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ペリー来航、敗戦に続く第3の衝撃波…日米同盟不要論に日本は耐えうるか 杏林大学名誉教授・田久保忠衛(産経:正論)


 2日間にわたった主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は終了したが、公式の議題以外で指導者たち全員の頭に重くのしかかっていたのは、来年1月以降、オバマ米大統領から誰がバトンを受けるかという問題だったろう。ズバリ言えば、ドナルド・トランプ氏が当選したとして、そのあとの彼の言動である。
 同氏がばらまいた「暴言」の矛盾や理解度の不足を突く言論は米紙に関する限り一段落し、分析は4月27日(水曜日)に行われた初の外交演説に集中している。

 ≪米国の本能をくすぐる孤立主義≫
 米国の国際主義を代表する評論家のチャールズ・クラウトハマー氏は、翌28日付ワシントン・ポスト紙で、トランプ氏を対極の孤立主義者と決めつけたが、「暴言」の大方は、孤立主義者と自他ともに認めるパトリック・ブキャナン氏が2011年に書いた「超大国の自殺」のつまみ食い程度であるから、レプリカとしか思っていないのだろう。
 トランプ氏が「米国第一は私の政権下における主要な、すべてに優先するテーマである」と述べたのに対し、クラウトハマー氏は「トルーマン大統領は韓国人を守ろうとして朝鮮戦争に参加したのではなく、介入は米国の安全保障にとって不可欠との信念に基づいて行ったのだ」とたしなめている。われわれ日本人も再確認しておかなければならないのは、米国にとって孤立主義は本能をくすぐる地域的例外主義に根ざしているとの事実である。
 「ビスマルクがかつて説明したといわれているが、すべての大国の中で米国が最も幸運なのは、南北で弱い隣国と国境を接し、左右は魚で囲まれていることだ」「第一次、第二次大戦、核ミサイル、国際テロが孤立化・安全の幻想を打ち砕いてくれた」など、同紙でのクラウトハマー氏の表現は孤立主義に多少の理解を示していると受け取られかねない。

≪トランプ氏が放った脅し≫
 水曜演説の中で世界の指導者たちがただならぬ関心を抱いたのは、「米国を除く北大西洋条約機構(NATO)加盟28カ国中で国内総生産(GDP)の最低2%を国防費に振り向けている国は4カ国にすぎない。われわれが防衛している国は防衛費を負担すべきであり、いやなら自分の国を自衛してもらうほかなく、われわれにはそれ以外の選択はない」のくだりであろう。不動産王らしく日米安保条約を不動産に見立て、言い値で買わなければ交渉はやめだ、とわめいている。日米安保条約は廃棄してもいいとの脅しである。
 冷戦後の一時期に米側から相次いで日米同盟不要論が出て、日本人を困惑させたことがある。一人はブキャナン氏で、1991年に「米国よ蘇れ、新国際秩序(NWO)はごまかし」の一文を書いた。冷戦に勝ったと有頂天になった当時のブッシュ大統領がNWOを提唱したのを痛烈に批判したあと7つの具体案を出し、その中で日米安保条約破棄を主張した。
 もう一人は「通産省」の研究で知られたチャルマーズ・ジョンソン日本政策研究所所長だ。95年7~8月号の「フォーリン・アフェアーズ」誌で、日本は戦後憲法の中に安住したままであり、同盟に終止符を打たない限り、この国はバランスのとれた防衛上の役割を果たすつもりはない、と断じた。
 さらに米ケイトー研究所上級研究員だったテッド・ゲーレン・カーペンター氏は日本での広範な調査の結果、95年11月に報告書をまとめた。同氏は米国が父親的温情で日本防衛に責任を持ってきたのに対し、日本は依存体質を強めるだけだから同盟は不要だとした。

 ≪戦後のツケが回ってきた≫
 米国の孤立主義は、欧州諸国とのかかわり合いを戒めたジョージ・ワシントンの引退演説、中南米諸国の独立の動きに介入しようとした欧州諸国との間では相互不干渉が必要だと説いたモンロー・ドクトリンの系譜が、ブキャナン氏とシンクタンクのケイトー研究所に分かれていると考えていい。
 ソ連が崩壊し、軍事力を背景に現状変更を迫る中国の「危険な台頭」までの短期間に日米同盟廃棄論が相次いで登場し、それがいまトランプ氏によって再唱されている。孤立主義は確かに米国では少数意見だったが、いまやトランプ氏の支持率が民主党で候補指名が有力視されているヒラリー・クリントン前国務長官を上回った世論調査結果が出たという。
 トランプ支持者の75%は格差拡大に不満を抱き、社会が病んでいるのか自殺率はここ30年で最高だ。トランプ現象には幾つもの原因が重なりワシントンのエリートに対する反感に結びついている。
 戦後の日本で禁忌とされてきたのは国家における軍隊の位置づけだ。国の背骨である軍隊の存在すら憲法に明記するのを拒否してきた。自衛隊の催しに天皇陛下はお出ましにならない。そこで同盟の修正をほのめかされただけで日本は周章狼狽(ろうばい)する。戦後のツケだ。ペリー来航、敗戦、それに続く第3の衝撃波も太平洋のかなたからやってくるのだろうか。(杏林大学名誉教授・田久保忠衛=たくぼ ただえ)
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文革から50年 指導部は「評価」見直しを(産経:主張)


 中国全土を混乱に陥れ10年間に及んだ文化大革命(文革)の開始から50年が経過した。紅衛兵の暴力が吹き荒れ、伝統文化は破壊された。虐殺は一般国民にも及んだ。
 中国が日本に向かってよく用いる「歴史を鑑(かがみ)とする」との警句は、まず中国共産党指導部が銘記すべきものであろう。
 文革の本質が、最高指導者の毛沢東による権力闘争だったことは今日、すでに明らかだ。
 中国でも文革そのものは否定された。一方、毛沢東の責任を追及することは認められない。一説に「死者2千万人」とされる文革の被害実態も、今日まで公表されていない。
 これで、文革を引き起こした権力の暴走を阻むことなど望めるのだろうか。文革開始から半世紀の節目の今こそ、指導部は毛沢東の責任論を含め、文革の実態を明らかにすべきである。
 真相究明を阻んでいるのは、1981年に共産党が採択した「歴史決議」という公式評価である。文革を強く否定した「決議」も、その発動は毛沢東の「晩年の誤り」にすぎないとして、究明の道を閉ざした。
 文革の再発防止に向けて、中国が取り組むべき目標は、党の権威保護を優先したこの「決議」の見直しをおいて他にないはずだ。
 だが、党はこのほど機関紙「人民日報」の論評を通じ、「決議」の「揺るぎない権威」を再確認し、文革議論の再燃を封じた。一切の議論を認めないというのは、身勝手な「文革隠し」である。
 文革で失脚したトウ小平は、最高実力者となった後、個人崇拝を禁じ、集団指導体制を進めた。
 習近平政権の下でこの取り組みは守られているだろうか。
 習近平国家主席をたたえる歌や美談の数々は、文革中の毛沢東礼賛を彷彿(ほうふつ)とさせる。権力の集中を急ぐあまりの過剰な権威づけは、時代錯誤である。
 習政権の発足後、「反腐敗」を掲げた大物政治家らの摘発が相次いだ。最近も、胡錦濤前国家主席の側近だった令計画・前政治協商会議副主席が収賄罪で起訴された。汚職はむろん許されないが、政敵ばかりを狙う摘発は、権力闘争としか受け取られまい。
 文革中に苦労した経験を持つからこそ、習氏には毛沢東時代を思わせる権力集中を捨て、文革の公式評価を見直してもらいたい。

自衛隊の災害派遣終了へ「不測の際は直ちに対処」(NHK)


防衛省は、熊本地震による自衛隊の災害派遣活動を、30日で終了することになり、中谷防衛大臣は「現在も余震が続いているので、不測の事態の際には、直ちに万全の態勢で対処できるよう心がけていきたい」と述べました。
防衛省は、熊本地震が発生した先月14日から、熊本県からの災害派遣要請を受けて、最も多いときでおよそ2万6000人の態勢で、救助活動や行方不明者の捜索、入浴の支援などにあたってきましたが、県からの要請により、30日で活動を終了することになりました。
これについて、中谷防衛大臣は30日午前、記者団に対し、「可能な限り、被災者に寄り添った支援を実施してきた。現在も余震が続き、雨の時期でもあるので、不測の事態の際には、直ちに万全の態勢で対処できるよう心がけていきたい」と述べました。
また中谷大臣は、今回の地震で、アメリカ軍が新型輸送機オスプレイによる輸送支援を行ったことに関連して、「自衛隊でもオスプレイを導入するので、十分に訓練を重ねて、安全に災害活動に対処できるよう整備していきたい」と述べました。

与党、消費増税延期容認へ 首相、同日選見送り伝達(東京新聞)


 安倍政権は30日、来年4月に予定される消費税率10%への引き上げを2年半再延期する方針を固めた。安倍晋三首相の考えを自民、公明両党が容認する。景気回復や7月の参院選対応を優先し、政府、与党の結束を図る。首相は公明党の山口那津男代表や自民党幹部と相次ぎ会談し、再延期に理解を求めた。衆参同日選は見送ると伝えた。増税時に軽減税率を導入する制度は維持する。
 一方、民進、共産、社民、生活の野党4党は、31日の内閣不信任決議案提出を決定。
 再延期するなら衆院選を実施すべきだと主張していた麻生太郎財務相は30日夜、首相と会談し、首相の方針を容認する考えを伝えた。
(共同)

北にミサイル発射の兆候…政府「破壊措置命令」(読売N)


政府は30日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射する兆候があるとして、自衛隊に迎撃態勢をとらせる「破壊措置命令」を発令した。
 複数の政府関係者が明らかにした。
 破壊措置命令は自衛隊法に基づき、中谷防衛相が発令した。発令を受け、自衛隊は日本海に迎撃ミサイル「SM3」を搭載する海上自衛隊のイージス艦を展開したほか、東京・市ヶ谷の防衛省などに航空自衛隊の地上配備型誘導弾「PAC3」を配備した。
 政府は今年3月、北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返したことを受け、破壊措置命令を出した。米韓合同軍事演習や朝鮮労働党大会が終わったことなどを受け、今月11日に命令を解除していた。

石垣島の陸自配備、2年前倒し 宮古・奄美と同時進行 尖閣への中国脅威にらみ(産経N)


防衛省が沖縄県の石垣島への陸上自衛隊警備部隊の配備着手を2年前倒しすることが29日、分かった。平成31年度以降に駐屯地などの用地取得に入る予定だったが、29年度予算案概算要求に用地取得費などで100億円前後を計上する。尖閣諸島(石垣市)への中国の脅威をにらんだ措置で、宮古島と奄美大島(鹿児島県)での警備部隊配備と同時並行で進め、南西防衛強化を急ぐ。
 中国は南シナ海で岩礁の埋め立てを進め、滑走路などの軍事利用可能な拠点の構築にメドが立てば、東シナ海で威嚇と挑発を活発化させる恐れが強い。尖閣周辺海域では中国公船が領海侵入を続けており、尖閣を抱える石垣市への部隊配備を急ぐべきだと判断した。
石垣市の中山義隆市長が安全保障に対する理解が深く、部隊配備への同意を比較的得られやすいとの判断も働いている。防衛省は概算要求前に同意を得るための準備を進める。
 駐屯地などの施設整備は通常、用地取得と造成工事に1年ずつ、建設工事に2年の計4年かかる。造成・建設工事を効率的に進めれば計3年に短縮でき、31年度に施設整備と配備を完了させることが可能だ。
沖縄本島より西は、陸自が配備されていない防衛の空白地帯だったが、今年3月、与那国島に艦艇を警戒する陸自沿岸監視隊を配備。続いて30年度末までに、有事で初動対処にあたる警備部隊と地対空・地対艦ミサイルを宮古島と奄美大島に配備するため用地取得費や工事費を計上してきた。
 石垣島にも警備部隊と両ミサイルを配備するが、予算上の制約を理由に26~30年度までの中期防衛力整備計画(中期防)の期間中は見送り、31年度以降の次期中期防での配備着手を計画していた。

安倍外交を絶賛して安保法制に反対する矛盾 日米首脳が被爆地で誓った言葉の重みに気付くべきだ(産経:阿比留氏の極限御免)


 のっけから宣伝話で恐縮ですが、筆者が産経新聞紙面で週1回連載中のコラム「極言御免」の主要なものと、その他の署名記事10本を集めて再構成した本が6月15日、産経新聞出版から刊行されます。タイトルは『偏向ざんまい GHQの魔法が解けない人たち』で、連合国軍総司令部が日本社会に張り巡らせた「閉(とざ)された言語空間」(作家の江藤淳)から抜け出せない国会議員や大手メディア、学者、文化人らを取り上げています。
 そこで本日は、その出版記念にこじつけて、「極言御免」のインターネット用特別版を(社命により)お届けしたいと思います。

 ◇ 
 「オバマ氏(米大統領)の広島訪問、そしてスピーチ、被爆者の方と話される姿。この歴史的な声明を実現された安倍内閣の外交は高く高く評価します」
 民進党の蓮舫代表代行が27日夕、自身のツイッターにこう投稿しているのに気づいたのは、三重県伊勢市の国際メディアセンターでのことだった。主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の関連原稿を書きながら、オバマ氏の広島訪問を中継するテレビ映像を見てすぐのことである。
 これについては、その場にいた同僚の担当記者が即座に記事化してネット上にアップし、大きな反響を呼んだ。その後、岡田克也代表や共産党の志位和夫委員長も安倍外交は直接触れていないものの、やはりオバマ氏の広島訪問に一定の評価を与えるコメントを出していた。
 米側が「最後まで悩んでいた」(政府高官)というオバマ氏の広島訪問が実現し、当初は数分間の予定だった演説が、「間違いなく心が入って」(閣僚の1人)17分間にわたる印象深いものになったことは確かに歓迎すべきだろう。間違いなく安倍外交の大きな成果の一つである。
 ただ、蓮舫氏が「高く高く評価します」と書いているのを読んで、最初に脳裏に浮かんだ言葉は「あなたがそれを言うか」だった。外交を何だと考えているのだろうかと。
 蓮舫氏といえば、昨年夏の集団的自衛権の行使を限定容認する安全保障関連法の審議中に、街頭演説でこう言い放った人物である。
 「戦争法案絶対反対!」
 だが、蓮舫氏が今回高く評価した安倍外交、特に対米外交の中で、安保関連法の制定が極めて重要な部分を占めていたことは言うまでもない。
 歴史問題においては、安倍首相が昨年4月の米上下両院合同演説で発した「和解」のメッセージと同年8月の米国が歓迎した戦後70年談話があり、日米同盟の強化では特定秘密保護法制定や安保関連法の制定があった。これら安倍政権の外交面での一つひとつの積み重ねの上に、結果としてオバマ氏の広島訪問があるのは間違いない。
 米国にもオバマ氏個人にも、思惑も事情もあっただろうことは当然だが、外務省幹部はこう指摘する。
 「オバマ氏が自分のレガシー(遺産)づくりのためだけに広島に来るなんてことはありえない。安倍政権の実績と強さがあってこそ訪問が実現した」
 蓮舫氏らは、安倍外交を一連の流れの中で総合的に判断するべきであり、オバマ氏の広島訪問だけを単体で取りだして論じたり、評価したりするのは的外れではないか。いいがけん、自分たちの主張の矛盾に気づいた方がいい。
 「あの忘れえぬ日に生まれた子供たちが恒久平和を願ってともしたあの灯火に誓い、世界の平和と繁栄に力を尽くす。必ずやその責任を果たしていく。日本と米国が力を合わせ、世界の人々に希望を生み出す灯火となる」
 安倍首相は27日、広島市でオバマ氏と並び立ち、こう演説した。安保関連法に対し、安易に「戦争法」「対米追随法」などとレッテルを貼って全否定した人たちに、両首脳が被爆地で誓った言葉の意味と重みや国際社会の現実が、本当に分かっているのかと疑問を禁じ得ない。
(論説委員兼政治部編集委員)

内閣支持率上昇55%、世論調査 米大統領広島訪問98%が好評価(東京新聞)


 共同通信社が28、29両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は55・3%で、4月の前回調査48・3%から7ポイント上昇した。オバマ米大統領の広島訪問について「よかった」との回答が98・0%に上った。
 来年4月の消費税率10%への引き上げ再延期に賛成は70・9%、反対24・7%。安倍首相の下での憲法改正に反対が54・9%、賛成は35・0%だった。
 元米海兵隊員の軍属が逮捕された沖縄の女性遺棄事件に関連し、日米地位協定を「改定するべきだ」との回答が71・0%を占めた。「改定する必要はない」は17・9%にとどまった。
(共同)

アベノミクスは破綻…野党、内閣不信任案提出へ(読売N)


 安倍首相が消費増税の時期を2017年4月から2年半延期する方向で調整に入ったことを受け、民進党など野党は「アベノミクスは破綻した」などと一斉に反発している。
 民進、共産、社民、生活の野党4党は30日の党首会談を経て、31日に安倍内閣不信任決議案を共同提出する方針。参院選を見据え、政府との対決姿勢を強める構えだ。
 民進党の枝野幹事長は29日、松江市で記者団に「14年の衆院解散の大義も、国民との約束も、あれだけ大見え切りながら達成できなかった」と首相を批判した。首相が14年に衆院解散・総選挙に踏み切った際に「消費増税の再延期はない」と明言したこととの整合性を突いたものだ。

自民国防部会 装備品開発促進で研究費大幅増を提言(NHK)


自民党の国防部会は、北朝鮮による核や弾道ミサイルの開発などへの対応を強化するため、国内での防衛装備品の開発を促進する必要があるとして、大学などに国が研究費を提供する予算を大幅に増額するよう、政府に働きかけていくことになりました。
防衛省は、民間の先進的な技術を防衛装備品の開発に積極的に取り入れるため、大学や研究機関などに研究費を提供する制度を昨年度から導入しており、今年度はおよそ6億円の予算を計上しています。
この制度を巡り自民党の国防部会は提言を取りまとめ、北朝鮮が核や弾道ミサイルの開発を継続し、中国やロシアも装備品の開発に力を入れるなか、日本も国内での防衛装備品の開発を促進する必要があるとして、この制度にかける予算を100億円規模に増額すべきだなどとしています。国防部会は今後、提言の実現に向けて政府に働きかけていくことにしています。
この制度を巡って大学の間では、基礎研究の資金を確保できるなどと歓迎する意見がある一方、一部は、戦前の反省から軍事研究を行わないとして提案を見送るなど、対応が分かれています。

G7サミット 厳しい対中認識共有した 安全保障や経済でも連携を(産経:主張)


伊勢志摩サミットの最大の成果は、先進7カ国(G7)が中国の海洋進出に対する厳しい現状認識を共有したことにある。
 政治・外交分野の討議では、中国が尖閣諸島周辺で挑発行為を繰り返す東シナ海、軍事拠点化を進める南シナ海の問題に多くの時間が割かれた。
 安倍晋三首相の問題提起に、各国首脳からも「力による現状変更や規範の無視は認められない」と同調する発言が相次いだ。
 中国の海洋進出は、自由と民主主義や法の支配など、G7各国がよって立つ普遍的な価値観そのものを踏みにじる行動である。

 ≪欧州各国の理解深まる≫
 欧州側が中国の脅威に対して一斉に声を上げたのは、日米の働きかけが大きい。
 安倍首相はサミットに先立つ訪欧で、各国首脳と個別に会談して状況を説明した。オバマ米大統領は中国の膨張主義に直面するベトナムを訪問し、国際世論の関心を南シナ海に振り向けた。国際社会の懸念を無視する中国の姿勢も、各国に不信と警戒感を募らせた。
 米国防総省の年次報告では中国のスプラトリー(南沙)諸島の岩礁埋め立て面積は、1年間で6倍の約13平方キロに拡大し、3つの人工島で3000メートル級の滑走路などが整備されている。
 日米や周辺国、G7各国はさまざまな枠組みで中国に制止を求めるとともに、膨張主義を阻止する具体的な行動が必要となる。
 米国は人工島周辺に艦船を派遣する「航行の自由作戦」を実施するなど、日米の周辺海洋国家との対中連携は強化された。外交・軍事両面で圧力をかけ、粘り強く中国を抑止すべきだ。
 首脳宣言には、安倍首相が2014年5月、シンガポールでの演説で掲げた3原則に基づき、「法に基づく主張」「力や威圧を用いない」「仲裁手続きを含む司法手続きによる平和的紛争解決」が盛り込まれた。
 「仲裁手続き」への言及は、フィリピンが申し立てた領有権をめぐる常設仲裁裁判所の判断が近く出されることが念頭にある。中国はこれに従わない姿勢を示しており、判断が無視された場合、G7は何らかの具体的対応をとるべきだろう。
 中国外務省報道官はサミット首脳宣言が南シナ海問題に言及したことに対し、「日本とG7のやり方に強烈な不満を表明する」と批判した。これは、対中結束に対する焦りの裏返しといえる。
 南シナ海の大半に主権が及ぶという中国の主張に根拠はない。軍事拠点化は力による現状変更である。これはG7のみならず、周辺の海洋国家を含む大多数の国の共通認識である。
 中国への厳しい見方は海洋進出にとどまらない。首脳宣言は名指しを避けつつも、中国で過剰生産された鉄鋼製品の不当な安値輸出を念頭に置き、各国の鉄鋼産業や雇用に及ぼす「負の影響」を指摘した。世界貿易機関(WTO)ルールに基づく対抗措置も検討すると明記された。
 中国の鉄鋼製品への反発は、欧州でも顕著である。政治と経済は別として対中経済関係の強化を最優先にしてきた欧州が、日米と歩調を合わせて中国に厳しく対応することは、従来とは様相の異なる動きとして注目したい。

 ≪拉致解決へ一層圧力を≫
 8年ぶりの日本開催でアジア情勢に関する討議が重ねられ、北朝鮮への厳しい注文も盛り込まれた。首脳宣言は核実験強行と弾道ミサイル発射を非難し、北朝鮮に拉致問題を含む国際社会の懸念に対応するよう強く求めた。
 北朝鮮の暴走を食い止め、拉致問題を解決するためにも、欧州各国の一層の関与が欠かせない。国連安全保障理事会の対北制裁をすべての国が厳格に履行するようG7が主導したい。
 ロシアによるクリミア併合を重ねて非難し、併合は認められないと再確認した意味も大きい。「対話の重要性」が盛り込まれたのは北方領土交渉を念頭に置いた安倍首相の意向だろうが、「力による現状変更」を一部容認すると受け取られてはならない。
 欧州の喫緊の課題は中東からの難民問題やテロ対策だ。暴力的過激主義への対処のため、異文化間の対話促進などを含むテロ対策の「行動計画」も議長国としてとりまとめた。日本はこれらを実効性のあるものとする責任も負う。

軍事科学研究で自国守ることのどこが「平和主義に反する」のか? 奇妙な国「日本」 榊原智(産経:一筆多論)


高度な科学技術を持ちながら、それを外国の侵略から自国と国民を守り抜くことに生かそうとすると、「平和主義に反する」と批判される奇妙な国がある。
 ほかならぬ現代日本のことだ。
 このようなおかしな軍事忌避の風潮を作ってきた“張本人”の一つが日本学術会議だ。法律で設置され、国の予算で運営される日本の科学者を代表する公的機関だが、2度に亘(わた)り軍事目的の科学研究の否定を声明し、それが科学技術研究の基本原則とされてきた。
 「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」(昭和25年4月総会)と「軍事目的のための科学研究を行わない声明」(42年10月総会)である。
 税金を最も多く支給されてきた大学と思われる東京大学も軍事研究を長く禁じてきた。
 平成27年1月の東大総長見解には「学術における軍事研究の禁止」は「東京大学のもっとも重要な基本原則の一つ」とある。軍民両用技術(デュアル・ユース)のあり方は「丁寧に議論し対応していくことが必要」とし、軍民両用技術の研究だけは場合によっては認めるが、軍事に絞った研究は認めないというところか。軍事研究を禁じたり、制限する内規を持つ日本の大学は他にも存在する。
 学術会議も東大もまるで似非(えせ)平和主義である。
 侵略から国と国民を守るには、外交や自衛隊、日米同盟だけでは足りない。優れた防衛装備を整えるため科学者、技術者の貢献が欠かせない。それは世界の民主主義国の常識であり、平和への道である。
 災害派遣で汗を流してくれる自衛隊員は兵士である。自衛隊が日本を守るために戦うことは、自衛のための「戦争」にほかならない。この戦いまで否定するのは侵略者に塩を送るに等しい。
 平時の今でさえ、命がけで警戒監視の任務にあたっている自衛隊員たちに優れた装備を与えようと努めることが、平和主義に反するわけがない。
 日本の科学技術が自衛隊や、ときには同盟国、友好国の軍隊を強くすることは平和を保つ抑止力を向上させる。日本国民と自衛隊員の命を守ることにもつながる。
 学術会議や東大などが軍事科学研究を忌避して喜ぶのは誰か。隙あらば日本を侵略しよう、軍事力で脅かして日本を従わせようという外国とそれを喜ぶ勢力だろう。冷戦期ならソ連とそのシンパだ。今ならどこか、読者の頭には容易に浮かぶはずだ。
 防衛省は27年度から、先端研究に資金配分する「安全保障技術研究推進制度」を作り、東京工業大などとプログラムを組んでいる。「産学官の力を結集」するとした「国家安全保障戦略」(25年12月閣議決定)を受けた制度だ。
 閣議決定された方針との齟齬(そご)が気になるのだろう。学術会議の大西隆会長は26日の記者会見で、軍事科学研究を否定した先の2声明について、見直しも含め検討することを明らかにした。
 あるべき答えは簡単だ。2声明を撤回し、日本や仲間の国を守るための軍事科学研究を禁じたり統制したりすることをやめればいいのである。(論説委員)

首相 消費増税再延期の考え 政府与党内の意見集約図る(NHK)


来年4月の消費税率の引き上げについて、安倍総理大臣は、28日夜、麻生副総理兼財務大臣、自民党の谷垣幹事長らに、2019年・平成31年10月に2年半、再延期する考えを伝えました。これに対し、麻生副総理らは慎重な姿勢を示したことから、安倍総理大臣は、政府与党内の意見集約を図るため引き続き調整を続けることにしています。
安倍総理大臣は、昨夜、麻生副総理兼財務大臣、自民党の谷垣幹事長、それに菅官房長官と会談し、G7伊勢志摩サミットで、世界経済が、通常の景気循環を超えて危機に陥る大きなリスクに直面しているという認識を共有したことなどを説明しました。
そのうえで、安倍総理大臣は、G7の合意に従い、日本としてもあらゆる政策を総動員して世界経済の成長に貢献する必要があるなどとして、来年4月の消費税率の10%への引き上げを2019年・平成31年10月に2年半、再延期する考えを伝えました。
これに対し、麻生副総理、自民党の谷垣幹事長は、社会保障の充実や財政再建にも影響が出ることが懸念されるなどとして、慎重な姿勢を示したうえで、仮に再延期する場合は、衆議院の解散・総選挙を行う必要があるのではないかという考えを示しました。
一方、菅官房長官は解散・総選挙には反対する考えを示しました。
安倍総理大臣としては、夏の参議院選挙の前に最終的な対応を決めたい考えで、今の国会の会期が来月1日までであることも踏まえて、政府与党内の意見集約を図るため、引き続き調整を続けることにしています。
安倍総理大臣が、再延期する考えを伝えたことについて、与党内からは、「今の経済状況では、受け入れざるをえない」などと理解を示す意見が出ています。
一方で、「財政再建に取り組む決意を打ち出さなければ、国際的な信認が得られない」という指摘や、「参議院選挙で、安倍総理大臣のこれまでの発言との整合性を追及される」といった懸念も出ています。
これに対し、民進党や共産党などは、「安倍総理大臣は、消費増税を再延期する口実に、サミットの議論を利用しているだけであり、アベノミクスの破綻を認めるべきだ」などと強く批判していて、安倍総理大臣の退陣を迫る方針です。
民進党は、30日、共産党、社民党、生活の党と党首会談を開いて、安倍内閣に対する不信任決議案の提出に向けて、詰めの調整を行うことにしています。

オバマ氏広島に 「核なき世界」追求する再起点(読売:社説)


◆日米の和解と同盟深化を示した◆
 「核兵器のない世界」という崇高な理想に向けて、現実的な歩みを着実に進める。そのための重要な再起点としたい。
 オバマ米大統領と安倍首相が広島市の平和記念公園を訪れ、様々な遺品などが展示されている平和記念資料館に入った。その後、原爆死没者慰霊碑に献花し、犠牲者を追悼した。
 唯一の原爆使用国と被爆国の両首脳が並んで平和を誓った意義は大きい。現職米大統領の歴史的な被爆地訪問を評価したい。

 ◆惨禍を繰り返させない
 オバマ氏は声明を発表し、核廃絶への決意を示すとともに、「我々は、歴史を直視し、このような苦しみが再び起きることを阻止するため、何をすべきかを問う共同の責任がある」と語った。
 原爆投下は、広島と長崎で計20万人を超す無辜むこの市民の命を奪った。今なお、多くの人々が後遺症などに苦しむ。オバマ氏は、投下の是非に関する見解や、謝罪には言及しなかった。だが、核兵器の非人道性と戦争の悲惨さを十分に踏まえた対応と言えよう。
 オバマ氏は、「米国のような核保有国は、恐怖の論理から抜け出し、核兵器のない世界を追求する勇気を持たなくてはならない」と強調した。
 「核のない世界」を提唱した2009年のプラハ演説を踏まえ、核軍縮・不拡散の取り組みを再び強める決意を表明したものだ。
 安倍首相は、「世界中のどこであろうとも、このような悲惨な経験を決して繰り返させてはならない」と同調した。
 多くの被爆者は、惨禍を二度と繰り返さないとの思いが全世界に共有されることを切実に願っている。日本原水爆被害者団体協議会の坪井直代表委員は、オバマ氏の手を握り、来年1月の退任後に広島を再訪するよう要請した。
 オバマ氏には、広島で体験し、感じたことを、国際社会に向けて発信し続けてもらいたい。

 ◆現実的な軍縮交渉を
 日本側は今回、謝罪を求めなかったが、原爆投下という非人道的行為を容認したわけではない。
 米国では今も、「戦争終結を早め、米兵の犠牲者を減らした」として、核兵器によって一般市民を無差別に殺害したことを正当化する意見が多数派を占める。
 戦後71年を経る中、こうした一方的な論理に対する支持は徐々に減少し、若年層を中心に、原爆投下を疑問視する考え方が拡大している。この世論の変化をさらに後押しする努力が欠かせない。
 核保有国による核軍縮交渉は近年、足踏みしている。
 世界の核兵器計1万5000発超の9割を保有する米露両国は2010年、戦略核の配備数を各1550発に減らす新条約に調印した後、協議は進んでいない。ロシアのクリミア併合などを巡る根深い米露対立が影を落とす。
 中国は核戦力を増強し、核実験を4回強行した北朝鮮も「核保有国」を自称する。核拡散の脅威はテロ組織にも広がりつつある。
 米国の「核の傘」は、日本など同盟国の抑止力として有効に機能している。核兵器の備蓄や使用をいきなり禁止するのは、各国の安全保障を無視する議論だ。
 安保環境に配慮しつつ、核軍縮を段階的に進めることが現実的なアプローチである。
 まず米露が関係を改善し、中国を交渉に巻き込むことが肝要だ。日本は、被爆国として、核保有国と非保有国の対立を緩和する橋渡し役を粘り強く務めたい。
 オバマ氏の広島訪問は、昨年の安倍首相の米議会演説に続き、戦火を交えた日米両国の和解と同盟関係の深化の象徴でもある。
 オバマ氏は「米国と日本は、同盟だけでなく友情も築いた。戦争で得られるものよりも、ずっと多くのものを得た」と指摘した。

 ◆基地負担軽減を着実に
 日米同盟は、東西冷戦中も冷戦終焉しゅうえん後も、アジアの平和と繁栄に貢献する「国際公共財」と認知されてきた。今後も、韓国や豪州と連携し、政治、経済両面で主導的な役割を果たすことが重要だ。
 25日の日米首脳会談では、沖縄の米軍属による女性死体遺棄事件に安倍首相が抗議し、オバマ氏が「深い遺憾の意」を表明した。
 両首脳が事件を重視するのは、言語道断の犯罪の影響が深刻だという厳しい認識からだろう。
 米軍の安定した駐留には周辺住民の理解が欠かせない。日米両国は、実効性ある米軍の犯罪防止策に取り組まねばなるまい。普天間飛行場の移設など米軍基地の整理縮小や、日米地位協定の運用改善を確実に進めることも大切だ。

朝雲


 米軍の駐留経費を削減しなければ、在日米軍を撤退させる――米次期大統領選で共和党候補になろうとしているトランプ氏の発言である。泡沫候補とみなされていた時期であれば「たわごと」と一笑に付していればよかったが、そうはいかなくなってきた。
 「アメリカが攻撃されても日本は何もしなくていいが、日本が攻撃されればアメリカは全力で防衛しなければならない。極めて一方的な合意だ」。日米両政府はじめ、同盟関係の維持に尽力してきた人たちは、もちろん「理詰め」で批判できるし、実際、批判してきた。
 以前、日本の核保有を容認する発言もした。米国が冷戦終結後、たえず腐心してきた核不拡散という流れに逆行してもお構いなしだ。
 ただ、そんな発言をしても支持を広げているのは事実だ。トランプ氏のもの言いは、米国民の本音と受け止めたほうがいい。「アメリカ・ファースト(米国最優先)」の人なのだ。世界の警察官? まっぴらご免、と。「理」よりも「情」がまかり通る。
 そんな氏のでたらめに映る発言を「笑っていられない」とある将官ОBは言う。「憲法9条をめぐる日本国内の議論だって、世界の常識からすれば、トランプ発言とあまり変わらずに受け止められているかもしれない」。
 9条をそのまま守るには、その精神を世界に広げ賛同を得るための具体的な行動が必要だろう。ただ冷笑するだけでは、世界は何も変わらない。

オバマ氏広島訪問 核の惨禍防ぐ決意示した(産経:主張)


 原子爆弾の加害、被害国のリーダーがそろって犠牲者を追悼した。同盟国として世界に核の惨禍をもたらさない努力を誓い合う、歴史的機会になったと受け止めたい。
 日本に原爆を投下した米国の現職大統領として初めて、オバマ氏が広島を訪問し、安倍晋三首相が同行した。
 慰霊碑に献花したオバマ氏は、広島に原爆が投下された8月6日の「記憶は消え去らない」と演説し、「核兵器なき世界」を追求する決意を改めて表明した。
 被爆者の代表と言葉を交わし、抱擁しあったオバマ氏からは犠牲者を悼む真情が伝わってきた。
 昭和天皇の終戦の詔書には「敵は新(あらた)に残虐なる爆弾を使用して頻(しきり)に無辜(むこ)を殺傷し」とあった。
 広島、長崎への原爆投下は非戦闘員を大量殺傷した残酷な無差別攻撃であり、決して許されるものではない。
 一方、米国では戦争終結を早め、日本本土上陸作戦による犠牲を防いだとの見方が強い。日米間では原爆投下への見解が今も食い違う。
 それでもオバマ氏は、国内に慎重論があった訪問を決断し、日本は受け入れた。原爆で亡くなった人々に慰霊の誠を捧(ささ)げ、被爆によって今も苦しむ人々に寄り添うことが大切だからである。
 日米が応酬する歴史認識問題のワナに陥らなかったのは、安倍首相が語ったように、日米は「信頼と友情」で結ばれた同盟関係にあるからだ。
 「核兵器なき世界」の理想を追求する上でも、強固な日米同盟は欠かせない。
 日本の周囲を見渡せば、核戦力増強に余念がない中国は日本へ核ミサイルを発射できる態勢にある。昨年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、合意文書案に各国指導者の被爆地訪問を要請するくだりがあったが、中国の反対で削除された。
 北朝鮮は核・弾道ミサイル開発を強行し、ロシアのプーチン大統領はクリミア併合の際、核兵器使用を準備していたと公言した。
 近隣諸国の核兵器は現実の脅威であり、米国が提供する「核の傘」の重要性が増しているのが実態である。
 核抑止を確保しつつ、核軍縮・不拡散に取り組む。困難な道であっても、オバマ氏の広島訪問を歩みを進める契機としたい。

5月28日(産経抄)


 先進7カ国(G7)首脳の伊勢神宮来訪を見ようと26日、内宮前の沿道に立った。フランス、欧州連合(EU)、カナダ…と各首脳らがほぼ等間隔で到着する中、最後にざっと10分は遅れてきたのが米国のオバマ大統領だった。ホストの安倍晋三首相も控室で待機していた首脳らも、さぞや気をもんだことだろう。
 ▼米国は外国でもひたすらマイペースである。平成20年6月に京都迎賓館で当時の高村正彦外相とライス米国務長官の会談を取材した際には、こんな体験をした。日本側が決めた取材地点にいた小欄ら記者団に対し、米側警護者がその場でいきなりロープ位置を後退させて遠ざけた。
 ▼「実は米国はずっと外交をしてこなかった」。オバマ氏の就任直前には、外務省幹部がこう語るのを聞いた。米国は何もしなくても、諸外国が勝手に米国の政策や思惑を知ろうと動き、その意向をおもんばかるので外交的努力は必要なかったという意味である。
 ▼米国は自信家でおせっかいで、時に暴力的にすらなる。まるで「ドラえもん」のガキ大将、ジャイアンのようだが、それでもそんな振る舞いが許され、一定の尊敬も受けてきたのはなぜだろうか。
 ▼それはいかに価値観や歴史観、世界秩序の共有を迫る姿が押しつけがましかろうと、その傲慢さの背景には彼らなりの善意や素朴な正義感があることも伝わっていたからではないか。やり過ぎや間違いは多々あっても、ジャイアンだから仕方がないかと。
 ▼ただし、米国も変わりつつある。オバマ氏は「世界の警察官」であることをやめると表明し、次期大統領候補のトランプ氏は極端な自国中心主義を唱えている。世界への責任感を放棄した米国は、ただのわがままで迷惑な国となりかねない。

G7政治討議 テロ対策を戦略的に強化せよ(読売:社説)


国際テロの脅威を低減し、より安全な社会を構築するため、先進7か国(G7)は、主導的な役割を果たすべきだ。
 G7は主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の政治討議で、テロリストの入国阻止など、国際テロ対策を強化することで一致した。その具体策を盛り込んだ「行動計画」にも合意した。
 過激派組織「イスラム国」の関連情報や航空便の乗客予約記録などを各国がより円滑に共有する仕組みを作る。テロ組織への資金流入を断つため、官民の連携を強める。これらが行動計画の柱だ。
 パリやブリュッセルの同時テロの犯行グループは国境をまたいで活動し、各国の捜査当局の目をかいくぐったとされる。テロ対策の抜け穴をふさぐことが急務だ。
 重要なのは、G7の計画を土台にして、より強固で広範な対テロ国際協調体制を築くことである。途上国の国境管理能力の向上などを支援することも欠かせない。
 日本は、中東諸国の人材育成などを支援するため、3年間で総額60億ドルの拠出を表明している。若者の失業増や格差拡大は、地域を不安定にし、過激主義が広がる土壌を作りかねない。中長期的に民生を向上させる意味は大きい。
 米軍などによる「イスラム国」掃討作戦も継続し、その支配地域を縮小させねばならない。
 いかにテロの未然防止を図りつつ、どう組織を壊滅させるのか。G7は、国際機関とも連携し、戦略的に取り組む必要がある。
 欧州各国は、内戦下のシリアなどから押し寄せる大量の難民に苦慮している。歯止めをかけるには、中継地のトルコなどとの持続的な協調が大切だ。難民・避難民への人道支援を含め、総合的な対策を推進すべきである。
 G7首脳は、海洋安全保障について、国際法に則のっとった秩序の維持や航行・上空飛行の自由の重要性を確認した。東・南シナ海の現状を懸念することでも一致した。
 安倍首相は、力や威圧に訴えず、紛争を平和的に解決する原則を提唱し、賛同を得た。
 中国は南シナ海で、人工島造成と軍事拠点化を加速させている。国際社会の共通の利益である海上交通路の安全を脅かす行動だ。軍事力を背景にした一方的な現状変更は、看過できない。
 東・南シナ海の問題に関し、日米だけでなく、欧州各国の首脳が認識を共有した意義は大きい。
 G7合意を基礎に、東南アジアとも連携し、強引な海洋進出の自制を中国に働きかけるべきだ。

オバマ大統領の広島スピーチ全文 「核保有国は、恐怖の論理から逃れるべきだ」(ワシントンポスト)


アメリカのオバマ大統領は5月27日、広島市の平和記念公園で原爆死没者慰霊碑に献花した。
オバマ氏は現職のアメリカ大統領として初めて被爆地・広島を訪問。原爆投下国として、広島と長崎を含む第二次世界大戦のすべての犠牲者らに哀悼の意を示すスピーチをした。その中で「核なき世界」を主導する責任についても言及した。
献花には安倍晋三首相が同席した。オバマ大統領のスピーチは以下のとおり。

■オバマ大統領「広島と長崎が教えてくれたのです」
71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変しました。閃光と火の玉がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示されたのです。
なぜ私たちはここ、広島に来たのでしょうか?
私たちは、それほど遠くないある過去に恐ろしい力が解き放たれたことに思いをはせるため、ここにやって来ました。
私たちは、10万人を超える日本の男性、女性、そして子供、数多くの朝鮮の人々、10人ほどのアメリカ人捕虜を含む死者を悼むため、ここにやって来ました。
彼らの魂が、私たちに語りかけています。彼らは、自分たちが一体何者なのか、そして自分たちがどうなったのかを振り返るため、本質を見るように求めています。
広島だけが際立って戦争を象徴するものではありません。遺物を見れば、暴力的な衝突は人類の歴史が始まった頃からあったことがわかります。フリント(編注・岩石の一種)から刃を、木から槍を作るようになった私たちの初期の祖先は、それらの道具を狩りのためだけでなく、自分たちの同類に対して使ったのです。
どの大陸でも、文明の歴史は戦争で満ちています。戦争は食糧不足、あるいは富への渇望から引き起こされ、民族主義者の熱狂や宗教的な熱意でやむなく起きてしまいます。
多くの帝国が勃興と衰退を繰り返しました。多くの人間が隷属と解放を繰り返しました。そして、それぞれの歴史の節目で、罪のない多くの人たちが、数えきれないほどの犠牲者を生んだこと、そして時が経つに連れて自分たちの名前が忘れ去られたことに苦しめられました。

第二次世界大戦は、広島と長崎で、とても残虐な終わりを迎えました。これまで人類の文明は、素晴らしい芸術を生み出してきました。そして偉大な思想や、正義、調和、真実の考えを生み出してきました。しかし、同じところから戦争も出てきました。征服をしたいという思いも出てきました。古いパターンが、新しい能力によってさらに増幅されました。そこには制約が働きませんでした。
ほんの数年の間に6000万もの人たちが亡くなりました。男性、女性、子供達。私たちと全く変わらない人たちです。撃たれ、殴られ、あるいは行進させられ、飢えさせられ、拘束され、またはガス室に送られて亡くなりました。
世界中には、この戦争の歴史を刻む場所が沢山あります。慰霊碑が、英雄的な行いなども含めて、色々なことを示しています。空っぽな収容所などが、そういうことを物語っています。
しかし、空に上がったキノコ雲の中で、私たちは人類の非常に大きな矛盾を強く突きつけられます。私たちの考え、想像、言語、道具の製作、私たちが自然とは違うということを示す能力、そういったものが大きな破壊の力を生み出しました。
いかにして物質的な進歩が、こういったことから目をくらませるのでしょうか。どれだけ容易く私たちの暴力を、より高邁な理由のために正当化してきたでしょうか。
私たちの偉大な宗教は、愛や慈しみを説いています。しかし、それが決して人を殺す理由になってはいけません。国が台頭し、色々な犠牲が生まれます。様々な偉業が行われましたが、そういったことが人類を抑圧する理由に使われてきました。
科学によって私たちはいろいろなコミュニケーションをとります。空を飛び、病気を治し、科学によって宇宙を理解しようとします。そのような科学が、効率的な殺人の道具となってしまうこともあります。
現代の社会は、私たちに真理を教えています。広島は私たちにこの真理を伝えています。技術の進歩が、人類の制度と一緒に発展しなければならないということを。科学的な革命によって色々な文明が生まれ、そして消えてゆきました。だからこそいま、私たちはここに立っているのです。
私たちは今、この広島の真ん中に立ち、原爆が落とされた時に思いを馳せています。子供たちの苦しみを思い起こします。子供たちが目にしたこと、そして声なき叫び声に耳を傾けます。私たちは罪のない人々が、むごい戦争によって殺されたことを記憶します。これまでの戦争、そしてこれからの戦争の犠牲者に思いを馳せます。
言葉だけで、そのような苦しみに声を与えるものではありません。しかし私たちには共有の責任があります。私たちは、歴史を真っ向から見据えなけれなりません。そして、尋ねるのです。我々は、一体これから何を変えなければならないのか。そのような苦しみを繰り返さないためにはどうしたらいいのかを自問しなくてはなりません。
いつの日か、被爆者の声も消えていくことになるでしょう。しかし「1945年8月6日の苦しみ」というものは、決して消えるものではありません。その記憶に拠って、私たちは慢心と戦わなければなりません。私たちの道徳的な想像力をかきたてるものとなるでしょう。そして、私たちに変化を促すものとなります。

あの運命の日以来、私たちは希望を与える選択をしてきました。
アメリカ合衆国そして日本は、同盟を作っただけではなく友情も育んできました。欧州では連合(EU)ができました。国々は、商業や民主主義で結ばれています。
国、または国民が解放を求めています。そして戦争を避けるための様々な制度や条約もできました。
制約をかけ、交代させ、ひいては核兵器を廃絶へと導くためのものであります。それにもかかわらず、世界中で目にする国家間の攻撃的な行動、テロ、腐敗、残虐行為、抑圧は、「私たちのやることに終わりはないのだ」ということを示しています。
私たちは、人類が悪事をおこなう能力を廃絶することはできないかもしれません。私たちは、自分自身を守るための道具を持たなければならないからです。しかし我が国を含む核保有国は、(他国から攻撃を受けるから核を持たなければいけないという)「恐怖の論理」から逃れる勇気を持つべきです。
私が生きている間にこの目的は達成できないかもしれません。しかし、その可能性を追い求めていきたいと思います。このような破壊をもたらすような核兵器の保有を減らし、この「死の道具」が狂信的な者たちに渡らないようにしなくてはなりません。
それだけでは十分ではありません。世界では、原始的な道具であっても、非常に大きな破壊をもたらすことがあります。私たちの心を変えなくてはなりません。戦争に対する考え方を変える必要があります。紛争を外交的手段で解決することが必要です。紛争を終わらせる努力をしなければなりません。
平和的な協力をしていくことが重要です。暴力的な競争をするべきではありません。私たちは、築きあげていかなければなりません。破壊をしてはならないのです。なによりも、私たちは互いのつながりを再び認識する必要があります。同じ人類の一員としての繋がりを再び確認する必要があります。つながりこそが人類を独自のものにしています。
私たち人類は、過去で過ちを犯しましたが、その過去から学ぶことができます。選択をすることができます。子供達に対して、別の道もあるのだと語ることができます。
人類の共通性、戦争が起こらない世界、残虐性を容易く受け入れない世界を作っていくことができます。物語は、被爆者の方たちが語ってくださっています。原爆を落としたパイロットに会った女性がいました。殺されたそのアメリカ人の家族に会った人たちもいました。アメリカの犠牲も、日本の犠牲も、同じ意味を持っています
アメリカという国の物語は、簡単な言葉で始まります。すべての人類は平等である。そして、生まれもった権利がある。生命の自由、幸福を希求する権利です。しかし、それを現実のものとするのはアメリカ国内であっても、アメリカ人であっても決して簡単ではありません。
しかしその物語は、真実であるということが非常に重要です。努力を怠ってはならない理想であり、すべての国に必要なものです。すべての人がやっていくべきことです。すべての人命は、かけがえのないものです。私たちは「一つの家族の一部である」という考え方です。これこそが、私たちが伝えていかなくてはならない物語です。
だからこそ私たちは、広島に来たのです。そして、私たちが愛している人たちのことを考えます。たとえば、朝起きてすぐの子供達の笑顔、愛する人とのキッチンテーブルを挟んだ優しい触れ合い、両親からの優しい抱擁、そういった素晴らしい瞬間が71年前のこの場所にもあったのだということを考えることができます。
亡くなった方々は、私たちとの全く変わらない人たちです。多くの人々がそういったことが理解できると思います。もはやこれ以上、私たちは戦争は望んでいません。科学をもっと、人生を充実させることに使ってほしいと考えています。
国家や国家のリーダーが選択をするとき、また反省するとき、そのための知恵が広島から得られるでしょう。
世界はこの広島によって一変しました。しかし今日、広島の子供達は平和な日々を生きています。なんと貴重なことでしょうか。この生活は、守る価値があります。それを全ての子供達に広げていく必要があります。この未来こそ、私たちが選択する未来です。未来において広島と長崎は、核戦争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの地として知られることでしょう。

歴史の旅、未来見渡す=ベトナムと広島を初訪問-アジア重視の集大成・米大統領(時事N)


オバマ米大統領は27日、ベトナムと日本での政治日程を終えて帰国の途に就いた。オバマ氏にとっては、かつて激戦を繰り広げた両国との痛みを伴う歴史を直視する旅だった。「最終目的地」は政権が掲げてきたアジア太平洋へのリバランス(均衡)政策を未来に進める道筋を示すことだ。戦後70年を経て、米大統領の被爆地・広島訪問を初めて実現させたことは、アジア重視外交の集大成とも言える。

 ◇原爆の記憶は消えない
 オバマ大統領は27日夕、岩国基地(山口県岩国市)から専用ヘリコプターで広島入りし、平和記念公園に約1時間滞在。平和記念資料館(原爆資料館)で「私たちは戦争の苦しみを経験した。平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持とう」と記帳した。
 「1945年8月6日の朝の記憶は決して消えることはない」。オバマ氏は被爆者を含む約100人足らずの招待者を前に、原爆投下の是非には踏み込むことなく「戦争が双方の市民に悲劇をもたらした」ことを繰り返し強調した。原爆投下への謝罪は行わないものの、逆に戦争の是非にも触れないことで「われわれ(米国)も悪かった」(オバマ氏側近)ことをにじませた。
 ◇「対中国ではない」
 来日前に訪れたベトナムでは、対ベトナム武器禁輸の全面解除に踏み切った。両国の共通の課題となっている中国への包囲網といった見方がある一方で、オバマ大統領が「中国は関係ない。両国関係が完全に変化したことを示したかった」と述べた言葉にうそはないだろう。
 米国は2014年に武器禁輸を部分解除しているが、ベトナムはこれまで武器を一切購入していない。ベトナムは南シナ海の領有権をめぐって中国と激しく対立する一方で、インフラや食品の輸入など経済面では中国に依存している。
 大統領は24日、ハノイで学生ら約2300人の聴衆を前に演説し、ベトナム戦争に言及し「300万人のベトナムの兵士と市民、5万8315人の米国民が命を失った」と語った。その上で「両国は痛みと尊い犠牲を忘れてはならない」と誓った。
 
◇旧敵とも和解は可能
 大統領の今回の歴訪には、隠れたテーマがもう一つある。それは原爆投下を含めて戦火を交えた敵同士の「和解は可能」というメッセージだ。ベトナムでは、チャン・ダイ・クアン国家主席との共同記者会見で「相互利益と尊重に基づいて対話すれば、関係を変化させることが可能だ」と強調。広島では「日米は同盟だけではなく、友情を育んだ」と訴えた。
 オバマ氏はこれまで、ウクライナ情勢やシリア情勢で軍事介入を避けていることから、野党共和党から「弱腰」と批判されてきた。だからこそ大統領は、被爆地から戦争の悲惨さと和解、未来への可能性を結び付けることで、あくまで平和を追求する哲学を外交レガシー(遺産)としたい考えだ。

日米首脳会談 支持される同盟に努めよ(産経:主張)


 揺るぎない日米同盟は日本の守りとアジア太平洋地域の安定に欠かせない。そのありようについても、双方の国民から支持されなければ成り立たないのは当然である。
 安倍晋三首相とオバマ大統領との首脳会談は、その再確認にふさわしい内容だったといえる。
 米兵出身の軍属が逮捕された沖縄での残虐な事件は、会談やその後の共同会見でも主要なテーマとなった。
 国民の期待と信頼を得られる同盟でありつづけるよう、両国には不断の努力が求められていることを重く考えるべきだ。
 会談直前に起きた事件に、沖縄県民をはじめ日本国民は憤っている。両首脳が重点的に協議したのは当然といえる。
 首相は「断固抗議」し、日本国民の感情をしっかりと受け止めるよう要求した。米国元首で軍最高司令官でもあるオバマ氏は「心の底からのお悔やみの気持ちと深い遺憾の意」を表明した。日本国民の気持ちに寄り添う姿勢を示したと受け止めたい。
 オバマ氏は捜査への協力と再発防止の努力を約束した。政府は26日、沖縄県における犯罪抑止対策推進チームの初会合を開いた。日米両政府は実効性のある再発防止策を早期にまとめ、許し難い事件を防いでほしい。
 翁長雄志(おなが・たけし)知事は、首脳会談で日米地位協定の改定を求める言及がなかったと批判したが、今回の事件は公務外の犯行だ。日本側が容疑者を拘束しており、日本の国内法で裁くことができる。地位協定は直接関係がない。
 もう一つの注目点は、首脳会談後の記者会見でオバマ氏が、外交努力の大切さを認めつつ、「必要な時には軍事行動をとらなければならない」と明確に述べたことである。
 オバマ氏が「米国は世界の警察官ではない」との見解を示したことが弱腰とみなされ、中東やウクライナなど地域情勢の不安定化を招いたともいわれてきた。
 米国大統領が毅然(きぜん)とした態度を示すことは、米国の軍事力を平和を保つ抑止力とする上で、極めて重要である。姿勢を鮮明にしたオバマ氏との間で、北朝鮮の核保有の既成事実化を認めず、中国を念頭に「力による現状変更」への反対で一致した意味は大きい。
 主要国首脳会議での強いメッセージにつなげてほしい。

都知事押込 5月27日(産経抄)


 幕末維新の時代のエピソードを集めた『幕末百話』(篠田鉱造著)に、「道楽隠居」と呼ばれた大名が登場する。第9代松江藩主・松平斉貴(なりたけ)である。徳川家康直系の家柄に生まれ、幼い頃から非凡な才能を示していた。ただし、道楽が過ぎた。
 ▼江戸の祭り囃子(ばやし)に目がなく、屋敷からは昼夜を問わず、笛や太鼓の音が聞こえていた。江戸を離れたくないと、参勤交代をしなくなった。家老が切腹していさめても、行いは改まらない。とうとう押込(おしこめ)隠居、つまり国元の出雲で、強制的に隠居させられてしまった。
 ▼舛添要一都知事の道楽も相当なものだ。公務の合間に美術館に通い、インターネットでせっせと美術品を買い集めている。もちろん自腹を切っているなら、なんの問題もない。
 ▼温泉宿の宿泊費から、コーヒー45杯分の領収書まで、舛添氏の政治資金をめぐって、毎日のように公私混同疑惑が発覚している。疑惑を調査する、弁護士を選任したというが、名前を明かさない。果たして公正な「第三者」といえるのか。「時間稼ぎ」でないのか。不信がますます募る。
 ▼歴史学者の笠谷和比古(かずひこ)さんによると、江戸時代の武家社会では、主君の悪政や不行跡がやまないとき、家臣団は最後には、廃立へと動いた。いわゆる「主君押込」という行為が、広く存在していたという。平成の世において、都知事に「主君押込」を宣告するのは、来月1日に開会する都議会の仕事であろう。
 ▼もっとも舛添氏への追及について、前回の知事選で支持した自民、公明両党が及び腰、との指摘もある。次の選挙で勝てる候補を見つけるまで、辞職に追い込めない、というのだ。ぐずぐずしていると今度は都民が、議員の「押込」へと立ち上がるかもしれない。

首相「リスク直面で一致」…一定の方向性と評価(読売N)


キヤノングローバル戦略研究所・宮家邦彦氏と富士通総研・柯隆氏が26日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、26日に開幕した伊勢志摩サミットを巡って議論した。
 安倍首相が全体会合後、「世界経済は大きなリスクに直面しているとの認識で一致した」と述べたことについて、宮家氏は「一定の方向性が出ている」と評価した。一方、柯氏は「(首相は)無理やり財政出動にもっていこうとしている。選挙(参院選)を意識し、消費税率を上げたくないので、口実が必要なのだろう」と指摘した。

同日選見送りの公算…首相、消費増税延期へ(読売N)


 安倍首相が、夏の参院選と次期衆院選を同じ日に行う「衆参同日選」を見送る公算が大きくなった。
 現時点では衆院解散を考えていない意向を与党幹部に伝えた。参院選情勢や熊本地震の復興状況などを踏まえたとみられる。また、来年4月の消費税率10%への引き上げについては先送りする方向で、6月1日の今国会閉会後にも表明する。
 参院選は「6月22日公示―7月10日投開票」の日程で行われる予定で、参院選に向けた動きが本格化する。
 首相は25日午前、自民党の谷垣幹事長と首相官邸で約20分間会談した。谷垣氏は会談後、「国会と(参院選の)選挙戦の状況を報告した」と述べた。同日選や消費増税についても協議したとみられる。
 自民党の佐藤勉国会対策委員長は25日午前、都内で記者団に「同日選がないのは当然だ。大義がない」と語った。首相は24日には公明党の山口代表と会談し、「今は解散の『か』の字も考えていない」と述べた。
 首相は、同日選による相乗効果で参院の議席上積みが可能かどうかを検討してきた。共闘を進める民進、共産両党との政権選択選挙に持ち込む思惑もあった。
 しかし、オバマ米大統領の広島訪問決定などで内閣支持率が上昇し、参院選単独でも与党が有利に戦えると判断したようだ。さらに、熊本地震で今も多くの被災者が避難生活を強いられていることもあり、与党内から「復興より政局優先と批判される」と慎重論が高まっていた。公明党も同日選に否定的な姿勢を崩していない。
 このため、首相は同日選に踏み切るのは現時点では難しいと判断したとみられる。ただ、野党は今国会で内閣不信任決議案の提出を検討しており、野党の対応などを見極めた上で最終決定する意向だ。
 一方、消費増税の先送りを決めたのは、国内外の経済が不透明感を増す中、増税に踏み切ればデフレ脱却が困難になると判断したためだ。26、27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で世界経済を下支えするための財政出動への協調を取り付けた上で、今国会閉会後の表明を検討している。
 先送りする場合、参院選後の臨時国会に関連法案を提出する。自民党の二階総務会長は2019年4月まで2年間先送りする案を首相に提言している。消費税率は15年10月に10%に引き上げる予定だったが、首相は14年11月、引き上げを1年半先送りする方針を表明した。

上級部隊の担当者が実弾渡すよう誤って申請(NHK)


北海道の演習場で訓練中の陸上自衛隊の部隊が誤って79発の実弾を発砲し、隊員2人がけがをした事故で、上級部隊の担当者が銃弾を管理する担当者に、空包ではなく実弾を渡すよう誤って申請していたことが分かり、陸上自衛隊は調査委員会を設置して詳しいいきさつを調べています。
今月23日、北海道鹿追町の陸上自衛隊然別演習場で、北部方面後方支援隊が小銃を使って訓練していたところ、隊員9人が合わせて79発の実弾を誤って発砲し、隊員2人が軽いけがをしました。
この事故で、陸上自衛隊トップの岩田清文陸上幕僚長は26日の定例の記者会見で、「通常ではありえない事案が発生したことは大変遺憾かつ問題であり、極めて重く受け止めている」と述べました。そのうえで、訓練に参加していた部隊は空包を申請していたものの、上級部隊の担当者が、銃弾を管理する駐屯地の担当者に空包ではなく実弾を渡すよう誤って申請していたということです。また、空包と実弾は弾の形が異なりますが、各隊員は違いに気付かないまま小銃の弾倉に実弾を込めていたということで、陸上自衛隊は、26日、調査委員会を設置して、詳しいいきさつを調べています。

オバマ氏広島訪問にかすむ「伊勢志摩サミット」 今こそ戦後国際秩序の価値示せ 京都大学大学院教授・中西寛(産経:正論)


 伊勢志摩で主要国首脳会議(G7サミット)が開催される。2008年の洞爺湖サミット以来、6度目の日本開催だが、会合後のオバマ米大統領の広島訪問が関心を集めていることもあり、サミットへの注目度がいささか後退した観がある。しかしサミットそのものの意義を忘れてはならない。

 ≪世界経済への懸念払拭を≫
 サミットは、現下の世界政治上の重要課題に対して日米欧首脳が結束して対応する意思を表明する場である。伊勢志摩では世界経済、テロ対策、中国およびロシアへの対応、租税回避地(タックスヘイブン)問題を含めた腐敗対策が主要議題となろう。
 ただしこれらは何年も西側諸国の重要課題として挙げられており、すでに可能な政策は実行されている。今回のサミット前にも広島での外相会合や仙台での財務相・中央銀行総裁会議においてかなり詳細な政策調整がなされている。サミットはこれらの調整を踏まえ、世界に向けた首脳たちのアピールの場となるだろう。
 最重要となるのは世界経済問題である。リーマン危機以降、先進国は劇的な金融緩和策を主軸に据え、中国など新興国や産油国による積極的な投資と相まって経済回復を図ってきた。しかしここに来て新興国、産油国の経済減速は明らかとなり、先進国の金融緩和策に対する限界説も浮上している。
 現状でG7諸国がとりうる手段は限られている。すでに安倍晋三首相の訪欧や仙台会議において、各国の世界経済の現状認識と政策選択には温度差があることが分かっている。日本政府は円安、財政出動に関心があるが、アメリカは為替不介入を重視し、その他諸国も財政出動には消極的だ。仙台会議でも金融政策、財政政策、構造改革の具体的選択は各国に委ねる形で合意が図られた。
 サミットの場でこの妥協から大きく踏み出すことは困難であろうが、見方の相違は逆に各国が世界経済の現状をそれほど深刻とみていないことの裏返しでもある。問題は景気回復の足取りが弱いことと、中国経済などの見通しの不確実性である。サミットの場で首脳は世界経済に対する懸念を払拭し、中国の資産バブル崩壊などのリスクに備えがあることを示唆することができるだろう。

 ≪単純な解答はない中露関係≫
 その他の問題についても同様である。テロへの対応や、パナマ文書が改めて点火した租税回避や腐敗に対する民衆の怒りに答えることは焦眉の政治的課題となっている。各国間での治安、税務情報の共有や、テロリスト予備軍を増やさない教育や社会のあり方に対する意見交換をG7諸国が率先するなどの措置は可能であろう。
とはいえ、テロ対策の更なる強化は容易ではないし、租税回避に関する規制強化には法的限界や経済に対するマイナス効果もある。サミットに集まる首脳ができるのは、自由社会の価値を維持しつつテロや腐敗と戦うことには困難が伴うことを率直に認めた上で、長期かつ着実に問題に対処していく姿勢を、説得力ある言葉で表現することであろう。
 中露との関係についても単純な解答はない。現在のG7の枠組みに戻ったのはロシアのウクライナ紛争介入がきっかけであり、また、軍事的台頭を背景とした中国の東シナ海、南シナ海での一方的な行動に対しても、サミットで日米が先導する形で反対を表明してきた。しかしシリアでのロシア軍の介入を欧米が認めざるを得なかったように、テロとの戦いにおいて中露の協力は無視できない。また、世界経済の今後にとっても中露経済の先行きと切り離して考えることはできない。

 ≪現状の破壊リスクを回避せよ≫
 今回、ベトナム、インドネシア、スリランカなどを招いた会合も予定されており、海洋の自由や国境の不可侵、法の支配といった原則が再確認される可能性が高い。しかし、中露を正面から非難する形にはならないだろう。
 これらの課題について議長国・日本の調整力が問われる。加えて日本の立場として2点を強調すべきであろう。
第1は、東アジア唯一のサミット参加国として東アジア地域政治の重要性を強調することである。特に北朝鮮の核ミサイル開発に歯止めをかけ、核不拡散と核軍縮につなげることの意義をサミットの場で確認することが重要だ。
 第2に、サミットが象徴する戦後国際秩序の価値の再確認である。サミットは連合国主導で作られた戦後秩序に日独伊の敗戦国が加わったグローバルな枠組みであり、40年余り存続してきた。来月に予定されるイギリスの欧州連合(EU)脱退の是非を問う国民投票や米大統領選でのトランプ候補の躍進など、戦後秩序の根幹が揺らいでいる。確かに戦後秩序はさまざまな面で制度疲労も目立つ。
 しかし明確な見通しなく現状の破壊を訴えることのリスクは大きい。戦後秩序の担い手であり受益者であった主要先進国の指導者は、サミットにおいて改めて戦後秩序の価値を示すべきである。京都大学大学院教授・中西寛(なかにし ひろし)

キャメロンも後に続け 5月26日(産経抄)


 EU離脱か、それとも残留か。来月の国民投票を目前に控えて、英国では国論が真っ二つに割れている。実は、核保有の是非をめぐるもう一つの議論が、10年前から続いてきた。
 ▼英国は現在、核兵器を搭載する原子力潜水艦4隻を所有している。その更新の時期が近づき、英政府は新型潜水艦の建造計画を進める考えだ。ただ、問題は、日本円で6兆円近いコストである。この機会に核を放棄して国民生活の向上に使うべきだ、との意見も根強い。
 ▼英国は、米ソに続き3番目の保有国となった。ただ現在の日本と違い、近隣諸国の核の脅威にさらされているわけではない。冷戦後、核戦力の約70%を削減してきた。最低限の「核抑止力」で、国際社会での発言力を確保したい、との思惑もあるようだ。
 ▼明日の午後、米国のオバマ大統領が、現職の大統領として初めて広島を訪れる。原爆を投下した国の指導者が、慰霊碑に花を手向け、広島、長崎で犠牲となった、40万人の声なき声に耳を傾ける。唯一の被爆国の首脳である、安倍晋三首相と手を携える。その歴史的意義は、とてつもなく大きい。
 ▼同時にオバマ大統領が、平和記念公園に足を踏み入れる、初の核保有国の現職首脳である点も強調しておきたい。サミットに参加するキャメロン英首相やオランド仏大統領も、同行してほしかった。原爆投下がどれほどの惨禍をもたらしたのか。核保有国の国民にもっと知られれば、核軍縮への動きは加速する。
 ▼それは、核弾頭保有数をいまだに明らかにしていない中国や、国際社会の制裁を無視して、核実験を続ける北朝鮮への強力な圧力にもなり得る。オバマ大統領が、プラハでの演説で核兵器廃絶を訴えてから7年、広島では何を語るのか。

サミットで南シナ海言及、中国が「つまらぬ策」(読売N)


【北京=竹腰雅彦】中国外務省の華春瑩フアチュンイン副報道局長は25日の定例記者会見で、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で、中国の海洋進出が取り上げられることを警戒して、「日本は絶えず南シナ海問題をあおり立て、緊張を誇張してきた。現在の複雑な経済情勢下で、サミットは世界経済の管理と協力に議論を集中すべきだ」と述べた。
 華氏はその上で、「日本はホスト国としてサミットを利用し、目先の損得勘定でつまらぬ策を弄している。こうしたやり方は、先進7か国(G7)のみならず、南シナ海の平和と安定に役立たない。日本が故意に中国をおとしめる下手な芝居を演じていることは皆はっきり分かっている」と主張した。

陸自誤射 実弾管理体制も調べ (NHK)


鹿追町の陸上自衛隊の演習場で、小銃を使った訓練中に空包と誤って実弾が発射され隊員がけがをした事故で、今回の訓練の期間中は実弾を使う計画がなかったことがわかりました。
自衛隊は、訓練の計画に基づいて提供されるはずの実弾がなぜ部隊にわたったのか、実弾の管理体制についても詳しく調べています。
陸上自衛隊の然別演習場で23日、北部方面後方支援隊による小銃を使った訓練中に、空包と誤って実弾が70発以上発射され、男性隊員2人が軽いけがをしました。
陸上自衛隊によりますと、今回の訓練は今月22日から26日まで行われる野営訓練の一環で、その後の調べでこの期間中、実弾を使う計画がなかったことがわかりました。
陸上自衛隊では、実弾を保管庫で厳重に管理し、使用する数や場所など訓練の計画を事前に申請したうえで、部隊に実弾が提供されることになっています。
陸上自衛隊では、実弾を使用する計画がなかった今回の訓練の部隊になぜ実弾がわたったのか、実弾の管理体制に問題がなかったかについても詳しく調べています。
訓練で実弾を使用する計画がないのに部隊に実弾が渡されていたことについて北海道の陸上自衛隊のトップ、北部方面総監を務めていた酒巻尚生さんは、「どういう名目で部隊が弾薬庫から実弾を受け取ったのか、さかのぼって原因究明しなければならない。自衛隊として最も大切な銃と弾の管理体制や、取り扱いの注意事項について、いま一度しっかりと見直さなくてはいけない」と話しています。

同日選見送りへ…参院選集中、谷垣氏に首相指示(読売N)


 安倍首相は25日午前、自民党の谷垣幹事長と首相官邸で約20分間会談した。
 首相は夏の参院選と次期衆院選を同じ日に行う「衆参同日選」を見送る意向で、こうした点を協議したとみられる。参院選は「6月22日公示―7月10日投開票」の日程で行われる予定で、参院選に向けた各党の動きが本格化しそうだ。
 谷垣氏は会談後、「終盤国会をどう締めくくるかと(参院選の)選挙戦の状況を報告した」と述べた。谷垣氏によると、首相は参院選の個別選挙区の対応を具体的に指示したという。首相は現時点では衆院解散を考えておらず、参院選に注力する構えを示したものだ。首相が先送りを決めた来年4月の消費税率10%への引き上げについても協議したとみられる。
 首相は、24日には公明党の山口代表と会談し、こうした意向を伝えた。自民党の佐藤勉国会対策委員長は25日午前、「同日選がないのは当然だ。大義がない」と記者団に語った。民進党など野党は内閣不信任決議案の提出を検討しており、こうした動きを見極めたうえで、最終決定する。
 一方、参院選が単独で行われる見通しとなり、与野党は参院選の準備を急ぐ。
 参院選では、自民、公明両党が非改選の76議席と合わせて過半数(122)を維持できるかどうかが焦点となる。参院選の勝敗を左右するのは、全国に32ある改選定数1の「1人区」で、事実上、与野党の一騎打ちの構図となりそうだ。
 自民党は選挙区47人、比例選24人の計71人の擁立を予定する。未定となっている東京選挙区での2人目の候補者選定を急いでおり、自民党幹部は「集票が見込める著名人を擁立したい」と意気込む。同党は57議席以上を獲得すれば、27年ぶりの単独過半数を確保できる。公明党は、改選定数が1増えた愛知など7選挙区に候補を立てる。
 民進党は選挙区33人、比例選22人の計55人の擁立を予定する。旧維新の党出身議員で無所属の参院議員3人も民進党の公認で出馬することが決まっている。また、民進、共産、社民、生活の野党4党は「1人区」で候補者一本化のメドをつけている。内訳は無所属16人、民進党公認が15人、共産党公認が1人。「野党共闘」を生かして、自民党1強体制に対抗する方針だ。

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