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英首相の失態はジョン失地王を想起…「西方世界」の結束と安定を損なうな 東洋学園大学教授・櫻田淳(産経:正論)


 先週、「ブレグジット」(英国の欧州連合=EU=離脱)か「ブリメイン」(英国のEU残留)かを問う国民投票に際して、英国国民が下した判断は、「ブレグジット」であった。この結果を受けて、「ブリメイン」を主張してきたデーヴィッド・キャメロン英国首相は即日、辞意を表明した。

≪懸念される価値意識の揺らぎ≫
 およそ政策上の必要性を伴わない国民投票を実施し、結果として「ブレグジット」という事態を招いたキャメロン首相の政治上の不手際は、英国中世において欧州大陸での版図を失ったジョン失地王の事績を思い起こさせる。英国の欧州共同体(EC)加盟以後、四十余年にわたる積み重ねが一夜で崩された光景は、それ自体が一つの衝撃である。
 目下、「ブレグジット」の衝撃が日本に及ぼす影響は、専ら経済の観点から説明されている。第2次安倍晋三内閣発足以降、「アベノミクス」と総称される経済政策が出現させたのは、明白な「株高・円安」傾向であったけれども、「ブレグジット」直後の情勢は、そうした傾向を顕著に反転させているようである。
 しかし、それにも増して留意しなければならないのは、日本の対外政策への影響である。そもそも、安倍内閣下の対外政策の基本方針とは、自由、民主主義、人権、法の支配といった「普遍的な価値意識」の尊重であり、そうした「普遍的な価値意識」の故地たるEU諸国、さらにはその文明上の後嗣としての米豪両国との提携を密にすることであった。
 日本が極東において「西方世界」の価値意識や流儀を擁護する姿勢を以前よりも鮮明にして劇的に打ち出しているのが、安倍内閣下の対外政策の性格である。伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)は、そうした姿勢を内外に誇示する舞台の一つであった。「ブレグジット」が招くEU諸国の混乱が懸念されるべき所以(ゆえん)は、「西方世界」に寄り添う日本の価値意識や流儀の足元が揺らぐことにある。

≪中国の一層の増長を促す≫
 事実、先々のEUの混乱を実は歓迎しているのがロシアや中国であるという指摘は、既に示されている。ロシアは、ウクライナ情勢に絡んでEUから経済制裁を発動されている最中である。また、中国を取り巻く国際関係の焦点としての南シナ海情勢にしても、6月上旬にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ対話)では、フランスのジャン・イヴ・ル・ドリアン国防相が米国の「航行の自由」作戦を支持し、海軍艦艇派遣の体裁でEUが関与する可能性を示唆している。
 EUの混乱は、中露両国にとっては自らに対する圧力が削(そ)がれることを意味する。「西方世界」の結束や安定が損ねられることは、特に東シナ海や南シナ海を含む西太平洋海域では、中国の一層の増長を促すことになろう。それが日本の安全保障に及ぼす影響は、あえて指摘するまでもない。
 ゆえに「ブレグジット」後の日本の対応として留意しなければならないのは、次の2点である。
 第1は今後、仮にEUの混乱が広がるならば、「西方世界」の結束と安定を保つことが日本にとっての重大な利益である旨、極東から折々にメッセージを発することである。この種の海外での政治上の混乱に接した際に、日本人が往々にして落ちていた陥穽(かんせい)とは、その混乱を人ごとのものとして受け止める姿勢を取ることである。
 今は、安倍内閣3年半の歳月を経て、そうした姿勢からは既に卒業していることを示す時節ではなかろうか。

≪TPPへ迎え入れるのも一案≫
 第2は、そうした「西方世界」の結束と安定を担保するために、日本として採り得る政策対応を多様に用意しておくことである。英国が離脱した後の大陸EU諸国に対しては、目下、進行中の経済連携協定(EPA)交渉の早期妥結を含めて、関係緊密化の方策をさまざまに打つ必要が出てこよう。
 また、英国に対しては、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の枠組みが発効し十全に機能することを前提にして、英国を地域上の例外としてTPPの枠組みに迎え入れることも一考であろう。英国にとっては、米国、カナダ、豪州、ニュージーランドといった「英語諸国民」の国々を抱えるTPPの方が、EUよりも居心地のよい枠組みになるかもしれない。これは、突拍子もない案かもしれないけれども、一つの可能性として考慮に値しよう。
 近代以降、日本の国家路線の基調は、福沢諭吉が「文明」と呼んだものに連なることにあった。その対外政策上の具体的な表れが、明治期における日英同盟であり昭和中期以降の日米同盟であった。伊勢志摩サミットの明白な成功もバラク・H・オバマ米国大統領の歴史的な広島訪問の実現も、そうした路線の上でこそ挙げられた成果である。
 「ブレグジット」という事態が日本の人々に問いかけるのは、明治以来の足跡に対する確信の程である。(東洋学園大学教授・櫻田淳 さくらだ じゅん)
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「ウィー・アー・ノット・アベ」 個人への憎悪で結集する野党の愚(産経:阿比留氏の極限ごめん)


 29日の産経新聞朝刊1面(東京版)で、2つの記事を読んで、深い感慨を覚えた。中国軍機が東シナ海上空で、航空自衛隊機に「攻撃動作」を仕掛けていたことを元空将の織田邦男氏が明かしたことと、防衛費について「人を殺すための予算」と発言した共産党の藤野保史政策委員長の辞任が並んで報じられていた。
 この2つは、まさに現在の日本が直面する現実と、それを直視できない野党多数派の現状を象徴していると感じたからである。
 中国はこのところ、海軍の情報収集艦が鹿児島沖の領海に侵入するなど、軍事的攻勢を強めている。北朝鮮は中距離弾道ミサイルを連射し、22日の発射実験は成功したとされる。
 しかも頼りの同盟国・米国では、在日米軍の駐留経費の全額負担を日本に求めるなど、東アジアの安全保障に関心が薄いトランプ氏が有力な次期大統領候補となっている。こんなタイミングで、共産党は自衛隊を憲法違反と断じ、まるで人殺しが仕事であるかのような発言をしでかした。
 「藤野氏が辞めざるを得なくなるぐらいマイナスの影響が出ているのだろう。それだけ世論的な反発があったということだ」
 自民党幹部がこう述べるように、共産党の自衛隊観は国民の実感とかけ離れたところにあるらしい。ただ、その点はその共産党と参院選で共闘し、安全保障関連法の廃止を高く掲げる民進党も同じだろう。
 危惧するのは、彼らが今そこにある危機から目をそらし、ひたすら相手に「ヘイト」(憎悪)をぶつける感情論に流れているように見えることだ。
 「国会周辺では、アイム・ノット・アベという言葉がはやって、みんなでそれを口ずさんだ。ウィー・アー・ノット・アベだ。私たちみんなでノット・アベではないか」
 民進党の安住淳国対委員長は8日、新潟県長岡市での4野党合同演説でこう述べ、「ノット・アベ」を参院選の合言葉にするよう呼びかけた。野田佳彦前首相も22日の三重県伊勢市での街頭演説で同様に訴えかけた。
 「今回の選挙は、安倍(晋三首相)さんに退陣を迫る選挙だ。『アイム・ノット・アベ』を束ねて『ウィー・アー・ノット・アベ』。1票1票を結集し、大河のうねりをつくり日本の政治を変えていこう」
 そこでは政策よりも、主に安倍首相を好きか嫌いかが問われている。民進党では、岡田克也代表も「安倍政権下での憲法改正は認められない」などと、属人的な理由で改憲論議を拒んでいるが、それは公党のあり方としてどうなのか。
 少し前の話になるが、3月13日付の日経新聞朝刊に民進党に衣替えする直前の民主党について、秀逸な記事が載っていた。「民主ABA路線鮮明」との見出しで、「ABA」とは「Anything But Abe」(アベじゃなければ)を意味する。
記事は、民主党が党内の意見対立を覆い隠すため、「安倍政権の下で」という条件をつけて、改憲や米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの諸政策への反対で意思統一を図っていることを指摘していた。
 だが、本来政治は誰がやるかではなく、何がなされるかこそが問われるべきだろう。喫緊の諸課題に目をつむり、特定個人へのヘイトで結集といわれても、国民には何の関係もない。(論説委員兼政治部編集委員)

南シナ海問題、7月12日判断へ 仲裁裁判所、中国の領有権主張で(東京新聞)


 【マニラ、ブリュッセル共同】国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所は29日、南シナ海での中国の領有権主張などは国際法に反するとして、フィリピンが求めた仲裁手続きの判断を7月12日に示すと発表した。中国が南シナ海の大半を囲い込むように独自に設定した境界線「九段線」や、歴史的権利を基にした中国の海洋権益の主張について、どのような見解を示すかが注目される。
 中国は今回の仲裁手続きを認めない姿勢を貫いている。だが九段線が無効とされた場合、南シナ海での覇権拡大に対する国際世論は厳しさを増し、中国は苦しい立場に追い込まれることになる。

空自機、中国軍用機と上空近距離で「やり取り」(読売N)


萩生田光一官房副長官は29日午前の記者会見で、今月17日に東シナ海上空を南下した中国軍用機に対し、航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)した際、「上空で近距離でのやり取り」が発生していたことを明らかにした。
 萩生田氏は記者会見で、「上空で中国機との近距離でのやり取りは当然あったのだと思う」と述べる一方、「攻撃動作をかけられたとかミサイル攻撃を受けたという事実はない」と語った。
 空自機の緊急発進に関しては、航空自衛隊の元空将が28日、インターネットのニュースサイトで、東シナ海上空で中国軍戦闘機が空自機に対し「攻撃動作を仕掛けた」とする記事を公表した。
 防衛省は他国軍機が特異な行動を取った場合は原則公表している。萩生田氏は今回の事案については「特別な行動ではないと判断をしている」と述べた。

国際活動の教育訓練公開=宿営地、武器使用判断も-陸自PKO新任務控え・静岡(時事N)


 国連平和維持活動(PKO)など海外に派遣される幹部自衛官らを育成する陸上自衛隊の国際活動教育隊(駒門駐屯地、静岡県御殿場市)の訓練が29日、報道陣に公開された。
 安全保障関連法が施行され、自衛隊はPKOで離れた場所にいる文民要員らを武装集団などから守る「駆け付け警護」が可能となる。邦人保護などの任務遂行の際の武器使用も認められる。
 この日は屋内で隊員がシミュレーターの映像を見ながら武器使用を判断する訓練が公開された。宿営地前で銃やナイフを持った現地人同士のトラブルが起きた場合など100のシナリオがあり、隊員は威嚇射撃するかなどを状況判断した。屋外では、宿営地に進入する車を止め、車両点検を行う訓練が公開された。

金正恩政権に焦りが見える 日本は全拉致被害者の帰国要求を貫け 東京基督教大学教授・西岡力(産経:正論)


≪北は交渉をやめられない≫
 拉致問題に表面的な動きがない。しかし、私は2年前、北朝鮮が特別調査委員会なるものを立ち上げたときより、今の方が相対的に情勢は良いと思っている。
 2年前は、金正恩政権が拉致被害者を返すという決断をしていない状況で拙速に「ストックホルム合意」を結んだため、最悪の場合、被害者が殺されて遺骨とされ「新たな死亡の証拠」にされる危険があった。
 私は「日本は確実な被害者生存情報を持っているから、そんなことをすれば日朝関係は永遠に最悪になる」と警告し続けた。安倍晋三政権も水面下の協議で拉致被害者の帰国を最優先で求め続け、なんとか最悪の事態を防いだ。
 いまこそ、金正恩政権に「全被害者の一括帰国なしには日本は制裁を解除したり、支援をしたりすることは一切ない。被害者を返すという決断をまずしなさい。それがあれば条件についての協議ができる」と強く伝えるときだ。苦しい山場だが、相手も苦しい。原則を貫けば勝利が見えてくる。
 金正恩政権による核実験、弾道ミサイル実験を受け、今年2月、日本は米国や韓国、国連安保理などに先駆けて世界で最も厳しい対北制裁に踏み切った。それに反発して北朝鮮は特別調査委員会解体を発表した。その後、北朝鮮は日本の後に制裁を発動した韓国、米国に対して激しい非難を浴びせ、国連安保理制裁に賛成した中国にも金正恩氏が側近に「敵は中国だ」と語ったと伝えられるほど強い反発を見せた。これに対し安倍政権批判はまったく出てこない。
 金正恩政権は日本との交渉を断つ気はない。昨年4月、北朝鮮は総連議長宅への家宅捜索などを理由に「政府間対話ができなくなっている」と脅してきた。それに比べると今回の特別調査委員会解体は、小さな反発だ。金正恩政権はいまだに日本から取りたいものがあり、交渉をやめられないのだ。

≪孫たちとの面会写真で揺さぶり≫
 今年5月上旬の労働党大会でも日本批判はほとんどなかった。党大会直後、宋日昊大使は「すでに調査は終わっている。いつでも報告書を公表できる」と話している。つまり委員会解体は調査の障害になっていない。拉致被害者についてはその実情は把握済みだから、調査そのものが茶番であるが、北朝鮮はいつでも被害者について、調査結果なるものを出すことができる余地を残している。
その中で、6月に入って北朝鮮が横田滋、早紀江夫妻の孫娘らの写真を使って揺さぶり工作をしかけてきた。この工作の後ろには金正恩政権の焦りが垣間見られる。
 6月22日、夫妻が手記を公表して、週刊誌に公表された孫たちとの面会写真は横田家が提供したものではなく、週刊誌に署名原稿を書いた野党参議院議員が独自に入手したものであることをあらためて明らかにした。同議員は公開した写真の出所について沈黙を守っているが、横田家が提供していないのだから、北朝鮮から入手したとしか考えられない。
 そこで考えるべきは北朝鮮当局がどのような意図で、写真を議員に渡したのかだ。同議員はこの間、夫妻と孫との再会を人道問題の一つとして拉致被害者帰還に先駆けて実現させるように、繰り返し政府に求めている。そのことと、北朝鮮が写真を提供した狙いとは関係があるのではないか。
 2年前、ストックホルム合意をまとめた朝鮮労働党工作機関は、拉致以外の残留日本人や孫娘のウンギョンさんとの面会などで日本世論を拡散させ、新たな「死亡証拠」を捏造(ねつぞう)して拉致問題を「解決」し、日本から支援と制裁解除、安倍訪朝などを取ろうとしていた。その勢力が、今回写真を使って揺さぶりをかけてきたのではないか。

≪制裁などで困窮≫
 だとすると、そのやり方は通じないと金正恩氏に認識させなければ被害者は救えない。横田早紀江さんは22日、「孫に関しては思い残すことはありません。拉致問題が解決して、孫やひ孫とともに被害者全員と会えるようになることが原則であり、その前に再度会うことは考えておりません」と断言して、北朝鮮の狙いを一蹴した。 対中関係の悪化、制裁の結果である外貨枯渇などで彼らは困っている。「拉致被害者を全員返せ。そうすれば日本はこれだけのことはする」という実質的交渉が成り立つ可能性が見えてきた。核問題が未解決である以上、援助は出せない。しかし、かなりの規模の人道支援は可能だし、日本の独自制裁のうち、国連制裁以上に厳しくかけている部分は解除可能だ。
 被害者が帰ってきたあと、金一家の私生活など、知っていることを公表し反北朝鮮活動をするのではないかという懸念についても、本人と家族が静かに暮らしたいのであれば、政府はそれを守るという約束をすることも可能だ。
 今回の写真公開をめぐる動きは党工作機関の焦りの反映かもしれない。全被害者を返せ、それを決断すれば条件を話し合えると金正恩氏に伝え続けることしかない。(東京基督教大学教授・西岡力 にしおか つとむ)

自民党幹部「辞任したから終わりではない」 共産党の藤野保史氏の辞任表明で(産経N)


共産党の藤野保史政策委員長が28日夜、党本部で緊急に記者会見し、26日のNHK番組で防衛費について「人を殺すための予算」と発言した責任を取って党政策委員長を辞任を表明したことについて、自民党幹部は産経新聞の取材に対し「世論の反発が大きく、辞めざるを得なかったのだろう」と述べた。
 ただ、「これで鬼の首を取ったということではなく、これからも言うべきことは言う。辞任したから終わりということではない」と述べ、参院選の選挙運動の中で追及を強める考えを示した。

自民都連、知事選候補者を週内にも絞り込み(読売N)


自民党東京都連は27日、党本部で役員会を開き、都知事選(7月14日告示、31日投開票)で擁立する候補者を週内にも絞り込む方針を決めた。
 役員会には、都連会長の石原経済再生相や、下村博文・党総裁特別補佐、都議会自民党の幹部らが出席。知事選候補者について、「自ら意欲を示す人より、我々が選びたい人を出す」との方針が示された。
 自民、公明両党が支援して当選した都知事が、2代続けて「政治とカネ」の問題で辞職に追い込まれた経緯を踏まえ、「政治家よりも実務家の方が望ましい」との意見も出された。党内では桜井俊・前総務次官の名前が挙がっている。
 一方、民進、共産、社民、生活の野党4党は、参院選と同様、都知事選でも4党が共闘可能な候補者の擁立を目指している。

共産・藤野政策委員長辞任 「人殺すための予算」発言で(朝日N)


共産党の藤野保史(やすふみ)政策委員長(46)は28日、防衛予算について「人を殺すための予算」と発言した責任を取り、政策委員長を辞任した。藤野氏は記者会見で「党の方針と異なる誤った発言で、結果として自衛隊のみなさんを傷つけたことを深く反省し、国民のみなさんに心からおわび申し上げる」と述べた。同委員長は当面、小池晃書記局長が兼任する。

防衛予算「人を殺すための予算」 共産・藤野氏が撤回

 藤野氏は26日のNHKの討論番組で、防衛費が2016年度当初予算で5兆円を超えたことなどを指摘した際、「人を殺すための予算ではなく、人を支え、育てる予算を優先していく」と発言。同日夕には党広報部を通じて「不適切であり取り消す」との文書を出し、発言を撤回したが、自民、公明両党の批判の的となった。安倍晋三首相は26日、甲府市での演説で「自衛隊に対する最大の侮辱だ」と指摘した。公明の山口那津男代表は28日、新潟市の演説で「血も涙もない共産党に、人々の命や財産を任せるわけにはいかない」と指摘した。
 藤野氏は衆院当選1回。今年4月、政策委員長に抜擢(ばってき)されたばかりだった。党関係者は「火が広がりすぎ、どうしようもなくなった」と話した。

<中国軍>空自機に攻撃動作 空自OB指摘(毎日N)


 ◇空自創設以来初めて、実戦によるドッグファイト
 元航空自衛隊空将の織田(おりた)邦男氏(64)が28日、インターネットのニュースサイトに、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自戦闘機に対し攻撃動作を仕掛け、空自機が自己防御装置を使用して離脱したとする記事を発表した。政府は公表していないが、政府関係者は記事のような事実があったことを認めている。
 毎日新聞の取材に織田氏は同様の内容を答えた上で「中国機の動きは少なくとも16日以降、続いているようだ」と話している。
 織田氏は記事で、中国軍艦が9日に沖縄県・尖閣諸島の接続水域に入ったり、15日に鹿児島県の口永良部島の領海に侵入したりしたことを記述しつつ「中国海軍艦艇の挑戦的な行動に呼応するかのように、これまでの(一定の距離を保つ)ラインをやすやすと越えて南下し、空自スクランブル(緊急発進)機に対し攻撃動作を仕掛けてきた」と書いた。
 さらに「空自機は、いったんは防御機動でこれを回避したが、このままではドッグファイト(格闘戦)に巻き込まれ、不測の状態が生起しかねないと判断し、自己防御装置を使用しながら中国軍機によるミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱したという」とした。
 織田氏は毎日新聞に対し、攻撃動作とは中国機が、後ろから近づいた空自機に対して正面から相対するような動きを見せ、さらに追いかけるような姿勢を見せたことだとした。空自機の自己防御装置は、熱源を感知するミサイルから逃れる花火のようなものをまく「フレア」だったとして、かなり近距離だったのではと指摘した。
 織田氏は記事で「空自創設以来初めての、実戦によるドッグファイトであった」と書き「上空では毎日のように危険極まりない挑発的行動が続いているという」とした。
 織田氏は元戦闘機パイロットで2009年に航空支援集団司令官で退官した。【町田徳丈、村尾哲】

「人殺し予算」発言 現実的な防衛論が必要だ(産経:主張)


 国民の生命と安全を守る現実的な論戦が国政選挙には求められる。常軌を逸した扇動的発言は百害あって一利なしだ。
 共産党の政策責任者である藤野保史政策委員長がNHKの討論番組で、防衛費を「人を殺すための予算」と語った。番組後に「不適切だった」と撤回した。
 自衛隊を「人殺しの組織」と決めつけたかったのだろうか。暴言の撤回は当然である。命をかけて国民を守っている自衛隊員を侮辱したことにもなる。本人も政党としても謝罪すべきだ。
 共産党をはじめとする戦後日本の左派陣営の多くは、自衛隊を「違憲の組織」と決めつけ、国と国民を守る役割を否定してきた。防衛力整備にもいつも反対し、予算を削減し、他の政策に回すよう要求してきた。
 これでは、国と国民を守る現実的な方策を論じる共通の土俵には立てない。この機会に、今までの不明を国民にわび、自衛隊は合憲であり、日本には防衛力が必要であることを肯定してはどうか。
 発言を撤回した藤野氏の釈明もよく分からない。「戦争法(安保法制)と一体に海外派兵用の武器・装備が拡大している」という限定をつければ、問題発言にはならなかったという認識らしい。抑止に必要な武器の攻撃力について、「人殺し」との発想は消えていないではないか。
 自衛隊の海外派遣装備が、防衛費の性格を左右するほど拡大している事実もない。
 そもそも、安保関連法の本質は共産党がレッテル貼りする「戦争法」とは異なる。日米同盟を強化し、平和を保つための戦争抑止法である。
 番組では、自民党の稲田朋美政調会長ら他党の討論者も発言の訂正などを促したが、民進党の山尾志桜里政調会長がコメントしなかったのはどうしたことか。
 「民共協力」を考慮して批判的な見解を避けたのか。共産党との共闘そのものに無理があることを露呈した場面といえよう。
 安保関連法廃止を唱える野党4党の主張は、日本を取り巻く安保環境を的確に認識せず、日米同盟の抑止力を強化する具体策を語らない点で、現実性を欠いている。与党側も積極的に安保論議を行うことには慎重だ。国政選挙だからこそ、具体的に掘り下げた政策をぶつけ合ってほしい。

英EU離脱は「ダークサイドの覚醒」となる 日本は勃興する勢力に備えよ CIGS研究主幹・宮家邦彦(産経:正論)


6月23日の国民投票の結果には一瞬絶句した。英国の大衆迎合型民族主義を過小評価したことを思い知らされた。同日付本紙コラムで筆者はこう予想した。
・英国の欧州連合(EU)離脱の悪影響は経済面に限られない。
・離脱賛成が過半数を占めるということは、英国有権者が抱く反EUの民族主義的感性が、加盟維持という国際主義的理性を凌駕したということ。
・あの英国でも大衆迎合主義的ナショナリズムが本格的に始まったことを意味する。
 それでも筆者はイギリス人がEU離脱を選択する可能性は低いとどこか楽観していた。最後は英国の理性が感情を抑えると信じたかったのだ。英国EU離脱の経済的悪影響については既に多くの記事が書かれている。本稿では国民投票結果が今後の国際政治に及ぼす影響につき考えてみたい。

≪力で現状変更厭わぬ帝国≫
 昨年末あたりから筆者は繰り返しこう書いてきた。
・現在世界中で醜く、不健全で、無責任な、大衆迎合的ナショナリズムが闊歩している。
・21世紀に入り世界各地で貧富の差が一層拡大した。前世紀後半までそれなりの生活ができた中産階級が没落し始めたからだ。
・彼らの怒りは外国、新参移民と自国エスタブリッシュメントに向かう。強い不平等感を抱く彼らは何に対しても不寛容で、時に暴力的にすらなる。
筆者はこれを「ダークサイドの覚醒」と呼んできた。欧州大陸での反イスラム・反移民の極右運動や米国のトランプ旋風だけではない。中東「アラブの春」運動や中国で習近平総書記が進める反腐敗運動などの政治社会的背景も基本的には同じだ。それがあの英国ですら起きたのだから、もう世界的に定着したと考えてよいだろう。
 この傾向はポスト冷戦期の終焉とともに顕在化し始めた。ポピュリズムとナショナリズムは欧米の自由民主主義的な現状維持勢力を劣化させる一方、力による現状変更も厭わない「帝国」を生みだしつつある。最初は愛国主義者プーチン大統領のロシア。ジョージア、ウクライナ、クリミアなどへの軍事介入がその典型例だ。続いて中国。習近平総書記が進める「中国の夢」も力による現状変更を正当化するものだ。
 中露だけではない。大衆迎合的民族主義が帝国主義と合体する可能性はイランやトルコにも見られる。今後はこれまで世界秩序を維持してきた自由・民主・市場経済を重視する勢力が求心力を失って分裂傾向を強める一方、権威主義的・非民主的勢力
が、前者の凋落によって新たに生まれる「力の真空」を埋めていくだろう。

≪政治家に求められる制御能力≫
 日本は何をすべきか。第1にパニックは禁物だ。確かに市場では政治的不確実性がパニックとボラティリティ(数値の乱高下)を生んでいる。しかし、この現象が一過性でないことは述べた通りだ。今後もダークサイドの覚醒は長期化し世界各地に波及していくだろう。であれば今後はこの状態を「新常態」と覚悟する、冷静で理性的な判断が必要となるだろう。
 第2はデマに惑わされないことだ。既に一部では、これからユーロは暴落しEUは崩壊し、英国は分裂するなどとまことしやかに報じられている。しかし、離脱の連鎖反応を恐れるEU主流は逆に結束を強めるから、ユーロへの悪影響は少ないだろう。しかも、英国の離脱には通知から2年間の交渉期間が必要だ。ダークサイドからの逆襲を受けた欧州エリートの粘り腰も過小評価すべきではない。
 そもそも、今回の衝撃はリーマン・ショックとは若干異なる。後者がサブプライムなど米国バブル崩壊に端を発した経済問題であるのに対し、今回の原因はより政治的側面が強く複雑だからだ。
最後に重要なことは、ダークサイドを制御する能力だ。この制御に失敗した政治家は、キャメロン英首相であれ米共和党主流派であれ政治生命を失った。そうした危険が将来、日本に生じないという保証はない。

≪普遍的価値を尊重し連携を≫
 産経新聞(25日付)に「英国人は外部から指示されればされるほど、拒否する気性がある。論理的に正しくても、感情的に反発する」とあった。なるほど、では、同じ島国・日本にも同様の気質はないのか。これらは日本国内の左右のダークサイドに共通してみられる傾向ではないのか。
 中国の新華社通信は「西側が誇りとしている民主主義の制度が、ポピュリズムや民族主義、極右主義の影響にはまったくもろいことが示された」と報じたそうだ。しかし、民主的国民投票など実施できない独裁国家・中国にそれを言う資格はない。
 今回の英国EU離脱騒動は日本にとって対岸の火事ではない。日本人が得るべき教訓は、常に理性的に行動し、決して感情的にならないこと。そして、無責任な左右のナショナリズムを排しながら、普遍的価値を尊重する勢力との連携を貫くことの重要性である。(CIGS研究主幹・宮家邦彦みやけ くにひこ)

ケリー氏「望んでいたのと違う」英離脱に失望感(読売N)


 【ワシントン=大木聖馬、マドリード=三好益史】米国のケリー国務長官は26日、訪問先のローマで、イタリアのジェンティローニ外相と会談し、英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めたことを巡り、対応を協議した。
 ケリー氏は会談の冒頭、英国の決定について「望んでいたのとは違う方向だ」と失望感を示した。その上で「最も重要なことは(EUの)分裂を最小化する方法があることを市場に理解させるため、すべての指導者ができる限り協働することだ」と述べた。ケリー氏は27日にブリュッセルとロンドンを訪問し、各国外相らと対応策を練る。

EU離脱、バラ色のはずが…旗振り役が「公約」を反故(朝日N)


 国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国で、離脱派が語っていた「バラ色の未来」が急速に色あせている。旗振り役の主な政治家が、投票に向けた運動で語ったことの誤りを認めたからだ。「公約」を反故(ほご)にするような動きに、残留派からは不満が噴出している。

 離脱派は運動中、EUを離脱した場合、英国がEUに拠出している負担金が浮くため、財政難にあえぐ国営の国民保健サービス(NHS)に「週当たり3億5千万ポンド(約480億円)を出資できる」としていた。離脱運動の公式団体の宣伝バスに大きく印刷され、スローガンとなった。
 指導者の一人、英国独立党(UKIP)のファラージ党首は24日に英メディアで、負担金の予算が浮くと主張したが、その使途は確約できないと語った。このスローガンは「離脱派の過ちだった」とも発言した。
 保守党のダンカンスミス元党首も26日、出演した英BBCの番組で「自分は言ったことはない」と発言。NHSのほか、教育予算や研究助成金に上乗せできるとした主張は「あくまでも可能性の話」と述べた。
 こうした動きに、親EUで若者の支持率が高い自民党のティム・ファロン党首は、「離脱派キャンペーンはうそによって人々の怒りをあおった」と批判した。

新鋭戦闘艦もハワイ訓練参加=対艦ミサイル発射試験も-米海軍(時事N)


 海上自衛隊などが参加するハワイ沖での環太平洋合同演習(リムパック)に、対艦ミサイルを搭載した米海軍新鋭の沿海域戦闘艦「コロナド」(全長128メートル、3000トン)が参加することが28日、日米関係者への取材で分かった。リムパックは中国を含め27カ国が参加し、今月30日から8月4日まで実施される。
 演習後、コロナドは西太平洋に展開。横須賀基地(神奈川県)を拠点にする米第7艦隊などと合流し、中国が海洋進出する南シナ海などで警戒監視に当たる。
 コロナドは三つの船体から成る三胴船で、高速で水深が浅い沿岸でも特殊作戦などの任務に就けるのが特長。装備を入れ替えることができ、海軍によると、今回は初めて対艦ミサイル「ハープーン」(射程約180キロ)を搭載し、リムパックで発射試験を行う。
 南シナ海で任務に就く上で、機動性だけでなく、水上艦を攻撃できる戦闘能力があることを示し、中国をけん制する狙いがあるとみられる。
 ヘリコプター型の無人偵察機MQ8「ファイアスカウト」(全長約7メートル)も積み、中国艦などの情報収集に投入するとみられる。同機は1回の飛行で約5時間滞空できる。

参院選と社会保障 枠にとらわれぬ改革案を(産経:主張)


 少子高齢化で揺らぐ社会保障制度を維持、機能させる構想がいる。国民がもっとも聞きたい点に、明快な答えを出している政党はあるか。
 高齢化はこれからが本番で、消費税率が10%になっても、伸び続ける社会保障費をすべて賄うことはできない。支払い能力に応じた負担をさらに進め、本当に必要とする人にサービスを重点配分する制度に見直さねば早晩、行き詰まる。
 負担増などの「痛み」を伴う改革から逃げてはならないのはもとよりだ。少子高齢社会を乗り切るには、社会保障制度の枠内にとらわれず、交通や住宅政策などと組み合わせた展開も求められる。
 各党には、数十年先を見すえた広範な視点からのアイデアを競ってほしい。
 ここまでの各党の発言は、消費増税再延期に伴う影響に論点が集中している。安倍晋三首相は1億総活躍プランに盛り込んだ保育と介護の受け皿の拡大や処遇改善を優先する姿勢を見せる。民進党の岡田克也代表は無年金・低年金対策の必要性を強調する。
 相変わらず、選挙戦に不利になるとの思惑から「痛み」について正面から取り上げているとはいえない。大きな選挙のたびに、安定財源も示さないまま充実策を打ち出す。その姿勢自体が国民の「将来不安」の原因となってきたことにも気付くべきだ。
 今、求められているのは、少子高齢化が進んだ先に待ち受ける社会保障の姿だ。どこまでサービスをカットし、保険料などの増額を求められるか。その見通しが立たないため、制度自体への信頼が損なわれている。
 一方で少子化対策など拡充すべき分野もある。必要とする人にサービスが行き渡らないのでは元も子もない。こうした事態を避けるためにも、年金の支給開始年齢の引き上げや、人口減少の進み具合に合わせてデフレでも年金額を自動的に下げる仕組みの導入が急がれる。病床機能の再編でも、医療費をさらに縮減できるはずだ。
 在宅医療・介護の受け皿となる地域包括ケアシステムは十分に定着していない。住民やボランティアの力をどう引き出すか。
 働き手世代が激減していく時代に、国家は社会保障サービスをどこまで提供し続けられるのか。各党には、そうした骨太な議論に挑んでもらいたい。

各党政策比較(1)憲法 「自衛隊=違憲」の共産と統一戦線を張る矛盾に、弁明強いられる民進(産経:参院選)


7月10日投開票の参院選では、自民、公明両党におおさか維新の会などを加えた「改憲勢力」が、憲法改正の国会発議に必要な3分の2以上(162議席)を獲得するかどうかが焦点だ。民進、共産、社民、生活の4野党は「安倍晋三政権下での改憲阻止」で結束するが、自衛隊の存在を違憲とする共産党とともに民進党が統一戦線を張ることの矛盾の指摘に対しては、弁明を強いられている。
 安倍首相「共産党は日米同盟廃棄、自衛隊は違憲(との主張)だとはっきり認めましたよね」
 共産党の志位和夫委員長「今の問題ではない。今問われているのは自衛隊を日本への武力攻撃がなくても海外の戦争に従事させていいかどうかだ」
 24日のTBS番組「NEWS23」。首相は共産党が民進党などと手を組むことの矛盾を厳しく追及した。公明党の山口那津男代表やおおさか維新の会の松井一郎代表、新党改革の荒井広幸代表が首相に加勢し、議論はヒートアップした。
 山口氏「(自衛隊が)違憲なら急迫不正の侵害が起きたとき何もしないのか」
 志位氏「急迫不正の侵害や大災害があったら国民の命を守るのは当たり前だ。将来の展望として9条を完全実施(自衛隊解散)する」
 岡田氏は「(自衛隊は)違憲だとする社会党(当時)の村山富市氏を(連立政権で)首相にしたのはどういうことか」と反撃を試みたが、首相は「村山氏はただちに(合憲だと)認めた」と切り返した。
21日の日本記者クラブ主催の9党首による公開討論会では、自衛隊活用を主張することの矛盾を報道陣に問われた志位氏は、「矛盾を作ったのは(過去の)自民党政治だ」と弁明した。
 共産党の藤野保史政策委員長も26日のフジテレビ系「新報道2001」で、出演者から「個別的自衛権を行使するときに命をかける自衛隊員がいる。その方々に対して『あなた方がやっていることは憲法違反だ』といえるのか」と追及されると、「だからこれは矛盾なんですよ」と認めた。
 実際、4野党は憲法観をめぐる隔たりが大きい。
 民進党は9条改正に反対を打ち出す一方で、「時代の変化に対応した未来志向の憲法を国民とともに構想する」と明記し、改憲自体には反対ではない。
 共産、社民両党は改憲に強く反対している。共産党は「日本国憲法の前文を含む全条項を守る」とし、社民党も「平和憲法を変えさせない」と記した。

 ただ、自民党も具体的な改憲項目にまで踏み込んで改憲を訴えてはいない。参院選公約では自主憲法の制定は党是としつつ、「衆参両院の憲法審査会で議論を進め、各党と連携を図り、国民の合意形成に努め、憲法改正を目指す」と記すにとどめた。野党時代の平成24年4月に憲法改正草案(全102条)を策定。草案には国防軍を創設する9条改正や、改正発議要件を緩和する96条改正を明記したが、改憲を求める世論は十分に高まっていないとの判断からだ。
 「憲法審査会で真剣に静かに議論をし、(国民投票で)国民の信を得なければならない。やみくもに争点にしろというのはおかしいのではないか」
 首相は参院選公示日の22日夜、NHK番組でこう述べた。参院選後の秋の臨時国会で憲法審査会の議論を本格化させ、平成30年9月までの任期中に改正させたい考えだ。(田中一世)

憲法改正 超党派の合意形成を追求せよ(読売:社説)


 憲法は70年近く一度も改正されていない。改憲勢力が参院の3分の2を占めれば、改正が一気に進むかのような簡単な話では、決してない。
 まずは具体的な改正項目の議論を冷静に深め、幅広い政党の合意形成を目指すことが肝要だ。
 参院選で、憲法改正が重要な論点の一つになっている。だが、今の議論は浅薄で、物足りない。
 自民、公明の与党は争点化を避けている。民進、共産など野党4党は、一方的に「改憲勢力の3分の2を阻止」と唱え、「争点隠し」などと与党を批判するだけだ。
 安倍首相は「条文をどう変えるかを決めるのは国民投票だ」と述べ、具体的な改正項目の議論は選挙になじまないとの考えを示した。
 公明党の山口代表も、「国民に選択肢を示す争点としては、まだ成熟していない」と指摘する。
 自民党公約は「各党との連携を図り、あわせて国民の合意形成に努め、憲法改正を目指す」と素っ気なく、公明党は言及がない。
 これだけ注目されている以上、自民党は、なぜ改正すべきか、きちんと説明するのが筋だろう。
 おおさか維新の会は、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所設置の3項目の改正を掲げる。日本のこころを大切にする党は、国家緊急権の規定整備、改正発議要件の緩和など4項目を主張する。
 自民党は従来、緊急事態条項の創設などを優先してきた。
 改正に前向きな党も、各論では必ずしも一致していない。
 疑問なのは、民進など4野党の対応である。勝手に9条改正を前提に据えて、日本が危険な道に進むかのように非難し、煽あおり立てるのは責任ある態度ではない。
 民進党は公約で、「憲法の平和主義を守り抜く」と訴える一方、「未来志向の憲法を国民とともに構想する」と掲げた。民主党時代から「未来志向の憲法を構想する」と言い続けながら、何ら具体案を示さないのは怠慢ではないか。
 共産、社民両党は護憲の立場を強調する。共産党が自衛隊を「違憲」と決めつけつつ、活用する方針を示すのは重大な矛盾だ。
 仮に与党とおおさか維新などが3分の2の議席を得ても、改正には多くの高いハードルが控える。改正項目の絞り込みと発議、国民投票での過半数の賛成などだ。
 参院選後に本格的に議論するうえでも、与党は選挙戦で、どんな改正項目を重視するのかを示しておくべきではないか。

英国民投票 外務省「大変なことになった」(NHK)


外務省幹部は、NHKの取材に対し、「経済的にも政治的にも、国際社会を揺さぶる結果で、大変なことになったと受け止めている。今後、日本への経済的な影響を中心に投票結果の分析を行うとともに、EUの反応などを注視して、日本政府としても、対応を検討しなければならない」と述べました。

外務省の杉山事務次官は、午後1時すぎ、外務省で記者団に対し、「日本政府として、EUへの残留を望んでいたので、まことに残念だ。今後、さまざまな影響が出てくると思うので、来週早々に開かれるEUの理事会での決定などを見ながら、外務省として、適時、的確な対応をすべく、緊張感とスピード感を持って、ただちに検討を始めたい」と述べました。

防衛費は「人殺す予算」と共産・藤野氏=不適切と撤回、自民など批判(時事N)


 共産党の藤野保史政策委員長は各党の政策責任者が討論した26日のNHK番組で、防衛費について「人を殺すための予算」と発言した。藤野氏は番組の中で、自民党などからの発言撤回の要求に応じなかったが、終了後に「不適切であり、取り消す」としたコメントを発表した。
 藤野氏は、国民生活をめぐる議論の中で「(2016年度予算で)軍事費は戦後初めて5兆円を超えた。人を殺すための予算ではなく、人を支え育てる予算を優先する改革が必要だ」と述べた。これに対し、自民党の稲田朋美政調会長は「言い過ぎだ」と反論。公明党の石田祝稔政調会長らは発言の取り消しを求めた。
 これに関連して、共産党の志位和夫委員長は26日、京都市内で記者団に対し、藤野氏に対して注意したことを明らかにした。一方、安倍晋三首相は長野県安曇野市での街頭演説で、「泥にまみれても、雨にぬれながらも頑張っている自衛隊に対して極めて失礼な侮辱だ」と述べ、藤野氏を批判した。

菅直人内閣の絶望的な政治の風景を決して忘れまい(産経:阿比留氏の偏向ざんまい)


 ちょっと前の話だが、どうにも気になるので書いておく。2015年5月24日付朝日新聞朝刊の対談記事で、杉田敦法政大教授と長谷部恭男早稲田大教授が語っていたセリフについてだ。
 長谷部氏といえば、憲法学者(参考人)として招かれた衆院憲法審査会で安全保障関連法案を「違憲」と断じ、一躍時の人になった人物である。
 杉田氏「民主主義とは、選挙で選ばれた代表による、いわば期限付きの独裁なのだ-という安倍・橋下流の政治観が支持を広げているようです」
 長谷部氏「(前略)戦後は、全権力が国民に移ったのだから、国民に選ばれた政治家が憲法に縛られるなんておかしいというのが『期限付き独裁』の発想でしょう」
 両氏は安倍晋三首相の政治観を勝手に決め付けて議論を進めていたが、「期限付き独裁」論は菅直人元首相が盛んに口にしていた持論である。
 菅氏は副総理時代の10年3月、参院内閣委員会でこう答弁している。
「議会制民主主義というのは期限を切ったあるレベルの独裁を認めることだ。4年間なら4年間は一応任せると」
 また、菅氏は09年11月の参院内閣委では憲法の三権分立の原則も否定し、「これまでの憲法解釈は間違っている」とも述べている。
 そもそも「政治主導」を掲げた民主党政権は、学者の意見に耳を傾けるどころか野田佳彦内閣の途中まで内閣法制局長官の国会答弁すら認めず、代わりに法令解釈担当相を置いていた。
「憲法解釈を専門家の指摘も無視して、一方的に都合よく否定するという姿勢は、法の支配とは対極そのものだ」
 民主党の枝野幸男幹事長は6月11日の衆院憲法審査会でこう主張した。とはいえ、鳩山由紀夫内閣で法令解釈担当相を務めた枝野氏は、10年6月の朝日新聞のインタビューでは「行政における憲法の解釈は恣意的に変わってはいけないが、間違った解釈を是正することはあり得る」とも語っていた。
 また、菅内閣で法令解釈担当相に就いた仙谷由人元官房長官も就任時の記者会見でこう明言している。
「憲法解釈は政治性を帯びざるを得ない。その時点で内閣が責任を持った憲法解釈を国民、国会に提示するのが最も妥当な道だ」
 だが当時、憲法学者らが民主党政権への危機感に駆られ、強い批判の声を上げたという事例は、寡聞にして知らない。メディアもおおむね民主党政権の「政治主導」には優しかった。
 いくら何でも菅氏と一緒にされたら、安倍首相もさぞ迷惑だろう。
 現在、国会では安倍首相や中谷元防衛相らの答弁が「長すぎる」「全く質問に答えていない」などと非難を浴び、国会対策上の駆け引きなどで野党が審議拒否を行うこともたびたびだ。そうした光景を眺めると、つい数年前の国会を思い出してかえって「牧歌的だな」とすら感じる。
 菅内閣は10年10月、閣僚が国会で虚偽答弁を行った場合の政治的・道義的責任について質問主意書で問われて、こんな答弁書を閣議決定したのだった。
「内容いかんによる」
 つまり、閣僚が国権の最高機関たる国会で堂々と嘘をついても、必ずしも問題ではないということを、当時の菅首相と全閣僚が署名して決めたのである。これでは政府答弁など何も信用できない。
 あのころの絶望的な政治の風景を、決して忘れまい。

6月26日(産経抄)


 英国人は「右向け右」の付和雷同を好まない。何事をなすにも一致協力が不得手で、他者とは距離を置きたがる。個人主義の国で学んだ経験を持つ数学者、藤原正彦さんが自著『遥かなるケンブリッジ』(新潮文庫)にそんな所感を残していた。
 ▼『ハムレット』にも「誰かれかまわず握手して、手の皮を厚くするな」のセリフが出てくる。悲劇や喜劇の背骨をなす独特のユーモアも、自分と物事を隔てる「距離感」があってこそ成り立つのだろう。グローバル化の潮流の中では厄介な国民気質というほかない。
 ▼勝者の言葉によれば「独立記念日」という。欧州連合(EU)との「距離感」を問うた英国の国民投票は、離脱派が残留派を上回った。各国の首脳や識者が離脱に伴う「深刻なリスク」を説いてきたにもかかわらず、欧州大陸と距離を置くことがよほど大事らしい。
 ▼EU内での負担に見合う利益を得られず、移民に職を奪われる。実利重視の国からすれば、忍従の日々に鼻持ちならぬ憤りはあったろう。国際秩序と巨大経済圏の主軸から降りる選択はしかし、金融市場の動揺という最悪の結果を招いた。浅慮のそしりは免れまい。
 ▼EUの混乱にほくそ笑んでいるのは、腕力で国際秩序を挑発するロシアや中国ではないか。米大統領選で極端な孤立主義を説いて譲らぬトランプ氏を利することにもなりかねない。時宜をわきまえぬ「右向け左」が英国流なら、これほどたちの悪いユーモアはない。
 ▼「距離感」を求める動きはフランスやオランダなどの極右政党にも勢いを与えよう。国民投票で離脱を問う声が早くも聞こえる。握手した手を引っ込めれば、相手は虚空をつかむほかない。さまよう右手が世界の行く末を暗示していなければいいが。

「日本は一夜で核武装可能」…習氏に米副大統領(読売N)


 【ワシントン=尾関航也】バイデン米副大統領は今月20日行われた米公共テレビPBSのインタビューで、中国の習近平シージンピン国家主席との会談の際、自らが「日本は実質的に一夜で核武装できる能力を持っている」と発言したことを明らかにした。
 習氏との会談の時期については不明。バイデン氏は会談での協議内容を紹介する形で自らの発言を明かした。習氏に「もしも明日、日本が核武装したらどうなる」と問いかけ、北朝鮮の核・ミサイル開発を放置すれば、日本が核武装を選択するかもしれないと警告することで、北朝鮮の説得に協力するよう求めたという。

小池元防衛相 都知事選は党内の状況踏まえ判断(NHK)


来月の東京都知事選挙を巡って、自民党の小池百合子元防衛大臣は、党の東京都連に所属する国会議員らから立候補を要請されたのを受けて、24日、候補者擁立に向けた党の調整状況なども踏まえて判断したいという考えを示しました。
東京都の舛添前知事の後任を決める都知事選挙を来月に控え、自民党の小池元防衛大臣は、23日、党の東京都連に所属する衆議院議員や都議会議員らから立候補を要請されました。
これを受けて、小池氏は24日、東京都内でNHKの取材に対し、「地元でも、ずいぶん立候補を求める声をいただいており、そうした熱い思いは、とても光栄で、しっかり受け止めたい」と述べました。
そのうえで小池氏は、「参議院選挙は始まっていて、都知事選挙まであまり時間がない段階であり、候補者は全体的な流れの中で判断されていく。私は自民党の衆議院議員なので、そういうことも含めて総合的に判断することが必要だと思う」と述べ、候補者擁立に向けた党の調整状況なども踏まえて判断したいという考えを示しました。

英に早期離脱交渉要求 波及を警戒(毎日N)


【ベルリン中西啓介】英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を選択したことを受け、ドイツ、フランス、イタリアなどEU前身組織の原加盟6カ国の外相が25日、ベルリンで会合を開き対応を協議した。離脱派勝利により世界経済の先行きに不透明感が拡大しており、6カ国外相は英国に対し、できる限り早期に離脱交渉を開始するよう求めた。また、国民投票実施が他の加盟国に連鎖することを懸念し、共同声明では英国を除く27カ国の連携と協調に全力を挙げる方針を確認した。

外相会合、協調確認
 会合には独仏伊のほか、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの外相が参加した。シュタインマイヤー独外相は「(英国離脱という)欧州統合の転換点を、互いの意見に耳を傾けるチャンスにしなくてはならない」と述べ、EUが移民・難民問題や若者の失業問題などで解決能力を示すことが重要だと訴えた。
 キャメロン英首相は10月の保守党大会までに次期首相を選び、EUとの離脱交渉を任せる方針を示している。週明けの27日に閣議を招集して今後の対応を決める考えだ。だが、長期化が必至の交渉が世界同時株安を招き、英国に進出するEU企業にも不安が広がっている。シュタインマイヤー氏は「英国が決断した今、可能な限り早く離脱のプロセスが開始されるべきだ」とし、エロー仏外相も「新首相任命は喫緊の課題だ」と、離脱による影響を最小限にとどめるよう英国に迅速な対応を求めた。
 英国では移民問題などでEUが加盟国の決定権を奪い、政策を押しつけているという反発が離脱支持につながった。共同声明では「加盟国間で欧州統合への熱意に差異があることを認識すべきだ」と明記。金融危機で緊縮財政を強いられたギリシャや、難民問題で反発を強めるハンガリーなど東欧諸国に配慮を示した。
 英国の投票結果を受け、他国でも反EU政党が国民投票を目指す動きを強めている。仏極右政党「国民戦線」やデンマーク第2党「デンマーク国民党」などは、EU離脱を問う国民投票の実施を要求。EU欧州委員会のユンケル委員長は25日の独紙ビルトで「大衆迎合主義者たちは反EU政策を広めるチャンスをみすみす見逃すわけがない」と述べ、離脱が現実味のある政治議論になることに強い懸念を表明した。
 一方、メルケル独首相は25日、英国との今後の交渉について「交渉が実務的に行われることを望んでいる」と話し、離脱後もEUと英国との間で政治的・経済的友好関係が維持されることが重要との認識を示した。メルケル氏は27日夜、オランド仏大統領、レンツィ伊首相、トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)とベルリンで会談し、離脱問題への対応を協議する。

 【ことば】欧州連合(EU)拡大の歴史
 仏、西独、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの6カ国が1952年、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)を設立。67年に欧州共同体(EC)が発足し、英国、アイルランド、デンマークが73年に加盟。80年代にギリシャ、スペイン、ポルトガルも加わった。93年にEU発足。95年にオーストリアなどが参加。2004年に東欧やバルト諸国などの計10カ国が加盟し、13年のクロアチア加盟で計28カ国となった。

新聞各社の序盤情勢、5紙が「改憲勢力3分の2うかがう」 与党に勢い…民進は伸び悩み(産経N)


 新聞各紙は24日付朝刊で一斉に参院選の序盤情勢を報じた。いずれも安倍晋三首相(自民党総裁)が勝敗ラインと設定した与党の改選議席過半数(61)を達成するとし、自民、公明の与党やおおさか維新の会などの改憲勢力が憲法改正の国会発議に必要な3分の2の確保を「うかがう」とした報道も目立った。
 メイン見出しをみると、産経新聞は「改憲勢力3分の2うかがう」とし、改憲勢力が今回の改選で必要な78議席に届く可能性を伝えた。朝日、毎日、東京も「うかがう」との見出しで報じた。日経は、自民党が単独過半数の勢いであるとの見通しを示した。
 産経は、全国に32ある改選数1の「1人区」についても自民党が22選挙区で先行と報道。毎日は26、朝日は20とし、いずれも自民党の優勢を伝えた。一方、全てで統一候補を擁立した民進、共産、社民、生活の野党4党は1人区で低迷し、民進党だけでは30議席前後で伸び悩むとの見通しで一致した。
 各紙ともほぼ同じ傾向が表れた序盤情勢だが、態度未定の有権者が多い上、7月10日の投開票日まで情勢は流動的だ。
 平成26年12月の衆院選では、各紙とも序盤情勢を伝える記事で自民党が300議席を超える勢いであると報じた。だが、結果は291議席にとどまり、劣勢と報道された政党や候補者に支持が流れる「アンダードッグ効果」が働いたとみられている。

正義と偽善を両にらみ 国民の政治意識は成熟できるか 日本大学教授・先崎彰容(産経:正論)


 過日、出演したBSフジ「プライムニュース」への反響は大きかった。来る参院選挙に向けて、しかも東京都知事の辞任で騒がしい中、「そもそも日本で、民主主義とは何なのか」を論じ合うという企画である。番組は公示を前に、近視眼的な選挙から一度目を離して、民主主義や二大政党制はこの国になじむのかといった文明論的な議論に焦点を当てていた。
 もう一人の論客は慶応大学の片山杜秀氏。『国の死に方』『未完のファシズム』(ともに新潮社)で著名な日本思想史の碩学(せきがく)である。胸を借りよう、そしてこの国のあり方について論じ尽くそうではないか。フジテレビの門をくぐりながらこう決意していた。

≪投票率上昇は無条件に正しいか≫
 筆者の中で、大きな論点は2つあった。第1に、今回の選挙では、18歳から投票が可能になることが注目されている点だ。大学でまさしくその年齢の学生を教えていることもあり、授業では6月2日付産経新聞埼玉版の記事を教材にした。地方版である以上、話題は国政選挙ではない。平成27年8月に行われた埼玉県知事選の投票率が、わずか26・63%であったこと。これをふまえて、埼玉大学の学生が、自らの手で企画を練り、新座市の十文字学園女子大学へと出向き、今回の参院選について考えるという内容の記事である。
 大方の人は「若者の政治意識をどう向上させ、選挙に行くようにするか」が狙いだと思うことだろう。しかし筆者は、まったく違う論点を話し合うためにこの教材を用いた。それは何か。
 若者の投票率が低いと、相対的に高齢者の投票率が高くなる。結果、若者の政治への声は反映されず、高齢者に媚(こ)びるような対策が多くなる傾向がある。ここまでは学生たちでも答えられる。事実、大半の学生は投票率が低いことの問題点を、以上のように答えた。
 論点が一通り、出そろったところで、筆者は次にようにまとめた。「確かに諸君の意見は全くの正解である。しかし、あえて疑問を付け加えるならば、新聞を含め諸君の意見はすべて『投票率が上がることは無条件に正しい』という前提に立っている。しかしこれは本当なのだろうか」-。

≪つきまとう危険性を認識せよ≫
 大学という場所は、恐らく学校教育で、はじめて正解のない問題に取り組む場所である。よって、あらゆる前提を一度は疑う訓練を行うべきだと筆者は考える。もし20%そこそこの投票率が、一気に90%にまで跳ね上がったとしよう。それは「本当に」喜ぶべき事態なのだろうか。民主主義の成熟がおこったのだろうか。
 おそらく事態は逆なのだ。投票率が異常な伸びを示したとき、そこには人びとの熱狂を誘うようなカリスマの登場や、聞こえのよいデマゴギーがきっとあるに違いない。何かに駆り立てられ、雪崩をうって投票する場合も、人間にはあるからだ。だとすれば、民主主義とそれを支える投票という行為には、常に危険性が張り付いているということだ。表と裏、正義と偽善、善と悪。この正解のない問題をつねににらんでいることが重要なのではないか。成熟した政治意識というものではないのか。以上が第1の論点である。

≪二大政党制実現の最終テスト≫
 さらに大学の授業を離れて、第2の論点を述べよう。
 「一強多弱」が叫ばれる今回の選挙では、多弱が共闘することで、一強の自民党に対峙(たいじ)する姿勢を示せるか、つまり勝てるかどうかが論点になっている。その際、共闘する大義名分は「立憲主義の擁護」あるいは「安保法制絶対反対」などのイデオロギーである。
 重要なのは、この共闘が、今回だけの一時的な選挙協力に終わるのか、あるいは多弱が本当の一大政策集団となり、日本に「二大政党制」が実現するのかどうかという点にある。今回の参院選の論点のもう一つは、この二大政党制が日本に本当に実現するのかという最終テストという点にあるのだ。
 ここ1年のデモを含めた、いわゆる「政治の季節」は、しばしば60年安保闘争と比較されたが、それは少し勇み足である。注目すべきは1993年、細川護煕連立政権時代にあった。この政権を背後で支えた小沢一郎氏は、このとき冷戦崩壊を目の当たりにし、国内での55年体制の終結もふまえて本格的な日本改造の必要性を訴えた。そして選挙制度改革、すなわちアメリカモデルの二大政党制を目指したのだ。
 ここに前年誕生した大前研一氏の「平成維新の会」が、規制緩和と地方分権を唱えて登場したことを思いだせば、十分というものであろう。今回の選挙は、実はこの小沢氏が仕掛けた日本改造の範疇(はんちゅう)に、いまだこの国の政治があることを教えてくれるのである。
 以上、2つの論点はいずれも抽象的で直接、選挙には関係をもたない。しかし、即時性を重視するテレビという枠の中で、こうした議論を十分に許してくれたことに筆者は気分が良かった。片山氏も同じ感想を口にし、帰りのエレベーターの中で談笑したのである。(日本大学教授・先崎彰容 せんざき あきなか)

英「EU離脱」多数、首相10月までに辞任意向(読売N)


 【ロンドン=本間圭一】欧州連合(EU)に残留すべきか離脱すべきかを問う英国民投票の結果は24日確定し、離脱支持が過半数に達した。
 残留を訴えてきたキャメロン英首相はロンドンでの演説で、10月までに辞任する意向を表明した。新首相がEUとの離脱交渉の開始を判断することになる。英国が脱退すれば、1993年に発足したEUからは初めてとなり、深化を続けてきた統合の歴史は大きな転換点を迎える。英国、EUともに影響力の低下は必至で、国際情勢、世界経済ともに不安定化する恐れが出ている。
 英選管によると、開票は23日夜(日本時間24日朝)から382地区で行われ、離脱が1741万742票(51・9%)、残留が1614万1241票(48・1%)だった。投票率は72・2%。EU諸国への輸出が多いスコットランドでは、離脱に伴う輸出手続きの煩雑化などを嫌って残留支持が多かったが、経済が疲弊する地方都市の多いイングランドやウェールズでは離脱支持が上回った。

正々堂々と政策を問え(朝雲:時の焦点)


7・10参院選
 今年のプロ野球は、見ていて白ける場面が目立つ。新たに導入されたコリジョン(衝突)・ルールのせいだ。
 日本プロ野球機構(NPB)の規則改正によると、走者は本塁で守備する選手への接触を狙って走るとアウトになる。捕手がボールを持たずに走者の走路をブロックするとセーフになる。
 本来は選手の「意図」が問題なのに、審判の裁量権はないに等しく、すぐビデオ判定となる。各球団とも「抗議をしないのは損」(広島の緒方孝市監督)という態度だから、クロスプレーは必ずビデオ判定となり、審判の宣告がしばしば覆る。選手の側が最初からクロスプレーを避ける副作用も顕著で、野球の醍醐味は失われるばかりだ。
 本末転倒の衝突回避の現象は、政治の世界でも起きている。
 7月10日投開票の参院選では、野党が憲法改正の是非を「最大の争点」と訴えると、与党は「争点ではない」とかわし、本塁から離れた場所での言い合いが続く。論点がかみ合ってクロスプレーになると、民進党は過去の主張との矛盾に触れざるを得ず、与党は評判の悪い自民党憲法改正草案の説明をしなければならず、どちらも選挙には不利と見ているからだ。
 労働政策や社会保障政策でも、野党が「同一労働同一賃金」「保育士の待遇改善」を掲げて本塁に突っ込もうとすると、安倍晋三政権は類似の政策を打ち出して争点潰しを図る。クロスプレーになればよりいい政策が生まれることもあろうに、審判たる有権者が「野党が体当たりした」と見るか、「政権側がブロックした」と判定するかが分からないため、与野党とも深入りしない。
 選挙で正面から政策を問わず、選挙のために政策を手控え、曲げることが当たり前では、日本政治の未来は暗い。その背景の一つにあるのは、選挙制度の問題だろう。
 1人しか当選しない衆院の小選挙区や参院の1人区は、対立が激化しやすく、ポピュリズムにつながり、不人気政策を避ける空気が正当なコリジョンまで遠ざける。衆院小選挙区比例代表並立制度の導入から四半世紀近くが過ぎ、人口減で参院の1人区は増えるばかりなのに、選挙制度改革も「票にならない」ゆえ、小手先の「1票の格差是正」や、人気取りの「議員定数の削減」にすり替わってしまう。
 NPBが手本にした米大リーグのルールは、ニュアンスが相当に違う。不可抗力による衝突は反則とせず、審判の大きな裁量権も認めている。NPBは選手の「意図」を審判が判断するより、杓(しゃく)子(し)定規にビデオで判定した方が面倒がないとでも考えたのだろうか。選手と審判に対する信頼が感じられない。
 正々堂々とぶつかり合うことで、人々の心は動く。衝突を恐れていては何も生まれない。野球や政治に限らず、全てに通じることだ。
東雲 次郎(政治評論家)

小池元防衛相 都知事選は党内の状況踏まえ判断(NHK)


来月の東京都知事選挙を巡って、自民党の小池百合子元防衛大臣は、党の東京都連に所属する国会議員らから立候補を要請されたのを受けて、24日、候補者擁立に向けた党の調整状況なども踏まえて判断したいという考えを示しました。
東京都の舛添前知事の後任を決める都知事選挙を来月に控え、自民党の小池元防衛大臣は、23日、党の東京都連に所属する衆議院議員や都議会議員らから立候補を要請されました。
これを受けて、小池氏は24日、東京都内でNHKの取材に対し、「地元でも、ずいぶん立候補を求める声をいただいており、そうした熱い思いは、とても光栄で、しっかり受け止めたい」と述べました。
そのうえで小池氏は、「参議院選挙は始まっていて、都知事選挙まであまり時間がない段階であり、候補者は全体的な流れの中で判断されていく。私は自民党の衆議院議員なので、そういうことも含めて総合的に判断することが必要だと思う」と述べ、候補者擁立に向けた党の調整状況なども踏まえて判断したいという考えを示しました。

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