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戦時国際法の国民啓発が必要だ 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛(産経:正論)


平成27年はわが国の安全保障政策にとり、第3の重要な節目だった、と後世から評価されることになるはずです。第1回は吉田茂首相によるサンフランシスコ平和条約と(旧)日米安全保障条約(昭和26年)、次が岸信介首相による現行の日米安保条約(昭和35年)の調印であることは、誰にも異論がないでしょう。では第3回は?
 今年9月の平和安全保障法制の成立がそれだとする説に、誰もが賛同するかどうかは現時点ではまだ断言できません。私の言う「事実の規範性には時間がかかる」からなのです。

 ≪野坂昭如氏は何を誤ったか≫
 今年の暮れになって文士の野坂昭如氏が他界しました。同氏は「ソ、ソ、ソクラテスか、プラトンか、みんな悩んで大きくなった」と、コマーシャル・ソングを歌うなど、極めて多彩な活動で知られた愛すべき人物です。
 が、野坂氏には『国家非武装 されど我、愛するもののために戦わん』という妙な著作もあります。なぜ私は「妙だ」と言うのでしょうか。
その「まえがき」で同氏は「ほぼ自発的に、二百五十枚近くを文字にした」と書いています。最終ページには「ソ連だか、アメリカだか、韓国、北朝鮮、ベトナム、台湾なんて国が、日本を力ずくで押しひしごうと、攻め渡って来るのなら、一人一人が抵抗すればいい、…市民が蜂起(ほうき)して、さまざまな次元による戦いを、しぶとく継続することだ」とあります。これが書名の意味するところに他ならないのでしょう。
 ところが同書は、初版しか発刊されていません。思うに著者自身が絶版を決意したもようです。誰かの指摘で自説の誤りに気づいたからだと思われます。であれば、それはそれで潔い態度でしょう。では野坂氏はどこで誤ったかです。問題はその独断性です。
 比較材料としてスイス政府編の『民間防衛』を読むべきです。原書房から出版された同書邦訳には「新装版第34刷」とあります。他国のことなのに日本での読者の多さには驚くほかないでしょう。

≪仰天した『朝日新聞』報道≫
 その218ページは戦時国際法を扱い、それが「軍服を着用し、訓練され、かつ、上官の指揮下にある戦闘員のみに対して適用される」-、「民間人および民間防災組織に属するすべての者は、軍事作戦を行ってはならない。…それは無用の報復を招くだけである」とあります。
 同時に、「すべてのスイス人は、…その身体、生命、名誉が危険にさらされるときは、正当防衛の権利を有する。何人もこの権利を侵すことはできない」とも書かれていて、「国家非武装」を説く野坂氏の考えの“真逆”が説かれています。つまり、戦時国際法の無視、重視の違いです。
 わが国では戦時国際法への関心が低すぎる、と私は考えます。だから時として驚くべき暴論がまかり通りかねません。国連憲章は戦時国際法のイの一番というべきですが、マスメディアでも時折、ひどい無知が見受けられます。
 『朝日新聞』は2014年6月15日付の1面で「平和貢献のはずが戦場だった-後方支援 独軍55人死亡」なる見出しの大型記事、2面で「後方支援安全という幻想」と題されたもっと長文の記事を掲げました。「集団的自衛権 海外では」との副題が示すようそれらは集団的自衛権を論じた-はずの-記事です。
アフガニスタン紛争でドイツ連邦軍は集団的自衛権を行使し、その結果、55人もの犠牲者を出したとのこと。一読して私は仰天し、その日のうちに同紙の「声」欄への投書でその誤りを指摘しました。予想通り、結果はボツです。
 どこが誤りなのでしょう。

 ≪初歩的な知識の乏しさ≫
 記事ではアフガニスタンへのドイツの派兵が「国際治安支援部隊(ISAF)」への参加である旨、明記されています。「2001・9・11」テロのあと、米国をはじめとする北大西洋条約機構(NATO)諸国が集団的自衛権行使名目でアフガニスタン派兵に踏み切ったのは事実です。国連安保理決議1368号がその行使を容認したからでした。
 ところが同年12月20日の決議1386号では、憲章第7章第43条に基づき、NATO主導下のISAFが組織され、その行動原理は「国連の集団安全保障」に切り替えられたのです。因(ちな)みに国連加盟国の個別的・集団的自衛権を謳(うた)っているのは憲章第51条なのです。
「集団的自衛権」と「集団安全保障」は言葉こそ似ていても、まるで異なる原理です。前者は国家(群)のいわば私的な武力行使、後者は国連の公的なそれにほかなりません。記者はこの初歩的な知識さえ持ち合わせなかったようです。問題は深刻です。なぜ『朝日新聞』はデスクを含め、その誤りに気づかなかったのでしょう。理解に苦しむしかありません。
 わが国にとっての最大の問題は、戦時国際法についての国民啓発が皆無の状態にあるということではないでしょうか。(させ まさもり)
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共産党と開会式 打算的な擬態に過ぎない(産経:主張)


天皇陛下をお迎えして行う国会の開会式への出席を拒否してきた共産党が、新年の通常国会から出席に転じるという。
 志位和夫委員長は、党綱領で掲げる日米安全保障条約の廃棄や自衛隊解消といった従来の政策を凍結する考えもこれまでに示している。
 他の野党との「国民連合政府」への呼び水とするためだ。だが、これは党への拒否反応を薄める擬態としか思えない。
 そもそも天皇や自衛隊、日米安保の否定は同党の基本姿勢だろう。にわかに信用できない。
 志位氏は「特別に高い玉座(ぎょくざ)が設けられ『お言葉』を賜る形式は、憲法の主権在民の原則と精神に反する」と、開会式の変更を求めていく考えも示している。とても納得できるものではない。
 共産党は平成16年改定の現綱領で「天皇制」と「自衛隊」の当面容認を盛り込んだ。同時に、将来的な「民主共和制の政治体制の実現」を明記している。皇室の廃絶を狙うものだ。本音がそうだから、天皇が敬愛の念をもって遇されることが嫌なのだろうか。
世界には英国など民主的な君主国が少なくない。伝統を踏まえた立憲君主である天皇と国民主権はなんら矛盾しない。
 天皇が参加する開会式は日本の憲政上、大切な式典である。
 天皇は「日本国の象徴であり国民統合の象徴」と重く位置付けられており、お言葉によって国会の働きに期待感を示すのは国会の役割が大きいことを意味する。その意義を理解していないのか。
 志位氏は、出席方針と政局との関わりは否定し、「(お言葉が)この三十数年来は儀礼的で憲法から逸脱していない」と語った。
 なぜ今、出席かの理由にはなっていない。また、政党がお言葉の内容をあげつらい、制約をかけようとすること自体、政治利用にあたりかねない。
 共産党は、防衛力の整備や米軍基地に反対する非現実的な政策を掲げてきた。反省の色もない。
 野党連携の決め手が他にないからといって、民主党などは本気で、実質的な政策の転換を示さない共産党と手を組むのか。
 こうした方針を急に打ち出せるのも、党内の自由な言論が保障されていない民主集中制がとられているからだろう。
 今度のことでもっとも困惑しているのは党員ではないか。

「戦後」から脱却する第一歩となったのか…真価が問われる安倍政治 12月31日(産経抄)


戦後70年の今年は、やはり歴史をめぐる騒動に明け暮れする1年となった。年初から、新聞やテレビは安倍晋三首相の戦後70年談話の行方を大きなトピックとして扱った。この年末には、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」するための日韓合意が大ニュースとして耳目を集めた。
 ▼ただ、小欄にはいささか違和感もある。先の大戦から70年もたつのに、なぜいまだに「戦後」にとらわれ続けなければならないのかと。「もはや戦後ではない」。経済企画庁(現内閣府)が経済白書にこう記述してから59年、中曽根康弘首相(当時)が「戦後政治の総決算」を訴えてからも、30年が過ぎたというのにである。
 ▼「戦後の枠組みを守れ」。中国や韓国は歴史問題絡みで、何度も日本をこう牽制(けんせい)してきた。9月に成立した安全保障関連法の議論では、反対論者からも同様の主張がなされていた。それでは、彼らが言う「戦後の枠組み」とは一体何なのか。
 ▼つまるところ、戦勝国と敗戦国という立場の固定化ではないか。日本を戦争に敗れた過去に閉じ込め、身動きできないようにするのが目的だろう。もっとも、中韓両国は戦勝国を自称しているだけで、実際は日本と戦ったとはいえないが。
▼「これでもう戦後80年談話、90年談話は必要ない」。延々と繰り返されてきた謝罪外交に終止符を打つ狙いがある70年談話発表に際し、安倍首相は周囲にこう語っていた。今回の日韓合意の背景にもこれと同じ思いがある。
 ▼とはいえ、日韓合意は評価が分かれ、厳しい見方も少なくない。「政治家は歴史法廷の被告だ」。中曽根氏はかつてこう喝破した。今年は果たして「戦後」から脱却する第一歩となったのか。来年は、安倍政治の真価が問われる。

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ISS参加延長 安保面の国際協調も深めたい(読売:社説)


宇宙開発で、日本の存在感を示すための取り組みが求められよう。
 政府は国際宇宙ステーション(ISS)への参加期間を2024年まで延長することを決めた。米国と合意文書を交わした。
 米国は昨年、ISSの運用を20年以降も続けることを決め、他の14か国に引き続き参加するよう求めた。ロシアとカナダが継続の方針を示している。
 日米両国は、宇宙分野で科学技術開発やビジネスに関する協力を進めている。ISSへの参加継続は日米協調の象徴と言える。
 合意文書で両国は、ISSを通じた国際貢献を強調した。アジアでは、通信放送や災害対策などで宇宙利用への関心が高まっている。このため、合意文書には東南アジアなどに宇宙実験の機会を提供することが盛り込まれた。
 日本がISS利用の窓口になれば、アジアでの求心力を高めるのに役立つだろう。
 日米両国は、宇宙空間に浮かぶ人工衛星の破片など「宇宙ごみ」の回収技術の開発も進める。
 日本は、ISSの実験棟「きぼう」で、08年から宇宙の観測や微小重力を生かした科学実験などを行っている。今月帰還した油井亀美也さんら、これまで5人の日本人宇宙飛行士が長期滞在した。
 5回にわたって打ち上げた無人補給船「こうのとり」は、ISSへの物資輸送の欠かせない手段となっている。
 ISSに参加することで、日本の宇宙技術は着実に進歩した。
 ただ、費用に見合う成果が得られていないとの批判は根強い。
 11月に行われた政府の「行政事業レビュー」では、年350億~400億円に上るISSの運用経費について、「額が適正かどうか議論が必要だ」と指摘された。
 無重力空間を利用した新薬開発の実験などで、具体的な成果が求められるだろう。
 安全保障面で、ISSの重要性は高まっている。
 中国は、22年を目標に独自の宇宙ステーション建設を計画する。過去には人工衛星の破壊実験を強行し、国際的な非難を受けた。
 ISSは、対中国の国際連携の要となる存在だ。この観点でも、日本の参加継続は意義がある。
 米国はISSで培った成果を基に、火星での有人探査を目指している。一方、日本は、有人宇宙活動をさらに進めるかどうか、方向性が定まっていない。ISSへの参加継続を、宇宙政策の長期構想を描く契機としたい。

駆け付け警護、来秋以降に…PKO派遣の陸自(読売N)


政府は南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣中の陸上自衛隊に対し、「駆け付け警護」の任務を当面、付与しない方針を固めた。
 来夏の参院選で安全保障問題が争点化するのを避ける狙いがある。任務付与は、早くても来年11月に派遣する予定の部隊からになりそうだ。
 駆け付け警護は、現地の国連職員らが武装集団に襲われた場合、自衛隊が助けに行く活動だ。9月に成立した安全保障関連法で自衛隊の武器使用権限が強化され、初めて認められた。
 自衛隊が駆け付け警護を行うには、部隊派遣の前にPKO実施計画に任務を盛り込み、閣議決定する必要がある。派遣部隊は半年ごとに交代しており、政府は交代を機に、任務を追加する考えだ。当初は来年3月の安保関連法の施行後、最初の交代が予定される5月を念頭に置いていた。

慰安婦問題、法的責任「含まず」 政府が見解説明へ(東京新聞)


政府は29日、日韓の従軍慰安婦問題の最終解決に合わせて表明した「日本の責任」に関し、法的責任は含まないとする説明に着手する方針を固めた。「従来の見解は揺るがない」(官邸筋)として、問題の再燃を懸念する国内世論の理解を得たい考えだ。安倍晋三首相は午前、最終解決に関する日韓合意を着実に履行するよう岸田文雄外相に指示した。
 日本政府筋は29日、岸田氏が日韓外相による共同記者発表で言及した「日本政府の責任」について「ぎりぎりまで譲ったが、法的責任は認めていない。そこははっきりしている」と強調した。
(共同)

日米は対中露戦略の見直しを 平和安全保障研究所理事長・西原正(産経:正論)


間もなく幕を閉じる2015年は、近未来の国際秩序を大きく変質させる重要な節目の年となりそうである。9月末にオバマ大統領は中露の首脳と相次いで会談したなかで、米中、米露関係の厳しさを際立たせることになった。オバマ政権は混迷する中東とアジア情勢の解決に主導権を握ることができないでいる。日本はこの事態を深刻に受け止めて、自国の安全に取り組む覚悟が必要である。

 《米露代理戦争の様相も》
 9月25日のワシントンでのオバマ・習近平首脳会談は失敗であった。オバマ大統領が中国の対米サイバー攻撃を批判すると、習近平国家主席は「中国もサイバー攻撃の被害者だ」と反論。中国の南シナ海における岩礁の人工島化を批判すると、習近平氏は「南シナ海は中国の核心的利益である」と言って取り合わなかった。
 そうした会談を反映し、その後の記者会見も重い雰囲気で進められ、会見後は両首脳が握手もせずに反対方向に退場したのである。
その数日後の9月28日にオバマ大統領はニューヨークでプーチン露大統領と、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討などシリア情勢に関して会談したが、アサド大統領退陣を要求する米国の主張とアサド政権の温存を主張するロシアとの折り合いはつかなかった。その結果、9月30日にプーチン大統領はロシアによるシリア空爆を指示したが、空爆の標的がIS勢力ではなく反体制派であることを、オバマ政権は強く非難することとなった。
 一方、米国は10月12日以降、反体制派を支援して小火器用の弾薬を投下し始めた。カーター国防長官は「誤った戦略を追求する限り、ロシアと協力するつもりはない」と言明。こうして米露代理戦争の様相さえ呈し始めた。
 その後、トルコのアンタルヤで開催された20カ国・地域(G20)首脳会合後の米露首脳会談で、シリア内戦終結に向けて協力することで合意はしたものの、協力関係はほとんど進んでいないようだ。

《アジア回帰ができていない》
 米国は中露の2つの大国と、同時に対立関係に立つという厳しい状況に面している。これはオバマ政権が対立国との軍事衝突を避けながら協調の道を探ろうとして、対立国からは「弱腰外交」とみられてきたツケであった。
 この結果、オバマ政権が11年に打ち出したアジア重視戦略は成果を上げていない。財政支出の強制削減で国防予算の大幅削減があったとはいえ、ロシアのクリミア併合に代表される米露対立やイラン、イラク、シリアなどの中東の政治的混乱への対応に追われて、アジアに十分な注目を払うことができないできた。
 西太平洋においても「力の空白」が生じ、中国は13年11月に東シナ海に「防空識別区」という名で疑似領空を設定し、南シナ海の岩礁を人工島にし、軍事施設化するための大規模な埋め立て工事を始めた。14年4月にオバマ大統領は日本、韓国、フィリピンなどの同盟国や友好国マレーシアを訪問して中国に対する勢力均衡を図ったが、実際に南シナ海に艦船を派遣して中国の拡張主義を牽制(けんせい)したのは今年10月27日であった。それは9月末のワシントンでの米中首脳会談における習近平氏の非協調的態度への報復であった。
 中露は力による現状変更を進める国であり、特に中国の勢力拡大戦略に対しては、日米はもっと明確な対抗戦略が必要ではないか。

 《拡大する中国の世界制覇志向》
 習近平氏は12年11月に共産党総書記に就任した際、「中華民族の偉大な復興」を統治理念として掲げた。そして13年6月にオバマ大統領と会談をした際、太平洋を二分し東半分は米国の管理下に、西半分は中国の管理下において米中の「新しい大国間関係」を築くことを提案した。
 また14年5月の上海でのアジア信頼醸成措置会議では「アジアの安全はアジア人民に依拠して守っていかねばならない」と演説している。このように習近平氏は自国を「アジアの盟主」と位置付け、米国の影響力を東シナ海、南シナ海から排除し、ハワイ以東に後退させることを明白にしている。
 これは中国のより大きな戦略の第1段階にしかすぎない。南アジアの国々を囲むようにしてインド洋のプレゼンスを強化する「真珠の首飾り」作戦を展開している。中国はロシアと今年5月に地中海で、8月に日本海で海軍合同演習を行い中露協力関係を誇示した。
 米国の「海洋安全保障戦略」(15年8月)や日本の「国家安全保障戦略」(13年12月)などの戦略文書では、米中および日中の安定的な関係を樹立することを前提にしており、強力な日米同盟が中国の覇権的行動を牽制していけば、中国はいずれ平和的で責任ある国際社会のメンバーになることの便益を学ぶだろうとの想定になっている。そこには中国の世界制覇志向に対する危機意識がない。
 日米は今後、中露がどういう動きを示すかを注視しながら、早急に基本的な対中戦略および対露戦略を見直すべきではないか。(にしはら まさし)

慰安婦像撤去こそ10大ニュース 12月30日(産経抄)


今年の10大ニュース海外編の発表が、本日の紙面でよかった。一日でも早かったら、「慰安婦問題で日本と韓国の合意」は、2位にランクされなかった。この問題に固執する朴槿恵(パク・クネ)大統領は、外遊の先々で日本を批判する、「告げ口外交」を続けてきた。
 ▼今回一転して、対日関係の改善を急いだ理由は何だろう。両国関係の冷え込みは、韓国経済に悪影響を及ぼす要因にまでなり、財界を中心に憂慮の声が上がっていた。反日親中に傾斜しすぎている、との米国の疑念を晴らす必要もあったようだ。
 ▼小欄はさらに、「北朝鮮」をキーワードに挙げたい。韓国のある新聞が発表した国内の10大ニュースで、3位にランクされたのが、「歴史教科書の国定化」だった。韓国の中学、高校の歴史教科書は、左派系学者の強い影響を受け、北朝鮮を美化する記述まで目立つ。
 ▼目に余る偏向教育を正すために、朴大統領が検定制度の廃止に踏み切ったのだが、世論は真っ二つに割れている。慰安婦問題が解決しなければ、親北勢力の政治工作が、ますます進みかねない。
 ▼元慰安婦の支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」は、今回の合意に反発している。かねて北朝鮮との密接な関係が指摘され、激しい反日活動を続けてきた。日本大使館前の路上に2011年、「慰安婦像」を違法に設置したのもこの団体である。日本側の撤去要請に応じる気配は、まったくない。
 ▼両国の関係修復にとって最大の障害である団体を、どのように説得するのか。韓国政府の決意と手腕が問われている。慰安婦像は、韓国国内だけでなく、米国各地でも設置が続いている。来年の10大ニュースでは、ぜひこれらの「一斉撤去」が、ランク入りを果たしてほしいものだ。

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安倍首相夫人が靖国参拝(時事N)


安倍晋三首相夫人の昭恵さんは28日、自身のフェイスブックで、東京・九段北の靖国神社を参拝したことを明らかにした。靖国神社の写真と共に、「戦後70年を迎えた2015年。残すところあとわずか。今年最後の参拝…」と書き込んだ。

君塚栄治氏が死去…東日本大震災で救援活動指揮(読売N)


 前陸上幕僚長の君塚栄治(きみづか・えいじ)氏が28日死去。
 63歳。葬儀は近親者で行う。陸上自衛隊第8師団長、東北方面総監などを歴任し、2011年の東日本大震災の時には、10万人を超える陸海空自衛隊を一元的に運用する「統合任務部隊」の指揮官として救援活動に当たった。同年8月に陸自トップの陸上幕僚長に就任し、13年に退任した。

若者の「情熱」政治利用を慎め 東洋学園大学教授・櫻田淳(産経:正論)


今月上旬、民主、共産、維新、社民の野党4党は、学生団体「SEALDs(シールズ)」など安全保障関連法の廃止を目指す諸団体と提携し、来年夏の参議院議員選挙に際して「安保法廃止」を争点にして臨む方向で動き出したようである。
 今夏の安保法制審議の最中、世の耳目を集めたのは、この学生団体を中心とした若者たちが法案反対運動に参集した姿であった。大人世代の「識者」の中には、件(くだん)の学生団体の活動を評して、「素晴らしい」とか「大きな希望」とかといった言葉で称揚する向きがあった。前に触れた野党4党の対応もまた、そうした学生団体の活動に期待する「空気」の中で浮上したものであろうことは、容易に推測できよう。

 ≪人間社会の「複雑さ」を知る≫
 無論、選挙法改正により選挙権付与年齢が18歳に引き下げられることを考えれば、若者たちが政治に関心を持つように誘うことは大事である。政治に対する関心は、民主主義体制を成り立たせる一つの基盤である。
 ただし、「政治に関心を持つ」ということと、「デモや選挙立候補という体裁で政治に参加する」ということの間には、越え難い断層があるのだし、その「政治に参加する」にも、相応の「作法」を踏まえなければならないのだということは、強調されなければなるまい。
 そして、「政治に参加する『作法』」を考える上で示唆深いのが、エリック・ホッファーが著書『情熱的な精神状態』に残した次の言葉であろう。
 「平衡感覚がなければ、よい趣味も、真の知性も、おそらく道徳的誠実さもありえない」
 政治は、「異質な他者」と関係を紡ぐ営みである以上、そこで要請されるのは、人間社会の「複雑さ」への理解であり、ホッファーが呼ぶところの「平衡感覚」である。
 マックス・ウェーバーが戯曲『ファウスト』に登場する「気をつけろ、悪魔は年取っている。だから、悪魔を理解するためには、お前も年取っていなければならぬ」というせりふを引きながら、「教養」の意義を強調したのも、時代や国情は異なるとはいえ、その説こうとした問題意識は、ホッファーのものと通底していよう。

 ≪不可欠な「思考の蓄積」≫
 そもそも、ウェーバーが今では政治学上の古典として語られる講演録『職業としての政治』で意図しようとしたのは、「未熟ではあるが一部は真剣な若者たち」に対して、ワイマール体制下における社会改革への「生煮えの情熱」を鎮静させることであった。
 「善からは善のみが、悪からは悪のみが生まれるというのは、人間の行為にとって決して真実ではない」という有名な一節は、そうした講演の意図を含み置いて理解されるべきものであろう。
 故に、安保法案を含めたさまざまな政治事象を前に対して、若者たちにまず説かれるべきは、「興奮して軽々に振る舞うのではなく、色々な書を読み色々な見聞を広めながら、幅広い『教養』と確かな『平衡感覚』を身に付けよ」ということであったに違いない。
 こうしたことが成るためには、相応の時間を費やした上での「思考の蓄積」が要る。前に触れた「政治に参加する『作法』」を支えるのは、そうした「思考の蓄積」に他ならない。
 そうであるとすれば、野党4党に限らず政治勢力一般が、「政治の現場」に若者たちを招くことによって広く見聞を深める機会を提供するのは、大いに奨励されるべきことかもしれない。けれども、自らの政策目的の貫徹や党勢の拡大のために若者たちの「情熱」を利用しようとするのは、厳しく戒められなければならない。

 ≪禍根を残す野党の対応≫
 1930年代のナチス・ドイツにおける「ヒトラー・ユーゲント」にせよ、1960年代の文化大革命下の中国における「紅衛兵」にせよ、大人世代が若者たちを煽(あお)り、政治勢力が若者たちの「情熱」を利用しようとした弊害の事例は、史上枚挙にいとまがない。野党4党は、「若者たちに、どこまで政治に関わらせるか」ということについて確たる見極めができているであろうか。
 そうでないならば、野党4党の対応は、日本の民主主義体制に甚大な禍根を残すことになろう。前に触れたホッファーが書いたように、「ある理想を実現するために一つの世代を犠牲に供する人は、人類の敵である」というのは、一つの真理である。
 筆者は日々、政治を観察し考究するのを生業としているけれども、それでも常々、広く政治に「距離」を置く姿勢は大事であると考えている。再びホッファーの言葉を引くならば「わが国家、人種への誇り、正義、自由、人類等々に対する献身も、われわれの人生の内実であってはならない」という言葉にこそ、共感を覚える。若者たちに対して伝えられるべきは、こうした言葉に表される政治への「距離」の感覚であろう。(さくらだ じゅん)

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慰安婦日韓合意、本当にこれで最終決着か 韓国側の約束履行を注視する(産経:主張)


不正常な状態が続く日韓関係をこれ以上、放置できなかった。膠着(こうちゃく)していた慰安婦問題の合意を政府が図ったのは、ここに重点を置いたものだろう。
 東アジアに安全保障上の懸念が強まる中、日韓関係の改善は日米韓の枠組みを機能させる。日本の国益にかなうことは明らかだ。
 「子や孫に謝罪し続ける宿命を負わすわけにはいかない」という安倍晋三首相の強い思いも後押ししたのだろう。
 そうした意図が貫徹される大前提は、外相会談での合意に基づき、この問題が今後、二度と蒸し返されないという国と国との約束が守られることだ。

 《「軍関与」に根拠はない》
 岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相が明確に述べたのは、この妥結が「最終的かつ不可逆的な解決」であり日韓関係が未来志向の新時代へ発展する、ということだ。
 両外相が妥結を経て「(日韓は)国際社会で互いに非難・批判することを控える」と共に言及した約束もきわめて重い。朴槿恵大統領は、米中首脳らとの会談などで、日本批判を繰り返してきた。こうしたいわゆる「告げ口外交」の終結を宣言したのだと受け止めたい。
だが、合意内容を具体的にみると、日本側が譲歩した玉虫色の決着という印象は否めない。このことが将来に禍根を残さないか。
 その一つが、安倍首相が表明したおわびの内容として、慰安婦問題について「当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」と、「軍関与」に言及したことだ。
 アジア女性基金事業に伴う歴代首相名のおわびの手紙と同様の表現という。しかし、そのもととなった平成5年の河野洋平官房長官談話が、政治的妥協の産物であることは、政府検証でも明らかにされたはずだ。
 慰安婦募集の強制性を認めた河野談話が破綻したいま、「軍関与」という誤解を生む表現を使う根拠はない。
 強制連行説が崩れた後、「自由が奪われた」などとして女性の人権問題をあげ、「広義の強制性」を問題とし始めたのは、議論のすり替えにほかならない。
 慰安婦問題で看過できないのは、歴史の歪曲(わいきょく)や事実に基づかない拡大解釈で、日本の名誉が著しく傷つけられてきたことだ。
日本軍が慰安婦を「強制連行」したとの誤解を広げた河野談話の見直しも改めて求めたい。こうした問題を放置したまま、10億円規模の新基金に政府の予算を投じることにも、日本国民の理解が得られるのか。疑問である。
 謝罪を繰り返す日本の譲歩が、問題の解決につながらなかったのは、アジア女性基金が韓国側に受け入れられなかった経緯をみても明らかである。

 《大使館前の像を撤去せよ》
 戦時徴用の問題を含めて賠償問題が蒸し返されるのは、韓国政府が日韓請求権協定について国民に十分説明してこず、不満が残ったことが原因だ。
 本来は、韓国自身が国内問題として解決すべきだった。
 在韓日本大使館前に設置された慰安婦像について、尹外相は「日本政府が公館の安寧、威厳の維持といった観点から懸念している」と言及したが、その撤去については「関連団体との協議を通じて適切に解決されるよう努力する」とするにとどまった
 岸田外相は「適切な移転がなされるものと認識している」と述べた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産への慰安婦問題に関する資料登録をめぐっても「韓国が申請に加わることはないと認識している」と述べた。
 これらの実現性については、不透明なままだ。まず、大使館前の慰安婦像を撤去することから、始めるべきだろう。
 朴大統領は11月の日韓首脳会談などの際、「被害者が受け入れることができ、韓国の国民が納得できるような解決策」を求めると発言してきた。
 政府間で合意した以上、指導者はこれを受け入れるよう国民を説得し、支援団体などを納得させるべきだ。
 韓国側は過去、日本側の謝罪を受け何度か、慰安婦問題の決着を表明しながら、政権が交代し、蒸し返した経緯がある。
 「妥結」の本当の評価を下すには、まだ時間がかかる。

米政府は歓迎 安保より緊密に 北ミサイル対応に期待(産経N)


【ワシントン=加納宏幸】米政府は日韓両政府が慰安婦問題で合意したことを歓迎し、日米韓3カ国の安全保障協力をより緊密にすることで北朝鮮の核・ミサイルの脅威などに対応できると期待している。米メディアは今回の合意により、日韓関係の改善につながると報じた。
 オバマ米大統領は今年、安倍晋三首相、韓国の朴槿恵大統領を米国に迎え、それぞれに日韓関係の重要性を強調してきた。また、米政府高官は水面下で慰安婦問題を含む歴史問題に関し、恒久的な解決を働きかけてきた。これは、北朝鮮問題に加え、中国の軍事力強化に共同で対処する必要があるためだ。
 一方、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は28日、「第二次大戦終結から70年以上を経て、日韓両国が画期的な合意に達した」とソウル発で報じた。記事は、「日本の帝国陸軍により性奴隷として仕えることを強いられた韓国人女性をめぐる論争が解決される」との見通しを示した。
米CNNテレビ(同)も同日、合意を報じる中で慰安婦について「日本の軍部によって使われた性奴隷」との表現で、これまでの問題の経緯を紹介している。

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慰安婦問題合意 韓国は「不可逆的解決」を守れ(読売:社説)


◆少女像の撤去も重要な試金石だ◆
 未来志向の日韓関係の構築には、韓国が合意を誠実に履行することが大前提となろう。
 岸田外相と尹炳世外相がソウルで会談し、慰安婦問題で妥結した。
 日本は「責任を痛感」し、元慰安婦を支援する新基金に約10億円を拠出して、安倍首相がお詫(わ)びを表明する。両国は「最終的かつ不可逆的な解決」と確認する。
 韓国は、ソウルの日本大使館前に設置された、慰安婦を象徴する少女像の撤去に努力する。
 これらが合意の柱である。

 ◆新基金は軌道に乗るか
 朴槿恵大統領は岸田氏との会談で、「韓日関係の新たな出発点になることを願う」と語った。
 日本は、1965年の日韓請求権協定で元慰安婦らの補償問題は解決済みと主張してきた。新基金はあくまで人道支援であり、日本の法的な立場は損なわれない。ただ、政府の資金拠出が事実上の国家賠償と誤解されないか。
 岸田氏は「日韓関係が新時代に入ると確信する」と語った。尹氏は「慰安婦の名誉と尊厳が回復され、心の傷が癒やされるよう祈念する」と強調した。
 今年は国交正常化50周年の節目なのに、朴氏の慰安婦問題への過剰なこだわりによって祝賀ムードは乏しかった。合意が、停滞してきた日韓関係を改善する契機となるのか、見守りたい。
 日本は95年にアジア女性基金を設置し、首相のお詫びの手紙や「償い金」などを元慰安婦61人に渡した。だが、韓国側は評価せず、国内向けに説明しなかったため、日本側に不満が残った。
 この轍(てつ)を踏んではなるまい。

 ◆支援団体の説得がカギ
 大切なのは、日韓共同の新基金事業を着実に軌道に乗せるとともに、韓国が将来、再び問題を蒸し返さないようにすることだ。
 その主たる責任は無論、韓国側にある。かつて金大中、盧武鉉両大統領らが歴史認識に関して「今後、過去の問題は出さない」などと明言したのに、国内世論に流され、態度を翻したからだ。
 大統領が交代するたびに、問題が再燃するようでは、外交は成り立たない。安倍首相が日韓合意後、「子や孫の世代に謝罪し続ける宿命を負わせるわけにはいかない」と強調したのは、もっともだ。
 韓国の元慰安婦支援団体は、今回の合意を「被害者と国民を裏切った外交的談合だ」などと批判した。支援団体が設置した少女像の撤去にも反対している。
 慰安婦問題の妥結が長引いた一因は、当事者意識を欠いた、世論任せの韓国政府の姿勢にある。
 朴氏が11月の日韓首脳会談で具体的な妥結案を提示せず、「被害者が受け入れ可能で、韓国国民が納得できる解決策が必要だ」と語ったのは象徴的だ。
 韓国政府が合意を真剣に履行するつもりなら、まず、合意に反対を唱える国内勢力を説得できるかどうかが問われる。少女像の撤去も重要な試金石となろう。
 日韓合意には、両国が国連などで慰安婦問題について、互いに非難、批判することを自制することが盛り込まれた。
 韓国が慰安婦関連資料を国連教育・科学・文化機関の世界記憶遺産に登録する準備をしていることなどが、念頭にあろう。
 国際社会の表舞台で日韓両国が対立している姿を露呈することは双方にとってマイナスだ。不毛な争いには終止符を打ちたい。

 ◆「嫌韓感情」どう収める
 朴氏に求められるのは、自らが煽(あお)って日本国内で高まった「嫌韓感情」を収める努力だろう。第三国で日本を批判する「告げ口外交」や、韓国系団体が米国各地で慰安婦像を設置している問題への反省も必要ではないか。
 日本の資金拠出については、国内から「譲歩しすぎだ」「朴政権は放置しておけば良い」といった異論が出ている。
 それでも安倍首相が「自分が責任を取る」として、拠出を決断したことには、日韓関係の改善を通じて、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する日米韓の連携を復活させる狙いもうかがえる。
 日韓両国が歴史認識の問題を克服することができれば、最近、中国に急速に接近する韓国を日米の側に引き戻すことにつながる。歴史を外交カードに利用する中国を牽制(けんせい)しつつ、日中関係を前に進めるという戦略的な意義もある。
 日韓関係にはなお、元徴用工の損害賠償訴訟、日本産水産物の輸入規制、日韓自由貿易協定(FTA)交渉など、様々な懸案が山積している。一つひとつ着実に解決していく努力が欠かせない。

解決、日韓合意 「最終かつ不可逆的」 日本、財団に10億円 首相、おわびと反省(毎日N)


 【ソウル小田中大、大貫智子】岸田文雄外相は28日、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相とソウルの韓国外務省で会談し、慰安婦問題での妥結を確認した。韓国政府が新たに設立する財団に日本政府が10億円程度を支出して、両政府で元慰安婦の支援を行うことで一致し、日本側は「責任を痛感している」と表明した。両外相は慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決」されることで合意。日韓関係は歴史的転換点を迎えた。

<慰安婦問題>日韓解決合意 元慰安婦「名誉回復を」 意向聞かれず「拙速」 .
 外相会談は約1時間20分間にわたり行われた。日本側は韓国側が慰安婦問題を今後蒸し返すことがないとの確約を得ることを最重要視しており、両外相は会談後の共同記者発表で「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と明言。尹氏は「交渉にピリオドを打ち、妥結宣言ができることをうれしく思う」と述べ、最終決着であるとの認識を重ねて示した。
 両政府は発表後、「日韓両外相共同記者発表」と題する文書を出した。岸田氏は青瓦台(大統領府)を訪れ、朴槿恵(パククネ)大統領を表敬。朴大統領は「協議の結果が両国全てに意味あるものとして受け入れられるよう期待する」と述べ歓迎した。
 合意によると、韓国側が設立する財団は、日本側が政府予算10億円程度を支出し、韓国側は拠出しない。1995年に日本政府主導で設立して、元慰安婦支援を実施した財団法人「アジア女性基金」(2007年解散)が韓国側の元慰安婦支援団体の反発などで成果を上げられなかった経緯から、日韓両国が関与する仕組みとした。
 岸田氏は元慰安婦への支援について記者団に「全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための措置」「医療サービスの提供、健康管理、療養看病のための支援」などと説明。元慰安婦に対する支援金や、政府が現在行っている医療・福祉支援が柱になるとみられる。
 韓国側が重視した「法的責任」では、日本側は65年の日韓請求権協定で解決済みとの立場を崩さなかったが、岸田氏は共同記者発表で、日本政府の責任に言及し「安倍晋三首相は改めて心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べた。
 両外相は国連など国際社会で慰安婦問題について互いに非難や批判を控えることでも一致。世界記憶遺産で慰安婦関連資料の登録を目指す韓国側の動きが念頭にあり、岸田氏は記者団に「合意の趣旨に鑑み、韓国が申請に加わることはないと認識している」と語った。
 日本側が求めていたソウルの日本大使館前に設置された少女像の撤去について、尹氏は共同記者発表で「適切に解決されるよう努力する」と説明。岸田氏は記者団に「適切な移転がなされるだろう」と述べた。

日韓外相会談の合意内容 骨子
・慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認。今後、互いに非難や批判を控える
・日本政府は、当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた慰安婦問題の責任を痛感
・安倍晋三首相は心からおわびと反省の気持ちを表明
・韓国政府が元慰安婦を支援する財団を設立し、日本政府の予算で10億円程度を拠出
・韓国政府は在韓国日本大使館前の少女像への日本政府の懸念を認知し、適切な解決に努力

情報収集能力と発信力を強化し、新たな勢力均衡の時代に備えよ 三浦瑠麗(産経:正論)


 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)問題に世界が揺れている。テロの直接的な脅威を超えて、現在の国際社会が直面する新たな力関係を浮き彫りにしているからだ。

 ≪繰り返される中東の混乱≫
 11月に起きたパリの同時多発テロを受けて、いわゆる有志連合のIS掃討に向けた動きは勢いづいている。米仏露はシリア空爆を強化し、これに英国も加わった。周辺の地域大国もさまざまな思惑含みで関与を強めている。ISは中国国内のウイグル人に対しても宣伝戦を強化しており、主要な大国のすべてが「打倒IS」の意思を表明している。だが、その意思によって中東の現実を変化させられるかは未知数である。
 拡大された有志連合が軍事介入を本格化し、特に地上部隊の投入となれば、ISの諸勢力を滅ぼすことは可能なはずである。しかし、それはISという名を持たないが、限りなくISに近い存在としての新たな勢力を生み出すことにつながるだろう。一部のムスリムの不満のエネルギーが過激主義と結びつく限り、グローバル・ジハードという発想はなくならない。それこそが、繰り返されてきた中東の混乱の構図である。
むき出しの暴力を前にしては気の遠くなるような話だが、国際社会に求められているのはISと一線を画す交渉可能な当事者を特定し、停戦合意を模索し、諸勢力が宗教的寛容を受け入れることである。その先には新たな悲劇を生み出さないための難民への支援があり、経済を再興するための息の長い関与と援助が必要である。教育を通じて多様性を育み、無知と憎しみの連鎖を断ち切ることだ。
 しかし、自国民がテロの犠牲にあっているときに、民主国家が、そうした長期的な政治的意思を持続させることは難しいだろう。現に、各国では難民政策や移民政策への不満が高まり、ムスリム全般への風当たりも強まっている。
 では今後、現実に何が起きるかといえば、米国主導の国際秩序から部分的に一九世紀型の勢力均衡の形へと戻っていくということである。

 ≪「アメリカの平和」の終わり≫
 もはや米欧露などの大国が特定のイデオロギーに基づいて世界を書き換えられる時代ではない。しかも、第二次大戦後の主要な国際問題において、初めて米国が問題解決の矢面に立つことを拒否している。オバマ大統領が「米国は世界の警察官ではない」と宣言したことが象徴的に物語っている。問題を抱えつつ曲がりなりにも存在してきた「アメリカの平和」の時代が終わろうとしている。
シリア問題においては、イランやトルコやサウジアラビアなど地域大国がそれなりに納得し、支えるだけの意思を持つ解決策が必要だ。残酷な言い方だが、諸勢力が戦いに疲れて妥協するまでは平和が訪れることはないだろう。
 主要国が多極化する勢力均衡の世界では、まず力の論理に基づく現実があって、それに後付けで理屈がつけられていく。シリアで対立する諸勢力の代表を欧州に呼び、和平交渉が行われる様は、第一次大戦後に今日の中東を形成したプロセスを彷彿させる。現場でただ殺し合いを続けるよりは「まし」なのだが、目の前の平和のためには将来に残りそうな禍根をもあらかじめ受け入れる必要がある。プーチン露大統領は権益保持のために、おそらくアサド大統領の首だけ挿げ替えたアサド一派の独裁政権をシリアの一部に維持するだろう。それは、当初から不完全さを前提とした世界である。
 勢力均衡の世界を生き抜くには、対立するさまざまな利害関係者間の情報戦において優位に立ち、相手の立場から世界がどのように見えているかを見極める想像力が必要だ。力による妥協を覆い隠し、それなりの「原則」として打ち出す発信力も必要になる。

≪東アジアに波及する秩序の変化≫
 かつて日本は、勢力均衡の時代を生き抜くことに失敗している。情報収集能力、想像力、発信力は日本外交が今なお抱える課題でもある。国内に大きなムスリム社会を抱えていない日本は、中東での混乱に関して二次的な存在だ。だが、東アジアの問題に関しては当事者である。
 中東の混乱が長引くほど各国は東アジアへの関心を低下させ、そこに割く資源を減らさざるを得ない。9・11テロ後の10年間に最も大きく変化したのは、米国が国力を低下させ、中国が超大国として台頭したことだった。イラク戦争の敗者はサダム・フセインだが、同時に傷を負った米国でもあったとすると、戦略的な勝者は誰だったのかという重要な問いが残る。
 南シナ海問題に象徴される対立構造も重要な局面を迎えつつある。米国が中東の泥沼に足をとられて、戦略的な優先順位を見間違えないようにすることは同盟国である日本の重要な役割だ。中東の混乱は、国際秩序の変化という形で東アジアに波及する。東アジアにも勢力均衡が出現することを想定しつつ、世界と向き合う時代がやってくる。(国際政治学者・三浦瑠麗 みうら るり)

国産ステルス実証機、来年2月にも初飛行へ(産経N)


国産初のステルス戦闘機開発に向け、防衛省の発注を受け三菱重工業などが製造している試作機「先進技術実証機」の初飛行が来年2月にも行われる見通しであることが27日、防衛省関係者への取材で分かった。
 実証機は当初、ことし3月までに防衛省へ納入される予定だったが、エンジンや操縦系統でさらに検証が必要になり、来年3月末まで納入期限を延長し、機体の作動確認を進めていた。
 関係者によると、初飛行に先立つ来年1月末、各機能試験が行われている愛知県豊山町にある三菱重工の工場で地上滑走試験を実施。その後、地上での試験を継続し、2月に同工場から航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)まで飛行する計画だという。
 防衛省によると、機体の製造は国内の複数の防衛産業が参加し、平成21年度に始まった。全長14・2メートル、全幅9・1メートル、全高4・5メートルで、レーダーに映りにくい炭素繊維の電波吸収材を使用しており、ステルス性能を備えている。

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反テロ法可決 暗号化キー提供求める(毎日N)


 【北京・石原聖】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)の常務委員会は27日、反テロ法を全会一致で可決した。データ解読に必要な暗号化キーについて、通信事業者やインターネットサービス提供会社にテロ捜査にあたる公安当局への提供に協力するよう求めた。事実上の義務付けといえる。来年1月1日から施行する。
 会見した全人代の法制工作委員会刑法室の李寿偉副主任は、欧米と同様の規定だとしたうえで「企業の知的財産、言論や信仰の自由を侵害しない」と説明した。
 法律の条文は公開されていないため、現段階では詳細は不明な部分が多い。
 しかし、草案は「テロの偽情報や、模倣犯を誘発するようなテロ事件の詳細を報じてはならない」と規定していた。報道されないことで、当局による法執行がさらに不透明なものになる恐れがある。
 さらに中国で営業する会社に対し、中国国内にサーバーを置くことやユーザー情報も中国国内で保存することを規定。やり取りの記録を司法機関に提出し、テロに関するネット上のコンテンツを検閲することも義務付けられていた。
 米国のオバマ大統領は今年3月、ロイター通信に対し、反テロ法制定に関する懸念を習近平国家主席に直接伝えたと述べている。統制色の強い法制定は、欧米から批判を呼びそうだ。
 また、全人代常務委員会はこの日、すべての夫婦が2人の子どもを持つことを認める人口・計画出産法の改正案を採択した。

慰安婦問題「最終決着」、韓国同意が焦点(読売N)


岸田外相は28日、韓国を訪問し、尹炳世(ユンビョンセ)外相と同日午後に会談する。
 岸田外相は会談で、慰安婦問題の「最終かつ不可逆」的な決着を確約するよう求める考えで、韓国側が同意するかが焦点だ。
 韓国側が最終決着を確約しない場合は妥結を先送りし、来年以降も協議を継続する方針だ。
 岸田外相は、会談で慰安婦問題を含めた賠償問題について、1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決された」との従来の立場を堅持しつつ、法的責任の認定や賠償には応じない方針だ。
 韓国側が日本側の要求を受け入れれば、人道的な立場から慰安婦への支援として新たな基金を創設し、日本側からも拠出することを提案する考えだ。
 韓国はこれまで慰安婦問題を反人道的な不法行為と位置づけ、協定の対象外と主張して日本側の責任の認定と賠償を求めてきた。

慰安婦問題、合意なら米が歓迎声明 日韓外相きょう会談(朝日N)


 慰安婦問題の妥結に向けて協議する日韓外相会談が、28日にソウルで開かれる。日韓が合意に至った場合、米政府は「歓迎声明」を出す方針だ。複数の日韓関係筋が明らかにした。米国は日韓両政府に対し、合意に至った場合は最終的な妥結とするよう、水面下で強く求めていた。

法的責任真っ向対立 慰安婦問題 日韓問われる政治決断
 韓国の発表によると、岸田文雄外相と尹炳世(ユンビョンセ)外相による外相会談は、午後2時からで、終了後、両外相による共同記者会見が予定されている。
 米政府は、28日の日韓外相会談で慰安婦問題が妥結した場合、合意内容を引用したうえで歓迎する声明を出す考えを、すでに日韓双方に伝えているという。
 米国は従来、今回のような日韓対立を繰り返さないよう、双方に強く要請してきた。共に米国の同盟国である日韓の関係悪化が長引けば、北東アジア地域で米主導の安全保障上の抑止力が低下する、との懸念があるためだ。

韓国朴槿恵政権にとって「韓日国交正常化50年」は一体何だったのか(産経:朝鮮半島ウォッチ)


 「韓国にとって、半世紀の日韓関係とは一体何だったのだ?」日韓国交正常化50年の今年、少なからぬ日本人が韓国の対日観を改めて訝しんだ。朴槿恵政権は対中傾斜を強めた一年だった。その一方で日本の世界文化遺産登録を批判し、妨害した。慰安婦問題は28日の日韓外相会談で妥結を目指すことになったが、朴政権がこの間、醸成してきた日本の嫌韓感情は、たとえ慰安婦少女像が撤去されても、簡単には払拭できないだろう。今年、両国政府は443件の日韓50年記念行事を承認したが、両政府主催の祝賀行事はついに開けなかった。(久保田るり子)

韓国発でいまだに揺れる? 日韓国交正常化の普遍性
 今月23日、韓国憲法裁判所は元徴用工遺族の訴えを却下した。訴えは1965年の日韓請求権協定そのもの俎上に上げ「請求権協定は違憲」としていた。韓国司法は近年、日韓の外交案件に関わる司法判断を続々と出していただけに、今回の却下は「日本への配慮か」と観測されている。
 戦後処理に関する二国間問題を国内法で覆す-国際的には非常識な対日攻勢に日本側は強い違和感を抱いてきた。安倍政権が今春、外交青書の韓国に関する記述から「価値観を共有」を削る背景にもなった。
 慰安婦問題も背景には韓国司法の違憲判決が横たわる。2011年、憲法裁判所が出した「慰安婦問題で韓国政府が努力しなかったのは政府の不作為で憲法違反」との判決だ。元徴用工問題も韓国大法院(最高裁)の「個人の賠償権は日韓請求権協定外」との判断(2012年)を根拠に、下級審で日本企業の敗訴が続き、現在も上告中で大法院の判断待ちだ。
28日の外相会談も、違憲判決を背景にした協議だ。韓国側は「韓国の国民が納得できる水準」を日本に迫ることになる。

「日本との政治和解はしていない」
 今年は各種の日韓シンポジウムが開かれた。代表的な見解はこうだ。韓国側からの現状分析-
 「国交正常化は政治的妥協の産物だったが、真の日韓和解はまだ実現していないのだ。当時、確かに韓国は日本の経済協力資金で国土の開発資金を得た。しかし、日本も国交正常化で韓国という市場を得たではないのか。両国間にはわだかまる感情と歴史認識問題が残っている」(韓国の研究者) 
 日本側は日韓関係をこんな風に捉える-。
 「半世紀を経て日韓関係は構造的な変化している。半世紀前の韓国は朝鮮戦争後の混乱期にあり、経済的に日本に従属的な関係にあった。しかし韓国は高度成長を経て先進化し、GDP2万8000ドル(昨年実績)となった。両国関係は垂直から水平的な関係に変わってきた」(日本の研究者)
 ただ、韓国側の発想には根本的に日本側と相容れない認識がある。それは日本統治に対する評価で、日本は帝国主義時代の国際法で合法だったとするが、韓国は非合法の侵略としている点だ。従って韓国側には「日韓併合は侵略」「違法だった併合を日本が賠償するのは当然」とする発想がある。
日韓基本条約、請求権協定で「完全かつ最終的に解決」とする日本に対し、韓国には「承伏できない」との不満が渦巻く。これがさまざまな議論に影を落とすのだ。韓国における請求権をめぐる訴訟も韓国側の「解消されないフラストレーション」による。朴槿恵大統領が日本に求める「正しい歴史認識」の背景にはこの認識対立がある。

2015年の朴外交と安倍外交
 2015年日韓関係は停滞のなかでの“にらみ合い”が続いた。朴外交は対中傾斜が目立ち、安倍外交は着実な日米関係の前進が特徴となった。
 韓国は安倍晋三首相の戦後70年談話に神経を尖らせ、「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「おわび」のキーワードの有無を注視、一方で日米関係強化に高い関心を示した。日米ガイドラインの合意や安倍首相訪米での議会演説の内容を注目した。一方で北東アジアの安保環境に資する安倍政権の安全保障関連法案には強い警戒感をみせ、韓国メディアは日本の野党と同様の「戦争法案」のレッテルを貼り安倍政権を批判した。
 日本からみると、朴政権の対日外交は韓国の軸足のブレからくる日本に対する牽制のように映った。
 朴槿恵政権は“米中バランス外交”を標榜してきたが、実際には米中の狭間で揺れていた。韓国は米国の懸念をよそに中国のアジアインフラ投資銀行の創立メンバーに入ったが、米韓関係の後退を懸念する声が絶えなかった。
11月、日韓首脳会談が実現した背景には米国からの再三の要請があった。韓国は譲歩し、慰安婦問題の進展なしでの首脳会談を決断した。経済界からも対日改善への要求のある朴外交は日本に対し和解ムードに切り替えたようにみえる。4月の総選挙後は韓国政界の関心は次期大統領選に移る。朴政権にとって大きな政治決定は年内が望ましかった。
 慰安婦問題について、日本の認識は「ボールは韓国にある」(外交筋)とみられている。反日世論の抵抗がより厳しいからだ。この慰安婦協議は、正常化から51年目に入る日韓両国の本音が問われることになる。

海自、米豪海軍が南シナ海で共同訓練へ スプラトリーでの「中国」牽制 来年2月に(産経N)

海上自衛隊と米海軍が、来年2月に南シナ海で共同訓練を実施する方針を固め、これに豪海軍が参加を検討していることが26日、分かった。
 米国と同盟国の海自・海軍が南シナ海で艦隊行動を共にすることにより、同海域のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で人工島の軍事拠点化を進める中国を牽制(けんせい)する狙いがある。
 日米豪3カ国は、来年2月にインドが開く国際観艦式へ艦船を派遣する。これに合わせ、南シナ海で共同訓練を行うことで調整している。
 海自の護衛艦1隻が参加する。米豪の艦船と、戦術運動訓練や通信訓練、乗組員の艦船乗り換えなどの実施を想定している。
.海自と米海軍による南シナ海での共同訓練が明らかになるのは、米海軍が10月末に実施した「航行の自由作戦」後、2回目。豪海軍を含む3カ国の訓練は初めてとなる。
 来年2月の共同訓練では、公海にもかかわらず中国が「領海」と主張する人工島の12カイリ(約22キロ)内には入らないとみられるが、政府関係者は「日米豪の共同訓練は中国に対する最も強い牽制になる。『法の支配』の順守を促すメッセージにもなる」と強調する。
 政府は来年以降、南シナ海での活動を拡大していく。アフリカ・ソマリア沖で海賊対処任務に派遣される海自護衛艦が帰国する機会などを捉え、南シナ海で共同訓練を実施。フィリピンやベトナムなど、領有権をめぐり中国と対立する南シナ海周辺国との訓練実施も視野に入れている。
地域の安定のため、周辺国の軍や沿岸警備隊の能力構築支援にも力を入れる。
 日本が南シナ海で存在感を高めれば、中国がそれを口実にして、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺など東シナ海での動きを活発化させる可能性もある。海自幹部は「日本周辺の危機が高まることは許されない。中国の動きを今まで以上に警戒する」としている。

慰安婦問題、「米政府声明で決着確認」検討(読売N)


 日韓両政府は25日、岸田外相と尹炳世(ユンビョンセ)外相が慰安婦問題の妥結を目指し、韓国で28日に会談を行うと発表した。
 岸田氏は会談で、慰安婦問題の最終的な決着を確約するよう求める。米政府が日韓の妥結を評価する声明を出すなどして、国際的に決着したことを確認する案が出ている。
 米政府の声明発表を検討しているのは、慰安婦問題について、韓国が蒸し返すことを避けるのが狙いだ。
 長く懸案となってきた慰安婦問題が決着すれば、日韓関係は大きく前進することになる。岸田氏は25日、「非常に難しい問題だが、何ができるか、自分としてもぎりぎりの調整を行いたい」と記者団に述べた。

防衛費5兆円 同盟強化に役立つ装備調達に(読売:社説)


政府の2016年度予算案で防衛費は4年連続で増え、過去最高の5兆541億円となった。
 4月の新たな日米防衛協力指針(ガイドライン)の決定や、9月の安全保障関連法の成立後、最初の予算編成だ。日米同盟を強化する安倍政権の意思を明確に示せたのではないか。
 集団的自衛権の行使の限定容認による米艦防護任務もにらみ、弾道ミサイル防衛対応型のイージス艦1隻の建造費を盛り込んだ。米軍機支援も念頭に、新型空中給油機KC46Aを1機導入する。
 「切れ目のない事態対処」の一環として、南西諸島の防衛強化に向けて、戦車並みの火力を有する機動戦闘車36両と、水陸両用車11両の購入費を計上した。輸送機オスプレイ4機も購入する。
 滞空時間が長い無人偵察機グローバルホーク3機も導入される。より早期に危機の端緒を捉えることが可能になり、自衛隊の警戒監視能力はさらに高まろう。
 東シナ海では中国軍が活動を活発化させている。11月には、海軍艦船が尖閣諸島周辺で「特異な航行」を繰り返した。北朝鮮も核・ミサイル開発で挑発を続ける。
 こうした現状を踏まえれば、今回の防衛装備の調達内容は適切だろう。今後は、米軍との共同訓練などを重ね、実効性のある運用態勢を構築せねばならない。
 新型哨戒ヘリSH60Kは、17機を一括購入する。長期契約で調達費を抑制する特別措置法に基づいて、114億円を節減した。今後も、この経費節約策を積極的に活用することが大切である。
 10月には、防衛装備庁が発足した。従来の内部部局や陸海空3自衛隊による縦割りを排し、一元的に装備調達を担う組織だ。
 限りある予算を有効活用するには、装備調達の優先順位を決め、無駄な支出は徹底的に省く努力が不可欠だ。3自衛隊の予算配分の抜本的見直しも避けられまい。
 日米両政府は、16年度から5年間の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)について年平均1893億円とすることで合意した。今年度とほぼ同水準だ。
 光熱水費の負担率を下げ、福利厚生施設の従業員を減らす一方、イージス艦の整備などでの雇用を増やす。妥当な内容である。日本側の経費負担は、同盟国としての責任分担にほかならない。
 米軍はアジア重視のリバランス(再均衡)政策に基づき、最新鋭のイージス艦などの日本への重点配備を進めている。日本の抑止力を高めることは歓迎したい。

「武装」中国船、周辺の領海に初侵入(毎日N)


 26日午前9時半すぎ、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に中国海警局の船3隻が相次いで侵入し、約1時間10分航行した後、領海外側の接続水域に出た。1隻は機関砲のようなものを搭載していた。第11管区海上保安本部(那覇市)によると、武器のようなものを装備した中国船が領海に侵入したのは初めて。
 この船は海警31239で、22日から接続水域を航行し、25日に同水域をいったん出ていた。他の2隻は海警2307と2308。海上保安庁の巡視船が領海から出るよう警告したのに対し「直ちに退去してください」と応答があった。

「慰安婦」協議 原則外れた妥結許されぬ(産経:主張)


岸田文雄外相が年末に韓国を訪問し、尹炳世外相との会談で慰安婦問題の妥結を探る。
 国交正常化50周年の節目のうちに、事態を打開したいという日韓の考えが一致したのだろう。
 岸田外相にはあくまで日本の立場、原則を貫くよう求めたい。妥結ありきの姿勢で協議に臨むことは許されない。
 朝鮮半島での慰安婦募集に強制性はなく、日韓の賠償問題は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」だ。
 韓国側が求めるような、日本政府の法的責任を認めることはできず、補償金の支払いにも応じる必要はない。
 妥結を求めるなら、これを最終決着とし、問題を蒸し返させないという点について、見極めがつくかどうかが重要である。
 韓国側に対しては、まずソウルの在韓日本大使館前に違法設置された慰安婦像について、速やかに撤去するようはっきりと伝えるべきだ。
 11月初めの安倍晋三首相と朴槿恵大統領による首脳会談で、両首脳は、慰安婦問題の早期妥結に向けた交渉加速で一致した。
 安倍首相はこの際、「将来世代の障害にしない」と述べたほか、戦後70年談話でも、次世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と強調した。
 新年の朴大統領の来日なども考慮し、早期妥結を図りたいのだろう。だが、優先すべきは早さよりも確実な解決につながるかだ。
 とりわけ留意すべきなのは、韓国側がこれまで何度も首脳レベルで「決着」を公言しながら、政権が代わり、政治情勢が変化するたびに慰安婦問題などを蒸し返し、対日外交カードに利用してきたことである。
 日本側は賠償とは関係なく、元慰安婦らに対してアジア女性基金を通じた「償い金」支給などに動き、歴代首相がおわびを表明してきた。にもかかわらず、解決に結び付かなかったことも忘れてはならない。
 中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発など、北東アジア情勢の不安定さを考えれば、ともに米国の同盟国である日韓の関係が停滞するのは適切でない。
 そうした現実的観点に立ち、韓国が慰安婦問題に固執する姿勢を転換することが、何よりも重要である。

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「世界が見ている」 韓国にさらなる決断を促す勝算とは 12月26日(産経抄)


慰安婦問題での韓国政府の腰の定まらない対応について、日本ではすっかり「ムービング(動く)・ゴールポスト」という言葉が定着した。苦労して問題解決の妥結点を探っても、いつの間にか韓国側がゴールを移動させて振り出しに戻ってしまうことを指す。
 ▼それだけに、安倍晋三首相の指示を受け、問題妥結に向けて28日に訪韓する岸田文雄外相には「高いハードルが待つ」(官邸筋)。昭和40年の日韓請求権協定で、問題は「完全かつ最終的に解決済み」との日本政府の立場は変わらない。
 ▼あとは人道的見地からどんなアイデアで一致できるかだが、硬化した日韓双方の世論の理解を得るのは簡単ではない。これまで譲歩しては裏切られてきた日本としては「今回が不可逆的な合意で、もうこの問題を蒸し返さないとの確約」(首相周辺)がない限り、一歩踏み出せない。
 ▼確かにここのところ韓国政府は、小紙前ソウル支局長の無罪確定など、当たり前の結論ではあっても彼らなりに一定の歩み寄りは見せている。果たして日本側に、韓国にさらなる決断を促す勝算はあるのか。
 ▼「世界が見ている」。政府関係者はこう指摘し、安倍首相は周囲に「約束を文書化させる」と語る。日韓間だけの口約束ならばともかく、国際公約となれば覆した方が非難されるとの現状認識があるようだ。
 ▼国際情勢もあるだろう。南シナ海で対中対決姿勢を強める米国は、中国傾斜を深めてきた同盟国の韓国に、対日関係改善を迫る。「中立を保つことはあまり有効な選択ではない。(中略)勝者にとっては敵になるだけでなく、敗者にとっても助けてくれなかったということで敵視される」。朴槿恵(パク・クネ)大統領には、このマキャベリの言葉を贈りたい。

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「米政府の声明」で決着の確認検討…慰安婦問題(読売N)


日韓両政府は25日、岸田外相と尹炳世(ユンビョンセ)外相が慰安婦問題の妥結を目指し、韓国で28日に会談を行うと発表した。
 岸田氏は会談で、慰安婦問題の最終的な決着を確約するよう求める。米政府が日韓の妥結を評価する声明を出すなどして、国際的に決着したことを確認する案が出ている。
 米政府の声明発表を検討しているのは、慰安婦問題について、韓国が蒸し返すことを避けるのが狙いだ。
 長く懸案となってきた慰安婦問題が決着すれば、日韓関係は大きく前進することになる。岸田氏は25日、「非常に難しい問題だが、何ができるか、自分としてもぎりぎりの調整を行いたい」と記者団に述べた。

桃と栗は収穫できた…首相、政権復帰から丸3年(読売N)


安倍首相は26日、2012年12月の政権復帰から丸3年を迎える。
 首相は25日、首相官邸で記者団から3年間の感想を問われ、「経済再生と外交・安全保障の立て直しに取り組み、それなりの成果は出せた。『桃栗三年、柿八年』と言うが、桃と栗は収穫できたんじゃないかと思う」と実績を強調した。
 その上で、「この前(首相官邸の)庭の柿を食べたが、けっこう渋かった」と笑顔を見せた。自民党総裁としての任期は18年まで保証されている首相だが、党内では党則変更による20年までの任期延長論もささやかれている。12年に「8年」を足せば20年となるだけに、臆測も呼びそうだ。

日中関係上り坂 来年は大きなチャンス(毎日N)


 【北京・工藤哲】木寺昌人駐中国大使(63)が25日で着任3年となるのに際して毎日新聞のインタビューに応じ、現在の日中関係に関し「大変厳しい時期を脱して上り坂にある」との見方を示した。2016年については「中国で主要20カ国・地域(G20)首脳会議、日本で日中韓サミット(首脳会談)が開催される年であり、日中双方にとって大きなチャンス」と強調し、関係の一層の安定を目指す考えを明らかにした。

 木寺大使は着任から3年間の日中関係について「当初は『国交正常化以来、最悪』とも称された厳しい状況にあった。中国側の言い方も14年前半まで『中国は悪くない。まず日本が誠意を見せるべきだ』というものだったが、その年の後半から『双方が関係改善に向けて努力すべきだ』とトーンが変化してきた」と説明。「中国側も改善を望んでいる」と語った。
 8月の戦後70年の安倍晋三首相談話、9月の抗日戦争勝利70周年関連行事については「全体として静かに過ぎた」とし、昨年11月から3回にわたって日中首脳会談が実現したことで、政治の対話は着実に前進しているとの見解を示した。
 この1年で印象に残った中国の指導者の言動として、5月に習近平国家主席が3000人を超す日本からの訪中団との交流会で民間交流の重要性を訴えるスピーチをしたことを挙げた。
 6月に麻生太郎財務相と会談した張高麗副首相が「政治面での困難により両国間の貿易や日本からの投資がしぼんでしまっているが、元に戻さなければならない」と強い期待感を示したことも印象的だったという。
 中国の現状については「急速な経済成長を遂げる一方で、腐敗や格差、環境汚染といった課題に直面しており、中国政府は国民に結果を示すことが求められている」と指摘。「環境・省エネルギー、食の安全、少子高齢化といった課題の多くは日本も経験・克服してきたものであり、こうした分野での協力は相互補完的で有望だ」と述べた。
 今年1年間に日本を訪れた中国人が500万人近くに達すると見込まれ、国交正常化(1972年)以来、国・地域別の訪日客数で中国が初めて1位になることがほぼ確実な中、「一人でも多くの中国の方がありのままの日本を見て理解を深めてくれることが、今後の日中関係の発展のために大変好ましい」と述べた。
 民間交流の方向性については「『感動の共有』を体験してもらうべく、若い世代にアピールするイベントを多く実施する」と語った。

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