FC2ブログ

日本は非核三原則から「持ち込ませず」の破棄決定が必要だ 北朝鮮は米国に核で反撃する「第二撃能力」を持ちつつある  平和安全保障研究所理事長・西原正(産経:正論)


北朝鮮の核開発疑惑が高まった1993年以来、すでに24年が経過している。その間、米国、日本および国連安保理などはさまざまな方策を講じて北朝鮮に核兵器の開発を断念させようとした。国連安保理決議、軽水炉建設支援、国連主導の経済制裁、米国主導の経済制裁、6カ国協議-などすべて失敗している。そしてティラーソン米国務長官も米国や国連の失敗を認めている。
 今後日本はどんな方策を採ればよいのか。日米同盟をどのように機能させればよいのであろうか。

≪日本に必要な脅威に対する覚悟≫
 いまや北朝鮮は弾道ミサイル発射台の移動化と核兵器の極小化に成功していると言われる。米国が最初に核攻撃をしても北朝鮮は必ず核攻撃力を残存し、それで米国に反撃を加える能力、つまり第二撃能力を持ちつつある。
 去る3月6日、北朝鮮は中距離弾道ミサイル4発を日本海に向けて発射し、そのうち3発が日本の排他的経済水域(EEZ)に落ちた。その翌日、朝鮮中央通信は、金正恩朝鮮労働党委員長が在日米軍基地を攻撃する任務を負った軍部隊による4発のミサイル発射訓練を指揮したと報じた。安倍晋三首相は同日のトランプ米大統領との電話会談で、「北のミサイルの脅威は新しい局面に入った」と述べた。
弾道ミサイルを日本周辺に頻繁に撃ち込む北朝鮮は日本にとって現実の脅威になりつつある。日本はこれまで米国の拡大抑止戦略に依存してきたが、北朝鮮の日本への核攻撃があった場合、米国は北朝鮮に対して核報復できるだろうか。トランプ政権は日米同盟の強固さを強調するが、米国が北朝鮮による自国への核攻撃を恐れて、日本を守ることを躊躇(ちゅうちょ)することのないように、日本も覚悟が必要ではないか。
 2月上旬に日韓を訪問したマティス米国防長官は北朝鮮の核使用に対して「効力ある圧倒的な報復」で応じると述べた。3月に訪問したティラーソン国務長官は、オバマ政権の「戦略的忍耐」(北朝鮮が非核化の意思を示さない限り対話に応じない)戦略の放棄を宣言して、米国は先制攻撃を含む「あらゆる選択肢」を検討中だとした。また「北朝鮮が(大量破壊)兵器開発計画の脅威をわれわれが行動を必要と考えるレベルまで高めるのなら、(軍事)オプションを検討する」とも述べた。
 これは北朝鮮が核・ミサイル性能の向上を加速させ、核の第二撃能力を持ちつつあることを確認する発言であった。

≪政策を共有できる国々と連携を≫
 こうした米国側の強硬発言の後、ティラーソン国務長官は3月18日に北京を訪問したが、中国の習近平国家主席、楊潔●国務委員、王毅外相らは、対話による解決を促した。しかし国務長官は、これまで中国側が対北制裁を厳しく実行してこなかったことへの遺憾の意を述べた。中国側は今後、米国と協力して、北朝鮮の核開発阻止に動くと表明した。しかしこれまでの中国の不誠実な態度から判断すれば、額面通りには受け取れないであろう。
 北朝鮮との緊張がこれだけ高まっているというのに、日本が外交や防衛の分野で具体的な施策を出していないのは残念だ。これまでの控えめな対北朝鮮外交をより積極的なものに切り替え、新しいアプローチが必要である。
 これまでの北朝鮮関連の日本外交で反省すべきは、(1)北朝鮮制裁で国連安保理に頼る点(中国、ロシアが不誠実のため)(2)6カ国協議の再開への固執(合意が困難で、中国、ロシアの協力が不徹底のため)-という2点である。日本は米国以外にもオーストラリア、インド、カナダなど政策を共有できる国々との連携を強化すべきである。そして北朝鮮を出入りする不審貨物船の臨検を共同で行う国際体制を作るべきである。
 北朝鮮の体制崩壊も重要な選択肢であるが、日本を含め外部の勢力が介入するのは難しい。むしろ中国東北部の朝鮮族が北朝鮮内部の対立を促し、そこから内部崩壊の道へ進むのを期待し、資金や情報の提供で側面的に支持するのが賢明である。

≪異なるアプローチが重要だ≫
 日本の防衛体制を強化するという点では非核三原則を修正し、その一つである「持ち込ませず」を破棄し、非核二原則にする決定が必要である。こうして米国の核を地理的に北朝鮮に近いところに配備することで、米国の拡大抑止政策をより効果的に支援できる。
 また日本は北朝鮮の弾道ミサイル基地を攻撃できる能力(例えば巡航ミサイル)を保有すべきである。ミサイルの発射台が移動式になっているとされるので、移動先をいち早く察知できる能力も必要だ。日本が実際に攻撃することはないとしても、そういう姿勢を維持することが抑止につながる。また米軍を支援することにもなる。
 このように従来とは異なるアプローチを採ることで局面を打開していくことが重要である。北朝鮮の挑発には、気概をもってあたるべきである。(平和安全保障研究所理事長・西原正 にしはらまさし)
スポンサーサイト



中国初の国産空母、進水へ 「日本はわれわれの宮古海峡通過に慣れよ」国防省の呉謙報道官会見(産経N)


【北京=西見由章】中国国防省の呉謙報道官は30日の記者会見で、遼寧省大連で建造されている中国初の国産空母について「(船体が完成し)現在は装備の設置作業を進めており、非常に順調だ。(進水に関する)よいニュースは皆さんを長く待たせないだろう」と述べた。中国海軍の高官は今月上旬、国産空母が早ければ今年前半にも進水するとの見通しを香港メディアに示している。
 また日本の防衛省が23日、中国海軍のフリゲート艦など3隻が宮古海峡を通過したと公表し、「中国側の意図を分析している」との同省のコメントが報じられたことに関して、呉氏は中国脅威論を念頭に「日本側はいつも中国軍の正当で合法な訓練活動を騒ぎ立てており、心の病がまだ治っていないようだ」と言及。「これまで宮古海峡を通過する中国の軍艦が少なかったことが原因なら、今後われわれが多く通過することに日本側が慣れればよいだけだ」と主張した。

3月30日(朝雲寸言)


日本列島は今、どのあたりが満開だろう。「咲けば散る咲かねば恋し山櫻思い絶えせぬ花のうえかな」――平安の女流歌人、中務(なかつかさ)の一首は、この季節、櫻を愛(め)でる人々の心根を映して秀逸だ。
 櫻への思い入れでは江戸期の国学者、本居宣長も人後に落ちない。71歳の夏、遺言書に自分の墓の図面を描き、「後方には花のよろしき山櫻をよく吟味して植えなさい」と、遺族や弟子たちに指示、その年の暮れまでに何と300もの櫻の歌を詠んで翌年亡くなった。
 奈良時代まで、花と言えば梅だったようだが、今では皇室の紋章の菊花とともに、法で定めていなくても櫻は国花になっている。櫻がそれほど人々を引き付ける理由には思い悩むが、宣長の「しき嶋のやまと心を人問はば朝日に匂ふ山ざくら花」も答えの一つに違いない。
 昨年は皇居のお堀の夜櫻見物、その前年は小石川植物園の古櫻を観に行った。さて今週末はどうしようかと、小欄も人並みにそわそわしているが、行政は新年度、学生は新学期など、開花の時期が仕事や暮らしの区切りと重なっていることも、櫻が人々を浮き立たせる一因かもしれない。
 ちなみに「櫻」は旧字で、公文書や教科書などでは常用漢字の「桜」を使わなければならないが、ここはあえて「櫻」にした。文字のつくりの「嬰」はユスラウメ(サクラ属)で、その赤い実を首飾りにした女性の姿とか。語源を大事に、常用漢字に加わるといいのだが。

退位後呼称「上皇」、敬称は「陛下」…3専門家(読売N)


政府は30日午前、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長=今井敬・経団連名誉会長)の第10回会合(3月22日)の議事録を首相官邸ホームページで公開した。

 皇室に詳しい専門家3人に対するヒアリングでは、退位後の天皇の呼称は、太上天皇の略称である「上皇」、敬称は「陛下」とすべきだと3人とも主張していたことが明らかになった。
 公開された議事録によると、本郷恵子・東大教授(日本中世史)は、「もともと位を退いた天皇は太上天皇と呼ばれるが、太上には無上とか至上という意味がある。上下関係が出るので、上皇で収めたらいかがか」と述べた。
 君塚直隆・関東学院大教授(英国史)は、「基本的に上皇、太上天皇でよいのではないか」と語り、新田均・皇学館大現代日本社会学部長(神道学)は「太上天皇、略せば上皇と称するべきだ」と指摘した。

敵基地攻撃能力の保有検討を 自民が首相に提言(NHK)


自民党は、北朝鮮の脅威が新たな段階に入っているとして、安倍総理大臣に、自衛隊が敵の基地を攻撃する能力を保有するための検討などを求める提言を手渡し、安倍総理大臣は、党とよく連携して対応していく考えを示しました。

自民党は、北朝鮮の脅威が新たな段階に入っているとして、弾道ミサイル防衛を抜本的に強化するため、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステムを導入するかどうかや、自衛隊が敵の基地を攻撃する「敵基地反撃能力」を保有するための検討などを求める提言をまとめ、30日午後、総理大臣官邸で、安倍総理大臣に手渡しました。
これに対し、安倍総理大臣は「北朝鮮がミサイル発射を繰り返し、先般のミサイルにおいては、わが国のEEZ=排他的経済水域内に着弾させた。新たな脅威の段階に入ったと深刻に受け止めており、アメリカも同じ認識だ」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は「こうした提言を取りまとめていただいたことに敬意を表したい。しっかりと受け止めて、今後も党とよく連携させていただきたい」と述べました。
このあと、自民党の小野寺元防衛大臣は記者団に対し、「敵基地反撃能力」について、「相手の攻撃の形が変わってきた中で、あくまで専守防衛の範囲で、それに対応するやり方が国民を守るために必要ではないかということだ」と述べました。

民進 蓮舫代表「平和国家の礎が崩れる」
民進党の蓮舫代表は、記者会見で「国連での『核兵器禁止条約』の交渉には参加しない一方、他国を攻撃する意思を見せていくのは、戦後これまで、われわれが歩んできた平和国家の礎が、ガラガラと音を立てて崩れているように思え、非常に懸念している。憲法の問題も避けては通れず、私たちは極めて慎重に対応していきたい」と述べました。

国会 責務を果たしているのか(産経:主張)


平成29年度予算が成立した国会は、今も学校法人「森友学園」の国有地払い下げ問題が焦点となっている。
 国有財産の処分をめぐり、行政への重大な疑義を生じさせただけに、事実解明は欠かせない。
 とはいえ、国会の仕事がそれだけでないことは言をまたない。
 現実には、その他の重要案件の審議が事実上人質にとられ、与野党が激しく駆け引きを演じる展開が予想される。それは結果的に森友問題の解明をも遠ざけよう。
 立法府として正常な機能を取り戻すときである。そのために、法案審議と森友問題とは明確に切り分けることを提案したい。
 審議を遅らせる材料にしない。疑惑を残したままフタはしない。与野党がそう確約し、今以上に仕事をする。それに尽きよう。
 予算成立で山は越えたが、予算執行に必要な関連法案の審議は遅れている。「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について、しっかりとした議論を経て成立を図るべきだ。
 さらに、天皇陛下の譲位を可能にする関連法案も、今国会で確実に成立させねばならない。森友問題で進展があってもなくても、これらの審議を後回しにする理由は見つからない。
 切り離すべき理由は、ほかにもある。北朝鮮がミサイル発射や核実験を行うことも予想されるなか、事態に即して国会は迅速に対応する必要がある。日米物品役務相互提供協定(ACSA)改定の承認案などの成立も必要だ。国民を危険にさらしてはならない。
 一方、森友問題の方も、野党議員をめぐる疑惑を自民党が指摘するなど、泥仕合の様相を呈しはじめてはいないか。
 売却に際し、国有地が大幅に値下げされた理由や経緯はどうだったのか。根本的な点を冷静に解明してほしい。
 むろん、その過程で関係者に対する必要な聴取などは行うべきだ。すでに学園理事長に対する証人喚問が行われ、その証言の信用性などが問われている。
 100万円の寄付について、安倍晋三首相の昭恵夫人が名指しされた。昭恵氏は自身のフェイスブックで否定しているが、国会としての事実関係の確認がいる。
 法案審議を妨げず、仕事を進捗(しんちょく)させるため、調査委員会を新設して夜間も作業してはどうか。

「森友国会」で忖度だ! 関与だ!と騒ぐ政治家たちの末路とは…(産経:阿比留氏の極言御免)


宮沢賢治の詩に、『政治家』と題したものがある。書きだしはこうである。
 「あっちもこっちも ひとさわぎおこして いっぱい呑みたいやつらばかりだ」
 初めて読んだときには、政治家をそんなふうに決め付けていいものかとあまり感心しなかった。だが、このところの学校法人「森友学園」騒動を見ていると、そう言われても仕方があるまいと思う。
 なにしろ国権の最高機関である国会は、明けても暮れても森友一色なのである。やれ視察だ証人喚問だと国会議員らがバカ騒ぎを続けているうちに、もっと真剣に議論されるべきだった平成29年度予算がいつの間にか成立した感がある。
 もっとも、当の政治家にも現状にあきれている人は少なくないようである。自民党の橋本岳厚生労働副大臣は29日、自身のフェイスブックに、夏目漱石の『草枕』の一節「智に働けば角が立つ」をもじって、次のように記していた。
 「問い合わせたら関与となる。配慮はなくても忖度となる。否定したら証明しろだ。とかくに政治の世は住みにくい」
 何でもかんでも関与だ忖度だと、あいまいでどうとでも解釈できる言葉でレッテルを貼る。そんな事実は「ない」と反論すると、「ない根拠を示せ」と無理を承知で「悪魔の証明」を強いてくる。そんな国会のあり方をよく表している。
 一方、民進党の蓮舫代表は24日、横浜市でのパーティーでこうあいさつした。
 「この問題は双方向で確認させていただきたい。一体どこに本当のものがあって、誰が嘘をついているのか。しっかりと明らかにしていかないといけない」
 昭和天皇や安倍晋三首相が学園に来たなどと、明らかな虚偽をホームページに載せたり、公言したりしてきた人物と、そんな後ろ暗いところのない人らを同列に並べたいと言っている。
 たとえ安倍首相の昭恵夫人を証人喚問したところで、これまで訴えてきたことと同じことを繰り返すだけだろう。それは容易に推測できるのに、果たして何がしたいのか。
 事実を解明するといえばもっともらしいが、果たしてどんな事実を求めているのか。芥川龍之介は『事実』と題した箴言で、本質から離れた人々の関心事についてこう述べている。
 「彼らの最も知りたいのは愛とは何かと言うことではない。クリストは私生児かどうかと言うことである」
 枝葉末節が新たに判明したといって、重箱の隅をつついてまた一騒ぎしたいということか。哲学者の中島義道氏は東洋経済ONLINEへの29日付の寄稿で、与野党双方の姿勢についてこう喝破していた。
 「みな真実それ自体には興味がなく、法に触れない限りで、できるだけ自分に有利なようにことを進めたいというゲームを大真面目に遂行している」
 「こうしたゲームを遂行することが『正しい』と思い込んでいる」
 冒頭紹介した賢治の詩『政治家』は、騒ぎを起こして一杯ひっかけようとする政治家らの末路を、こう描いている。
 「けれどもまもなく さういうやつらは ひとりで腐って ひとりで雨に流される」
 国民の生命財産の危機も国益も忘れ、言葉尻をとらえて政敵の足を引っ張ることだけしか頭にない政治家にはこの際、腐って雨に流れてもらいたい。冗談ではなくそう思う。(論説委員兼政治部編集委員)

改憲、自民草案基本に議論 下村幹事長代行(東京新聞)


 自民党の下村博文幹事長代行は29日、憲法改正に関し、2012年の党改憲草案を基本に議論を進めるべきだとの考えを明らかにした。改憲項目絞り込みへ民進党など野党との連携が重要だとの認識も示した。「草案はエッジが効き過ぎているが、これを基本に、よりわが国にふさわしい憲法を党内でも仕立てていく必要がある」と述べた。
 東京都内で開かれた憲法改正を訴える集会での発言。党草案は、国防軍保持や緊急事態宣言に基づく首相権限強化などを明記しており、復古的だとの根強い指摘がある。
 下村氏は、大災害時に国会議員の任期延長を実現する緊急事態条項や教育無償化が議論の対象と強調した。
(共同)

中谷・前防衛相「PKO、南スーダンに貢献」(読売N)


中谷元・前防衛相と元PKO文民警察隊長の山崎裕人氏が29日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣していた陸上自衛隊部隊の撤収などについて議論した。

 中谷氏は「5年間で、のべ210キロの道路を整備するなど、南スーダンの国づくりに非常に貢献が出来た」と述べ、陸自部隊の活動を評価した。山崎氏は「基本的には始めたものは長く続けた方がいいが、現状を鑑かんがみると、撤収はやむを得ない判断だった」と語った。

自民 迎撃ミサイル導入や敵基地攻撃能力保有で提言(NHK)



自民党の安全保障調査会は、北朝鮮の脅威が新たな段階に入っているとして、政府に対し、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステムを導入するかどうかや、自衛隊が敵の基地を攻撃する能力を保有するための検討などを求める提言をまとめました。

自民党の安全保障調査会は、北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返し、脅威が新たな段階に入っているとして、29日の会合で、弾道ミサイル防衛を抜本的に強化するための提言をまとめました。
それによりますと、北朝鮮は、探知や迎撃がより困難となる技術を獲得しつつあるとして、陸上配備型のアメリカの最新の迎撃ミサイルシステムを導入するかどうか検討し、早急に予算措置を講じるよう求めています。
また、日本に対する攻撃を防ぐため、ほかに手段がない場合のやむをえない必要最小限度の措置として、自衛隊が敵の基地を攻撃する能力として、巡航ミサイルなどの「敵基地反撃能力」を保有するための検討を始めるべきだとしています。
さらに、北朝鮮が日本の排他的経済水域内に弾道ミサイルを着弾させていることを受けて、日本の船舶などの安全を確保するための迎撃を可能とするため、法的な課題を検討するよう求めています。調査会は、30日にも政府にこの提言を提出することにしています。

公明「党では議論していない」
公明党の石田政務調査会長は、記者会見で「自民党内には、以前もそうした議論があったが、公明党としては、いまだその議論はしていない。本当に国としてそれができるのかどうかということも含めて議論をしておらず、自民党がどういう提言をするのか勉強したい」と述べました。

民進「日米安保条約などを大きく逸脱」
民進党の安住代表代行は、記者会見で「自民党が提言を出すのは勝手だが、日米安保条約や日米間の役割分担を大きく逸脱することになりかねない。憲法改正して、安保条約のかなりの部分を見直すことで初めて可能になる話で、相当ハードルが高いのではないか。専守防衛に徹してきた今までの流れを根本から変えていく話なので、私は反対だ」と述べました。

対北危機招いた日本の主権意識の欠如 東ベルリン事件で西独はその年の内に不法連行の17人を奪還した 新潟県立大学教授・袴田茂樹(産経:正論)


最近の日本の政界やメディアを見ていて、異様に感じることがある。それは、国会でもメディアでも、国政の本質ではない目先の政争問題が大々的に扱われ、例えば北朝鮮の核・ミサイル問題などわが国の安全や主権の危機が、一過性の出来事のように軽く扱われていることだ。そのような対応の結果が、今の北朝鮮絡みの深刻な状況を生んだのではないか。これは日本だけでなく国際社会の対北政策の誤りの結果でもあるので、やや広い観点から考えたい。

≪小泉訪朝と6者協議の過ち≫
 すでに1990年代に北朝鮮の核問題は深刻化し、95年には朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が設立された。2001年の米中枢同時テロ事件の後、02年1月にはブッシュ大統領は北朝鮮など3国を「悪の枢軸」国家とし、「机上には全選択肢がある」と武力介入も辞さずの態度を示した。
 米国が中心となって、その前年12月にはアフガニスタンのタリバン政権を崩壊させ、03年3月にはイラクのフセイン独裁政権を軍事攻撃して崩壊させた(その是非は論じない)。これに心底震え上がったのが金正日やリビアのカダフィなどの独裁者で、前者は暗殺を恐れて長期間姿を隠し、後者は03年12月に核計画を廃棄した。
筆者は米国が断固とした姿勢を示したこの時期が、北朝鮮の核放棄が現実性を有した唯一の時期だったとみている。と言っても北朝鮮に武力行使をすべきだとか、それが核・ミサイル問題の唯一の解決法だと言うのではない。武力行使の現実の可能性を背景にして初めて交渉や対話によって核を放棄させられる、という意味である。
 ただ、この時期に小泉純一郎首相が訪朝し(02年9月)、また北朝鮮の核・ミサイル計画阻止のための6者協議が始まった(03年8月)。筆者は、日本および国際社会のこの2つの行動は、北朝鮮指導部の心理も現実も理解していない過ちの典型だとみている。

≪最重要の米戦略を壊した日本≫
 小泉訪朝は、02年8月30日に電撃発表された。この日、筆者は露外務省局長室で、長年、露と専門家会議をした安全保障問題研究会の一員として、露の対日政策責任者と2人で懇談していた。そのとき部下が入室して文書を局長に渡し、彼がそれに署名して私にこう述べた。「袴田さん、小泉訪朝の重大ニュースです。〈北東アジアの安定のために歓迎する〉との露外務省声明に今署名しました」
 このすぐ後、
元露外務次官で駐韓露大使も務めたクナーゼ氏と個人的に話した。氏は、外交専門家として公式声明とは逆の厳しい小泉評を率直に述べた。「小泉氏は北朝鮮問題を国内政治の観点からしか見ておらず、国際戦略や外交問題が全く理解できていない」。日本にとり最重要のはずの米戦略をぶち壊しにした、との意である。
 02年9月17日の小泉訪朝時の平壌宣言では、「双方は、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した」と、今から見ると失笑するような合意がなされている。拉致問題についても、後述のようなナンセンスな合意がなされた。
 このような楽天主義、宥和(ゆうわ)主義の雰囲気を基礎に6者協議が始まった。08年12月に中止されるまでこの協議では、中露だけでなく日韓の圧力で、また米国国内事情も絡み、米国の北朝鮮への武力行使は否定された。

≪核放棄させるのはもはや困難≫
 それが明らかになるやすぐに、北朝鮮は公然と「核保有」を宣言し、その後、核・ミサイル実験を繰り返して誇示している。
筆者はこの6者協議を、経済的最貧国の北朝鮮を国際政治の主役に祭り上げ、同国に核開発の猶予を与えただけだと、厳しく見てきた。わが国は「対話と圧力」政策を掲げるが、経済制裁の圧力が中国によって骨抜きにされることは、以前から分かっていたはずだ。
 トランプ政権は過去20年の対北政策は誤りだったとし、再び「机上には全選択肢がある」としてオバマ政権の「戦略的忍耐」を否定した。ただ今は北朝鮮の核放棄も金正恩朝鮮労働党委員長の排除もはるかに困難になった。カダフィ殺害や「クリミア併合」が、金正恩氏に核保有の絶対的な必要性を確信させ、核・ミサイル攻撃力も強化されたからだ。
 拉致問題だが、平壌宣言でもそのときの小泉首相の記者会見でもこれを「日本国民の生命と安全に関わる重大な問題」とした。一方、1967年には韓国中央情報部が韓国人留学生を西独から不法連行し、彼らは韓国で北朝鮮絡みのスパイ罪などで死刑、無期懲役の判決を受けた。西独はこれを自国民の人道問題ではなく「主権侵害」の問題として国交断絶を突き付けて17人の韓国人全員をその年のうちに取り戻した(東ベルリン事件)。日本には、このような国家としての主権意識や毅然(きぜん)とした態度が大きく欠けている。(新潟県立大学教授・袴田茂樹 はかまだしげき)

安保法制1年 朝鮮半島有事で自衛隊は… 進む検討、見える限界(産経N)


集団的自衛権の限定的な行使を容認した安全保障関連法が施行されてから29日で1年となる。この間も北朝鮮は弾道ミサイル発射や核実験を繰り返し、日本を取り巻く安保環境は「新たな脅威の段階」(安倍晋三首相)に入った。トランプ米政権が北朝鮮への先制攻撃を本格検討するなど朝鮮半島有事の勃発も否定できない中で、安保関連法の持つ意味は重要性を増している。(小野晋史、杉本康士)

 「米国にとって大事なのは、国連平和維持活動(PKO)の駆け付け警護よりも、集団的自衛権だ。これで米国の日本を見る目が変わった」
 対米交渉に関与する政府高官は、日米同盟において安保関連法が持つ意義をこう説明する。
 米政府が重視するのは、安保関連法が成立する直前の平成27年4月に改定された「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」だ。指針では共同作戦計画の策定・更新が規定されている。複数の政府関係者によると、日米の防衛関係者は外務省も交えた検討に入っており、現在も作業は続いているという。
 共同作戦計画の中身は極秘中の極秘だが、朝鮮半島有事の際の米軍と自衛隊の役割分担も含まれているという。ある防衛省幹部は「安保関連法で自衛隊ができることが多くなった。これを共同作戦に反映させることが、日米両政府の課題だ」と話す。
 朝鮮半島で軍事衝突が発生した場合、自衛隊はどのような措置をとり得るか。最も現実味があるのが、放置すれば日本への直接的な武力攻撃に至る恐れがある「重要影響事態」での後方支援だ。
 周辺事態法とは異なり、安保関連法の下では弾薬の提供や緊急発進準備中の戦闘機への給油もできる。活動地域で戦闘が行われる見通しがあっても活動することが可能だ。とはいえ、実際に戦闘が始まれば自衛隊は撤収を余儀なくされる。米軍を見捨てる形になるわけで、自衛隊内には「米軍には理解してもらっているが、実際にそういう事態が起きた場合に米世論の理解を得られるかどうか…」(幹部)との懸念は残る。
 事態がエスカレートし、日本の存立を脅かす「存立危機事態」となれば、全面的な戦闘を意味する武力行使が可能で、戦闘の有無にかかわらず活動できる。
 政府内で想定されているケースの一つが、韓国に約3万8千人(平成27年10月現在)在留する邦人の保護だ。自衛隊の輸送艦などが朝鮮半島に近づけない場合、米軍に邦人の輸送を依頼するケースもある。米軍の輸送艦が公海上を日本に向かって航行中に、北朝鮮軍が攻撃を加えれば、自衛隊は反撃することができる。
 トランプ米政権は北大西洋条約機構(NATO)諸国に対して国防費の増額を迫る一方、日本に対しては在日米軍駐留経費の増額も含めてあからさまな圧力を加えていない。外務省幹部は「安保法制や安倍政権で地道に防衛費を増やしてきたことが一定の評価を得ている」と受け止める。
 だが、日本の存立が危機に陥らなければ集団的自衛権は行使できない。安倍首相は、これ以上の法改正は憲法改正が必要としており、安保関連法は「成果と課題」の双方をはらんでいる。

自民、「敵基地攻撃」保有提言へ 北朝鮮脅威でミサイル防衛強化(東京新聞)


北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、自民党安全保障調査会が作成した弾道ミサイル防衛(BMD)の強化に関する提言案の概要が分かった。北朝鮮の脅威は新たな段階に突入したとして、発射拠点を破壊するいわゆる「敵基地攻撃能力」の保有を直ちに検討するよう求めている。安保調査会が29日に開く国防部会との合同会議で提言案を了承する見通し。党内手続きを経て政府に提出する運びだ。関係者が28日、明らかにした。
 敵基地攻撃に関し、政府は法的に可能との立場だが、現状は米軍に打撃力を依存し、自衛隊は防衛に徹する「矛」と「盾」の役割分担をしている。
(共同)

政府、対北制裁2年延長へ…ミサイル発射受け(読売N)


政府は北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射を受け、4月13日に期限が切れる日本独自の制裁を2年間延長する方針を固めた。

 近く、自民党外交部会などの合同部会で了承を得たうえで、閣議決定する方針だ。
 期限切れとなる独自制裁は、人道目的を含む北朝鮮籍船舶入港禁止と、北朝鮮との輸出入の全面禁止。入港禁止は2006年から、輸出入禁止は09年からそれぞれ開始し、これまでも延長を繰り返してきた。
 政府は北朝鮮が2月に続き、今月6日にも弾道ミサイルを発射し、3発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことから、独自制裁をやめる状況ではないと判断した。米国などと連携し、北朝鮮への圧力を一層強めていく構えだ。

安保関連法施行から1年 自衛隊の役割など見直しへ(NHK)


安全保障関連法の施行から、29日で1年になります。政府は、アメリカ軍の艦船の防護など、安全保障関連法に基づく新たな任務の訓練を着実に実施するとともに、日米同盟の強化に向けて、自衛隊の役割や任務などの見直しを進めることにしています。

集団的自衛権の行使を可能にすることなどが盛り込まれ、自衛隊の活動範囲が拡大された安全保障関連法の施行から、29日で1年になります。
政府は、法律の施行を受けて、南スーダンに派遣している陸上自衛隊の施設部隊に、国連の関係者などが襲われた場合に救援に向かう「駆け付け警護」などの任務を付与したほか、アメリカ軍の艦船などを防護する任務の運用が始まっています。
政府内には、北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返すなど、安全保障環境が厳しさを増すなか、安全保障関連法や新たな日米防衛協力の指針いわゆるガイドラインなどによって、日米の連携が強化されていることを実感しているといった意見もあります。
一方、アメリカのトランプ政権が、NATO=北大西洋条約機構の加盟国に対し防衛費の公平な負担を求めていることも踏まえて、防衛費の増額も含め、弾道ミサイル防衛などの日本の防衛力をどのように強化していくのかといった課題もあります。
政府は、安全保障関連法に基づく新たな任務に備え、引き続き日米の共同訓練などを着実に実施するとともに、日米同盟の抑止力と対処力の強化に向けて、日米の外務・防衛の閣僚協議いわゆる2+2(ツー・プラス・ツー)を早期に開催するなど、自衛隊の役割や任務などの見直しを進めることにしています。

現場では新任務の訓練重ねる
自衛隊の現場では、「駆け付け警護」など武器使用の範囲が拡大された新たな任務に対応するため、隊員たちが訓練を積み重ねています。
このうち、「駆け付け警護」は国連スタッフなどが襲撃された場合に自衛隊が駆けつけて救出する任務で、去年12月、南スーダンに派遣されたPKO部隊に付与されました。
この任務では武器使用の範囲が拡大され、自分たちを守る場合に加えて、救出する人を警護する際も武器を使用できるとされ、警備隊のほか、施設整備に当たる隊員たちも訓練を重ねました。
また、ことし2月、多国間共同演習の一環としてタイで行われた「日本人保護」の訓練では、自衛隊は「輸送」の任務に加えて、安全保障関連法で可能となった武器使用も想定される「警護」の訓練を行いました。
さらに、法律の施行に伴って日米の連携が強まっていて、ことし1月にはアメリカ軍艦艇の防護などを想定した図上演習が自衛隊員およそ8700人が参加して行われたほか、日米の艦艇を実際に使う実動訓練についても自衛隊は今後、実施に向けて調整したいとしています。
自衛隊は、憲法で禁じられた「武力の行使」に当たらないよう、訓練を行う際には法律の条件などの確認を徹底することにしています。

国際秩序が「世直し」的激変…日本人は精神の心棒たる「遠代」の回想失うな 文芸批評家・都留文科大学教授・新保祐司(産経:正論)


「建国記念の日」の2日前、橿原神宮に参拝した。いうまでもなく、神武天皇をお祀(まつ)りしている神宮である。かねてより日本人として一度は行かねばならないと思っていたが、この度、実現することができた。雪のちらつく寒い日であったが、近鉄奈良駅から電車に乗って橿原神宮前駅に降り立つと、清冽(せいれつ)な寒さに気が引き締まるようであった。

≪「古代」を漂わす橿原神宮≫
 まず、駅舎の風格に感銘を受けた。緩やかな曲線の大きな屋根が美しい。昭和15年、「紀元二千六百年」の年に村野藤吾の設計により建てられた。村野といえば、昨年の伊勢志摩サミットの会場となった志摩観光ホテルの設計をした人である。名建築が今も数多く残っている大建築家であり、昭和42年には文化勲章を受章している。こういう建築家が、「紀元二千六百年」の年に橿原神宮前駅の駅舎を設計したことはすばらしい。
 昭和15年、「紀元二千六百年」の年には、横山大観が「海山十題」を描き、山田耕筰は交響詩「神風」を作曲し、北原白秋作詩、信時潔作曲の交声曲「海道東征」が作られた。この前後は近代日本の文化的高揚が見られたといってもいいであろう。明治以降、近代化に邁進(まいしん)してきた日本が、この時期になって、ようやく日本の歴史を回想するに至った。やはり、真の文化は、歴史を回想する深い経験から生まれるのである。
駅から5分ほど歩くと橿原神宮に着く。まず、目を引くのは大きな木の鳥居である。そして、その先に遠くまでまっすぐに広がっている空間である。この空間の清明さは無類である。雪模様ということもあってか、人はほとんどいなかった。それが、この清明さを強調していたのかもしれない。
 参拝した後、森林遊苑を歩いていると、折口信夫の歌碑があった。「畝傍山(うねびやま)かしの尾のへに居る鳥の鳴きすむ聞けば遠代なるらし」。この「鳥」は、八咫烏(やたがらす)に思いを致させたのかもしれない。確かに、この森厳な空気の中では、「遠い古代」にいるような気分になってくる。

≪「毒気」にあてられた占領後≫
 歴史とは回想である。「古代」の歴史を知るということは、古代史の本などを読むことにとどまらない。例えばこの橿原神宮の地に佇(たたず)んで「遠代なるらし」という経験に没入することである。大いなる回想ができる民族が、偉大なる民族なのである。明治が偉大なのは、単に文明開化を成し遂げたからではなく、「神武創業」の根本にまで遡(さかのぼ)るという偉大なる回想に基づいたものだったからである。
 このような「遠代」の回想を戦後の日本は失ってきた。「古代史の謎を解く」というような関心しか持てなくなったのである。神武東征で印象深い場面の一つは、熊野に至ったとき、毒気にあたって病み気を失うところである。「熊野の高倉下(たかくらじ)」が「一ふりの横刀(たち)」を捧(ささ)げると、神武天皇は目覚めて「長く寝つるかも」といわれた。
 思えば、占領下に与えられた「毒気」は、戦後七十余年の長きにわたって保存されてきた。この「毒気」にあたって日本人は、気を失ってきたのである。今や「長く寝つるかも」と覚醒しなければならない。

≪濁流に流されない心棒を貫け≫
 お守りなどを扱っている所に、保田與重郎の『神武天皇』という小冊子が置いてあった。これは、保田が易しく神武天皇の事績を書き下ろしたものである。
 最後の章「神武天皇と国民」に「国家に一大事という時、国の存亡の危機を国民が意識した時、建国の日の苦しみを回想することは、東西古今に見るところです。危機再建の日に、建国の大事業を回想するということは、興隆の原動力です。わが国の過去の歴史を見ましても、万葉集の時代から、国の重大な危機には、神武天皇建国の日を思って、更生の活力を、自他の心にふるい起こしました。その第一人者は、わが国の最大の詩人だった万葉集の柿本人麻呂です」と書いている。
そして、人麻呂が壬申の乱という未曽有の危機の日に、神武天皇建国の史実を歌いあげることによって、自他の心に永遠の信実を強調したのだと続けている。それから、『万葉集』を作った大伴家持が、一族の若者を教えるときに、神武天皇の橿原宮の回想からせよ、と言ったことを挙げている。
 今や、戦勝国が拵(こしら)えた国際秩序が「世直し」的な激変を迎えようとしている。国際主義から国民主義へと時代思潮は回帰しつつある。この濁流の中で日本が流されてしまわないためには、日本人の精神に心棒が貫かれていなければならない。それが、「神武天皇の橿原宮の回想」である。国家の始原への遥(はる)かなる回想なのである。 4月19日、東京で公演される交声曲「海道東征」が、国民必聴の楽曲となるべきなのは、この精神の心棒が形成される経験が与えられる音楽だからである。今回の公演のチケットも完売になったという。この曲の公演会が全国各地で次々と開かれていくことを、日本のために祈念するものである。(文芸批評家・都留文科大学教授・新保祐司 しんぽゆうじ)

サイバー分野でも「専守防衛」を貫く日本 対北ミサイルの敵基地攻撃議論で再考を(産経:外交安保)


 北朝鮮の核・ミサイルの脅威が高まる中、自民党では日本が敵基地攻撃能力を保有すべきか、検討が進められている。北朝鮮のミサイル技術が向上し、同時に複数発のミサイルを発射する現状からすれば、敵基地攻撃能力保有の検討は当然のことだろう。しかし、この際、サイバー攻撃の検討もぜひ進めてもらいたい。サイバー技術は何年も前から世界各国が軍事利用し、北朝鮮の核・ミサイルに対しても有効な防衛手段となり得るからだ。
 核関連施設へのサイバー攻撃は、2010年ごろにすでに確認されている。イランのウラン濃縮関連施設のコンピューターシステムが「スタクスネット」と呼ばれるマルウエア(不正プログラム)に感染し、制御システムが正常に作動しなくなった。
 この攻撃は米国とイスラエルが共同で行い、これによって両国はイランの核開発を遅らせることに成功したとされている。
 また、米ニューヨーク・タイムズ紙は3月上旬、オバマ前大統領が約3年前にミサイル防衛システムでの米本土防衛は不十分と判断し、サイバー攻撃の強化を指示したと報じた。その後、北朝鮮のミサイル発射は失敗が続き、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成が数年遅れたというのだ。
日本が実際に敵基地攻撃を行う際に想定される選択肢としては、イージス艦から発射する巡航ミサイル「トマホーク」、あるいはF35戦闘機などによる空対地攻撃などがある。
 巡航ミサイルは戦闘機のパイロットを危険にさらさずにすみ、戦闘機による攻撃は誤情報に基づく攻撃をギリギリで回避することが可能といったメリットがあるが、これにサイバー攻撃を組み合わせれば、さらにリスクを減らし、効果を高めることもできる。
 自民党国防族の一人は「1発目のミサイルは空中で撃ち落とし、サイバー攻撃で相手を動けなくする。その後、戦闘機で攻撃する。そういったことも選択肢としてはあり得る」と話す。
 一方で、菅義偉官房長官が3月上旬の記者会見で、日本が他国に対してサイバー攻撃をする可能性について「想定していない」と説明した通り、サイバー分野でも日本は専守防衛を貫いている。
 しかし、失敗しても損害を被らない攻撃側が圧倒的に有利とされるサイバー分野では、専守防衛は成り立たず、防御側はいずれ弱点を突破され、必ず負けると考えられている。
 北朝鮮の脅威は核・ミサイルだけではない。2014年に北朝鮮の金正恩第1書記(当時)の暗殺を扱った映画を製作したソニー子会社の米映画会社がサイバー攻撃を受けた際には、米側は北朝鮮による犯行と断定した。北朝鮮が他国に対し、サイバー攻撃も行っているのは周知の事実だ。
サイバーセキュリティー企業のパロアルトネットワークス社副社長で、米国の国家安全保障会議(NSC)でサイバーセキュリティー政策担当部長を歴任したライアン・ギリス氏はかつて本紙の取材に対し、「国と国との間では、制裁を発動することが有効だ。さまざまな技術やネットワークを駆使し、攻撃する側のコストを高くさせる環境にしていかなければならない」と攻撃を抑止する手段の必要性を指摘していた。
 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が実施した合同世論調査で、日本も敵基地攻撃能力を保有すべきか聞いたところ、「保有すべきだ」「保有を検討すべきだ」と答えた人は計75・1%に達した。
 敵基地攻撃能力保有の議論が進む中で、サイバー攻撃の必要性も見落としてはならない。(政治部 大橋拓史)

北朝鮮核実験にらみ情報収集 政府、攻撃能力向上を警戒(東京新聞)


日本政府は27日、6回目の核実験に踏み切る兆候を見せる北朝鮮の動きに関する情報収集、分析を本格化させた。核開発を急ピッチで進める北朝鮮の姿勢に照らし「4月にも実施するのではないか」(日本政府筋)との観測が出ている。北朝鮮が実験を通じて核攻撃能力を向上させる公算は大きいとみて、警戒を強める。
 北朝鮮動向で米国メディアは、北東部豊渓里にある核実験場付近で新たな坑道建設が終了したと報道。日本も米政府との意思疎通を通じ、こうした情報を把握しているとみられる。北朝鮮対策で「あらゆる選択肢」を検討するとしたトランプ米政権と、どう足並みをそろえるかが課題になる。
(共同)

17年度予算成立 「森友」一色の議論で良いのか(読売:社説)


 過去最高の一般会計総額97・5兆円の2017年度予算が成立した。
 デフレ脱却が足踏みする中、予算には、5兆円余の防衛費、保育士や介護職員の待遇改善、民間企業の活力向上の政策などが含まれる。「成長と分配の好循環」の実現へ、着実に執行したい。
 前半国会では当初、トランプ米新政権との外交や働き方改革が論点になった。その後、文部科学省の天下り、陸上自衛隊の日報、テロ等準備罪などに焦点が移り、野党は松野文科相、稲田防衛相、金田法相らを追及した。
 2月中旬以降は、学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題に質疑が集中した。売却価格が評価額から約8億円減額されたことを巡り、政治家の関与と行政側の忖度そんたくの有無が焦点となった。
 学園の籠池泰典氏が国会で、安倍昭恵首相夫人から100万円の寄付を受け、国有地に関して夫人付の政府職員が財務省に照会したと証言し、騒ぎが拡大した。
 政府や昭恵氏側は引き続き説明すべきだが、与野党も、この問題の本質がどこにあるのか、熟考して質疑に臨むべきではないか。
 見過ごせないのは、国会審議がこの問題でほぼ一色になったことだ。経済再生と財政再建の両立、新たな段階に入った北朝鮮の核・ミサイルの脅威などの議論が疎おろそかになったのは残念である。
 自民党の「1強」が続く中、野党は、安倍政権に打撃を与える格好の材料と考えたのだろう。だが、他の様々な重要課題の論戦にも積極的に取り組む必要がある。
 後半国会では、多くの重要法案の審議が控えている。
 テロ等準備罪を創設する組織犯罪処罰法改正案は、2020年東京五輪に向けた国際的な捜査共助の強化に欠かせない。7月の東京都議選を前に、公明党には改正案の審議への慎重論もあるが、今国会で成立させねばなるまい。
 野党は、「1億総監視社会になりかねない」「一般市民も処罰される」といった極論で国民の不安を煽あおるのでなく、もっと冷静な議論を仕掛けることが大切だ。
 天皇陛下の退位に関して、与野党が歩み寄り、退位を認める特例法の制定に合意したことは評価できよう。政府は5月に法案を国会に提出する予定だ。より多くの政党の賛成で成立させたい。
 衆院憲法審査会は16日、4か月ぶりに討議を再開した。優先すべきは改正項目の絞り込みだ。各党は、それを念頭に、建設的な議論を行うことが求められる。

フィリピンに海上自衛隊機貸与 海洋警戒監視支援で(NHK)


日本が防衛協力の一環としてフィリピンに貸与する海上自衛隊の小型プロペラ機2機が27日、現地で引き渡され、南シナ海で中国が海洋進出の動きを強める中、日本は防衛装備の移転などを通じてフィリピンの警戒監視能力の向上を支援していくことにしています。

日本からフィリピンに貸与されたのは、海上自衛隊が練習用として使っていた小型プロペラ機のTC90です。
日本は、平成26年に決定した防衛装備移転三原則に基づいて、去年、フィリピンと協定を結び、TC90を最大で5機貸与することで合意していて、27日にマニラ近郊のフィリピン海軍の基地で、最初の2機が引き渡されました。
自衛隊機が他国に貸与されるのは、これが初めてです。
引き渡しの式典で若宮健嗣防衛副大臣は「南シナ海情勢など多くの安全保障上の課題が存在する中、両国が協力する意義はますます高まっている」と述べ、フィリピンとの連携をさらに強めていくことを強調しました。
今回貸与されたTC90は、航続距離がフィリピン軍の航空機のおよそ2倍で、その行動範囲の広さを生かして南シナ海での警戒監視活動などに活用される予定です。
南シナ海で中国が海洋進出の動きを強める中、日本としては、残る3機の貸与やフィリピン軍パイロットの訓練などを通じて、フィリピンの警戒監視能力の向上を支援していくことにしています。

もしも、東京で「北方領土は日本領でない」と書いたビラを貼ったら… 一旦領土失うと復帰は困難 割譲された南チロルの教訓に学ぶべき(産経:イタリア便り)


もしも、東京のど真ん中で「北方領土は日本領でない」と書いたビラを貼ったら、人々から「親ロシア派の外国人か」と思われるに違いない。ところが、イタリアでは、ローマ市の真ん中で赤・白・赤のオーストリア国旗の上に「南チロルはイタリア領ではない」と印刷したビラを貼ろうとした「イタリア人」の一群がいた。彼らの行為は警察当局に止められたが、その後、彼らが訴えを起こしたローマ行政裁判所は、「ビラの内容は国を著しく侮辱するものでなく、イタリア憲法にも抵触しない」と貼付許可の判断を下した。
 第一次大戦で敗戦国となったオーストリアは、サン・ジェルマン条約により、戦勝国イタリアにアルプス山脈の南北に広がるチロル地方の南側を含むアルト・アディジェ地方その他を割譲した。だが、もともとオーストリア住民であった南チロルの住民の一部は、オーストリア復帰を狙って武装テロを含むいろいろな行動をとってきた。今回の「南チロルはイタリアではない」とのビラを貼ったのもその運動の一つである。
 イタリア政府もこうした住民の懐柔策として、ドイツ語も公用語とするなど特権を与えてきたが、100年近くを経た今もオーストリア復帰運動は絶えない。一旦失った領土の復帰がいかに難しいかを学ぶ教訓でもある。(坂本鉄男)

ミサイル避難訓練 国民への周知を進めよう(産経:主張)


 北朝鮮が弾道ミサイルを相次いで発射していることを受け、初の住民避難訓練が秋田県男鹿市で行われた。
 弾道ミサイルが発射されれば10分足らずで日本に着弾する。ミサイル防衛(MD)の強化だけでは不十分である。
 迅速に警報を発し、国民が限られた時間の中で避難する態勢を整えておくことが欠かせない。訓練はそのために必要なものだ。
 菅義偉官房長官は国会で、避難訓練について「他の自治体にも働きかける」と表明した。多くの人が暮らす都市部を含め、訓練を進めてほしい。
 ミサイルなどの武力攻撃は人災の一種だが、自然がおこす天災と同等か、またはそれ以上の被害をもたらす。
 平成16年に国民保護法が制定され、サリンなど化学兵器、爆弾テロに備える国民保護訓練は重ねられてきた。北朝鮮の弾道ミサイルは現実の脅威となっている。今回のミサイル対応の避難訓練の初実施は遅すぎたくらいである。
 避難など国民の保護は、防衛省以外の省庁や自治体、警察、消防、企業などの事業所、学校、地域社会の責任である。何より、家庭や国民が当事者となる。
 自然災害と異なり、武力攻撃の際に自衛隊は情報提供を別にすれば、原則として敵との戦いにかかりきりになるからである。
 にもかかわらず、国民は武力攻撃の警報を聞いても、どのように行動すべきか教えられていない。今回の住民避難訓練の報道で、警報を初めて聞いた人も多かったのではないか。携帯・スマートフォンへ警報を緊急速報メールとして送る仕組みはあるが、普及しているとは言い難い。
 内閣官房のホームページには「武力攻撃やテロなどから身を守るために」と題した文書が掲示されている。これもほとんど知られていないのが実態である。
 国民への周知が重要である。文部科学省は、学校における防災教育の一環として、身を守るための基礎知識の周知を図るべきだ。職場での啓発も有効である。
 国内だけではいけない。日本への弾道ミサイル攻撃は、朝鮮半島有事に伴って行われる可能性が高い。韓国に暮らす邦人は3万8000人以上いる。北朝鮮には拉致被害者がいる。邦人の安全に万全を期すことも重要課題である。

民進 結党から1年 “存在感高め党勢回復を”(NHK)


民進党は、結党から27日で1年です。政党支持率が低迷する中、国会審議で政府・与党との対決姿勢を鮮明にして存在感を高め、党勢の回復につなげたい考えです。

民進党は、自民・公明両党に対抗する勢力の結集を目指して、当時の民主党と維新の党が合流して結党され、27日で1年がたちました。
この間、参議院選挙で議席を減らしたほか、政党支持率が上向かずに自民党と差のある状況が続いていて、蓮舫代表は「なんとか国民の評価につなげるための努力を、もっともっと私がしなければいけない」と危機感を示しています。
民進党は、次の衆議院選挙に向けて、安倍政権との対立軸を明確に打ち出し、自民・公明両党に代わる政権の選択肢となりえることをアピールしたい考えで、原発ゼロを実現するための法案や、教育の無償化を進める法案の国会への提出を目指す方針です。
さらに、国会審議で、大阪・豊中市の国有地が学校法人「森友学園」に鑑定価格より低く売却されたことへの追及を続けるとともに、「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案に強く反対するなど、7月の東京都議会議員選挙もにらみ、政府・与党との対決姿勢を鮮明にして存在感を高め、党勢の回復につなげたい考えです。

千葉知事選、森田健作氏が3選…3新人を破る(読売N)


 千葉県知事選は26日、投開票が行われ、現職の森田健作氏(67)(無所属)が、前同県浦安市長の松崎秀樹氏(67)、元高校教諭の角谷信一氏(62)ら無所属の新人3人を破り、3選を果たした。
 投票率は31・18%(前回31・96%)だった。
 森田氏は、東京湾アクアラインの通行料値下げなど2期8年の実績を強調。公約は、2020年東京五輪・パラリンピックで、一部競技の県内開催を成功させることなどを掲げた。自民、公明両党の県組織から支持を受け、知名度も生かして戦いを優位に進めた。
 県内自治体の一部の首長が支援した松崎氏や、共産党などが応援した角谷氏への支持は広がらなかった。民進党は独自候補を擁立できず、自主投票だった。

         ◇
知事選確定得票
当1,094,291 森田 健作 無現
   347,194 松崎 秀樹 無新
   132,532 角谷 信一 無新
    16,072 竹浪 永和 無新

南スーダンで援助関係者6人殺害 国連発表、何者か待ち伏せ襲撃(東京新聞)


 【ナイロビ共同】国連は26日、南スーダンで25日に援助関係者6人が何者かに待ち伏せされた上で襲われ、死亡したと発表した。6人の国籍は不明。いずれも首都ジュバから東方のピボルに向けて移動中だった。
 在南スーダンの日本大使館によると、邦人が巻き込まれたとの情報は入っていない。南スーダンでは今月14日にも人道支援に従事していた車列が武装した男らに銃撃された。
 現地の国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊はジュバを拠点に活動している。

「森友」「豊洲」…行政の「威信」回復せよ 松本浩史(産経:一筆多論)


 国民の暮らしを向上させたり平和を守ったりするために行政機関は存在する。つまりは公益の実現を図る仕事であり、そこに公平性や透明性が求められるのは言うまでもない。それを担保する責務を負っているのだが、仕事ぶりに国民が疑念を抱き信頼を置けなくなっては実現が危ぶまれる。
 行政の信頼を揺るがす事例が相次いでいる。学校法人「森友学園」(大阪市)の小学校開校をめぐっては、国有地を格安で購入していたことに疑義が生じ、国会では理事長の証人喚問が行われた。
 理事長は購入にあたり、政治家の関与が「あっただろう」と証言した。だが、政府側はこれまで一貫してこれを否定している。実態が曖昧なままでは、便宜が図られたのではと行政の適正さに不信が抱かれても仕方ない。
 安倍晋三首相の昭恵夫人が名誉校長に就いていたこともわかっている。大阪府の松井一郎知事は「財務省は学園に親切な対応をした」「職員が首相をおもんぱかった」との認識を示したが、そもそも行政に「忖度(そんたく)」が介在し事なかれ主義がはびこっては、あるべき姿が体現できない。
 豊洲市場(東京都江東区)への移転問題でも、都議会は調査特別委員会(百条委)を設置し、移転決定時の都政トップだった石原慎太郎元知事をはじめ、元都庁幹部や東京ガスの関係者を証人喚問した。
 ここでも都が豊洲を移転先に決定した経緯や、本来、売り手側の東ガスが負担すべき土壌汚染対策費をなぜ都が負担するようになり、その額が増大したのか、実態解明には至らなかった。
 石原氏らの口から「記憶にない」との発言が連発されたのも、無責任さの表れである。
 もとより憲法では、「すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とうたっている。最高裁も昭和34年の判決で、こうした考え方を踏まえ「公務の威信と公正を保持すべき必要のあることは多言を要せず」との見解を示している。
 先の2つの問題に、「公務の威信と公正」を感じとれるだろうか。課せられた使命感と倫理観が欠落しているのではと疑わせる。
 公務員制度では国でも地方でも稟議(りんぎ)制による弊害が指摘されて久しい。お伺い文書を下位の職員が起草し、順次、上位者に上げていく。仕事を担う公務員の全員参加だからこそ、決裁が済めば政策の実施は円滑に進むだろう。その一方で無責任体質の温床であることも忘れてはならない。
 セクショナリズムも影を落としている。森友学園問題などに関わった公務員の専門性や処理能力が高いことは推察できる。だが、他部署との連携を欠き、ひいては組織全体としての情報共有が軽んじられ、都合の悪い事実を隠し立てするような雰囲気が醸成されていなかったか。
 「威信と公正」の担保には、職務への専念が不可欠なのは無論である。さらには、事後に説明責任をきちんと果たせるよう、公文書の管理や情報公開制度に実効性を持たせる制度の整備も大切だといえる。(論説委員)

3月26日(産経抄)


〈花は根に鳥は故巣(ふるす)に〉という。花は咲いた木の根元に散り、その肥やしとなる。空を行き交う鳥もやがては巣に戻る。あらゆる物事は、その元となるところへ帰っていくものだ-と。いにしえの言葉に、ある母親の悲哀に満ちた面差しが重なる。
 ▼〈巣立ちし日浜にはなやぐ乙女らに/帰らぬ吾娘の名を呼びてみむ〉横田早紀江。娘のめぐみさんが消息を絶ち、迎えた何度目かの春という。中学を巣立つ同じ年頃の少女に、わが子の影を母は求めた。北朝鮮による拉致の可能性を小紙などが報じたのは、失踪から約20年後の平成9年2月である。
 ▼その翌月に発足した「家族会」が今年で結成20年を迎えた。小紙連載『拉致40年 家族の慟哭』に胸を痛めた読者も多いだろう。一部の拉致被害者が帰国した14年10月以降、何の進展もみていない。鳥は故巣に-の言葉がむなしい。
 ▼小紙が拉致の存在を初めて報じたのは、昭和55年1月だった。拉致問題が北朝鮮の国家犯罪であることは言うまでもないが、世論の反応は鈍かった。解決を遅らせたのは、世間の無関心であり、政府の及び腰だったことを忘れまい。
 ▼早紀江さんは81歳、夫の滋さんは84歳になった。家族会のシンボルとして先頭に立ったこの20年は、数倍に匹敵する長さだったろう。「私たちは一庶民です。本当は普通のお父さん、お母さんとして生きたかった」と早紀江さんの言葉にある。平凡な幸せを奪われた怒りを、国民が分かち合いたい。
 ▼「拉」という字を【拉(みじ)く】と読めば「こまかく砕く」の意味になり、【拉(ひし)ぐ】と読めば「押してつぶす」の意味になる。団欒(だんらん)のときを粉々に砕き、肉親の情を踏みにじる。かの国の犯した罪には怒りをもって臨むほかない。非道の極みの罪である。

米F35B、精密爆撃訓練か=北朝鮮に「警告」-韓国(時事N)


【ソウル時事】聯合ニュースなど韓国メディアは25日、日本の岩国基地に配備されている米最新鋭ステルス戦闘機F35Bがこのほど、韓国北東部・江原道の演習場で精密爆撃訓練を実施したと報じた。
 北朝鮮と隣接した江原道での精密爆撃訓練実施は、「核・ミサイルの開発を続ける北朝鮮に対する警告のメッセージの意味合いがある」と聯合は伝えた。
 在韓米軍はこれより先、F35Bが韓国海兵隊との共同訓練に参加したと発表したが、訓練の詳細は明らかにしていなかった。
 米メディアは、北朝鮮が新たな核実験に向けた準備の最終段階に入っていると報道。韓国統一省報道官は「北朝鮮は指導部が決心さえすれば、いつでも核実験を行う準備ができているとみている」と述べている。

対「イスラム国」 有志連合の結束で壊滅目指せ(読売:社説)


過激派組織「イスラム国」による卑劣なテロを阻止するには、掃討作戦が不可欠だ。関係国は、米国を中心に緊密に連携し、組織の壊滅を急がねばなるまい。

 米国主導の有志連合の閣僚級会合が開かれ、68か国・地域などの代表が参加した。閣僚声明は「イスラム国」を「地球規模の脅威」と位置づけ、「根絶に向けて固く結束していく」と強調した。
 「米国第一」を掲げるトランプ政権が会合を呼びかけ、協調を確認した意義は小さくない。議長役のティラーソン米国務長官は、組織打倒への強い決意を示した。
 「イスラム国」は、2014年以来、イラクとシリアの一部地域を支配する。有志連合が支援する現地部隊の攻勢により、イラクで約60%、シリアで約30%を奪還したのは明るい材料である。
 イラク軍による北部の要衝モスルの制圧作戦は最終局面に入った。自爆テロなどの抵抗を抑え込まねばならない。
 壊滅のカギを握るのは、「イスラム国」が首都と称するシリア北部ラッカの攻略だ。米国は、米軍特殊部隊の増派や空爆強化などを検討している。早急に戦略を構築し、実行に移してもらいたい。
 「イスラム国」はインターネットで過激思想を拡散し、欧米での無差別テロを煽あおる。ロンドン中心部でも最近、関連が疑われるテロが起き、多くの死傷者が出た。
 閣僚声明は、ネットでの宣伝戦の対策拡充やテロリストに関する情報の共有を打ち出した。奪還した地域の復興支援や難民の帰還促進も課題に挙げた。
 軍事力だけで、過激思想やテロを根絶するのは困難である。現地の政治的安定と民生向上に向け、国際社会が長期的に関与し、資金を提供する取り組みが欠かせない。日本も、人道援助や教育支援などの貢献を続けていきたい。
 懸念されるのは、有志連合とは距離を置くロシアの動向だ。シリア内戦に軍事介入し、アサド政権を支援する。停戦協議の主導権も握りつつある。テロ組織の撲滅よりも、中東での影響力拡大に重点を置いているのは間違いない。
 トランプ大統領は、ロシアと共同で「イスラム国」掃討作戦を進める構想を持っていた。だが、側近らとロシアの癒着疑惑に関し、国内で強い批判を浴び、対露協調路線は行き詰まっている。
 トランプ氏には、同盟国を中心とする有志連合を対テロ戦略の軸に据えたうえで、米露の立場の違いを埋める努力が求められる。

南スーダンPKO撤収命令 新たな派遣先「不断に検討」(東京新聞)


稲田朋美防衛相は二十四日、防衛省・自衛隊の上層部で構成する防衛会議を開き、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊に五月末までの撤収を命じた。部隊の活動は五年余りで終了する。自衛隊部隊が参加するPKOはなくなり、防衛省は新たな派遣を検討する。
 稲田氏は防衛会議で「無事に締めくくることが最も難しい」と述べ、撤収にあたり隊員の安全確保を重視する考えを示した。防衛省の武田博史報道官は記者会見で「新規派遣は不断に検討している」と説明。(1)安全確保(2)国内外の支持(3)自衛隊の得意分野-などの条件を考慮し、参加の可否を判断する考えを示した。
 現在、国連が実施するPKOは十六件で、うち九件がアフリカに集中。治安が不安定な国もあり、南スーダンの隣国スーダンのPKOでは現地勢力の敵対行為で、二〇〇七年の活動開始から昨年二月までに約七十人のPKO要員が死亡した。このため、自民党内にも「しばらくPKOには派遣しなくていい」(防衛相経験者)との意見がある。
 政府は今回の撤収に関し、派遣部隊の施設整備活動に一定の区切りがつくことを理由に挙げ、昨年九月から撤収を検討してきたと説明している。ただ、同年十一月に派遣部隊に安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」の新任務を付与した際には、活動継続の必要性を強調していた。 (新開浩)

PageTopNext>>

プロフィール

yasukuninoharu

Author:yasukuninoharu
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ

カテゴリ
検索フォーム

RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード

QR