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トランプ当選にみる米メディアの失態 建前の押しつけが米国民の反感を呼んだ 東京大学名誉教授・平川祐弘(産経:正論)


マスコミの予測を覆してトランプ氏が大統領に選ばれた。米国メディアの総力をあげてのクリントン氏支持が敗れたこの大逆転が本年最大のニュースだが、目にとまった日本の関連報道は木村太郎氏出席のプライムニュース(BSフジ)だ。

 ≪メディアがおかした大失態≫
 木村氏はトランプ氏当選を前から堂々と予告し続けた。記者生命をかけてクリントン氏落選を想定し公言し続けたに相違ない。そんな報道人であればこそワシントン日本大使館の情報収集能力の責任を木村氏は問えるのだ。
 テレビではデーブ・スペクター氏が負け惜しみを述べまくったが、この米国のリベラルまがいの主張を木村氏は穏やかな口調で論破し、米国メディアの構造的偏向を語った。フェミニストはヒステリカルにトランプ氏を女性関係で非難したが、クリントン氏の腐敗と比べて取るに足らない、片方は国政レベルの問題で深刻さが違う-木村氏にそういわれて、なるほどと肯(うなず)く。メディアの「トランプたたき」に世間は食傷した。だからこそ女性たちも結構トランプ氏に票を投じたのだ。
選挙結果が判明するや『ニューヨーク・タイムズ』は「トランプ氏勝利」よりも「リベラルの落胆」を報じたが、これはないだろう。かくいう私はクリントン氏支持だったが、それは米国のアジア政策が変われば大変と思うからである。しかし大統領当選者やその支持者をそっちのけにした見出しは見苦しい。木村氏がそれをテレビ画面に示したときは苦笑した。
 かねて米国紙の日本関連記事の偏向が苦々しかっただけに、この米国メディアの瓦解(がかい)という大失態に快感すら覚える。マスコミを信用せぬ米国民衆の力は不気味だが、それが痛快に感じられたのは、いってみれば日本で『朝日新聞』の慰安婦関連報道の偽善が暴露された際に覚えた勝利感に似ていた。あれで日本のメディアの大瓦解は始まった。

 ≪人間の本音を見抜いた木村氏≫
 米国生まれの木村氏は複眼で観察し、イデオロギーにとらわれず、NHKでも公平にニュースを語ったが、米国メディアの欠点を見抜いた報道人がわが国にいたとは頼もしい。木村氏に説得力があるのは報道界を金縛りにした、建前としての正義にとらわれず、人間の本音を見抜いたからだ。いま内外にまかり通る「政治的公正(ポリティカル・コレクトネス)」なる建前の偽善性の例を二、三あげよう。
 「信 これが日本国憲法第20条で、ごもっともだが、それを踏まえて、公共建物の建築に際し、神主を呼んで地鎮祭を行うのは憲法違反だと訴訟を起こす勢力があった。そのころ施工後十数年のさるミッション・スクールの校舎が傾いた。地鎮祭をしなかったたたりと噂がささやかれた。工事発注責任者の事務長が「いやお祓(はら)いはきちんとしました」とやっきになって釈明した。そこまでは他愛もない笑い話だが問題はその先だ。
 憲法には「いかなる宗教団体も、国から特権を受けてはならない」とある。だが宗教系の私大は国から平気で補助金を受けている。傾いた学校も財政もそれで立て直した。
 もっとも裁判所も地鎮祭は風俗の一部で政教分離の原則に抵触しない、と常識的な判決を下した。自衛隊の護衛艦には神棚はあるが違法ではない。そこは憲法の解釈も運用も弾力的なわが国かと思ったが、違う。昭和天皇御大喪の際、鳥居は神道だからとして建てさせなかった。そんな厳密な建前を言い張る役人もいるのである。
 天皇は神道の大祭司である。伊勢神宮の祖神に連なる天皇の即位後の第一の伝統的儀式は大嘗祭(だいじょうさい)だが、敗戦後、わが国の政府は、宮中祭祀(さいし)は天皇の私的宗教行為と分類した。本当にそれでよいのか。そんな解釈は日本の国柄を軽んじていないか。だが大嘗祭を国が行えば、政教分離に反すると騒ぐ人は必ずや出るだろう。

≪建前の押しつけは心寂しい≫
 今回の選挙で米国の民衆が反発した最大の理由は、政治的公正の押しつけに対する反感だと木村氏は指摘する。英国では女王がクリスマスにお言葉を述べるが、昔からの習いで苦情を言う人はいない。だがオバマ政権下の米国では公共の老人ホームでのクリスマス・ツリーは自粛された。政教分離を厳密公正(コレクト)に行えという政治的主張に圧されて、キリスト教のシンボルの樹は建てさせなかった。そんな厳密な建前を強いることは何か心寂しくないか。
 ぎすぎすした主張のごり押しは反感を呼ぶ。そうした公正派の疑似正義にいやけをさした人が、今度の選挙でトランプ氏に投票したというが、米国の偉大さの復活を唱えるトランプ氏の第一の儀式は、多人種・多宗教の米国の大統領就任式だが、壇上でキリスト教の聖書に誓うに相違ない。必ずや万雷の拍手を浴びるだろう。(東京大学名誉教授・平川祐弘 ひらかわ すけひろ)
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外務省高官、中国外相らと会談 日中関係改善へ認識一致(朝日N)


 尖閣問題など日中間の懸案を議論するため北京を訪れていた秋葉剛男外務審議官は29日、王毅(ワンイー)外相と非公式に会談したことを明らかにした。当初予定になかった会談が実現したことから、「中国側の日中関係に対する積極的な態度が示された」と評価した。
 秋葉氏は孔鉉佑外務次官補とも会談し、「懸案を適切に処理しながら、両国関係を改善させていく」という認識で一致した。
 両国間では、前日に防衛当局も交えて開かれた日中安保対話と合わせ、2日間で計9時間議論。東シナ海などでの偶発的な衝突を回避する「海空連絡メカニズム」の運用に向けて協力することなどを確認した。
 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が任期途中で辞任する意向を示したことで、年内に日本で開催する予定の日中韓首脳会談が危ぶまれているが、秋葉氏は「引き続き調整している」と述べた。(北京=延与光貞)

潘総長、次期韓国大統領選出馬に意欲(読売N)


【ニューヨーク=水野哲也】年末で退任を迎える国連の潘基文パンギムン事務総長は28日、国連本部で日本メディア向けに記者会見した。
 韓国の次期大統領選への出馬について問われると、「退任後に母国に帰ったら、友人や韓国社会の指導者たちと、何ができるか、何をすべきか議論したい」と述べた。出馬の意思をにじませたものとの受け止めが韓国内で広がっている。
 朴槿恵パククネ大統領の友人女性による国政介入事件により混乱が広がっていることについては「韓国人の怒りや不満を見て深く傷つけられた。韓国人は挫折に直面している」と述べた。

韓国 パク大統領が辞意表明 野党は弾劾議案採決目指す(NHK)


韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領は、29日午後、国民に向けた談話を発表し、再来年2月の任期満了を待たず、与野党の決定を受けて辞任する意向を表明しました。しかし、即時の辞任を求める野党側はあくまでも弾劾を求める議案の来月2日の採決を目指す姿勢を示しており、今後も与野党の間で激しい駆け引きが続くものと見られます。

韓国のパク・クネ大統領は、29日午後、一連の事件が明らかになってから3回目となる国民向けの談話を発表し、「大統領職の任期の短縮を含めた進退について国会の決定に任せる。与野党が議論して、国政の混乱と空白を最小化し、安定して政権を移譲できる方策を作ってくれるのであれば、それにしたがって大統領職から退く」と述べ、再来年2月の任期満了を待たず、今後の与野党の決定を受けて辞任する意向を表明しました。
しかし、韓国の最大野党「共に民主党」のチュ・ミエ代表は、「弾劾を避けようとする小細工だ。国会議員たちは弾劾の手続きに揺らぐことなく進むだろう」と述べ、あくまでも、来月2日の国会の本会議で弾劾を求める議案を採決することを目指す姿勢を示しました。
一方、弾劾の議案が可決されるかどうかの鍵を握っている与党・セヌリ党の非主流派は、29日夜、「来月9日の国会会期末までに、与野党が大統領の辞任に関して話し合い、それがまとまらなければ、弾劾を進めるべきだ」として、いったんは弾劾に向けた動きを中断して与野党が話し合うべきだという立場を示しました。ただ、セヌリ党の非主流派は弾劾を完全に否定したわけではなく、今後、パク大統領の「名誉ある退陣」によってその後の大統領選挙への打撃を最低限に抑えたい与党と、弾劾によって選挙に向けて優位に立ちたい野党との間で激しい駆け引きが続くものと見られます。

靖国参拝は自立への一歩 米中韓の顔色をうかがう政治はもうたくさんだ(産経:大野氏の視線)


 日本に必要なのは、自分の国は自分で守るという意識と能力である。米国の次期大統領にトランプ氏が選出されたことは、当たり前のことをあらためて確認させてくれた。
 国際化と孤立化が同時進行する21世紀前半の世界情勢は、日本のような、安全保障を含む米国との緊密さで戦後の70年を過ごしてきた国家としては、自国の在り方を見つめ直す契機ともなろう。
 第1次安倍晋三内閣の期間に靖国神社に参拝できなかったことに、首相は「痛恨のきわみ」と心情を吐露し、第2次内閣発足後の平成25年12月に、社前で参拝を行ったが、以後は例大祭などに真榊(まさかき)を供えるだけで参拝を行っていない。
 防衛相となった稲田朋美氏も、閣僚になる前には、毎年、靖国神社参拝を行っていたが、ことしの8月15日はジブチに「視察」に行ったため、参拝をしなかった。帰国後に参拝したという話も聞かないから、閣僚になって以降の参拝はこれまでのところないということだ。
 稲田氏は記者団に涙をためて「心の問題です」と語ったそうだが、涙ぐむくらいなら参拝すればいいではないか。安倍首相といい稲田防衛相といい、なぜ閣僚に就任すると参拝をやめるのか、私にはまったく理解できない。参拝をやめることは「靖国神社参拝は不正、不法なこと」とのメッセージを内外に発信することになる。米国大使館が参拝に「失望」を表明したら、日本政府も米国大使館に「失望」を伝えればいいだけの話である。
首相をはじめ閣僚が靖国神社を参拝すると、中国も韓国も、そして野党も「歴史を反省していない」「戦争を美化する」などと猛烈な批判を行う。だが、この批判は当を得ていない。そのことは安倍首相も稲田防衛相もよくご存じのはずだ。にもかかわらず参拝をしないのは、中国や韓国との関係悪化を懸念し、国内の反対派を勢いづかせることになると危惧してのことだろう。
 だが、中国や韓国との関係はこれ以上悪くならないところまできている。靖国神社参拝をやめたからといって、関係が好転するような状況ではない。悪化の原因は日本にあるのではない。あちら側にあるのだ。国民はそれをよく知っている。政権を揺さぶりたい一部野党はともかくとして、まともな日本人は、閣僚が参拝したからといって、日本が軍国主義になるなどとは思っていない。
 かつて、出征する将兵に「戦死したら靖国神社に祀(まつ)られ、天皇も首相も参拝する」という「黙契」があったればこそ、彼らは戦地に赴き、戦死者の遺族は天皇以下国民がこぞって参拝することで癒やされてきたのである。その黙契を一方的に破るのであれば、戦死者への裏切りであるし、国民は政府を信用しなくなり、国家、国民のために犠牲になろうという精神を放棄することになるだろう。これは敗戦によって価値観が変化したこととは別の次元で論じられることである。
波風を立てないことはなんの解決にもならない。一体、何を恐れているのか。マスコミは、たまに参拝するから騒ぐのである。もし、首相に限らず、閣僚が毎日のように靖国神社に参拝したら、マスコミは報道しなくなるだろう。マスコミが報道しなくなれば、中国も韓国もいちいち批判などしなくなるだろうし、やがて、それは日常の中に埋没していくであろう。そしてだれもが静かに靖国神社で、英霊に手を合わせることができるようになるのである。それこそが英霊が望んでいることだろう。
 トランプ大統領の誕生は、日本がいつまでも米国に依存して平和や繁栄を享受できるとはかぎらないことを教えてくれた。であれば、日本は自国のアイデンティティーを確立して自力で国際社会で生きていかなくてはならない。米国はもちろん、中国や韓国の顔色をうかがうような政治はもうたくさんなのである。(編集委員・大野敏明 おおのとしあき)

南スーダン派遣を名誉としたい 世論より自衛官の言葉を信じる 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛(産経:正論)


11月20日、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に従事するため、青森市の第9師団を中心とする第11次派遣隊が出発した。よく知られているように、これは昨年9月19日に成立した新安保法制に基づき、新たに「駆け付け警護」などを加えて、自衛隊が海外派遣されるケースである。
 しかし、これに対する世論の反応は必ずしも良くなかった。
 設問に対する若干の違いはあるものの、派遣をめぐる新任務についての反対は、共同通信やNNN・読売新聞、朝日新聞は5割を超え、FNN・産経新聞は4割弱である。

≪命懸けの任務に当たる自衛官≫
 私は11月18日、防衛大学校時代のゼミ学生だった一等陸佐に招かれて、ある県の駐屯地を訪ねた。出迎えにきてくれた一曹と道すがら雑談しながら陸自の南スーダン派遣についても感想を尋ねてみた。戻ってきたのは「自衛隊にとり名誉なことです」との答えである。駐屯地司令にその旨を語ると、司令は「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえること」を自衛官は宣誓しているので、それも当然のことと思う、と答えた。私はマスメディアによる世論調査結果よりも、この2人の言葉を信じたい。
派遣先である南スーダンの治安が極端に悪いので、今回ばかりは自衛隊からも殉職者が出るのではないかと私も危惧している。けれども、わが国はそういう事態にも耐える必要があるのではないだろうか。
 なぜなら1993年4月にはカンボジアで国連ボランティアとして活動していた、25歳の中田厚仁青年と、翌5月には国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の文民警官として活動中だった高田晴行警部補とを、われわれは失っているからである。
 民間人や警察官から犠牲者が出た場合は耐えるべきであるが、自衛官から死者が出ることは許容できないというのはアベコベではあるまいか。自衛官は職場での死を覚悟している。警察官の場合も殉職を覚悟している人が多いだろう。しかし、民間人であって、職場での殉職(?)を考えるというようなことがあるだろうか。

≪参考にしたいドイツの例≫
 昨年10月、安倍晋三首相は過去1年の警察殉職者を「16柱」と述べた(首相官邸ホームページ)。今年10月に挙行された自衛隊殉職隊員追悼式では「陸自7柱、海自12柱、空自10柱、防大1柱、防医大1柱の計31柱」の殉職者があった旨、報告された。
 警察の定員は13年度に29万人強、自衛隊のそれは今年度において25万人弱であるから、組織としては警察の方が大きい。だから平時において自衛隊の方が、より多くの犠牲者を出している。
 その自衛隊が海外での平和維持活動で犠牲者ゼロというのは、僥倖(ぎょうこう)に近い。そういう状態の持続を期待するのは、根本的に誤っていると言うべきであろう。
 わが国にとり参考になるのはドイツの例である。この国は自国の基本法を「縮小」解釈して、北大西洋条約機構(NATO)域外、つまり同盟国領域外への連邦軍派遣を不可としてきた。しかし冷戦終結後に憲法解釈を改め、国連が展開したボスニア・ヘルツェゴビナの平和安定化部隊(SFOR)、コソボの治安維持部隊(KFOR)、さらにはアフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)などに連邦軍を参加させてきた。
 その結果、15年10月時点で総計106人の殉職者を出している。その大旨はアフガニスタンで56人、コソボで29人である。しかし、それに劣らず悲劇的というべきは、任地からの帰国後、20人を超える青年が自殺の道を選んだという事実である。

≪「例外国家」の道をとるな≫
 では、ドイツではこのような悲劇に政治がどう対応したのであろうか。
当時、『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたところによると、コール政権のクラウス・キンケル外相は国会論戦の場で、連邦軍初の「同盟国領域」外への派遣に反対する野党の一女性議員が、「最初の亜鉛の棺がボスニアから到着したら」どうするつもりか、と詰問したのに対し、「その場合、リューエ国防相と私が棺の傍らに立つ」と言い放ったという。この言葉に満座は水を打ったように静まり返ったと報道された。感動的ではないか。
 今日、国連南スーダン派遣団(UNMISS)には、インド、ルワンダ、ネパール、エチオピア、中国、ドイツなど、わが国を含めて計63カ国が要員を派遣している。
 その中で殉職者ゼロにこだわり続けている国はわが国以外にはあるまい。そういう「例外国家」の道をとるべきではない。
 私とて派遣自衛官が「亜鉛の棺」で帰国するのをよしとする者ではない。ただ、わが国は「自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」(日本国憲法前文)のである。(防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛 させまさもり)

翁長知事「仮に敗訴しても」 辺野古阻止を改めて強調(時事N)


 沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は、来月で就任2年になるのを前に28日、報道各社のインタビューに応じた。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設を巡り、国と争っている訴訟について「民意を無視して新基地建設を推し進めるのを許すことはできない」と述べ、あらゆる権限を使って阻止する考えを改めて示した。

 翁長知事は「仮に敗訴した場合でも、前知事の承認について、承認時に要件を満たしていなかったことを争えなくなるだけだ」と言明。阻止のために使える知事権限として、設計変更やサンゴ礁の開発の認可などを挙げた。
 12月22日に一部返還予定の米軍北部訓練場(東村〈ひがしそん〉、国頭村〈くにがみそん〉)については「4千ヘクタールを返すから文句を言うな、というやり方を県民は冷静に見ている」と話した。ただ、「苦渋の選択の最たるもの」とも述べ、返還の条件であるヘリコプター着陸帯の移設工事自体は容認する姿勢も示した。

シリア政府軍、アレッポの反体制派拠点を制圧(読売N)


【カイロ=本間圭一】シリア国営通信によると、同国政府軍は27日、反体制派が支配する北部の都市アレッポの東側にあるジャバル・バドル地区を制圧した。

 政府軍は26日には、住民が多いマサケン・ハナノ地区も4年ぶりに奪還。両地区が陥落し、反体制派は重要な拠点を失った。政府軍は市の完全制圧に向け、前進した。
 この軍事作戦により、政府が支配し続けている市の西側などに脱出する住民が相次いだ。AP通信など主要メディアは、避難民は数千人の規模になったと伝えた。
 英国拠点の民間団体「シリア人権監視団」によると、シリア政府軍が今月15日以降、アレッポでの攻勢を強めて以降、民間人の死者は200人を超えた。アレッポの東側には20万人以上の市民が住んでいるとみられ、人道被害の拡大が懸念されている。

稲田防衛相 来年1月に欧州訪問で調整へ(NHK)


稲田防衛大臣は、来年1月に、就任後初めて、フランスを訪問する方向で調整に入り、外務・防衛の閣僚会合を開いて、中国による海洋進出などを念頭に置いた南シナ海や東シナ海の情勢など、安全保障をめぐる幅広い分野で意見を交わしたいとしています。

稲田防衛大臣は、来年1月上旬に、就任後、初めてフランスを訪問する方向で調整に入りました。
フランス訪問で稲田大臣は、外務・防衛の閣僚会合、いわゆる「2+2」を開いて、中国による海洋進出などを念頭に置いた南シナ海や東シナ海の情勢など、安全保障をめぐる幅広い分野で意見を交わしたいとしています。
フランスとの外務・防衛の閣僚会合が開かれれば、去年3月以来となり、日本側としては、国際情勢などに加えて、自衛隊とフランス軍が物品や役務を相互に提供し合うための協定の締結に向けた議論も行いたいとしています。
これに合わせて稲田大臣は、ベルギーも訪れたいとしており、NATO=北大西洋条約機構の関係者と会談し、アメリカのトランプ次期大統領の就任も見据えて、日本とNATOの防衛協力を一層推進していくことなどを確認したい考えです。

憲法審査会 議論の阻止が立憲主義か(産経:主張)


 今国会で、憲法審査会は衆院で2回、参院で1回議論をした。だが、会期が延長されても肝心の改正項目絞り込みに入る情勢にはない。
 民進党や共産党などが本来の意味を超え、偏った解釈に基づく「立憲主義」を振りかざし、安倍晋三首相や自民党が進めようとする改正論議を阻んでいるからである。
 野党の中にも、日本維新の会など改正論議を求める勢力はある。与党は、国会の常設機関の円滑な進行を妨げる政党に、どう対処するか、という課題も抱える。
 議論に前向きな政党との間で直接、憲法を論じ合うことも視野に入れるべきではないか。
 国民の自由や権利を守るため、憲法で権力の行使を制限する。立憲主義の眼目を否定する政党は、自民党も含め存在しない。
 安倍首相も1月の国会で、「立憲主義に則(のっと)って政治を行うことは当然だ」と語った。自民党は立憲主義に反する憲法改正を目指しているわけではない。
 むしろ奇妙なのは、民進党や共産党の憲法観である。憲法の役割は立憲主義に基づく権力の制限だけだといわんばかりだ。
 自民党の憲法改正草案は、国柄や歴史、文化への言及がある。大震災や有事に備え、国民や憲法秩序を守るために一時的に権力行使の範囲拡大を認める、緊急事態条項を盛り込んでいる。
民進、共産両党は、これらが立憲主義に反していると退けようとするが、偏ってはいないか。
 現行憲法の第一章は「天皇」について記載してある。日本は天皇と国民が共に歩んできた歴史を持つという、文字通りの国柄を反映した構成をとっている。
 歴史や伝統を憲法の要素として認めたくないなら、今の憲法でも、日本の価値が表れていることをどうみるのか。
 憲法に明確な緊急事態条項を入れておかないと、想定外の災害が襲ってきたとき国民の生命を守り抜くことに支障を来すかもしれない。両党はその危機感を欠く。
 24日の衆院審査会で、上川陽子元法相(自民)は「立憲主義に反するとの抽象的な言葉のみで論議が閉ざされてはならない」と述べた。現状を的確に示している。
 独自の改正案も出さず“神学論争”を仕掛け、議会制民主主義の停滞をもたらしている。立憲主義以前の問題ではないか。

カストロ前議長死去 歴史は無罪を宣告するか 11月28日(産経抄)


 2009年のWBC決勝の韓国戦で、イチロー選手は決勝打を放ち、侍ジャパンに2連覇をもたらした。「イチローは世界最高の打者だ」。キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は早速、政府系のウェブサイトで絶賛したものだ。
 ▼幼い頃は米国の大リーグで活躍する野球選手を夢見ていた、カストロ氏の訃報が届いた。1959年のキューバ革命以来、「国父」として君臨を続けたカストロ氏は、「反米帝国主義の闘士」として今後も称(たた)えられていくのか。
 ▼それともトランプ次期米大統領が言うように、「自国民を約60年間抑圧してきた残忍な独裁者」にすぎないのか。確かに638回もあったとされる暗殺計画を逃れた90年の生涯は、謎と矛盾に満ちている。
 ▼広島の原爆資料館を訪れた際、被爆者の受けた苦しみについて繰り返し尋ねていた。核廃絶にも言及していた。もっともミサイル配備をめぐって米ソの対立が激化したキューバ危機では、核戦争のきっかけになりかねない行動を取った人物でもある。米軍の偵察機を撃墜するよう、ソ連軍兵士にけしかけた事実を自ら明かしている。
▼キューバで晩年を過ごしたヘミングウェー、コロンビアのガルシア・マルケスらノーベル文学賞受賞作家との交流もよく知られている。その一方で、国民には言論の自由を許さなかった。独裁者でありながら、銅像や名前の付いた道路、建物は一切ない。生活もいたって質素だった。
 ▼「歴史は私に無罪を宣告するであろう」。カストロ氏は26歳のとき、当時のバティスタ独裁政権に対する武装蜂起に失敗し、逮捕されている。その裁判で、自らを弁護した有名な言葉である。棺(ひつぎ)の蓋(ふた)が閉められて、歴史の法廷がいよいよこれから始まる。

陸自 システム侵入被害 サイバー攻撃、情報流出か(東京新聞)


 防衛省と自衛隊の情報基盤で、駐屯地や基地を相互に結ぶ高速・大容量の通信ネットワークがサイバー攻撃を受け、陸上自衛隊のシステムに侵入されていたことが、複数の同省関係者の話で分かった。防衛省が構築した堅固なシステムの不備を突く高度な手法と確認された。詳細な記録が残されておらず、被害の全容は判明していないが、陸自の内部情報が流出した可能性が高い。 
 複数の自衛隊高級幹部は「危機的で相当深刻な事態だ。早急に再発防止策を講じる必要がある」と強調。一方、情報セキュリティーを担当する防衛省の斎藤雅一審議官は「個別の案件には答えられない」とコメントした。
 防衛省は外部接続を制限するなど防御態勢を強化してきたが、それを上回る高度な手法から国家などが関与した組織的攻撃の疑いが強い。九月ごろに確知し、直後にサイバー攻撃への警戒レベルを引き上げた。
 関係者によると、攻撃を受けたのは、防衛省と自衛隊が共同で利用する通信ネットワーク「防衛情報通信基盤(DII)」。接続する防衛大と防衛医大のパソコンが不正アクセスの被害に遭ったとみられる。このパソコンを「踏み台」として利用した何者かが、陸自のシステムにも侵入した可能性が高い。防衛省は確知後、防衛省・自衛隊全体でインターネット利用を一時禁止した。
 防衛大と防衛医大は、全国の大学が参加する学術系のネットワークにも入っている。このネットワークを経由して攻撃されたもようだ。
 DIIはインターネットに接続する「部外系システム」と、関係者が内部情報をやりとりする「部内系システム」に分かれている。電子メールを通じてコンピューターウイルスが入り込むことなどを防ぐため、二つのシステムは分離して運用されている。ただ、個々のパソコンは両方のシステムに接続し、切り替えながら利用する仕組みで、切り離しは完全ではなかった。攻撃者はこの仕組みを悪用したとみられるという。
<サイバー攻撃> 政府機関や企業の情報通信システムに不正侵入し、機密情報を盗み出したり、データを破壊したりする行為。電子メールでコンピューターウイルスを送りつけ、感染したパソコンを遠隔操作する手口が目立つ。大量のデータを送信してサーバーに過大な負荷をかけ、サイトを閲覧できないようにする手法もある。2011年には国内で防衛産業を狙った大規模攻撃が明らかになり、セキュリティー対策が進む契機となった。
(東京新聞)

衝撃逆手に取る外交を:米英の投票革命(朝雲:時の焦点)


 米大統領選で大番狂わせを演じた「トランプ・ショック」は、ほぼ半年前の英国の欧州連合(EU)離脱決定とともに2016年の世界史的出来事として長く記憶されることになろう。英国、米国という近代民主主義の本家本元を自任する両国で、有権者の投票行動によって「革命」とも呼び得る国の針路変更が実現するのは偶然とはいえ、逆に見れば、民主主義国ならではの平和的な国家戦略転換として評価できるのではないか。
 米大統領選、英国民投票の結果はいずれも、国際社会に文字通り「衝撃」として受け止められ、今後の世界経済や国際情勢に多大な影響を及ぼしていくことは間違いない。しかし、二つの政治的激震を冷静に振り返れば、双方とも投票結果は拮抗しており、何かの弾みで結果がどちらに転んでもおかしくなかった点は押さえておきたい。
 英国では、離脱派が勝利を収めることはあるまいと一部有権者は高をくくってはいなかったか。米国では、選挙最終盤でヒラリー・クリントン民主党候補の私用メール問題再捜査が浮上しなければ、結果がどうなったかは分からない。換言すれば、英国のEU残留派、米国のクリントン候補支持派は今後の国内政治プロセスで侮りがたい発言力、影響力を有しているということであり、今後のEU離脱交渉やトランプ米次期政権の国政の舵取りを監視しながらタイミングを見計らって批判勢力としての力を結集すればいい。
 共和党のドナルド・トランプ氏は大統領選で「アメリカ・ファースト」(米国第一主義)を掲げる一方、移民問題や通商・安全保障政策、テロ対策など具体的争点では実現可能性に疑問符を付けざるを得ない公約を乱発し、支持基盤の白人労働者らを熱狂させた。だが、選挙戦さ中の8月、民主、共和を問わず政権中枢で政策を担った元大物高官が「史上最も無謀な大統領となる」と警鐘を鳴らす異例の声明を出すなど、次期政権に対する風当たりは弱まりそうにない。
 来年1月に大統領に就任するトランプ氏は公約の実現に当たっては、溝を深めた党主流派との関係修復を図る必要から、過激な公約の中身をそぎ落とし、現実的政策に修正を図る公算が大きい。2年後には中間選挙があり、大統領は国民の審判を受ける。
 同盟国の日本との関係では「応分の負担をしなければ、日本を守ることはできない」などと発言していたが、二国間の枠を超えたアジア太平洋地域における日米同盟の貴重な資産は理解しているはずだ。わが国は「トランプ・ショック」に踊らせられることなく、ここは衝撃を逆手に取り、主体的な外交・安保戦略を探っていく好機としたい。
伊藤 努(外交評論家)

南スーダン 首都に国連の「地域防護部隊」受け入れへ(NHK)


不安定な状況が続くアフリカの南スーダンの首都ジュバに、国連が平和維持活動を強化するために追加派遣を決めた4000人規模の「地域防護部隊」について、これまで難色を示していた南スーダン政府が受け入れに応じることを決め、国連側と調整を進めることになりました。

南スーダンではことし7月、首都ジュバで政府軍と反政府勢力の戦闘が再燃し、多くの死傷者が出る事態となり、国連の安全保障理事会はPKO=平和維持活動を強化するため4000人規模の「地域防護部隊」を追加派遣することを決めました。「地域防護部隊」は、市民や国連施設などを保護するため、より積極的に武力を行使する権限が認められた部隊です。
南スーダン政府は当初、主権の侵害だとして受け入れに難色を示していましたが、国際的な圧力が高まる中、25日に行われた閣議で受け入れに応じることを決めました。
NHKの取材に応じた南スーダンのコルディット副情報相は「国際社会とは対決ではなく、協力関係を保っていきたい」と述べ、今後、国連側と協議して受け入れの時期などを調整するとしています。
首都ジュバでは、日本の陸上自衛隊の部隊も国連のPKOに参加しており、「地域防護部隊」が新たに展開することで治安状況が改善に向かうのか、注目されます。

美浜の運転延長 原発含め安定電源確保を(産経:主張)


 稼働開始からほぼ40年を迎える関西電力の美浜原発3号機(福井県)をめぐり、原子力規制委員会が最長20年の運転延長を認可した。運転延長は関電の高浜1、2号機に次いで3基目となる。
 原発の運転期間は40年が原則だが、厳しい安全基準を満たせば延長が認められている。規制委の判断は妥当である。安定電源の確保に向けて、今後も適切な判断を下してほしい。
 政府は発電全体の原発比率を2030年度に20~22%とする目標を閣議決定している。しかし、世論の反発などで原発の新増設は当面難しく、高経年原発の運転延長が欠かせない。
 そのためには、規制委による安全審査の効率化などにも取り組む必要がある。
 関電は運転延長にあたり、地震想定を引き上げ、20年春までに防潮堤の新設や新たな耐震工事を実施する。電気ケーブルの難燃化も施すとし、規制委から「60年運転の時点でも安全性は保たれる」とのお墨付きを得た。
 国内では40年運転ルールに基づき、美浜1、2号機など6基の原発が廃炉を決めている。今後も東海第2(茨城県)や大飯原発1、2号機(福井県)などが相次いで稼働開始から40年を迎える。
 このまま廃炉が続けば、原発比率の確保は困難となる。それはパリ協定で日本が約束した、温室効果ガスの排出削減にも大きな支障となる。
 安全審査を通じて高経年原発を活用するには、政府による支援などを検討すべきだ。そのうえで安全性の一段の向上に向け、既存原発の建て替え(リプレース)や新増設でも官民で協力したい。
 原発の再稼働が大幅に遅れ、日本では火力発電の比率が高まっている。そうした発電用燃料は海外からの輸入が大部分を占めており、資源小国の日本にとって原発が果たす重要性は変わらない。
 東京都心で観測史上初となる11月での積雪を記録した24日、首都圏は寒さで電力需要が急増し、東京電力管内の使用率は95%に達した。同社は節電を利用者に呼びかけ、水力発電などを駆使して供給を続けた。仮に突発的な停電など不測の事態があれば、生命が脅かされる危険さえあった。
 安全性を確認した原発の早期再稼働を含め、安定した電源確保の取り組みを忘れてはならない。

最後は「逃げ恥」か 翁長雄志知事、進むも地獄 退くも地獄 12月下旬に北部訓練場返還式典(産経:沖縄オフレコ放談)


日米両政府は沖縄県の米軍北部訓練場(東、国頭両村)の過半を日本に返還することで合意する式典を12月下旬に沖縄県内で開催する予定で、同県の翁長雄志(おなが・たけし)知事が出席するかどうかが注目されている。翁長氏は、返還条件である訓練場内でのヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)の移設に対する賛否を曖昧にしたままで、支持母体の革新勢力や移設反対派には不満がくすぶっており、返還式典に参加すれば反発が待ち受ける。かといって過去最大規模となる返還を歓迎しないわけにもいかず、「進むも地獄、退くも地獄」といえる。

 首相官邸から
 「12月下旬、沖縄県内で返還式典を開催する」
 この方針が首相官邸から防衛省に伝えられたのは10月下旬だった。日米両政府の出席者として想定されているのは菅義偉官房長官とケネディ駐日大使だ。
 菅氏はヘリパッド移設の司令塔で、ケネディ氏は日本政府にとって功労者と位置づけられる。米側は昨年末からヘリパッド移設工事の早期再開を要求してきたが、日本側は今年1月の宜野湾市長選や7月の参院選に影響を与えるのを避けるため先送りを求め、その際、「ケネディ氏が後ろ盾になってくれた」(日本政府高官)からだ。
 ケネディ氏は来年1月の米大統領交代に伴い、駐日大使を離任する見通し。クリスマス休暇を前に帰国するとみられ、12月下旬はタイムリミットだった。
 それまでにヘリパッド移設工事を完了するため、防衛省は急ピッチで作業を進めており、工事は最終段階に入っている。

 翁長氏の捨てぜりふ
 式典は本来、返還される北部訓練場で開くことが望ましい。昨年3月に返還された米軍キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区(宜野湾市)の返還式典は現地で開き、菅、翁長両氏が出席している。
 この式典では、翌日に初会談を控えていた両氏は会場の壇上で席が隣同士だったものの、目も合わせようとしなかった。翁長氏は祝辞で西普天間住宅地区の返還について「日米両政府と関係者に敬意を表す」と述べたが、去り際には高台からの風景を眺めつつ、こんな捨てぜりふを吐いている。
 「さすが米軍はいい所におりますなぁ」
 一方、北部訓練場は那覇空港から車で2時間ほどかかり、沖縄県警は要人警護が困難だとして「返還式典の現地開催は絶対に避けてほしい」と防衛省に伝えている。そのため、防衛省は那覇市内のホテルでの開催を検討しており、過去の使用実績を踏まえれば県庁から目と鼻の先にあるホテルが有力だ。県北部のホテルで開催する案もある。

 歴史に名を刻む皮肉
 北部訓練場は約7500ヘクタールのうち約4千ヘクタールが返還される代わりに、返還地にあるヘリパッドを訓練場として残す別の場所に6つ移すことが条件。4千ヘクタールの返還面積は沖縄県内の米軍専用施設の約2割にあたり、昭和47年に沖縄県が本土復帰して以降、最大規模だ。
 ある県OBは「(翁長氏は)歴史に名を刻む。皮肉だな」と漏らす。
 翁長氏は米 軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり政府と激しく対立しながら、県民の願いである大規模な基地負担軽減を実現させることはたしかに皮肉なものだ。
 10月に沖縄を訪問した菅氏との会談で翁長氏は北部訓練場の年内返還を「歓迎したい」と述べたとしたが、ヘリパッド移設に反対する革新勢力の批判を受け、後に「(説明が)不適切だった」と釈明する事態に追い込まれている。
 そのため翁長氏が返還を手放しで喜ぶことができないというのも、これまた皮肉だ。

 欠席の方便づくり
 返還式典に出席すれば基地負担軽減に歓迎の意を示すことが当然だが、それは革新勢力と移設反対派の反発を招く。地元メディアも黙っていないはずだ。
 祝辞での発言に窮すると懸念していることを証明するように、翁長氏は最後の悪あがきをしている。悪あがきとは、オスプレイの使用を前提とした環境影響評価(アセスメント)を再度実施するよう防衛省に申し入れたことを指す。
 ただ、アセスは条例で義務づけられているわけではなく、防衛省が自主的に行ったもので、翁長氏の要求に強制力はない。にもかかわらず、再アセスの要求が受け入れられないと、「返還式典に出席しない方便にするのでは」(県幹部)と指摘される。
 式典欠席は翁長氏にとって「逃げるは恥だが役に立つ」かもしれない。
 しかし、最大の基地返還に背を向けた知事として、歴史に不名誉な名を刻むことになる。

反対論は疑問点が多い:駆け付け警護(朝雲:時の焦点)


 先週号の「朝雲」で、南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に当たる陸上自衛隊派遣施設隊10次隊が、ジュバ市内の孤児院を慰問していたことを知った。
 子供たちは喜んだであろう。ささやかな取り組みであってもまぎれもなく国際貢献の一つで、国造りに寄与するはずだ。
 日本のメディアは、そうしたことは伝えない。何カ月も前の衝突の痕跡を探しては、あたかも戦場であるかのように膨らませて報じるばかりだ。
 10次隊に代わり、「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の任務が付与された11次隊の派遣が始まった。例によって、左派メディア、政党などが「自衛隊のリスクが高まる」と、反対に躍起となっている。
 だが、駆け付け警護の要件は極めて厳格で、めったには生じまい。そもそも、東ティモールのPKOなどで事実上の駆け付け警護が行われている。実質的に、同程度のリスクを有していたわけだ。
 志方俊之・帝京大名誉教授は「創設以来約1900人(年平均で約30人)の隊員が訓練で殉職している。それでもいまなお多くの青年が自衛隊の門をたたくのはなぜか、考えてみてほしいものだ」(10月7日付産経新聞)と述べている。
 自衛隊員はあえてリスクを負うとともに、最小限化する訓練も重ねている。左派の〝同情〟など片腹痛い。
 「銃撃したら、日本人の国際的評価が落ちる」といった主張も、論理が飛躍しすぎだ。
 正当防衛、緊急避難での発砲は法的に認められている。これまで海外で1発も撃たなかったのは結果論でしかない。銃を撃たずに、助けを求めてきた人を見捨てたら、それこそ評価を落とす。
 無論、駆け付け警護が実際に行われた場合にどういう事態が起き得るのか。万全の対策を忘れてはならない。
 疑問なのは、「抑制的な武器使用基準で自衛隊員を守りきれない」との批判だ。憲法により様々な制約を受けているためであり、それこそ、憲法改正を阻んできた側にも責任があろう。
 世論調査では、駆け付け警護への反対が多い。左派の扇動が影響しているとみられる。
 それでも、いずれ理解は広まるはずだ。自衛隊創設、日米安全保障条約改定、PKO、有事法制……。左派はこれまでも敗北を重ねてきた。
 「安保闘争は革新派の敗北に終わった……それにもかかわらず、彼等は自分たちの闘争が勝利に帰したと診断し、その診断を国民一般に押しつけようとしている。敗北そのものよりは、そういう自己陶酔のうちにうかがえる未熟、過失、虚偽の方が、さらに端的に革新派の性格的、生理的な弱点を物語っている」
 安保闘争があった昭和35(1960)年の読売新聞夕刊(8月15日付)にある評論家・福田恆存氏の指摘は今なお鋭い。
植田 高直(政治評論家)

対北防衛強化2000億円…PAC3射程2倍に(読売N)

政府は、2016年度第3次補正予算案を編成する方針を固めた。
 複数の政府関係者が明らかにした。総額は1兆円前後になる見込み。経済対策関連の予算は計上せず、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射を受けたミサイル防衛システムの強化に、2000億円弱を盛り込む方向で最終調整する。
 安倍首相が、近く麻生財務相に編成を指示する方向で、政府は12月中旬にも閣議決定し、来年の通常国会に提出する予定だ。
 ミサイル防衛関連では、地上配備型誘導弾「PAC3」の改良型の購入費や、改良型PAC3を搭載するためのシステム改修費として計約1880億円を計上する。現在配備されているPAC3は、射程約15~20キロとされるのに対し、改良型の射程は約2倍となる。防衛省は、17年度予算の概算要求に購入費などを計上していたが、一部を前倒しする。

カストロ氏死去 安倍首相が哀悼の意 各国首脳も追悼(NHK)


安倍総理大臣は、キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長が死去したことを受けて、哀悼の意を表すメッセージを出しました。

この中で、安倍総理大臣は「キューバ革命後の卓越した指導者であるフィデル・カストロ前議長の逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。本年9月に、私がキューバを訪問しお会いした際には、世界情勢について情熱を込めて語られる姿が印象的でした。日本政府を代表して、キューバ共和国政府および同国国民、ならびに御遺族の皆様に対し、ご冥福をお祈りします」としています。
国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長は26日、報道官を通じて声明を発表し、哀悼の意を示したうえで、「2014年1月にキューバを訪問した際にカストロ氏と面会したが、幅広い分野への情熱と積極的に取り組む姿勢に感銘を受けた」とたたえました。そのうえでパン事務総長は「キューバが改革や人権状況の改善などに向けた道を歩み続けることを希望する。キューバが悲しみに包まれているいま、国連はキューバの人々に寄り添った支援を行いたい」としています。

ロシアのプーチン大統領は、ラウル・カストロ国家評議会議長に電報を送り、哀悼の意を表しました。ロシア大統領府によりますと、電報のなかでプーチン大統領は「キューバ革命の指導者フィデル・カストロ氏の死に深い哀悼の意を表する。この著名な政治家の名前は、現代史における時代の象徴であると考えられている。カストロ氏と仲間によって建てられた自由で独立したキューバは、国際社会の有力な一員となり、多くの国や人々の象徴的な存在となった」と述べてカストロ氏の功績をたたえました。
中国の習近平国家主席は26日、ラウル・カストロ国家評議会議長に弔電を送り、深い哀悼の意を表しました。この中で、習主席は「フィデル・カストロ同志は、世界の社会主義の発展のために後世まで残る歴史的な功績を打ちたてた。偉大な人物であり、歴史と人民は彼を記憶にとどめるだろう」と述べました。そのうえで「フィデル・カストロ同志は、生前、中国との友好にも力を尽くした。中国の人民は、親密な同志を失った」として、深い哀悼の意を表しました。
フランスのオランド大統領は26日、訪問先のアフリカ南東部のマダガスカルで開いた記者会見で、「カストロ氏は20世紀を代表する人物のひとりで、キューバ革命によって南米の多くの人々に希望をもたらした一方、失望も与えた。それでも常に経済制裁や外国の圧力に直面してきたキューバの国民の自尊心を守ろうとした」と述べ、その死を悼みました。オランド大統領はまた、「いまこそキューバに対する経済制裁を解除し、キューバを完全に国際社会の一員として迎えるべきだ」と述べ、アメリカが長年にわたってキューバに科してきた経済制裁を完全に解除するべきだと訴えました。オランド大統領は去年5月、フランスの大統領として初めてキューバを訪問し、カストロ氏とも会談しており、今回の発言はキューバとの経済関係の強化を目指すフランスの姿勢を改めて示したものとみられます。
キューバの隣国メキシコのペニャニエト大統領は25日、ツイッターに「フィデル・カストロ氏は尊敬と対話と連帯に基づいて両国の関係を発展させてくれたメキシコの友人だった。キューバ革命の指導者であり、20世紀の象徴だった彼の死に哀悼の意を表したい」と投稿しました。
イギリスのジョンソン外相は声明を出し、「1959年の革命でみせた指導力は物議をかもしながらもカストロ氏が歴史的な人物であることを示している」と評価し、哀悼の意を表しました。そして、「カストロ氏の死去はキューバのひとつの時代の終わりを告げている。イギリス政府は人権問題を含むさまざまな外交分野で、今後もキューバの政府と協力していきたい」としています。
友好国であるイランのザリーフ外相は声明を出し、「植民地主義や搾取と闘ったけうな指導者であり、抑圧された国々が独立を目指して行う闘争の前例となった」などとして、カストロ前議長の功績をたたえるとともに、哀悼の意を表しました。キューバとイランは、革命を経て親米から反米に転じたあと、ともにアメリカから厳しい経済制裁を科されたことなどから、カストロ前議長がイランを訪問して最高指導者ハメネイ師と会談するなど、協調してアメリカに抵抗してきました。しかし、去年7月に、キューバがアメリカと国交を回復したのに続き、イランも核開発問題をめぐる最終合意に達するなど、対米関係の改善に向けた変化が見られています。
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は、フィデル・カストロ氏の弟のラウル・カストロ国家評議会議長に弔電を送り、「あなたとご家族、そして親愛なる国民の皆さんに、哀悼の意を表します。前議長の安らかな眠りを祈ります」と述べました。フランシスコ法王はキューバとアメリカの54年ぶりの国交回復で仲介役を務め、去年9月にはキューバを訪れてカストロ前議長と会談していました。
旧ソビエト時代に同盟国として連携したゴルバチョフ元書記長は「カストロ氏は、20世紀において植民地制度を壊し、国際協力関係を築くためのあらゆる努力を行った。アメリカの妨害にも関わらず、国を存続させ強くさせた」と述べて、功績をたたえました。そのうえで「すぐれた政治家で私たちの友人だったことは、私たちの記憶に残るだろう。全人類の歴史に深い印を残す人生だった」と述べてカストロ氏の死を悼みました。

南米各国首脳からも追悼の声相次ぐ
ボリビアのモラレス大統領は、自身のツイッターにカストロ氏と共に写っている写真を掲載し、「主権のために戦うこと、そして世界の国民であることの誇りを教えてくれた指導者、フィデルを称賛し敬意を表したい」と書き込みました。
エクアドルのコレア大統領もツイッターに「偉大な人物が逝った。フィデルが死んだ。キューバ万歳!ラテンアメリカ万歳!」とつづりました。
キューバとの関係が深いベネズエラのマドゥーロ大統領は、フィデル・カストロ氏の弟のラウル・カストロ国家評議会議長に電話をかけ、キューバ国民との連帯を伝えたことを明らかにしました。
さらにコロンビアの和平に尽力しことしのノーベル平和賞に選ばれたサントス大統領もみずからのツイッターで、「フィデル・カストロは、晩年、武装闘争は正しい道ではないと認めていた。彼のそうした考えがコロンビアの紛争を終わらせるのに寄与した」とカストロ氏をたたえました。

日本と自衛隊の安全損なう「リスク論」の氾濫 榊原智(産経:一筆多論)


 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣される自衛隊の安全に配慮するのは当然だが、過剰ともいえるリスク論の横行には違和感がある。日本と自衛隊の安全を損なうからだ。
 南スーダンPKOで「駆け付け警護」や「宿営地の共同防護」の新任務を与えられた陸上自衛隊の11次隊が、首都ジュバの宿営地に順次展開中だ。
 10次隊から指揮権を引き継ぐ12月12日から、新任務が適用される。安全保障関連法に基づき、稲田朋美防衛相が行動命令を下した。施設科主体の350人規模の派遣部隊のうち、第5普通科連隊中心の警備部隊約60人が新任務を主に担う。
 国会やメディアでは「未知の領域」などと、リスク論がかまびすしい。その多くが安保関連法反対、新任務反対の立場から唱えられている。隊員の安全を心配しているようでも本物とは思えない。
 集団的自衛権の行使容認へ憲法解釈を変更したときも、安保関連法案の審議中もそうだった。災害派遣以外は自衛隊に批判的か、軽視してきた左翼・リベラル陣営から隊員を心配する声が起こった。
 「おためごかし」というほかない。安保関連法を敵視するばかりに、リスク論を連呼しているのだろう。
 駆け付け警護は国連や非政府組織(NGO)の職員らが危難に陥ったとき、救いの手を差し伸べる任務だ。危険な地だから自衛隊が派遣されている。部隊の選択肢に駆け付け警護を含むのは人道上当たり前だ。
 確かにリスクは高まる。しかし、だからまかりならぬというのでは、非人道的すぎる。日本と自衛隊の名誉を顧みない恥ずかしい発想でもある。
 そもそも自衛隊は、尖閣諸島をはじめとする領土、領海、領空を守り抜く戦いに備えている。日本は安全地帯で、PKOばかりが危ないと思っているなら、能天気すぎる。
 もちろん、駆け付け警護に割ける兵員の数や装備には限界がある。無謀な行動をとることはない。現地情勢を踏まえ、実施の可否を判断することになる。
 幾つかのPKOやイラク派遣、ルワンダ難民のためのザイール(当時)への派遣では、先の大戦で力戦奮闘した日本軍に関する記憶、イメージが現地にあった。自衛隊と重ねられ、派遣部隊を守った面があった。
 政治家やメディアがリスクばかりを論じていては、かえって危うい。決して友好的とはいえない日本の周辺国の政府や軍部、世界のテロ勢力などへ「日本与(くみ)し易(やす)し」「自衛隊へ手出しをしてもいい」というシグナルを発することになってしまう。
 日本人も自衛隊も侮られ、先達が命がけで築いてくれた「強い日本軍」に重なる印象という“財産”を削ってしまう。日本防衛上も国際貢献上もマイナスとなる愚かな議論である。
 石原慎太郎元東京都知事は本紙で、自衛隊が現場へ十分な麻酔薬を携行できていない態勢にあると指摘した。必要なのは、このような「強い自衛隊」をつくる議論と早急な対応だ。任務遂行の態勢をいかにとるか。その議論こそ抑止力を高め、平和を保つ方向へ働く。(論説委員)

11月26日(産経抄)


かたや「お前は分かっていない」としつこく言い募り、こなたは「そんなの分かっている」と譲らない。子供の口げんかの話ではない。衆参両院の憲法審査会で、延々と繰り返されている立憲主義をめぐる議論のことである。水掛け論というにも程度が低すぎ、聴いているだけで徒労感を覚える。
 ▼立憲主義をおさらいすると、おおよそ「政府による統治行為を憲法にのっとって行う原理」「権力者の恣意(しい)によってではなく、法に従って権力が行使されるべきだとの原則」といった意味である。どうしてこんな珍しくもないことに、選良たちはいつまで拘泥しているのか。
 ▼「自民党憲法改正草案は立憲主義に反し、憲法を統治の道具であるかのごとく考えている」。24日の衆院憲法審で、民進党の枝野幸男氏はこう指摘し、辻元清美氏は立憲主義への認識を問うため安倍晋三首相の憲法審出席を求めた。
 ▼一方、自民党の中谷元氏は「立憲主義という言葉を、本来の意味を超えて政権に対する好き嫌いで使っている」と反論した。「民進党が何を議論したいのか分からない」。日本維新の会の足立康史氏がこう述べたのももっともである。
 ▼折しも米国では、日本政府に在日米軍駐留経費の100%負担を求め、日本の核兵器保有を容認するトランプ氏が次期大統領に決まった。日本の安全保障環境が激変するかもしれないこの時期に、憲法審論戦の焦点が憲法9条でも緊急事態条項でもないことにおじけ立つ。
 ▼憲法を聖典化し、賛美し、信仰していればよかった時代はもう過ぎ去った。信徒のように憲法にひざまずくのではなく、現実のわれわれの安全を守り、よりよい暮らしを送る「道具」として活用するための手入れを心がけるべきだろう。

11月24日(朝雲寸言)


 政府が南スーダンでの国連平和維持活動に派遣する陸上自衛隊部隊に、新たな任務として「駆け付け警護」を付与することを閣議決定した。暴徒から身を守る「宿営地の共同防護」も稲田防衛大臣から発令された。

 そのニュースを1面で大きく伝える新聞各紙を眺めながら報じ方にやや違和感を覚えた。欧米加豪など西側民主主義国の軍隊はそれら任務を長らく当然のこととしてこなしてきた。他国に任せるしかなかった日本の方が異例だった。国際的な視野に立てば、自衛隊が新任務に乗り出すことは日本が遅ればせながら世間並みになることを意味する。ただ、報道にはそうした視点は少なく、日本の一般紙の「内向き」ぶりが際立った。
 閣議決定当日、新任務の付与に反対するデモが首相官邸前で展開されていた。国連や非政府組織の職員が窮地にあるのを目にしても、現地の自衛隊は何もしないでじっとしていろ。宿営地が襲われても防御のリスクは他国軍に丸投げしておけ。反対デモの主張はそう言っているように響く。ここには内向き以上に根の深い「無責任」という問題がある。それともデモは、根拠法のない行動を誘発させ、自衛隊への文民統制が壊れることを期待しているのだろうか。
 南スーダンで若い隊員たちが懸命に仕事をしていることを伝える記事を目にするたびに胸が熱くなる。彼らには堂々と仕事をし、笑顔で帰ってきてほしい。心からそう願う。
(2016年11月24日付『朝雲』より)

防衛省、初の通信衛星打ち上げへ…Xバンド対応(読売N)


防衛省は25日、大容量のデータを安定的に送受信できる周波数帯域「Xバンド」に対応した通信衛星を、来年1月24日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げると発表した。

 同省初の通信衛星で、2020年度末までに計3機打ち上げる。通信方式が異なる陸海空の各自衛隊が相互に通信できるシステムを導入し、自衛隊の統合的な運用に役立てる。
 同型の衛星は、米英がすでに保有しているが、日本はこれまで、CS放送会社の同型衛星3機に自衛隊用の通信中継器を搭載してもらっており、通信量に制限があった。中国の海洋進出への対応など、自衛隊による海外展開が増えていることを受けて、同省は、通信態勢の充実が必要と判断、独自開発に踏み切った。

THAAD、検討本格化=北朝鮮対応で防衛省(時事N)


防衛省は、米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」導入に向けた本格検討に入った。近く若宮健嗣防衛副大臣をトップとする検討会を設け、来夏までにミサイル防衛(MD)態勢強化についての具体策を取りまとめる方針だ。
 THAAD導入をめぐっては、次期中期防衛力整備計画(2019~23年度)での配備を目指し、省内で検討を進めてきた。しかし、今年に入り、北朝鮮が20発以上の弾道ミサイルを発射。技術力を向上させ、核弾頭の小型化も進んでいるとみられていることから、導入を急ぐ必要があると判断した。
 現在、日本のMD態勢は、(1)イージス艦搭載ミサイル「SM3」による大気圏外での迎撃(2)撃ち漏らした場合、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が大気圏内の高度十数キロで迎撃-する二段構え。THAADが導入されれば、大気圏内に再突入する弾道ミサイルをPAC3の射程圏より高い高度で撃ち落とすことができ、防護範囲が拡大する。
 THAADは在韓米軍への配備が決まっており、日米韓での情報共有や効率的な運用も期待される。稲田朋美防衛相は来月中旬に米領グアムを訪問し、米軍に配備されているTHAADを視察する予定だ。防衛省はTHAADのほか、陸上配備型イージスシステム「イージス・アショア」導入も想定している。
 ただ、いずれも導入費用は数千億円規模とされ、「予算獲得は容易でない」(防衛省幹部)ことから、MD態勢強化への国民の理解が必要となってくる。中国の反発も予想され、導入には課題も多い。

軍事情報協定 円滑運用へ努力欠かせぬ(産経:主張)


北朝鮮は核・弾道ミサイル戦力の強化に余念がない。眼前の脅威に関する防衛上の機密情報を日韓両国が共有する意義は大きい。
 日本と韓国が結んだ軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は、日米韓3カ国の安全保障協力の基盤となり、対中牽制(けんせい)の意味合いもある。
 共に国民を守る責務がある両国政府として、締結は当然だ。
 日本は、北朝鮮西部から発射される弾道ミサイルの情報や韓国がヒューミント(人的情報活動)で得る情報に期待している。
 韓国側は、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射に危機感を募らせ、自衛隊の対潜水艦戦の情報などが欲しい。
 円滑に運用してこそ、協定は効果を発揮する。だが、その保証はない。協定をめぐる韓国側の政治状況が大きな要因である。
 2012年には、世論や中国の反発を恐れた李明博政権(当時)が署名式当日に締結を断ってきたという経緯がある。
 今回も韓国内では政争の具と化している。友人による国政介入疑惑で朴槿恵大統領の支持率は急落しており、野党や左派勢力は協定締結を「屈辱的な合意」と批判して撤回を主張する。
 冷静に考えてほしい。韓国にとって北朝鮮は現実の脅威となっており、その対応は急務である。自国民の安全を優先に考えれば、日本との協力は当然のことであるはずだ。
だが、思い込みに基づく歴史認識などが、韓国の反日的傾向を今も続けさせている。韓国が不法占拠する竹島問題も横たわる。日本たたきに熱中し、本当の敵を見失いがちだ。
 韓国の政局動向によって、親北勢力や親中国勢力が政権に入り込み、影響力を増すことへの警戒も必要だろう。
 機密情報を扱う協定の運用について、慎重な見極めが必要な点も忘れてはなるまい。
 あるべき日韓の安保協力は、今協定にとどまらない。自衛隊と韓国軍が燃料などを融通する物品役務相互提供協定(ACSA)の締結は双方の抑止力を高める。
 朝鮮半島有事の際に、米軍や韓国軍が韓国内の外国市民の保護を十分に行えるかは疑わしい。
 在韓邦人など各国市民の日本への退避について、日米韓の政府は真剣に話し合うべきである。

「国民が憲法のためにあるのではない」 関嘉彦教授が問い続けた憲法の意味 東京工業大学名誉教授・芳賀綏(産経:正論)


 安全保障をテーマに展開された「関・森嶋論争」が世の注目を集めたのは昭和54年だった。舞台はその年の『文藝春秋』7月号と10月号。手堅い正攻法で日本の防衛努力と日米同盟の重要さを説く関嘉彦氏(当時、東京都立大名誉教授。社会思想史)と、「侵入者は白旗と赤旗で迎えればよい」と少し奇をてらったような森嶋通夫氏(当時、ロンドン大学教授。経済学)が真っ向から対立した。

≪純理一筋の「道理の教師」≫
 国際環境激変の今なら、平和鎖国日本も両論が互角とは考えにくいが、当時はまだ後者の支持者も多くて双方伯仲する時代だった。そんな世論をバックに反復された論戦は、その年の文春「読者賞」に選ばれた。
 今から10年前、関教授逝去の際には『週刊新潮』が追悼の特集に紹介した森嶋夫人の談話に「あんな後味のいい論争はかつてなかった」という森嶋教授健在中の回顧談が掲載されていた。いかにも。誠実一路、ケレンもハッタリもなくフェアプレイを貫く関教授の人柄が論敵の心をも洗ったのだ。
 邪念のない関先生は、反左翼と反ファシズムを貫いた自由主義の巨大な思想家・河合栄治郎教授の高弟で、師の思想と「唯(ただ)一筋の路」の生き方の最も忠実な継承者だった。わけても言論人として孤軍、二・二六事件を決然論難した師の勇気を学んだという。
「その人の前に出ると背筋を伸ばさずにはいられぬ人」と朝日新聞の一論説委員は評し、櫻井よしこ氏は初対面で問答した印象を「この方は哲学者だな、と感じました」と追想した。大学教師としても後に比例区参院議員としても、先生の所説は純理一筋に大局を説き、「道理の教師」として教育界にも政界にも類のない香気を加えた。産経新聞「正論」欄創設初期からの執筆者で、健筆により当然にも「正論大賞特別賞」を受けられた。
 昭和初期の東大生、関嘉彦青年は河合著『社会政策原理』で開眼した。社会改革の思想はマルクスだけではないのだと知り、河合ゼミで「一筋の路」に踏み出した。師は近代日本の思想史の中で確たる哲学的根拠の上に「自由主義」理論を体系化した最大の思想家というべく、マルクス主義を排した改革の道を構想・力説した。

≪国際平和維持に協力すべきだ≫
 同じカテゴリーの思想は戦中の河合没後、第二次大戦後の西欧では「民主社会主義」と呼称され、各国で政権を担う先進政党が相次いだ。友党として日本に民主社会党(昭和35年結成。後の民社党)を生んだ西尾末広初代党首はいま河合教授とともに生誕125年、『社会政策原理』を精読して政治思想を固めた人で、河合門下の高弟、関教授に党綱領の起草を懇請した。
「河合先生存命なら当然執筆されたものだから門下の義務と思って引き受けた」という力作がメディアの注目を浴び、福祉国家の思想基盤ともされるに至った。
 関・森嶋論争に展開された関先生の安全保障思想は早くも昭和25年、日本の占領下にもう示されていた。『中央公論』25年10月号の論文「社会民主主義と国際民主主義」である(関著『戦後日本の国際政治論』一藝社刊に再録)。
 いわく、非武装中立を墨守していては、日本の民主社会主義者は国際的安全保障秩序の維持に協力できない、自国のことだけでなく国際の平和維持に協力すべきだ。これを委曲をつくして詳論したものだった。連合国占領下の思想的鎖国状態の中で、東西両陣営の冷戦構造の真の意味が理解されず、もっぱら内向きの“一国平和主義”の姿勢が強固だった中で、“進歩的”反米運動の高まりをもおそれず主張されたのは勇気ある論述だった。
 しかもまだ連合国軍総司令部(GHQ)の事前検閲下にあってアメリカ製憲法の第9条批判に及ぶには慎重を要すると考えられた。まして関先生には一度占領政策批判でGHQの注意があった。この論文に先生は苦心の表現で書かれた、「憲法は国民のためにあり、国民が憲法のためにあるのではない」と。

≪書き継がれた“日本人への遺書”≫
 執筆当時、先生は療養所で肺結核の闘病中であった。療養所の監視を逃れながらでなければ執筆などできない中を、想像を絶する苦心を重ねて書き継がれた論文は“日本人への遺書”とも覚悟して書かれたものだった。
 以来65年余、いまようやく9条を含む憲法改正を国会で発議できる環境に達してきた。改正の途は平坦(へいたん)ではないが、その間にも国際政局は予断を許さぬ状況が相次いで激動を呼び続ける中に、日本が重心低く毅然(きぜん)たる自由国家の姿を明示することはいよいよ急を要してきた。国の基本法典の整備を怠っている場合ではない。
 「僕の目の黒いうちに憲法を改めてほしい」と繰り返された関先生の宿願が、あたかも没後10年にして達成への道を展望できるいま、繰り返し、道理の教師による金言を。「憲法は国民のためにあり、国民が憲法のためにあるのではない」(東京工業大学名誉教授・芳賀綏 はがやすし)

南スーダン資料を一転公開 黒塗りは現地報道の情報(東京新聞)


防衛省が今年六月、表題以外をすべて黒塗りにして開示した陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)に関する作成資料を今月公開し、内容が現地報道を基に反政府勢力の「支配地域」を示した地図だったことが分かった。現地で公になっている情報まで黒塗りにする姿勢に、野党は「こんなものまで隠すのか」と批判している。 (新開浩)

 黒塗り資料は六月、フリージャーナリストの情報公開請求に対して開示。共産党が今月、同じ資料を要求し、勢力図の地図が公開された。南スーダンPKO十次隊が今年五月に出発する直前、隊員の家族向けに開かれた説明会で使われた資料の一部。「反政府派支配地域」や「戦闘発生箇所」などが記載されている。
 共産党の井上哲士参院議員は資料提出を受け、最近の国会審議で取り上げ「なぜ(六月は)隠したのか」と質問。稲田朋美防衛相は「当時は南スーダン暫定政府が発足したばかりで、内容を公にすれば同国に不利益を与え、わが国との信頼関係が損なわれる恐れがあった」と指摘した。公開に切り替えた理由は、七月に首都ジュバで大統領派と反政府勢力との銃撃戦が発生し、二百七十人以上が死亡したため「情勢を可能な限り国民に説明すべきだと判断した」と述べた。
 一方、これまで稲田氏は国会答弁で、南スーダンでは「反政府勢力が支配を確立した領域はない。武力紛争の当事者が現れたとは認識していない」と説明。戦闘の発生を否定し、衝突が起きているとの考えを示してきた。
 だが、資料には「反政府派支配地域」や「戦闘発生箇所」の表現がある。防衛省として双方とも認定していると受け取れ、自身の答弁と矛盾するが、稲田氏は「現地報道の表現を引用した。不正確な記述だった」と述べ、資料が間違っていたとの見解を示した。
 防衛省は共産党に八月にまとめた資料も公開した。「反政府派支配地域」は「反政府派の活動が活発な地域」に、「戦闘発生箇所」を「衝突発生箇所」との表現に修正していた。

駆けつけ警護「当たり前のことを」「慎重に」(読売N)


 自民党の小野寺五典・元防衛相と民進党の大野元裕・元防衛政務官が23日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊部隊に与えられた新任務「駆けつけ警護」などについて議論した。

 小野寺氏は駆けつけ警護について、「特別すごいことを付与するというより、ごく普通の当たり前のことを隊員にさせるということだ」と指摘。大野氏は、南スーダンの治安状況について、「事態が流動化している。現時点で撤収とは思わないが、慎重に見るべき時期になっている」と述べた。

韓国 現実味帯びるパク大統領の“職務停止”(NHK)


韓国の野党3党は、24日夜、パク・クネ(朴槿恵)大統領の弾劾を求める議案を来月9日までに国会で発議して採決にかけることで合意し、賛成に回る与党の一部の議員を含めると、可決に必要な国会議員の3分の2に達する見通しだとも伝えられていることから、パク大統領が職務停止に追い込まれる事態が現実味を帯びてきています。

韓国のパク・クネ大統領の長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告らをめぐる一連の事件で、野党3党は、24日夜、パク大統領の弾劾を求める議案について、国会の会期末にあたる来月9日までに発議して採決にかけるとともに、与党「セヌリ党」でパク大統領と距離を置く非主流派の議員に対し、議案に賛成するよう働きかけを強めることなどで合意しました。
大統領の弾劾を求める議案が可決されるには、国会議員の3分の2にあたる200人以上の賛成が必要で、そのためには与党議員のうち28人以上が賛成しなければなりません。これについて韓国メディアは、与党内の非主流派から、現時点で30人ほどが賛成に回る見通しだとも伝えていることから、パク大統領が職務停止に追い込まれる事態が現実味を帯びてきています。
一方、政府から独立した立場で大統領に対する捜査を行う「特別検察官」を任命するための法律が成立したことを受けて、パク大統領は24日、最大野党の「共に民主党」と第2野党の「国民の党」に対し、候補者を推薦するよう依頼しました。野党側は、今月29日までに2人の候補者を推薦し、そのうちの1人を、パク大統領が3日以内に任命することになっていて、来月上旬にも特別検察官による捜査が始まると見られています。
パク大統領がチェ被告との関係を初めて認めて国民に謝罪してから、25日で1か月となりますが、任期を1年3か月残して大統領の退陣を求める圧力は一段と高まっています。

日韓、軍事機密協定に署名 対北朝鮮、米交え連携強化(東京新聞)


 【ソウル共同】日韓両政府は23日、安全保障分野の機密情報共有を可能にする軍事情報包括保護協定(GSOMIA)にソウルで署名、協定は同日発効した。これまで主に米国を介して共有してきた北朝鮮に関する軍事情報を直接やりとりすることが可能になる。日米韓3カ国の連携の前提となる日韓協力を強化、有事の迅速な対応につなげる狙いだ。
 岸田文雄外相は23日、宮城県松島町で記者団に「北朝鮮の核、ミサイルは今までと次元の異なる脅威だ。日韓間の円滑、迅速な情報交換を期待している」と述べた。

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