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北朝鮮は「中華帝国の一部」 中国の目的は制裁を緩和して生存を保証することだ 東京国際大学教授・村井友秀(産経:正論)


北朝鮮の貿易の9割を占める中国は、北朝鮮政権の生殺与奪の権を握っている。国連決議を無視する北朝鮮を中国はどうしようとしているのか。

≪国連決議は守られているのか≫
 5月3日、朝鮮中央通信は、「われわれは米国の侵略と脅威から祖国と人民を死守するために核を保有した。朝中関係は重要であるが、生命と同然の核と引き換えてまで、哀願することはない」と論評した。これに対して、中国の『環球時報』は「罵詈(ばり)雑言を投げ合う論争を続けるつもりはない」と述べている。
 中国の主張は、国連の制裁決議に則(のっと)って北朝鮮を制裁しているが、北朝鮮が中国の言うことを聞かないというものである。「中国が米国に追従して北朝鮮に圧力をかけているが、北朝鮮は決して外国の圧力に屈しない」という北朝鮮の主張は、中国の主張の援護射撃であり、北朝鮮は中国の手の中で動いている。
 中国中央テレビは、報道の自由がない北朝鮮から中国の制裁によって平壌ではガソリンが不足していると放送した。中国は国連決議を守って北朝鮮を制裁したと言っているが、実際には地方政府の辺境貿易や民間企業を通じて制裁に抜け道をつくり、さまざまな条件を付けて制裁を骨抜きにした。
 他方、北朝鮮がミサイル発射や核実験をすればするほど国際社会は中国に北朝鮮の説得を依存するようになる。北朝鮮の暴走は国際社会で中国の立場を強めている。米国も中国に配慮して台湾総統との会談をとりやめ、南シナ海で中国を牽制(けんせい)する「航行の自由作戦」を一時中断した。

≪「韓半島で優越的地位を固める」≫
 そもそも中国にとって北朝鮮とは何なのか。
 20世紀末から中国では、朝鮮半島の北部は古代から中国の一部であったという研究が盛んに発表されるようになった。2千年前の漢の時代、朝鮮半島北部は漢王朝の支配下にあり、漢の行政府が設置されていた(漢四郡)。漢王朝が崩壊すると、中国東北地方から朝鮮半島北部にかけて高句麗王朝が成立した。その後、朝鮮半島南部に朝鮮民族の王朝である新羅と百済が成立し、高句麗、新羅、百済の三国時代を経て、7世紀になると新羅が朝鮮半島を統一した。
 現代の中国でも、中国遼寧省にある高句麗山城の碑石には「高句麗は中華民族が建てた国であり、高句麗民族は中華民族の大家族の一員だった」と刻まれている。また、大学の教科書『中國古代史』には、「高句麗は東北地区の少数民族政権であり、中国の領域であると見なされていた」と記されている。
 このような中国の主張に対して韓国は反発し、『東亜日報』は社説で「中国は、北朝鮮が崩壊した場合、朝鮮半島北部に対する歴史的縁故を主張することで、韓国や米国の侵入を阻止し、韓半島における優越的地位を固める考えである」(2007年1月27日)と批判した。
 中国の領土は次のように説明されることがある。「一度、中華文明の名の下に獲得した領土は、永久に中国のものでなければならず、失われた場合は機会を見つけて必ず回復しなければならない」(フランシス・ワトソン『中国の辺境』)

≪制裁参加の目的は生存の保証≫
 次に中朝関係を「最大の損害を最小にする」という国際関係理論から検討する。朝鮮半島には統一と南北分裂のままという2つの道がある。中国にとってそれぞれの道の最悪のケースは、統一の場合は、統一した強い反中朝鮮の誕生であり、南北分裂の場合は、隣に南北分裂した弱い反中朝鮮が存在することである。南北分裂した弱い反中朝鮮よりも統一した強い反中朝鮮の方が中国の強敵になる可能性が高い。
 また、統一した強い朝鮮よりも南北分裂した弱い朝鮮の方が中国は影響力を及ぼしやすい。したがって、南北分裂した弱い朝鮮の方が中国にとって望ましいことになる。南北分裂を維持するためには北朝鮮を守らなければならない。
 ところで、中朝は朝鮮戦争で共に血を流し米帝国主義と戦った「血で結ばれた戦友」と言われてきた。しかし、今の中朝両国で「血で結ばれた戦友」を信じている人はほとんどいないだろう。それでも中朝間には「どちらか一方が他国に攻撃された場合、もう一方は自動的に他方を助ける」という「参戦条項」を含む「中朝友好協力相互援助条約」がある。
 中国が北朝鮮を守るという意味は、金正恩政権を守るという意味ではない。金正恩政権が北朝鮮を守る障害になると判断すれば、中国は別の政権にすげ替えようとするだろう。「参戦条項」は中国が北朝鮮に介入する格好の口実になり得る。金正恩政権の最大の脅威は中国であろう。
 中国にとって北朝鮮は失うことが許されない中華帝国の一部であり、中国が制裁に参加する目的は、日米が主導する制裁を緩和して北朝鮮の生存を保証することである。(東京国際大学教授・村井友秀 むらいともひで)
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「女性宮家」 皇位継承の大原則を守れ(産経:主張)


天皇陛下の譲位を実現する特例法案と併せ、「女性宮家」の創設を検討課題とする内容の付帯決議案を採択することで与野党が合意した。
 与党の当初案に女性宮家は記されていなかった。だが、それを主張する民進党が審議拒否までちらつかせたため、賛否が分かれるのを避けたい与党が妥協した結果である。
 女性宮家は安定的な皇位継承につながらないことを、改めて明確にしておきたい。その制度づくりによっては、女性宮家から「女系天皇」が現れる事態につながりかねない点は見過ごせない。
 125代にわたり、一度の例外もなく男系で継承されてきた皇統の大原則が根底から崩れる。そうした事態を招いてはなるまい。
 付帯決議に直接的な法的拘束力はない。だが、政府に対して創設の是非を含めた検討を促す立法府の意思を示す意味を持つ。
 自民党など男系継承を重視する主張から、付帯決議案では「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」と「女性宮家の創設等」の検討を別のものとして位置付けた。妥当である。
 女性皇族が結婚後も皇室にとどまる女性宮家は、旧民主党政権の野田佳彦首相が検討した。その野田氏自身が「(女性宮家は)皇位継承の問題ではない。男系で続いてきた歴史的な重みを受け止める」と国会答弁している。
 男系継承という伝統と原則が放棄されれば、天皇の正統性や権威、国民の尊崇の念が毀損(きそん)されかねない。皇室とともに歩んできた日本人の長い歴史を軽々に変えては、取り返しがつかない。
 「女系天皇」の即位は、別の王朝の創始にも等しい。男系継承の原則を踏まえ、今も親族として皇室と交流のある旧宮家の皇籍復帰を検討するのが先決だろう。
 女性宮家の創設だけでは、女性皇族の結婚による皇族減少の抜本的な解決にならない。仮に創るとしても、皇室に属するのは女性皇族に限られるべきである。
 女性宮家にこだわらず、女性皇族が結婚で皇籍を離れても「皇室御用係」「宮内庁参与」などの公務に就き、皇室活動を支援するのも有力案だ。公務案は野田内閣の「論点整理」に挙げられ、安倍晋三内閣も検討している。
 原則を守りつつ、皇位継承を安定化し、皇室活動を保っていくことに工夫をこらしてほしい。

新局面の半島情勢:韓国の融和路線の行方(朝雲:時の焦点)


 5月に入り、英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けたフランスの大統領選や国政スキャンダルを招いた朴槿恵(パク・クネ)大統領の任期途中での罷免に伴う韓国大統領選と世界的に注目された選挙が相次いで行われ、いずれも下馬評通りに中道無党派のマクロン氏、野党陣営の重鎮で革新派の文在寅(ムン・ジェイン)氏が圧勝し、政権の座に就いた。日本との関係も深い欧州、アジアの両国で誕生した政治経歴を全く異にする二人の大統領が、それぞれの国が抱える国家や地域の諸課題の解決に向け強い指導力を発揮することを期待したい。
 欧州ではこれから下院解散に伴う英総選挙、大統領選直後となる仏下院選、9月にはドイツでメルケル首相の4選がなるかどうかで関心を集める総選挙があり、引き続き目が離せない。ただ、昨年の米大統領選でのよもやのトランプ氏当選で弾みがついた反グローバリズムやポピュリズム(大衆迎合主義)の連鎖・伝播は一服した印象が強い。
 翻って東アジアに目を向けると、核実験や弾道ミサイル発射など危険な挑発を繰り返す北朝鮮との融和路線を掲げる韓国の文在寅大統領の登場は、南北関係をはじめ朝鮮半島をめぐる情勢に新たな局面を開くものとして、不安と期待が複雑に交錯する。
 そのような折、「急変する朝鮮半島情勢をどう見るか」と題する専門家の講演を聞く機会があった。要約すれば、韓国で要職経験のある文新大統領が自らの政治理念と内外の現実政治のギャップをどう埋めていくのか、また、朝鮮半島情勢ではトランプ米政権の今後の出方に加えて、中国による影響力行使と独自制裁の有無が注目点になるとして、緊迫する半島情勢を見ていく上での視点を提示していた。
 北朝鮮は韓国新大統領の就任を見計らったように新型弾道ミサイルを発射し、核・ミサイル開発を加速させる姿勢を明確にした。文大統領は「対話の可能性は開いておく」と述べたが、国際的な制裁・圧力が強まる中での融和路線の推進は容易ではあるまい。
 今年春の米韓合同演習期間中は、北が弾道ミサイルを相次いで発射し、米朝間の緊張はかつてなく高まった。だが、演習が終わると、北側は早々と「勝利宣言」を発表し、一触即発の危機はやや遠のいたかに見える。この間の一連の動きについて、半島情勢の専門家は「国内政治的に節目の今年は金正恩(キム・ジョンウン)指導部が求心力を高めるために『対米疑似戦争』でどうしても勝利を得る必要があったのであり、核・ミサイル開発で抑止力を強化し、好戦的な米新政権にも結局手出しをさせなかったとの論法で、『戦果』を上げたと大々的に宣伝している」と解説していた。
 軍事的緊張を一方的に高める無謀な挑発を繰り返しながら独裁体制の維持に腐心する身勝手さにあきれるばかりだが、対北朝鮮政策では「あらゆる選択肢がテーブルにある」と繰り返すトランプ政権とのせめぎ合いは続きそうだ。米大統領が外交カードを切った中国指導部を巻き込んで、日米韓3国の緊密な連携が今ほど必要な時はない。
伊藤 努(外交評論家)

北ミサイル発射 国際包囲網への無謀な挑戦だ(読売:社説)


 国際包囲網構築に対する無謀な挑戦である。軍事、外交の両面で、北朝鮮への圧力を着実に高めねばなるまい。
 北朝鮮が、日本海方向に、「スカッド」系列とみられる短距離弾道ミサイルを発射した。約400キロ飛行し、島根県・隠岐諸島から約300キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。
 3週連続の発射である。EEZ内には昨年8月に初めて着弾し、今回で4回目だ。
 国連安全保障理事会の決議に違反するだけでなく、漁船や民間航空機に被害が及びかねなかった。北朝鮮が危険な挑発を繰り返すことは、決して容認できない。
 懸念されるのは、北朝鮮のミサイル発射への慣れが生じることだ。安倍首相は「国民の安全を確保するために万全を期す」と強調した。政府は不測の事態に備えて、自治体との協議を緊密化し、避難訓練などの拡充を急ぐべきだ。
 イタリアでの主要国首脳会議(タオルミーナ・サミット)は、核・弾道ミサイル計画を放棄するよう、北朝鮮にかつてない強いメッセージを発した。ミサイル発射は、これへの反発だろう。
 前日には、北朝鮮国営メディアが、「新型」対空迎撃ミサイルの発射実験の成功を喧伝けんでんした。朝鮮労働党の金正恩委員長は米国を念頭に、「敵の制空権の妄想を粉砕すべきだ」と言い放った。
 北朝鮮の不毛な対抗姿勢は、地域の緊張を高めるだけである。
 米軍は近く、朝鮮半島周辺に展開中の原子力空母「カール・ビンソン」に加え、「ロナルド・レーガン」を投入するとされる。
 さらに、「ニミッツ」も派遣する方向で、一時的に空母3隻態勢となる可能性がある。北朝鮮の軍事的脅威への抑止力となろう。
 問題なのは、中国が国連安保理による追加制裁を拒むなど、いまだに北朝鮮を支え続け、増長させていることだ。
 中国外交を統括する楊潔チ国務委員が来日した。岸田外相らと会談する。原油供給の制限など実効性のある制裁に向けて、前向きに対応すべきではないか。
 韓国の文在寅政権は、北朝鮮のミサイル発射が相次ぐ中、韓国の民間団体に対して、人道支援目的で北朝鮮側と接触することを承認した。当局間対話の環境整備の狙いがあるとみられる。
 対話のための対話では、核・ミサイル問題の解決に役立たない。北朝鮮政策で日米と協調を維持することが求められよう。

南スーダン部隊が活動終了 首相「歴史的意義 今後も貢献」(NHK)


南スーダンに派遣されていた自衛隊の施設部隊が活動を終えたことを受けて、30日に防衛省で式典が開かれ、安倍総理大臣は、安全保障関連法に基づく駆け付け警護の任務などは歴史的な意義を持つとしたうえで、今後も国際社会の平和と安定に貢献していく考えを示しました。

国連のPKO=平和維持活動のためアフリカの南スーダンに派遣されていた陸上自衛隊の施設部隊は、11次隊の隊員が今月27日までに帰国し、5年余りにわたる活動を終えました。
これを受けて30日に、防衛省でおよそ350人の隊員が出席して式典が開かれ、11次隊の田中仁朗隊長が稲田防衛大臣に、全員が無事に帰国したことを報告し、隊旗を返還しました。
このあと安倍総理大臣が訓示し、「自衛隊の国際協力の歴史の中でも、南スーダンPKOへの施設部隊の派遣は過去最長となり、過去最大規模の実績を残してくれた。11次隊は、平和安全法制に基づく新たな任務を担ってくれた。いずれも歴史的な意義を持つものだ」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「平和のため黙々と汗を流す自衛隊員の姿を世界が称賛し、感謝し、頼りにしている。歴代隊員が積み重ねてきた成果を生かし、今後とも積極的平和主義の旗を高く掲げ、国際社会の平和と安定のために力を尽くしていく」と述べました。
11次隊には、安全保障関連法に基づいて、駆け付け警護などの新たな任務が付与されましたが、実施されることはありませんでした。

北のミサイル 抑止に資する制裁強化を(産経:主張)


先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)の成果が早速、試される。
 北朝鮮が29日早朝、またもや弾道ミサイルを発射し、島根県・隠岐諸島から約300キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾した。
 北朝鮮の核・ミサイル問題を「新たな段階の脅威」と宣言したG7の議論は、安倍晋三首相がトランプ米大統領とともに主導した。
 それが日本のEEZへ撃ち込んできた理由とも受け取れる。米国が3隻目の空母を西太平洋に増派したのも圧力となっていよう。
 国連安全保障理事会の決議が禁じている北朝鮮の弾道ミサイル発射は、どんな理由をつけても正当化されない。挑発を阻止する実効性ある手立てを、G7として早急に講じることが求められる。
 弾道ミサイルの発射は今年9回目であり、日本のEEZ内へのものは今年3月以来で4回目だ。
 首相は北朝鮮を非難し、「抑止するため、米国とともに具体的な行動をとる」と表明した。
 北朝鮮の核・ミサイル戦力は、国民の安全を脅かしている。その脅威を取り除くのに有効な制裁に踏み切るのは当然である。
 核・ミサイル戦力の保有や強化を断念させるには、金融制裁と石油禁輸が効果的とされる。
 北朝鮮と取引する第三国の金融機関や企業に対し、日米などが取引停止や資産凍結を科す「二次的制裁」を早急に実施すべきだ。
 それにより、北朝鮮を延命させている、中国の金融機関や企業の対北取引を押さえ込むことが欠かせない。
 石油禁輸は中国が制裁に本腰を入れなければできない。今年1~4月の中国の北朝鮮向け輸出は、前年同期比で31・7%増えた。石油製品の輸出拡大とみられる。
 北朝鮮の暴走をやめさせることにつながる制裁となるよう、政府は中国に改めて促すべきだ。
 日本の独自制裁も強化の余地は大きい。自民党は既に、北朝鮮へ渡航する朝鮮総連幹部の再入国禁止対象の再拡大を提言しているが、政府は実施していない。追加措置を考えるべきではないか。
 安保理での新たな制裁に向けた作業も必要だが、それでは不十分だ。制裁強化に消極的な中国、ロシアがいるためだ。
 首相の言葉通り、日米両国がリードする形で、他のG7各国や友好国との連携を急ぐときだ。

米長官「直接的な脅威」 空母ニミッツも西太平洋へ(東京新聞)


 【ワシントン=石川智規】北朝鮮の新たな弾道ミサイル発射に対し、ホワイトハウス高官は二十八日、記者団に対し「米政府は(ミサイル発射を)把握している。トランプ大統領にも報告した」と述べた。
 米海軍は二十六日、原子力空母ニミッツを西太平洋に派遣することを決定。六月一日にも西部ワシントン州の海軍基地を出港する。西太平洋地域には空母カール・ビンソンに加え、ロナルド・レーガンも展開しており、北朝鮮への圧力を強めている。
 一方、マティス国防長官は二十八日の米CBSテレビのインタビューで、ミサイル発射実験を続ける北朝鮮問題について「米国の直接的な脅威だ」と指摘。「もし戦争になれば、日本や韓国だけでなく、中国やロシアにも脅威をもたらす」と警戒した。
 一方、米国が軍事行動に踏み切る境界線や期限を問われると「レッドライン(越えてはならない一線)は引きたくない」と明言を避けた。今後の米国の対処方針については「中国と協力して対処したい」と述べ、外交努力による解決を目指す姿勢を示した。

付帯決議「女性宮家検討」明記へ…自民受け入れ(読売N)


佐藤勉衆院議院運営委員長は29日、天皇陛下の退位を実現する特例法案の採決に合わせて採択する付帯決議案を各党に提示した。

 委員長案では、安定的な皇位継承のために政府に求める検討内容として、皇族女子が結婚後も皇室にとどまることを可能にする「女性宮家の創設等」を明記した。民進党の主張に沿ったもので、自民党も受け入れる方針を固めた。ただ、検討期限が明記されていないことに民進党が難色を示し、自民、民進両党が30日に再度協議することとなった。
 委員長案は、佐藤氏が衆院議運委の高木毅・与党筆頭理事(自民党)、泉健太・野党筆頭理事(民進党)と国会内で会談して示した。
 自民党はこれまで「女性宮家」明記に慎重だったが、「『等』があれば女性宮家だけを検討するわけではない」(幹部)として容認する方向だ。

防衛相 発射はスカッドミサイル系列の可能性(NHK)


稲田防衛大臣は29日午前10時すぎに、防衛省で記者団に対し、北朝鮮が発射した弾道ミサイルについて、防衛省などで分析した結果、飛しょうした距離などから、スカッドミサイルの系列の可能性があり、高度は100キロ程度と認識していると明らかにしました。
そのうえで稲田大臣は、記者団が「高度が低いのではないか」と質問したのに対し、「特異な飛しょうではなかった」と述べました。
そして稲田大臣は、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した意図について、「一般論として、弾道ミサイルの性能の技術的な検証や何らかの訓練、国際社会からの圧力への反発などが考えられる」と述べました。

旧ソビエトで開発されたスカッド
短距離弾道ミサイルの「スカッド」は、1950年代に旧ソビエトで開発され、北朝鮮は1970年代にエジプトから輸入して、みずから生産できるよう研究に着手しました。
その後、北朝鮮は開発を本格化させて、1980年代に実戦配備を開始し、射程はおよそ300キロから500キロに達すると見られています。
また、「スカッド」は、片側4輪の移動式の発射台で運んで発射するため、発射の兆候をつかむのが難しいとされています。
北朝鮮は、去年の3月と7月にも、西部のファンヘ(黄海)北道ファンジュ(黄州)付近から日本海に向けて「スカッド」を相次いで発射しています。

「テロ等準備罪」新設法案 5つの論点(NHK)


参議院本会議で審議入りした「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案。論点をまとめました。

テロ等準備罪新設の必要性
政府が締結を目指す「国際組織犯罪防止条約」は、殺人などの重大な犯罪を行うことで合意した場合などに処罰できるよう各国に法整備を求めています。
法務省によりますと、現在の国内法で、重大な犯罪を行うことで合意した場合に処罰できる規定としては、爆発物取締罰則など13の法規に設けられた「共謀罪」や内乱罪など国の存立に関わるような8つの重い罪について仲間と計画を立てたことを処罰する「陰謀罪」があります。
ただ、政府は、こうした現行の規定について、対象の犯罪が少なすぎて条約を結ぶ条件を満たせないとして、「テロ等準備罪」を新設し、より広範囲に取り締まれるようにすべきだとしています。
これに対して民進党などは、罪の新設は憲法が保障する内心の自由を侵害する可能性が極めて高いとしたうえで、現行の法制度のもとでも条約を締結することは可能だと主張しています。そのうえで、組織的な人身売買と詐欺に、新たに予備罪を設ける独自の法案を今の国会に提出しました。

組織的犯罪集団
政府は「組織的犯罪集団」には、一定の犯罪を行うことを目的に作られたテロ組織や暴力団、薬物密売組織、振り込め詐欺集団などが含まれるほか、当初は別の目的で設けられても、その後、犯罪を目的とする団体に一変した場合には組織的犯罪集団と認定される可能性があるとしています。
これに対し民進党などは、組織的犯罪集団は幅の広い概念であるのに加え、一般の団体がどのような状態になれば「組織的犯罪集団に一変した」と見なすのかが不透明で、恣意(しい)的な判断により一般市民も処罰の対象になりかねないと指摘しています。また、テロ組織などは暴力団と異なり、外部から組織的犯罪集団と判断するのは難しいことから、捜査機関が認定を目指す過程で捜査の権限を乱用するおそれがあるとしています。

「計画への合意」
政府は組織的犯罪集団の活動として、2人以上のメンバーが重大な犯罪の実行を計画することを構成要件の1つとしています。計画への合意は、顔を合わせなくても電話や電子メールなどでも成立するとしています。ただ、犯罪の計画などがメーリングリストなどを通じて複数の人に一斉に送られた場合に単に閲覧しただけでは合意にあたらないという見解を示しています。
これに対して民進党などは、捜査機関が、合意の有無を確かめるために電話やメールの内容などを広範囲に捜査し、プライバシーを侵害して「1億総監視社会」につながるおそれがあると批判しています。

対象犯罪
また、政府は、処罰の対象になる犯罪について、組織的犯罪集団の関与が現実的に想定される277の犯罪に絞り込んだとしています。当初の案では600余りでしたが、政治団体や公務員が対象の犯罪や、飲酒運転をした時などに適用される危険運転致死など、組織的犯罪集団とは関わりが薄いと考えられる犯罪が除外されました。
ただ、民進党などは保安林の区域内で森林の産物を盗む罪が含まれていることを例に挙げて「キノコを採っても処罰される」と指摘するなど、依然として組織的犯罪集団との関連を想定しにくい犯罪が対象に含まれていると批判しています。

実行準備行為
政府は、処罰に必要な準備行為の具体例として、法案に明記されている資金などの手配や関係場所の下見のほか、犯行手順の訓練や標的の行動監視などもあげています。そのうえで準備行為にあたるかどうかは、行為が行われた状況などによって客観的に判断するとしています。
これに対し民進党などは、散歩と逃走経路の下見や、ATMで生活費をおろす行為と犯罪の資金調達などは、客観的にいずれなのか見極めが難しく、捜査機関が恣意(しい)的に判断するおそれがあると批判しています。

中国、G7宣言に「強烈な不満」 「無責任な言論」を発表しないよう求める(産経:緊迫 南シナ海)


【北京=西見由章】中国外務省の陸慷報道官は28日、イタリア・タオルミナでの先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)の首脳宣言で、中国を念頭に東・南シナ海の状況への懸念が示されたことに対し「国際法を口実にあれこれと口出しするもので、強烈な不満を表明する」と反発するコメントを発表した。
 首脳宣言は仲裁を含む法的手続きや外交手段による平和的解決を図ることを確認。領有権争いのある地域の「非軍事化」を要求し、「緊張を高める一方的な行動」への反対を表明した。
 これに対し陸氏は、中国は一貫して「直接関係国同士による協議」を通じた問題解決に尽力していると反論。G7や域外の国家が「無責任な言論」を発表しないよう求めた。
 中国外務省が首脳宣言の内容に敏感に反応し、発表から間もない28日未明にコメントを出したのは、南シナ海での米中の緊張がにわかに高まっていることが背景にある。南シナ海スプラトリー(中国名・南沙)諸島で米軍駆逐艦が現地時間25日に「航行の自由」作戦を実施。これに反発するかのように中国軍の戦闘機2機が南シナ海上空で同日、米海軍哨戒機に異常接近し、米側は「危険な行動だった」と非難した。
 これに対し中国国防省の呉謙報道官は28日、「米側の主張は事実ではない」と反論する声明を発表した。呉氏は、中国軍機が法規に基づき米軍機の識別調査を行ったとし「練度が高く安全な行動だった」と主張。中国付近の海空域に米軍が艦船や航空機を派遣し「わが国の主権や安全を侵害している」と批判した。

維新 憲法9条改正案を年内に取りまとめる方針(NHK)


安倍総理大臣が憲法9条の改正を目指す考えを示したことを受け、日本維新の会は、国会での憲法改正論議をリードしたいとして、年内に9条についての独自の改正案を取りまとめる方針です。

日本維新の会は、憲法改正を党の綱領に掲げ、すでに、教育無償化や統治機構改革、それに憲法裁判所の設置を柱とする改正原案をまとめていますが、9条については「時期尚早だ」として改正に慎重な姿勢を示してきました。
こうした中、安倍総理大臣が9条を改正して自衛隊の存在を明記することを目指す考えを示したことから、日本維新の会は、9条についても独自の改正案を示したいとして、党内の議論を始めることになりました。
そして、7月中にも9条改正に向けた論点整理をまとめたうえで、地方議員や若者らからも意見を聞くことにしていて、年内に改正案を取りまとめる方針です。
党内論議では、自衛隊の存在の根拠となる規定を設けるのかどうかや、戦力の不保持を規定している9条2項と自衛隊の存在の関係をどう考えるのかなどが、焦点となる見通しです。
日本維新の会としては、独自の改正案を示すことで国会での憲法改正論議をリードし、教育無償化などを憲法に盛り込むという党の主張の実現につなげたい考えです。

南スーダン撤収 陸自PKO経験を次に生かせ(読売:社説)


 独立間もない国の安定と発展に向け、厳しい環境下で任務を完遂したことを高く評価したい。
 南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に従事していた陸上自衛隊の部隊の撤収が完了した。
 派遣は、施設部隊として過去最長の5年4か月に及んだ。一時は治安が悪化したが、死傷者を1人も出さず、1発の銃弾も撃たなかった。陸自の日頃の厳しい訓練と、現地情勢などに関する適切な情報収集の賜物たまものと言えよう。
 今年3月の撤収決定後も、陸自部隊は、首都ジュバ近郊の幹線道路の修繕などに取り組み、道路補修は計約260キロにも達した。
 約50万平方メートルの用地を造成し、97の施設も構築した。カンボジアやハイチでのPKOと比べても、今回の実績は格段に大きい。
 稲田防衛相は記者会見で「南スーダンや世界から感謝され、日本らしい活動が出来た」と述べた。陸自の持ち味は、確かな技術力ときめ細かい仕事ぶりだ。隊員らの労をねぎらいたい。
 南スーダンの社会資本整備は依然、道半ばだ。大統領派と前副大統領派の対立も続く。ジュバの情勢は比較的安定しているが、地方では小競り合いが絶えない。
 政府は、国連の現地司令部要員4人の派遣を継続する方針だ。陸自部隊が使用した重機や発電機は国連に無償譲渡した。
 国際社会から「日本は南スーダンから手を引いた」と受け止められてはなるまい。陸自の実績を基礎とし、政府開発援助(ODA)による人道・食糧支援などを効果的に実施することが重要だ。
 安全保障関連法に基づき、昨年11月、駆けつけ警護、宿営地の共同防護という新任務が陸自部隊に付与されたのも意義深い。
 近くの民間人に助けを求められても、断るしかない。そんな法的不備を解消し、国際平和協力活動の参加部隊として最低限の責務を担えるようになった。実際に任務を行う機会はなくても、他国軍との信頼醸成に寄与したはずだ。
 南スーダンでの活動を検証し、訓練などを通じて今後の海外任務に生かさねばならない。
 今回の撤収で、PKOへの部隊派遣はゼロになった。
 今年は、PKO協力法成立から25年の節目に当たる。PKOは近年、治安維持活動など危険な任務が増えており、日本にとってハードルが高くなった面がある。
 「積極的平和主義」の旗の下、どんな活動に関与するのか、大いに知恵を絞らねばなるまい。

国連事務総長「総意でない」 「共謀罪」法案懸念の書簡(朝日N)


 安倍晋三首相は27日午前(日本時間同日夜)、訪問先のイタリア南部シチリア島タオルミナでグテーレス国連事務総長と会談し、国際組織犯罪防止条約の締結に向けた取り組みや、国会で審議中の「共謀罪」法案について説明した。

 日本政府の説明によると、グテーレス氏は、法案に懸念の意を示す書簡を安倍首相に送った国連の特別報告者ジョセフ・カナタチ氏について、「個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない」などと述べたという。(タオルミナ=内田晃)

光陰矢のごとし… オバマ氏のあの広島訪問は何だったのか 佐野慎輔(産経:一筆多論)


 いま、世界の目はイタリア・シチリア島のタオルミナに向いている。ドナルド・トランプ米大統領が初めて参加した先進7カ国(G7)首脳会議である。
 1年前のきょう、人々の注目は広島にあった。
 米国のバラク・オバマ前大統領が、現職大統領として初めて広島を訪れた。
 原子爆弾を投下した当事国首脳の被爆地訪問と犠牲者への祈りは「歴史的な」と形容された。被爆者である森重昭さんと交わした熱い抱擁は、いまも、鮮明に覚えている。
 あれから1年、大統領の座を降りたオバマ氏は広島や核の問題にどのような発言、行動をしているのだろう。勉強不足でもあり、寡聞にして知らない。
 聞こえてくるのは、トランプ批判とカリブ海で趣味のサーフィンを楽しむ姿、高額な講演料の話題。あの広島訪問は何だったのか。平和資料館の折り鶴だけだとしたら寂しい。
 『邯鄲(かんたん)』一炊の夢、いや違うな。光陰矢のごとし、そう形容すべきだろう。

 その間、英国は欧州連合(EU)離脱を決め、フランスには「ルペン旋風」が吹き荒れた。韓国では朴槿恵大統領が一連の不祥事で弾劾、罷免され、文在寅大統領が選出された。
 なんとなく、世界はざわついている。
 間隙を縫うように、金正恩朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮は続けさまにミサイルを発射。瀬戸際外交か、醜悪な存在を誇示し続ける。
 トランプ大統領就任に合わせたように、ジョージ・オーウェルの68年前の小説『1984』が米国のベストセラーになった。日本でも、書店の店頭に平積みにされた。その理由に合点がいく。一方で、太平楽の一部国会議員の貧しい言動は論外である。
 すべては、この1年以内に起きた。月も、日も、脚が速い。対処を誤ってはならないと改めて思う。
 2020年東京オリンピック・パラリンピックも、招致決定から7年あった準備期間が、折り返し地点をまわった。残り3年。まだまだ山積する問題に、一つ一つ、答えを出していかなければならない。
 時の流れは速い。トランプ大統領をはじめ、メイ英首相、マクロン仏大統領、議長国であるイタリアのジェンティローニ首相は初のG7参加。この1年以内にその座に就いた。
1964年大会は開催都市決定が5年前、今回よりも圧倒的にスピード感が求められた。象徴のように語られるのが競技場建設である。丹下健三設計の国立代々木競技場は、駐留米軍相手の用地返還が難航した。開催前年の63年2月に着工し、完成は64年9月。開会式の1カ月前だった。
 場所選定に右往左往した日本武道館に至っては63年10月着工、64年9月完成の離れ業である。突貫工事ではあったが、両者は単なる記念碑的建築物ではない。いまも輝きを失わず、2020年の競技会場となる。
 偉業を可能にしたのは、高度な技術と国の支援。当初は池田勇人首相が五輪担当相を兼任、後任も河野一郎氏と、要所に人を得て事が進んだ。残り3年、より卓越した能力と体制が求められるときとなった。(特別記者)

5月28日(産経抄)


おとぎ話のカニはサルを討ち、親の敵を取る。カニはその後、どうなったか。死刑になったと、芥川龍之介は『猿蟹(さるかに)合戦』に書いている。敵討ちを「私憤の結果」と見る世上の声を引いて、カニへの同情は「センティメンタリズムに過ぎない」と。
 ▼何事も適度に熱し適度に冷めている。それが世論の実質である。社会悪への憤りを「公憤」と呼ぶが、当事者が思うほど私憤との差はない。「行政のあり方がゆがめられた」と会見で述べた文部科学省前事務次官、前川喜平氏の憤りも一歩下がって眺めた方がよい。
 ▼国家戦略特区での、獣医学部設置をめぐる騒動である。官邸の強い圧力をにおわせる「総理のご意向だ」の文書は省内に「確実に存在した」という。安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人の選定に「押し切られてしまった」と悔いもした。つまり公憤だと。
 ▼氏は天下り問題で引責辞任した身でもある。官邸への私憤もにじみ、返り血辞さずの告発と映らぬでもない。菅義偉官房長官が人格を責めるような非難で応じては、政治の値打ちを下げるだけだろう。知りたいのは、公正の原則に背く行為があったかどうかである。
 ▼日本の活力を生む事業に、透明性が保たれているかどうかである。政権が掲げる成長戦略の柱なら、政治主導で事を運ぶのはうなずける。後ろ暗さがないなら、事業者選定の経緯をつまびらかにすればよい。核心をぼかすから全てがうさん臭く見えるのではないか。
 ▼文書から「怪」の字が取れても、国民には何の得るところもない。政治の信用は落ち、文科省の看板にはねた泥はいつまでも跡形を残そう。国家戦略特区が「罪人」として見られかねぬことも、残念でならない。不毛な合戦は高くつきそうである。

G7閉幕 係争地の非軍事化追求で一致(NHK)


G7サミット=主要7か国首脳会議は、昼食会で、各国の首脳が、海洋安全保障などを議論し、東シナ海や南シナ海での緊張を高め得る一方的な行動に強く反対し、すべての当事者に係争地の非軍事化を追求するよう求めることで一致しました。

G7サミットは、一連の日程を終え、閉幕しました。
G7サミット=主要7か国首脳会議は、日本時間の27日夜、イタリア南部・シチリア島のタオルミーナで、海洋安全保障やロシア・ウクライナ情勢をテーマとした昼食会が開かれました。
この中で、安倍総理大臣は、「法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序は国際社会の平和と繁栄の礎であり、航行の自由、法の支配などの基本的価値を普及・定着させ、インフラ整備などの連結性を強化していくことを含め、平和と安定のためにG7として協力していくことが重要だ」と述べました。
そのうえで、海洋進出の動きを強める中国について、「中国との関係は重要であり、大局的な観点から安定的な関係構築を進めていくと同時に、中国が国際社会で一層建設的な役割を果たすよう促していく必要がある」と述べました。
そして、各国の首脳は、東シナ海や南シナ海の状況を引き続き、懸念するとともに、緊張を高め得る一方的な行動に強く反対し、すべての当事者に対し、係争地の非軍事化を追求するよう求めることで一致しました。
一方、ウクライナ情勢などをめぐって欧米諸国との対立が続くロシアについて、各国の首脳は、「ロシアとの相違にかかわらず、地域的な危機および共通の課題に対処するため、われわれの利益になる場合には、ロシアと関与していく用意がある」という認識で一致しました。
G7サミットは、昼食会で一連の日程を終え、閉幕しました。

南スーダンPKO撤収、最後の40人が帰国(読売N)


 南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に派遣され、現地で道路の維持や補修などを行った陸上自衛隊施設部隊の第11次隊(約350人)のうち、最後となる第4陣約40人が27日帰国し、撤収が完了した。
 派遣部隊には、安全保障関連法に基づいて「駆けつけ警護」などの任務が初めて付与されたが、実行することはなかった。
 隊員たちは同日午前11時過ぎ、青森空港(青森市)に到着。主力となった第9師団の幹部から出迎えを受け、笑顔で握手を交わした。到着ロビーには隊員の家族も姿を見せ、目の前を通り過ぎる隊列を見守った。息子が帰国したという青森市の女性は「ずっと無事を祈っていた。元気そうで本当によかった」と安堵あんどの表情を浮かべていた。

首相、新迎撃システム明言 対北朝鮮で防衛力強化(東京新聞)


 【タオルミナ共同】安倍晋三首相は27日)、イタリアでの先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)出席を終え、タオルミナ近郊のホテルで記者会見した。北朝鮮の脅威に対し、新型ミサイル迎撃システムの配備などによって防衛力強化を図る考えを示した。「厳しくなった安全保障環境を考慮し、日本人の命、安全を守る」と述べた。テロとの戦いのため「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案について「確実に成立を期す」と強調した。
 北朝鮮に関して「日米で防衛体制と能力向上を図ることで合意した」と言明。イージス艦を現在の6隻から8隻態勢へ増強することに関し「実現を急ぐ」とした。

安全保障避ける学術会議 冷戦期に孕んだ時代認識の欠陥の残滓だ 東京大学客員教授・米本昌平(産経:正論)


≪冷戦の過酷さとは無縁だった国≫
 3月24日に日本学術会議は「軍事的安全保障研究に関する声明」をまとめ、軍事目的での科学研究を行わないという半世紀前の方針を再確認した。その直接の動機は、一昨年から防衛装備庁が「安全保障技術研究推進制度」を発足させたため、これに対する態度表明を迫られたからである。
 どんな国であれ大学が防衛省関係から研究費助成を受ければ、軍事機密や達成目標などで条件をのまなければならず、大学側は当然これに対する原則を明確にする必要が出てくる。だが、声明や学術会議報告「軍事的安全保障研究について」を読んでみると、日本のアカデミズムは安全保障の議論をするのに恐ろしく逃げ腰である。
 その理由の一つに、日本が20世紀後半の世界を決定づけた冷戦の過酷さを体感しないまま21世紀に抜け出た、唯一の先進国であることがある。冷戦とは米ソ両陣営が最悪時には7万発の核弾頭を備え、国内総生産(GDP)の5~10%を国防費に割いて核戦争の恐怖に耐えた時代であった。
 この未曽有の恐怖の時代を通して日本は「冷戦不感症」国家であったため、科学技術と軍事の関係を冷静かつ客観的には語りえない欠陥をもつようになった。この点について軍民両用(デュアルユース)技術を軸に論じておきたい。

≪表層的な日本の軍民併用技術論≫
 最も基本的なことは、米国の科学技術は1940年を境に一変してしまったことである。第二次大戦以前の米国では、大学は東部の法文系が主流だった。ところが40年に国家防衛研究委員会が置かれ、戦争中にこの委員会が通信技術、レーダー、航空機、核兵器などの戦時研究を組織し、理工系大学がその一部を受託して力を蓄えた。戦後間もなく冷戦が始まったため、米国は41年の真珠湾攻撃から91年のソ連崩壊まで50年戦争を戦ったことになる。
 そんな中、57年10月にソ連が人類初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げた。米国は衝撃を受け、高度な科学技術研究を維持することが安全保障に直結すると確信し、翌年に国防高等研究計画局や航空宇宙局を新設する一方、理工系大学の大幅な拡張を促した。
 国防総省からの大規模な研究委託によって、マサチューセッツ工科大学(MIT)やスタンフォード大学などは急速に力をつけ、「研究大学」という特別の地位を獲得した。60年代末に大学紛争が起こると、軍からの委託研究は批判にさらされ、キャンパスの外に移されたが、これがベンチャー企業の先行形態となった。結局、冷戦の最大の受益者の一つは米国の理工系大学であった。
冷戦後、米国の科学史の研究者は精力的に冷戦研究を行い、この時代の米国の科学技術は、核兵器の開発・小型化・配備体制の開発を最大のミッションとする「核兵器研究複合体」を形成していたと自己診断を下した。日本の議論は、この米国における科学技術史の研究成果を咀嚼(そしゃく)していない。
 90年代の米国は、科学技術を軍事から民生へ転換する「軍民転換」政策を採用した。この時、冷戦時代に開発されたコンピューター技術、インターネット、衛星利用測位システム(GPS)などが民間に開放され、巨大な情報産業が誕生した。この政策を正当化したのが「軍民併用技術」という概念であった。これと比べ、日本の軍民併用技術論は何と表層的でひ弱なものなのであろう。

≪米科学技術史の成果を踏まえよ≫
 かつて核戦争の危機は2度あったが、2度とも日本は重度の「冷戦不感症」を呈した。62年のキューバ危機に際し、ケネディ大統領は事態を説明するためフランス、西ドイツ、カナダに特使を派遣したが、池田勇人首相には親書で済ませた。核戦争が起こるとすれば大西洋を挟んだ撃ち合いになると考えられたからだ。この時、日本は親書の意味が読み取れないまま経済政策に邁進(まいしん)したのである。
 83年欧州のミサイル危機の時には、相互確証破壊を前提とする戦略核ミサイル体制は両陣営で完成していたから、核戦争になれば日本は全滅してしまうはずだった。だがこの時、日本で議論されたのは欧州の反核運動であった。
 冷戦時代、日本が核戦争の脅威を認知しようとしなかった理由はほぼ3つに集約される。第1に日本における核兵器の議論はヒロシマ・ナガサキで凍結されてしまい、その後に本格化する核兵器の大量配備の現実を視野に入れようとしなかったこと。第2に核戦争になれば全てが破壊されてしまうという虚無感。第3に東アジアには東西対決の緩衝地帯として中国共産党政権が存在し、日本がソ連との直接的な軍事対決にさらされることが少なかったことである。
 大学の研究と軍事研究との間に線引きが必要になった事態をもって右翼化と言ったり、戦前の日本と重ねる論法は、冷戦期に日本社会が孕(はら)んだ時代認識の欠陥の残滓(ざんし)でしかない。いやしくも日本学術会議である以上、最低限、米国の科学技術史の研究成果を踏まえた論を展開すべきだったのである。(東京大学客員教授・米本昌平 よねもとしょうへい)

統幕長の感想に「軽率」 朝日よ、何でもかんでも安倍政権批判に結びつけたくて仕方がないのか 5月27日(産経抄)


 ちゃんちゃらおかしい。自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長が23日、安倍晋三首相の憲法9条に自衛隊を明記する提案について、「ありがたい」と述べたことが法に触れるとして、野党や一部メディアが騒いでいる件である。河野氏は、「一自衛官として申し上げるなら」とわざわざ断ってから個人的な感想を語ったにすぎない。
 ▼「憲法という非常に高度な政治的問題なので、統幕長として申し上げるのは適当ではない」。河野氏はこうも前置きしていた。自衛隊法が、政治的行為を制限していることを踏まえた穏当な表明を心掛けたのだろう。
 ▼当然、菅義偉官房長官は24日の記者会見で「個人の見解で、全く問題ない」との認識を示した。にもかかわらず、25日付の朝日新聞社説は「軽率すぎる」「軽はずみ」などと批判し、こう強調した。「河野氏は頻繁に(安倍晋三)首相と会い、軍事的な助言をする立場だ」。
 ▼さらに26日付紙面では「統幕長発言 野党が批判」との見出しで大きく取り上げ、軍事ジャーナリストの「『安倍一強』体制だから不問にふされたと言える」とのコメントを掲載した。親が憎けりゃ子も憎いというが、何でもかんでも安倍政権批判に結びつけたくて仕方がないのか。
 ▼25日の衆院憲法審査会では、自民党の中谷元・前防衛相が「自衛官も国民で、言論の自由はある」と訴えた。一方、共産党の大平喜信氏は、公務員らの憲法尊重擁護の義務を定めた憲法99条違反だと主張した。
 ▼そもそも自衛隊を違憲と位置づける共産党が、自衛官の発言を憲法違反と言っても何を今さらであり、さておく。言葉狩り好きの朝日は、表現の自由を本当のところどの程度大切だと考えているのか。ずっと抱えてきた疑問が晴れない。
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テロ準備罪法案:我が国の「自衛」手段だ(朝雲:時の焦点)


戦後を代表する知識人の一人、清水幾太郎は、「治安維持法」を肯定していた。
 1925年制定の同法は、改正と拡大適用を重ねて強引な捜査を呼び、何万人も検挙されたことで悪名高い。だが本来、「国体ヲ変革シ又ハ私有財産制度ヲ否認」する組織活動の禁止が目的だった。つまり、ソ連の意を受けて天皇制打破、資本主義破壊といった、世間の理解を到底得られない暴挙を目論む共産党への警戒が、背景にあった。
 治安維持法には、清水自身も「厭な思い」をしてきたという。それでも、「日本が自衛のために取った手段の一つであると思う」(『戦後を疑う』)と指摘した。一つの見方であろう。
 重大な組織犯罪を計画・準備段階で処罰する組織犯罪処罰法改正案の審議は、参院に舞台が移る。
 マネーロンダリング、密輸、詐欺……。組織犯罪は今や国境をまたいで発生する。にもかかわらず、187の国・地域が加盟する国際組織犯罪防止条約に、日本は参加できていない。そのため、捜査共助、容疑者引き渡しに支障を来している。
 2015年の国連事務総長報告書は、過激派組織「イスラム国」が国際組織犯罪集団と連携し、資金を確保していると明言した。テロとの関連性も強まっている。組織犯罪集団対策は、我が国の安全確保に資する。条約加盟に必要な「テロ等準備罪」を創設する改正案の早期成立を図らねばならない。
 疑問なのは、野党や左派が「一般市民も対象」「1億総監視社会化」「内心の自由の侵害」と、不安を煽ることだ。「的外れで無責任な極論」(ジャーナリスト・櫻井よしこ氏)も目立つ。
 「毒入りカレーで人を殺す計画の際、カレーだけを作ったケースは実行準備行為に当たるのか」との質問があった。犯罪集団の意図を知らずに、カレー作りだけ協力するというのはあり得るのだろうか。
 「音楽教室が著作権料を払わずに楽譜を使って演奏すれば、組織的犯罪集団に当たるのではないか」といった指摘も、非現実的だ。
 おおよそあり得ないケースを無理やりひねりだし、国民の理解を深めるよりも、金田勝年法相の失言を引き出そうと躍起になっているとしか見えない。
 残念ながら、捜査手法がしばし問題になるのは確かだ。捜査当局が、厳正かつ慎重な運用を徹底するのは当然である。
 しかし、改正案は、まっとうに暮らす人々には関係ない。世論調査でも、必要性を理解する冷静な受け止めが少なくない。
 野党・左派は、戦後日本人が築き上げてきた民主主義を信用できないのだろうか。
 仮に、政権が治安維持法をほうふつさせる検挙を強行すればどうなるか。戦前の「特高」のような手駒を有しているわけでもない。よりどころの支持率が急落し、政権は間違いなく吹き飛ぶ。
植田 高直(政治評論家)

日米首脳会談 対「北」圧力に中国を取り込め(読売:社説)


 核ミサイル開発に突き進む北朝鮮に方針転換を迫るには、効果的で厳しい圧力が欠かせない。
 安倍首相がイタリアでトランプ米大統領と会談し、北朝鮮政策について「今は対話ではなく、圧力をかけることが必要だ」との考えで一致した。
 北朝鮮の脅威を抑止するため、日米の防衛体制を向上させる具体的行動を取るとともに、日米安全保障協議委員会(2プラス2)を早期に開くことも確認した。
 北朝鮮は、国連安全保障理事会の再三の非難声明や制裁決議を無視し、新型の弾道ミサイルなどの発射を繰り返している。
 米国に到達し、核兵器が搭載可能な長距離ミサイルの開発・保有が、自国の生き残りを図る唯一の道だと妄信しているのだろう。
 北朝鮮に核ミサイル開発を放棄させるには、いずれは対話を行い、外交的な解決を追求する必要がある。だが、仮に現段階で対話を始めても、成果は望めまい。
 外交、軍事両面で厳格な制裁や圧力を加えることで初めて、金正恩政権が方針転換に応じる余地が生まれるのではないか。
 安倍首相とトランプ氏は、北朝鮮に対する圧力について「中国の役割が重要だ」との認識を改めて共有した。日米両国が韓国と連携する重要性でも合意した。
 日米韓3か国などの圧力には限界がある。北朝鮮の貿易の9割を占める中国の関与が不可欠だ。
 米軍の空母派遣などの圧力は、北朝鮮だけでなく、軍事紛争を避けたい中国にも向けられていた。中国は石炭輸入は停止したが、本格的な制裁は避け続けている。
 原油の供給制限など、北朝鮮への影響が大きい措置を中国に真剣に促すことが今後のカギだ。
 米軍は7か月ぶりに、南シナ海の中国の人工島周辺で駆逐艦を航行させたとされる。北朝鮮問題で中国の協力を引き出すための揺さぶりとの見方がある。
 日米両国は、北朝鮮と取引のある中国などの企業や金融機関を対象とする「二次的制裁」も検討している。様々な手段を駆使し、厳しい制裁に慎重な中国の歩み寄りを実現することが求められる。
 今回の会談は、国際会議のたびに必ず会談するという2月の首脳会談の合意に基づくものだ。首相とトランプ氏は、北朝鮮問題などで6回も電話会談しており、2人の信頼は着実に深まっている。
 首脳の良好な関係を土台に、日米の閣僚や官僚が緊密な意見交換を重ね、両国の外交政策を的確に調整することが大切である。

南スーダンPKO 陸上自衛隊きょう撤収完了(NHK)


国連のPKO=平和維持活動のためアフリカの南スーダンに派遣されていた陸上自衛隊の部隊のうち、最後まで残っていたおよそ40人の隊員が、27日帰国し、撤収が完了する予定です。これでおよそ5年半にわたる派遣が終了することになります。

南スーダンに派遣されていた陸上自衛隊の施設部隊は先月から撤収を進めていて、日本時間の25日に現地を出発した最後の隊員およそ40人が27日、日本に到着し、撤収が完了する予定です。
2012年1月からおよそ5年半にわたった活動では、延べ3854人の隊員が派遣されて道路や公共施設などのインフラの整備にあたり、整備した道路の距離は250キロに及ぶなど国づくりに貢献しました。
一方で、自衛隊が拠点を置いた首都・ジュバで去年7月、政府軍と反政府勢力による大規模な武力衝突が起きるなど各地で戦闘が相次ぎ、治安情勢が焦点となる中での活動となりました。
こうした中、去年12月には安全保障関連法に基づき武器の使用範囲を広げる「駆け付け警護」の任務が部隊に付与されましたが、実施されることはありませんでした。
また、ことしに入って、部隊の日々の活動を記した「日報」をめぐる問題が発覚し、実際には保管されていながら防衛省が破棄したと説明した経緯などを調べる異例の特別防衛監察が行われています。
政府は部隊の撤収にあたり、今後の国際貢献について、「積極的平和主義の旗のもと、一層貢献していく」としていて、今後に向けて今回の派遣をどう検証していくかが課題になります。

統幕長発言 自衛隊員の名誉を守った(産経:主張)


 憲法に自衛隊を明記しようという、安倍晋三首相の発言の感想を求められた河野克俊統合幕僚長が、「非常にありがたい」と述べた。
 これを一部マスコミや政党が批判しているのは、理解に苦しむ。
 自衛隊員は命をかけて国を守っている。首相の問題意識は、その組織がなお「違憲」とも指摘される状況を解消することにある。
 当事者として、自衛隊の存在が肯定されるなら率直に歓迎するというのはごく自然ではないか。
 そう受け止めずに、軍事組織の政治介入などと唱えるのは、自衛隊を否定的にとらえ、敵視する姿勢さえうかがえる。
 河野氏の発言は23日の講演時の質疑におけるものだ。正確には、「憲法という非常に高度な政治問題なので、統幕長という立場から申し上げるのは適当ではないと思う」と、まず述べている。
 そして「一自衛官として申し上げるなら」と断ったうえで「ありがたい」と続けた。
 自衛隊の役割を今後、拡大するかどうかという点についても、河野氏は「これはもう、いつに政治の決定によるもの」として見解を控えた。つまり、政治的意図を込めた発言はしない前提で、自衛隊員としての心境を示している。
 菅義偉官房長官が「あくまでも個人の見解」で全く問題はないと判断したのは妥当だ。
 もっとも、日本の防衛政策論議のあり方を考えたとき、国会など政治の場で戦術のプロである制服組に発言の機会を与えてこなかった状況こそ再考すべきである。
 米国では、軍幹部が議会の公聴会で日常的に発言を求められる。同じ民主主義の国で、担当者が見解を表明できないことが、国民の利益になるとは思えない。
 発言を認めれば文民統制の原則が崩れる、などと安易にいうのは政治の側の力量不足や無責任さを露呈するものだろう。
 統幕長の発言は、安全保障論以前に大きな感慨を含んでいる。
 「違憲」呼ばわりされる自衛隊は、長く日の当たる存在ではなかった。隊員の子弟が学校で差別を受けたり、いじめられたりする例は少なくなかった。
 災害派遣などを通じて認知度は高まったものの、国としてその位置づけをどう定めるかは、同じ国民である自衛隊員やその家族の気持ちを考えることでもある。

中国の邦人拘束 早期帰国へ行動を起こせ(産経:主張)


 また中国で日本人が拘束された。中国企業の依頼で温泉探査に出張した技術者ら6人である。
 中国外務省の報道官は6人が「違法な活動に関わった」として拘束を確認したが、違法活動とは何なのか。まず容疑の事実を明確にすべきだ。
 菅義偉官房長官は「邦人保護の観点から在外公館などを通じて適切に支援を行っている」と述べたが、それだけでは不十分である。情報の詳細な開示を求め、早期の釈放、帰国に向けた具体的な行動が必要だ。
 この2年余、中国で「スパイ」として拘束された日本人は5人おり、1人も帰国していない。新たに6人の身柄が拘束された事態は異常である。
 被害に遭っているのは日本人だけではない。今年4月、中国当局に拘束されていた米国人女性実業家が帰国した際には、釈放運動に関わった関係者が「ティラーソン米国務長官が役割を果たした」と米メディアに証言した。
 昨年9月にカナダ人男性が釈放された事例では、前月に訪中したトルドー首相が共同会見で李克強首相から「人道的な待遇を与える」との言質を引き出した。2人はいずれも、中国国内で情報収集を行ったとされていた。
 政府が動かなければ、日本人は帰ってこない。自国民の保護は、国の責務である。今年は日中国交正常化45年にあたる。訪中する政治家もまず、不透明な邦人拘束の解決を期すべきである。
 それにしても海外からの訪中者に対する中国の疑心は強すぎる。習近平政権は治安維持を目的とする「反スパイ法」「国家安全法」「反テロ法」を立て続けに制定、施行してきた。
 条文の解釈や運用は当局のさじ加減ひとつである。市民による当局への密告も報奨金つきで奨励されている。
 これが中国における「法の支配」の実態である。その結果、突然身柄を拘束され、国外追放となる外国人が相次いだ。当事者が釈放されても後難をおそれて沈黙するケースが大半だとされる。
 拡大する中国経済は、日本の経済界にとっても、存在感を増している。
 だが、中国が共産党の一党独裁政権下にあるという根本的リスクは何ら変わりがない。経済活動や文化交流も含め、常にこのことは留意すべきだろう。

陸自全撤収 5年超、派遣終了:南スーダンPKO(毎日N)


 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた陸上自衛隊施設部隊のうち、最後まで現地に残っていた隊員約40人が25日午後(日本時間同日夜)、首都ジュバから帰国の途に就いた。27日に青森空港に到着する予定。4月から4回に分けて行われてきた部隊の撤収はこれで完了し、5年以上に及んだ現地での活動が終了した。1992年にカンボジアで緒に就いた自衛隊部隊のPKO派遣はこれでなくなり、「積極的平和主義」を掲げてきた安倍内閣の今後の対応が問われる。

 帰国するのは第9師団(青森市)を中心とした第11次隊約350人のうち、田中仁朗隊長ら約40人。国連南スーダン派遣団司令部への4人の要員派遣は継続する。昨年12月に指揮権を引き継いだ第11次隊には安全保障関連法に基づき、国連職員らの救援に赴く「駆け付け警護」などの新任務が付与されたが、任務として1回も実施されず、武器を使用することはなかった。
 南スーダンは2011年7月に隣国スーダンから独立。日本は12年1月から施設部隊を派遣し、道路補修などインフラ整備に当たってきた。だが、南スーダンは13年12月に内戦状態に陥り、周辺国への難民は約180万人に上る。
 昨年7月にはジュバで政府軍と反政府勢力の大規模な武力衝突も発生。この際、当時の派遣部隊が「戦闘が生起した」と日報に記載していたことが判明し、紛争当事者の停戦合意などを条件とするPKO参加5原則との整合性が問われた。【前谷宏、ジュバ小泉大士】

北の脅威「新たな段階」、首脳宣言明記へ調整(読売N)


 政府は、イタリア・シチリア島で26~27日に開かれる主要国首脳会議(タオルミーナ・サミット)の首脳宣言に、核・ミサイル開発を進める北朝鮮について「新たな段階の脅威」と明記する方向で関係国と調整に入った。
 安倍首相は25日午前、サミット出席のため、政府専用機で羽田空港を出発した。
 首相は出発に先立ち、羽田空港で記者団に、北朝鮮問題について、「今や東アジアだけでなく、世界にとっても重大な脅威であるとの認識を共有し、G7(先進7か国)で一致結束して毅然きぜんとして対応していく。そのための議論をリードしていきたい」と語った。
 首相は6回目の参加となる今回のサミットで、北朝鮮問題の深刻化と圧力強化の必要性を訴える考えだ。

官房長官 米海兵隊のグアム移転計画に変更なし(NHK)


菅官房長官は午前の記者会見で、アメリカ海兵隊の総司令官が、沖縄に駐留する海兵隊の一部をグアムに移転させる計画について、グアムでの輸送手段や訓練施設が不十分だと指摘したことに関連して、当初の移転計画に変更はないという認識を示しました。

アメリカ海兵隊のトップ、ネラー総司令官は議会上院の公聴会で、沖縄に駐留するアメリカ海兵隊の一部をグアムに移転させる計画について、グアムでは部隊を前線に投入する輸送手段と訓練施設が不十分だと指摘し、解決の必要性を強調しました。
これについて、菅官房長官は午前の記者会見で、「日米間では、2013年の外務・防衛の閣僚協議=2+2の共同声明で、グアムへの移転は2020年代前半に開始すると発表しており、全く変わっていない。ことし2月には、首脳レベルでも在日米軍の再編に対する日米のコミットメントを確認している」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「普天間飛行場の辺野古への移設工事が完成することで、沖縄に駐留する2万8000人のうち9000人が、グアムをはじめ国外に移転する。そこは、しっかり対応したい」と述べ、当初の移転計画に変更はないという認識を示しました。

自衛隊を「9条の例外」と記述 朝日「憲法社説」の誤りを正す 駒沢大学名誉教授・西修(産経:正論)


 今月9日付の朝日新聞「社説」に紹介された憲法第9条に関する政府解釈の理解は、完全に誤っている。一見して誤りであることに気づくので、何かフォローがあるかと思っていたが、これまでのところ、何もないようなので、ここで取り上げることとしたい。
 同社説は次のように記述する。
 「自衛隊は歴代内閣の憲法解釈で一貫して合憲とされてきた。
 9条は1項で戦争放棄をうたい、2項で戦力不保持を定めている。あらゆる武力行使を禁じる文言に見えるが、外部の武力攻撃から国民の生命や自由を守ることは政府の最優先の責務である。そのための必要最小限度の武力行使と実力組織の保有は、9条の例外として許容される--。そう解されてきた」
 問題は、自衛隊の存在を政府が「9条の例外」として許容してきたのかという点である。
 この点について、昨年9月に内閣法制局が情報公開した『憲法関係答弁例集(第9条・憲法解釈関係)』で確認してみよう。同答弁例集の最初の項目には「憲法第9条と自衛権(自衛隊の合憲性)」との表題のもとに、以下のように記されている。
 「憲法第9条は、我が国に対する武力攻撃が発生した場合のほか、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合における我が国が主権国として持つ固有の自衛権まで否定する趣旨のものではなく、自衛のための必要最小限度の実力を行使することは認められているところである。
 同条第2項は、『戦力の保持』を禁止しているが、自衛権の行使を裏付ける自衛のための必要最小限度の実力を保持することまでも禁止する趣旨のものではなく、この限度を超える実力を保持することを禁止するものである。
 我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織としての自衛隊は、憲法に違反するものではない」

 ≪協議を重ねた結果なのか≫
 政府は、第9条全体について、わが国が主権国家として固有の自衛権をもつことを否定しておらず、自衛のための必要最小限度の実力を行使することは認められるとしたうえで、第2項については、「戦力の保持」を禁止しているが、「必要最小限度の実力組織としての自衛隊」は、禁止されている「戦力」に当たらず、合憲だというのである。
 政府は、一貫して、自衛隊の存在は「第9条の枠内」で、合憲であると説明してきている。政府は、憲法上、自衛権行使の手段として、「戦力」(自衛のための必要最小限度の実力を超える実力)と「自衛力」(自衛のための必要最小限度の実力)とがあり、「自衛力」(=自衛隊)の保持は合憲であるとの立場をとっている。
 政府が自衛隊の存在を「9条の例外」と解釈すれば、9条軽視として厳しく糾弾され、とても耐えることができないだろう。
 いったい朝日社説は、どの部分をもって、「9条の例外」として、政府が自衛隊を許容してきているというのだろうか。「社説」は、論説委員が十分に協議した結果、社論として外部に発表するものであろう。一記者の記事とは本質的に異なる。まして、朝日は第9条にかかわる政府批判の急先鋒(せんぽう)としての姿勢をとってきている。しかしながら、批判すべき政府の第9条解釈を正しく理解していないとすれば、その批判の根拠はきわめて薄弱なものとなる。信用にかかわろう。

 ≪改正で疑義の解消が必要だ≫
 朝日は、今後も当該社説の通り、政府の自衛隊合憲の根拠を「9条の例外」としてとらえ続けていくのだろうか。そもそも朝日は、自衛隊を合憲、違憲のいずれの存在として解釈しているのか。合憲ならばその根拠は何か? 自衛隊は、政府解釈と同じように、「戦力」でないという立場なのか、あるいはその実態からみて、「戦力」とみるのか。もし、「戦力」であるとみるのならば、その「不保持」を明記している条項との関係でどう説明するのか。
 自衛隊が違憲の存在であるとすれば、わが国の安全をいかにして担保するのか。みずからの立ち位置をはっきり示すことが必要ではないのか。多くの人たちが最も知りたいことではないだろうか。
 政府の解釈は、確かに分かりにくい。その分かりにくさをいつまで放置しておくのか。また、憲法学者の多くや一部政党は、自衛隊を違憲の存在と解している。自衛隊が発足してから63年がたち、国民の間に定着してきている。自衛隊をきちっと憲法に位置づけ、解釈上の疑義を解消することが求められる所以(ゆえん)である。
 国際平和の希求と推進をうたう第9条1項を残しつつ、平和と安全を保持するための国防組織をどう憲法に組み込めばよいのか。ここに焦点を当てた憲法改正論議が進められなければならない。(駒沢大学名誉教授・西修 にし おさむ)

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