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中国が「日米関係は冷戦時代の産物」と不快感(産経N)


【北京=矢板明夫】中国外務省の洪磊(こうらい)報道官は29日の定例記者会見で、日米首脳会談で同盟の強化が確認され、南シナ海における中国の対外拡張について懸念を表明したことについて「日米同盟は冷戦時代の産物であり、第三者の利益に損害を与えたり、地域の安定を乱したりすべきものではない。われわれは今後の成り行きを注目する」と不快感を表明した。
 安倍晋三首相とオバマ大統領が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)が日米安全保障条約の適用範囲に含まれることを再確認したことに関し「誰がなんと言おうと、釣魚島(尖閣諸島)が中国の領土である事実を変えることができない」と述べ、「私たちは米国に対し、領土問題に関与しないという約束を守ることを希望する」と米国を牽制した。
 29日付の中国共産党の機関紙、人民日報傘下の環球時報は「日米同盟の強化が東アジアで大きな不安を引き起こす」と題する長文記事を1面トップで掲載し、「日米両国が中国を仮想敵と認識し、抑制と威嚇政策をとることは、もはや時代遅れだ」などと主張。国営新華社通信などは「安倍首相が会談で侵略の歴史や慰安婦問題について謝罪しなかった」ことを強調した。
 北京在住の国際政治学者は、「習近平政権はここ2年、日米を分断させようと、歴史認識問題などで米国に対し外交攻勢を展開してきたが、ほとんど成果を挙げられなかったことが今回の会談ではっきりした」と指摘した。
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高まるアジアの「国際秩序」競争 京都大学教授・中西寛(産経:正論)


インドネシアで先日開催されたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念会議について、日本では安倍晋三首相の演説や習近平中国国家主席との首脳会談を中心に報じられた。確かに今回の主役は日中首脳だったと言ってよいが、60年前のバンドン会議と今回の記念会議に共通するアジアの国際秩序をめぐる競争の構図を理解することが重要である。

 ≪日本押し上げたバンドン会議≫
 今日から振り返ると意外かもしれないが、バンドン会議が開催された1950年代半ばには、日本、中国、インドのいずれの国がアジアにおいて重きをなすかについて見方が分かれていた。敗戦後の日本、革命後の中国、独立直後のインドはいずれも潜在力を持ちながら、どの国が最も力を伸ばすかはまだ分からなかったのである。
 加えて当時の冷戦構造の国際環境があった。バンドン会議はネール首相率いるインドやインドネシアのスカルノ大統領など、東西両陣営から距離をとる非同盟中立主義国によって提唱された。そのこと自体、冷戦構造の中で新興独立国のリーダーとしての存在感を示そうという意図の表れであった。
 さらに、平和攻勢をかけていた共産圏が非同盟中立国に接近し、中国がこの会議に招請された。これにバランスをとる形で日本にも招請がなされたのである。
 ところが日本の鳩山一郎政権はこの招請への対応にとまどった。鳩山政権はアメリカとの信頼関係が弱く、そのアメリカが非同盟中立主義を批判し、前年に結成したばかりの反共的な東南アジア条約機構(SEATO)の発展を阻害するとみていたからである。
 しかし、バンドン会議を止める手段がないことを認識して、その性格を反西側的でないものとするよう助言するイギリスなどの意向を受け、アメリカは日本の参加を支持する方向に転換した。
 結局、日本の対応は混乱し、首相でも外相でもなく高碕達之助経済審議庁長官が出席し、会議では経済協力を中心に訴えることとなった。高碕は立派な人物だったが、日本の姿勢の曖昧さは否めず、中国の周恩来首相がネールやスカルノをしのぐ活躍で会議の主役となった。
 それでも日本が参加したことは意味があった。やがてアメリカもアジア・アフリカのナショナリズムを味方につけることを重視し、日本は経済協力でこの政策を後押しして中国、インドをしのぐ経済大国となった。

 ≪中国主導の動きに戸惑いも≫
 しかし今改めてアジア・アフリカ地域の国際秩序が問われ、日中印の間でアジアの指導力競争が再開しつつある。
 今回、ネールの伝統に批判的なインド人民党のモディ首相は記念会議に参加せず、ヨーロッパ、カナダへの訪問を優先した。対して中国は習近平政権が「一帯一路」として中央アジアとインド洋を通過する陸海のシルクロード構想を提唱し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)やシルクロード基金を発足させた。60年前と似て、日米はこうした中国主導の国際秩序形成の動きにどう対応すべきか戸惑っているように見える。
 確かに中国の動きは西側先進国が主導してきた国際通貨基金(IMF)や世界銀行、アジア開発銀行への挑戦とみられるばかりでなく、組織の意思決定の不透明さなど問題を抱えている。
 しかし日米共にこれまで中国が国際秩序の「責任ある利害共有者」となることを求めてきたのだから、中国がその資本を国際開発のために用いること自体は否定できないし、こうした組織を提唱することを止める法は存在しない。

 ≪より包括的な構想の提示を≫
 特に中国など新興国の出資比率を増加させるIMFでの合意が米議会の反対で4年間実行に移されていない状況では、既存の国際秩序の正統性を強く主張することもできない。
 イギリスなどヨーロッパ諸国が最終的にAIIB参加を決めたのも、こうした点を踏まえた上であろう。もちろん日米は参加するとすれば大口の出資者たらざるを得ず、ヨーロッパ諸国とは立場が違うから、急いで参加を判断する必要はない。
 ただ、当初から、AIIBの設立そのものには反対しないが、その意思決定の仕組みに疑問があると訴えていれば、最後の局面であわてる必要はなかったろう。
 とはいえ、今回のバンドン会議では安倍首相は日米関係の信頼感を基礎として、「国際紛争を平和的手段によって解決する」というバンドン会議の原則を引用して、「大戦への深い反省」と中国の一方的な領土主張への牽制(けんせい)を結びつけると共に、アジア・アフリカ諸国のパートナーとして成長を分かち合う姿勢を示した。
 次は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の実現や、日米同盟を中核とする多角的な安全保障協力の実現を図るべき時である。相手の足を引っ張るのではなく、より包括的な秩序構想を示すことが国際秩序の競争では肝心なのだ。(なかにし ひろし)

ヘルシンキ沖に不審な潜水物体、軍が爆雷で警告(読売N)


ロンドン=柳沢亨之】フィンランド国防省は28日、首都ヘルシンキ沖の同国領海で27~28日に2回にわたって潜水中の不審な物体を探知し、警告のため爆雷を投下したことを明らかにした。
 同国のハグルンド国防相は地元メディアに、潜水艦の可能性もあるとの見方を示した。昨年10月にはスウェーデン軍が、首都ストックホルムの近海で発見した潜水艦とみられる物体を約1週間にわたって追跡するなど北欧諸国で警戒感が高まっている。

敵同士の和解「歴史の奇跡」=硫黄島で戦った元米兵紹介-安倍首相演説(時事N)


【ワシントン時事】安倍晋三首相は29日の米議会演説で、日米和解の象徴として、1945年の硫黄島の戦いに23歳で参加し、慰霊祭に出席してきたローレンス・スノーデン元米海兵隊中将(94)と、硫黄島守備隊司令官だった栗林忠道陸軍大将の孫の新藤義孝前総務相(57)を紹介した。首相は傍聴席に並んで座った2人を指し示し、「これを歴史の奇跡と呼ばずして何と呼ぶのか」と強調した。
 安倍首相は「硫黄島に行っている厳かな目的は、双方の戦死者を追悼し、栄誉をたたえることだ」とのスノーデン氏の言葉を引用。首相が「熾烈(しれつ)に戦い合った敵は、心の紐帯(ちゅうたい)が結ぶ友になった」と述べると、立ち上がっていたスノーデン氏と新藤氏は、出席者総立ちの拍手喝采を浴びながら握手を交わした。
 スノーデン氏は演説後、「首相は素晴らしい演説を行った。われわれはかつて敵だったが、今は友人だ。力を合わせれば世界をより良くするために多くのことができる」と語った。

首相が米議会で演説 先の大戦に「痛切な反省」(NHK)


安倍総理大臣は日本時間の30日未明、アメリカ議会上下両院の合同会議で、日本の総理大臣として初めて演説し、「日本は世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たしていく決意だ」と述べ、集団的自衛権の行使を含む安全保障法制の関連法案を、ことし夏までに成立させる考えを明言しました。
また、安倍総理大臣は「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻んだ」と述べ、歴代の総理大臣の歴史認識を引き継ぎ、今後も平和国家として、世界の平和と安定に貢献していく考えを強調しました。
日本の総理大臣として9年ぶりにアメリカを公式訪問している安倍総理大臣は、日本時間の30日午前零時すぎから、アメリカ議会で英語で演説を行いました。演説の冒頭、安倍総理大臣は、1957年にみずからの祖父、岸信介総理大臣がアメリカ議会で演説したことを紹介し、日本の総理大臣として初めて上下両院の合同会議で演説する機会を得たことに感謝の意を示しました。
そして安倍総理大臣は、演説に先立ってワシントンにある第2次世界大戦に従軍したアメリカの将兵をたたえる記念碑を視察したことに触れ、真珠湾やバターンなど、先の大戦での戦場の名前を挙げ、「歴史とは実に取り返しのつかない苛烈なものだ。私は深い悔悟を胸に、しばしその場に立ち、黙とうをささげた」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は「しれつに戦い合った敵は、心の紐帯を結ぶ友になった。戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻んだ。みずからの行いがアジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない。これらの点についての思いは歴代総理と全く変わるものではない」と述べました。
そして、安倍総理大臣は「アジアの発展にどこまでも寄与し、地域の平和と繁栄のため、力を惜しんではならない。戦後日本はみずからに言い聞かせ歩んできた。この歩みを私は誇りに思う」と述べ、歴代の総理大臣の歴史認識を引き継ぎ、今後も平和国家として、世界の平和と安定に貢献していく考えを強調しました。
さらに、安倍総理大臣は「戦後世界の平和と安全は、アメリカのリーダーシップなくしてありえなかった。私たちはアジア太平洋地域の平和と安全のため、アメリカの『リバランス』を徹頭徹尾支持する。太平洋からインド洋にかけての広い海を、自由で、法の支配が貫徹する平和の海にしなければならない。そのためにこそ、日米同盟を強くしなくてはならない。私たちには、その責任がある」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「日本は今、安保法制の充実に取り組んでいる。日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応がはるかによくできるようになる。この法整備で、自衛隊とアメリカ軍の協力関係は強化され、日米同盟はより一層強固になる。地域の平和のため、確かな抑止力をもたらす。戦後初めての大改革だ。この夏までに成就させる。日本は世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たしていくと決意している。そのために必要な法案の成立を、この夏までに必ず実現する」と述べ、集団的自衛権の行使を含む安全保障法制の関連法案を、ことし夏までに成立させる考えを明言しました。
また、安倍総理大臣は「国家安全保障に加え、人間の安全保障を確かにしなくてはならない。紛争下、常に傷ついたのは女性だった。私たちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはならない」と述べました。一方、安倍総理大臣は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定について「日本とアメリカがリードし、生い立ちの異なるアジア太平洋諸国に、いかなる国の恣意的(しいてき)な思惑にも左右されない、フェアで、ダイナミックで、持続可能な市場を作り上げなくてはならない。日米間の交渉は、出口がすぐそこに見えている。アメリカと日本のリーダーシップで、一緒に成し遂げよう」と述べ、早期の交渉妥結に向けて協力を呼びかけました。
そして、安倍総理大臣は「国際協調主義に基づく積極的平和主義こそは、日本の将来を導く旗印となる。日米同盟は、テロリズム、感染症、自然災害、気候変動といった新たな問題に対し、ともに立ち向かう時代を迎えた。アメリカが世界に与える最良の資産は、昔も今も将来も希望だ。私たちの同盟を『希望の同盟』と呼ぼう。アメリカと日本が力を合わせ、世界をもっとはるかによい場所にしていこう。一緒なら、きっとできる」と呼びかけ、演説を締めくくりました。

南シナ海、法による支配が重要…日米2プラス2(読売N)


【ニューヨーク=白石洋一、仲川高志】日米両政府の外務・防衛担当閣僚は27日午前(日本時間28日未明)、日米安全保障協議委員会(2プラス2)で新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)に合意したことを受け、記者会見した。
 米側は、「従来の地域に焦点を合わせたものから、地球規模を対象としたものになった」(カーター国防長官)などとして、日本の協力拡大を歓迎した。4閣僚は、中国が一方的な岩礁埋め立てを進める南シナ海情勢について、「法による支配が重要だ」との認識で一致し、中国をけん制した。
 2プラス2は約1時間15分行われた。日本側から岸田外相、中谷防衛相、米側からケリー国務長官、カーター国防長官がそれぞれ出席した。

雄偉な神武天皇像に国柄しのぶ(産経:正論)


□文芸批評家、都留文科大学教授・新保祐司
 ≪生々しい迫力と存在感≫
 過日、東京の地下鉄のホームを歩いていたら、1枚のポスターに注意をひかれた。そのポスターの下半分には、木彫と思われる人物像の上半身を少し横から撮った写真が印刷されていた。刀を差し弓矢の束を背負った古代の武人を思わせるこの人物は、圧倒的な存在感を持っていた。この彫刻は、一体何か。それが発する磁力に引き寄せられるように近づいてみると「神武天皇立像」とあった。
 平成27年の4月のある日、21世紀の東京という最先端の都市の一角に、突然、神武天皇が出現したようであった。それほどに、この神武天皇の像は、生々しい迫力に満ちていた。
 ポスターには「ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」と書かれていた。この4月初旬から、上野の東京藝術大学美術館で開催されている展覧会で、ボストン美術館と東京藝術大学美術館のふたつのコレクションを合わせるダブル・インパクトによって、近代日本美術における日本と西洋との影響関係を再検討するという意図で企画されたものであった。開国から日露戦争くらいまでの日本の美術作品が展示されている。近来、思想史的な観点からではあるが、同じく「明治ニッポン」に深い関心を抱いていることもあり、早速上野に出かけた。
 明治初年のるつぼのようなエネルギーを感じさせる作品が多く展示されていて、興味深いものだったが、やはり「神武天皇立像」が圧巻であった。ポスターで見たときにも、かなり大きな像だとは思っていたが、実際の立像は予想を遙(はる)かに上回る大きさであった。台座も含めて、高さは3メートルくらいはあるだろうか。見上げていると、今上野の山に、神武天皇が出現しているような感じに襲われる。

 ≪思い出される「神武創業」≫
 作者は竹内久一である。展覧会のカタログの解説文によれば、明治22年に、新聞『日本』紙上で、「日本歴史上人物の絵画若くは彫刻懸賞募集」が告知されて、彫刻部門では「神武天皇御像」「護良親王像」「楠木正成像」を主題とする作品が公募されたという。
 新聞『日本』は、明治新聞界の巨峰・陸羯南(くが・かつなん)が主筆兼社長となってこの年に創刊された。さすが、明治のナショナリスト・羯南らしい企画であるといっていい。明治22年といえば、2月11日の紀元節に大日本帝国憲法が公布された年であり、そのような時代の気運を象徴しているであろう。その懸賞の入選作がこの神武天皇立像であり、第3回内国勧業博覧会にも出品されて、妙技2等を受賞した。
 明治の彫刻家としては高村光雲は知っていたが、竹内久一という名は初耳であった。これは私の無学を露呈しているともいえるが、恐らく多くの今日の日本人も竹内久一のことを知らないと思われる。このことは「戦後民主主義」における日本人の教養の偏向の問題につながっているのである。
 カタログの作家略歴によれば、竹内久一は、安政4(1857)年、江戸の生まれ、大正5(1916)年に59歳で死去している。はじめ牙彫を学んだが23歳のとき、第1回観古美術会に出品された興福寺の古仏に感銘を受け木彫を志した。25歳からは奈良に滞在して古美術研究を行い、フェノロサ、岡倉天心の知遇を得た。東京美術学校が開校されると、その教師となり、没するまで務めた。仏像の模造の他、自作の木彫も多く残した。この「神武天皇立像」は代表作であり、竹内自身が明治天皇の「御真影(ごしんえい)」をもとに制作したと述べており、明治維新が「神武創業」の根本に遡(さかのぼ)るものであったことが、改めて思い出されるのである。

 ≪歴史の奥から出現を予感≫
 一方の高村光雲も似たような経歴であるが、今日、光雲の方がよく知られているのは、息子が詩人・彫刻家の高村光太郎であることもあるであろう。また、上野の西郷隆盛像の作者であることが大きいかもしれない。それに対して竹内久一は、神武天皇である。これが、「戦後民主主義」の風潮の中で、逆風を受けないはずはない。
 この「神武天皇立像」という作品は、恐らくこのような大きな展覧会で展示されるのは、戦後初めてのことではないか。そのように思わせるのは、この「神武天皇立像」のカタログに載っている写真をみると、左手に持っていた弓が無くなっているからである。展覧会で展示されている立像には、この弓が修復されている。このことは、この忘れられた立像の保存における不遇さを推測させる。
 11月20日の大阪での交声曲「海道東征」の公演については度々触れているが、この作品は、神武天皇の御東征を題材としている。作詩は北原白秋だが、最後の第8章「天業恢弘」のクライマックスのところで、「遙かなりその国柄、動(ゆる)ぎなし底つ磐根、いざ起(た)たせ天皇(すめらみこと)、神倭磐余彦命(かむやまといはれひこのみこと)」と歌われる。当日の夜、生演奏の大合唱でこの一節が歌われるとき、竹内久一の「神武天皇立像」の雄偉な姿が、歴史の奥の方から現在の眼前に出現して来るような予感がする。(しんぽ ゆうじ)

自衛隊ネパール派遣 第一陣が出発(NHK)


ネパールの大地震で、現地で医療支援などに当たる自衛隊の第一陣およそ20人が、29日未明の民間機で、羽田空港から現地に向け出発しました。
羽田空港では、現地で医療支援に当たる自衛隊の医師の医官など、第一陣のおよそ20人が、航空会社のカウンターで搭乗手続きをするなど出発の準備を進めていました。
ネパールの大地震で、自衛隊は、およそ270人の国際緊急援助隊を編成し、医療支援や、C130輸送機による物資の輸送などを行う計画です。
出発を前に、第一陣のメンバーで、医療支援部隊の隊長の中川博英1等陸佐は、「現地で活動するほかの機関と連携しながら一刻も早く現地で貢献したい」と述べました。
隊員たちは、午前1時すぎの民間機で、羽田空港から現地に向け出発しました。
ほかの隊員も、現地での受け入れ態勢などが整い次第、順次、派遣されることになっています。

日米首脳会談:安保・経済で同盟強化(毎日N)


◇「共同ビジョン声明」 TPPで「大きな進展を歓迎」
【ワシントン高山祐、飼手勇介】米国を公式訪問している安倍晋三首相は28日午前(日本時間同日夜)、ホワイトハウスでオバマ米大統領と約2時間会談した。両首脳は「共同ビジョン声明」を発表し、27日に合意した日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定の意義を強調するとともに、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の日米交渉で「大きな進展があったことを歓迎する」と明記。安全保障と経済の両面で同盟強化の進展を確認した。声明では、第二次世界大戦で敵対しながら戦後70年間、国際社会の平和と繁栄に貢献してきた日米関係を「和解の力を示す模範」とアピールした。
 会談後の共同記者会見で首相は「半世紀を上回る日米同盟の歴史に新たな一ページを開いた。世界の中の日米同盟と呼ぶべきものだ」と会談の意義を強調。「いかなる一方的な現状変更の試みにも一致して断固反対する」と述べ、海洋進出を強める中国をけん制した。従軍慰安婦問題については「人身売買の犠牲となった方々を思い、非常に心が痛む」としたうえで「河野談話は継承し、見直すつもりはない」と明言した。
 大統領は「70年の間、私たちは同盟国として成長した。グローバルなパートナーだ」と述べ、TPP交渉について「迅速かつ成功裏に妥結することを確認した」と表明した。
 首脳会談に先立って開かれた歓迎式典では、大統領が「私たちの同盟は未来にフォーカスしている」として、安全保障のほか貿易や人権問題など幅広い分野で連携を強化する考えを示した。首相は「今、両国関係はかつてないほど強固になり、同盟は力強く復活した」と宣言したうえで「日本は米国とともに地域と国際社会の課題解決の先頭に立つ」との決意を表明した。
 安倍首相とオバマ大統領の首脳会談は昨年4月の東京以来。声明では、戦後70年の日米関係について「かつての敵対国が不動の同盟国」となったことを強調し「アジア及び世界において共通の利益及び普遍的な価値を促進するために協働しているという意味において、和解の力を示す模範となっている」と評価。首相が掲げる「積極的平和主義」と、アジアを重視する大統領の「リバランス戦略」の緊密な連携により「両国の安全及び繁栄は相互に絡み合い、切り離すことができず、国境のみによって定義されない」とした。

中国の岩礁埋め立て「深刻な懸念」…ASEAN(読売N)


【ランカウイ(マレーシア北部)=児玉浩太郎】マレーシアで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長声明が28日、発表された。
 声明では、中国が南シナ海で進める岩礁の埋め立てについて、「深刻な懸念を共有する」と表明した。ASEANが中国の埋め立てに言及するのは初めて。
 声明では、中国の埋め立てが「南シナ海の平和や安全、安定を損ないかねない」と指摘。これに対し、加盟国首脳が外相に、早急に対処するよう指示したことも明記した。
 声明は、草案段階では埋め立てに触れず、「懸念」の文言もなかった。多くの加盟国が態度を鮮明にしない方針で一致していたからだ。だが、最終段階では、中国と南シナ海で領有権を争い、中国への反発を強めるフィリピンに対し、一定の配慮を示した形となった。
 ただ、一方で声明は、中国を名指ししなかった。加盟国に配慮しながらも、経済関係の深い中国との対立激化は避けたい姿勢をにじませた。

防衛協力新指針 日米同盟の実効性を高めたい(読売:社説)


平時から有事まで、切れ目のない自衛隊と米軍の共同対処の大枠が整ったことを評価したい。
 日米両政府は、外務・防衛担当閣僚の安保協議委員会(2プラス2)で、新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)を決定した。
 安保法制の全容が固まったことを踏まえ、集団的自衛権の行使の限定容認に伴う様々な協力が盛り込まれた。海上自衛隊による米軍艦船の防護や、海上交通路(シーレーン)での機雷掃海などだ。
 日本の安全確保にとって、長年の懸案だった自衛隊に対する憲法解釈上の制約の緩和は、米軍との機動的かつ柔軟な協力を大幅に強化する画期的な意味を持つ。
 軍備増強や海洋進出を続ける中国や、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への抑止力も強まる。
 有事に至らないグレーゾーン事態でも「アセット(装備品)防護」による米艦防護を可能にする。
 米軍も自衛隊への支援を強化する。南西諸島を念頭に置いた島嶼とうしょ防衛の協力は象徴的だ。作戦は自衛隊が主体的に実施し、米軍は支援・補完する立場だが、米軍の関与が明確になることで、他国に対する牽制けんせい効果は大きい。
 双方向の協力の拡大で、日米の信頼関係は一層深まるだろう。
 新指針は、自衛隊と米軍の部隊運用に関する日米共同調整所などの「同盟調整メカニズム」を平時から設置する、と明記した。
 1997年策定の現指針は、危機発生後に設置するとしていた。より早い段階から日米が情報を共有し、共同対処することの重要性は、東日本大震災での米軍の「トモダチ作戦」で再認識された。
 日米が効率的に役割分担し、危機の芽を迅速に摘める仕組みとすることが大切である。
 現指針は、朝鮮半島有事を想定した周辺事態での日米協力に力点を置いた。新たな指針は、世界規模の日米同盟を目指し、協力の対象や地理的範囲を拡大する。
 周辺事態を「重要影響事態」に改めるのに伴い、米軍に対する自衛隊の後方支援の地理的な制約を外し、日本周辺以外でも支援できるようにすることは意義深い。
 新指針は、あくまで日米協力の大枠を定めるものだ。自衛隊と米軍の部隊を効果的に動かすには、様々な有事のシナリオを想定した共同計画の策定が欠かせない。
 その計画に基づき、共同訓練を実施する。問題点を検証し、計画の内容を見直す。このプロセスを着実に繰り返すことこそが、日米同盟の実効性を高めよう。

日本人と「ポツダム宣言」の呪縛 京都大学名誉教授・佐伯啓思(産経:正論)


 大型連休直前の4月28日などといっても、旅行ムード満載の今日の日本人は気にも留めないのであろうが、この日はいわゆる「主権回復の日」である。1952年の4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効したからである。沖縄は返還されず、また同時に日米安保条約が発効し、日本国内の米軍駐留の継続が決定されたわけであるから、真の主権回復なのか、という疑問はもっともであろう。

 ≪非軍事化と民主化の占領政策≫
 とはいえ、この日をもって戦争は終結し「完全な主権を回復する」とこの条約には記されている。したがって、厳密にいえば今年は戦後70年ではなく、63年というべきであろう。戦後は45年に始まったのではなく、公式的には52年に始まったのである。いわば、45年に敗戦が決定し、52年に終戦が確定した、ということになる。
 では、その間は何だったのか。連合国による占領期間である。そして、占領政策とは何だったのか。端的にいえば、アメリカによる日本の非軍事化および民主化であった。そのことは、戦後処理として占領政策を想定していたポツダム宣言からも明らかである。
 以前、学生にポツダム宣言を読んだことがあるかと聞いてみたが、予想通りとはいえ、ほとんどいない。これはかなり奇妙なことで、もしも45年の8月15日をもって「戦後」への移行、とするならば、その起点にはポツダム宣言が置かれなければならないからである。日本の「戦後」はポツダム宣言によって始まったといっても過言ではないからである。
 8月14日に日本はポツダム宣言受諾を決定して降伏した。それに従って戦争犯罪人が処罰され、日本の「戦争遂行能力」が完全に破砕されるまで日本は占領下に置かれることとなった。さらに、日本に平和的で責任ある政府が樹立されたときをもって占領は終了するという。従って占領政策は何よりも、日本の非軍事化と民主的政府の樹立を目的としたものだった。

 ≪植えつけられた歴史観≫
 ところで、このポツダム宣言の背後にはひとつの歴史観がある。それは、今回の戦争についての次のような解釈に示されている。
 この戦争は、無分別な打算をもった我儘(わがまま)な軍国主義者たちが日本国民を騙(だま)して、世界征服の意図をもって行った戦争であった。そして、今や世界の自由な人民たちが立ち上がりドイツは壊滅した。日本も同様に自由で平和愛好的な人民の徹底的な逆襲を受けている。
 これがポツダム宣言に示された戦争観であった。端的にいえば、日本の軍国主義者は、平和的な世界秩序の破壊者であり侵略者である。アメリカは世界の自由や民主主義を守るために、この「悪」と戦ったというのである。
 ここに一つの歴史観を透かし見ることができる。それは世界史とは専制政治やファシズム、軍国主義などの「野蛮」から、自由や民主主義という「文明」を守る戦いにほかならないという思想である。アメリカにとって世界史とは自由を実現する舞台であり、常時戦場なのである。それは常に「正義」と「悪」の戦いであった。
 占領政策とは、ハード面でいえば、憲法も含めて新生日本の「国のかたち」を礎定するものであったが、ソフト面でいえば、あの戦争についてのアメリカ的解釈と、それを支えるアメリカの歴史観を日本に植えつけるものであった。

 ≪公式的見解となった戦争解釈≫
 そしてそのことにアメリカは見事に成功した。「大東亜戦争」から「太平洋戦争」へと名称を変更されたあの戦争は、日本による侵略戦争であり、天皇を中心とする万世一系的大家族という後進的・封建的社会構造をもった軍国主義国家と自由や民主主義を原則とする文明国との対決だとする戦争解釈は、戦後日本のほぼ公式的な見解にまでなってしまった。
 平和憲法によって日本の非軍事化を徹底し、民主化政策や民主的理念の教化によって日本を文明化するというアメリカの方針は、占領政策によって、戦後日本人の精神に叩(たた)き込まれたのである。
 45年の8月15日には、多くの人々は、この敗戦をアメリカの圧倒的な力に対する敗北とみていたであろう。これが愚かな戦争だったとすれば、それは勝算もなく、強国アメリカに対して無謀な戦争を仕掛けた点にあったと考えたであろう。それが、52年の4月28日には、日本は道義的あるいは文明的に誤った戦争を仕掛けたがゆえに敗北したという観念が支配的となる。連合国軍総司令部(GHQ)は日本国民の解放者で、民主化の伝道者とみなされたのである。
 もとより、自由や民主主義や人権観念が間違っているというわけではない。しかし、それらを普遍的な価値とみなして、その実現に世界史的な使命を求めるアメリカの価値観は日本のものではない。日米安保体制の基礎に、日米共通の価値が存在するとしばしばいわれるが、もしもそれをアメリカ型の歴史観、戦争観まで含めていうとすれば、われわれはいまだにポツダム宣言の呪縛から解かれてはいないことになるだろう。(さえき けいし)

露の威嚇と東欧(朝雲:時の焦点)


ウクライナ東部の政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘は、2月にようやくまとめた停戦合意にもかかわらず収まる気配を見せない。紛争の長期化に伴い、欧米軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)とロシアの間には再び「鉄のカーテン」が下ろされつつあるかのような緊張した雰囲気が漂う。特に、第2次世界大戦後、長くソ連の支配下に置かれていたバルト諸国と冷戦後に米国の強力な同盟国に転じたポーランドでは、旧ソ連継承国であるロシアが再び侵攻してくるとの危機感が高まる一方で、軍備増大や徴兵制の復活、志願兵による軍事訓練で抑止力強化を図る取り組みに拍車が掛かる。
 これに対し、ロシアのプーチン政権はNATOとの領域付近での大規模演習や領空侵犯まがいの戦略爆撃機の飛行を繰り返し、ウクライナの親ロシア派に対する軍事支援と併せ、西側を威嚇する姿勢を崩していない。昨年3月に併合したウクライナ南部クリミアで進める核配備の動きや最近のプーチン大統領による「核の臨戦態勢検討」発言など、緊張をあおる言動は枚挙に暇(いとま)がない。
 米シンクタンクのロシア専門家はモスクワの威嚇戦術の狙いについて、東方拡大を続け28カ国体制となったNATOには決して屈することはなく、欧州での全面戦争を戦う能力があることを誇示すると同時に、手にしたクリミア併合を覆すことは絶対にないという意思表示と指摘する。
 西側に対する核兵器使用の脅しは、1950年代のフルシチョフ時代にさかのぼるクレムリンの伝統的戦術だが、この専門家は「核使用を含む威嚇戦術によってロシアが得られるものは小さくなり始めている」と冷静に分析する。
 その一例として、NATO諸国はもとより、スウェーデンやフィンランドのような欧州中立国も、軍事的脅しには一致団結して対抗する姿勢を固めていることが挙げられる。ロシアによる核の脅しは、人口がいずれも数百万規模の小国であるバルト3国でのNATO演習を阻止できなかったばかりか、これらの国の軍事力増強も抑止できていない。
 米メディアは最近、「ロシアの脅威に直面して軍事訓練を受ける東欧の市民」と題するルポ記事を掲載した。NATO盟主の米国は、ロシア周辺国である東側地域の安全保障を再確約する緊急即応部隊創設や頻繁な合同訓練の実施などのイニシアチブを打ち出したが、ルポ記事は「ポーランドなど東欧諸国の市民は昨今、NATOや米軍に頼り切りになるだけでなく、自国の将来を運に任せない」という決意の下、一般市民の地道な取り組みを紹介している。
 予備役の射撃演習や自警団・民兵組織による軍事教練などだが、ロシアの侵略を何度も経験した国々だけに、年齢、職業を問わず普通の人々が真剣に家族や地域を守ろうとする姿勢は国防の基本ではないかと再認識させられた。
伊藤 努(外交評論家)




日米2+2 新ガイドラインを決定(NHK)



日米の外務・防衛の閣僚協議、2+2がニューヨークで開かれ、新たな日米防衛協力の指針、ガイドラインを決定しました。新ガイドラインは、海洋進出を活発化させている中国を念頭に島しょ防衛での協力を明記したほか、安全保障法制の整備内容が反映され、集団的自衛権を行使する際に想定される協力項目が盛り込まれています。
日米の外務・防衛の閣僚協議、2+2は、日本から岸田外務大臣と中谷防衛大臣が、アメリカからケリー国務長官とカーター国防長官が出席し、日本時間の27日午後11時前からニューヨークで開かれました。協議では、18年ぶりの見直しとなる新たな日米防衛協力の指針、ガイドラインを決定しました。
新ガイドラインは、複雑さを増す安全保障環境の下、平時から緊急事態まで、いかなる段階でも切れ目のない形で日本の平和や安全を確保するための措置をとるとしています。そして、東シナ海や南シナ海で海洋進出を活発化させる中国を念頭に、平時からの協力措置として、共同で情報収集や警戒監視、それに偵察活動などを行うとしているほか、日本に対する武力攻撃への対処行動として、島しょ防衛での協力を明記し、自衛隊が奪回するための作戦を実施した際にはアメリカ軍は支援するなどとしています。
また、安全保障法制の整備内容が反映され、「日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動」として、集団的自衛権を行使する際に想定される協力項目を盛り込んでいます。具体的には、弾道ミサイルを迎撃する際の対処や、海上交通の安全確保を目的とする機雷の掃海活動などを挙げています。このほか、宇宙空間での両政府の連携を強化するとしているほか、日本の安全に影響を与える深刻なサイバー事案が発生した場合には、緊密に協議し、適切な協力行動をとるなど、新たな脅威への対処も盛り込まれています。そして、2国間の防衛協力を確かなものとするため、すべての関係機関が平時から情報共有や調整を行うことが可能になる常設の機関を設置するとしています。
協議のあとの共同記者会見で、岸田外務大臣は、「新たなガイドラインは、日本の積極的平和主義とアメリカのリバランス政策の下で進めてきた、おのおのの取り組みの成果であり、その相乗効果を高めるものだ」と述べました。そのうえで岸田大臣は、「今後、アメリカと緊密に連携し、日本のみならず、アジア太平洋地域や国際社会の平和と安定のために、これまで以上に積極的に寄与し続けたい」と述べました。
また、中谷防衛大臣は、「新ガイドラインではあらゆる状況で日米両国が海洋安全保障に関する協力をすることを重視している」と述べました。そのうえで中谷大臣は、中国が南シナ海で海洋進出を活発化させていることについて、「南シナ海を巡る問題は、地域の平和と安定に直結しており、日米や地域共通の関心事項だ。今回の協議でも、法の支配の重要性について認識を共有した」と述べました。さらに中谷大臣は、新ガイドラインに基づく今後の日米協力の可能性について、「中東のホルムズ海峡での機雷の掃海活動などでも協力を行うかについては、法令に従い、その時々の状況に即して適切に判断するが、アメリカ側とどのように協力を進めていくか確認していきたい」と述べました。


新ガイドラインの内容
新たなガイドラインは、「強化された同盟内の調整」、「日本の平和および安全の切れ目のない確保」、「地域のおよびグローバルな平和と安全のための協力」、「宇宙およびサイバー空間に関する協力」に分類されています。
このうち「強化された同盟内の調整」では、2国間の防衛協力を確かなものとするには、両政府が十分な情報を得てさまざまなレベルで調整を行うことが必要だとして、すべての関係機関が平時から情報共有や調整を行うことが可能な、常設の機関を設置するとしています。
「日本の平和および安全の切れ目のない確保」では、複雑さを増す安全保障環境の下、両政府は日本に対する武力攻撃がないときを含め、平時から緊急事態まで、いかなる段階でも、切れ目のない形で日本の平和や安全を確保するための措置をとるとしています。
そして、さらに、「平時からの協力措置」、「日本の平和および安全に対して発生する脅威への対処」、「日本に対する武力攻撃への対処行動」、「日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動」、「日本における大規模災害への対処における協力」の5つの項目に分けています。
このうち、「平時からの協力措置」は、日本の平和や安全に影響を与える状況の推移を常に監視するため、共同で情報収集や警戒監視、それに偵察活動を行うとしています。また、「日本の平和および安全に対して発生する脅威への対処」では、日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対処するとし、この事態は地理的に定めることはできないとして、地理的な制約がないことを明確にしています。両国の非戦闘員を第三国から安全な地域に退避させるための活動や、補給や輸送といった後方支援を行うとしています。「日本に対する武力攻撃への対処行動」は、日本への弾道ミサイル攻撃に対処する共同作戦を実施するほか、島しょ防衛での協力を盛り込み、自衛隊が奪回するための作戦を実施した際にはアメリカ軍は支援するなどとしています。また、日本が生物化学兵器による攻撃を受けた際に、アメリカは適切に支援するとしています。さらに「日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動」として、集団的自衛権を行使する際に想定される協力項目を盛り込んでいます。具体的には、弾道ミサイルを迎撃する際の対処や、海上交通の安全確保を目的とする機雷の掃海活動、それに、敵への支援を行う船舶への立ち入り検査などとしています。また、今回、東日本大震災の際にアメリカ軍が救援活動を行ったことを踏まえ、「日本における大規模災害への対処における協力」の項目に、日本で大規模災害が発生した場合、アメリカが日本の活動に適切な支援を行うことも盛り込まれています。
「地域のおよびグローバルな平和と安全のための協力」では、日米が国連のPKO活動に参加する場合に緊密に協力することや、国際的な活動に参加する場合、後方支援を行うために協力することが盛り込まれています。
そして、今回、新たに設けられた「宇宙およびサイバー空間に関する協力」では、平和で安全な宇宙の利用を確実なものとするため、両政府の連携を強化するとしているほか、日本の安全に影響を与える深刻なサイバー事案が発生した場合には、緊密に協議し、適切な協力行動をとるなどとしています。

ガイドラインとは
日米防衛協力の指針、ガイドラインは、日米安全保障体制を効果的に運用するため、自衛隊とアメリカ軍の協力の基本的な枠組みや方向性を示すものです。ガイドラインは、東西冷戦時代の1978年に旧ソビエト連邦による侵略などの日本有事に備えて、初めて策定されました。そして、冷戦終結後の1990年代半ばになって、北朝鮮の核開発疑惑や台湾海峡危機など東アジアでの緊張が高まったことを背景に、1997年にガイドラインは見直されました。このときの見直しは、日本に対する武力攻撃に加え、朝鮮半島有事を想定し、周辺有事の際の日米協力が中心となりました。今回、日米両政府は、中国による海洋進出の活発化や北朝鮮の核やミサイル開発など、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しているとして、おととしから、見直しに向けた作業を進めてきました。

日米共同文書:「辺野古移設は普天間の唯一の解決策」(毎日N)


【ニューヨーク飼手勇介】日米両政府は27日(日本時間28日未明)、共同文書「変化する安全保障環境のためのより力強い同盟」を発表した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設について「普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策」と改めて確認し、米国は、移設作業の「着実、継続的な進展を歓迎する」と強調した。そのうえで、沖縄の基地負担軽減のため、米軍嘉手納基地以南の施設・区域の返還計画の実施に決意を表明した。
また、2プラス2文書としては初めて、沖縄県・尖閣諸島が日本の領域であり、日米安保条約の「コミットメント(約束)の範囲に含まれる」ことを確認。「尖閣に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する」と明記した。

防衛出動の「壁」はそのままか 非力につけこまれる恐怖のシナリオ 論説委員・中静敬一郎(産経N)


■コンテナ船が消えた
 日本と周辺国との緊張関係が高まる201X年4月Y日、沖縄に向かうコンテナ船が突然、一瞬の遭難信号を発信して消えてしまった。元自衛艦隊司令官の香田洋二元海将によるシミュレーションは、こんな不可解な事件から始まる。続けよう。
 5000トンのコンテナ船の乗員10人のうち、漂流していた6人が救助された。その中の1等航海士の証言は驚くものだった。「突然、爆発のような大衝撃が船体中部で起きた」としたうえで「昨日深夜、右舷先方に小さな目標を数回レーダー探知した。1分前後で消滅し、最後に探知した10分後に遭難した」。
 漂流物から、へこみや火薬反応を確認、さらにA国語で書かれた電子部品基板を複数回収した。海上自衛隊は、A国海軍の魚雷誘導部の部品の公算大とし、沈没原因は直撃魚雷の可能性が高いと政府に報告した。
 しかし、政府は「原因不明の外部爆発による」との発表にとどめた。自衛隊の出動も海上警備行動は根拠薄弱として見送った。同時に南西諸島方面への内航船舶の航行を停止した。
 1週間、異変がなかったため、海上輸送は再開された。
爆発から10日たったZ日午前3時過ぎ、海自P3Cは沖縄本島南方海域でソノブイにより探知信号を解析し、A国a級潜水艦のものと判定した。周辺海域を航行していたコンテナ船2隻、タンカー3隻に緊急通報して、回避航行を進言した。

 だが、午前3時22分、タンカーが爆発し、約10分間で沈没した。P3Cは爆発の直前、魚雷の推進音を探知したが、攻撃艦の特定には至らなかった。

 ◆退去要請しかできない
 政府は防衛出動を検討したが、(1)散発的な攻撃である(2)攻撃国を特定できない-などとして、防衛出動の要件を満たさないと結論付けた。ただし、潜水艦の関与は確実とみなされたことから、「対潜能力を保有しない海上保安庁の能力が及ばない」として海上警備行動が海自に発令された。
 それからしばらくしてP3Cは沖縄南方海域で先の探知と同一のA国潜水艦をソノブイで再探知し、護衛艦も同じ目標をソナーで探知・追尾した。
 護衛艦は「貴艦の安全確保および無用の疑惑防止の観点から、この海域からの退去を要請します」と水中電話で呼びかけたが、潜水艦は無視した。
そのとき、この海域に進入してきた輸送船に魚雷が命中、沈没した。護衛艦が潜水艦を追跡し、浮上を要請したところ、英語のメッセージが送信されてきた。「本艦は公海を潜航航行中であり、国際法上、正当な行動。沈没と本艦は無関係だ。いかなる要請・要求も拒否する」。潜水艦は海域を離れていった。

■非力さがつけこまれる
 以上の報告の最大のポイントは、外国軍隊による不法な侵害から、日本を守る法制度がいかに欠陥を抱えているかということだ。とりわけ深刻なのは、自衛権の行使である防衛出動の発動が極めて難しいことである。
 発動の要件は「大規模かつ組織的・計画的な攻撃」とされる。だが、今回のように攻撃者自体の特定が困難のうえ、独航船への散発的な魚雷1発という最小規模の攻撃は発動要件を満たさない。こうした解釈は、日本が直面している安保環境の現実から乖離(かいり)する一方だ。
 しかも本シナリオにおける海自出動の根拠が、警察官職務執行法の準用による警察権に基づく海上警備行動である以上、護衛艦とP3Cは公海上では警告・要請しかできない。そもそも外国軍隊による不法行為に対し、日本の法律は適用されない。今回、警察力による海警行動を決めたこと自体が「大きな誤り」と香田氏は指摘する。
 今、政府・与党は集団的自衛権の限定行使などの法案化作業を進めているが、むしろ個別的自衛権を使えない事態、使うことを非常に困難なままにしていることが、日本の平和と安全を危うくする。A国は南西諸島への輸送を断ち、不安を極限まで高める狙いとみられる。
 安倍晋三政権は昨年7月、「(武力攻撃により)わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」などと、武力行使が認められる新3要件を提示した。
 いざというときに防衛出動できるように新3要件を柔軟かつ幅広く解釈することが抑止力を高め、わけのわからないグレーゾーン事態を乗り切れる。香田氏はこう確信している。(なかしず けいいちろう)

新局面開く首相のバンドン演説 東洋学園大学教授・櫻田淳(産経:正論)


 アジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議での安倍晋三首相の演説(以下、安倍演説と略)は、高い関心を寄せられるべき演説であった。
 第二次世界大戦後70年の節目に日本の「大義」や「信条」を表明する機会としては、此度の安倍演説や米国連邦議会上下両院合同会議での演説は、今夏に発出されると伝えられる「安倍談話」よりもはるかに重大な意義を持つ。この2つの演説に対する反響や評価は、先々の日本の国際社会における対外「説得性」に直接に関わってくる。

 ≪東南アジア諸国に示された配慮≫
 然るに、安倍演説の注目点として語られたのは、「植民地支配と侵略に対する謝罪と反省」に絡む認識が、どのように扱われるかということであった。
 特に満州事変以後の対中進出や第二次世界大戦勃発前後の対東南アジア進出は、客観的には「侵略」と表する他はないのであるとすれば、それに対する反省を忘れないでおくのは、特に東南アジア諸国との「縁」を紡いでいく上での前提である。
 安倍演説中、「先の大戦の深い反省」という言葉が示されたのは、東南アジア諸国には必要な配慮であった。この配慮の上でこそ、「侵略または侵略の脅威、武力行使によって、他国の領土保全や政治的独立を侵さない」という原則を守る趣旨の日本の誓約は、その「説得性」が担保されるのである。
 もっとも、安倍演説に対する評価に関して、中国や韓国、そして東南アジア諸国でニュアンスの違いが見られたのは、留意に値しよう。たとえば、安倍演説の後、洪磊中国外務省報道官は、「国際社会は日本が侵略の歴史を直視し、近隣諸国との和解だけでなく国際社会からの信頼を獲得するために、それ(歴史)を注意深く見直すことを期待している。われわれは日本が国際社会からの正義を求める声に真剣に耳を傾けてくれることを願う」と語っている。
 また、習近平中国国家主席は、5カ月ぶりに行われた日中首脳会談の席では、「歴史問題は中日関係の政治的基礎に関わる重大原則問題だ。日本側は真剣にアジアの隣国の懸念に対応し、歴史を直視する積極的なシグナルを対外的に発出してほしい」と語った。

 ≪「最厳冬期」が過ぎた日中関係≫
 習主席以下、中国政府の反応は、「前の戦争に対する反省が示されれば、今後、特段の謝罪の言葉を要しない」という線で落ち着きつつあることを示している。それは、日中関係における「最厳冬期」が既に過ぎている事情を反映しているのであろう。
 しかも、『朝日新聞』(ウェブ版、4月23日配信)記事が伝えた東南アジア諸国の反応が暗に示すように、事有る度に日本に謝罪を迫るという姿勢は、国際社会全体の「常識」に照らし合わせて異形なものになっている。
 東南アジア諸国要人の反応を列挙すれば、たとえば、「(お詫(わ)びがなかったことに)大きな意味は見いだしていない」(マレーシア通信マルチメディア相)、「特にわれわれが言うべきことはない」(ミャンマー外相)、「(お詫びなどの言及は)安倍首相が判断すること」(カンボジア外相)、「演説で触れられていない言葉についてコメントはない」(インドネシア外務次官)といったあんばいである。
 記事が伝えるように、東南アジア諸国においては「主な関心は日本によるアジア・アフリカ地域への積極的な経済関与だ」ということである。そして安倍演説で強調されたものこそ、こうした関与における「従来の実績」と「今後の意志」であったのではないか。

 ≪韓国に災厄もたらす「硬直」≫
 事実、此度のバンドン会議記念会議の成果として確認されたのは、貧困や格差の解消に向けた協調、さらには途上国の相互協力を通じた経済発展であった。これが、会議に集まったアジア・アフリカ諸国の最大公約数的な「要請」である。
 他方、韓国政府からは、「深い遺憾の意」が漏れている。安倍演説中、「植民地支配と侵略に対する謝罪と反省」という表現が消えたことを指してのことである。
 今月初頭、韓国外務省高官の発言として報じられた「日本は100回でも詫びるべきだ」という発言に重ねるとき、韓国政府の姿勢に「硬直」の二文字をみるしかないのは、もはや致し方ないことかもしれない。
 そして、安倍演説に対する中国や東南アジア諸国の反応に照らし合わせるとき、この「硬直」は、韓国にとっては先々の災厄になるであろう。
 そうであるとすれば、安倍演説で示された「反省したとしても謝罪はしない」という方針は、歴史認識案件での日本政府の姿勢の新たな「デフォルト(既定値)」になるのであろう。その意味では、この演説は、日本の対外政策における一つの局面を開いたものとなろう。次はワシントンでの演説が「鍵」となる。(さくらだ じゅん)

牢獄→座敷牢→軟禁 自衛隊の「無罪放免」はいつ(産経:野口氏の軍事情勢)


東京・日本橋室町に建つ三井本館が脳裏をよぎったのは4月21日のこと。自衛隊が、国際平和に向け活動する外国国軍の後方支援を随時可能にする新法《国際平和支援法》案に自民・公明両党が合意したとの情報に接した直後だった。三井本館こそ、戦後日本の安全保障政策の進路を大きく誤らせた出発点で、以降半世紀近く「外敵より自衛隊を警戒する」時代が続く。それが阪神・淡路大震災(1995年)や北朝鮮の弾道ミサイルの日本列島越え(98年)に慌て「自衛隊より外敵を警戒する」ようになる。そして今、中国軍の異常な膨張や東日本大震災(2011年)での大活躍もあり《自衛隊による(・・・)安全確保》はほぼ(・・)国民の共通認識に至る。この程度の国際常識に到達するまで戦後70年、自衛隊の前身組織創設以来65年も掛かった。もっとも国際平和支援法案は、自衛隊に対する不信感とその政治利用のため、何が何でも国会の事前承認を前提とする悪法となった。いまだ《自衛隊からの(・・・)安全確保》を謀る系譜を感じる。

「縛り」の源流は吉田茂
 系譜の源流は昭和26(1951)年、三井本館で米国務省顧問ジョン・フォスター・ダレス(後の国務長官/1888~1959年)と会談した吉田茂首相(1878~1967年)に遡る。なぜか評価が高い吉田だが、憲法改正→再軍備を勧めるダレスの要請を断固拒絶し、《自衛隊からの(・・・)安全確保》を国体に憑依させ続ける未完成国家へと誘導した責任は限りなく重い。かくして自衛隊は牢獄→座敷牢→軟禁と「減刑」されてはきたが、依然隔離されたまま。自衛隊が「無罪放免」され、実力を遺憾なく発揮できるその日こそ、真の憲法記念日を迎える。
 国際法上の国軍=自衛隊の投射は、武力行使の有無にかかわらず戦闘能力を有する武装集団である以上、国権の発動に当たるケースが多く、場合によって政治や関係国の承認・同意が必要であることは言を待たぬ。
 しかし、国際平和支援法を含め安全保障関係法を国会の事前承認に固定する硬直性は異常だ。安全保障上の情勢推移は「我=日本」には決められない。紛争を起こしている「彼」、紛争に直接対処する被後方支援国の国軍などが決める。柔軟・機動性が軍のイロハであるゆえんだが、国会の事前承認を強制されては、事態急変で派遣中の自衛隊が基本計画外の支援を求められても対応は無理。初動が遅れ、被後方支援国の国軍や、各国国軍の救援を受けられなくなった紛争地域の非武装市民は危険にさらされる。安全保障上の事態に「想定外」を皆無と仮定する愚行は、大東亜戦争(1941~45年)で犯した、計画通り実現できるとの希望の下に練られた、現実より遊離した“あるべき理想的作戦”の再来と見紛う。
 
事前承認強制が招く漏洩
 国会本会議での承認前に基本計画を吟味する担当委員会での審議中、計画が漏洩する危険はないのか。基本計画にどこまで書き込むかはハッキリ決まってはいないが、例えば空中・海上での給油や弾薬補給の会合地点。漏洩すれば、日本は相手国は無論、国際社会にも致命的不信感をもたれる。
では、2014年に施行された《特定秘密保護法》で機密が守られるかというと、これが恐ろしく心許ない。防衛相が《特定秘密》に指定しても、自衛隊の行動の多くは閣議決定の必要がある。閣議は非公開で、外部への公表・非公表を決めた後、官房長官が統一的に発表。各閣僚も議論の内容を漏らす行為は慎むよう通達されている。国会法でも、本会議や委員会を《秘密会》にできる規定は有る。
 ところが、閣議・閣僚懇談会や本会議・委員会における機密保持に備えた具体的運営要領は定まってはいない。しかも、特定秘密を扱う公務員は犯罪歴や薬物の影響、精神疾患はじめ経済状況まで《適正評価》をクリアせねばならぬが、閣僚や国会議員への厳格な適正評価実施も想定されていない。公務員向けの適正評価項目には《テロ活動との関係》も含まれるが、新左翼系過激派とのつながりを危険視される国会議員は野放し。
 これでは、安保法制が整備され、海外紛争・暴動に際し《邦人救出》を行えるようになっても《A時B分、C空港で△人を救出する計画》に関する記事を、救出前に閣僚・議員経由でメディアや機関紙が公表。ゲリラやテロリストが阻止すべく待ち構える危機を誘発する。

あまりの法の多さを慨嘆
 閣僚・議員が親戚・知人に話し、フェイスブックやライン、ツイッターなどSNS上で広まる懸念も否定できぬ。特定秘密に指定された計画に基づく部隊行動の内「一場面」がメディアや個人のSNSに載って拡散するかもしれない。《航空自衛隊D基地で輸送機□機が離陸するシーンを見た》《◇湾を出る海上自衛隊の輸送艦を岬で見た》という具合だ。作戦は動き始めると、実態上“法の適用外”と化す。結果、作戦の詳細はともかく、知見を有する人たちには概要が分かってしまう。国際常識に沿った少数で包括・抽象的法体系が求められる。細部はROE(交戦規定)で、現場指揮官が即応すればよい。
政府は「あらゆる事態に切れ目のない対応を可能にする法整備」を力説するが、法律を増やしても、情勢変化や兵器の進化で法と法の間に「穴」ができ、新事態は法の網の外に現れる。国家防衛や国際平和を後回しにし、自衛隊の一挙手一投足を、多数・細分化された個個の法で縛る「歯止め」が法整備の第一目的だからむべなるかな。あまりの法律の多さに、自衛隊員は「自衛隊の大砲の弾には法律名が書いてある」と嘆く。現地派遣指揮官は法律家の見識を強要され→決断を鈍らせ/遅らせ→部下や保護下に入った非武装市民を危険に遭わす悪夢にうなされる。もはや安全保障関係の法律群は本館-別館-新館が迷路のごとき廊下・階段で連接された巨大温泉ホテルのよう。消防・建築・観光上の規定をクリアしても、イザ火事と成れば死傷者が出る。豪華さ(経済)を極度に優先させた「欠陥ホテル」の設計者が吉田である。
 遅ればせながら「反軍」の左翼に、日本国民は胡散臭さを感じ始めた。ただ「非軍」を看板に、自衛隊を鎖でつなぎ「飼い主ヅラ」を気取り「政治の食い物」としてきた公明党や“保守本流”も罪は似たり寄ったり。政権内に巣くう、吉田の残滓もお掃除するときがきた。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)

日米2+2で新ガイドライン取りまとめへ(NHK)


日米の外務・防衛の閣僚協議、「2+2」が日本時間の27日夜、ニューヨークで開かれ、島しょ防衛の強化や、集団的自衛権を行使する際に想定される協力項目を盛り込んだ、新たな日米防衛協力の指針、ガイドラインを取りまとめることにしています。
日米の外務・防衛の閣僚協議、「2+2」は、日本時間の27日夜、ニューヨークで、日本から岸田外務大臣と中谷防衛大臣が、アメリカからケリー国務長官とカーター国防長官が出席して開かれます。
協議では、18年ぶりの見直しとなる、新たな日米防衛協力の指針、ガイドラインを取りまとめることにしています。
この中では、日本に対する武力攻撃事態への対処として、東シナ海などで海洋進出を活発化させている中国を念頭に、島しょ防衛の強化などが盛り込まれる見通しです。
また、日本政府が進めている安全保障法制の整備内容を反映させ、集団的自衛権を行使する際の協力項目として、弾道ミサイルが発射された場合の対応や、機雷の掃海活動などが盛り込まれる見通しです。
また、4人の閣僚は協議が終わったあと、そろって記者会見を行い、新ガイドラインの運用によって、日米同盟をさらに強化していく方針を打ち出すものとみられます。

装備の長期契約 防衛力増強へ効率化の徹底を(読売:社説)


 防衛装備の調達を効率化し、限られた予算を有効活用して、防衛力の強化につなげるべきだ。
 航空機や艦船など高額な装備を長期契約で購入できるようにする特別措置法が成立した。現行の財政法では、契約の翌年度以降に支払う「国庫債務負担行為」は最長5年だが、10年まで延長する。
 防衛省は特措法を適用し、最新鋭のP1哨戒機20機を7年契約で一括購入する。総額3396億円で、4年契約で4回に分けて5機ずつ購入する従来方式に比べ、417億円も節減できるという。
 特措法は、南西諸島防衛を重視する中期防衛力整備計画(2014~18年度)に基づく装備調達を大幅に効率化する狙いがある。
 P1は、初の純国産哨戒機で、現在運用中のP3C哨戒機より潜水艦探知能力などが大幅に優れている。順次、P3Cと入れ替え、警戒監視活動に従事する。
 次の長期契約候補は、哨戒ヘリSH60Kなどである。
 厳しい財政状況の下、調達費の抑制は欠かせない。中期防は、7000億円程度の財源を調達改革で確保すると定めた。長期契約はその有効な手段と評価できる。
 短期契約の場合、企業は将来の受注が見通せず、人員配置や設備投資の計画を立てにくい。長期契約なら、人材育成や投資を積極的に行えるし、材料などのまとめ買いによるコスト縮減も可能だ。
 海外では、長期契約による調達が一般的である。米仏は、艦船や戦闘機、ミサイルなどを10年前後の契約で購入している。英国は最長25年の契約ができる。日本もようやく国際標準に近づいた。
 特措法は18年度までの時限立法だ。効果と課題を検証し、制度の恒久化を検討してはどうか。
 防衛省は10月に、装備調達などを一元的に担う「防衛装備庁」を設置する予定だ。必要な装備の目利きや価格交渉力の強化など、様々な改革を行い、合理化と透明性の確保を徹底してもらいたい。
 日本周辺では、ロシアや中国が急速な軍備拡大を続ける。
 中国の公表分国防費は1989年以降、ほぼ毎年10%以上伸びている。日本の防衛費は10年連続で減少し、13年度から増加に転じたが、伸びは年平均1・3%だ。
 このまま推移すれば、中国の国防費は5年後に日本の4倍超、10年後には7倍近くに膨らむ。
 こうした厳しい安全保障環境に対応するには、安保法制の整備に加え、調達改革を戦略的に進めることが重要である。

連休明けに配備地提示 防衛省、宮古島の警備部隊 複数カ所 地対艦・空ミサイルも(産経N)


 防衛省は25日、沖縄・宮古島での陸上自衛隊「警備部隊」の配備地について、大型連休明けに宮古島市へ提示する方針を固めた。平成30年度末までに約600人の隊員を置き、地対艦ミサイル(SSM)と地対空ミサイル(SAM)も配備し、市内の複数箇所への配置を打診する。中国の離島侵攻の脅威を踏まえた南西防衛強化の一環で、沖縄・与那国島への沿岸監視隊の配備に続き、実戦部隊の配備計画が本格化する。
 左藤章防衛副大臣が宮古島市を訪れ、下地敏彦市長に配備地を提示する。下地氏は部隊の受け入れの可否を検討。配備に同意が得られれば、防衛省は8月の28年度予算案概算要求に用地取得費を計上する。
 南西防衛強化に伴う警備部隊の配備は鹿児島・奄美大島に続くもので、宮古島で配備が実現すれば先島諸島では初めて。石垣島への配備も検討している。
 警備部隊は離島が攻撃された有事の際、初動対処にあたる。現状では沖縄本島より西側は宮古島に航空自衛隊のレーダーサイトがあるだけで、実戦部隊が配置されていない「防衛の空白地帯」となっており、警備部隊の配備はこの欠陥を是正する措置だ。
配備されるSSMは最新鋭の12式地対艦誘導弾。陸自は離島防衛では(1)沿岸海域(2)海岸地域(3)内陸部-の3段階で対処する構えで、SSMは第1段階の沿岸海域で敵艦艇を撃破する重要な役割を果たす。
 中国海軍艦艇は沖縄本島と宮古島の間を抜ける形で東シナ海から太平洋に進出することを常態化させており、SSMは挑発のエスカレートに対する抑止力と対処能力となる。中国軍の爆撃機などが沖縄本島と宮古島の間の上空を飛行することも活発化しており、宮古島へのSAMの配備も欠かせないとされる。

「1人当たりの国防費」って? 中国が「日本侮辱」で持ち出す不思議なモノサシ(産経:世界読解)


軍事力は総合火力がモノをいう。そのためには経済力で基礎体力をつけなければ、軍事力という腕力は強化できない。「富国強軍」がスローガンの中国は、まさに国内総生産(GDP)で世界第2位の基礎体力をつけ、それに応じた腕力はもはや筋骨隆々である。(SANKEI EXPRESS)
 今年の国防費もまた、前年実績に比べて10・1%増の8868億9800万元(約16兆9000億円)で5年連続で2桁増を記録した。やがては米国をも追い抜く勢いだ。これで傲慢にならずに、大国としての品位が追いつけばよい。
 中国外務省の華春瑩報道官は過日の記者会見で、「経済発展の水準に見合った国防現代化に、非難の余地はなし」などと居丈高になる。昨年あたりまでは、あまりに力をひけらかして自ら中国脅威論を広げ、アジア近隣諸国を対中抑止で結束させてしまった。
そこで中国は、アジア諸国向けに道路、港湾建設の資金を融資するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を誘う。「力による支配」から「カネによる支配」へのイメージ転換だ。さらに、日米による「突出した軍拡路線」という批判を想定し、華報道官は小さく見せかける数字のマジックを披露した。
 「日本の人口は中国の約10分の1、面積では約26分の1だが、1人当たりの国防費は日本は中国の約5倍である。こうした状況の下でも、日本側が中国側の正常な国防建設についてありもしないことを言いたてるのは、幾分か『酔翁の意は酒にあらず』(狙いはほかにある)ではないのか」(RP=東京)
 安全保障に「1人当たりの国防費」という不思議な物差しを考案した。その上で報道官は、日本が「歴史を鑑(かがみ)」に平和の道を堅持し、「中国の脅威」を誇張することをやめよ、といつもの説教を続ける。
 日本が尖閣諸島を国有化した際も、中国は領有権の日中棚上げ合意を破ったと詭(き)弁(べん)を弄した。中国が1992年領海法で先に合意なるものを自ら破っておきながら相手に責任を押しつけるのは、都合が悪くなったときの常(じょう)套(とう)手段である。
 最近、来日する中国要人も、軍事費に話が及ぶとこの論旨を持ち出すから応答要領ができているのだろう。中国の巨大人口を分母にすれば、1人当たりの軍事費は自動的に減少する。だが、軍事は総合火力がモノをいうから、大国と小国の争いを防ぐには、軍事力が人口と反比例しなければパワーは均衡しない。
 日本は「力の均衡」によって戦争を起こさない抑止を考えるが、中国は地域で他を圧倒する「地域覇権」を考えているのだろう。この軍事力と経済力をもって、東シナ海では日本に、南シナ海でもベトナムやフィリピンに対して、自国の利益になるよう強制することになる。
 慶応大学の細谷雄一教授は東アジアの「均衡の体系」が重要であることを強調し、「日本がパワーを低下させ、日米同盟が衰弱し、アメリカが東アジアへの関与を削減すれば、この地域に『力の真空』がうまれることになり、よりいっそう国際秩序は不安定になる」(『国際秩序』)と述べている。
 日本が安保法制をつくったうえで同盟の双務性を高める目的から日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を見直す意義は、ここにある。(湯浅博・東京特派員)

ついに自衛隊が「高機動パワードスーツ」を導入へ…韓国でも戦闘ロボット計画を打ち出すも世論は猛反発(産経N)


ついに「パワードスーツ」の時代がやってきた-。政府は平成27年度防衛省概算要求で、「高機動パワードスーツ」の研究開発費として9億円を計上、本格的に自衛隊員の“強化”に乗り出した(4月9日に27年度予算成立)。一方、ほぼ同時期にお隣の韓国でも「未来戦闘兵システムと戦闘ロボット」の開発を発表した。こちらはテレビでよく見られる戦隊ヒーローのような外観で、装甲化された歩兵を目指すという。ところが、韓国国内では「旧式装備の更新が先だろう」との批判が噴出。過去に大失敗に終わった“不良ロボット”に対する不信感もあり、実現性に疑問符がつけられている。(岡田敏彦)

自衛隊初のパワードスーツは実用性重視
 防衛省が研究開発に乗り出すのは、大小の火器や暗視装備など個人用の装備品を装着または携帯した隊員が迅速に行動できるようにアシストするための高機動パワードスーツ。
 パワードスーツという概念が生まれた元祖は、ロバート・A・ハインラインのSF小説「宇宙の戦士」に出てくる強化防護服で、人気アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するモビルスーツのヒントにもなったともされる。防衛省が目指しているのは前者に近い等身大のもので、人が装着することをイメージしている。
 防衛省によると、パワードスーツの目的として「島嶼(とうしょ)部攻撃等への対応」と「大規模災害等への対応」をあげている。対戦車兵器などの重量物を携えながら迅速に活動できることや、災害時に要救助者を背負って安全な場所まで搬送するなどの利用を考えているという。
防衛省発表のイメージ図をみても、現在民間企業が開発しているお年寄りのリハビリ用や農作業用として実用段階に入りつつあるものと似た形。両脚の外側と腰に装着するタイプで、民間用よりも防塵・防滴性能を向上させるなどのヘビーデューティー仕様になる。同省では平成12(2000)年度にも重装備の運搬を助けるパワードスーツを試作しており、最新タイプはこれよりも着実に進化させたものとみられる。
 また、今年度は両腕を持つ“ロボット”も導入するが、こちらは履帯で動くショベルカーのアームを2本にしたような形状。どちらも未来兵器を思わせる斬新なデザインではなく、あくまでも実用性を重視した現実的な仕様になっている。

韓国の「未来兵士」は近未来的なヒーロー?
 一方、韓国軍も昨年11月、「アイアンマンと類似した未来戦闘兵システムとロボット開発に着手する」などと発表した。どんな装備になるかの参考となるのは、韓国軍などが2013年11月に発表した10年後の「未来兵士」だ。
 それによると、黒ずくめの外観に通信機器を内蔵したフルフェイスのヘルメット▽個々の兵士の血圧や脈拍を軍司令部で把握できるセンサーを備えた新素材の防弾ベスト▽手足はパワーアシストで半ロボット状態▽アームは銃とスマートフォン同等のシステムを装備し、攻撃と通信を同時に行える-などなど。外観も、テレビでおなじみのヒーロー戦隊ものや米国の大ヒット映画「アイアンマン」に近い。
 韓国軍が開発に着手するのは、こうした近未来的なタイプだと韓国内ではみられている。

「不正の温床」「旧式装備の更新が先」と猛反発
 ところが、この最新鋭装備に韓国の若者たちが猛反発している。
 韓国では昨年、軍の救難艦に軍用ソナーと称して安価な魚群探知機を納入し、関係者が賄賂を受け取っていたことが発覚。以前から装備品をめぐる不穏な噂が絶えなかったことも手伝い、今回の装備開発についてもネット上では「また軍に不良装備が納入され、誰かの懐が潤うのか」などとまことしやかにささやかれている。
 さらに、徴兵制の弊害もある。韓国では基本的に男性全員が徴兵され、毎年約20万人が入隊し、約2年間の軍務に服する。働き盛り、あるいは大学で学んでいるべき若者約40万人が国の経済活動から切り離され、その衣食住はすべて税金で賄われている。中央日報などでは、韓国の大学卒の初任給は日本より上だとしているが、一方で徴兵された二等兵の月給は約11万2千ウォン(約1万1千円)という貧しさ。ここまで切り詰めなければならないほど、軍は慢性的な予算不足に陥っている。
 それだけに、最新の“アイアンマン装備”にも徴兵経験者らは辛辣(しんらつ)で、「水筒やガスマスクすら1970~80年代の旧式なのに」「新装備導入より先に防弾チョッキをそろえるべき」「まずライフルにスコープをつけろ」と、軍の実態を知り尽くした本音が噴出している。

時速9kmで泳ぐ高性能「魚ロボット」
 そして、以前に大失敗に終わったとされる「魚ロボット」の存在が、不信感に拍車をかけている。
李明博・前大統領は在任中の目玉事業として、貯水量増大などを目的に漢江(ハンガン)など国内大規模河川に16カ所の堰(ダム)を設ける「四大河川事業」を実施した。現地紙ハンギョレ(電子版)などによると、工事直後に堰が崩れるなど欠陥が発覚、治水面でも効果がなく巨額の予算を投じたのに「大失敗」と評価されている。この事業の環境評価のために開発されたのが、問題の魚ロボットだった。
 中央日報や聯合ニュース(いずれも電子版)によると、開発は2010年から3年間にわたって行われた。事業計画書では、秒速2・5メートル(時速9キロメートル、約4・9ノット)の高速で泳ぎ、ほかのロボット魚とデータリンクして群れを作り目標に到達するなど、斬新な高性能をうたっていた。

欠陥だらけで結局は無駄金に
 ところが、実際に監査院が昨年3月に試験したところ、仰天の事実が明らかになった。
 計画では秒速2・5メートルで泳ぐはずが、テスト時には秒速23センチと10分の1。また、魚ロボットには水温や酸性度、濁度などを測定する5種類のセンサーを装備するはずだったが、試験時には濁度の測定センサーは欠品。残る4種類のセンサーのうち、ちゃんと作動したのは電気伝導度センサーだけ。
 ほかの魚ロボットとの連携プレーについても、連携(データリンク)に必要な水中での通信性能は、計画書では通信速度4800bps、距離500メートルだったが、試験での実力は200bps、50メートルと無惨な結果に。魚ロボット同士の群集制御や位置認識に関しても、製作された9台の魚ロボットのうち7台が故障したため「試験ができなかった」(韓国監査院)という有り様。
 結局、総事業費57億ウォン(約5億7千万円)が無駄金となった。

「そもそも必要か」と疑問の声
 韓国ネイバーニュースは「あらゆる不正を搭載したロボット魚の登場だ」と皮肉をこめて報じたが、それもそのはず。そもそも河川の水質検査で魚ロボットが本当に必要なのか、と指摘する声もある。
 よくよく考えてみれば、調査員がボートに乗れば済む話。橋の上から調査機器を吊り下ろせば、ボートすら不要だ。
 それなのに、高速で泳ぐ魚ロボットに何の意味があるのか、さらにその速度でバッテリーが何時間持つのか、どんな運用と回収を行うのか-など疑問ばかりが浮かび上がる。
 技術だけでなく、要求性能の設定や開発環境にも問題があるなかで登場する“韓国版アイアンマン”。いろいろな意味で、独創的な一品になりそうだ。

中国では「防御力低いアイアンマン」登場
 ちなみに、中国ではさらに驚きの「アイアンマン」が登場して話題になった。
 今年1月、大量のアイフォーンを中国に密輸入しようとした香港の男が逮捕された。
 94台ものアイフォーンを体中にテープで巻き付け、まるで体をアイフォーンの鎧で覆っているような状態だった。上から服を着て隠していたが、関節がほとんど動かず姿勢も動きもおかしいことから、税関で即座に見破られた。地元マスコミに「防御力が極端に低いアイアンマン」と報じられている。

「底打ち」と言えるのか:民主党の原状(朝雲:時の焦点)


相場の格言には、社会生活に参考になるものが少なくない。
 例えば、「早耳の早倒れ」。誰よりも早く情報を仕入れて株式を売買しても、損することが少なくないという格言。情報の真偽を確認することの大切さを伝え、情報の早さより質を重視すべきだと教える。
 「おごるなよ、丸い月夜もただ一夜」というのもある。株価が天井を付ける期間は決して長くない、という格言だ。
 満月が一夜で終わり、月が欠けていくように、幸運はいつまでも続かない、だから、おごってはならないという戒めなのだろう。
 さて、民主党である。政権担当という栄華は3年余りで終わり、低迷期に入った。
 党勢がそろそろ底打ちし、上昇に転じつつあるのか。あるいは底なしの状態が続いているのか。党内で議論になっている。
 統一地方選の41道府県議選の結果が判断材料である。
 民主党の獲得議席は264。4年前の前回は346。ただし、その後の党分裂などで、告示前勢力は275に減っていたという。
 「底打ち派」は告示前と、「底なし派」は4年前の獲得議席との比較が、その主な論拠になっているようだ。
 幹部の間でも認識が分かれる。
 枝野幹事長は「底打ちして戻しつつある流れ」と語る。一方、細野政調会長は「厳しい傾向に歯止めがかかっていない」と指摘する。
 この論争、底打ち派の分が悪いと思う。
 統一地方選の17政令市議選では、自民党だけでなく、公明、共産両党にも遅れを取り、「第4党」にとどまった。
 大阪市議選では公認候補が一人も当選できなかった。
 これでは、「これから民主党は上昇局面に向かうのだ」と強弁しても説得力に欠ける。
 底打ち派は、巻き返しに向けて、党内を鼓舞する狙いがあるのかもしれない。
 しかし、やはり、厳しい現状認識を持たなければ、本当の意味で再スタートを切ることができないのではないか。
 民主党が取り組むべき課題は多い。
 安全保障や経済政策について、党の見解を明確に打ち出す。
 決まったことに、みなが従う文化を根付かせ、党の「バラバラ感」を解消する。
 来年夏の参院選や次期衆院選に向けて、候補者擁立などの準備を進める。
 自らの欠点を是正し、着実に課題をこなすことが大切である。
 「民主党にもう一度、賭けてみるか」と、有権者が思えるようになるには、なお相当な期間を要するだろう。
 所属議員全員がそのことを自覚し、腰を据えて取り組むべきだ。
風間 二郎(政治評論家)

安倍首相、26日訪米へ 絆アピール、世界の安定に貢献(東京新聞)


安倍晋三首相は26日から8日間の日程で米国を公式訪問する。戦後70年を迎える節目に、安全保障、経済分野を柱とする日米同盟の強化で一致し、世界の安定に積極的に貢献していく考えを発信する狙い。日本の首相として初めてとなる上下両院合同会議での演説や、ボストン、ワシントン、サンフランシスコ、ロサンゼルスの4都市訪問を通じ、幅広い層に日米の絆をアピールする。
 国賓級待遇となる首相の公式訪問は、2006年の小泉純一郎首相(当時)以来、約9年ぶり。ワシントンでの首脳会談は13年2月以来となる。
 安倍首相とオバマ氏の会談は28日に開く。

与党安保協議 包括的法制で抑止力を高めよ(読売:社説)


 ◆日本と世界の平和守る自衛隊に
 日本と世界の平和を維持するため、自衛隊の任務を大幅に拡充する包括的な法制をまとめた意義は大きい。
 自民、公明両党が、新たな安全保障関連法案の条文案を了承した。他国軍への後方支援を可能にする恒久法「国際平和支援法案」と、自衛隊法など10本の現行法改正案の「一括法案」だ。
 政府は5月中旬に関連法案を閣議決定し、国会に提出する。
 法案は、集団的自衛権の行使、国際平和協力活動、平時と有事の中間に当たるグレーゾーン事態の対処の3分野で、切れ目のない対応を相当程度可能にする。

 ◆切れ目ない対処が重要
 日米同盟を強化し、日本の安全を確かにする。積極的平和主義に基づき、アジアと世界の安定を支えるため、日本がより大きな役割を担う。この二つの目的に向けて政府・与党は、法案の今国会中の成立に全力を挙げるべきだ。
 与党の安保協議が2月中旬に始まった際、公明党は、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の制定に慎重姿勢を示していた。米軍以外の他国軍への後方支援や、国連決議がない場合の自衛隊の海外派遣にも消極的だった。
 だが、協議を重ねる中で、政府・自民党に歩み寄り、恒久法の制定に同意した。国際平和支援法案は、自衛隊の迅速な派遣だけでなく、自衛隊が平時に後方支援の訓練や情報収集などの準備活動ができるなど、大きな利点がある。
 豪州軍などへの後方支援や、国連決議がなくても国連・地域機関の要請に基づく自衛隊派遣を可能にした点も重要な意味を持つ。
 南スーダンで一昨年12月、陸上自衛隊が韓国軍から弾薬の提供を要請されたように、緊急時には、通常は想定されにくいような事態が発生することもある。
 机上の議論にとらわれず、様々な危機に柔軟に対応できる余地のある法制にしておくことが、安全保障の要諦である。

 ◆例外なき「事前」は疑問
 一方、国際平和支援法に基づく自衛隊派遣の国会の事前承認について、政府・自民党が公明党に譲歩し、例外的な事後承認を認めなかったことには疑問が残る。公明党は、統一地方選に影響しないよう、「歯止め」の成果を出すことにこだわったとされる。
 国会が閉会中などで、承認に時間を要するケースもあろう。衆参各院が7日以内に議決するという努力義務規定の順守が必要だ。
 集団的自衛権の行使に関しても公明党に配慮し、関連法案に「他に適当な手段がない」という要件を明記することにした。
 危機発生時に、その規定を根拠に、「適当な手段」を巡る非現実的な議論が起きて、自衛隊の行動の遅れを招くとしたら本末転倒である。過剰な歯止めは安保法制の実効性を損なう。
 日米両政府は27日の外務・防衛担当閣僚による安保協議委員会(2プラス2)で、安保法制を反映した新しい日米防衛協力の指針(ガイドライン)を決定する。
 離島防衛での自衛隊と米軍の共同対処などを明記し、平時から有事まで切れ目のない日米協力を強化することは、様々な有事への抑止力を向上させよう。
 特に、長年の課題だった集団的自衛権の行使の限定容認により、日本周辺海域での米軍艦船の防護や、米国向け弾道ミサイルの防衛などを可能にすることは画期的である。
 自衛隊と米軍が緊密に情報交換し、共同の警戒・監視活動を増やして、よりスキのない防衛体制の構築につなげたい。
 中国は近年、海空軍の装備を質・量両面で拡充し、東・南シナ海で一方的な海洋進出活動を強めている。北朝鮮は、核兵器の小型化や弾道ミサイルの実戦能力向上を着々と進めてきた。過激派組織の国際テロにも警戒を怠れない。

 ◆米豪との協力強化を
 日本にとっては、新たな安保法制に基づき、米国や豪州などとの多角的な防衛協力を深化させることが急務である。日本周辺での軍事的な挑発活動などを封じ込める効果を持つだろう。
 国連平和維持活動(PKO)以外の人道復興支援活動などにも、自衛隊を積極的に参加させたい。世界の安全保障環境の改善は、日本自身の安全確保にもつながる。国際社会における日本の存在感と発言力も高めよう。
 今回の安保法制は、内容が極めて専門的なうえ、複雑で多岐にわたるため、国民に分かりにくいのは否めない。政府は、法制の意義と内容を丁寧に説明し、理解を広げる努力を続けるべきだ。

妥協重ね複雑化=自公双方に不満-安保法制(時事N)


 与党が合意した新たな安全保障法制は、集団的自衛権行使から国際貢献まで幅広い分野で自衛隊の活動を広げており、安保政策の一大転換となる。ただ、「使い勝手のいい法制度」を目指した自民党と「歯止め」を重視した公明党が妥協を重ねた結果、内容が分かりにくくなったのは否めない。昨年5月に始まった与党協議は、自公双方に不満を残す結末となった。
 与党協議に参加した自民党議員は24日、実質的に決着した協議結果に「こんな複雑な安保法制は日本ぐらいだ」と嘆いた。公明党幹部は「支持母体の突き上げが厳しい」と表情を曇らせた。
 与党協議で焦点となったのが、海外の紛争地に後方支援を目的に自衛隊を随時派遣できる恒久法「国際平和支援法」の制定。2001年の米同時テロを受けた海上自衛隊のインド洋での給油など、これまで海外派遣にはその都度特別措置法による根拠付けが必要だったため、自民党には「適時適切な国際貢献が難しい」との不満が強かった。
 これに対し、公明党には「際限のない海外派遣に道を開く」との懸念があった。自民党が、事実上の地理的制約がある周辺事態法を廃止し、他国軍の後方支援は恒久法で全てカバーする意向を示したため、公明党の警戒感は一段と高まった。
 調整の結果、公明党に配慮して周辺事態法は存続させる一方、同法の根幹をなす「周辺」概念を取り除くことで合意。恒久法は制定するものの、これに基づく海外派遣は自民党が反対していた「例外なき国会の事前承認」を義務づける「バーター」が成立した。
 周辺事態に代わる「重要影響事態」と恒久法の対象である「国際平和共同対処事態」は概念上重なるが、前者では国会の事後承認も認める。どちらの事態と認定するかは政府に裁量の余地があるため、国会審議で野党に追及されるのは間違いない。政府関係者からは「恒久法1本にまとめておきたかった」とぼやきの声も出ている。
 さらに、集団的自衛権行使の要件として、武力行使の新3要件の一つ「他に適当な手段がない」の文言を法律に明記するとの公明党の主張を自民党が容認。武力攻撃に至らない「グレーゾーン」事態の際、自衛隊による武器防護の対象を米軍以外にも広げることは公明党が受け入れた。

4月25日(産経抄)


わかっちゃいるけど、やめられないのが植木等ならば、わかっちゃいたけど、やってないのが国会である。首相官邸屋上に侵入した小型無人飛行機「ドローン」は、以前から危険性が指摘されていた。
 ▼はなはだ手前みそながら、小紙は1面トップで「飛行野放し無人機」(昨年12月26日付)、発見前日にも社会面で「無人機テロ警戒せよ」(21日付、いずれも東京本社版)と警鐘をならしてきた。役所も国土交通省を中心にルール作りに着手していたが、立法府の動きは鈍かった。
 ▼米ホワイトハウスの敷地にドローンが侵入したのは、1月下旬。日本でも同じような事件が起こるのでは、というちょっとした想像力が国会議員にあれば、法規制論議はもっと進んでいたはずだ。
 ▼政治家に限らず、この国では「ちょっとした想像力」を欠いた人が、有名人にも結構多い。ノーベル文学賞候補と世評の高い村上春樹氏も残念ながらその一人だろう。
 ▼メディアを避け気味の村上氏にしては珍しく、共同通信社のインタビューに応じたが、一部のファンをがっかりさせた。歴史認識について「相手国が『すっきりしたわけじゃないけれど、それだけ謝ってくれたから、わかりました、もういいでしょう』と言うまで謝るしかないんじゃないかな」と語ったのである。
 ▼彼のナイーブさがよく出ているが、仮に謝罪し続けても中国や韓国の指導者が「もういいでしょう」と言う可能性はゼロである。心から日本の「侵略」を謝り続けた村山富市、鳩山由紀夫両氏の首相時代も中韓ともに高圧的な態度を崩さなかったのが、何よりの証拠だ。国語の名教師だった春樹氏の父親は、「歴史も教えておけばよかった」と泉下で悔やんでいるかもしれない。

日米関係 「TPPや防衛協力が焦点に」(NHK)


安倍総理大臣のアメリカ訪問を前に、アメリカ議会調査局は日米関係の報告書を新たにまとめ、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉や防衛協力の拡大が焦点になるとする一方、戦後70年となることし、国際社会は安倍総理大臣の対応を注視していると指摘しました。
報告書では、安倍総理大臣が26日に日本を出発しアメリカを訪問することについて、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉や、防衛協力の拡大が焦点になるという見通しを示しました。
さらに、日米両政府が取りまとめる新たな日米防衛協力の指針、ガイドラインについて、サイバーセキュリティーや、弾道ミサイル防衛などで連携が強化されるとして期待を示しました。
一方で、歴史認識を巡る問題について、「安倍総理大臣や安倍内閣の言動は地域の関係を乱し、アメリカの国益を損なう可能性があると懸念されてきた」と指摘しました。
そのうえで、「戦後70年となることし、日本と周辺国との関係に付きまとう歴史問題に注目が集まっている。国際社会は安倍総理大臣がいかに対処するか注視している」としています。
また、日本政府と沖縄県の対立が深まるアメリカ軍普天間基地の移設計画について「計画どおり実施するのが難しくなる可能性がある」として懸念を示しました。

安保法制:基地周辺住民に賛否 期待と懐疑、不安が交錯(毎日N)


自衛隊の活動範囲を大きく広げる政府・与党の協議が、大詰めを迎えた。自衛隊を「普通の軍隊」にしていくための安全保障法制を巡って、基地のそばの住民たちの間で賛否は割れ、期待と懐疑、不安が交錯する。【まとめ・鈴木泰広】
埼玉県と東京都にまたがる陸上自衛隊朝霞駐屯地。近くに住む同県朝霞市の男性会社員(26)は「攻撃対象にされないかと不安も正直あるが、武力がなければ国民を守れないので(安保法制が進むのは)仕方がない」。
 神奈川県横須賀市には米海軍基地と陸海空の自衛隊基地がある。米軍基地で働く同市の男性(50)も「戦争を起こさせないために、ぎりぎりの外交努力とともに集団的自衛権を行使する構えが必要だ」と理解を示す。
 一方、愛知県の航空自衛隊小牧基地のそばに住む同県春日井市の男性(72)は「基地が戦争当事国の攻撃目標にされる恐れが高まる。知らない間に戦争に巻き込まれるのはごめんだ」。米海兵隊と海自航空部隊が共同使用する山口県の岩国基地の近くに住む主婦(54)も「集団的自衛権にしろ安保法制にしろ憲法9条を骨抜きにする。暴走列車に乗っている気分」と批判的だ。
 沖縄県には在日米軍施設の74%が集中する。米軍普天間飛行場がある同県宜野湾市の主婦(53)は「自衛隊と米軍が一体化し、日本が米国の戦争に巻き込まれることが現実味を帯びてきた気がする。有事に真っ先に狙われるのは在日米軍基地。そう思うと怖くて仕方がない」と語った。

 ◇揺れる自衛官
 安保法制を巡り、防衛省内や現場の自衛官の反応も複雑だ。
 防衛省幹部の一人は「任務は政治が決めること。我々は命令を受け淡々と遂行するだけだが、これまで以上に危険を伴うなら派遣について国民の理解が大前提だ」と話す。
 別の幹部は「危険だから派遣できない、というなら組織の存在意義にかかわる」と言う。「国内の災害派遣でも危険な任務は多い。海外派遣の時だけ『自衛隊員を危険にさらす』と反対することには違和感がある」
 北海道千歳市の陸自東千歳駐屯地に所属する30代の男性自衛官は海外派遣に懐疑的だ。「約20年前に入隊したころ国連平和維持活動などもほとんどなかった。海外派遣も最初は希望者優先だろうが、将来はどうなるか」

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