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回顧2016 協調と和解の失速止めよ 「予想外」にたじろがぬ結束を(産経:主張)


 「予想外」「番狂わせ」の文字がメディアに躍った。英国や米国などで、協調や統合路線、寛容な政策にノーを突きつける民意が示された。いわゆる反既存政治、反グローバリズムの旋風が吹き荒れた一年だった。
 一連の民意の“勝者”に共通するのは、排外的で自国第一の姿勢だ。しかし、各国が自国の利益のみを優先し続ければ、衝突に至ることは歴史が示す通りである。
 統合、協調、グローバル化に向かってきた国際社会の結束の乱れは、けっして有益ではない。

 ≪欧州の将来決める投票≫
 今や、世界のどこにいてもテロの恐怖から逃れることはできないし、一国だけで安全を守れる時代でもない。2017年がこの理念を再評価、確認する年となることを望む。
 11月の米大統領選では、公職歴のない実業家、ドナルド・トランプ氏が勝利した。イタリアでは憲法改正を国民投票で問うたレンツィ首相が敗れ、辞任した。
 事前予想の「ズレ」と併せ、為政者と有権者の乖離(かいり)が民主主義の制度の下で突きつけられた。
 激震は英国から始まった。6月の国民投票では欧州連合(EU)離脱派が残留派をわずかに上回って勝利した。かつて多くの移民を受け入れ、その多様さを活力としてきたはずのこの国で、「東欧などからの移民に職を奪われた」とする国民の不満がEU離脱を後押しした。
 離脱派勝利の勢いは、欧州大陸で直ちに共有された。フランスでは反移民、反EUを掲げる極右政党「国民戦線」が伸長した。
 難民受け入れに寛容な政策をとってきたドイツも揺らいでいる。首都ベルリンの中心部で起きたトラック突入テロでは、12人が犠牲となった。
 昨秋の中東からの難民受け入れ以降、ドイツ各地で相次いだテロや暴力事件の中でも最悪のものとなり、反移民、反EUを掲げる右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持が上向く結果を招いた。
 独仏両国とも来年に国のリーダーを決める選挙が行われる。反EUの動きは止められないものとなるか、揺り戻しはあるか。EU基軸国の「選択」は、欧州の将来を決定づけるものになりそうだ。
 トランプ氏の勝利は、グローバリズムのお膝元である米国で、それへの拒否反応が高まっていることを示した。
 選挙期間中、在日米軍撤退の可能性を示唆して日本を驚かせたトランプ氏が、当選後に初めて会った外国首脳は安倍晋三首相だった。再会談にも合意し、次期政権が日米同盟を重視していることは世界に印象づけられた。
 強固な同盟を維持・発展させていくために、日本はどんな役割を果たせるのか。受け身とみられない対応を次期政権に明確に伝えていく必要がある。
 内外の注目を集めた日露首脳会談は、北方領土返還の困難さが再確認される結果となった。
 帰属問題が解決しないまま、ロシアとの経済協力が優先されれば、クリミア併合で対露制裁を科している先進7カ国(G7)の結束を乱しかねない。
 主権と領土をめぐっては「法と正義」に基づいた交渉以外に道はない。この原則に基づく断固とした対応は、南シナ海で現状変更を進める中国への牽制(けんせい)ともなることを重くみるべきだ。

 ≪緊密さを内外に示した≫
 「和解の力」を内外に示す歴史的行事も日米間であった。
 オバマ米大統領は5月27日、原爆を投下した米国の現職大統領として初めて広島の平和記念公園を訪問、原爆慰霊碑に献花した。
 被爆死した米兵捕虜の身元特定に尽力し、自身も被爆者の森重昭さんをオバマ氏が抱きしめる姿は、大きな感動を呼んだ。
 今週、安倍首相はハワイの真珠湾を訪問し、戦没者を悼んだ。戦火を交えたかつての敵がもっとも緊密な同盟国となった。和解の力を世界に示す意義は大きい。
 米大統領選でヒラリー・クリントン氏は敗れ去り、韓国の朴槿恵大統領は弾劾訴追された。英国ではメイ首相、ミャンマーではアウン・サン・スー・チー氏が国家の最高指導者に就いた。メルケル独首相は4期目に挑む。
 活躍、失脚を問わず、女性指導者が主役となることはもはや珍しくなくなった印象も色濃い。
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民進よ批判のための批判に説得力はない 12月31日(産経抄)


人のふんどしで相撲をとるようで申し訳ないが、30日付の読売新聞と日経新聞に、安倍晋三首相による28日(日本時間)の米ハワイ・真珠湾訪問後の世論調査結果が載っていた。それぞれ85%と84%の人が訪問を評価している。世間の受けとめはおおむねこんなところだろう。
 ▼「素晴らしい演説だった。約束していたゴルフもしたいね」。かつて激しく干戈(かんか)を交えた相手国である米国のオバマ大統領も、安倍首相にこう感想を述べたという。日米の「和解の力」を示したことで、内閣支持率も読売63%、日経64%と前回調査より数ポイントずつ上昇した。
 ▼移ろいやすい内閣支持率はあくまで一つの指標にすぎない。ただそうであっても、政党支持率が読売8%、日経7%と地を這(は)い、浮揚のきっかけがつかめずにいる民進党にとってはやりにくかろう。
 ▼「不戦の誓いと言いながら、5年連続で防衛費は増えている」。蓮舫代表は28日の党仕事納めのあいさつで、安倍首相の演説にこんな苦言を呈した。だが、領土的野心を隠さない中国や、核・ミサイル開発に余念がない北朝鮮の脅威を目の当たりにしている国民の多くの胸には、ほとんど響かない。
 ▼30日付小紙の今年の海外10大ニュースを見ても、「米大統領にトランプ氏」「英国EU離脱決定」「朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領、弾劾可決」…と世界は不確実性をどんどん増している。肝心の「対案」を忘れた批判のための批判を続けても、説得力は伴わないことを民進党は知るべきである。
 ▼来年は激動の年になりそうだ。過去の成功体験や安穏としていられた時代ばかりに目を向けても、歳月は無常に過ぎ去っていく。「大晦日(おおみそか)定(さだめ)なき世の定かな」(井原西鶴)。ともあれ、良いお年をお迎えください。

【防衛最前線(102)】 不時着では大騒ぎしたのに予算案では「沈黙」…オスプレイをめぐる不思議な話(産経N)


12月22日に閣議決定された平成29年度予算案をめぐり、不思議と言えば不思議な現象が起きた。
 防衛省は予算案で垂直離着陸輸送機V22オスプレイ4機分の取得費計391億円を計上したが、翌日の主要メディアで批判的な記事はほとんど見当たらなかったのだ。米海兵隊の同型機MV22が沖縄県名護市沖に不時着水したのは、予算案決定のわずか9日前のことだ。この間、大々的に事故の状況や米軍などの対応が報道されていただけに、予算案をめぐる「沈黙」が際だった。
 それもそのはず、データを見れば、オスプレイが危険な欠陥機とは言い難い。防衛省によると、オスプレイの10万時間当たりの事故率は昨年9月時点で2・64だった。米海兵隊が保有する航空機の平均値に相当する。防衛省が淡々とオスプレイ取得を進めることに安全面での問題はない。
 不思議な話と言えば、もう1つある。
 米軍基地を抱える全国の知事で作る「渉外知事会」は12月26日、防衛省の若宮健嗣副大臣に対し、海兵隊機の事故原因の究明や再発防止策を講じることなどを求める緊急要請書を手渡した。要請書は海兵隊機の事故を「不時着水」と表記した。
 沖縄県の翁長雄志知事らは事故を「墜落」と断じ、オスプレイの危険性を強調してきた。しかし、翁長知事も渉外知事会の一員であり、神奈川県の黒岩祐治知事が要請書を手渡した際は沖縄県の安慶田(あげだ)光男副知事も同席していた。関係者は「文面に関して沖縄側から特に反対はなかった」と明かす。
 海兵隊機はプロペラを損傷し、米軍キャンプ・シュワブ(名護市)にたどり着けないため名護市沖の浅瀬を着陸場所に選んだ。米側は「パイロットが狙ったところに降りており、墜落ではない」としている。
 翁長氏が渉外知事会の要請文に名を連ねた事実は、こうした米側の説明に内心では同意しているとも受け取ることができる。だが、翁長氏らは「墜落」であると繰り返しており、こうした「危険性のアピール」は日本全体の防衛力整備にも微妙な影を投げかける。
 防衛省は30年度までにオスプレイ17機を取得することを目指し、佐賀空港への配備を計画している。11月8日には山口祥義知事の要請を受け、米海兵隊が騒音確認を目的としたオスプレイの試験飛行を実施した。
 陸上自衛隊は相浦(あいのうら)駐屯地(長崎県)に「水陸機動団」を新設し、約55キロ離れた佐賀空港のオスプレイと一体運用する方針だ。尖閣諸島(沖縄県石垣市)などの離島奪還作戦をにらんだ南西諸島防衛強化の柱と位置づける。
 しかし、地元地権者の同意は得られておらず、山口氏は正式に配備を容認していない。山口氏は12月14日、米軍機不時着がオスプレイ受け入れに与える影響について「振り出しに戻ったという意識ではない」と語ったが、佐賀県民の理解がなければオスプレイ配備もおぼつかない。
 山口氏は沖縄の負担軽減にも理解を示しており、佐賀空港は米海兵隊機の訓練移転候補地としても名前が挙がっている。翁長氏らがオスプレイの危険性を強調するあまり、訓練移転による負担軽減が停滞するのであれば皮肉な話だ。(杉本康士)

釜山の少女像「極めて遺憾」…外務次官が抗議(読売N)


 杉山晋輔外務次官は30日、韓国の李俊揆イジュンギュ駐日大使に電話し、韓国南部・釜山プサンの日本総領事館前の公道に慰安婦を象徴する少女像が設置されたことについて、「極めて遺憾だ」などと抗議した。

 政府は早急に撤去するよう韓国側に要求している。
 昨年12月末の慰安婦問題を巡る日韓合意では、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認し、ソウルの日本大使館前の少女像について、韓国政府が「適切に解決されるよう努力する」とされた。杉山氏は、釜山での新たな少女像設置は「日韓合意の精神に反する」と批判し、「日韓関係に好ましくない影響を与える」と伝えた。
 杉山氏はまた、少女像設置は外交関係に関するウィーン条約で規定した「領事機関の安寧を妨害し、威厳を侵害するもの」にあたるとし、「問題だ」と指摘した。
 長嶺安政駐韓大使も30日、韓国外交省の林聖男イムソンナム第1次官に電話で抗議した。

ミサイル防衛強化 次の防衛力整備計画の議論活発化へ(NHK)


政府は、ことし、北朝鮮による弾道ミサイルの発射が相次いだことを受けて、ミサイル防衛の強化を急ぐ方針で、来年の夏ごろから始まる次の防衛力整備計画の検討作業に向けて、防衛省内や自民党内で議論が活発化する見通しです。

北朝鮮は、ことし、ほぼ同時に発射した複数の弾道ミサイルを日本の排他的経済水域に落下させるなど、合わせて20発余りの弾道ミサイルを発射し、政府は、安全保障上の脅威は新たな段階に入っているとしています。
このため、政府はミサイル防衛の強化を急ぐ方針で、来年度、予算案にイージス艦に搭載する、より能力の高い迎撃ミサイルを取得する費用などを盛り込んだほか、防衛省に若宮副大臣をトップとする委員会を新たに設けて具体的な検討を始める方向で調整しています。
また、自民党の安全保障調査会も、来月から、弾道ミサイルの迎撃システムの在り方や、自衛隊が敵の基地を攻撃する能力=「敵基地攻撃能力」を持つべきかどうかなどについて有識者の意見も聞きながら検討し、防衛省に提言したいとしています。
政府は、平成31年度からの次の防衛力整備計画の検討作業を来年の夏ごろから始めることにしており、今後、防衛省内や自民党内で議論が活発化する見通しです。

稲田朋美防衛相ぶら下がり詳報 「忘恩の徒にはなりたくない」「防衛大臣である稲田朋美が一国民として参拝した」 (産経N)


 稲田朋美防衛相は29日の靖国神社参拝後、記者団の取材に応じた。詳報は次の通り。

    ◇
 --記帳は
 「『平成28年12月29日 防衛大臣 稲田朋美』と記帳いたしました」

 --玉串料は
 「玉串料は私費です」

 --公人としての参拝か
 「防衛大臣である稲田朋美が一国民として参拝したということです」

 --このタイミングとなった理由は
 「いつも申し上げていることですけども、今の平和な日本は、国のために、祖国のために命をささげられた方々の、その貴い命の積み重ねの上にあるということを私は忘れたことはありません。戦後70年に安倍晋三首相が談話を発表され、また今年は原爆を投下した国の大統領が広島を訪問され、また、真珠湾に首相が行かれ、慰霊の言葉を述べられました。私も同行したわけですけども、最も熾烈(しれつ)に戦った日本と米国が、いまや最も強い同盟関係にある。どのような国であったとしても、敵方として分かれた方々、国であっても、例えばミズーリ号には私は行きましたけれども、たくさんの特攻の青年たちの遺書と写真が飾ってあります。また、飯田房太中佐の慰霊碑は米国方が建てたものであります。その飯田さんは真珠湾攻撃で引き返して、基地に撃墜した方ですけれども、米国方でしっかり慰霊をしております。そういったことなども報告をし、未来志向に立ってしっかりと日本と世界の平和を築いていきたいという思いで参拝をしました」

--中国や韓国の反発が予想される
 「私は、いかなる歴史観に立とうとも、いかなる敵味方であろうとも、祖国のために命をささげた方々に対して感謝と敬意と追悼の意を表するのは、どの国でも理解をしていただけるものだと考えております」

 --参拝について首相と真珠湾で話をしたか
 「しておりません」

 --真珠湾での慰霊と靖国神社参拝は意味合いが異なる
 「私自身は、さきほども申し上げました通り、いかなる歴史観に立とうとも、また敵味方として熾烈に戦った国同士であったとしても、祖国のために命をささげられた方々のその命の積み重ねの上に今の平和な日本がある、そして、そういった方々に感謝と敬意と追悼の意を表するということは理解いただけると思います」

 --心の中には特攻隊員で訓練中に亡くなったおじへの思いもあるのか
 「そうですね。おじは21歳で、しかも、終戦直前の5月25日に特攻隊員として訓練中に亡くなり、そして靖国神社に合祀(ごうし)されております。そういった将来ある青年たちが、決して日本は勝つと思っていたわけではないけれども、自分たちの出撃したことによって、日本の未来を、平和な日本というものを描いていたと思います。そういった青年たち、また戦争で家族とふるさとと国を守るために出撃した人々の命の積み重ねのうえに今の平和な日本があるということを忘れてはならないし、忘恩の徒にはなりたくないと思っています」

 --8月15日に参拝できなかったことへの後悔もあるのか
 「それはありません。私は今までも海外視察を優先して8月15日に参拝しなかったのは、今までも、8月15日にこだわっていたわけではありません。そして、このタイミングでというのも、真珠湾の訪問のことや、また、さまざま公私ともにあったことなども報告をしてきたところです」

 --真珠湾訪問が今回の訪問のきっかけになったのか
 「いえ、そういうことではないです。ただ、真珠湾や飯田房太さんの慰霊であったり、またミズーリ号にも行ってきましたが、そういったことなども報告をしたということです」

 --大臣になって初めての参拝か
 「そうです」

「真珠湾」超越した新しい同盟構築目指せ 「希望の同盟」を潰してはならぬ 杏林大学名誉教授・田久保忠衛(産経:正論)


≪「真珠湾」を超越した関係構築を≫
 小学校3年生のときに真珠湾攻撃の大本営発表を聞き、敗戦の御詔勅に接したのは中学校1年生だった。占領下の日本がどのようなものであったかは自らの体験を通じて理解している。
 60年安保騒動をはじめとする日米関係の危機、とりわけ1970年代初頭の日米繊維戦争、ニクソン訪中による衝撃はニュースの報道者として現場にいた。そのせいもあったろう。安倍晋三首相とオバマ米大統領がそろってアリゾナ記念館を訪れ静かに目を閉じ献花した様子をテレビで見て、日米関係もついにここまできたかとの感慨に耽(ふけ)った。
 首相は「希望の同盟」と「和解の力」を説いたが、これは今後の同盟のあり方を物語る。複雑怪奇の度合いを強める国際社会を日本が生き延びるには「真珠湾」を超越した新しい、より強固な同盟関係構築を目指さなければならない。首相のハワイ訪問はその原点になるのではないか。
  unpredictable (予想不可能)という言葉が英字紙などに目立って多くなっている。最たる例は、次期米政権がどのような外交・防衛政策を打ち出そうとするのかが不明なことだ。
トランプ次期大統領は自らロシアのプーチン大統領を優れた指導者だと評価し、米石油メジャー、エクソン・モービルのレックス・ティラーソン会長兼最高経営責任者(CEO)を国務長官に、イスラム国(IS)を破滅させるためにはロシアと手を結ぶべきだと主張してきたマイケル・フリン元国防情報局(DIA)局長を大統領補佐官(国家安全保障担当)にそれぞれ指名した。次期米政府はロシアとの関係改善を望んでいると誰もが感じるだろう。

 ≪急激な変化をきたす国際秩序≫
 トランプ氏は台湾の蔡英文総統と電話で短時間ながら会談した。その後、テレビ・インタビューで「貿易などで合意ができないなら、なぜ『一つの中国』に縛られなければいけないのか」と述べた。従来の米政府の対中国政策を観察している者にとっては、にわかに信じ難いニュースだ。貿易だけではなく、南シナ海についても同じインタビューで言及しているから、米新政府は中国に厳しい政策をとるに違いないと読むだろう。
 しかしながら、いずれの場合にも重要なただし書きが必要である。ロシアに関しては、米大統領選でトランプ氏を勝たせようともくろんで民主党大会にサイバー攻撃を加えた-との米中央情報局(CIA)報告が公にされ、オバマ大統領はこれを確認した。トランプ陣営は猛反発しているが、この問題が発展していくと米国内にいかなる事態が発生するか。
 さらにトランプ氏は訪中して習近平国家主席と会談したキッシンジャー元国務長官を通じて意思を交換したとみられている。習主席と長年交際があるアイオワ州知事のテリー・ブランスタッド氏は次期駐中国大使に指名されている。
 米国だけでなく、いまの国際社会の秩序は構造的に急激な変化をきたしている。米最大のシンクタンクである外交問題評議会のリチャード・ハース会長は、フォーリン・アフェアーズ誌最新号に「世界秩序2・0」と題する一文を書き、1648年のウェストファリア条約で規定された国家主権を基本とする国際秩序に疑問を呈した。国家間の紛争や不安定を、主権尊重や勢力均衡を唱えて収めようとしても不可能な観光客、テロリスト、難民、電子メール、疾病、ドル、温室効果ガスなどを国際化した社会が招いてしまったので、従来の秩序1・0に代わり、「2・0」が必要だとの指摘である。

≪誠実な対応が理解を深める≫
 2国間外交に話を戻そう。安倍首相のハワイ訪問は、オバマ政権末期、トランプ新政権発足直前という絶妙のタイミングで行われた。首相はいち早くトランプ氏と電話、次いで直接会談を行い、大統領就任式後には公式の首脳会談を予定しているという。
 11年間続いた日英同盟の英側当事者だったエドワード・グレイ外相は回想録の中で、日本がいかに英国にとって公平で、忠実な同盟国であったかを特に書き記している。目標、戦略、戦術がどういうものであるかはっきりしないトランプ政権に日本を理解させるには、陳腐な表現だが、誠実な対応をするほかない。
 気になるのは元政府首脳の月刊誌での発言だ。2年前にプーチン大統領に対し「(日本は)確かにアメリカの言いなりになって制裁を科した。しかし、大統領、実害がありましたか」と述べたいきさつを明らかにしている。おそらく、安倍首相が進めている対露外交を成功させたいとの熱意からだろうが、事実とすれば米国をはじめ日本が身を置いてきた民主主義諸国への背信行為で、日米外交の信頼性は地に落ちる。「希望の同盟」は潰れる。
 遠心力が働き、中心点がぼやけている国際社会の中で、改めて悟るべきは同盟の価値だ。(杏林大学名誉教授・田久保忠衛 たくぼ ただえ)

全文(日本語訳)】「イチローたちが日米の友好に寄与」オバマ大統領・パールハーバー訪問の所感 (ホウドウキョク)


戦争の深い傷は友情で癒すことができる
安倍首相、アメリカの市民を代表して、非常に寛容なる言葉をいただき、ここにお越しいただいたことに感謝を申し上げます。安倍首相からは和解の力、そしてアメリカと日本の同盟の力強さということに関しての言及がありました。戦争の深い傷というものは、友情をもってその傷を癒すことができるということの表れでしょう。そして、きょうここにご列席いただいた方、軍の関係者の方、真珠湾攻撃を生き抜いた方々に私からもあいさつしたいと思います。
アメリカの市民に対しては、特にハワイを故郷としている人に言いたいことですが、真珠湾は神聖な場所です。私たちは神聖な海に対して献花を行い、慰霊の心を捧げました。2400人を超えるアメリカの愛国者が命を落としました。そして、多くの遺族が今でも彼らの冥福を祈っています。

青い海の中にミサイルが撃ち込まれ、多くの人が命を落とした
12月7日(※アメリカ時間)以降、75年にわたって、私たちはこうした慰霊の心を持ち続けてきました。それまでは楽園だったところかもしれません。水もあたかかったことでしょう。そして、青い海の中にミサイルが撃ち込まれ多くの人が命を落とした。そして、そこにつながれていた戦艦は失われました。
そこではカリフォルニア、メリーランド、テネシー、オクラホマ、ウエストバージニア、ネバダ州から来た多くの兵士がいました。アリゾナの甲板では、みな勇気をもって甲板での作業に臨んでいました。アメリカ人は自分たちの国を何としても守るんだという気持ちを持ち、勇気を持って行動しました。そして、そこでは黒人も船の清掃を行なったり、アリゾナの戦艦の上の砲台の整備にあたっている人もいました。
ジム・ダウニングという人物はウエストバージニアからやってきました。そして、そこでの任務にあたっていました。救難ボートで難民としてアメリカに流れ来ました。そして、軍にその命を捧げました。船を救い、それと同時に、そしてそこで犠牲となった人々の名前を記録し、遺族に連絡を行う任務をしました。ヘリー・ペインというアメリカ人がいます。ホノルルで消防士としての仕事をしていました。そこで命を捧げて、消火に当たった人物でもありました。真珠湾にはそのような多くの人々の犠牲があったのです。
50口径のマシンガンを操作し、そして20回も負傷をしながら戦艦を守る作業をした人物もいたのです。私どもはここで、戦争というのが、人々の努力そして、いろいろな気持ちを表していると感じずにはいられません。
アメリカの歴史の中で、こうした442師団がどのような行動を起こしたのか、これはしっかりと歴史の中に刻まれていることでもあります。
私の友人もいました。ハワイの上院議員として活躍しました。一緒に仕事をし、上院でともに働きました。本当にあの世代の上院議員としてアメリカに尽くされた方でした。
パールハーバー、アメリカの第二次大戦の初の船長となりました。アメリカはここで大きく飛躍しました。私の祖父も含めて、その素晴らしい世代です。戦争を望んだわけではなく、勇気をもって前戦に立ち向かっていった人たちでした。しかも、生存者の皆さんがここにもいらしています。勇敢な彼らの姿をたたえたいと思います。それが心に残されています。ぜひ真珠湾、そして第二次世界大戦の戦場に行かれた方たち、ここにお集まりでしたらお立ちいただけたら幸いです。(拍手)

日米同盟は、良い時も悪い時も一緒に乗り越えてきた
人類の中でも他にない厳しい戦いでした。何万人ではありません。何百万人が犠牲となりました。アメリカと日本、そのあと友情という平和の道を探りました。ここ数十年、それによってお互いの国が繁栄し、国際秩序を作りました。何十億もの人たちを貧困から救うことにも努力してきました。日米の同盟関係は、お互いの利益だけでなく、共通の価値観のもとに、平和安定ということがアジア太平洋圏だけではなく世界中に波及しています。この同盟はいい時も悪い時も一緒に乗り越えてきました。5年前、日本で震災があった際も、アメリカ軍もすぐに駆けつけました。世界中、アメリカと日本は常に一緒に安全保障ということで協力し、様々な疫病、核兵器に立ち向かってきました。
戦場において平和を求めてきました。真珠湾の近くで今年初め、日本を含む20か国が演習を行いました。ハリス司令官のもとでしたが、彼はアメリカの海軍士官の息子であり、お母さんは日本人です。ハリス司令官は横須賀生まれです。素晴らしいリーダーシップを発揮してくれてありがとうございます。

「オタガイノタメニ」
ここにいること、それは政府間のことだけではなく国民同士、安倍首相と私だけではありません、2つの国が協力し、友情関係を持った時に何ができるかを象徴しています。戦争は終わります。強い同盟関係を結ぶことができます。平和の果実は、戦争を上回るものがあります。それが、真珠湾が私たちに伝えていることです。
様々な激しい憎悪に満ちた戦いがあったとしても、そのあとは悪者を追放し、ここでの犠牲者を考えるときに、彼らが戦争に対して思ったくやしさ、そのあと、人類が必ずや共有するであろう真実、日本人の友人がおっしゃる「オタガイノタメニ(お互いのために)」ということを考えたいと思います。常にお互いのためにということを考えたいと思います。
今回の教訓です。キャプテンキャラハンの言っていたことです。ミズーリ号の士官の言葉です。戦艦が攻撃を受けた、それでも日本人の慰霊を行うと決めた人でもありました。それが日本のパイロットから得られた教訓でもあったんです。多くの人々が毎月、アメリカの人のために、また日本の兵士のために、毎月毎月祈りを捧げると決めたのです。1人のアメリカ人と1人の日本人が与えてくれた教訓です。

過去の歴史は選択できないが、歴史から学ぶことはできる
今では若者がアメリカに、日本にお互い越境しています。そして、がんの研究を行い、気候変動に対処し、天体の観測を行い、イチローのような野球選手がマイアミで活躍している。アメリカそしてまた日本のおいても活躍する人、それが日米の友情・友好関係に寄与しているわけです。
過去の歴史を選択することはできません。しかし、歴史から教訓を得て、何を学ぶかということはできるでしょう。私と安倍首相は友情を選びました。そしてお互いに常に還元するということをしてきました。そして、戦争が何をもたらすのか、平和の意味がどこにあるのかということを世界に訴えてきました。
和解の力、寛容の心をもって、お互いに仕事をしてきました。きょうの真珠湾は、非常に静かな一日となっています。これは日米両国がお互いに友情を選んだ、その証でもあるかもしれません。神は確かに私たちを見守ってくれているかもしれません。神のご加護がこれから私たちすべてにあらんことを願いたいと思っています。

南スーダン情勢 安定構築へ外交努力強めたい(読売:社説)


政情不安が続く南スーダンをいかに安定させるか。日本は関係国と連携し、同国政府への働きかけを強めるべきだ。
 国連安全保障理事会で米国が提出した対南スーダン制裁決議案が否決された。
 安保理の15か国のうち、米英仏など7か国が賛成し、日中露やアフリカ3か国を含む8か国が棄権した。米国主導の決議案に日本が同調しないのは異例である。
 決議案は、南スーダンへの武器輸出を禁止し、政府と反政府勢力の幹部に資産凍結や渡航禁止を科す内容だ。虐殺など住民への人権侵害を防ぐのが目的という。
 別所浩郎国連大使は、「政権が前向きな行動を取っている時に、制裁は逆効果だ」と棄権の理由を説明した。制裁を科す時機として適切ではないとの認識だ。
 安保理は今年8月、首都ジュバなどの治安確保へ、国連平和維持活動(PKO)部隊の約4000人の増派を決議した。南スーダンは難色を示したが、日本などの説得で11月に受け入れを決めた。
 南スーダンでは、昨年8月の和平合意を踏まえ、今年4月に暫定政府が発足した。政府が反政府勢力を弾圧し、難民を大量に発生させたのは事実だ。国連に非協力的という問題もある。
 それでも、今、制裁を科せば、国連との信頼関係が一層失われ、和平の維持が困難になる。棄権という判断は十分に理解できる。
 日本は、PKOに陸上自衛隊部隊約350人を派遣している。
 野党の一部などには、陸自の安全を優先して武器禁輸を回避するのは本末転倒だ、との批判もある。だが、重要なのは、禁輸の実効性と影響を見極めることだ。
 南スーダンでは、様々な不法ルートで周辺国などから武器を容易に輸入できる。反政府勢力に武器が渡れば、政府軍による治安維持の重大な障害となろう。
 ケニアなど東アフリカ8か国は「制裁は安定をもたらす解決策ではない」と決議案に反対する声明を発表している。米国も、「人権重視」という政治的なアピールに重点があったのではないか。
 岸田外相は今月7日、キール大統領と電話会談し、「市民への暴力は絶対に受け入れられない」と伝えた。先週も、政府特使を派遣し、国民融和に向けての一層の努力をキール氏に求めた。
 日本も、将来の制裁を否定してはいない。制裁実施も外交カードとし、南スーダン政府に過剰な暴力の自制と治安回復への真剣な取り組みを迫ることが大切だ。

稲田防衛相 靖国神社に就任後初の参拝 「どの国でも理解頂ける」(NHK)


稲田防衛大臣は29日午前、就任後初めて東京・九段の靖国神社に参拝し、「祖国のために命をささげた方々に対し、感謝と敬意と追悼の意を表することは、どの国でも理解して頂けると考えている」と述べました。

稲田防衛大臣は29日午前8時ごろ、東京・九段の靖国神社を訪れ、防衛大臣に就任してから初めて参拝しました。稲田大臣は靖国神社に参拝したあと、記者団に対し、私費で玉串料を納め、「防衛大臣・稲田朋美」と記帳したことを明らかにしたうえで、「防衛大臣である稲田朋美が一国民として参拝したということだ」と述べました。
そして、稲田大臣は「ことしは原爆を投下した国の大統領が広島を訪問し、きのうは安倍総理大臣が真珠湾に行って慰霊の言葉を述べた。最もしれつに戦った日本とアメリカが、今や最も強い同盟関係にあるなど、未来志向に立って、しっかりと日本と世界の平和を築いていきたいという思いで参拝した」と述べました。
一方、稲田大臣は、記者団が「中国や韓国の反発も予想されるが」と質問したのに対し、「いかなる歴史観に立とうとも、いかなる敵、味方であろうとも、祖国のために命をささげた方々に対し、感謝と敬意と追悼の意を表することは、どの国でも理解して頂けると考えている」と述べました。
稲田大臣は例年、終戦の日の8月15日などに靖国神社に参拝していますが、ことしの終戦の日は、防衛大臣としての海外視察のため、参拝していませんでした。

首相「ノーコメント」
安倍総理大臣は、稲田防衛大臣が靖国神社に参拝したことについて、29日午前、神奈川県茅ヶ崎市で記者団に対し、「それについてはノーコメント」と述べました。

民進 野田幹事長「自身が内外に説明する責任」
民進党の野田幹事長は党本部で記者団に対し、「安倍総理大臣とオバマ大統領が真珠湾に行き、『不戦の誓い』で共同行動がとれたことは一定の評価をしているが、そこに同行していた方がその直後に参拝というのは、どういう意味なのか。諸外国へ与える影響も含めて、きちんと稲田防衛大臣自身が内外に説明する責任がある」と述べました。

中国外務省報道官「断固として反対」
稲田防衛大臣が就任後初めて靖国神社に参拝したことについて、中国外務省の華春瑩報道官は29日の記者会見で、「中国は断固として反対する」と述べて非難しました。
そのうえで華報道官は、稲田大臣が安倍総理大臣とともに旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を追悼する施設を訪れたことに触れ、「今回の参拝は、一部の日本人のかたくなで誤った歴史観を表しているだけではなく、真珠湾のいわゆる『和解の旅』をこれ以上ない皮肉なものにし、世の人々の日本の行動や意図に対する警戒を高めただけだ。日本の指導者が国内外の正義の声に耳を傾け、侵略の歴史を直視し、深く反省するよう求める」と述べました。
また、関係者によりますと、29日午後、中国外務省の肖千アジア局長が北京に駐在する日本の伊藤康一公使を呼んで抗議したということです。

韓国外務省報道官「嘆きを禁じえない」
稲田防衛大臣が就任後初めて靖国神社に参拝したことについて、韓国外務省のチョ・ジュンヒョク(趙俊赫)報道官は29日の記者会見で、「日本の責任ある政治家が過去の植民地支配と侵略戦争を美化し、戦争犯罪者を合祀する靖国神社に参拝したことに政府として嘆きを禁じえない」と述べ批判しました。そのうえで、「歴史を正しく直視し、謙虚で誠実な反省を実際の行動で示すことでのみ周辺国と国際社会の信頼をえることができる」と強調しました。
また、これに先立って韓国外務省のチョン・ビョンウォン(鄭炳元)北東アジア局長は、ソウルにある日本大使館の丸山浩平公使を呼び、「日韓関係を改善しようとする努力に逆行する行為で非常に不適切だ」と抗議しました。
一方で、韓国国防省も「韓国政府が未来志向の両国関係を作っていくべきだと強調してきたにもかかわらず、日本の防衛大臣が、靖国神社に参拝したことに深刻な憂慮と遺憾を表明する」との声明を発表しました。

真珠湾での慰霊 平和保つ同盟を確認した(産経:主張)


■靖国を参拝し「訪問」報告せよ

 「和解の力」に基づく日米同盟の絆の強さを発信した意義は大きい。緊密な同盟こそ地域安定の礎となるものだ。その抑止力を一層高めていくことが重要である。
 日米戦争発端の地となったハワイ・真珠湾で、安倍晋三首相と米国のオバマ大統領が肩を並べ、戦争で亡くなった人々を慰めたことを素直に喜びたい。
 日米それぞれの国の戦没者、および戦災で亡くなった人々に対し、敬意と哀悼の誠をささげたのである。

 《対中国の抑止力を築け》
 75年前の真珠湾攻撃以来、両国の首脳がそろってこの地を訪れたのは初めてのことだ。
 安倍、オバマ両氏は不戦の誓いと日米和解の意義を強調し、アジア太平洋地域と世界の平和と発展のためという同盟の役割を再確認した。
 この地域における最大の不安要因は、軍事的に台頭した中国の脅威である。慰霊に先立つ首脳会談で、中国の空母が西太平洋へ初めて進出したことが話題となり、その動向を注視すべきだとの認識で一致した点にも象徴される。
 会談では、南シナ海や東シナ海における中国の行動を念頭に、太平洋とインド洋を「自由で開かれた海域」として維持するためのインド、オーストラリアとの協力を申し合わせた。北朝鮮の核・弾道ミサイル開発問題で連携していくことも確認した。
今後、具体策を講じるのは、安倍首相と来年1月に就任するトランプ次期大統領の役割となる。日米の協力を継続、強化していかねばならない。
 オバマ大統領は演説で、日米同盟について「新たな世界大戦を防ぎ、国際秩序の強化に貢献している」と評価した。同盟が揺らぐことがあれば、大規模な戦争に発展する危機を招来しかねない、ということである。
 安倍首相は、戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないとの「不動の方針」を強調した。同盟を強めるのは、戦争を回避することそのものであるといえよう。
 安保関連法や防衛力の整備は、日米同盟と自衛隊を充実させ、戦争を抑止する。平和への道としての努力であることを、内外に説明していく必要がある。
 それは、首相が語った「世界を覆う幾多の困難に立ち向かう希望の同盟」の実現に不可欠だ。
 今回の真珠湾訪問とオバマ大統領の広島訪問は連動するものではない。これら2つの訪問によって日米が初めて和解したわけではない点を指摘しておきたい。
 両国は、とうに和解している。法の支配や民主主義などの基本的な価値観を共有してきた。
 首相の演説に直接的な謝罪がなかったとして、問題視するのもおかしい。「謝罪ではなく慰霊のため」の訪問だからだ。菅義偉官房長官が「米国と協力し、世界の平和と安定に貢献していくことを伝えた」と、その意義を語ったのは妥当な判断だ。

《「寛容」が「憎悪」に勝る》
 成熟した関係にある両国は、憎悪ではなく寛容の心を持つ。だからこそ、広島でもハワイでも相手に謝罪を求めなかった。
 そもそも、戦争をめぐる日米の歴史観は重なり合わない。真珠湾攻撃にしても、米国は「屈辱の日」と位置づけてきた。日本にとっては、自存自衛のため大きな戦果を挙げた戦いだ。
 思想の自由や言論の自由がある民主主義の国同士として、当然である。欧米のメディアも、今回の真珠湾訪問をおおむね好意的に報じている。
 これに対し、中国外務省の報道官は「侵略の歴史を深く反省すべきだ」と日本の謝罪を求めた。自国の歴史認識を言い張り、謝罪せよと求めてやまない。
 中国の江沢民国家主席(当時)は1997年の訪米時、わざわざハワイに立ち寄り真珠湾で献花をした。日本を米中共通の敵と印象付けようとしたからだ。
 力による現状変更をねらう中国にとり、日米同盟は大きな障害物となる。今後も歴史問題を用いて日米分断を図ってくることに備える必要がある。
 ここで安倍首相には、靖国神社参拝の再開を改めて求めたい。吉田茂首相(当時)はまだ占領中の昭和26年10月、サンフランシスコ平和条約締結を戦没者に報告するため靖国を参拝した。真珠湾訪問も十分報告に値しよう。

寛容の価値を世界に すぐに歴史問題を振りかざす中韓にも理解を迫る 論説委員兼政治部編集委員・阿比留瑠比(産経N)


 安倍晋三首相が27日(日本時間28日)に米ハワイ・真珠湾で行った演説からは、敵国として熾烈(しれつ)に戦った米国との間で「戦後」に決着をつけ、強固な日米同盟を基盤にともに未来を切り開こうという強い思いがうかがえる。それは、4年前の第2次政権発足後、安倍首相が一貫して取り組んできたことでもある。
 「これで戦後は完全に終わりになるかな。いつまでも、私の次の首相まで戦後を引きずる必要はない」
 安倍首相は今回の真珠湾訪問を発表した5日夜には、周囲にこう語っていた。日米同盟に刺さった最後の「トゲ」である真珠湾で、5月の被爆地・広島に続いてオバマ米大統領と並んで戦没者の慰霊を行うことで、米政府との間では歴史問題をめぐる不毛な対立は今後、なくなるはずだ。
 もともと安倍首相は、米議員らから拍手喝采を浴びた昨年4月の米上下両院合同会議での演説と、世界で高い評価を受けた昨年8月の戦後70年の首相談話発表で日米の和解を演出し、強調していた。真珠湾訪問にはその総仕上げという意味合いがある。
 安倍首相は米議会演説後には「握手攻めにあった米議員らから口々に『もう謝罪は必要ない』といわれた。米国との間では歴史問題は終わった観がある」、戦後70年談話発表時には「謝罪外交に終止符を打ちたい。これでもう80年談話や90年談話は必要ない」とそれぞれ周囲に語っていた。そしてハワイ出発前には次のように述べている。
「米議会演説と70年談話で、米国との関係ではかつての戦争は歴史の領域に入った。だから今回は、それを踏まえて日米同盟の強さを確認する場でもある」
 実際、真珠湾演説では米議会演説や戦後70年談話にはあった「反省」や「悔悟」といった言葉は使わなかった。もう謝罪めいたことは必要ないという自信の表れだといえるし、米側もそれを受け入れている。
 日米間で過去の戦争へのわだかまりが払拭されれば、中国やロシアもこれ以上、日米離間を図ることは難しい。歴史認識や安全保障観がまだ定かでないトランプ米次期大統領に対しても、日米同盟の重要性を印象づけることができる。
 そのためのキーワードが「寛容」と「和解」だ。
 「寛容の心、和解の力を、世界はいま、いまこそ必要としています」
 安倍首相は演説でこう述べるなど、「寛容」という表現を7回用いた。70年談話でも「寛容の心によって、日本は、戦後、国際社会に復帰することができました」など2回、「寛容」を使用している。
 これは、かつて敵国だった米国による戦後の援助への感謝の表明であると同時に、紛争の絶えない世界各国のありように対する警告でもある。さらには、戦後70年以上がたっても過去ばかりに目を向け、すぐに歴史問題を振りかざしては優位に立とうとする中国や韓国に、寛容さの価値への理解を迫るものだ。
 戦後70年談話では、中国を含む諸外国の寛容さを強調して「心からの感謝の気持ち」を表明したため、中国側から特に目立った批判は出なかった。真珠湾演説でも「米国が、世界が、日本に示してくれた寛容」と述べ、寛容の普遍的価値を訴えている。
 「今日をもって、『パールハーバー』は和解と同盟の記念日になりました」
 演説に先立つオバマ氏との最後の首脳会談。安倍首相はこう語りかけ、オバマ氏に手を差し伸べた。大統領も「その通り」と答え、首相の手を握り返した。
 2人の思いが実を結んだとき、本当に世界で「戦後」が終わる。

米国の「寛容」、零戦パイロットの碑が象徴 首相が紹介(朝日N)


 安倍晋三首相は27日(日本時間28日)の演説で、真珠湾攻撃の際に米軍施設に突入して亡くなった零戦パイロットについて触れた。攻撃を受けた側の米軍が勇気をたたえて遺体を埋葬し、記念碑を建てたことを、米国民の「寛容の心」を示す象徴的なエピソードとして紹介した。

 飯田房太中佐(当時は大尉。戦死後に2階級特進)は、空母蒼龍の零戦パイロットとして真珠湾攻撃に参加。米軍基地を攻撃中、燃料タンクに被弾し、格納庫に突入した。米軍は飯田中佐の勇気をたたえ、基地内に遺体を埋葬。1971年には記念碑を建立した。
 安倍首相は26日、記念碑を訪問。演説では「勇者は、勇者を敬う」という米国のジャーナリスト、アンブローズ・ビアスの言葉を引きながら、「戦い合った敵であっても、敬意を表する。憎しみ合った敵であっても、理解しようとする。そこにあるのは、米国民の寛容の心だ」と紹介した。(ホノルル=下司佳代子)

中国の空母「注視すべき」…日米首脳が認識共有(読売N)


【ホノルル=福田麻衣】安倍首相は27日午前(日本時間28日早朝)、オバマ米大統領とホノルルの米太平洋軍基地で会談した。
 来年1月に退任するオバマ氏との最後の首脳会談で、日米の同盟関係強化に取り組んでいく必要性で一致した。
 約30分間の会談で、両首脳は中国の空母を中心とする艦隊の西太平洋進出について「中長期的観点からも注視すべき動向」との認識を共有。北朝鮮の核開発などに日米韓が連携していくことを確認した。
 首相はトランプ米次期大統領が離脱表明している環太平洋経済連携協定(TPP)について「次期政権にも(批准を)働きかけていく」との考えを伝えた。米軍輸送機オスプレイが沖縄県名護市沖に不時着した事故について、遺憾の意を表明し、オバマ氏は緊密に意思疎通する考えを示した。

安倍首相所感「和解の力」全文(NHK)


オバマ大統領、ハリス司令官、ご列席の皆さま、そして、すべての、アメリカ国民の皆さま。
パールハーバー、真珠湾に、いま私は、日本国総理大臣として立っています。
耳を澄ますと、寄せては返す、波の音が聞こえてきます。
降り注ぐ陽の、やわらかな光に照らされた、青い、静かな入り江。
私のうしろ、海の上の、白い、アリゾナ・メモリアル。
あの、慰霊の場を、オバマ大統領とともに訪れました。
そこは、私に、沈黙をうながす場所でした。
亡くなった、軍人たちの名が、しるされています。
祖国を守る崇高な任務のため、カリフォルニア、ミシガン、ニューヨーク、テキサス、さまざまな地から来て、乗り組んでいた兵士たちが、あの日、爆撃が戦艦アリゾナを二つに切り裂いたとき、紅蓮の炎の中で、死んでいった。
75年が経ったいまも、海底に横たわるアリゾナには、数知れぬ兵士たちが眠っています。
耳を澄まして心を研ぎ澄ますと、風と、波の音とともに、兵士たちの声が聞こえてきます。
あの日、日曜の朝の、明るく寛いだ、弾む会話の声。自分の未来を、そして夢を語り合う、若い兵士たちの声。最後の瞬間、愛する人の名を叫ぶ声。
生まれてくる子の、幸せを祈る声。
一人、ひとりの兵士に、その身を案じる母がいて、父がいた。
愛する妻や、恋人がいた。
成長を楽しみにしている、子どもたちがいたでしょう。
それら、すべての思いが断たれてしまった。
その厳粛な事実を思うとき、私は、言葉を失います。
その御霊よ、安らかなれー。
思いを込め、私は日本国民を代表して、兵士たちが眠る海に、花を投じました。

***
オバマ大統領、アメリカ国民の皆さん、世界の、さまざまな国の皆さま。
私は日本国総理大臣として、この地で命を落とした人々の御霊に、ここから始まった戦いが奪った、すべての勇者たちの命に、戦争の犠牲となった、数知れぬ、無辜の民の魂に、永劫の、哀悼の誠を捧げます。
戦争の惨禍は、二度と、繰り返してはならない。
私たちは、そう誓いました。
そして戦後、自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら、不戦の誓いを貫いてまいりました。
戦後70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たち日本人は、静かな誇りを感じながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。
この場で、戦艦アリゾナに眠る兵士たちに、アメリカ国民の皆さまに、世界の人々に、固い、その決意を、日本国総理大臣として、表明いたします。

***
昨日、私は、カネオへの海兵隊基地に、一人の日本帝国海軍士官の碑(いしぶみ)を訪れました。
その人物とは、真珠湾攻撃中に被弾し、母艦に帰るのをあきらめ、引き返し、戦死した、戦闘機パイロット、飯田房太中佐です。
彼の墜落地点に碑を建てたのは、日本人ではありません。
攻撃を受けた側にいた、米軍の人々です。
死者の、勇気を称え、石碑を建ててくれた。
碑には、祖国のため命を捧げた軍人への敬意を込め、「日本帝国海軍大尉」と、当時の階級を刻んであります。
The brave respect the brave.
「勇者は、勇者を敬う」
アンブローズ・ビアスの、詩(うた)は言います。
戦い合った敵であっても、敬意を表する。
憎しみ合った敵であっても、理解しようとする。
そこにあるのは、アメリカ国民の、寛容の心です。
戦争が終わり、日本が、見渡す限りの焼け野原、貧しさのどん底の中で苦しんでいた時、食べるもの、着るものを惜しみなく送ってくれたのは、米国であり、アメリカ国民でありました。
皆さんが送ってくれたセーターで、ミルクで、日本人は、未来へと、命をつなぐことができました。
そして米国は、日本が、戦後再び、国際社会へと復帰する道を開いてくれた。
米国のリーダーシップの下、自由世界の一員として、私たちは、平和と繁栄を享受することができました。
敵として熾烈に戦った、私たち日本人に差しのべられた、こうした皆さんの善意と支援の手、その大いなる寛容の心は、祖父たち、母たちの胸に深く刻まれています。
私たちも、覚えています。
子や、孫たちも語り継ぎ、決して忘れることはないでしょう。

***
オバマ大統領とともに訪れた、ワシントンのリンカーン・メモリアル。
その壁に刻まれた言葉が、私の心に去来します。
「誰に対しても、悪意を抱かず、慈悲の心で向き合う」。
「永続する平和を、われわれすべてのあいだに打ち立て、大切に守る任務を、やりとげる」。
エイブラハム・リンカーン大統領の、言葉です。
私は日本国民を代表し、米国が、世界が、日本に示してくれた寛容に、改めて、ここに、心からの感謝を申し上げます。

***
あの「パールハーバー」から75年。
歴史に残る激しい戦争を戦った日本と米国は、歴史にまれな、深く、強く結ばれた同盟国となりました。
それは、いままでにもまして、世界を覆う幾多の困難に、ともに立ち向かう同盟です。
明日を拓く、「希望の同盟」です。
私たちを結びつけたものは、寛容の心がもたらした、the power of reconciliation、「和解の力」です。
私が、ここパールハーバーで、オバマ大統領とともに、世界の人々に対して訴えたいもの。
それは、この、和解の力です。
戦争の惨禍は、いまだに世界から消えない。
憎悪が憎悪を招く連鎖は、なくなろうとしない。
寛容の心、和解の力を、世界はいま、いまこそ、必要としています。
憎悪を消し去り、共通の価値のもと、友情と、信頼を育てた日米は、いま、いまこそ、寛容の大切さと、和解の力を、世界に向かって訴え続けていく、任務を帯びています。
日本と米国の同盟は、だからこそ「希望の同盟」なのです。

***
私たちを見守ってくれている入り江は、どこまでも静かです。パールハーバー。
真珠の輝きに満ちた、この美しい入り江こそ、寛容と、そして和解の象徴である。
私たち日本人の子どもたち、そしてオバマ大統領、皆さんアメリカ人の子どもたちが、またその子どもたち、孫たちが、そして世界中の人々が、パールハーバーを和解の象徴として記憶し続けてくれる事を私は願います。
そのための努力を、私たちはこれからも、惜しみなく続けていく。オバマ大統領とともに、ここに、固く、誓います。
ありがとうございました。

オバマ大統領「総理の所感は和解の力示す歴史的行為」(NHK)

アメリカのオバマ大統領は、日本時間の28日朝、ハワイの真珠湾で安倍総理大臣とともに、旧日本軍による攻撃の犠牲者を慰霊したあと、所感を述べ、「安倍総理大臣の所感は和解の力を示す歴史的な行為だ」と述べて日米同盟がアジア太平洋と世界の発展を推進してきたと強調しました。

オバマ大統領は安倍総理大臣とともにハワイで真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊したあと、安倍総理大臣に続いて、およそ15分間にわたって、所感を表明しました。
この中でオバマ大統領は、「安倍総理大臣の所感は和解の力を示す歴史的な行為だ」と述べて安倍総理大臣の発言に感謝するとともに、日米両国が戦争による深い傷を乗りこえ、強固な同盟関係を築いたことを強調しました。
そのうえで「最も厳しい敵対関係にあったものでも、最も強い同盟関係を結ぶことができる。平和の果実は、戦争による略奪をはるかに上回る。これが真珠湾の揺るぎない事実だ」と述べました。
そして、「同盟は、新たな世界大戦を防ぎ、国際秩序の強化に貢献している」と述べ、日米両国が戦後、利益と価値を共有することで、アジア太平洋と世界の発展に貢献してきたと強調しました。
そのうえで、オバマ大統領は「国家や国民はみずから引き継ぐ歴史を選ぶことはできない。しかし私たちは歴史から教訓を学んで将来を描くことは可能だ。報復よりも和解がより多くの果実をもたらすというメッセージを世界に送りたい」と述べて、所感を締めくくりました。
任期終了まで、残り1か月足らずとなったオバマ大統領は、安倍総理大臣の今回のホノルル訪問を通して、みずからの8年間の任期中、強化に努めてきた日米同盟の価値について、世界に発信したいとしていました。
アメリカでは、来月20日に就任するトランプ氏次期大統領が、TPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱を就任初日に表明すると明言したり、選挙期間中には、在日アメリカ軍の駐留経費の負担増額を訴えたりしていて、新政権のもとでの日米関係の行方が今後の焦点となっています。

日米韓安保が再び漂流? 安保に着手した朴槿恵氏を懐古する日が来るかも… 防衛大学校教授・倉田秀也(産経:正論)


朴槿恵大統領が対日関係で歴史問題に耽溺(たんでき)していた2014年秋のことだ。朴槿恵氏は、「戦時」の際、米軍の下に韓国軍を置く指揮体系の維持を決定した。これをみて筆者は小欄で、朴槿恵氏は、南北対話も対日対話もできなかった大統領として、歴史に名を刻むことにもなりかねないと述べた。
 当時、朴槿恵氏が弾劾によって青瓦台を追われようとする今日を予期していたわけではない。だが南北対話はもとより、日中韓会議を取り消した朴槿恵氏は在任中、日本の地を踏むことなく青瓦台を去ることになるかもしれない。

≪「自主軍隊」を目指した盧武鉉氏≫
 振り返ってみて、「戦時」に韓国軍は米軍の作戦統制を受ける「垂直的」な指揮体系に甘んじるべきか、独自の指揮体系をもつべきか-この問題に火をつけたのは盧武鉉元大統領だった。盧武鉉氏は、韓国軍が「戦時」作戦統制権を回収して「自主軍隊」になってこそ、北朝鮮は韓国を対話の対象として認め、南北間で朝鮮戦争を終結できると考えた。盧武鉉氏は米韓同盟の「水平化」の下、「戦時」作戦統制権の返還でブッシュ政権から合意を得た。
その後、李明博政権はオバマ政権から作戦統制権返還延期の合意を得て、続く朴槿恵政権がその「垂直的」な指揮体系の維持を決定したわけだから、保守政権は10年かけて、米韓同盟を「盧武鉉・ブッシュ」間の合意以前に復元したことになる。別言すれば、保守政権は10年間、韓国軍が「自主軍隊」たるべき主張を抑制していたことになる。
 もとより、「自主軍隊」を自制すること自体が目的だったわけではない。保守政権の下で高まった北朝鮮の核・ミサイル脅威に対抗する上で、韓国軍が「戦時」に米軍の作戦統制を受けるという指揮体系が、「戦時」の米軍の介入を確実にし、抑止力として働くと考えられたからに他ならない。
 さらに、北朝鮮への抑止力が米韓同盟だけなく、日米韓3国という地域的な広がりをもつことを考えたとき、「自主軍隊」の主張と日米韓安保協力は相関関係にあると考えなければならない。

≪文在寅氏が標榜する進歩主義≫
 そうだとすれば、韓国が「自主軍隊」の主張を抑制しながら、日本との安保協力を拒絶し続けることは難しい。実際、朴槿恵政権は14年末、北朝鮮の弾道ミサイルに関する日米韓3国間の情報共有の取り決めに署名した後、今年夏、高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備を決め、先般も日本との間で、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に署名した。
ただし、朴槿恵政権が「戦時」作戦統制権の返還の再延期を決定したとき、韓国内でこの決定に最も批判的だったのは「共に民主党」の前身「新政治民主連合」、なかでも12年の大統領選挙で朴槿恵氏に肉薄した文在寅氏であったことは強調されてよい。そして先般、朴槿恵氏の弾劾決議を主導し、圧倒的多数で採択に持ち込んだのも「共に民主党」で、朴槿恵後をうかがうのも文在寅氏である。このことは何を意味するか。
 「自主軍隊」の主張と日米韓安保が相関関係にあるとすれば、「自主軍隊」を抑制する決定を批判することと、日米韓安保協力を批判することは表裏一体となる。かくして進歩主義を標榜(ひょうぼう)する勢力にとって、米韓同盟は「水平化」されなければならず、日本との安保協力は、南北和解を阻害するものと認識される。盧武鉉政権期の日米韓関係の漂流も、この認識によるところが大きい。
 しかも、05年2月、島根県議会が「竹島の日」を制定したとき、日本に「外交戦争」を挑んだ盧武鉉氏の遺志は、その政権で秘書室長を務めた文在寅氏に継承されている。文在寅氏はこの夏、竹島に上陸した上、昨年末の「慰安婦合意」を再検討する旨の発言を行った。文在寅氏は盧武鉉以上に「盧武鉉的」なのかもしれない。

≪トランプ氏との負の共鳴≫
 トランプ米次期大統領は「米国第一主義」を主張するが、米国の安全と繁栄を支えているルールと規範のいくばくかは、実は同盟という剥(む)き出しの力によって支えられている。「米国第一主義」を主張しながら、米国が同盟国に米軍駐留経費の負担を求めれば、同盟国は米国との同盟堅持の意志に不信感を植えつけられるかもしれない。
 トランプ氏の主張はややもすれば、韓国軍の「自主軍隊」化を求める韓国の進歩主義と共鳴するかもしない。乱暴に扱われれば、米韓同盟は「盧武鉉・ブッシュ」政権以上に「水平化」を志向することになるかもしれない。そして、それは間違いなく、復元しかけた日韓安保協力に波及する。
 政権発足当初、日米韓安保を等閑視した朴槿恵氏を批判することは容易だった。その朴槿恵氏がいま、弾劾されようとしていることを嗤(わら)うのもまた容易であろう。
 だが、「垂直的」な米韓同盟を容認し、遅まきながら日韓安保に着手した朴槿恵氏を懐古する日が来るかもしれない。そのときこそ、日米韓安保の危機である。(防衛大学校教授・倉田秀也 くらたひでや)

アベ=歴史修正主義者」のレッテルはオバマ政権中枢まで染みわたっていた… 米議会演説を機に米側に変化(産経N)


 首相、安倍晋三は日本時間の28日午前、米大統領のバラク・オバマとともにハワイ・真珠湾で戦没者を慰霊し、先の大戦で敵国同士だった日米の和解を演出する。熾烈な歴史戦を繰り広げてきた安倍とオバマがようやくたどり着いた「真の和解」の場ともいえる。
     ◇
 安倍晋三が首相に返り咲いた直後の平成25年元日。在米ニューヨーク総領事館幹部に一本の電話が入った。旧知の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の論説担当者だった。
 「翌日の社説でアベを取り上げるから確認したい」
 話を聞くと、「慰安婦=性奴隷」を否定する安倍を「保守反動の歴史修正主義者」だと徹底批判する考えだという。総領事館幹部は「あまりにひどい」と事実誤認を正したが、激しい口論となった。
 総領事館幹部は「ある程度納得してくれた」と思ったが、NYT紙は翌2日付で「日本の歴史を歪曲する新たな試み」と題した社説を掲載した。安倍が村山談話見直しを示唆したことについても「安倍は右翼ナショナリスト」「日本の戦時中の歴史書き換えへの意欲を隠さない」「過去を歪曲する」と書き連ねていた。
 こうした偏向した見方はNYT紙だけではなかった。米議会調査局が同年5月にまとめた報告書は、安倍を「強固なナショナリストだ」と断じ、安倍の歴史認識が「地域の国際関係を混乱させ、米国の国益を損なうとの懸念を生じさせてきた」と指摘した。
朝日新聞など日本の一部メディアが「安倍=歴史修正主義者」というレッテルを貼り続けたことが一因だとみられるが、中国や韓国が米議会などで歴史問題に関するロビー活動を続けてきたことも大きい。
 米大統領、バラク・オバマや側近もNYT紙と同じような認識だった。「オバマは安倍に警戒感を持っていた」とある日本政府高官は断言する。
 当初は首脳会談も渋り、初会談が実現したのは25年2月下旬だった。ワーキングランチを含む1時間45分間、オバマは終始冷淡だった。第2次安倍政権はオバマ政権と冷え切った状態からスタートしたのだ。
     × × ×
 安倍はオバマとビジネスライクな関係を続けてきたが、25年12月26日に安倍が靖国神社を参拝したことで関係は一気に険悪化した。
 「日本は大切な同盟国であり、友好国である。しかし、日本の指導者が近隣諸国との関係を悪化させる行動を取ったことに米国は失望している(disappointed)」
 在日米大使館は、安倍を批判する声明を発表した。「裏切られた」という意味を含む「disappointed」は同盟国には通常使わない。声明を指揮したのは副大統領のジョー・バイデンだとされる。
バイデンはこの2週間前、安倍に「韓国の朴槿恵大統領に『安倍は靖国に参拝しないと思う』と言っておいた。不参拝を表明すれば日韓首脳会談に応じるのではないか」と電話をかけていた。それだけに「裏切られた」と思ったようだが、安倍はもっと激怒し、周囲にこうぶちまけた。
 「同盟国である米国が中国と一緒になって靖国参拝を批判するとはどういうことだ。中国を利するだけじゃないか。オバマ政権に戦略性がないことがはっきりした!」
      × × ×
 この指摘通り、米政府の反応は中韓両国を喜ばせ、欧米での歴史問題に関する対日批判をますます強めた。その裏で中国は東シナ海や南シナ海での覇権拡大を着々と進めていた。
 11月23日には、沖縄・尖閣諸島上空を含む防空識別圏(ADIZ)設定を強行した。さらに武力による防衛的緊急措置を示唆し、圏内を飛行する航空機に事前報告を求めた。
 安倍は「中国の領空であるかのごときだ。全く受け止めることはできない」と強く反発したが、米側は取り立てて問題視しなかった。大統領補佐官(安全保障担当)のスーザン・ライスは米中両国の「新大国関係」構築になお意欲を示し、尖閣諸島に関し「米国は主権の問題には立場を取らない」と発言した。
 安倍の靖国参拝翌日、NYT紙は「日本の危険なナショナリズム」と題した社説を掲載した。あたかも安倍が東アジアの緊張を一方的に高めているかのような書きぶりだった。外交筋はこう解説する。
 「当時、NYT紙とオバマ政権は蜜月関係にあった。社説はオバマ政権の考え方を相当反映していたと見てよい」
       × × × 
 戦後70年を迎えた平成27年4月、冷え切った日米関係に転機が訪れた。
 「米国民を代表する皆さん。私たちの同盟を『希望の同盟』と呼びましょう。日米が力を合わせ、世界をもっとはるかによい場所にしましょう。希望の同盟。一緒ならできる」
 米上下両院合同会議で、首相の安倍晋三が先の大戦で戦死した米兵に哀悼の意を表した上で、敵国から同盟国となった日米の「心の紐帯」を訴えると米議員は総立ちで拍手を送った。
 8月になると安倍は戦後70年の首相談話を発表。「尊い犠牲の上に現在の平和がある。二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない」「あの戦争に何ら関わりのない私たちの子や孫、その先の世代に謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と訴えた。
この2つの演説後、安倍の歴史観に対する批判は鳴りを潜めた。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は米議会演説前に「アベは戦時中の歴史にどれほど真摯に向き合うのか」と挑発的な社説を掲載したが、演説後は沈黙した。
      × × × 
 一方、歴史問題をテコに日米離反を狙う中国や韓国は失策を続けた。
 米政官界では、安全保障などをなおざりにし、慰安婦問題に固執する韓国政府の態度に疑問の声が相次ぐようになり、「コリア・ファティーグ(韓国疲れ)」という流行語が生まれた。27年3月に親韓派で知られる駐韓米大使のマーク・リッパートが親北派の暴漢に襲撃され、顔に約80針も縫う大けがを負ったことも韓国への心証を悪化させた。
 中国は9月に抗日戦勝70年を記念して軍事パレードを行ったことが裏目に出た。米英独など主要国はほとんど出席を見送った。
 米紙ワシントン・ポスト(WP)は「中国の反日プロパガンダは国内問題から国民の目をそらす意図がある」と批判。NYT紙も「日本を『反省しない敵』と位置づける中国政府の決定は、天安門事件の弾圧で共産党への信頼の危機が生じたからだ」と断じた。
 南シナ海での人工島建設などもあり、米大統領、バラク・オバマも中国への不信を強めていく。
 NYT紙の慰安婦問題に関する記事にも変化が表れた。日本側の主張も取り上げるようになり、12月の慰安婦に関する日韓合意の際は、社説で「安倍首相と朴槿恵韓国大統領が慰安婦問題を終了させたことについて高く評価されるべきだ」と説いた。
    × × ×
 安倍とオバマの距離が縮まったのは、平成26年4月23日に東京・銀座のすし店「すきやばし次郎」で開かれた夕食会がきっかけだった。2人はカウンターですしをつまみながら、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の懸案を協議した。安倍の靖国参拝から4カ月しかたっていなかったが、オバマは一切言及しなかった。ビジネスライクなのは相変わらずだったが、オバマの目には「アベは決断力と実行力がある政治家だ」と映ったようだ。
 2カ月後、2人はブリュッセルで開かれた先進7カ国(G7)首脳会議で顔を合わせた。ウクライナ問題に端を発した対露制裁をめぐり、オバマは仏大統領のフランソワ・オランドと対立。孤立するオバマを救ったのが安倍だった。会議後、オバマは安倍にハグ(抱擁)で謝意を示した。
 27年になると、オバマ政権の安倍への「色眼鏡」はほぼ消え、日米同盟は再び深化し始めた。4月の安倍の訪米は歓迎ムードに包まれた。
 両首脳の蜜月を裏付けるように、3月には大統領夫人のミシェルが初来日し、首相夫人の昭恵は、自らが経営する都内の居酒屋でもてなした。昭恵は駐日米大使のキャロライン・ケネディとも親交を深め、6月には安倍の地元・山口県で一緒に田植えを体験した。
      × × ×
 安倍がハワイ・真珠湾での慰霊を意識するようになったのは、米議会で演説したころだった。
 安倍の祖父で元首相の岸信介も真珠湾を訪れ、国立太平洋記念墓地(パンチボウル)で献花している。現地の日本語紙「ハワイ報知」によると、岸は昭和32年6月、米大統領のドワイト・アイゼンハワーとの会談後にハワイに立ち寄り、「先の戦争から10年以上経過し、日米にとって真のパートナーシップの新しい時代が始まろうとしている」という言葉を残していった。
 安倍は自らの真珠湾訪問を「戦後政治の総決算」と位置づけ、オバマとともに「和解の力」を世界に向け発信しようと考えている。真珠湾攻撃で米国でわき上がった「リメンバー・パールハーバー」という合言葉が、和解の力を象徴する合言葉になることを願って。この願いがかなうとき、日米の歴史戦は本当の終わりを迎える。=敬称略
(田北真樹子)

翁長知事の頭の中の地図 12月28日(産経抄)


 デスクの横に、中国を中心にして東アジアの地図を反転させた「逆さ地図」を貼っている。保守系シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」が作成したものだ。この地図によれば、北海道から本州、南西諸島まで横に長く延びた日本列島が、中国大陸に覆いかぶさっている。
 ▼「海洋強国」をめざす中国にとって、日本がいかに邪魔な存在かよくわかる。西太平洋に出るには、南西諸島の間をすり抜けるしかない。中国初の空母「遼寧」は、そのルートの一つ、宮古島沖を通過して太平洋に出た。その後、台湾沖のバシー海峡から南シナ海に入った。目的は米国のトランプ新政権への牽制(けんせい)、との見方がもっぱらである。
 ▼もともとウクライナからスクラップ船として格安で購入したものを、遼寧省大連で改修した。動力システムからパイロットの養成まで、空母運用にはさまざまな問題が指摘されてきた。
 ▼とはいえ、中国はすでに第2、第3の空母を建造中である。今年8月、尖閣諸島周辺の接続水域に、約230隻の漁船とともに中国公船が侵入したのは、記憶に新しい。上空での中国軍機の挑発行動も、エスカレートするばかりである。
 ▼南西諸島では、東シナ海への進出を加速させる中国の脅威が、ひしひしと感じられるのだろう。沖縄県石垣市の市長が、石垣島への陸上自衛隊の部隊配備の受け入れを表明した。防衛省はすでに、日本最西端の与那国島に沿岸監視隊を配備し、宮古島にも警備部隊を配置する方針である。
 ▼もっとも、肝心の沖縄県の翁長雄志知事は、辺野古での移設工事再開と不時着事故を起こしたオスプレイしか、眼中にないようだ。知事の頭の中の地図には、中国はどのように描かれているのだろう。一度のぞいてみたい。

政府、辺野古移設工事の作業再開…今年3月以来(読売N)


政府は27日、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古沿岸部で、3月から中断していた移設工事に伴う作業を再開した。
 翁長おなが雄志たけし知事が最高裁判決に従って移設先の埋め立て承認取り消し処分を撤回し、承認の効力が復活したことを受けた措置。政府は年明けから本格的な移設工事を開始する方針だ。
 この日は午後2時から、辺野古沿岸部で資材置き場の整備を始め、作業員がクレーンで資材をつり上げて海岸まで運ぶ様子などが確認された。移設反対派は海上にカヌーを出すなどして抗議活動を行った。

日米首脳会談終了 真珠湾で慰霊 所感発表へ(NHK)


ハワイを訪れている安倍総理大臣は、オバマ大統領との日米首脳会談を終え、オバマ大統領とともに、真珠湾攻撃の犠牲者を追悼する施設で献花し黙とうをささげ、犠牲者を慰霊しました。両首脳は、真珠湾を一望できるキロふ頭で、このあと所感を発表することにしていて、この中で、安倍総理大臣は、不戦の誓いと日米の和解の価値を強調することにしています。

ハワイを訪れている安倍総理大臣は、日本時間の28日午前4時前から、旧日本軍の真珠湾攻撃の資料などを展示している「真珠湾ビジターセンター」を視察しました。
このあと安倍総理大臣は、午前5時前から、アメリカ太平洋軍の基地で、来月任期を終えるオバマ大統領との最後の日米首脳会談に臨みました。この中で、両首脳は、この4年間の双方の取り組みを通じて、安全保障や経済など、さまざな分野で日米の協力が深まってきたことなどを総括したうえで、北朝鮮の核開発や中国の海洋進出などを念頭に、日米同盟の重要性を確認したものと見られます。そのうえで、日米同盟は、自由、民主主義、法の支配などの基本的価値を共有する国々との連携を強化する土台だとして、さらに同盟関係の強化に取り組んでいく必要があるという認識で一致したものと見られます。
首脳会談を終えた安倍総理大臣はオバマ大統領とともに、真珠湾を訪れ、太平洋戦争の発端となった75年前の旧日本軍による真珠湾攻撃で沈没した戦艦アリゾナの乗組員を追悼するアリゾナ記念館を訪れ、献花し黙とうをささげ、犠牲者を慰霊しました。その後、両首脳は、記念館内に設けられた吹き抜けから戦艦アリゾナに向けて花びらを海面にまき、再び、黙とうしました。戦後、日本の総理大臣が真珠湾を訪れたことはありますがアメリカの大統領とともに真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊するのは初めてのことになります。
両首脳は、このあと真珠湾を一望できるキロふ頭で、所感を発表することにしています。所感の中で、安倍総理大臣は、戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないという、未来に向けた不戦の決意と、かつて敵国だった日本とアメリカの和解の価値を強調し、強固な同盟関係を内外に示したい考えです。

「遼寧」が太平洋に 傍観せず空母導入考えよ(産経:主張)


南西方面の島々や海域での空の守りを固めるため、空母の保有を含む航空戦力の充実を急ぎ検討する必要がある。
 中国初の空母「遼寧」がミサイル駆逐艦など5隻と艦隊を組み、西太平洋へ初めて進出した。この行動は、海空戦力の強化が新しい段階に入ったことにほかならない。
 日本が平和を保とうとするのであれば、傍観は許されない。国の守りとは、脅威となる国の軍事力を見ながら着実に整えるものだからだ。
 遼寧は今月中旬、初めての実弾演習を渤海で行った。その後も黄海、東シナ海で訓練を重ね、ついに南西諸島から台湾などを結ぶ「第1列島線」を越えた。西太平洋で空母の作戦行動をとる意思を誇示したつもりなのだろう。
 遼寧は練習艦の位置づけだが、2隻目の空母が大連で建造中で、3隻目は上海で造られていると報じられる。早晩、一定の実戦能力を備えた空母艦隊が出現する。
 中国の空母は、台湾海峡有事などの際に周辺海域での米軍の行動を妨げる接近阻止・領域拒否という戦略の手段とみられている。ただし、南西方面での日本との限定戦争にも投入できる。
 この海域などにおける日中の戦いを描くコミック誌連載の「空母いぶき」(小学館発行)が人気だ。中国軍の増強や挑発に対抗して航空母艦を導入している。今の日本では、洋上防空を担う空母は予定も構想もされていない。
中国は、空母艦隊の養成を時間をかけて進めている。同様に、自衛隊の装備編制を充実しようと思っても時間と予算がかかる。
 近い将来の中国軍の姿を想定し、今から備えておかなければ、力のバランスが崩れ抑止は効かなくなってしまう。
 南西防衛には、日米同盟の抑止力を高めていく努力がもちろん必要である。米政府は、尖閣諸島が日本の施政下にあり、日本防衛を定めた日米安保条約第5条の適用範囲だと表明している。
 ただし、尖閣はじめ日本の領域を守るには、自衛隊が正面に立つことが想定されている。
 軍拡中国が侵略の誘惑にかられないようにするためにも、安倍晋三政権は、垂直離着陸戦闘機F35Bを搭載する空母の導入や、南西方面の航空基地の増加、航空隊の拡充をはかる検討に急ぎ着手してほしい。

辺野古きょう工事再開 承認取り消しを知事が撤回(産経N)


 沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は26日、米軍普天間飛行場(同県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設で埋め立て承認を取り消した自らの処分の撤回手続きを行った。移設の是非をめぐる政府との訴訟で、20日に敗訴が確定したことを受けた措置。昨年10月以来、1年2カ月ぶりに仲井真弘多(ひろかず)前知事による埋め立て承認の効力が復活し、防衛省は中断している辺野古での移設工事を27日に再開する方針を固めた。
 菅義偉官房長官は26日の記者会見で「(工事の)再開に向けて必要な準備は整えている」と述べた。菅氏は、来年度の沖縄振興予算案のあいさつで上京中の翁長氏と27日に面会する。
 沖縄県は26日午後、承認取り消し処分の撤回を伝える関係書類を郵送した。27日午前中に防衛省沖縄防衛局に届く予定で、同局に到着した時点で撤回の効力が発生する。
 それを受け防衛省は県に工事再開を伝え、27日中に辺野古の陸上部で作業場の整備を始め、28日にはフロート(浮具)を海岸に運び出す。フロートの海上設置は年明けになる。
 移設工事は政府と県の和解で今年3月に中断し、移設とは無関係の陸上工事は今月15日に再開していた。

中国の領海侵入、北のミサイル…防衛力強化へ陸自受け入れ 沖縄・石垣市長「市民の生命、財産守る」(産経N)


沖縄県石垣市の中山義隆市長は26日、石垣島への陸上自衛隊の部隊配備を受け入れる考えを表明した。記者会見で「わが国の安全保障環境が非常に厳しさを増す現状で、南西諸島の防衛体制の充実が極めて重要」とのコメントを読み上げた。中国が同市の尖閣諸島周辺などで海洋活動を活発化させる中、南西諸島の防衛力強化のために政府が配備を打診していた。
 中山市長は、尖閣諸島周辺での中国公船による領海侵入や、北朝鮮の弾道ミサイル発射に触れ「市民の生命、財産を守る立場として配備に向けた諸手続きの開始を了承する」と述べた。具体的な配備計画が判明した段階で防衛省と調整し「最終的な決断をさせていただく」と話した。
 防衛省は、石垣島に500~600人規模の警備部隊と地対空・地対艦ミサイル部隊の配備を計画。昨年11月、市に受け入れを要請した。

遼寧太平洋進出 中国空母の展開に警戒怠れぬ(読売:社説)


 中国海軍の近海防御型から遠海護衛型への脱皮を象徴する動きだろう。日本は米国と緊密に連携して、警戒を強めることが肝要である。
 防衛省は、中国初の空母「遼寧」が沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通過し、太平洋に向かったと発表した。駆逐艦3隻とフリゲート艦2隻を合わせた計6隻で航行しているという。
 遼寧が太平洋に進出したことが確認されたのは初めてである。中国国防省は先に、活動の目的が遠洋訓練だと公表していた。
 九州南方から沖縄、台湾などを結ぶ中国独自の防衛ライン「第1列島線」を越えて、伊豆諸島からグアムに至る「第2列島線」まで制空・制海権を確保するための布石と考えているのだろう。
 遼寧はウクライナから購入した空母を改修したもので、2012年の就役以来、艦載機の訓練などを重ねてきた。今月中旬には、遼寧を中心とする艦艇が中国近海で初の実弾演習を行っていた。
 習近平政権が空母の運用を急ぐのは、米軍の有事介入を阻む「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略を推進するためである。
 来年には、初の国産空母が進水するとみられる。2隻目が建造中との情報もある。将来的には、米国型の「空母戦闘群」を複数編成する方針だとされる。
 今後、東シナ海から西太平洋にかけて、中国軍の活動が一段と活発化することは避けられまい。
 菅官房長官が中国空母の太平洋進出について、「中国の海上戦力の能力拡大を示すもので、警戒監視活動に万全を期したい」と強調したのは当然である。
 今回、宮古海峡を通過した中国のフリゲート艦から哨戒ヘリコプターが発艦したため、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進した。領空侵犯や領海侵入はなかったが、不測の事態への備えは怠れない。
 今年度上半期だけで約600回に達する空自の緊急発進の大半が中国機に対するものだ。防衛省は今年3月には、与那国島に陸上自衛隊の沿岸監視部隊を配置し、地上レーダーによる他国軍の艦艇、航空機の情報収集を開始した。
 17年度の政府予算案には、宮古島と鹿児島・沖永良部島にある空自の固定式警戒管制レーダーの機能強化費や、新型潜水艦の建造費などが新規に計上されている。
 最新鋭ステルス戦闘機のF35の取得に加え、無人偵察機グローバルホークやP1哨戒機の配備といった施策も、着実に進めていくことが欠かせない。

首相 ハワイの国立太平洋記念墓地で黙とう(NHK)


ハワイに到着した安倍総理大臣は、日本時間の27日朝、太平洋戦争などで犠牲になったアメリカ軍の兵士らが埋葬されている国立太平洋記念墓地などを訪れ、献花し、黙とうをささげました。

日本時間の27日午前4時すぎに政府専用機でハワイに到着した安倍総理大臣は、国立太平洋記念墓地を訪れ、献花をし、黙とうをささげました。国立太平洋記念墓地には、太平洋戦争やベトナム戦争などで犠牲となったアメリカ軍の兵士など、およそ5万人が埋葬されていて、戦後、当時の吉田総理大臣など複数の総理大臣が訪れたことがあります。
このあと安倍総理大臣は、ハワイに移り住んだ日本人らが埋葬されている日本人墓地や、15年前、ハワイ沖でアメリカ軍の潜水艦に衝突されて沈没し、乗っていた生徒ら合わせて9人が犠牲となった愛媛県の宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」の慰霊碑を訪れ、献花し、黙とうしました。
安倍総理大臣は、日本時間の28日、真珠湾を訪れ、オバマ大統領との最後の日米首脳会談を行ったあと、旧日本軍の攻撃を受けて沈没した戦艦アリゾナの乗組員を追悼するアリゾナ記念館で、ともに犠牲者を慰霊することにしています。その後、両首脳は、太平洋戦争をアメリカ軍の一員として戦った日系アメリカ人などを前に所感を発表することにしています。

2020年までの世界展開狙う 米軍排除へ実力アピール 「空母はオタクではない」現実化(産経N)


【北京=西見由章】中国海軍の24日の発表によると、空母「遼寧」の艦隊は初の遠洋訓練のため西太平洋を目指している。空母の本格運用により軍事プレゼンスの拡大を誇示し、米軍を排除する「接近阻止・領域拒否」の能力強化をアピールする狙いがある。
 「空母は“(家に閉じ籠もる)オタク”ではない。軍港にとどまり続けることはない。将来必ず遠洋航海に出る」(楊宇軍・中国国防省報道官)。人民日報系の環球時報(電子版)は24日、2013年4月の楊氏のこの発言が「現実となるまでに3年を要した」と報じた。
 ウクライナから購入した遼寧は、装備を取り外した状態で引き渡されたため、蒸気タービンによる動力システムの修復が難航。現在も艦載機の殲(J)15は出力不足が指摘される上、遼寧にはカタパルト(射出機)がなく、搭載武器の重量も制限されている。
 パイロット不足も深刻で、今年4月には模擬着艦訓練中に操縦士が事故死。過度に訓練が強化されているとの指摘も根強い。
 にもかかわらず、中国海軍が性急に空母の運用開始を進めるのは、20年までに世界の各海域に空母を展開することを目標に掲げているためだ。大連で建造中の初の国産空母は来年初めにも進水する可能性が高く、上海でも別の国産空母が建造中とみられる。
今回の訓練について中国海軍の梁陽報道官は、「年度計画に基づき実施される」としている。ただ、中国への強硬姿勢が目立つトランプ次期米大統領を牽制するため、本格運用をさらに急いだ可能性がある。
 中国の一部の学者は、20年までに南シナ海の人工島建設を完了して米軍を排除し、21年にも台湾に軍事侵攻するとの予測まで公表している。米軍との火種を抱える海域で、その影響力排除に向けて空母にかかる期待は大きい。
 ただ、実際に空母が軍事プレゼンスを示せるまでに「どんなに急いでもあと5、6年はかかる」(軍事研究者)との見方もある。中国メディアは遼寧艦隊の実戦能力を強調するが、練習艦としての位置づけに変化はないとみられる。

トランプがうらやましい 12月26日(産経抄)


福岡県飯塚市の斉藤守史(もりちか)市長と副市長が、平日昼間に賭けマージャンをしていた。これだけでも驚きだが、記者会見での市長の開き直ったような発言には、耳を疑った。「金を賭けずにマージャンをする人が、どれくらいいるんですかね」。
 ▼兵庫県西宮市の今村岳司(たけし)市長も強気な姿勢を崩さない。授業を抜け出して、たばこを吸い、マージャンをしていた。中高生を対象にした市主催のイベントで披露した、自らの中高生時代の「武勇伝」が物議を醸している。市長は発言の撤回を拒否した。
 ▼確かに近頃、建前より本音をもてはやす風潮が目立つ。ブログやツイッターなど、メディアを通すことなく、世の中に自分の主張を伝えられる手段も増えた。今村市長は議会で女性議員に批判されると、ブログにこう書き込んでいた。「『お下品ザマス!』って言っている女教師みたい」。
 ▼2人にとって、米国のトランプ次期大統領は、何より力強い存在であろう。大統領選挙の期間中、聞くに堪えないような暴言を繰り返してきた。国内の主要な新聞のほとんどが、反トランプに回っていた。ふたを開けてみたら、敗北したのはメディアの方である。
 ▼トランプ氏は、ツイッターで相変わらずのメディア批判を続けている。外交など政策についても一方的に発信して、国際社会を翻弄している。記者会見はまだ開かれていない。
 ▼「私は国民と直接話したいんだ」。昭和47年6月、当時の佐藤栄作首相は、引退を表明する記者会見で、新聞への怒りを爆発させた。記者が全員退席した後、実現したのがテレビカメラを前にした独演会である。記者に邪魔されずに、政治家が本音をぶちまける。泉下の元首相はこんな世の中を望んでいたのか。

首相「未来」強調へ 所感、謝罪盛らず(毎日N)


安倍晋三首相は26日、米ハワイに向けて出発し、真珠湾で27日午後(日本時間28日午前)にオバマ米大統領と戦没者を慰霊する。日米開戦の発端となった真珠湾攻撃から75年の節目に、両首脳はそれぞれ所感を述べ、かつての敵対関係を乗り越えた日米同盟の意義を訴える。首相は今回の訪問を戦後の総決算と位置づけており、所感では不戦の決意を示し、未来志向の日米関係をアピールする考えだ。
首相は昨年4月の米議会演説で先の大戦に対する「痛切な反省」や「深い悔悟」を表明した。真珠湾で述べる所感では、米議会演説を踏襲した形で歴史認識を示し、謝罪は盛り込まない見通し。首相は今月20日の講演で「新たな『リメンバー・パールハーバー(真珠湾を忘れるな)』が和解の力を象徴する合言葉となってほしい」と述べており、所感でも日米の和解の重要性を強調する。
真珠湾では1941年12月7日(日本時間8日)、旧日本軍が米軍の基地や艦隊を戦闘機などで奇襲した。米側は約2400人が死亡し、日本側の死者は60人余りだった。日本の首相として初めての訪問となるアリゾナ記念館は、乗組員1177人が死亡し、現在も海中に沈む戦艦アリゾナの上に建つ。両首脳は記念館で献花し、黙とうをささげた後、所感を述べる。
 日米両政府は、両首脳による真珠湾訪問を、戦後の日米和解の意義を示す歴史的な訪問としている。米側は真珠湾攻撃を生き延びた米退役軍人や第二次世界大戦中の旧日本軍による元米兵捕虜、日本側は戦没者の慰霊に携わった日系人や、日米開戦で日本と戦わざるを得なかった日系人の元米兵らを招待する。【田所柳子】

辺野古、工事再開へ…承認取り消し26日に撤回(読売N)


 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、同県の翁長おなが雄志たけし知事は移設先の埋め立て承認取り消し処分を26日に撤回する方針を固めた。
 知事による取り消し処分を違法とする司法判断が20日に確定したことを受けた対応だ。これを受け、政府は27日にも移設工事の再開に着手する方向で調整に入った。
 政府は取り消し処分の撤回から間を置かず工事再開に踏み切ることで、辺野古移設を着実に進める決意を沖縄県や米国にアピールしたい考えだ。菅官房長官は近く翁長氏と会談し、国側の勝訴が確定した最高裁判決を踏まえ、辺野古移設への協力を求める方針だ。
 辺野古への移設工事は2020年10月末の埋め立て完了を目指していたが、国と県による訴訟が3月に和解したことを受けて中断。沖縄防衛局は臨時制限区域への立ち入りを防止するため辺野古沖に設置していたフロート(浮具)などを撤去した。再開する移設工事では、まずフロートの再設置などを行う予定だ。

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