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防衛相、中国の主張を強く否定…自衛隊機接近(読売N)

小野寺防衛相は30日の記者会見で、自衛隊機が中国軍機に約10メートルの距離にまで接近してきたケースがあったとする中国側の主張に対し、「そのような至近距離に接近した事実は一切ない。中国の主張は全く不当だ」と強く否定した。


 中国国防省は29日、中国が東シナ海に防空識別圏を設定した昨年11月23日、東シナ海上空を飛行していた中国軍の情報収集機「Y8」に空自の戦闘機「F15」が10メートル前後の距離まで接近してきたと発表した。小野寺防衛相は、Y8に対して空自機が緊急発進(スクランブル)した事実はあったものの、「(自衛隊機は)常にしっかりとした安全対策を取っている」と強調。自衛隊幹部によると、緊急発進した空自機は通常、数百メートルの距離を取って監視飛行をしているという。
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「日米指針再改定までに」 集団的自衛権 首相、行使容認の閣議決定(産経N)

安倍晋三首相は29日の参院外交防衛委員会で、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈見直しについて、自衛隊と米軍の役割分担を定める「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定までに閣議決定し、内容を反映させたい意向を表明した。日米両政府が年末までの再改定で合意していることを踏まえ、「それに間に合うように方針が固まることが理想的だ」と強調した。

 閣議決定を急ぐのは、ガイドライン再改定は急速に軍事的緊張を高める中国をにらんだ日米防衛協力のあり方が柱で、実効性を持たせるため集団的自衛権の行使容認が前提となっているからだ。

 首相は「武力攻撃に至らない侵害への対処、国連平和維持活動(PKO)を含む国際協力、武力行使に当たりうる活動について方針が固まっているのが望ましい」と述べ、自民、公明両党による与党協議の進展を促した。

集団的自衛権 政府事例に「邦人救出」追加 潜没潜水艦徘徊は「参考例」(産経N)

政府は26日、集団的自衛権行使を含む安全保障法制に関する与党協議のたたき台となる事例集を自民党の協議メンバーに提示した。焦点の「有事の際に相手国の同意があれば自衛隊が邦人を救出」の事例を追加し、「潜没した外国潜水艦が退去要求に応じず日本領海内で徘徊(はいかい)」のケースも「参考例」として盛り込んだ。自民、公明両党は27日の第2回協議で、武力攻撃に至らない「グレーゾーン」事態から議論に入る。

 政府の事例集は、(1)グレーゾーン事態(2)国連平和維持活動(PKO)など国際協力と集団安全保障(3)集団的自衛権-の3分野で構成され、米艦防護など15事例と潜没潜水艦の参考例などが盛り込まれている。

 潜没潜水艦の事例は、安倍晋三首相や政府の有識者会議が示したグレーゾーン事態の典型例だ。ただ、与党協議を前に、自衛隊が前面に出るケースに難色を示す公明党に配慮し、いったんは事例集から除外した。しかし自民党内に「中国に誤ったメッセージを送ることになる」(国防族)との懸念が広がり、盛り込むよう求めた結果、「参考例」として取り扱うことで落ち着いた。

 一方、有事の際の邦人救出は、朝鮮半島有事が念頭にあり、在韓邦人の救出が想定される。北朝鮮にいる日本人拉致被害者の救出も課題として残されている。

 政府・自民党は、6月22日に会期末を迎える通常国会中に集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈見直しの閣議決定を目指す。このため、与党協議では、公明党と折り合いやすい分野の合意を急ぎ、早い段階で集団的自衛権の議論に移りたい考えだ。

 しかし、公明党は集団的自衛権の行使事例について「個別的自衛権や警察権の拡大で対処可能だ」として受け入れない構えだ。

東シナ海、異常接近 中国軍機、危険な挑発 識別圏で空軍力誇示(読売N)


中国が再び、極めて危険な挑発行為に出た。中国軍戦闘機による自衛隊機への異常接近は、空軍力を誇示し、日本へ圧力をかける狙いがあったとみられる。日本政府は米国などとの連携を強め、中国をけん制する構えだ。(政治部 岡部雄二郎、中国総局 五十嵐文)

 「(自衛隊機の)搭乗員にしたら、目の前に中国の戦闘機が迫ってきたということだ」

 小野寺防衛相は25日、防衛省で記者団に対し、中国軍の「SU27」戦闘機による自衛隊機への接近の異常さを強調した。

 国際法上は、航空機の安全を確保するために必要な距離は定められていない。だが、防衛省幹部などによると、航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)した場合、相手機と数百メートル程度の距離を取りながら、翼を上下させたり、無線で連絡したりして警告する運用をしている。今回の中国軍機にはそうした行動は見られなかったという。同省内では「中国軍に威嚇の意図があったのは明らかだ。ただ、異常なまでの接近は中国軍機のパイロットの判断で行った可能性も捨てきれない」との見方もあり、今後、分析を急ぐ方針だ。

 日本政府は、日本の防空識別圏内での自衛隊機の運航について、「通常、どの国も行っている警戒監視」(小野寺氏)であり、問題はないとの立場だ。異常接近が発生した東シナ海では、26日まで中露両海軍が合同軍事演習を行っている。中国は軍事演習を日本への圧力の手段として利用しており、自衛隊幹部は「演習で中国側が自衛隊機の動きに過敏になった可能性がある」と分析している。

 政府は、月内にも予定される米国やオーストラリアなどとの防衛相会談や、11月の日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)各国による初の防衛相会合などで、今回の異常接近の問題を取り上げる方針だ。中国は南シナ海での強引な進出で、ASEAN加盟国のベトナムやフィリピンなどと領有権争いを続けていることから、「中国が示威行動を繰り返すほど、ASEAN各国との間で、中国に対する脅威の認識を共有しやすくなる」(政府筋)との見方も出ている。

演習海域からは一定の距離


 中国国防省は25日、中露両海軍が東シナ海北部で実施していた合同演習の空域に自衛隊機が「勝手に侵入」し、「危険な行為」に出たため、戦闘機による緊急発進(スクランブル)を行い、警戒措置を取ったと主張した。だが、中国・上海沖の演習海域からは一定の距離があったとみられ、中国側が主張する「演習空域」で差し迫った状況が生じたとは考えにくい。

 新華社通信によると、演習に参加していた中露の艦艇14隻は25日昼、上海の軍港にすべて帰港。24日は実戦を想定した演習の最終日に当たっていた模様だ。その日に合わせた中国軍機の緊急発進は、演習を名目に自らの行為を正当化する狙いがある上、中露の演習に関心を向ける日本や米国など国際社会に対して中国の空軍力を誇示する思惑があったとみられる。

 さらには、中国側が勝手に東シナ海に設定した防空識別圏を有効に管理できていると国内外に強調する狙いがあったとの見方が強い。

 中国国防省は声明で、日本が偵察、妨害活動を続けた場合、「空中での突発事故を引き起こしかねない」とした上で、「すべての結果は日本が引き受けることになる」と警告した。危険な状況を自ら作り出し、日本に圧力をかけようとする中国の「瀬戸際戦術」はエスカレートする一方だ。

対中国機緊急発進 尖閣国有化後に急増


 日本政府が尖閣諸島(沖縄県)を国有化した12年以降、空自の戦闘機が中国の軍用機などに対して緊急発進(スクランブル)するケースは急増。11年度に156回だったのが、13年度は415回に達した。国家海洋局のものとみられるヘリが自衛隊艦艇に異常接近するケースも相次ぎ、昨年1月には中国海軍のフリゲート艦が海自の護衛艦に射撃目標をとらえるレーダーを照射する事件も起きた。

 防衛省によると、中国軍は計2600機の作戦機を保有するが、東シナ海では戦闘機の活動が目立ち、昨年9月には尖閣諸島周辺の空域に無人機も出現した。

 一方で、日中間で偶発的な衝突を回避する枠組みは十分に整備されていない。

 海自と中国海軍などは4月、他国艦艇への武器の照準を禁じたり、艦載ヘリ同士が行動目的を伝え合ったりする「海上衝突回避規範」の策定で合意。ただ、24日に自衛隊機に異常接近した「SU27」は空軍機と見られ、規範の対象には含まれていない。

 政府は中国側に対して、緊急連絡体制である「海上連絡メカニズム」の構築を呼びかけているが、中国側の動きが鈍く、協議は進展していない。今回の問題を受け、小野寺防衛相は中国側への働きかけを強化する意向を示した。(社会部 高沢剛史)

異常接近 米豪と協議へ 「常軌逸した行動」防衛相が中国非難(読売N)

中国軍の戦闘機が東シナ海の公海上で、自衛隊機2機に対して異常接近した問題について、政府は、月末にも予定される米国やオーストラリアなどとの防衛相会談で対応を協議する方針だ。米国などとの連携を強化し、危険な挑発を繰り返す中国をけん制する。

 小野寺防衛相は25日、記者団に対し、「公海上で飛んでいる時に、(自衛隊機に)近接することはあり得ない。常軌を逸した近接行動だ」と述べ、中国側を非難した。中国機がミサイルを搭載していたことも明らかにした。

 防衛省幹部によると、中国軍機と自衛隊機の異常接近が起きたのは初めて。現場は尖閣諸島(沖縄県)から北方に数百キロ離れた空域で、日本の防空識別圏と、中国が主張する識別圏が重なるエリア。中国軍の戦闘機「SU27」は、24日、海上自衛隊の画像情報収集機「OP3C」には約50メートル、航空自衛隊の情報収集機「YS11EB」には約30メートルの距離に近づいた。

 自衛隊機は当時、情報収集活動を行っていたが、中露両国が26日まで東シナ海で実施している合同軍事演習のエリアとは別の場所を飛行していたという。

 30日からシンガポールで開幕するアジア安全保障会議に合わせて、日本と米豪などの防衛相会談が予定されている。小野寺氏は会談で、各国と中国の脅威への認識を共有し、対中連携を確認したい考えだ。

「中露合同演習 日本側が妨害」


 中国国防省は25日、東シナ海を飛行していた自衛隊機2機に対し、中国軍の戦闘機が異常に接近したことについて、「自衛隊機が中国の防空識別圏に侵入し、中露の合同軍事演習を偵察、妨害した」と反論する声明を発表した。声明は、中国軍機が緊急発進(スクランブル)して警戒措置を取ったと主張し、日本に「一切の偵察と妨害活動の停止」を申し入れたとしている。

                ◇

 【防空識別圏】

 領空侵犯を防ぐために、各国が独自に定めている空域。領空の外側に設定され、国籍不明機に対しては緊急発進(スクランブル)を行うこともある。

空自パイロットOBを予備自衛官に…有事に招集(読売N)

防衛省は、民間航空会社に再就職した航空自衛隊のパイロットを、予備自衛官として採用を始める。

 中国の東シナ海や南シナ海での海洋進出や、北朝鮮の核・ミサイル開発などでアジア太平洋地域が不安定化し、有事となれば、現役の空自パイロットだけでは対応できない恐れがあるためだ。予備自衛官に採用することで、パイロットの技能を持つ元自衛官をいつでも招集できる態勢を整える。

 政府は今年度から、戦闘機や輸送機を操縦する40歳前後の空自パイロットを、民間航空会社の要望に応じて、再就職させる「転身制度」を5年ぶりに再開させた。今年夏にも、約10人の空自パイロットが民間航空会社のパイロットに転身する見込みだ。予備自衛官への採用は、本人の志願が前提で、防衛省は志願するよう働きかける考えだ。

 政府は有事の際、予備自衛官のパイロットを招集し、作戦指揮にあたる司令官を自衛官として補佐させることを想定している。司令部にはパイロットの知識や技能を持つ人材が不可欠だが、予備自衛官を活用することで、現役の空自パイロットは第一線に投入できる利点がある。

 また、海外での治安悪化など緊急事態に巻き込まれた邦人を避難させるために、政府が手配する民間チャーター機を、予備自衛官に運航させることも検討している。民間航空会社が「パイロットを危険にさらしかねない」と運航をためらい、邦人保護が遅れる可能性があるためだ。

 2004年4月にイラクで発生した邦人人質事件や、11年1月のエジプトの治安悪化などで、政府は民間チャーター機を現地に派遣し、邦人を輸送した実績がある。

党中央の指示か 現場指揮官の処分なし(産経N)

小野寺五典(いつのり)防衛相(54)は25日、中国軍のSu27戦闘機2機が24日に東シナ海の公海上空で海上自衛隊のOP-3C画像情報収集機と航空自衛隊のYS11EB電子測定機に相次いで異常接近したと発表した。最短で約30メートルの距離まで近づき、中国軍機はミサイルを搭載していた。中国の戦闘機が自衛隊機に異常接近したのは初めて。小野寺氏は防衛省で記者団に対し、「常軌を逸した近接行動であり、偶発的な事故につながる危険な行為だ」と中国側を強く批判した。

 防衛省によると、異常接近があったのは、日本の防空識別圏と中国が昨年11月に設定した防空識別圏が重なる東シナ海中央部の日中中間線周辺の空域で、中国公船が周辺活動を活発化させている尖閣諸島(沖縄県石垣市)から北方約600キロにあたる。

 中国軍の2機は、24日午前11時ごろ、海自のOP-3C機に後方から近づき、うち1機が約50メートルまで異常接近した。正午ごろには空自のYS11EB機にやはり後方から2機が近づき、うち1機が約30メートル後方まで異常接近した。接近はいずれも数秒間だった。中国軍機の領空侵犯はなく、お互いに警告射撃はなかった。
演習監視に「妨害した」


 中国海軍は20~26日、東シナ海でロシア海軍と合同軍事演習を実施し、24日は実弾演習を行っていた。自衛隊機は演習を監視していたが、中国の領空に向かっては飛行せず、「演習に設定された海域、空域とは全く違う場所で、通常の警戒監視の任務に当たっていた」(小野寺氏)という。

 小野寺氏は、自衛隊機の対応について「通常、特異な警戒監視が必要な場合はスクランブルをかける。必要な対応は今回も取った」と述べた。また、小野寺氏は24日夜、安倍晋三首相(59)に報告し、首相は「引き続き、しっかり態勢をとってほしい」と指示した。政府は外交ルートを通じて中国側に抗議し、再発防止を要請した。

 これに対して中国国防省は25日、自衛隊機2機に中国軍機が緊急発進(スクランブル)したことを認め、「自衛隊機が中国の防空識別圏に侵入し、中露合同演習を偵察、妨害した」と反論する談話を発表した。さらに国防省は、すでに日本側に「一切の偵察と妨害活動の停止」を求めたことを明らかにし、その上で要求に従わなかった場合は「後の結果は日本側が責任を持たなければならない」と明言。さらなる強硬措置を示唆した。

日米連携への不満


 中国保守派や軍部は、バラク・オバマ米大統領(52)が先の訪日で尖閣諸島への日米安全保障条約の適用を明言したことに激しく反発しており、今回の異常接近には、日米連携への不満も背景にあるといえそうだ。

 東シナ海では、日本領空に接近した中国機に空自の戦闘機が緊急発進した回数が昨年度は過去最多の415回で前年度より約36%増えた。また、昨年1月には、中国海軍艦が海自の護衛艦に射撃管制レーダーを照射するなど、自衛隊に対する中国軍の危険行為はこれまでも繰り返されてきた。

 武力衝突につながりかねないこうした挑発行為について、当初は「現場指揮官の暴走」の可能性も指摘されたが、その後、現場指揮官が処分を受けた形跡はなく、いずれも中国共産党中央の指示によるものだったと証言する党高官も現れた。自衛隊が憲法などに縛られ、対抗手段を持っていないことを知った上で、あえて挑発した可能性が高い。

 「中国軍の行動は、マナーが悪い部分が多い。いつか起きると思っていたが起きてしまった」。防衛省幹部は苦り切った表情で語った。

「無線警告なかった」 小野寺防衛相、アジア諸国に説明へ(産経N)

小野寺五典(いつのり)防衛相は26日午前の参院決算委員会で、中国軍機が自衛隊機に異常接近した問題に関し、「関係国に日本の状況の説明をしっかりすることが大切だ」と述べ、アジア太平洋地域の国防相が集まる30日からのアジア安全保障会議で中国側の異常な行動を説明する考えを示した。

 「自衛隊機が中露海軍合同演習を妨害した」とする中国の主張に対し、「妨害行為を行った事実は一切ない」と否定。中国国防省が自衛隊機に緊急発進(スクランブル)をかけたと発表したことについても「当該機から無線警告などがあった事実もない」と述べ、緊急発進で通常とられる手順はなかったと強調した。

 小野寺氏は「不測の事案にならないよう軍関係でホットラインを設けることが大切だ」と述べ、中国側に持ちかけている海上連絡メカニズムの構築を急ぐ考えを示した。

中国軍機はミサイルを搭載、防衛相が明らかに(産経N)

小野寺五典(いつのり)防衛相は25日、中国軍のSu27戦闘機2機が東シナ海の公海上空を飛行する自衛隊機に異常接近した問題に関し、中国軍機が空対空ミサイルを搭載していたことを明らかにした。防衛省で記者団の取材に答えた。空域での飛行活動は「国際法上のルールが明確ではない」(防衛省幹部)問題があり、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化以降、活動を活発化している中国との間で事故防止協定は急務といえそうだ。

 小野寺氏は「常軌を逸した近接行動であり、偶発的な事故につながる危険な行為だ」と批判した。安倍晋三首相に24日夜に報告し、「引き続き、しっかりとした態勢をとってほしい」と指示を受けたことも明らかにした。

 24日に自衛隊機に接近した中国軍機は、いずれも自衛隊機の後方から近づき、うち1機ずつがそれぞれ50メートル、30メートルまで接近した。

 中国軍機は、警告射撃がなく、通常ならば緊急発進(スクランブル)の際に行う無線による警告などもしなかったことから、自衛隊機の威嚇行動に出たとみられる。
小野寺氏は、自衛隊機の活動について「通常行っている警戒監視の任務の一環」であり、「中国海軍とロシア海軍の合同軍事演習に設定された海域、空域とはまったく違う場所」で異常接近されたという。自衛隊機の対応については「通常、特異な警戒監視が必要な場合にはスクランブルをかける。必要な対応は今回も取った」と述べた。

 東シナ海の日本領空に接近した中国機に航空自衛隊戦闘機が緊急発進した回数は、昨年度は過去最多の415回に達し、前年度より約36%増えた。ただ、日本政府はロシアと海上事故防止協定を結んでいるが、中国とは枠組みがない。「ロシア機より中国機の方が何をするか分からない」と話す自衛隊幹部もいる。

 一方、元陸上自衛隊幹部学校教官の西村金一氏は「日本の防空識別圏内に中国機を近づけさせないことが大事だ。石垣島をはじめ南西諸島での警戒監視拠点の構築を急ぐべきだ」と指摘する。

有事への覚悟-自衛隊を侮辱した加藤紘一氏(産経N)

自衛隊を舞台にした作品が多い人気作家、有川浩さんの短編「広報官、走る!」に、とても印象的なシーンがある。自衛隊が撮影協力したテレビドラマの中で、国籍不明の潜水艦を追尾する海自の潜水艦士官役の俳優が、こうつぶやく。

 「恐いよ俺…生きて帰って来られるのかな」

 この場面を見た本物の隊員たちがげらげら笑いころげるので、テレビ局のスタッフはあっけにとられる。そして、こういう場合に「恐い」という感覚はないのかと尋ねるスタッフに、隊員たちはこう答える。

 「我々にとっては領海侵犯や領空侵犯なんて日常茶飯事なんです。いちいち恐いなんて思ってたら自衛官なんか務まらない」

 「『恐いよ俺』とか吐(ぬ)かす隊員がいたら、自分は機が離陸しててもそいつを蹴り落としますね。そんな奴が乗ってたら、足引っ張られてこっちの身も危ないですから」

 また、有川さんは実際にテレビドラマ化された長編「空飛ぶ広報室」のあとがきで、こう書いている。

 「(自衛隊員は)ごく普通の楽しい人たちです。私たちと何ら変わりありません。しかし、有事に対する覚悟があるという一点だけが違います」

 有川さんの作品や言葉を長々と引用したのは、18日付の共産党機関紙「しんぶん赤旗」に掲載された加藤紘一元自民党幹事長のインタビュー記事を読んだからである。
元自民党の大幹部が喜々として共産党の機関紙に登場する節操のなさと良識の欠如にもあきれるばかりだが、それよりも加藤氏が次のように語っている部分が目を引いた。

 「集団的自衛権の議論は、やりだすと徴兵制まで行き着きかねない。なぜなら戦闘すると承知して自衛隊に入っている人ばかりではないからです」

 論理が混濁している上に飛躍しており、なぜ集団的自衛権が徴兵制に結びつくのか理解し難い。だが、いずれにしても「戦闘を承知していない」というのは自衛官の覚悟への侮辱ではないか。彼らは全員、入隊時にこう「服務の宣誓」を行っているのである。

 「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえる」

 22万人以上いる自衛官が全員、全く同じ気持ちだとまでは言わない。しかし、ほとんどの人はいざというときの覚悟を持って日々、厳しい任務と訓練に耐えているのは間違いない。

 元防衛庁長官でもある加藤氏の言葉は、自衛官の士気をそぎかねず、政治不信を強めかねない。さらに、日本の領土・領海への野心を隠さない近隣国の自衛隊への侮りを招き、軍事衝突を誘発するかもしれない。百害あって一利なしとはこのことだろう。

 有川さんは、「広報官、走る!」が収められた短編集「ラブコメ今昔」の文庫版あとがきにこう書く。

 「自衛隊は命令に従うことしか許されない組織です。そしてその命令を出すのは内閣総理大臣です。(中略)どんな理不尽な命令でも、彼らは命を懸けるんです」

 かつて「首相の座に一番近い男」と呼ばれた加藤氏が結局、自衛隊の最高指揮官である首相になれなくて本当によかった。今、しみじみそう感じている

奄美に離島防衛部隊=石垣、宮古も検討-防衛省(時事)

防衛省は南西地域の離島侵攻に備えるため、初動対応を行う陸上自衛隊部隊を鹿児島県の奄美大島に配備する方針を固めた。武田良太副大臣が21日、同県奄美市の朝山毅市長らに意向を伝達。部隊規模は350人程度を想定しており、近く部隊配備に適した用地の調査に着手する。同省はさらに、沖縄県の石垣島と宮古島にも同規模の部隊を置くことを検討している。
 政府が昨年12月にまとめた防衛大綱では、南西諸島への攻撃について「侵攻阻止に必要な部隊を速やかに機動展開」すると明記。離島防衛策の強化を打ち出した。 
 南西諸島の陸自は沖縄本島に部隊を置いているだけで、事実上の空白地域となっている。防衛省は中国の海洋活動活発化を踏まえ、三つの島に部隊を分散配置することが望ましいとの判断に傾いている。3カ所に分けることで、震災や台風による大規模災害時にも迅速な対応が可能となるためだ。
 防衛省は今後、石垣、宮古両島にも武田氏を派遣し、部隊配置に向けて地元首長の意向を聴取する考えだ。

中国の防空識別圏非難の決議、米上院外交委可決(読売N)

米上院外交委員会は20日、東シナ海に防空識別圏を設定した中国を非難し、沖縄県・尖閣諸島の対日防衛義務を確認する決議案を全会一致で可決した。

 近く本会議でも可決される見通し。

 決議案は、ロバート・メネンデス外交委員長(民主)やマルコ・ルビオ議員(共和)など超党派の有力議員5人が提出した。中国に防空識別圏の運用を控えるよう求め、「他のアジア太平洋地域でも同様の挑発的な行動を控えるよう強く促す」とけん制している。

自衛隊夜間飛行 行政訴訟で禁止実現 米軍機は制限せず(読売N)

厚木基地の第4次騒音訴訟で、横浜地裁は21日、全国初となる自衛隊機の夜間早朝の飛行差し止めを命じた。原告側は民事訴訟とともに行政訴訟を起こす新たな手法で差し止めを認めさせた。自衛隊では「大きなマイナスだ」などの声が上がった。

  ◆1次訴訟の教訓

 菅官房長官は21日の記者会見で、「国の主張が認められず、大変厳しい判決だと受け止めている」と述べた。

 原告側はこれまで、民事訴訟で飛行差し止めを請求してきた。だが、1993年2月の1次訴訟最高裁判決は、自衛隊機の運航は行政訴訟の対象となる「公権力の行使」に当たり、「民事訴訟での請求は不適法」と判断した。この判決の段階で2次訴訟は提訴されており、3次訴訟で原告側は、早期解決のため差し止めを求めなかった。

 このため、4次訴訟では、民事訴訟での差し止め請求とともに、行政訴訟として初めて自衛隊機の飛行差し止めと滑走路を米軍機に使用させないことを求めた。

 立命館大法科大学院の吉村良一教授(環境法)は「民事訴訟については93年の最高裁判決を踏襲しているものの、弁護団が行政訴訟も併せたことが、裁判所が認定する結果につながった」と分析する。

 関西学院大法科大学院の荏原明則教授(行政法)は「米軍機の飛行が制限されない限り、周辺住民への影響は大きく変化しないだろう」と推測する。

  ◆影響は?

 航空機の飛行差し止めが認められたケースは、「大阪空港公害訴訟」。控訴審で大阪高裁が75年、国に対し、大阪(伊丹)空港で午後9時から翌午前7時までの間、離着陸差し止めを命じた。最高裁は81年、高裁の差し止め命令を退けた。

 また、法務省によると、全国の基地ではほかに、嘉手納、普天間(ともに沖縄県)、小松(石川県)、岩国(山口県)、横田(東京都)の5基地で騒音被害の賠償や飛行差し止めなどを求める民事訴訟が係争中だが、いずれも行政訴訟ではなく、今回の判決が影響するかは微妙だ。

 防衛省によると、厚木基地には、潜水艦などを探知する哨戒機P3Cや救難飛行艇US2といった固定翼機など三十数機が配置されているという。これらは、自衛隊の内部規則により、日曜に加え、月曜から土曜の午後10時~翌午前6時は訓練飛行を行っていない。差し止め命令は、この時間帯が対象になっている。

 ただ、任務では夜間でも飛行することがあり、関係者によると、昨年度は約80回の離着陸が行われた。ここ数年、中国が海洋進出を強めているのに伴い、P3C部隊はフル稼働の状態。洋上での警戒監視任務や、救難飛行艇などが離島から急患を搬送するケースなどが含まれているという。

 海上自衛隊幹部は「判決には『やむを得ない場合を除き』という例外はあるが、今後、任務に支障が出るようなら、不審船対応など国の平和と安全上、大きなマイナスとなる」と危惧する。

[Q]行政訴訟とは…国・自治体との争い解決


 Q 行政訴訟とはどういった訴訟なのか。

 A 市民が国や地方公共団体が行った処分の取り消しを求めたり、行政にやるべきことを促すことを求めたりする訴訟だ。裁判所が、行政行為に違法性があるかどうかを直接判断する形態を取っている。

 Q 今回、差し止めを認めたのはどういう理由からか。

 A 行政事件訴訟法は、行政の判断により重大な損害を生ずる恐れがある場合は、裁判所は差し止めを命じることができると規定している。今回の判決は、騒音による睡眠妨害や不快感など、住民が深刻な被害を受けている点を重視。夜間飛行の差し止めはやむを得ないとの判断を示した。

 ただ、行政には裁量権が幅広く認められているため、差し止めが認められることは異例だ。

  【厚木基地】  米海軍横須賀基地を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントンの艦載機FA18スーパーホーネットやEA18Gグラウラーなどの拠点。海上自衛隊の哨戒機P3Cも配備されている。約507ヘクタール。

無人機「グローバルホーク」操縦士、米で育成 防衛省、陸海空から共同部隊設置へ(産経N)

防衛省は21日、米空軍の無人偵察機「グローバルホーク」の導入に向け、来年度にも操縦士や整備士の候補を米国に派遣し、訓練させる方針を固めた。部隊の骨格も判明。同機を運用する部隊は陸海空3自衛隊の「共同部隊」として三沢基地(青森県)に置き、要員は50人以上を配置する見通しだ。収集した情報は防衛省(東京・市谷)に置く情報本部が分析にあたる。

 一方、米空軍は今月中にグアムのアンダーセン空軍基地を拠点にしているグローバルホークを初めて三沢基地に一時配備する。自衛隊は同機を導入後、収集した情報を米軍と共有する。

 グローバルホークのような滞空型無人機に関し、防衛省は今年度予算で2億円を計上し、機種の性能や運用・整備方法、教育内容の調査に充てる。年内に導入機種をグローバルホークに決め、来年度予算案に購入費を盛り込む。

 米空軍では一般的な航空機の操縦資格を持つパイロットのうち、無人機操縦に関する特別訓練を受けた要員が操縦している。自衛隊もこれを踏襲し、航空自衛隊のパイロットらに特別訓練を受けさせ、操縦資格を与える。

 米空軍の特別訓練は同機製造元の国防産業大手「ノースロップ・グラマン」の施設で行っている。防衛省は、自衛隊の要員も同社施設で訓練を受けられるよう米国防総省に要請する。
要員の育成後、平成30年度までに部隊を新設し、三沢基地で同機の運用や整備を行い、操縦士も三沢を拠点にする方向だ。自衛隊は当面3機導入するため、操縦チームも3つ程度の配置を想定している。

 同機は常時継続的に飛行できる特性を生かし、東シナ海で中国の航空機と艦艇を監視し、北朝鮮の弾道ミサイル発射を警戒する役割が期待される。収集した情報はリアルタイムで各部隊に伝えられ、情報本部はそれらの一次情報を蓄積し、分析を加えた情報は中長期の政策策定に生かす。

     




 ■グローバルホーク 高度約1万5千メートル以上を航行し、滞空時間は30時間。無線・衛星通信で地上から操縦するが、重大な事故は起こしていない。米空軍は台風でグアムから飛来できない恐れがあるため、5月から10月までの間、三沢基地に一時配備する。

集団自衛権・グレーゾーン・駆けつけ警護 一体で閣議決定 強調…石破幹事長(読売N)

集団的自衛権行使の憲法解釈見直しなどを巡る与党協議が20日、スタートする。自民党の石破幹事長は19日、政府・自民党として、行使容認の解釈見直しを先送りせず、全体のパッケージで与党合意したうえで閣議決定を目指す考えを強調した。武装集団による離島占拠などの「グレーゾーン事態」や「駆けつけ警護」などの国際協力に関する法改正に前向きな姿勢を示す一方、解釈見直しについては慎重姿勢を堅持している公明党に対し、政府・自民党の強い決意を伝える狙いがあるとみられる。

 石破氏は、党本部で開かれた党安全保障法制整備推進本部の会合で、「必要な法整備の作業はすべてを全体として進める。与党協議の出口は、法制全体の作業を開始させるための閣議決定だ」と述べた。これに関連し、自民党幹部は、「すべてパッケージで閣議決定する。今国会中を目指す」と記者団に語った。

 安倍首相も19日夜、自民党の中堅・若手議員らとの会合で、「熟慮をしながら、決断する時はしっかりと決断して進めていく」と改めて意欲を示した。

 与党協議は、自民党の高村正彦副総裁が座長、公明党の北側一雄副代表が座長代理となり、週1回のペースで開催していく予定だ。

 自民党は19日、高村、石破両氏ら与党協議のメンバーが集まり、対応を協議した。現在の国内法では対応できない具体的な事例を提示するよう政府に求めるほか、〈1〉武力攻撃とは即座に判断できないグレーゾーン事態〈2〉国連平和維持活動(PKO)で自衛隊が民間人らを助ける駆けつけ警護や後方支援などの国際協力〈3〉(集団的自衛権を含む)武力行使にあたる活動――の順番で協議を進める方針を確認した。いずれも、公明党の意向に沿ったものだ。

 ただ、公明党の山口代表は19日、東京都内での講演で、集団的自衛権行使の「限定容認論」について、「限定と最初は言っていても拡大していくことにつながりかねない。どこをどう限定しているのか疑問で、明確性がない」と慎重姿勢を改めて示した。

 政府・自民党はこれまで、与党協議は「期限ありきではない」(安倍首相)などと公明党への配慮を重視してきたが、石破氏の発言は、公明党が集団的自衛権の問題を先送りできると誤解しないように、自民党の立場を明確にした格好だ。

日米韓、31日に防衛相会談…シンガポールで 北の核など議論へ(読売N)

日米韓3か国の防衛相会談が31日、シンガポールで開かれる。小野寺防衛相が19日、東京都内での講演で明らかにした。北朝鮮の核・ミサイル開発問題や、日米韓の軍事情報共有のあり方などについて意見を交わすとみられる。シンガポールでは30日から6月1日にかけてアジア安全保障会議(英国際戦略研究所主催)が行われ、アジア各国を中心とした国防相らが出席する。小野寺氏は、「同じ価値観を持つ国としっかり手を携えることが大切だ」と述べ、日米や日米豪3か国の防衛相会談も行う考えを示した。日韓の2国間会談は行われない見通しだ。

奄美・宮古・石垣に陸自新部隊、離島攻撃に対処(読売N)

南西諸島の複数の島に、陸上自衛隊の駐屯地を新設し、離島攻撃に対処する新部隊を配備する方針であることが18日、明らかになった。

 政府が想定するのは奄美大島(鹿児島県奄美市など)、宮古島(沖縄県宮古島市)、石垣島(同県石垣市)で、海洋進出を活発化させる中国を念頭に南西諸島防衛を強化するねらいがある。

 新設するのは、離島への攻撃や大規模災害に対応する警備部隊で、2018年度までの配備を予定している。国境離島の警備にあたっている長崎県の対馬警備隊を参考に、それぞれ350人規模を想定している。攻撃が想定される離島に相手より先に上陸して情報収集にあたるほか、その後の部隊展開に備える。奄美大島には武田良太防衛副大臣が今週中に訪れ、駐屯地建設のための共同調査を要請する。

 沖縄県・尖閣諸島周辺の海域では、公船による領海侵入など、中国の活動が活発化している。石垣、宮古の両島は尖閣諸島からそれぞれ約170キロ、約210キロと近く、防衛省は「南西諸島の要」(幹部)と位置づけるものの、奄美大島から日本最西端の与那国島(沖縄県与那国町)までは、沖縄本島を除けば、陸自部隊が配備されていない「空白域」となっている。

 このため、政府が昨年12月に決定した中期防衛力整備計画は、南西諸島などについて、「部隊の態勢を強化。迅速な部隊展開に向けた機動展開訓練を実施」と明記。15年度末までに空自那覇基地のF15戦闘機部隊(約20機)を倍増させるほか、与那国島に150人規模の陸自の沿岸監視部隊を配備することにした。空自那覇基地では今年4月から、早期警戒機(E2C)の警戒監視部隊の一部が常駐している。

 中国は海洋進出に加え、対米軍事戦略として「第1列島線」「第2列島線」を設定するA2ADを採用している。第1列島線に近接する南西諸島での防衛力強化について、防衛省幹部は「日米安全保障体制の強化の意味もある」としている。

一線を鍛えてこその集団自衛権 帝京大学教授・志方俊之(産経N)

「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の報告書が公表された。第1次安倍晋三内閣でもほぼ同じ構成メンバーで検討がなされたことから、ようやく国民の前にその全貌が提示されたとの感が深い。

 ≪法整備、訓練、装備が必要≫

 法学者、政治学者、元外交官、元自衛官など各分野の専門家が蓄積した英知と経験を集め、自由かつ現実的な論議をしてまとめた報告書だ。政府は論議の本質を損なうことなく、一連の政治的プロセスを経て最終的には法律として整備しなければならない。

 報告書は安保法体系に関する多くの内容を含んでいるが、その核心は集団的自衛権の限定的な行使を容認することにある。

 筆者は最終的には憲法改正が必要だと考えるが、これまでのわが国の遅々とした政治プロセスを振り返ると、限定的な行使については、憲法解釈を見直してでも法整備を急ぐべきだと思う。

 報告書は集団的自衛権の限定的行使の類型などを具体的に示している。(1)離島での不法行為や公海上の不法行為への対処など「武力攻撃には至らないグレーゾーン事態」(2)在外邦人救出や駆け付け警護など「武力行使に当たらない国際協力」(3)機雷掃海への参加や近隣有事への対処など「武力行使に当たる行動」-である。
いずれも重要なことであり、十分な論議をして決めるべきではあるだろうが、必要最小限の限定的なものであっても、それを行使するのは、現場の自衛隊員であることを忘れてはならない。

 法律ができれば次の日から自衛隊員が行動できる、というわけではない。現場の自衛隊員に、「部隊行動基準(ROE)」としてそれを周知徹底し、隊員を訓練しておかなければならない。

 新しいタイプの装備も必要になろう。装備は単年度予算ではなかなか整備できない。装備を調達したら、使えるようにしておくことが肝心だ。しかも単に使えるだけでは任務は遂行できない。使いこなせなければならない。

 ≪行使託される「兵」信頼を≫

 個人の訓練から班レベルの部隊訓練、中隊、大隊レベルの部隊訓練、陸海空自衛隊の統合要領の訓練も必要だ。1年や2年で「兵」は育たない。しかも陸海空三自衛隊でかなり対応が違う。

 海自では「兵」は1隻の艦艇にまとまって乗っていて、各艦艇には艦長をトップに完全な指揮組織がある。艦艇は艦隊→司令部→海幕→防衛大臣→首相官邸と通信システムで繋(つな)がっている。
空自では、最前線の戦闘機に乗っているのは、3佐(陸自では中隊長)や2佐(陸自では大隊長)のパイロットであり、通常はレーダー覆域の範囲内を地上基地からの詳細情報に支えられて飛ぶ。それは海自と同様に、基地から首相官邸まで繋がっている。

 陸自はまるで違う。集団的自衛権行使現場で相手と対峙(たいじ)するのは「兵」である。下士官の班長は何メートルも後方で声が届かないこともある。中隊長は100メートルも200メートルも後方で姿すら見えず、大隊本部とは何キロも離れている。

 政治家の方々は是非とも知っておいてほしい。法律では「武器使用」と簡単に言うが、どのタイミングでどの武器を使い、命中させるのか威嚇するのか、それを決めるのは多くの場合、高校や大学を出たての「兵」である。

 時間をかけ何回も教え、周到な訓練を積ませなければならず、兵の養成には何年もかかる。必要最低限の集団的自衛権を行使せよ、と言われても兵は困るのだ。国会で延々と論議しているうちに事態に遭遇することになる。

 ≪ネガティブリスト明示せよ≫

 政府が考えている事態への対処なら、個別的自衛権行使の範囲内で説明できる、いや警察行動の延長として行えばできる、何も集団的自衛権の行使に踏み込む必要はない、とスマート対応を唱える提案もある。だが、考えてもみよ。機動隊は別として、警察官は法執行者として、国内の警察官職務執行法に則(のっと)って1人でも行動できるように訓練されている。
しかし、自衛隊員は特殊任務を除き、どんな少人数でも部隊として行動する。現場では、これは警察権の延長だ、これは個別的自衛権の行使だ、と考えを巡らせている余裕はない。ましてや、集団的自衛権行使やむなしの緊急事態では難しい。加えて、三自衛隊の現場指揮官は教育され、訓練を受け経験を積んでいるとはいえ、変化している国際紛争の現場では、政府が示したどの事例にも該当しない状況もあり得るのだ。

 このような場合、政治は現場の自衛隊に、「これとこれは、して良い」というポジティブリスト(根拠規定)を示すよりも、「決して、やってはならないこと」をネガティブリスト(禁止規定)として明示しておいた方が良いとの考え方も有力だ。民主主義国家の中で60年余も歴史を刻んできた自衛隊を信用してはどうだろう。もし、それほど信用できないのなら、そんな若い「兵」たちに武器を持たせてはなるまい。(しかた としゆき)

自衛隊「駆け付け警護」で武器使用基準変更 PKO5原則実質見直し(産経N)

政府が集団的自衛権の行使容認をはじめとした安全保障上の法整備に関し、国連平和維持活動(PKO)に参加している自衛隊部隊が武装集団に襲われた遠方のPKO要員らを救助する「駆け付け警護」を可能にするため、「PKO参加5原則」を実質的に見直し、武器使用基準を緩和する方向で検討を始めたことが18日、分かった。20日からの与党協議で駆け付け警護が了承されれば、速やかに法改正の作業に入る。

 PKO協力法は自衛隊がPKOに参加する条件として5原則を定めており、5番目の「武器の使用」は「生命などの防護のために必要な最小限度のものに限られる」と規定。武器の使用は正当防衛や緊急避難の際に限定している。駆け付け警護を行うには5原則の武器使用基準を見直し、国際的には一般的な「任務遂行のための武器使用」を認める必要がある。

 政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は安倍晋三首相に提出した報告書で、国際平和協力を積極的に行うため「PKO参加5原則の見直しを視野に検討する必要がある」と指摘した。

 ただ、5原則の文言修正には公明党の反発が予想されるため、政府は5原則の文言自体は大きくいじらず、武器使用基準の「必要最小限」などの解釈を変更した上で、PKO協力法24条(武器の使用)に「任務遂行のための武器使用」を可能とする規定を追加。さらにPKO協力法上の自衛隊の任務に、駆け付け警護を可能にする新規定も盛り込む方針だ。
ただ、「任務遂行のための武器使用」については、敵対勢力が「国または国に準ずる組織」の場合、憲法9条が禁じる「武力の行使」に当たるおそれがある。このため政府は、自衛隊の派遣先国の同意を条件に、任務遂行のための武器使用が「武力の行使」に当たらないと明確化する方向で検討している。

 また、PKO参加5原則に国または国に準ずる組織ではないと認定できる地域を明記することで、任務遂行のための武器使用を行う地域を限定する案も浮上している。

 公明党の井上義久幹事長は18日のNHK番組で、駆け付け警護について「文民を保護する場合の武器使用、範囲も含め十分な活動ができるような法整備をしっかりやりたい」と述べ、前向きな姿勢を示した。

 


 

国連平和維持活動(PKO)参加5原則 自衛隊がPKOに参加する際の基本方針で(1)停戦合意が成立(2)PKO実施と日本の参加に紛争当事国が同意(3)中立的立場の厳守(4)基本方針が満たされない場合は撤収できる(5)武器使用は生命などの防護のため必要最小限-の5項目。

日米韓でミサイル防衛情報共有、米が首相に打診(読売N)

北朝鮮のミサイル開発をめぐり、米政府が日本政府に対し、日米韓3か国によるミサイル防衛(MD)システムの共同運用に向けた情報連絡体制の構築を打診していたことが分かった。

 具体的には、韓国のレーダーで感知したミサイル発射直後の情報を3か国で瞬時に共有することなどが柱だ。より効果的なミサイル防衛体制を整える狙いがある。

 日本政府関係者によると、4月のオバマ米大統領来日の際、同行したスーザン・ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)が安倍首相らに提案した。首相も前向きに検討する考えを伝えたという。

 米国は、今月30日からシンガポールで行われるアジア安全保障会議にあわせて予定される日米韓防衛相会談で、ミサイル防衛システム共同運用に向けた検討開始を提案するとみられる。

ロシア艦、対馬海峡通過「重大な関心」防衛相(読売N)

防衛省は16日、対馬海峡を通過して、日本海から東シナ海の方向に進むロシア海軍の巡洋艦など6隻を確認したと発表した。

 領海には侵入しなかった。中国とロシアは今月20日から26日にかけて、東シナ海で合同軍事演習を実施するといい、6隻はこれに参加するとみられる。

 同省統合幕僚監部によると、16日午前1時頃、海自の護衛艦「あさゆき」が、対馬(長崎県)の北東約140キロの海域を南西方向に進む巡洋艦や駆逐艦、戦車揚陸艦などを確認。6隻は同11時頃、対馬海峡を通過した。小野寺防衛相は同日の記者会見で、「重大な関心を持って注視したい」と語った。

国民の命を守る責任 「放置せよ」と憲法は言っていない(産経N)

安倍晋三首相は15日夕、首相官邸で記者会見を開き、集団的自衛権行使など安全保障上の課題について「政府の基本的方向性」を表明、国民に理解を求めた。会見の詳報は以下の通り。

 「本日、政府の有識者会議『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)』から報告書が提出されました。外交、安全保障、法律の専門家の皆さんが約2年半検討、議論を重ねてきた結果です。まず冒頭、柳井俊二座長、北岡伸一座長代理をはじめ委員の方々の高い見識とご意見に心から感謝お礼を申し上げたいと思います」

 「本日は、この報告書を受けて今後どのように検討していくか、その基本的方向性について国民の皆様に私から直接ご説明をさせていただきたいと思います」

 「この報告書を受けて考えるべきこと。それは私たちの命を守り、私たちの平和な暮らしを守るため、私たちは何をなすべきかということであります。具体的な例でご説明をしたいと思います」

 「今や海外に住む日本人は150万人。さらに年間1800万人の日本人が海外に出かけていく時代です。その場所で突然紛争が起こることも考えられます。そこから逃げようとする日本人を、同盟国である米国が救助で輸送しているとき、日本近海で攻撃があるかもしれない。このような場合でも、日本人自身が攻撃を受けていなければ日本人が乗っている米国の船を日本の自衛隊は守ることができない。これが憲法の現在の解釈です」
「昨年11月、カンボジアの平和のため活動中に命を落とした中田厚仁さん、そして高田晴行警視の慰霊碑に手を合わせました。あの悲しい出来事から20年あまりがたち、現在アジアでアフリカでたくさんの若者たちがボランティアなどの形で地域の平和や発展のために活動をしています」

 「医療活動に従事をしている人たちもいますし、近くで協力してPKO活動をしている国連のPKO要員もいると思います。しかし彼らが突然武装集団に襲われたとしても、この地域やこの国において活動している日本の自衛隊は彼らを救うことができません。一緒に平和構築のために汗を流している、自衛隊とともに汗を流している他国の部隊から『救助してもらいたい』と連絡を受けても日本の自衛隊は彼らを見捨てるしかないんです。これが現実なんです」

 「皆さんのお子さんやお孫さんたちがその場所にいるかもしれない。その命を守るべき責任を負っている私や日本政府は本当に何もできないということでいいのでしょうか。内閣総理大臣である私はいかなる事態にあっても国民の命を守る責任があるはずです。そして、人々の幸せを願って作られた日本国憲法がこうした事態になって『国民の命を守る責任を放置せよ』と言っているとは私にはどうしても考えられません。

「こうした事態は机上の空論ではありません。連日、ニュースで報じられているように、南シナ海ではこの瞬間も、力を背景とした一方的な行為によって国家間の対立が続いています。これはひとごとではありません。東シナ海でも、日本の領海への侵入が相次ぎ、海上保安庁や自衛隊の諸君が高い緊張感を持って24時間体制で警備を続けています。北朝鮮のミサイルは、日本の大部分を射程に入れています。東京も大阪も、みなさんの町も例外ではありません。そして、核兵器の開発を続けています。さらには、サイバー攻撃など、脅威は瞬時に国境を越えてきます」

 「これは、私たちに限ったことではありません。もはやどの国も一国のみで平和を守ることはできない。これは世界の共通認識であります。だからこそ私は、『積極的平和主義』の旗を掲げて、国際社会と協調しながら、世界の平和と安定、航空・航海の自由といった基本的価値を守るために、これまで以上に貢献するとの立場を明確にし、取り組んできました」

 「積極的平和主義の考え方は、同盟国である米国はもちろん、先週まで訪問していた欧州各国からも、そしてASEANの国々をはじめとするアジアの友人たちからも高い支持をいただきました。世界が日本の役割に大きく期待をしています。いかなる事態においても、国民の命と暮らしは断固として守り抜く。本日の報告書では、そうした観点から提言が行われました」
「今後、政府・与党において具体的な事例に即してさらなる検討を深め、国民の命と暮らしを守るために、切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備します。これまでの憲法解釈のもとでも可能な立法措置を検討します」

 「例えば、武力攻撃に至らない侵害、漁民を装った武装集団がわが国の離島に上陸してくるかもしれない。こうしたいわゆる『グレーゾーン事態』への対処をいっそう強化します。さらに、PKOや後方支援など、国際社会の平和と安定に、いっそう貢献していきます」

 「その上でなお、現実に起こり得る事態に対して万全の備えがなければなりません。国民の命と暮らしを守るための法整備が、これまでの憲法解釈のままで十分にできるのか、さらなる検討が必要です。こうした検討については、『日本が再び戦争をする国になる』といった誤解があります。しかし、そんなことは断じて有り得ない。日本国憲法が掲げる平和主義は、これからも守り抜いていきます。そのことは明確に申し上げておきたいと思います」

 「むしろ、あらゆる事態に対処できるからこそ、そして対処できる法整備によってこそ、抑止力が高まり、紛争が回避され、わが国が戦争に巻き込まれることがなくなる、と考えます」
「今回の報告書では、2つの異なる考え方を示していただきました。1つは『個別的か集団的かを問わず自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加といった国際法上、合法な活動には憲法上の制約はない』とするものです」

 「しかし、これは、これまでの政府の憲法解釈とは論理的に整合しない。私は、憲法がこうした活動の全てを許しているとは考えません。したがって、この考え方、いわゆる『芦田修正論』は、政府として採用できません」
「自衛隊が、武力行使を目的として、湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません。もうひとつの考え方は、わが国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許される、との考え方です」

 「生命、自由、幸福追求に対する国民の権利を、政府は最大限尊重しなければならない。憲法前文、そして憲法13条の趣旨をふまえれば、自国の平和と安全を維持し、その存立をまっとうするために、必要な自衛の措置をとることは禁じられていない。そのための必要最小限度の武力の行使は許容される。こうした従来の政府の基本的な立場を踏まえた考え方です」

 「政府としてはこの考え方について、今後さらに研究を進めていきたいと思います。切れ目のない対応を可能とする国内法整備の作業を進めるにあたり、従来の憲法解釈のままで必要な立法が可能なのか。それとも、一部の立法にあたって憲法解釈を変更せざるをえないとすれば、いかなる憲法解釈が適切なのか。今後、内閣法制局の意見も踏まえつつ、政府としての検討を進めるとともに、与党協議に入りたいと思います」

 「与党協議の結果に基づき、憲法解釈の変更が必要と判断されれば、その点を含めて、改正すべき法制の基本的方向を、国民の命と暮らしを守るため、閣議決定してまいります。今後、国会においても議論を進め、国民の皆様の理解を得る努力を継続していきます。十分な検討を行い、準備ができしだい、必要な法案を国会にお諮りしたいと思います」
「日本は戦後70年近く、一貫して平和国家としての道を歩んできました。これからも、この歩みが変わることはありません。しかし、『平和国家である』と口で唱えるだけで、私たちの平和な暮らしを守ることはできません。私たちの平和な暮らしも、突然の危機に直面するかもしれない。そんなことはないと、誰が言い切れるでしょうか。テロリストがひそむ世界の現状に目を向けたとき、そんな保障はどこにもありません」

 「政府は、私たちは、この現実に真っ正面から向き合うべきだと私は考えます。私たちの命を守り、私たちの平和な暮らしを守る。そのためには、いかなる事態にも対応できるよう、常日頃から隙のない備えをするとともに、各国と協力を深めていかなければなりません」

 「それによって、抑止力が高まり、わが国が戦争に巻き込まれることがなくなると考えます。さきほど申し上げたような事態においても、しっかりと日本人の命を守ることこそが、総理大臣である私の責任であると確信します。今後、検討を進めるにあたり、国民の皆様のご理解、心からお願いを申し上げる次第であります。私からも引き続き、あらゆる機会を通して丁寧に説明をしていきたいと思います」
「再度申し上げますが、まさに紛争国から逃れようとしている、お父さんやお母さんやおじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない、彼らが乗っている米国の船を今私たちは守ることができない。そして、世界の平和のためにまさに一生懸命汗を流している若い皆さん、日本人を、私たちは自衛隊という能力を持った諸君がいても守ることができない」

 「そして一緒に汗を流している他国の部隊、もし逆であったら彼は救援に訪れる。しかし私はそれを断らなければならない。見捨てなければならない。おそらく世界は驚くことでしょう。こうした課題に、日本人の命に対して守らなければいけない責任を有する私は、総理大臣は、日本国政府は、検討していく責務があると私は考えます。私からは以上です」

 --憲法解釈の変更に言及した。歴代政権が踏襲してきた憲法解釈を一政権の判断で変更するとしたら、憲法が政府の政策を制限する立憲主義の否定ではないか。政権が自由に憲法解釈を変更しても問題ないとお考えか。総理は「日本が再び戦争する国になることは断じてない」とおっしゃった。集団的自衛権を認めれば将来的に自衛隊が他国の戦争に参加する可能性が否定できない。これが総理の掲げる積極的平和主義か
「今私が説明したように、この事態でも私たちはこの船に乗っている子供たちを、お母さんや多くの日本人を助けることができない、守ることもできない。その能力があるのに。それで本当にいいのか、ということを私は問うているわけであります。立憲主義に乗っ取って政治をやっていく、当然のことであります。その上において、私たち政治家はこうしたことができないという現状から目をそむけていてよいのかということを皆さんにも考えていただきたいと私は思います」

 「人々の幸せを願う、まさに生存的権利があるわけです。そしてその権利を私たち政府は守っていく責任があるんです。その責任を放棄しろと、憲法が要請しているとは私には考えられません。会見をごらんになっている皆さんや皆さんのお子さんやお孫さんがこうした立場になるかもしれない。そのことを考えていただきたいと思います」

 「この議論は国民の皆さま1人1人関わる現実的な問題であります。北朝鮮のミサイルは日本の大部分を射程に入れています。このような日本を取り巻く安全保障環境の大きな変化を踏まえて、7年掛かりでこの問題に臨んできました。いかなる事態にあっても国民の命と暮らしは守っていく責任が私たちにはあるのです。こうした観点から研究を進めていく」
「他方、私は日本国憲法が集団的自衛権を含め自衛のためのすべての活動を許している、とは考えていません。自衛隊が武力行使を目的として他国での戦闘に参加するようなことはこれからも決してありません。それは今申し上げた通りであります。憲法が掲げる平和主義を守り抜いていきます」

 「今回の検討によってですね、他国の戦争に巻き込まれるといった批判があります。こうした批判は1960年の安保改正の際に盛んにいわれました。この安保条約の改正によって、むしろ反対論の中心はそこにあったのです。この日米安保改正によって日本は戦争に巻き込まれる。さんざん主張されました。しかし、50年経ってどうだったでしょう。その改正によってむしろ日本の抑止力は高まり、アジア太平洋地域において米国のプレゼンスによって、今平和がより確固たるものになっているのは日本人の常識になっているではありませんか」

 「まさに私たちが進めていこうとすることは、その抑止力を高めていく、そして日本人の命を守るためにやるべきことはやらなければならないという観点から検討していかなければならないということであります。『巻き込まれる』という受け身の発想ではなくて、国民の命を守るために何をなすべきかという能動的な発想を持つ責任があると私は思います。繰り返しになりますが、抑止力が高まることによって、より戦争に巻き込まれることはなくなる、このように考えます」
--総理は自らが設置した「安保法制懇」の報告書を受け、憲法解釈の変更が適切なのか与党に協議を要請しましたが、安保法制懇には「人選に偏りがあり、中立性を欠く」との指摘もあります。この点、どうお考えか。また公明党は集団的自衛権に関し、「連立政権合意に書いていないテーマ」とし、平成24年12月の衆院選、昨年7月の参院選でも大きな争点にはなっていない。安全保障政策の重大な変更を検討するにあたり、衆院を解散して国民の信を問う考えは

 「安保法制懇については、こうした課題について、まさに正面からずーっと考えてきた皆さんにお集まりをいただきました。こうした問題に正面から取り組んでいただいた皆さん、どうすれば日本人の命を守ることができるかということを真面目に考えてきていただいた皆さんに集まっていただきました。報告書でも、安全保障環境の変化に留意をして、いかなる事態においても国民の命と暮らしを守るために何をなすべきか、まさに専門的かつ現実的なご議論をいただいたと思います」

 「その中で私たちは報告書、ご議論いただいた報告書の全てを私たちは検討対象とはしないという判断を下したわけであります。選挙との関係におきましては、前回の衆院選、また参院選でも、私の街頭での演説を聴いていた方々はご承知のことだと思いますが、私は国民の生命、財産、領土、領海は断固として守り抜いていくと申し上げてきました。まさにいかなる事態にあっても、このような事態にあっても、私はその責任を果たしていかなければならないと考えていると申し上げてきたわけであります。この検討はそうした国民との約束を実行に移していくものであると私は確信しております」
--集団的自衛権の憲法解釈の見直しに向けた取り組みは、既にアメリカからも支持を取り付けているが、総理は外遊の場などを通じてアジアや欧州各国の首脳から具体的にどのような感触を得られているか。併せて、見直しに当たっては、国民や公明党、自民党の理解が不可欠になるが、今後どのようなスケジュールで論議を深めていくお考えか

 「昨年、私はASEAN10カ国を訪問いたしました、その際、その集団的自衛権の解釈変更等々につきましても、こうした実例を示しまして説明をいたしました。全ての国々から理解が得られたと思います。理解と支持を得られたと思います。そしてまた、今年、先般、欧州を訪れ、やはり詳細な説明をいたしました。ご支持をいただいたところで、各国から支持をいただきました」

 「またNATO演説においては、その集団的自衛権の解釈変更を含めて、集団安全保障におけるわれわれの責任などについてもご説明をしましたが、各国から高い支持をいただいたと思います。ある国の代表の方は手をあげて憲法9条に言及されました。この憲法9条の解釈についても、日本の、日本人の命を守るために、あるいは地域と世界の平和を確固たるものにするために、その解釈の変更を検討しているということは素晴らしいと。日本が大きな変化を遂げたという支持をいただいたところであります。これからもこうした日本の安全保障政策についてはしっかりと諸外国を訪問しながら、なんと言っても国際協調が大切でありますから、これからも積極的に貢献をしていきたいと思います」
「また今後のスケジュールについてでありますが、期限ありきではありません。今後、内閣法制局の意見を踏まえつつ、政府としての検討を進めるとともに、与党協議に入りたいと考えています。与党協議の結果に基づきまして、憲法解釈の変更が必要と判断されれば、その点を含めて改正すべき法制の基本的方向を、国民の命と暮らしを守るため、閣議決定してまいります」

 「今後、国会においても議論を進め、国民の皆さまの理解を得るための努力を継続していきます。十分な検討を行い、準備ができ次第、必要な法案を国会にお諮りしたいと思います。その際、抽象論や観念論ではなくて、個別具体的な事例に即して議論をし、国民の皆様の理解を得ていきたいと思います」
 --このところ南シナ海の方で中国とベトナムやフィリピンなどの対立が急激に緊迫化している。総理も先ほど人ごとではないとおっしゃった南シナ海の状況に、集団的自衛権容認によって、この地域での日本の役割や貢献がどう変化するとお考えか

 「わが国の平和国家としての歩みは今後も変わることはありません。わが国は紛争の平和的解決を重視して参りました。法の支配、航海の自由、上空飛行の自由が尊重されなければなりません。力による現状変更は一切認めない。わたしたちが検討をするのはまさにこのような状況でありまして、このような状況が発生したとき、日本人の命に危険が迫っているのにも関わらず、何もできなくていいのかと、そういうことであります」

 「また、こうした解釈、変更の検討によってですね、軍事費が増大するのではないか、軍備が拡大するのではないかという、そういう指摘もありますが、それは的外れであります。中規模で5年間の増額をすでに閣議決定をしておりました。これが変更されることはありません」

 --集団的自衛権の行使容認を含めた憲法解釈変更や、関連法整備に向け政府は詳細な事例集をまとめているが、それでも想定外のことが起きた場合の対応についてはどうお考えか
「安全保障を考える上においてですね、あらかじめ事態を、将来起こり得る事態をですね、想定することは容易ではないと思います。これまでですね、ともすれば想定したこと以外の事態はおこらないという議論が行われてきました。事実ですね、いま私があげた例、こうした例から、目を背けてずっと今日に至ったんです。つまりそんなことは起こらないということで目を背けてきたと言ってもいいと思います」

 「内閣総理大臣である私は、いかなる事態であっても国民の命を守る責任があります。想定外は許されないわけであります。国民の命と暮らしを守るため、現実に起こりうるあらゆる事態に対して、安全の備えをなしていくことが大切だろうと思います」

 --安保法制懇の報告書にもいくつかの事例が入っているが、どれを検討対象としてどれをしないのか、その理由も合わせて教えていただきたい

 「今回はですね、2つの異なる考え方を報告書に示していただきました。一つはですね、自衛のための武力の行使は禁じられていない、また国連の集団安全保障措置への参加といった、国際法上合法な活動には憲法上の制約はないという考え方であります。しかし、これはこれまでの政府の憲法解釈とは論理的に整合しないと考えます。私は政府が、憲法がこうした活動の全てを許しているとは考えません。従ってこの考え方、いわゆるですね、芦田修正論でありまして、われわれが自衛権を行使してと言うのは、芦田修正によるという考え方でありますから、その考え方は政府としては採用しないということであります」

 「もう一つの考え方は、わが国の重大な、安全に重大を影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許されるとの考え方でありました。政府としてはこの考え方について、今後さらに研究を進めていきたいと思います」(完)

集団自衛権報告書 「異質の国」脱却の一歩だ(産経N)

行使容認なくして国民守れぬ

 日本の安全保障政策の大きな転換につながる集団的自衛権の行使について、政府の有識者会議が憲法解釈の変更で容認することを求める報告書を安倍晋三首相に提出した。

 首相は記者会見で「いかなる危機にあっても国民を守る責任がある」と述べ、本格的な与党協議に入る考えを表明した。

 日本の平和と安全、国民の生命・財産を守るため、当然の政治判断がようやく行われようとしていることを高く評価したい。

 早期に与党合意を取り付け、自衛隊法など必要な関連法の改正などに取り組んでもらいたい。

 《緊張への備えは重要だ》

 なぜ今、集団的自衛権の行使が必要なのか。それは、厳しさを増す安全保障環境を乗り切るため、日米同盟の信頼性を高め、抑止力を強化する必要があるからだ。

 報告書は「一層強大な中国軍の登場」に強い懸念を示した。「国家間のパワーバランスの変化」から「特にアジア太平洋地域」の緊張激化を指摘した。
中国は東シナ海では尖閣諸島の奪取をねらっている。南シナ海ではフィリピンやベトナムを相手にスプラトリー(南沙)、パラセル(西沙)諸島などを奪おうとしている。力による現状変更を図る試みは受け入れられない。

 東西冷戦の時代であれば、日本が個別的自衛権の殻に閉じこもっていても、米国は仮にソ連の攻撃があれば日本を守っただろう。

 だが、今や米国に一方的庇護(ひご)を求めることはできない。オバマ政権はアジア重視の「リバランス」(再均衡)政策をとるが、国防費は削減の流れにあり、米国民も海外での軍事行動を望まない。

 集団的自衛権の行使容認で日本が責任を分担する姿勢を明確にし、地域の平和と安定のため、今後も米国を強く引きつけておく努力が欠かせない。

 朝鮮半島有事の際、日本人を含む各国国民を避難させる米軍の輸送艦を自衛隊が守ることは、集団的自衛権の行使にあたるため、現状では困難とされる。安全保障の法的基盤の不備から、国民を守ることができない。
米軍将兵は命をかけて日本の防衛にあたる。その同盟国が攻撃を受けているのに、近くにいる自衛隊が助けなければ、真の絆を強められるだろうか。日本の国際的信用も失墜しかねない。

 集団的自衛権の行使を認めれば戦争に巻き込まれるといった批判がある。だが、むしろ行使容認によって抑止力が向上する効果を生むとみるべきだ。外交努力に加え、同盟や防衛力で戦争を未然に防ぐ必要がある。

 過去の内閣法制局の憲法解釈を金科玉条のように位置付け、変更は認められないとの主張もある。だが、過去にも憲法66条の「文民」の定義で現職自衛官を外すなどの解釈変更は行われた。

 《グレーゾーン対応急げ》

 そもそも、憲法が行使を許す「自衛のための必要最小限度」の中に、集団的自衛権を限定的に含めるのは、国の守りに必要である以上、当然だ。危機を直視せず、十分な抑止力を使えない不備を放置すれば「憲法解釈守って国滅ぶ」ことになりかねない
与党協議に向け、公明党は行使容認に慎重な態度を崩していない。だが、通算11年以上、自民との連立で政権を担当してきた。安全保障面でも国家や国民を守る責任を等しく負っている。行使容認への接点を探ってもらいたい。

 容認に前向きな日本維新の会やみんなの党などと党派を超えた議論も加速すべきだ。

 有識者会議の報告書のうち、武力攻撃手前の侵害である「グレーゾーン事態」への対応や、国連平和維持活動(PKO)での「駆け付け警護」を容認する点などは、公明党を含め多数の政党の理解が広がっている。

 漁民に偽装した中国の海上民兵や特殊部隊が、尖閣に上陸して占拠しようとするケースもグレーゾーン事態だ。これに対応する領域警備の法整備は急務だ。

 一方、国連安保理決議に基づく多国籍軍への自衛隊の参加などの提言を、首相が「海外での武力行使」にあたるとの従来の解釈に立ち、採用しない考えを示した点は疑問もないわけではない。

 自衛隊の活動への強い制約を解くことが課題である。内外に表明している積極的平和主義の具体化へ、現実的対応を求めたい。

「中国が問題を創出しているのではない」 中国軍総参謀長が米で日本、ベトナム批判(産経N)

訪米中の中国人民解放軍の房峰輝総参謀長は15日、デンプシー米統合参謀本部議長と国防総省で会談した。会談後の共同記者会見で房氏は、日本など周辺国を批判した。

 緊張が高まる中国周辺の海洋問題について、房氏は、「領有権をめぐる中国の態度は断固としている。わずかたりとも失うわけにはいかない」と断言。「中国が問題を創出しているのではない」と主張した。

 具体的には、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を日本が国有化し、フィリピンが南シナ海の一部の島を実効支配していることなどが原因だと指摘。「南シナ海での中国の石油掘削は、中国の領海内での通常の活動で、今後も継続する」と、抵抗するベトナムも批判した。

 日本についてはさらに、「軍国主義の復活を阻止しなければならない」としたうえで、「日本と中国、韓国、ロシアの領有権争いが、地域の不安定要因になりうる」と主張。フィリピンを含む「中国の周辺国が、米国の再均衡戦略を利用しようとしている」と非難した。

 米国に対しては「相互尊重を基本とする新型大国関係、新型軍事関係」の重要性を訴え、「米国の再均衡戦略は、中国を標的にしたものではないという米国の立場に注目する」と表明。「米国が(中国の主張に立った)客観的な視点をもつよう望む。そうでなければ、米中関係を阻害する可能性がある」と牽制(けんせい)した。

憲法解釈見直し、首相が会見で決意示す(読売N)

安倍首相は15日、首相官邸で、政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」(座長=柳井俊二・元駐米大使)から、集団的自衛権の行使容認などの憲法解釈見直しを提言する報告書の提出を受けた。


 これに続き、首相は同日、記者会見し、憲法解釈見直しに関する「基本的方向性」を表明し、政府・与党に検討を要請した。

 「国民の命と暮らし」を守る観点から、自らが掲げる「積極的平和主義」の実現に向け、集団的自衛権を限定的に容認する憲法解釈見直しに取り組む決意も示した。

 首相は記者会見で、安保法制懇の報告書について「いかなる事態でも、国民の命と暮らしは断固として守り抜くという観点から提言が行われた」と評価した。

 報告書は、個別か集団かを問わず、自衛のための武力行使は可能で、国連の集団安全保障措置への参加も憲法上制約されていないとしている。首相は記者会見で、この提言について「憲法がこうした活動の全てを許しているとは考えず、政府として採用できない。自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争に参加するようなことはこれからも決してない」と明言した。

 一方で、我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性がある場合、集団的自衛権を限定的に行使することは許されるとの提言については、「従来の政府の立場を踏まえた提言だ。今後、さらに研究を進めたい」と前向きな考えを示した。

 首相はまた、「政府・与党で具体的な事例に則して、切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備する」と述べた。その上で、「武力攻撃に至らない侵害」として、漁民を装った武装集団が離島に上陸してくる「グレーゾーン事態」を挙げ、早急に立法措置を講じる考えを強調した。

 さらに、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している現状を踏まえ、「国民の命と暮らしを守るための法整備がこれまでの憲法解釈のままで十分にできるのか、さらなる検討が必要だ」と指摘した。

 首相は、集団的自衛権見直しをめぐり、「『日本が再び戦争をする国になる』といった誤解がある。しかし、そのようなことは断じてありえない。憲法が掲げる平和主義はこれからも守り抜いていく」と強調した。「あらゆる事態に対処できる法整備によってこそ抑止力が高まり、我が国が戦争に巻き込まれなくなる」と訴えた。

 法整備に向けた段取りについては、「内閣法制局の意見も踏まえつつ、政府の検討を進めるとともに、与党協議に入りたい。協議結果に基づき、憲法解釈変更が必要と判断されれば改正すべき法制の基本的方向を閣議決定していく」と述べた。

「国際社会は期待しているが…」国際協力阻む「9条の壁」(産経N)

憲法9条が禁じている「武力の行使」に関する憲法解釈は、集団的自衛権の行使にとどまらず、自衛隊の国際協力活動を大幅に制約する原因となっている。集団的自衛権の行使容認を含めた憲法解釈変更や関連法整備に向けて政府がまとめた事例集では「国際社会はわが国の積極的な関与を期待しているが、国際社会の平和と安定を実現していく上で、従来の憲法解釈では十分対応できない」と問題提起する。

 (6)駆け付け警護、(7)任務上の武器使用

 国連平和維持活動(PKO)協力法が平成4年に成立して以降、自衛隊はカンボジアや東ティモールなどでPKO活動に参加、現在は南スーダンに部隊派遣を行っている。政府は、PKO参加時の積極的な国際協力を目指している。

 《自衛隊部隊がPKOに参加。離れた場所にいるPKOの文民要員(職員ら)が武装集団に襲われた。一方、武装集団に襲撃された他国部隊が自衛隊に救援を要請してきた》

 政府の事例集が示したこれらのケースは「駆け付け警護」と呼ばれる。現行では、自衛隊はこれらの要請に応じられないとなっている。
「駆け付け警護」を行うには、「任務遂行のための武器使用」が欠かせない。政府の事例集では、こんな例も設定している。

 《PKOに参加する自衛隊部隊が、負傷した非政府組織(NGO)職員を医療施設に緊急輸送すべく現地に向かった。だが、武装集団が立ちはだかり妨害した》

 この場合も、自衛隊は武装集団への攻撃は行えず、引き返すしかない。武器使用の基準が「正当防衛」など一部に限定されている、としてきたからだ。

 もし、山賊などの犯罪集団が駐留する自衛隊部隊を直接妨害するのであれば「警察権の行使」として正当防衛の範囲内で武器を使用できる。ただ、妨害してきた集団が「国または国に準ずる組織」だと、憲法9条が禁じる「武力の行使」に当たるおそれが生じる。妨害してきた集団が「国または国に準ずる組織」でないと断定することは困難であり、PKO協力法上の武器使用基準も、任務遂行を目的としていない。

 解決策として、事例集では「『国または国に準ずる組織』が敵対するものとして登場しないことを確保する仕組みを設定すべきではないか」と結論づけた。
政府関係者は「自衛隊の派遣先国の同意を条件に、『国または国に準ずる組織』が現れないと認定できる地域を事前に設定すれば、任務遂行上の武器使用が『武力の行使』に当たらないと明確化できる」と解説する。

 (8)在外邦人の救出

 《外国にいる邦人の生命がテロ集団により脅かされた。保護を要請したが、当該国の政府には救出能力が不足。自衛隊が救出作戦を行うことに同意する用意があると連絡してきた》

 このケースでは、邦人救出の際、テロの被害に遭った在外邦人がいる国が自衛隊の救出活動に同意することを前提に置いた。「武力紛争は自国民の保護を理由に起こりやすい」(政府関係者)からだ。

 念頭にあるのは、アフリカ北西部アルジェリアで邦人10人が犠牲になった昨年1月の人質事件だ。自衛隊の武器使用基準は「正当防衛」や「緊急避難」といった邦人救出後の不測の事態に遭遇した場合に限られており、政府は当時、自衛隊の派遣を見送った。
この事件を教訓に政府は昨年11月、自衛隊法を改正し、緊急時の在外邦人の陸上輸送を可能にした。輸送業務に従事する自衛隊員が携行する武器の制限を撤廃する新方針も定めた。だが、武器使用基準そのものは、正当防衛などに限定されたままだ。

 政府の事例集は「国民の生命を守れないことがあってよいのか。適切な任務や武器使用権限を付与すべきではないか」と提起する。ただ、公明党は人質事件を受けた自衛隊法改正の際にも、武器使用基準の緩和には慎重だった。

 (9)侵略対抗への支援

 《ある地域で局地的な侵略行為が発生。国連安全保障理事会の決議に基づく多国籍軍が構成され、わが国も「武力の行使」に当たらない範囲で支援すべく自衛隊を派遣した》

 政府の事例集が提示するこのケースは、軍事侵略した国に対し、国連決議などをもとに多数の国家が集団で制裁を加え、侵略を受けた国の主権を回復する「集団安全保障」に該当する。平成3年の湾岸戦争や15年のイラク戦争などで「多国籍軍」が結成されている。
事例集の念頭にあるのは朝鮮半島有事だ。

 事例集は「武力の行使に当たらない範囲」との条件をつけた。侵略国への制裁に、自衛隊は直接加わるのではなく、「後方支援」を想定している。

 現行の周辺事態安全確保法では、自衛隊による水や食糧、燃料などの補給・輸送活動や医療支援活動を認めている。一方、兵員や武器・弾薬の輸送については「武力行使の一体化」に当たるとして除外された。政府は今年1月、自衛隊が部隊展開する南スーダンPKOで、軍事要員や武器の輸送を国連から要請されたものの「他国軍との武力行使の一体化」を禁じる憲法解釈に抵触しかねないとして断った。

 事例集では「『武力の行使』に当たらない支援活動の実施にも制約がある。制約が課されれば、多国籍軍の中でわが国が効果的に連携することは困難だ」と指摘。「『武力の行使と一体化』する判断基準を明確化すべきではないか」と問題提起した。

 後方支援活動の判断基準の見直しでは、戦闘中の他国部隊に対する武器・弾薬の補給や医療活動を視野に入れた活動拡大が今後の焦点になる。

有事手前の「グレーゾーン」に隙間 「自衛官の権限見直しを」(産経N)

離島の不法行為

 《外国人と思われる武装集団が日本の離島に不法上陸。島に警察はいない。海上保安庁も速やかな対処が困難だ》

 政府が事例集で示したこのケースは、中国の武装した漁民らが尖閣諸島(沖縄県石垣市)などに上陸したことを想定している。武力攻撃に至っていない有事手前の状態で、「グレーゾーン」事態と呼ばれる。

 領土・領海の治安維持はまず警察や海上保安庁が対応し、他国から武力攻撃を受けたり、その危険性が切迫したりした場合、自衛隊が自衛権に基づいて「防衛出動」する。

 ただ、今回の事例は武力攻撃の恐れがはっきりせず防衛出動の根拠が明確でない。もちろん、警察や海保で対処しきれないと判断されれば、自衛隊は警察権に基づき「治安出動」「海上警備行動」で出動できる。

 その場合でも、命令するのは首相と防衛相で異なるが、いずれも閣議決定などの手続きが必要だ。手続きを行っている間に被害が拡大する可能性があり、武器の使用も「防衛出動」より限られている。
平成11年3月の能登半島沖の不審船侵入事件では、自衛隊に海上警備行動が初めて発令された。だが、不審船を追った海上保安庁の巡視船と海上自衛隊の護衛艦は不審船を取り逃がし、初動の遅れや武器使用基準の不備が課題となった。

 ■公海上の不法行為

 同じようなケースは公海上でも想定される。

 《自衛隊の艦艇が公海で訓練や警戒監視活動などを実施中、日本の民間船舶が他国船舶(武装集団)に不法行為を受けている場面に遭遇した。陸地から遠く離れているため海上保安庁が速やかに対応することは困難だが、近くにいる自衛隊なら対処できる》

 自衛隊が治安出動や海上警備行動で対処するにしても発令手続きの時間がかかる。それまで自衛隊は不法行為を見ているしかない。

 尖閣諸島沖で22年9月に発生した中国漁船衝突事件では海上保安庁の巡視船が漁船に体当たりされたが、日本の民間船が同様の被害に遭う可能性もある。
政府は事例集で「離島の不法上陸」と「公海上の不法行為」の2事例について「自衛隊がより迅速に対処できるよう、発令の手続きや自衛官の権限などを見直すべきではないか」と強調している。

 政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」の2月の会合では、委員から「現行の海上警備行動などによる対応では不十分だ」などの意見のほか、「自衛権の行使を可能にするには、武力攻撃に至らない侵害が繰り返されれば武力攻撃(事態が発生した)と整理するしかない」と防衛出動の要件緩和を求める声が上がった。

 グレーゾーン事態への対応は警察権や個別的自衛権の範囲で、憲法解釈の変更を伴わない。そのため集団的自衛権の行使容認に慎重な公明党も法整備に前向きな姿勢を示している。海上警備行動や治安出動などの要件緩和に加え、不法行為を排除するための武器使用基準の見直しが今後の焦点となりそうだ。

米艦防護、臨検、機雷掃海… 「米支援せねば国民の生命守れない」(産経N)

11日判明した集団的自衛権の行使容認を踏まえた政府の事例集は、核開発に突き進む北朝鮮など日本を取り巻く安全保障環境の悪化を踏まえ、より現実に即した活動を自衛隊に認めるものだ。憲法解釈変更を含む新たな法整備で何が変わるのか。政府が示す9事例に即して、3回に分けて解説する。1回目は集団的自衛権に絡む「『武力の行使』に当たる活動」の3事例を取り上げる。

 ■近隣有事

 《某国がわが国の近隣国に武力攻撃を開始した。米国は集団的自衛権を行使して被害国を支援。戦闘が本格化し、わが国にも戦禍が及びかねない》

 事例集では固有名詞を避けているものの、これは北朝鮮が韓国を攻撃する朝鮮半島有事を念頭に置いたものだ。

 韓国に艦艇を派遣する米軍の護衛態勢の増強が必要な情勢となり、武器を積んでいる疑いのある不審船の日本周辺通過も想定される。そうなれば、韓国や米国が日本に自国艦艇の防護や不審船への強制的な乗船検査(臨検)など、「武力の行使」となりかねない支援を要請してくる可能性がある。

 ただ、憲法9条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と規定。日本への武力攻撃が発生しなければ自衛隊は「武力の行使」に当たる活動を行えない。
朝鮮半島有事に備えて日本周辺の公海で米軍への支援活動をできるようにした周辺事態法(平成11年制定)も「対応は武力の行使に当たるものであってはならない」と制約をかけている。

 政府は事例集で「わが国に対する武力攻撃を未然に防ぎ、国民の生命・財産を守り抜くため、米国および被害国の活動を最大限に支援し、某国の企てを早期に阻止すべきではないか」と指摘。戦禍拡大を防ぐための米艦防護や、敵国への軍事補給の遮断につながる不審船検査の必要性を明記した。米軍への積極的な支援が可能になれば、日米間の緊密な連携を内外に示すことができ、「抑止力」が高まる効果も期待できる。

 ■米国に武力攻撃

 《某国が米国に武力攻撃を開始。米軍の護衛態勢増強が必要で、武器を積んだ疑いのある不審船がたびたびわが国周辺を通過している。米国への弾道ミサイル発射が強く懸念され、米国がミサイル迎撃などの支援を要請してきた》

 このケースは、例えば朝鮮半島有事がエスカレートして、北朝鮮が直接米国に武力攻撃を仕掛けた場合を念頭に、米国での有事を想定したものだ。この事例では米国に向けて弾道ミサイルが発射された場合、自衛隊がそれを撃ち落とすのかが最大の論点となる。
これまでの憲法解釈では、「NO」だ。日本を直接狙ったミサイルを迎撃することは個別的自衛権や警察権で対応できるが、米国に向かうミサイルの迎撃は憲法が禁じる集団的自衛権の行使に当たるため、できない。

 公明党はこのケースについて「危険物(=ミサイル)を排除する警察権の行使で対処できる」と説明するが、米国を狙ったミサイルが日本上空を通過しない場合には、この説明では苦しい。日本上空を外して北朝鮮がミサイルを撃った場合、日本は対処しないという理屈にもなる。

 事例集は、「米国への支援を行わなければ日米間の信頼が失われ、日米同盟が確保できず、わが国の有事の際に国民の生命・財産を守り抜けないのではないか」と問い、正面から集団的自衛権の行使を容認する必要性を訴えている。

 ■機雷掃海活動

 《侵略国が機雷を敷設し、日本が輸入する石油の大部分が通過する海上交通路(シーレーン)を封鎖。各国が機雷掃海を実施し、日本政府にも参加を要請した》

 念頭にあるのは、中東のペルシャ湾とオマーン湾の間にあるホルムズ海峡をイランが封鎖したケースだ。同海峡は、日本が輸入する原油の約8割が通過するシーレーンで、封鎖されれば日本は物価の急上昇など国民生活に深刻な影響を受ける。

 海上自衛隊の掃海能力は世界トップクラスで、「国連や関係国から期待が高まり、機雷掃海(掃海艇の派遣)への参加を要請」される可能性が高い。
だが、現在の憲法解釈では、戦争中の機雷掃海活動は憲法9条が禁じる「武力の行使」に当たるとして参加は不可能だ。

 イラクがクウェートに侵攻した湾岸戦争終結後の平成3年4月、日本政府はペルシャ湾に海自の掃海艇を派遣したが、停戦合意や遺棄機雷への対応が条件だった。「警察権の行使」と解釈できる終戦後の遺棄機雷しか除去できないためだ。

 このケースでは、集団的自衛権を行使する対象は、米国以外に広がる可能性が大きい。だが、政府は事例集で「機雷掃海に参加しなければ、国民の生命・財産を守り抜けず、国際社会の理解も得られないのではないか。わが国有事の際、国際社会は十分支援してくれるだろうか」とその必要性を説いている。

首相「基本的方向性」公表へ…集団的自衛権行(読売N)

菅官房長官は13日午前の閣議後の記者会見で、集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈見直しに関し、政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」を15日午後に開き、柳井俊二座長が安倍首相に報告書を提出すると発表した。

 提出を受け、同日夕に安倍首相が記者会見を行い、憲法解釈見直しに向けた検討の進め方について、政府の「基本的方向性」を公表する。これを踏まえ、自民、公明両党は、与党協議を本格化させる。

 菅氏は、首相の記者会見について「我が国を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中、どのような形で国民の生命財産を守れるか説明する」と述べ、集団的自衛権行使などが必要と考えられる具体的な事例を示し、国民に理解を求めるとの方針を明らかにした。

 これに関連し、自民党の高村正彦副総裁は13日午前、党役員連絡会であいさつし、「安保法制懇の報告書が出次第、早ければ週内にも与党間協議ができる。しっかりやっていきたい」と語り、行使容認に慎重な公明党の理解を得るため、与党協議に取り組む考えを示した。

 政府は、与党協議で合意が得られれば、6月中下旬にも解釈見直しに関する閣議決定を行う方針だ。

無人機 中朝を監視…今月下旬 米が三沢配備(読売N)

米軍の無人偵察機「グローバルホーク」が今月下旬、米軍三沢基地(青森県)に配備される。自衛隊も来年度以降、同型機の導入を進める方針で、北朝鮮や中国などの動向監視のため、国内でも大型無人機の本格運用が始まる。ただ日本の航空法では無人機の位置付けが明確ではなく、運用ルールの整備は急務だ。(社会部 高沢剛史、間野勝文)

  ◆日米連携強化

 米軍三沢基地の「地上パイロット」の操縦で離陸し、一定の高度まで上昇するグローバルホーク。操縦はこの後、三沢から太平洋をはさんだ米・カリフォルニア州のビール空軍基地に引き継がれ、人工衛星経由でコントロールされる。高度は約6万フィート(約1万8000メートル)。約30時間の偵察飛行を終え、帰還する際は、再び三沢基地から操縦を受けて着陸する――。

 これが米軍が思い描くグローバルホークの運用イメージだ。三沢基地に配備するのは現在、グアム島のアンダーセン空軍基地を拠点に運用する2機。現地は5~10月は台風が多く悪天候によって任務が制約を受けることもあったため、気候が安定している三沢にこの期間、拠点を移して安定的に活動させることにした。

 同型機は自衛隊も3機を導入し、米軍三沢基地に隣接する航空自衛隊三沢基地に配備する方針で、日米両国による、日本周辺での情報収集態勢が強化される。

 自衛隊幹部は「グローバルホークは東京電力福島第一原発事故で原子炉の監視任務も行い、様々なデータを提供してくれた。北朝鮮や中国軍の動きを探るうえでも有効な装備だ」と話す。

 例えば、日本政府は情報収集衛星で核兵器や弾道ミサイルの開発を進める北朝鮮の軍事施設などを監視しているが、地球を周回するため、特定の場所を見ることができるタイミングが限られている。飛行時間が長く、高性能センサーを搭載するグローバルホークならこうした人工衛星の「穴」を補うことができる。また、東シナ海などでの中国艦の動向把握にも、能力を発揮すると期待されている。

  ◆週2回運航

 グローバルホークの配備に備え、国土交通省は先月、民間機との空中衝突などを回避するための注意情報を出した。対象は米軍三沢基地周辺を目視飛行する小型機などで、高度2万フィート(約6100メートル)以下を飛行する場合は三沢の管制所に、2万フィートを超える場合は札幌市にある管制部と無線などで交信し、自機の位置を連絡することなどを求めた。

 ただ、米軍がグローバルホークを運航させるのは週2回程度で、周辺への影響は限定的とみられる。航空事業者らの受け止め方も冷静で、米軍三沢基地から約50キロ離れた青森空港(青森市)を拠点に小型機で測量業務を行う会社の担当者は、「業務に支障は出ないと思う」と話す。

 一方で、基地周辺の住民の中に、無人機の飛行を不安視する声があるのも事実だ。先月末には、米軍三沢基地前で、住民ら約60人が配備反対を訴えてデモ行進した。運動の代表を務める小笠原邦定さん(69)は「人が乗っていないことに不安を感じる」と話す。

 三沢市の中西敬悦・政策財政部長は「今回配備される型式の無人機には、これまで重大な事故は起きていないと聞いているが、不安の声が上がることも理解できる。米側や防衛省には情報公開を求めていきたい」と語り、今後、無人機の実物を市民が見学できる機会を設けることなどを要望していくという。

 ◆グローバルホーク◆ 米ノースロップ・グラマン社が製造する全幅約40メートル、全長約14.5メートルの大型無人偵察機。画像や電波情報を収集する各種のセンサーを搭載し、高度約1万8000メートルの上空から、地上の軍事施設や洋上の艦艇などの動きを監視できる。アフガニスタンやイラクの危険地帯でも使用された。武器は搭載していない。

自衛隊・民間 運用ルール整備、急務


 昨年12月、米国のインターネット通販最大手「アマゾン・ドット・コム」が、小型無人ヘリコプターによる商品配達計画を発表して話題を集めた。世界各国では山火事の監視や自然保護といった軍事目的以外でも、すでに多数の無人機が活躍しており、それは国内でも同じだ。

 無人機のメーカーでつくる「日本産業用無人航空機協会」によると、国内での無人機の利用は1990年代に始まり、現在、2000機近くが農薬散布などに使われている。最近では、上空からの火山活動の監視などにも用途が広がっている。

 ただ、飛行機の運用規則を定めた航空法では、航空機を「人が乗って航空の用に供することができる飛行機」などと定義しており、無人機の運航ルールは明確に定められていない。このため同協会は、例えば固定翼機の場合、〈1〉無人地帯で飛行させる〈2〉飛行高度は150メートル未満とする――などの原則を盛り込んだ自主ルールを定めている。

 米軍機の場合、日米安全保障条約に基づいて、航空法の大部分が適用除外となっており、米軍三沢基地に配備されるグローバルホークについても、現行の法制度のままで飛行が可能だ。しかし自衛隊が同型機を運用する際は、航空法上の無人機の位置付けやパイロットの資格、空中での危険回避措置などについて新たに定める必要があり、防衛省は今後、国土交通省と具体策の検討に入る。

 軍用目的以外の無人機を巡っても、国際民間航空機関(ICAO※)がルール作りに向けた検討を始めている。国交省の担当者は、「今後、民間でも、大型無人機を飛行させる動きが出てくるかもしれない。ICAOでの議論を注視している」と話している。

 ※ICAO=International Civil Aviation Organization

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