀賣N)

【モスクワ=貞広貴志】タス通信によると、北方領土を事実上、管轄するロシア・サハリン州のアレクサンドル・ホロシャビン知事は27日、国防相や運輸相など複数のロシア政府の閣僚が「来年の初め」に北方領土をそろって訪問することを明らかにした。


 知事は、メドベージェフ大統領による11月の北方領土訪問で「社会資本整備に弾みがついた」と語っており、ロシアが日本との領土問題の解決を待たずに独自開発を進め、支配を固める戦略が一層明確になった。

 メドベージェフ大統領は、24日のテレビのインタビューで北方領土について「島民たちが人間的に暮らせるよう、あらゆる必要な措置をとる」と強調。「他にも(政権幹部が)訪問することになる」と述べていた。

(2010年12月27日20時20分 読売新聞)

韓国大統領「戦争恐れては、戦争防げない」(讀賣N)

【ソウル=竹腰雅彦】韓国の李明博(イミョンバク)大統領は27日のラジオ演説で、北朝鮮による11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃に関連し、「戦争を恐れていては戦争を防ぐことは決してできない」と発言。北朝鮮の新たな軍事挑発に対しては断固として軍事的な対応を取るとの立場を強調した。


 大統領は、延坪島砲撃を機に、「韓国は、北朝鮮の軍事挑発に強力に対応することだけが戦争を抑止し、平和を守れるという事実をはっきりと悟った」と指摘。韓国軍は「北朝鮮の攻撃を受ければ、容赦なく対応せねばならない」と語って北朝鮮をけん制した。

(2010年12月27日20時32分 読売新聞)

【正論】帝京大学教授・志方俊之 「動的防衛力」は総額抑制の方便(産経N)

民主党政権下初の「防衛計画の大綱(以下、防衛大綱)」と「中期防衛力整備計画(以下、中期防)」は、激変する一連の戦略環境の中で立案され、最終的に安全保障会議と閣議で決定された。

 尖閣諸島沖の中国漁船衝突、ロシア大統領による北方領土訪問、北朝鮮による韓国砲撃と対抗して行われた米韓合同演習、最大規模となった日米共同統合演習とそれを妨害したロシア機の闖入(ちんにゅう)など、騒然とした中で、大綱と中期防の立案作業は最終段階を迎えた。

 同じ時期、国連安全保障理事会は、北朝鮮の核開発阻止をめぐり日米韓と中露の間の意見が折り合わず、「声明」さえ採択できない状況に立ち至った。東西冷戦時代にもなかったような、東アジアの現下の厳しい戦略環境である。

 ◆評価二分の大綱、中期防

 それだけに、今回の大綱、中期防発表は内外の注目するところとなった。評価は二分している。

 一つは、こんな難局に直面して練られた防衛戦略にしては、なお危機感不足で、法整備を含む具体化策が掛け声に終始しているという見方である。民主党政権は、冷戦終結後続いてきた防衛力の低下(これは自民党政権の責任)を、少なくともストップすべき役を振られていたにもかかわらず、中期防の予算枠も削減して、南西諸島上空を飛ぶ無人偵察機の導入さえ組み込むことができなかった。

 もう一つは、民主党が野党時代にマニフェストや政策集で掲げていた空疎な安保・防衛政策を捨て去り、現実的な責任政党としての自覚を曲がりなりにも持ち得たと一応、評価する捉え方である。

 民主党は政権に就いた直後、うれしさのあまり安全保障、防衛分野でも脱自民色を出すべきだと錯覚して、普天間飛行場の移設先は「国外、少なくとも県外」と粋がってしまい、それが大きなツケとなってはね返ってきた。だが、大綱、中期防の立案過程で防衛力整備の現実を学び日米同盟の真の意義にも気付き、1年遅れにせよ、何とか、策定にこぎつけた。その学習能力を褒めるべきなのか。

 ◆対中認識などに甘さあり

 ただし、大綱は二つの点において甘い。第一は、安全保障環境の中で、大量破壊兵器と弾道ミサイルや大規模な特殊部隊を保持する北朝鮮の挑発的な軍事行動を挙げたのは当然だとしても、中国に関する認識は生ぬるい。国の文書だから外交的配慮を加えざるを得なかったとしても、だ。急激な高度成長を続ける中国が、国防費を膨張させて軍事力を近代化し、戦力投影能力を強化させるのは大国台頭時の歴史的必然であり、不透明で地域・国際社会の懸念事項とするにとどめたのでは甘すぎる。

 問題は、その大国が党独自の軍隊を持つ独裁政権で、経済・外交・軍事上の国際ルールを真摯(しんし)に守らないことだ。このまま経済規模を拡大し、民主化を躊躇(ちゅうちょ)し、貧富の格差是正に回すべき予算を軍事力増強に注ぎ込めば、国として立ち行かなくなり、軍部独走か人民蜂起のいずれかで自壊する可能性すらあると指摘すべきだった。

 冷戦期にわが国が潜在的脅威とした極東ソ連軍、とりわけ太平洋艦隊はシーレーン(海上交通路)を守る必要がなく、千島列島を抜けて潜水艦を太平洋に展開させ、ベトナムのカムラン湾に細々と前方展開するだけで、事足りた。

 これからの中国は違う。そのうち15億人に達する人口を扶養し経済発展を持続させるのに不可欠なエネルギー資源や食糧を、アフリカや中東から搬入するシーレーンを確保しなければならない。それを国際社会と協調せずに自前で行うため、強大な外洋海軍力を建設するというのが中国の論理だ。

 ◆高速値下げは無人機より大切か

 だが、東南アジア諸国に因果を含めてミャンマーからベンガル湾に出ても、そのころのインド洋には強大になっているであろうインド艦隊が遊弋(ゆうよく)しているはずで、中国もシーレーンは国際的協調下で維持すべきだと気づくだろう。

 それまでは、日米豪が協力、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国も協働し、海洋における「力の均衡」を維持する努力を続けなければならない。防衛力を「北から南西へスイング」する真の理由は、そこにこそあるのである。

 第二の甘さは「動的防衛力」という大綱のキーワードにある。

 政府は予算削減に聖域はないとして、他分野同様、防衛関係費を一律削減するという。陸上自衛隊は地元との関係も考えて全国各地に駐屯しているが、冷戦時代、これらの部隊が固定的に運用されたことはないし、今もそれは変わらない。配置と運用は別物だ。「動的防衛力」という表現は、新しい概念であるかのように装っているだけで、実体は防衛関係費の総額抑制のための方便にすぎない。

 筆者は元自衛官ながら、わが国の財政が危機的状況にあるとは十分承知している。だが、政治家には問いたい。休日に国民が一律千円で高速道路をどこまでも遊びに行けるようにするのに巨費を使うことと、その一部を使って南西諸島の偵察に無人偵察機を導入することとどちらが大切か、と。(しかた としゆき)

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沖縄負担軽減 米政府「ゼロ回答」 応じるのは国道拡幅だけ 普天間決着が条件(産経N)

米軍普天間飛行場(沖縄県宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)移設問題にからむ沖縄の基地負担軽減に関し、米政府が事実上の「ゼロ回答」を伝えてきたことが26日、分かった。複数の政府高官が明らかにした。菅直人首相は普天間移設での地元合意に向け、基地負担削減と沖縄振興策の2つを「切り札」にする考えだっただけに、一層窮地に立たされたといえる。

 日米両政府は10月に負担軽減に関する作業部会を設置し、その後複数回にわたり協議を重ねてきた。

 負担軽減策として返還対象となるのは、沖縄本島の中南部にあり、市街地の多い嘉手納飛行場(嘉手納町など)以南の米軍施設。中でも日本側は、商業団地や物流拠点に近く、返還後の都市整備が期待できる牧(まき)港(みなと)補給地区(浦添市、274ヘクタール)の大規模返還を強く要請してきた。

 ところが、米側が用地返還に応じる方針を示したのは、牧港地区東側を走る国道58号の渋滞緩和に向け、58号を約10メートル拡幅するための用地返還だけ。その上で普天間問題が決着しない限り、抜本的な施設返還には応じない姿勢を鮮明にさせたとされる。
牧港地区は陸・空軍、海兵隊の物資を管理する巨大な倉庫群も抱え、大規模返還を求めるには代替地も必要となる。陸軍であればトリイ通信施設(読谷村など)への倉庫群移設が想定されるが、作業部会ではトリイの収容可能量に関する検討さえも手つかずの状態が続いている。

 返還候補のうち面積が最大のキャンプ瑞(ず)慶(け)覧(らん)(北(ちゃ)谷(たん)町など、642ヘクタール)に関しても、米側は跡地を有効活用できるような土地返還を拒否する構えだ。

 北沢俊美防衛相は省内で作業部会の検討を加速するよう指示したが、米側に応じる様子はない。作業部会の難航を受け、政府は、27日に沖縄県との協議体である沖縄政策協議会の「振興部会」だけを開き、「米軍基地負担軽減部会」の開催は見送られた。首相官邸は防衛省に対し、負担軽減部会を年明けに開催するよう求めているが、「提示する案がない」(政府高官)のが実情だという。

硫黄島遺骨収容、ボランティア公募で作業加速へ(讀賣N)

政府は太平洋戦争末期の激戦地・硫黄島(東京都小笠原村)の遺骨収容事業について、来年度から民間ボランティアを公募する方針を固めた。


 全体が自衛隊敷地の同島は、旧島民の慰霊行事や遺骨収容に参加する遺族を除き、入島が原則禁じられており、公募は事実上の入島制限緩和となる。遺族の高齢化が進んでいることから、若者を中心に作業員を増やすことで作業を加速させたい考えだ。

 来年度予算案では、硫黄島の遺骨収容事業費として13億1900万円を計上、今年度の1億3600万円から大きく積み増した。今年度は日本遺族会や小笠原村在住硫黄島旧島民の会などボランティアは延べ約60人だったが、11年度は延べ約600人に大幅拡大し、少なくとも4割は公募する方針だ。期間ごとに派遣していた厚生労働省の職員も交代で1人を常駐させる。

 硫黄島では旧日本軍約2万2000人が戦死したとされ、国内戦地では最大となる約1万3000柱の遺骨がいまも収容されていない。政府は8月に阿久津幸彦内閣府政務官をリーダーとする特命チームを発足させ、4回にわたり厚労省や防衛省職員らによる調査団を派遣。島内2か所で米国の公文書に記された計2200人規模の集団埋葬地を確認し、今年度はこれまでに351柱(過去5年平均49・6柱)の遺骨を収容した。

(2010年12月26日03時06分 読売新聞)

【from Editor】ROEを作成せよ

11月23日の北朝鮮による、韓国領土への砲撃は、軍事的にもさまざまなことを教えてくれた。そのひとつは野砲に対しては迎撃が不可能であるということだった。

 現代、国防に関する先進国の最大の関心事は、ミサイル攻撃に対してどのように迎撃するかである。簡単にいうと、核弾頭などを搭載したミサイルが自国に向けて発射された場合、こちらからも迎撃ミサイルを発射して、敵のミサイルにぶつけて、自国への被害を生じさせないようにするのである。通常、MD(ミサイル・ディフェンス)と呼ばれている。これには宇宙技術、IT技術など最先端の技術が必要で、先進国は多くの予算をさいている。

 しかし、今回のような野砲による砲撃には何もできなかった。砲撃されれば、一方的に被害が広がるだけで、軍民はシェルターにでも逃げ込む以外に方法はない。あとは、こちらから反撃するだけだ。被害は防げないのである。最先端技術に目がいき過ぎて、足元をさらわれた思いだった。

 もうひとつの教訓は、北の砲弾には意外と不発弾が多いということだ。まだ、確定ではないが、1割以上だともいう。現代の野砲で1割以上の不発弾ということは、砲弾の質がかなり劣化していることを示している。

 3番目に、これが一番重要なのだが、日本はROE(ルール・オブ・エンゲージメント)の制定を急がねばならないということだ。「交戦規定」と訳されるROEは、ある国が万が一、戦闘行動に入った場合、どこまで戦闘行動をとることが許されるかを規定したものである。ROEを持っていない先進国はない。

 韓国は今回の紛争を受け、今月に入ってROEの一部を改定し、これまでの「砲撃には砲撃で反撃する」から「砲撃には空爆もあり得る」とした。ROEは局地的な紛争を拡大しないためにも有効で、自軍の行動を抑止する役目も果たしている。

 自衛隊にはROEに似た「部隊行動基準」が平成12年に定められたが、その目的はPKOにおける武器使用基準である。従来、日本政府は「自衛隊は軍隊ではなく、専守防衛だから」ということで、ROEを作成せずにきた。

 だが、先に閣議決定された「新防衛大綱」は「専守防衛」から「対処能力の向上」がうたわれている。とすれば、政府は早急にROEを作成し、いまそこにある危機に備えなければならないだろう。(編集委員 大野敏明)

「普天間の継続使用」の外相発言に防衛相苦言(讀賣N)

沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題で、前原外相が「普天間の継続使用」などに言及したことを巡り、菅内閣の不協和音が24日、表面化した。

 前原氏は21日に沖縄を訪問した際の記者会見で、同飛行場の同県名護市辺野古への移設を地元が受け入れない場合、「普天間の継続使用になる」と明言。仲井真弘多知事には「近接する小学校や病院など、具体的な施設の移動」を要望するよう伝えた。

 この発言について、北沢防衛相は24日の記者会見で「閣内で協議した経緯が全くない」と明らかにした上で、「普天間固定化を前提にものを言うのは危険だ。米側にも不快感を与えるし、慎重であるべきだ」と苦言を呈した。しかし、前原氏は同日の記者会見で、「継続使用と固定化は似て非なるものだ。危険性除去を考えるのはむしろ当たり前だ」と反論。菅首相や仙谷官房長官も前原氏に理解を示している。

(2010年12月24日21時41分 読売新聞)

【土・日曜日に書く】特別記者・千野境子 防衛協力が浮き彫りにする(産経N)

 ◆ハードルを越える日韓

 「オブザーバーという行動自体に何か決定的な意味があるわけではないが、これまで高かった歴史的心理的ハードルを(日韓は)意外にスッと越えてしまった。そのことがむしろ画期的ですね」

 今年、日米演習に韓国軍が、米韓演習には自衛隊がそれぞれ初めてオブザーバー参加したことを、ある防衛関係者は現役時代を振り返りながらそう意義づけた。

 従来であれば、韓国では歴史認識や日本の軍事大国化への警戒論が、日本でも(戦争への)巻き込まれ論が懸念されるか噴出した。とりわけ今年は日韓併合100年という機微に触れる年でもあっただけに、なおさらである。

 ところが世論をはじめ両国の反応は至って平静だった。現実は日韓併合100年での観念的な首相談話などよりも、ずっと先を行っていたといえるかもしれない。

 そしていまや米韓演習に部隊参加を求める声さえ出ている。日韓の防衛交流はすでにさまざまな形で行われ、その糸は実はかなり太くなっているが、それでも交流はあくまで交流だった。

 先頃、東京で開かれた公開シンポジウム「新時代の日韓戦略協力」(世界平和研究所、韓国ソウルフォーラム共催)でも、民主、自民両党議員を交えての議論は率直で、この分野ではもう普通の国同士なのだと感じ入った。

 ◆安保環境の大きな変貌

 それもこれも背景にあるのが、東アジアの安保環境の大きな変化であるのはいうまでもない。南シナ海をチベット、台湾と同じ核心的利益と宣言した中国は、東シナ海でも海洋軍事活動を活発化させ漁船衝突事件も起こした。北方限界線に近い延坪(ヨンピョン)島では北朝鮮からの砲撃が行われた。それを挑発的行動とたしなめるどころか、擁護にさえ回った中国。それに歩調をあわせるロシア…。

 経済発展の神話で覆い隠されていた東アジア地域の危うさが、浮き彫りにされたのである。

 連携が進んだのは日韓だけではない。日豪や日印も同様だ。とくに日豪は5月に、米国以外では初となる物品役務相互提供協定(ACSA)に署名し、国会承認を残すのみとなっている。

 この結果、日豪は物品の調達・融通が容易になり、国連平和維持活動(PKO)での連携が円滑になるなどメリットは小さくない。日豪はすでに自民党政権時代にやはり米国以外で初めて安保共同宣言を行い、外務・防衛閣僚会議(2+2)も始めている。

 日米同盟を基軸に、それを補強する形のこうした対米同盟国を中心とする多国間・2国間の安保協力は、21世紀の東アジアの秩序形成に、アクターとしての役割をますます増していくのではないだろうか。日韓米豪4カ国が安保協議を定例化させる新たな動きも、そうした一例だろう。

 先のシンポジウムでも、この4カ国が情報分野で協力し、ジョイント・スマート・パワー委員会を作る構想や、シーレーン(海上交通路)防衛に共同で取り組むべきだとの積極的な意見も出た。

 民主主義をはじめ価値観を同じくする国々はリスクを共有し、「国内」を乗り越えていくべきだというのである。

 元防衛当局者は「協働」という新たな概念を提案する。

 「まだこなれた言葉とは言えないが、交流をワンステージ上げることがこれからは必要。共通の目標に向かって共に汗を流す『協働』作業が大事ではないか」

 ◆中国とどう向き合うか

 もっとも日韓米そして豪が協働し緊密化が進めば進むほど、中国にはうれしくない事態だろう。ただし中国の言葉をそっくり返せば、「そういう現実に慣れてほしい」ということになる。

 もとより中国と対決するために緊密化するわけではない。軍事大国として力の誇示に舵(かじ)を切ったかに見える最近の中国の行動が、新しい防衛計画の大綱も指摘したように、「地域・国際社会の懸念事項」だからである。

 その意味で大綱が自衛隊配備の空白地域になっていた島嶼(とうしょ)部の防衛強化の方針を明確にし、平成23年度からの中期防衛力整備計画で南西諸島地域に陸上自衛隊を配備するとの文言を入れたのは、ようやくとはいえ、日本の責務として妥当なことだろう。

 その候補地となっている日本最西端の沖縄・与那国島を昨秋訪れ取材した際、防衛関係者の一人は次のように語っていた。

 「東シナ海をめぐり中国の大きなうねりを感じます。ふと気がつけば国益を損なっている可能性はあるかもしれません」

 それからわずか1年余り。一連の出来事は、うねりがさらに大きくなって、波頭が砕け散っているように思われる。(ちの けいこ)

外交、繰り返される「その場しのぎ」ロシア大使更迭へ(産経N)

メドベージェフ露大統領の北方領土訪問という前代未聞の“日本外交の失態”に対し、菅政権は、河野雅治駐ロシア大使更迭で決着を図ろうとしている。だが、日米同盟にずれがあるかのようにふるまい、ロシアに付け入るすきを与えたのは民主党政権だ。河野大使を一時帰国させた際もあいまいな態度で、13日にはシュワロフ第1副首相の北方領土訪問も許すなど、その後も失態は続く。定まらない菅政権の外交姿勢を放置した「その場しのぎ」が繰り返されている。

 対露外交では近年、情報収集能力の低下が指摘されてきた。影響力のある鈴木宗男前衆院議員と、鈴木氏に反発する勢力が外務省内で対立。刑事事件で鈴木前議員の影響力が低下すると、ロシアとの太いパイプを持つ「鈴木派」の官僚が一掃された-との見方だ。

 それ以上に問題なのは、政権交代以来、官邸の外交方針がふらつくことで、外交情報が政府内で滞留する混乱が生じていることだ。

 河野氏は当初、露大統領の国後島訪問について「具体的計画があるとは承知していない」と指摘。外務省欧州局も同様の判断で、首相官邸は楽観していた。
 その後、日本大使館から伝えられた「大統領訪問は確実」という新しい情報は、10月末に東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議出席のためハノイに滞在していた菅直人首相と前原誠司外相には伝わらなかった。露大統領もハノイにおり、情報があれば、訪問阻止の直接交渉もあり得たが、それもできなかった。

 情報の軽重と、どこまで首相に報告するかという外交の基本が政府内で壊れていることを示す事案だ。外務省内から「政府全体の問題を放置して、河野氏をスケープゴートにするのか」という声が出るのはこのためだ。

 政府は今後、「日露協力関係が新段階へ進むように努力する」(前原外相)との戦略を描く。後任に有力な原田親仁(ちかひと)駐チェコ大使はロシアスクール(ロシア語研修組)だが、鈴木前議員と対立した経緯がある。混乱を抱えたままで政府が一枚岩になれるかどうかは不透明だ。

外交文書291冊を公開 沖縄返還で日本負担「密約」明らかに 尖閣は「議論不要」 (産経N)

外務省は22日、昭和47年の沖縄返還に関する日米交渉などの外交文書291冊を東京・麻布台の外交史料館で公開した。昭和46年当時、中国が沖縄・尖閣諸島の領有を主張したのに対し、中国と議論する必要すらないという当時の福田赳夫外相の姿勢が明らかになったほか、米側公文書でも指摘されていた沖縄返還に伴う約6500万ドルの日本側負担に関する「密約」の存在が裏付けられた。


中国を相手にせず

 中国や台湾は43年に国連アジア極東経済委員会が「(尖閣諸島)付近の海底は石油資源埋蔵の可能性が高い」と発表してから、唐突に同諸島の領有権を主張し始めた。しかも、46年夏の米中接近を受け、米議会では中国側の見解に同意する雰囲気があった。

 これに対する日本側の対応が、今回公開された同年11月2日付の福田氏から牛場信彦駐米大使にあてた極秘指定公電で浮き彫りになった。これによると、福田氏は、日本側が反論して領有権を主張すれば、尖閣諸島に領土問題が存在することを日本が認めることになると判断したようで、「中国側の主張に反論するが如(ごと)き行うのは、かえって日中双方を平等の立場におき、決して得策ではない」との見解を牛場氏に伝えた。また、「尖閣がわが国の領土であることはあまりにも明らかなところであり、交渉の対象となりえざるものである」としている。
一方、46年6月の沖縄返還交渉で、米側が尖閣諸島について「日本領土であるとの見解に変更はない」として返還方針を示しながらも、返還対象として協定や合意議事録に明記することに難色を示していたことも分かった。当時、米中和解に動いていたニクソン政権が中国や台湾との関係をこじらせたくないと考えていたためとみられる。


返還負担「密約」裏付け

 沖縄返還に関しては、日本政府が米軍基地の施設改善移転費名目で約6500万ドルを負担したことも明らかになった。日本側の負担は3億2千万ドルとすることで合意していたが、これ以外の負担を裏付ける文書が見つかった。日本側はこの「密約」を公表しないよう米側に求めていた。

 外務省北米1課の担当者から同省幹部にあてた46年10月22日付の極秘メモによると、在日米大使館員は米側に「65(6500万ドル)という数字が(日米)財務当局間の交渉で合意されていることは承知している」と指摘。さらに「320(3億2千万ドル)以外に米国に支払う義務はないと国会に説明している」として、米側に口外しないよう働きかけていた。


「A級戦犯」減刑要請

 日本政府が極東国際軍事裁判(東京裁判)で終身刑となった木戸幸一元内大臣ら「A級戦犯」10人の減刑について、関係国に働き掛けていた状況も判明した。

 43年1月23日付公電などによると、日本政府は10人の減刑について、米国を通じ英仏両国など関係7カ国に非公式に打診していたが、目立った進展はなかった。こうした中、「(マッカーサー)在京米国大使から藤山(愛一郎外務)大臣に対し、本件促進のため、わが方(日本政府)からも直接関係国にその内意を打診しては如何(いかん)との示唆もあった」という。

 これを受け、外務省の板垣修アジア局長は同22日、関係国の一つ、パキスタンのマリク駐日大使と会い、「いずれも既に11年9カ月以上服役し、服役中も善行を続けてきており、かつ老齢でもある」として、直ちに刑期を終えるか15年に減刑するよう「好意的配慮を得たい」と要請した。大使は「趣旨は十分了承した」と応じた。(肩書は当時)

テロ対策内部資料、警視庁が情報流出認め発表へ(讀賣N)

警視庁で国際テロ対策を担当する捜査員や協力者の個人情報がインターネット上に流出した事件で、警視庁は問題の文書について、同庁公安部の内部資料である可能性が高いことを公式に認める方針を固めた。


 警察庁を通じて24日の国家公安委員会に報告し、同日中にも発表する見通し。文書の詳しい内容についての言及は避けるとみられる。警視庁は、問題の文書について「調査中」として内部資料と認めてこなかったが、文書をそのまま掲載した本が出版されるなど、被害が広まったことから、事実上認める方針に転換する。

 同庁幹部らによると、問題の文書は10月28日から29日にかけて、ファイルに圧縮された形で、ファイル共有ソフト「ウィニー」のネットワーク上に流出した。

(2010年12月23日03時10分 読売新聞)

外薗・航空幕僚長の後任に岩崎航空総隊司令官(讀賣N)

政府は21日の閣議で、外薗健一朗・航空幕僚長が勇退し、後任に岩崎茂・航空総隊司令官を充てるなどの人事を決定した。

 発令は24日。外薗氏は航空自衛隊の官製談合問題で事実上の引責辞任となった。

(2010年12月21日11時18分 読売新聞)

日本海で中露軍事演習か(産経N)

21日付の中国系香港紙、大公報などはロシアメディアの報道として、来年の中国軍とロシア軍の合同軍事演習のうち、海軍の演習が日本海で行われる見通しだと伝えた。

 同紙によると、ロシア側の演習計画はほぼ策定し終わっており、来年初めにも両軍間の打ち合わせが始まる。合同軍事演習には陸海空の3軍が参加する可能性が高いという。

 中国外務省の姜瑜報道官は21日の記者会見で、報道が事実かどうかの確認を避けた。(共同)

北朝鮮、濃縮施設の査察許可…米知事と合意(讀賣N)

しかし近年、西海5島を含む周辺海域は北朝鮮の領海だとしてNLL無視の動きを見せ、南北間で衝突が相次いでいた。哨戒艦撃沈や延坪島砲撃はその延長線上にある。北朝鮮は60年続いた休戦体制を力で変更しようというわけだ。

 【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮が延坪島砲撃など黄海で軍事緊張を高めている背景には、朝鮮戦争休戦(1953年)以来、不利になっている領海の拡大など軍事的、政治的面での多目的作戦がある。

 軍事的緊張激化で海の南北境界線の“紛争化”を米国など国際社会に印象付ける一方、韓国に対しては“戦争の恐怖”で世論を対北平和・対話ムードに誘導し、李明博・保守政権を揺さぶる狙いがある。

 一方、北朝鮮では対外的緊張で国民の危機感を高め、後継体制づくりという不安定な権力過渡期を国民団結で乗り切る考えだ。

 こうした作戦が結果的に金正恩後継者の手柄として、その崇拝・神格化につながるというわけだ。したがって北朝鮮の狙いはあくまで局地紛争による“政治的効果”であって、本格的な軍事衝突や全面戦を考えてのことではない。

 北朝鮮が最近、軍事挑発を繰り返しているNLL(北方限界線)は朝鮮戦争休戦に由来する。

 休戦当時、北朝鮮周辺の制海権は韓国・国連軍が握っていて、北朝鮮軍はどの島も支配していなかった。このため国連軍司令官は延坪島や白●(=領の頁を羽の旧字体に)島など西海5島と北朝鮮本土の中間を海の境界線として、一方的にNLLを設定した。

 これに対し北朝鮮は当然、不満だったが海上支配力がなかったため事実上認めてきた。艦艇や漁船などNLL外への進出も控えてきた。

現在のNLL体制では、最北端の白●(=領の頁を羽の旧字体に)島から北朝鮮の首都・平壌までは150キロ、韓国のソウルまでは210キロ。北にとっては気になる距離だ。

 しかし北が新たに主張している境界線だと、ソウルは北の領海から約100キロで、韓国の対北防衛体制は大きく揺らぐ。仁川国際空港などすぐそこだ。

 北朝鮮はNLLを軍事紛争化し、米国(国連軍)との間で新たな境界線設定など“平和協定交渉”を狙っている。韓国としては軍事挑発を繰り返す金正日・正恩軍事独裁政権を相手に、領海譲歩の現状変更には絶対に応じられない。

 北朝鮮は一連の軍事挑発でNLLの紛争化に成功しつつあると評価しているはずだ。さらに“戦争脅迫”が韓国世論を李政権批判に向かわせ、新たな対北融和政権誕生につながることを期待している。

 これに対し韓国政府は「今度こそは断固たる対応」を取ることが北の軍事挑発と狙いをくじく道と判断している。南北の緊張・対決は続きそうだ。

北朝鮮、領海拡大狙う多目的作戦 緊張高め紛争化図る(産経N)

【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮が延坪島砲撃など黄海で軍事緊張を高めている背景には、朝鮮戦争休戦(1953年)以来、不利になっている領海の拡大など軍事的、政治的面での多目的作戦がある。

 軍事的緊張激化で海の南北境界線の“紛争化”を米国など国際社会に印象付ける一方、韓国に対しては“戦争の恐怖”で世論を対北平和・対話ムードに誘導し、李明博・保守政権を揺さぶる狙いがある。

 一方、北朝鮮では対外的緊張で国民の危機感を高め、後継体制づくりという不安定な権力過渡期を国民団結で乗り切る考えだ。

 こうした作戦が結果的に金正恩後継者の手柄として、その崇拝・神格化につながるというわけだ。したがって北朝鮮の狙いはあくまで局地紛争による“政治的効果”であって、本格的な軍事衝突や全面戦を考えてのことではない。

 北朝鮮が最近、軍事挑発を繰り返しているNLL(北方限界線)は朝鮮戦争休戦に由来する。

 休戦当時、北朝鮮周辺の制海権は韓国・国連軍が握っていて、北朝鮮軍はどの島も支配していなかった。このため国連軍司令官は延坪島や白●(=領の頁を羽の旧字体に)島など西海5島と北朝鮮本土の中間を海の境界線として、一方的にNLLを設定した。

 これに対し北朝鮮は当然、不満だったが海上支配力がなかったため事実上認めてきた。艦艇や漁船などNLL外への進出も控えてきた。
しかし近年、西海5島を含む周辺海域は北朝鮮の領海だとしてNLL無視の動きを見せ、南北間で衝突が相次いでいた。哨戒艦撃沈や延坪島砲撃はその延長線上にある。北朝鮮は60年続いた休戦体制を力で変更しようというわけだ。

 現在のNLL体制では、最北端の白●(=領の頁を羽の旧字体に)島から北朝鮮の首都・平壌までは150キロ、韓国のソウルまでは210キロ。北にとっては気になる距離だ。

 しかし北が新たに主張している境界線だと、ソウルは北の領海から約100キロで、韓国の対北防衛体制は大きく揺らぐ。仁川国際空港などすぐそこだ。

 北朝鮮はNLLを軍事紛争化し、米国(国連軍)との間で新たな境界線設定など“平和協定交渉”を狙っている。韓国としては軍事挑発を繰り返す金正日・正恩軍事独裁政権を相手に、領海譲歩の現状変更には絶対に応じられない。

 北朝鮮は一連の軍事挑発でNLLの紛争化に成功しつつあると評価しているはずだ。さらに“戦争脅迫”が韓国世論を李政権批判に向かわせ、新たな対北融和政権誕生につながることを期待している。

 これに対し韓国政府は「今度こそは断固たる対応」を取ることが北の軍事挑発と狙いをくじく道と判断している。南北の緊張・対決は続きそうだ。

陸自・北海道機動部隊、九州演習に初参加へ(讀賣N)

新防衛計画の大綱で、即応性と機動力を重視する動的防衛力を打ち出したのに合わせ、防衛省は来年夏、九州・沖縄地域で行う実動演習に、陸上自衛隊第7師団(北海道千歳市)を派遣することが、18日明らかになった。


 北海道に駐屯する陸自の基幹部隊が、九州方面の訓練に参加するのは初めて。南西諸島の防衛態勢を強化するには、主力部隊を迅速に長距離移動させ、プレゼンスを示す必要があると判断した。

 第7師団は、機甲科(戦車)と普通科(歩兵)、飛行隊などから構成された陸自唯一の機動部隊で、冷戦時代は対ソ抑止の中軸を担ってきた最強師団。陸自は今後、様々な緊迫事態を想定し、北方など本州の部隊を九州や沖縄・南西諸島に展開させるスイング戦略に重心を移す方針だ。

(2010年12月19日03時04分 読売新聞)

国連安保理、北朝鮮情勢で緊急会合 南北に自制要求か(産経N)

国連安全保障理事会は19日午前(日本時間20日未明)、緊迫する朝鮮半島情勢に関し緊急会合を開いた。北朝鮮の砲撃を受けた韓国・延坪島周辺の黄海で韓国軍が海上射撃訓練を計画、北朝鮮が再砲撃を警告していることから、懸念される軍事衝突の回避に向け、南北双方に自制を求める声明の採択を目指すとみられる。

 常任理事国のロシアが開催を要請した。延坪島砲撃後、朝鮮半島情勢をめぐる安保理の緊急会合開催は初めて。韓国の射撃訓練中止に主眼を置く中国、ロシアと、情勢緊迫化の主因は北朝鮮にあるとする日本や米国、英国などとで、意見の隔たりは大きく、声明をめぐる交渉が難航する可能性がある。(共同)

新防衛計画の大綱(防衛省)

新大綱は下記でご覧になれます。
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/2011/taikou.html

中国漁船が韓国艦に衝突・沈没、取締官に暴行(讀賣N)

【ソウル=仲川高志】韓国海洋警察庁によると、18日、黄海にある韓国・於青島(オチョンド)沖の排他的経済水域(EEZ)で、同庁警備艦(3000トン)の海洋警察官4人が違法操業していた中国漁船(63トン)に停船命令を出し、小型ボートで漁船に乗り込もうとしたところ、漁船員から突然、鉄パイプで殴られるなどの暴行を受け、4人が右腕骨折などの重軽傷を負った。

 漁船は警備艦に突っ込んだ後、沈没した。警備艦と周囲の中国漁船が沈没した船の漁船員10人中、8人を救助したが、1人が死亡、1人が行方不明となり、同庁が捜索を行った。周辺には当時、約50隻の中国漁船が操業していた。

 同庁によると、黄海で中韓両国のEEZは重なっており、完全に画定していないが、現場海域は漁業協定などにより、韓国側のEEZとすることで合意済み。

 韓国外交通商省は18日、在韓中国大使館に対し、電話で「人命が失われる結果となったのを遺憾に思う」と伝えた。中国側は、「行方不明者の捜索などの面で協力していく」と応じた。抗議はなかったという。

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          ◇

【主張】首相沖縄訪問 日米合意が最善と説得を(産経N)

沖縄県を訪問した菅直人首相は仲井真弘多知事と会談し、米軍普天間飛行場を名護市辺野古へ移設する日米合意に理解を求めた。仲井真氏は県外移設を譲らず、会談は平行線に終わった。

 日本の安全保障環境が悪化する中で、この問題は国民の平和と安全を守るために一刻も早い決着が必要だ。前政権下で迷走を重ねて地元感情の硬化を招いたことで、首相が知事に「沖縄の皆さんに申し訳ない」と陳謝したのは当然だが、遅きに失した感は否めない。当時副総理だった自らの連帯責任も大きい。その重責を踏まえて、来春の首相訪米までの決着に最大限努力すべきだ。

 移設問題は昨年の政権交代時に鳩山由紀夫首相(当時)が「最低でも県外」と公約したのが紛糾の発端だ。県内移設にかつて理解を示した仲井真氏も、先月の知事選では県外移設に転じるほど県民感情を悪化させてしまった。

 だが、新「防衛計画の大綱」にも示されたように、北朝鮮の核・ミサイル開発や中国による力ずくの海洋権益拡大など日本周辺の脅威は着実に高まっている。同じ沖縄でも、中国により近い石垣市議会は「尖閣諸島開拓の日条例」を可決(17日)するなど、抑止と備えの強化を求める声も多い。

 その面からも今年5月、日米が合意した移設計画は地元負担軽減と抑止力強化を果たす「最善の計画」(米政府)といえる。住宅密集地にある普天間飛行場をより安全な場所に移すだけでなく、米海兵隊8千人のグアム移転や県南部の米軍基地・施設の一括返還もセットで実現されるからだ。

 首相は仲井真氏に「実現可能性も含めてベターの選択」と語ったが、この認識には疑問がある。日米同盟強化や抑止の実効性確保などを踏まえれば、今の情勢で「県外・国外移設」はあり得まい。

 むしろ「日米合意が現実的にベストの解決」と訴えて知事を説得することこそ、政権トップの責務ではないのか。

 日米同盟の深化にも普天間を含む米軍再編の完了が不可欠だ。米政府も早期決着を求めている。

 今後は地元説得や折衝を担う政府代表を立てるなどの工夫や集中的な手当てが必要だ。一度や二度の訪問やおざなりの説得では問題は解決しない。首相はそのことも認識し、誠意とスピードのある解決を進めるべきだ。

尖閣映像流出 保安官が辞職届(東京N)

尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突の映像流出事件で、関与を認めている神戸海上保安部(神戸市)の男性海上保安官(43)が辞職届を提出していたことが十八日、捜査関係者などへの取材で分かった。海上保安庁は現時点で辞職届を受理しておらず、年内にも保安官を懲戒処分にする方針。

 国家公務員法に基づく懲戒処分は免職、停職、減給、戒告の順に四段階ある。今回は社会的影響の大きさなどを考慮して、停職以上の厳しい処分が科される見通しだ。免職の場合、退職金は支払われない。

 保安官は、巡視艇「うらなみ」に勤務していた十一月四日、神戸市のインターネットカフェから中国漁船衝突時の映像を動画サイト「ユーチューブ」に投稿したとされる。

 映像は九月中旬から下旬にかけて四、五日間、海保サーバー内にある海上保安大学校(広島県呉市)の共有フォルダーに保管されており、同僚職員が巡視艇の共用パソコンに保存。保安官は十月中旬、内規に違反して私物USBメモリーで共用パソコンから映像を持ち出したとされる。

 保安官は十一月十日、うらなみの船長に映像流出を打ち明けた後、年次休暇を取り、警視庁などの任意聴取を断続的に受けている。また、乗船勤務を不可とする医師の診断書が提出され、同月二十一付で陸上勤務の予備員に配置換えになった。

 警視庁は国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで今週中にも書類送検する方針。東京地検は海保の処分を受け、年明けにも刑事処分を決めるが、起訴猶予となる公算が大きい。

(東京新聞)

新防衛大綱、中国が強い不快感を表明(讀賣N)

【北京=佐伯聡士】中国外務省は17日、日本政府が東シナ海などでの中国の活動に警戒感を示す新防衛大綱を決定したことについて、「中国は平和発展の道を堅持し、防御的な国防政策を実施しており、いかなる人に対しても脅威となるつもりはない」と反論する報道官談話を発表した。

 その上で、「一部の国に、国際社会の代表を気取って、無責任に中国の発展をとやかく言う権利はない」と、強い不快感を表明した。

 「強大な海軍」を国家目標に掲げる胡錦濤政権は、遠洋能力向上を図るため、今年4月、沖ノ鳥島西方の太平洋上で実施した艦隊合同訓練を常態化させる方針を固めている。南西諸島周辺での日本の潜水艦増強などが障害になるとみて、警戒を強めている模様だ。

 中国紙「中国青年報」は17日、新大綱について「日本が専守防衛政策から離れるプロセスを加速し、(日本を)攻撃性を備えた軍事国家へと発展させるものだ」と非難する西安陸軍学院の専門家の論文を掲載した。

(2010年12月18日01時18分 読売新聞)

防衛大綱、情報収集・即応を重視 韓豪との協力も強化(産経N)

政府の新たな「防衛計画の大綱」と中期防衛力整備計画は、平時からの情報収集強化と事態に即応する防衛態勢の構築を目指すものだ。中国の海洋活動の活発化や威嚇に加え、韓国・延(ヨン)坪(ピョン)島砲撃のような北朝鮮の挑発を踏まえれば妥当な防衛戦略といえる。ただ、米国との役割分担をはじめ、盛り込まれた内容の具体化を早急に進めなければ、新大綱はただの紙切れにすぎなくなることも間違いない。   (半沢尚久)

  ■動的防衛力■

 「北の『ヒグマ』(旧ソ連)をオリで囲っていたのが基盤的防衛力だ。今度は神出鬼没な『アライグマ』に対処する必要がある」

 防衛省幹部は、東西冷戦期から維持してきた「基盤的防衛力構想」から「動的防衛力」の構築に転換する理由をこう解説する。

 顕在化したアライグマの脅威が中国の海洋活動だ。東シナ海から太平洋に海軍艦隊を進出させたほか、尖閣諸島と東シナ海のガス田周辺には海洋調査船や漁業監視船を送り込んだ。尖閣諸島沖での漁船衝突事件では高圧姿勢を強めた。「漁民」を装った民兵を尖閣に上陸させる作戦を展開するのではとの懸念もある。

 北朝鮮も危険なアライグマだ。新大綱は「沿岸部での潜入阻止」「重要施設の防護」に踏み込んで記述し、北朝鮮の特殊部隊による潜入や原子力発電所でのテロなどへの対処を重視する姿勢を打ち出した。
■間断なく対応■

 これらの脅威に対応する上で重要なのが平素からの情報収集・警戒監視・偵察活動(ISR)だ。とりわけ南西諸島には陸海空3自衛隊の「目」と「耳」を集結させ、周辺海空域の監視能力を高めることが焦眉の急となっている。

 沿岸監視隊と移動警戒レーダーを配備するほか、低空で侵入する航空機を探知できるE2C早期警戒機も展開。潜水艦を22隻に増やすのも、南西諸島周辺で中国海軍艦艇の動向ににらみを利かせるためだ。

 「常続性」と「間断なき対応」も新大綱のキーワードだ。尖閣占領シナリオや特殊部隊の潜入は「平時か有事か」「犯罪行為か軍事行動か」との判断がつきにくい。そのため「常に監視を続け、事態の推移を見極めていく必要がある」(自衛隊幹部)と指摘される。

 日米共同対処も重要性を帯び、新大綱は日米同盟について「計画検討作業の深化」を特記した。「中国と北朝鮮の脅威に即した共同演習を行い、成果と改善点を作戦計画に反映させるプロセスを繰り返していく」(同)ことが底意にある。

 「アジア太平洋地域における協力」の項目を新設したのも特徴で、韓国とオーストラリア、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インドとの協力強化を明記した。東シナ海のみならず、南シナ海や太平洋へと活動範囲を広げる中国を抑えるため、日米同盟を「要」に扇を広げていく米戦略と歩調を合わせるものだ。
■政策より政局■

 最大の焦点となっていた武器輸出三原則の見直しは先送りされた。

 菅直人首相は11月16日の安全保障会議で戦闘機などの国際共同開発への参加を可能にするための三原則の緩和案を容認。「見直しは既定路線」(防衛省幹部)との受け止めも広がった。

 しかし、首相は12月に入り、方針を180度転換した。ねじれ国会で連携を期待する社民党の「日本が死の商人になる」(福島瑞穂党首)との反論に膝を屈したためだ。大綱はおおむね10年先の安全保障環境と防衛力整備を見据えて策定する。政府内では「国家『10年の計』より目先の国会運営を優先させたダメージは計り知れない」(高官)との批判が渦巻いている。

自民、大綱・中期防への見解とりまとめ、「政権奪回後、即時見直し」(産経N)

自民党が、政府の新たな防衛計画大綱と来年度から5年間の中期防衛力整備計画(中期防)について、「日本の安全を確保できるとは到底思えない」とする見解を取りまとめたことが17日、わかった。大綱、中期防ともに「政権奪回後、即時に見直す」と強調している。

 見解では、日本周辺の安全保障環境について「中国をはじめ各国が防衛費を増額する現状だ」と指摘し、「依然、不安定な状況にある」と分析。「防衛予算の縮減傾向に歯止めをかけ、多様化する任務に対応する人員を確保しなければならない」と訴えている。

 さらに、政府による陸上自衛隊の定員と戦車、火砲の削減方針などを批判。武器輸出三原則の見直しは「(政府は)社民党に配慮してトーンダウンした。防衛力の生産・技術・教育等の維持すらも困難となる」と警告した。

新防衛大綱決定…中国台頭で南西諸島の防衛強化(讀賣N)

政府は17日午前、首相官邸で安全保障会議(議長・菅首相)と閣議を開き、新たな「防衛計画の大綱(防衛大綱)」と、次期中期防衛力整備計画(中期防、2011~15年度)を決定した。

 限られた人員と装備を効果的に活用するため、従来の「基盤的防衛力構想」を改め、自衛隊の機動性や即応性を重視する「動的防衛力」の構築を打ち出した。東シナ海での活動を活発化させる中国を「地域・国際社会への懸念事項」と位置づけ、南西諸島の防衛強化の必要性を明記するなど対中シフトを鮮明にした。

 見直しを検討していた武器輸出3原則は、社民党の反対に配慮して緩和を明記しなかった。ただ、防衛装備品の国際共同開発・生産への参加が先進国で主流になっているとして、「国際的な環境変化に対応する方策を検討」と盛り込み、今後10年以内の緩和に余地を残した。

(2010年12月17日10時46分 読売新聞)

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