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日米防衛相、北朝鮮問題で結束して対応を再確認(読売N)


 【ホノルル=上村健太、海谷道隆】米ハワイ訪問中の小野寺防衛相は29日(日本時間30日)、マティス米国防長官とヒッカム統合基地で会談し、6月12日開催で調整が進む米朝首脳会談を前に、北朝鮮問題に日米で結束して対応する方針を再確認した。
 両氏の会談は4回目で、約1時間行われた。マティス氏は会談で、米朝首脳会談の調整状況を説明。両氏は、北朝鮮の核兵器を含む大量破壊兵器と、あらゆる射程の弾道ミサイルの完全、検証可能、不可逆的な方法での廃棄に向け、圧力と制裁を維持することを申し合わせた。
 北朝鮮の船舶が洋上で物資を積み替えて密輸する「瀬取り」については、日本、米国、オーストラリア、カナダなどで連携して監視を続けることで一致。北朝鮮が過去に在韓米軍撤退を求めたことを踏まえ、在韓米軍による抑止力の重要性も改めて確認した。
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対照的だった立憲民主と国民民主 党首討論で君子豹変?玉木氏「脱対決」で建設的議論も…(産経:阿比留氏の極言御免)


約1年半ぶりに行われた30日の党首討論では、質問に立った4野党が2つに割れた。立憲民主党の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長は、十年一日のように「モリ・カケ」追及に明け暮れたのに対し、国民民主党の玉木雄一郎共同代表と日本維新の会の片山虎之助共同代表はあえてモリ・カケに触れず、建設的な議論を目指した。
 「(枝野氏が)言われたことは何回も御(おん)党、また他党から質問されたことだ」
 「(立憲民主党国対委員長の)辻元清美氏からヤジがあったが、同じことを聞かれたら同じことを答えるしかない」
 安倍晋三首相が、枝野氏の質問をこう突き放した場面が象徴的だった。1年以上にわたって、同じ質問や似たような質問が繰り返される国会の光景は、不毛そのものだと言うほかない。
 枝野氏は、首相が森友学園の国有地取引への「関与」について、28日の衆参予算委員会から金品の授受に定義を絞りだしたのではないかと指摘し、「卑(ひ)怯(きょう)な行為」だと挑発もした。だが、これも首相は昨年3月から同様の答弁をしていると具体例を挙げたため、空振りに終わった。
 また、志位氏は、国会でモリ・カケをめぐる議論が始まって1年以上がたつと振り返り、「疑惑はますます深まる一方だ」と強調して首相に辞職を迫った。とはいえ、質問内容はこれまで出てきた問題のまとめにすぎず、新味はなかった。
 この2人とは対照的に、「対決より解決」を掲げる玉木氏は一切、モリ・カケに言及しなかった。21日に自身のツイッターに次のように書き込んでいたのが嘘のようである。
「もう詰んだ。愛媛県作成の新たな文書で、総理のウソが明らかになった」
 君子は豹(ひょう)変(へん)す、なのか。玉木氏は討論で、米トランプ政権が検討している自動車の輸入制限や、ロシアのプーチン大統領との北方領土返還交渉を取り上げた。これには、首相も「最後の時点まで外に出すわけにはいかない」と述べつつ、こんな事実を明かした。
 「(プーチン氏との)テタテ(通訳だけが入る1対1の会合)では、平和条約交渉の話しかしていない」
 政府内からは「玉木氏はよかったね。立憲民主党との違いを出そうとしているのだろう。『モリ・カケばかり』との批判が随分あるみたいだ」(高官)といった反応が出ている。ただ、この日も国民民主党の議員が加計学園に押しかけるパフォーマンスを実行しており、玉木氏の新しい姿勢が党全体の考えだとまではいえない。
 片山氏も内閣人事局と政治主導のあり方を説く「提言型」の質問に終始し、国会の現状をこう皮肉った。
 「きょうもモリ・カケ問題がにぎやかだが、いつまでも同じような似たような質問と答弁で、国民はうんざりしている」
 モリ・カケ騒動は安倍政権にとってだけではなく、野党側にとっても一度はまるとなかなか抜け出せず、自らももがき苦しむことになる底なし沼のようである。(論説委員兼政治部編集委員)

党首討論 「国の基本」を問わぬとは(産経:主張)


 国会の党首討論が1年半ぶりに開かれた。予想はついたが「国家基本政策委員会合同審査会」という正式名にふさわしい内容とは程遠い。
 その必要性やあり方を問い直す時期である。
 野党第一党である立憲民主党の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長は、森友・加計両学園に関わる問題で、安倍晋三首相と応酬を繰り広げた。予算委員会でさんざん取り上げた案件だ。
 衆参両院は同基本委のルールとして「国家の基本政策に関する事項」を扱うことを定めている。党首らが国の重要課題に対する政策や見解を掲げ、国民の前で政権担当能力を競い合う場にする。それが本来の目的だった。
 枝野氏の持ち時間は19分、志位氏は6分だった。「モリ・カケ問題」を取り上げるなとは言わないが、国民のために、限られた時間を国家の基本問題に費やす発想はないのだろうか。
 北朝鮮に核兵器・弾道ミサイルをどう廃棄させるか。拉致被害者をどう取り戻すか。日本にとって死活的な課題に動きが出ようとしている。30年間で軍事費を51倍にした中国は、尖閣諸島の奪取をうかがい、南シナ海では軍事拠点化を進めている。
 これらと同様に国難といえる少子高齢化に備え、国や社会をどう造り替えるか。2040年度には190兆円にも達する社会保障給付費増にどう対応していくか。
 党首討論とうたいながら骨太の議論がなければ、政党への信頼や国会の権威を損なうばかりだ。
 国民民主党の玉木雄一郎共同代表は「モリ・カケ問題」には触れず、トランプ米政権が自動車の輸入制限策を検討している問題や北方領土交渉を取り上げた。政策論争を意識したのだろう。
 だが、玉木氏の持ち時間も15分では、議論は深まらない。北朝鮮の拉致、核・ミサイル問題について「日本の自立的外交」を唱えたが、具体的な説明はなかった。首相の見解も求めなかったため、生煮えに終わった。
 月1回など定期開催にすれば、複数回にわたり野党各党が持ち時間を調整し、「1対1」の討論時間を増やせるだろう。
 だが、1年半も開かれないこと自体、与野党の取り組みに誠実さが欠けている証拠だ。党首が「国家の基本」を語る気構えを持たなければ、はじまらない。

マレーシア、中国の“野望”に反旗 国内最大規模の鉄道建設も見直し本格化(産経N)


【シンガポール=吉村英輝】マレーシアのマハティール首相は、28日に表明した高速鉄道計画の廃止に並び、同国最大規模の鉄道建設計画の見直しも本格化。中国の「一帯一路」の“野望”が、逆回転を始めた。
 マハティール氏は、東海岸鉄道(ECRL)事業について、中国と契約条件の再交渉を行っていると、28日付のマレーシアの経済誌エッジに語った。
 ECRL計画は、タイ国境近くから、中国が開発を進める東海岸クアンタン港を経由し、西海岸のクラン港まで全長約690キロを結ぶ。昨年8月、着工した。
 だが、マハティール氏によると、総額550億リンギット(約1兆5千億円)の事業費は、融資する中国輸出入銀行から、受注した中国交通建設に直接支払われ、マレーシア側は一度も引き出していない。支払いは出来高でなく計画ベース。利息も含むと、中国への債務は920億リンギットに。前政権が続いていれば「国は破綻していた」と非難する。
 16年の中国からの直接投資は、「一帯一路」の名の下、前年比約7倍に急増(日本貿易振興機構調べ)。過度に中国へ依存した前政権から、軌道修正を図るとみられる。
 豪州紙によると、米国務省の政策立案のためにハーバード大学の研究者が今年3月にまとめた論文は、中国の「債務帳簿外交」の危険にさらされている16カ国を指摘。マレーシアのほか、フィリピン、カンボジア、ラオス、タイなど、東南アジアの国々が、リストの一角を占めるという。
 採算性や必要性が不明確なまま、巨額のインフラ資金を融資し、不透明な資金を得た親中政権が、国民の審判を受ける。「開発独裁」につけ込んで周辺国を債務不履行に陥れ支配する。そんな中国の思惑に、限界が見え始めている。

陸自オスプレイ、訓練用シミュレーターにモーション機能なし 安全管理は大丈夫?(産経N)


 陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機オスプレイの教育訓練用シミュレーターに、実機の動きを再現するモーション機能が付いていないことが分かった。陸自は費用や移動性などを考慮した「総合判断」としているが、オスプレイは安全管理が特に重視される機体なだけに、パイロットの技量向上と維持に優れる動作機能付きシミュレーターを導入すべきだとの指摘もある。
 陸自は南西諸島の防衛力強化のため、佐賀空港(佐賀市)に計17機のオスプレイを配備する計画を進めている。このうち最初の5機が今秋に米国から納入される。これに合わせ、パイロットの教育訓練に使うシミュレーターも導入する。
 陸自が採用したシミュレーターは「コンテナ型」で、移動性に優れ、設置もしやすい。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の海兵隊も同タイプを使用しているという。
 一方、米軍は米本土での教育訓練に「フルフライト」型と呼ばれるシミュレーターを採用している。コックピットが動いて実機さながらの飛行状況を再現するモーション機能が特徴で、オスプレイ特有のヘリモードと固定翼モードの切り替え時の動きも実感できるという。陸自が導入するシミュレーターには、こうした機能は付いていない。
 陸自はコンテナ型を採用した理由について「機能や費用などを総合的に考慮した」と説明する。陸自はシミュレーター購入のため平成27年度予算で約27億円を計上したが、関係者によるとモーション機能付きはさらに10億円ほど高額だという。
 陸自のオスプレイは佐賀空港への配備計画が地元の反発などで難航しており、木更津駐屯地(千葉県木更津市)に暫定配備される見通しだ。シミュレーターもオスプレイ配備地に合わせて移動させる可能性があるため、コンテナ型の方が都合が良いという要因もある。
 ただ、近年では海上自衛隊や航空自衛隊の航空機の訓練でもモーション機能付きのシミュレーターの導入が進んでいる。海自のヘリ操縦者は「手順の確認だけでなく、操縦感覚もつかみやすい。モーション機能はあった方がベターだ」と評価する。
 昨年8月、オーストラリア東部沖で、輸送揚陸艦への着艦中だった在沖縄米海兵隊のオスプレイが事故を起こし、乗員26人中3人が死亡し、23人が負傷した。事故原因は、着艦の際にオスプレイ自体の吹き下ろし(ダウンウォッシュ)が船体から跳ね返り、オスプレイの回転翼に戻ってきたものだった。
 事故の調査報告書によると、オスプレイに構造的な欠陥は認められず、パイロットや搭乗員にも問題はなかった。ただ、オスプレイによる事故が各地で相次いでいることもあり、日本国内でオスプレイは“政治案件化”しやすいのが実情だ。
 政府は陸自オスプレイ導入に関し「安全管理を確実にする教育訓練を実施する」と配備地である佐賀市などに説明している。それならば、パイロットの技量に直結するシミュレーターで、上位のモーション機能付きを採用する選択があってもよかったのではないだろうか。 

イージス・アショア配備、6月1日に説明へ 秋田・山口(朝日N)


 陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備について、小野寺五典防衛相は29日の閣議後会見で、「理解と協力が得られるよう地元の首長や住民の方々に丁寧に説明する」と述べた。6月1日に候補地の秋田、山口両県に政務官を派遣し、システムの役割や必要性、生活への影響などを説明する方向で調整している。
 政府は昨年12月、北朝鮮の核・ミサイルへの備えとして、イージス・アショア2基の導入を閣議決定。陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)と、むつみ演習場(山口県萩市)を候補地に2023年度の運用開始をめざしている。(古城博隆)

演習招待を撤回 米国が対中圧力を強化した(読売:社説)


中国に対し、南シナ海の軍事拠点化の停止を求めるメッセージを発したと言えよう。

 トランプ米政権が、今夏行われる環太平洋合同演習(リムパック)への中国の招待を取り消した。
 中国が南シナ海で緊張を高め、地域を不安定化させていることを理由に挙げ、人工島の軍用施設の撤去を求めた。
 米海軍は、ミサイル駆逐艦などを人工島の周辺で航行させ、中国を牽制けんせいする「航行の自由作戦」も行った。力による現状変更を容認しない姿勢を、具体的な行動で示し続ける必要がある。
 リムパックは2年に1度、米海軍がハワイ沖で主催する世界最大規模の多国間海上演習だ。2016年には、日本、英国、豪州を含む26か国が参加した。
 中国海軍は14年に初めて招待され、前回も加わった。当時のオバマ米政権には、演習を通じて中国に国際ルールの順守や透明性の向上を促す狙いがあった。
 こうした目的が達成されたとは言い難い。中国は演習中、情報収集艦を周辺海域に派遣して参加国の軍事情報を集める一方、自国の軍艦については限定的にしか公開に応じなかった。
 中国の王毅国務委員兼外相は、今回の招待取り消しを「非建設的な動きだ」と非難した。「中国は必要な防衛施設を自国の島に築いている」とも述べた。身勝手な主張だと言わざるを得ない。
 中国はスプラトリー(南沙)諸島に対艦ミサイルや地対空ミサイル、電波妨害装置を配備した。パラセル(西沙)諸島のウッディ島では、主力戦略爆撃機による初の離着陸訓練が行われたことも明らかになった。
 習近平国家主席は「軍事化しない」と表明している。中国の領有権主張は仲裁裁判所判決で全面否定された。にもかかわらず、南シナ海での覇権的な動きが止まらないのは看過できない。
 トランプ政権が前政権の対中融和姿勢を見直したのは当然だ。新たな国家安全保障戦略では、中国をロシアと共に、米国に挑む「現状変更勢力」と位置付け、競争に打ち勝つと宣言している。
 アジア太平洋地域で、米中両国は軍事的な影響力を競い合う。緊張が過度に高まれば、日本をはじめ世界の安定に悪影響が及ぶのは避けられまい。
 米中は不測の衝突を回避しながら、軍高官や艦船の相互訪問などを通じて、信頼醸成を地道に図っていくべきだ。

PKO70年 国連事務総長「平和への投資」(NHK)


国連のPKO=平和維持活動が始まってからちょうど70年となる29日、グテーレス事務総長は声明を発表し、PKOの任務が停戦監視から市民の保護にも広がる中、安全性と効率性を高めるため、要員の能力の向上などの課題に取り組んでいく決意を示しました。

国連のPKOは、イスラエルとアラブ諸国の間で起きた1948年の第1次中東戦争で初めて停戦監視を行い、ちょうど70年となる29日、国連のグテーレス事務総長は、ビデオで声明を発表しました。
PKOは、現在125か国からおよそ10万人の兵士や文民の職員がアフリカや中東など世界14か所で活動していますが、市民を巻き込んだ紛争やテロが頻発する中、任務は停戦監視から市民の保護にも広がっています。
声明でグテーレス事務総長は「厳しい環境の中で安全性と効率性を高めるため行動を取っていく」と述べて、任務の内容が広がる中、要員の能力の向上や装備の充実などの課題に加盟国と連携して取り組む決意を表明しました。
そのうえでグテーレス事務総長は、「PKOは世界の平和と安全、それに繁栄にとって実証された投資」だと述べて、最大の分担金拠出国であるアメリカをはじめとする国際社会に対して、PKOへの支持と協力を呼びかけました。

拉致解決と北の「未来」 日朝首脳会談は被害者全員の帰国が条件 渡辺浩生(産経:一筆多論)


 「最後は日本がいかに被害者を救出するか戦略が求められる。国を挙げた解決への動きを改めて強めていただきたい」。トランプ米大統領がシンガポールで予定される米朝首脳会談をいったん中止すると表明した24日、横田めぐみさん(53)の母、早紀江さん(82)は語った。
 その言葉通りだ。首脳会談をめぐり米朝の駆け引きが続く今こそ、日本は拉致問題について、冷静に必要な戦略の練り直しと綿密な準備を行うときである。
 これまで、安倍晋三政権は官邸直轄の交渉態勢を整えてきた。トランプ政権との緊密な首脳間の関係を駆使しつつ、拉致問題の解決なしに「北朝鮮は未来を描くことはできない」という立場を米国に浸透させてきた。その路線に誤りはない。被害者の家族らも直接声を届け続けてきた。
 ハードルは、「8人死亡」と2002年に訪朝した当時の小泉純一郎首相に伝えた金正日(キム・ジョンイル)氏側の報告であった。それを翻す被害者全員の返還は、独裁者の金正恩(ジョンウン)氏しか決断できない。
 その正恩氏に対して、完全非核化とともに拉致問題の解決が「明るい未来」を約束する前提条件であることをトランプ氏が説き、日朝間の交渉につなげる-。
 時間をかけてすり合わされたシナリオはしかし、国内要因で激しくぶれるトランプ氏に寄りかかったものだけに、危うさがある。
 米朝対話が進もうと再び緊張が高まろうと、この先は自ら活路を切り開く覚悟が日本に求められている。
 その際の切り札は、日本が国連安保理制裁と並行して強めてきた世界で最も厳しい独自制裁である。
 再入国禁止、輸出入の全面禁止、北朝鮮籍船舶の入港禁止、北朝鮮に寄港した第三国船舶の入港禁止、送金停止や資産凍結の拡大…対象は広範囲に及ぶ。
 「国連制裁は核問題のために使うが、それを超える独自制裁は全被害者を取り戻すために使う、という救出の道筋がここにある」
 救う会会長の西岡力氏が16年9月28日付の本紙正論で言い当てた通り、制裁の二重構造が生きてくる。
 北朝鮮には「貿易の9割を中国に依存する過度な集中リスクの分散が迫られている」とハガティ駐日米大使は指摘する。
 非核化完了まで国際的な圧力が続く。北朝鮮がいびつな経済構造の転換を海外の支援に求めるならば、日本に交渉を持ちかけざるを得ない。そのことを正恩氏は承知のはずだ。そして、被害者全員の一括帰国という確証のみが、日朝首脳会談のゴーサインとなる。
 無論、不確定要素はある。後ろ盾の中国が国連制裁を骨抜きにすれば、日本の戦略は崩れる。その意味でも、日米韓の連携と圧力堅持が不可欠なのだ。
 4月に訪米した安倍首相は共同会見の席から「北朝鮮が正しい道を歩めば日朝平壌宣言(02年)に基づき、不幸な過去を清算し、国交正常化の道も開ける」と、シグナルを送った。

 国交正常化後の経済援助を明示した平壌宣言には拉致の記述が一言もないが、「未来」に通じる「正しい道」がある。それは被害者全員を家族の元に返すことに他ならない。(外信部長兼論説委員)

北が被る「怒りと敵意」の代償 東洋学園大学教授・櫻田淳(産経:正論)


≪墓穴を掘った崔善姫氏の発言≫
 5月24日、ドナルド・J・トランプ米国大統領は、来月12日にシンガポールでの開催を予定してきた米朝首脳会談を中止する意向を表明した。トランプ氏が公表した金正恩朝鮮労働党委員長宛て書簡には、「残念なことに、直近の貴下方の声明に表れた激しい怒りと露(あら)わな敵意にかんがみ、私は現時点ではこの長く計画してきた会談を実施するのは不適切だと感じる」という一節がある。
 マイク・ペンス副大統領は、シンガポール会談に際して、「(金正恩氏が)ドナルド・トランプ大統領を手玉に取れると考えるのは大きな過ちになる」と述べた上で、「ムアマル・カダフィのリビア」と同じ末路を「金正恩の北朝鮮」がたどる可能性を指摘した。北朝鮮の崔善姫外務次官は、ペンス発言を「無知でばかげている」と激しく非難し、北朝鮮サイドからシンガポール会談を中止する可能性に言及した。トランプ氏を会談中止の判断に追い込んだのは、この崔善姫発言における「怒りと敵意」であったと説明される。
 無論、トランプ氏が金正恩氏宛ての書簡を公表した翌日の段階で、会談復活に含みを持たせた発言をしている事実から判断すれば、この書簡それ自体が会談開催を見据えた対朝駆け引きの一環であるという推察も成り立つ。筆者は現時点では以下の2点を指摘しておく。

 ≪他人を試す姿勢が信頼を損ねる≫
 第1に、崔善姫発言に表れるような北朝鮮の「怒りと敵意」の姿勢は、特に日米両国との「対話」の土壌を確実に切り崩すであろう。実際の事前交渉に際しても、トランプ麾下(きか)の米国政府は、マイク・ポンペオ国務長官が披露したように、「恒久的、検証可能にして不可逆的な大量破壊兵器の放棄」という従来の方針に「北朝鮮の体制保証」を抱き合わせた懐柔案を示してきた。
 けれども北朝鮮政府は、それに応じていない。金桂寛第1外務次官は「われわれを追い詰め、一方的な核放棄だけを強要するなら、そのような対話には興味を持たない」と表明している。金桂寛氏にせよ崔善姫氏にせよ、北朝鮮外交官の発言には、対米交渉における「優位」を確保しようという意図が働いていると説明されるけれども、そうした「激しい言辞で他人を試すような姿勢」は、特にフランシス・フクヤマ氏(政治学者)の言葉にある「高信頼社会」として「信頼」の価値を重んじる日米両国には嫌われるものであろう。
 他人に「対話」を求めるには、「悪罵(あくば)」の言葉を投げ付けないというのは、最低限の作法である。対外関係において、「不作法」が何らかの「利益」を生むようなことがあってはならない。北朝鮮が絡んだ対外関係を評価するには、これは大事な視点である。
 第2に、現下の米朝関係における「急速冷却」は、強硬一辺倒と評された安倍晋三内閣下の対朝政策方針の正しさをかえって示唆している。というのも、北朝鮮を取り巻く東アジア国際政局の中で、日本が「蚊帳の外」に置かれていると唱える声は、頻繁に聞かれたからである。北朝鮮政府も、そうした「蚊帳の外に置かれる日本」を演出してきた。
 『朝日新聞』(電子版、5月12日)は「全世界が来たる朝米(米朝)首脳会談を朝鮮半島の素晴らしい未来の一歩と積極的に支持歓迎している時に、日本だけがねじれて進んでいる」という『朝鮮中央通信』論評の一節を伝えた。
この論評に示されるのは、朝鮮半島融和という「大勢」を強調しつつ、その大勢に従わない日本を批判するという姿勢である。東アジア国際政局での日本の「孤立」や「疎外」を演出することは、そのまま日本に対する圧力になるというのが、北朝鮮政府の思惑であったと推察される。「村八分にされる」とか「蚊帳の外に置かれる」といった事態が、日本人が総じて嫌うものであるという定番的な日本理解に立てば、北朝鮮政府は、日本国内で「孤立」や「疎外」の感情を刺激することが対日戦略上、有効であると判断したのであろう。

 ≪日本は国際社会で孤立しない≫
 しかしながら、米朝関係における「急速冷却」は、日本が「蚊帳の外に置かれている」といった風評に惑わず、一貫して米国を含む「西方世界」の側に立つことの理を確認させている。日本は「アジア大陸に接していても、その一部ではない」のであるから、「西方世界」との協調が確固として維持される限りは、国際社会での「孤立」を招かないのである。
 この数週間、日本国内で世の耳目を集めたのは、「潰せ」という言葉の下に、悪質反則行為に及んだ日本大学アメリカンフットボール部の不祥事の顛末(てんまつ)であった。日本大学の対応も、トランプ氏を激怒させた北朝鮮外交官の発言も「自らの内輪でしか通用しない理屈や言辞」を掲げて外の世界に対峙(たいじ)していた意味では、類似の趣を帯びている。激しい「言葉」を恃(たの)む危うさは、古今東西に共通のものであろう。(さくらだ じゅん)
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核弾頭の搬出協議か 6・12会談向け 米朝、板門店で交渉(東京新聞)


【ワシントン=共同】米国務省は二十七日、六月十二日のシンガポール開催を目指す米朝首脳会談に向け、南北軍事境界線がある板門店(パンムンジョム)で米朝の実務者協議が始まったことを明らかにした。米政府当局者によると、北朝鮮の核弾頭の国外搬出などが主要議題となる見通し。トランプ大統領は二十七日のツイッターで「北朝鮮はいつか経済的に偉大な国になれる」と経済的支援の用意を示唆し、非核化進展に期待を示した。
 ただ、非核化の手法や時期を巡る隔たりは大きく、合意のめどが立つかは予断を許さない。
 当局者によると、北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」を目指す米側は、核弾頭の国外への早期搬出を要求しているが、北朝鮮はこれまで核・ミサイルの全面的な搬出に難色を示している。北朝鮮側は大陸間弾道ミサイル(ICBM)など一部ミサイルを先駆けて搬出することを提案したもようだ。
 事前交渉で一定の方向性が打ち出せない場合、最終的な合意はトランプ氏と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による首脳間協議に委ねられる可能性もある。北朝鮮は少なくとも十~二十発の核弾頭を持つと推定され、兵器用プルトニウムや高濃縮ウランの扱いも焦点となる。

◆米朝会談「開催されるだろう!」 トランプ氏、ツイッターで自信
 【ワシントン=石川智規】トランプ米大統領は二十七日、自身のツイッターで「米国のチームが北朝鮮に到着した」と報告し、六月十二日に予定されるトランプ氏と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の米朝首脳会談について「開催されるだろう!」と自信をみせた。トランプ氏は「私は北朝鮮がすばらしい可能性を持ち、いつか経済や金融面で偉大な国になると信じている。正恩氏は私に賛成するだろう」とも書き込んだ。
 米国務省のナウアート報道官は声明で、実務者代表団を派遣したことを認め、「米朝首脳会談に向けて準備を進めている」と述べた。
 米紙ワシントン・ポストによると、米代表団はソン・キム駐フィリピン大使が率いている。キム氏は駐韓米大使を務めたほか、オバマ前政権で北朝鮮担当特別代表などを歴任している。北朝鮮側は崔善姫(チェソンヒ)外務次官らが参加し、二十九日まで米朝実務者による協議が行われる見通し。協議では北朝鮮側が見返りに求める体制保証や経済支援などについても論議されるもようだ。

中国の米総領事館に「音波攻撃」か、脳を損傷(読売N)


 【ワシントン=大木聖馬】中国広東省広州の米国総領事館は23日、同館員1人が「異常な音」により、体調を崩したと発表した。

 ポンペオ米国務長官は23日に行われた米下院外交委員会の公聴会で、在キューバ米大使館員が「音波攻撃」で体調を崩した問題と同じ症状が出ていることを明らかにしており、米中間の新たな火種となる可能性がある。
 ロイター通信によると、広州の米総領事館員は昨年後半から今年4月にかけて体調不良を訴え、米国に帰国して治療を受けたところ、軽度な外傷性の脳の損傷が確認されたという。ポンペオ氏は公聴会で「キューバ勤務の職員らと非常に似た症状だ」と指摘し、医療チームを現地に派遣して原因究明にあたらせると言明した。

米朝の前に日米首脳会談…首相とトランプ氏一致(読売N)


 安倍首相は28日夜、トランプ米大統領と電話で会談し、米朝首脳会談前に日米首脳会談を行うことで一致した。
 6月8~9日にカナダで開かれる主要国首脳会議(シャルルボワ・サミット)の機会を含め、日程、場所について調整を進める。首相は米朝会談で日本人拉致問題を議題にするよう改めて求めた。
 電話会談は約30分行われた。この中でトランプ氏は、6月12日の開催に向けて調整が続く米朝首脳会談を巡るこれまでの経緯について説明。首相は、電話会談に先立って北朝鮮による拉致被害者の家族と面会したことに触れ、「拉致問題の解決が絶対に必要だ」と伝えた。これに対し、トランプ氏は理解を示した。

金正恩委員長 示すべきは真の非核化だ(産経:主張)


 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、韓国の文在寅大統領と急遽(きゅうきょ)会談し、米朝首脳会談の開催について、「確固たる意志」を表明した。
 南北会談を持ちかけたのは北朝鮮側だった。トランプ米大統領から米朝会談の中止を通告され、金氏は慌てたのだろう。北朝鮮に融和的な文氏に救いを求めた格好である。
 会談では「朝鮮半島の非核化実現に努力していく」ことで一致したという。だが、トランプ氏との会談を切望している割に、金氏は新味のあることを語らない。
 完全で検証可能かつ不可逆的な方法で核など大量破壊兵器とすべての弾道ミサイルを廃棄するのか。拉致被害者を全員解放するのか。そこを明確にしなければ、意味のある会談にならない。
 南北会談の知らせを受けてトランプ氏は、北朝鮮との間で再び準備に入ったことを明かし、6月12日開催への期待感を示した。相手の誠実な取り組みを引き出せるかどうかをみているのだろう。
 金氏がいう「朝鮮半島の非核化への努力」などは、4月の南北会談時の共同宣言と変わらない、偽りの非核化表明というべきだ。
 その後の北朝鮮は、非核化と制裁解除・体制保証などの「段階的かつ同時的な措置」を唱えた。
 自らを核保有国と位置づけ、「非核化」を小出しにして、その都度見返りを要求する。気に入らなければ、いつでも言いがかりをつけて引き返す。そうした態度を変えたようには見えない。
 24日の核実験場爆破の際に、米国などの専門家を立ち会わせなかった。これも、北朝鮮の核戦力、核計画の把握を妨害する隠蔽(いんぺい)のためとみられる。
 自身と体制の延命を図ることを最優先にしており、真の非核化への誠意はまったく感じ取れない。泣きを入れられた文氏は、強面(こわもて)を隠して微笑(ほほえ)む金氏につけいれられてはなるまい。
 トランプ氏は会談中止を表明した際、「米国の安全のためにはいかなる妥協もしない」と語った。この立場を貫かなければ、金氏を翻意させることは難しい。その認識を共有してこそ、国際社会は平和と安定を確保できる。
 安倍晋三首相は6月上旬にもトランプ氏と会談する。非核化と拉致問題の解決が実現するまで、北朝鮮への圧力を緩めない原則を改めて確認してもらいたい。

南北首脳 再び会談 米朝会談実現へ協議(東京新聞)


 【ソウル=境田未緒】韓国大統領府は二十六日、文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が同日午後、南北軍事境界線上にある板門店(パンムンジョム)の北朝鮮側施設「統一閣」で会談したと発表した。会談の内容は二十七日午前十時、文氏が発表する。トランプ米大統領が六月十二日に予定されていた米朝首脳会談の中止を通告したことを受け、会談実現に向けた方策を協議した。 
 両氏の会談は四月二十七日に続いて二回目。会談は午後三時から約二時間にわたって行われた。初会談は韓国側施設「平和の家」で開かれており、今回は文氏が軍事境界線を越え、北朝鮮側に入った。公開された写真によると、会談には両首脳のほか韓国の徐薫(ソフン)国家情報院長と北朝鮮の金英哲(キムヨンチョル)党副委員長が同席した。
 トランプ氏は二十四日に突然、正恩氏に書簡を送って会談中止を通告。北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)第一外務次官は翌二十五日「意外で極めて遺憾」とし、「いかなる形であれ、対座して問題を解決する用意がある」と再考を求める談話を出していた。
 南北首脳会談が急きょ開催されたのは、北朝鮮が一時、トランプ政権に強硬姿勢を見せていたのとは裏腹に、体制保証などの面から米朝会談開催が切実な状況にあり、韓国側に「仲裁役」を求めたとみられる。南北関係改善のためにも米朝会談を成功させたい文氏との思惑も一致した。
 韓国のハンギョレ新聞(電子版)は与党関係者の話として、文氏と正恩氏が二十六日午前、初めてホットラインで通話したと伝えた。文氏が「重要な話なのでちょっと会いましょう」と提案し、会談が実現した可能性があるという。
 トランプ氏は二十五日夜(日本時間二十六日午前)、ツイッターに「北朝鮮と会談復活に向けた非常に生産的な対話をしている」と書き込み、会談がシンガポールで六月十二日に開かれる可能性に言及していた。文氏と正恩氏が会談することについて、韓国と北朝鮮が事前に、米国に伝えていた可能性がある。
 韓国大統領府が公開した写真には、笑顔で抱き合う両首脳のほか、車を降りた文氏を笑顔で迎える正恩氏の妹、金与正(キムヨジョン)党第一副部長の姿も。南北首脳の再会談により、韓国内では米朝首脳会談実現への期待が高まっている。






北方領土問題 協力の成果を進展につなげよ(読売:社説)


 政治的な合意にもかかわらず、領土交渉が進展しない現実を直視せねばなるまい。多角的な取り組みで、目に見える成果を積み上げるべきだ。

 安倍首相とロシアのプーチン大統領がモスクワで会談した。会談は昨年11月以来で、プーチン氏が大統領選で再選されてから初めてだ。通算では21回目となる。
 両首脳は北方4島での共同経済活動で、海産物養殖などに携わる民間業者を選定し、夏に調査団を派遣する方針で一致した。昨年初めて実現した元島民らの空路墓参を今年も行うことで合意した。
 首相は共同記者発表で「平和条約に向け、着実に前進していく決意を新たにした」と語った。
 2016年12月の首脳会談で、首相は領土問題の解決に道筋を付けようとしたが、その後、思うように進んでいないのが実情だ。
 共同経済活動の前提となる「特別な制度」を巡っては、ロシアが自国法の適用にこだわり、膠着状態にある。北方領土に対するロシアの主権を認めることになり、日本としては容認できない。
 特別な制度は、4島周辺海域での日本の漁業を認めた協定を参考に、陸上にも適用できないか、と日本が提案した。島全体を対象とするのではなく、個別事業ごとに両国が法制度を整備する手法も検討したらどうか。
 米露関係の冷え込みも影を落としている。ロシアは返還後の島への米軍駐留を警戒する。政府は、日本の主権の問題であると理解を求める必要がある。
 首相は協力の成果を示し、領土問題解決と平和条約締結がロシアの利益につながることを粘り強く訴えていかねばならない。
 極東の産業振興などを柱とした8項目の経済協力プランは、首相の提案から2年が経過した。ウラジオストクにはリハビリテーションセンターが完成した。
 プーチン氏は記者発表で「日本との協力は円滑な形で発展している」と語った。着実な協力で信頼醸成を図ることが大切だ。
 クリミア併合などでロシアは欧米の制裁を受けている。日本は、国際社会の一員として責任ある行動を促すべきである。
 北朝鮮の非核化は日露にとっても極めて重要な問題だ。
 首相とプーチン氏が米朝首脳会談を後押しする方針で一致したことは意義がある。首相は、拉致問題解決への協力をプーチン氏に求め、理解を得た。
 引き続き日露間で意思疎通を図っていかなければならない。

佐賀 陸自ヘリ墜落 回転翼つなぎ止めるボルト破損(NHK)


陸上自衛隊のヘリコプターが佐賀県の住宅に墜落した事故で、防衛省が調査した結果、回転翼を機体につなぎ止める部品の金属製のボルトが壊れていたことが、防衛省関係者への取材でわかりました。防衛省は、ボルトが壊れた原因の特定には、さらに時間がかかるとして、調査期間を延長することにしています。

ことし2月陸上自衛隊のヘリコプターが、佐賀県の住宅に墜落して炎上し、乗員2人が死亡、小学生の女の子が足を打撲した事故では、陸上自衛隊が事故調査委員会を設置して原因の調査を進めています。
事故機は、回転翼を機体につなぎ止めるための「メインローターヘッド」と呼ばれる部品が、飛行中に破損した可能性がありますが、詳しく調べた結果、この部品の金属製のボルトが壊れていたことが防衛省関係者への取材でわかりました。
このボルトは、回転翼を機体に直接つなぐ部分ではなく、メインローターヘッドの内部にあるものだということです。
一方、回収した事故機のフライトレコーダーの解析を進めた結果、操縦ミスにつながるような不自然な操作が行われた形跡は見つかっていないということです。
防衛省は、メインローターヘッドのボルトが壊れた原因の特定には、さらに時間がかかるとして、内部規定で4か月以内とされている調査期間を延長して詳しく調べることにしています。

米軍 中国実効支配の南シナ海で作戦実施(NHK)


アメリカ軍は、南シナ海で中国が実効支配する島々の周辺で「航行の自由」作戦を実施し、来月ハワイで行われる多国間の軍事演習に中国海軍を招待しないことを決めたのに続き、中国に対する強硬姿勢を見せています。

アメリカ国防総省の当局者によりますと、南シナ海の西沙諸島、英語名・パラセル諸島の周辺で、現地時間27日、アメリカ軍の「アンティータム」と「ヒギンズ」の2隻の艦艇が「航行の自由」作戦を実施したということです。2隻は、中国が実効支配するウッディー島やトリトン島など複数の島々の周辺で、領海と同じ12海里内を航行したということです。
これらの島々は、中国と周辺の国や地域が領有権を争っていて、アメリカとしては、中国による一方的で強硬な主権の主張を認めない姿勢を改めて示す狙いがあると見られます。
アメリカは、中国海軍が南シナ海で人工島などの軍事拠点化を進め活動を活発化させているとして懸念を強め、対抗措置として、来月、ハワイで行う多国間の軍事演習への招待を取り消すなどこのところ中国に対する強硬姿勢を見せています。

中国「断固として反対」
これについて、中国国防省の呉謙報道官は、27日夜、談話を発表しました。
談話では、「アメリカの軍艦が、中国政府の許可なく、無断で領海に侵入してきたので、中国軍は直ちに行動をとり、警告を与えて追い払った」としています。
そのうえで、「西沙諸島は中国固有の領土だ。アメリカが再び軍艦を派遣して領海に無断で侵入し、挑発してきたことは中国の法律と国際法に違反し、中国の主権を著しく侵害するものだ。また、両国の軍の戦略的な相互信頼を損ない、海域の平和と安全、良好な秩序を破壊するもので、断固として反対する」と、強く非難しています。
また、「中国軍は、海と空の軍備を強化し、防衛のレベルを高め、国家の主権と安全を守り、地域の平和と安定を守る決意は揺るがない」と指摘し、アメリカ側をけん制しました。
一方、中国外務省の陸慷報道官も談話を発表し、「中国は、アメリカの行為に強い不満と、断固とした反対を表明する。中国の主権を侵害し、安全を脅かす挑発的行動を直ちにやめるようアメリカ側に強く促す」としています。

イラク日報の調査 「精強さ」増す契機とせよ(産経:主張)


 防衛省が陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報問題に関する調査結果を公表した。
 国会や情報公開請求に対して「存在しない」と説明しておきながら、実は保存されていた。ずさんな公文書管理をめぐり関係者を処分し、監察組織新設など再発防止策を講じたのは当然だ。
 南スーダン派遣日報の隠蔽(いんぺい)問題とは異なり、今回の調査では、イラク日報をめぐる組織的隠蔽は「なかった」と結論づけた。
 浮かび上がったのは、担当者の日報へのずさんな認識や探索指示の不徹底である。
 日報が見つかった陸上自衛隊研究本部(現教育訓練研究本部)の担当者は、報告すべき文書だと認識していなかった。同本部では、日報発見を知らされていなかった別の担当者が情報公開請求に「ない」と回答した。
 統合幕僚監部の担当者は曖昧な伝達で、稲田朋美防衛相(当時)の再探索の指示を不徹底なものにした。いいかげんな対応は、これきりにしてほしい。
 イラク日報の問題は、公文書管理の不手際に限定してとらえてはならない。自衛隊の精強さを増す観点からの改革が欠かせない。
 指揮命令系統が機能することは、軍事組織である防衛省自衛隊の生命線である。稲田氏の指示がうまく伝わらなかった点を反省し、再発防止策が防衛相の重要な指示命令について、文書で具体的に伝える、としたのは妥当だ。
 稲田氏の言動にも問題があった。日報は「ない」と、安易に答弁したことが問題を拡大した。再探索の指示が言いっぱなしになった責任は自身にもある。その点も含め猛省すべきだ。防衛省自衛隊は国家国民を守る最後の砦(とりで)である。指揮官である防衛相は、生半可な覚悟では務まらない。
 日報の位置づけを見直す改革がないのは疑問だ。日報は部隊行動の詳細が記される軍事文書だ。機微な情報は黒塗りをしたうえで公開されるが、自衛隊の行動類型は読み取れる。テロ勢力や敵対的な国の軍・情報機関が分析すれば、自衛隊の任務遂行や隊員の安全を損なう事態にもなりかねない。
 政府は、日報など自衛隊文書の一部を一般行政文書と異なる位置づけに改め、安易な公開は避けるべきだ。保存と数十年後の原則公開を義務づけ、自衛隊の精強さと情報公開を両立させればよい。

日露首脳会談 北朝鮮情勢で中露接近を牽制(産経N)


 【モスクワ=小川真由美】ロシアを訪問中の安倍晋三首相は26日夕(日本時間同日夜)、プーチン大統領とクレムリン(大統領府)で会談した。トランプ米大統領による米朝首脳会談の中止表明を受け、北朝鮮問題について議論する。首相は北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向け理解と協力を求める見通しだ。
 安倍首相は会談の冒頭、北方四島での共同経済活動などについて「具体的な進展が見られた。この会談でさらに弾みをつけたい」と述べた。プーチン氏は「最も大事なのは、関係発展への双方の関心が増していることだ」と指摘した。
 会談は21回目。今回は首相とプーチン氏、通訳など少人数会合を含めて行う。3月にプーチン氏が露大統領選に勝利し通算4期目の大統領に就任後初となる。
 北朝鮮情勢をめぐっては、プーチン氏は24日、中国の王岐山国家副主席と会談し、中露関係の強化は国際情勢に強い影響を及ぼすと指摘した。ロシアはインフラ整備など北朝鮮への経済協力を深め、北朝鮮の後ろ盾として影響力を持つ中国と足並みをそろえる。
 その一方、北朝鮮の非核化実現まで「最大限の圧力」を維持する方針の日米との溝は深まっている。
 首相はプーチン氏との会談で、北朝鮮の非核化実現が日露の共通目標であることを確認し、今後も緊密に連携することを申し合わせる。北朝鮮との融和を重視する中露を牽制(けんせい)し対北包囲網が綻(ほころ)ぶのを防ぐ考えだ。
 北方四島での共同経済活動は、日露で合意した5つの事業の具体化に向け、調整を進める。活動の前提である「日露双方の法律を害されない新たな枠組み」の具体化に向け、協議を加速させる方針も確認する。元島民による国後、択捉両島への空路での墓参の年内実施も申し合わせる。


思惑一致、極秘の電撃会談(毎日N)


 【ソウル堀山明子】第2回南北首脳会談は26日午後、板門店の北朝鮮側にある「統一閣」で予告なく電撃的に行われた。青瓦台(韓国大統領府)によると、議題は「米朝首脳会談の成功」。6月12日にシンガポールで予定されていた米朝首脳会談が宙に浮いた状況では、米朝の仲介役を自任する文在寅(ムン・ジェイン)大統領は国際的な信用を失いかねず、金正恩朝鮮労働党委員長も国連制裁が解除される道が断たれる。板門店宣言を次のステップに進めたいという両首脳の思惑が一致したとみられる。
 「私も突然報告を受け、これ以上知っていることは何もない。電話してこないでほしい」

海洋基本計画 国境離島の保全体制を築け(読売:社説)


 領土や領海を守る拠点として、国境付近の離島が果たす役割は大きい。安全が脅かされないよう国が着実に保全する仕組みを整えたい。

 政府は、今後5年間の指針となる海洋基本計画を閣議決定した。離島防衛など安全保障の強化を重視しているのが特徴である。
 中国は強引な海洋進出を図っており、北朝鮮漁船の違法操業も続く。海上保安庁の態勢を拡充し、関係省庁の連携を緊密にするなど総合的な施策を講じるべきだ。
 海洋基本計画は、重点項目として、国境離島の保全と管理を掲げた。525島の国境離島のうち、私有地がある98島について、海岸沿いの土地を中心に所有状況を調査する。新潟県の佐渡島や長崎県の対馬などが対象となる。
 国境離島は領海や排他的経済水域(EEZ)の基点だ。外国資本などが土地を取得していないか、現状を把握することが適正な管理への第一歩となる。関係自治体との協力も欠かせない。
 調査と並行して、政府は有識者会議を設置し、国境離島の土地の保全策などを検討する。
 水源地を含む森林が中国資本などに買収されるケースが相次いだことを受け、森林法は森林取得後の届け出義務を課している。
 外資を含めて、土地取引への規制は抑制的であるべきだが、安全保障に影響を及ぼすことが想定される場合は対策が必要だろう。
 国境離島に関し、政府はこれまで名称の付与や海図への記載、国有化などを進めてきた。継続的な取り組みが求められる。
 島の活性化を目的とした有人国境離島地域保全特別措置法の施行から1年が経過した。島民を対象にした航路・航空路運賃の引き下げや輸送コスト軽減などの経済支援を実施してきたが、人口流出に歯止めはかかっていない。
 いったん無人化すれば、海上警備や漁業の拠点としての機能の維持は難しくなる。島の魅力を生かした観光振興や、雇用の創出などを着実に進めるべきだ。
 海洋基本計画には、関係機関が海に関する情報を共有する「海洋状況把握(MDA)」の強化も盛り込まれた。海保や防衛省、水産庁などが集めたデータのほか、人工衛星からの情報を集約し、官民で共有できるシステムを作る。
 不審船の早期察知のほか、海上交通事故や自然災害への迅速な対処につなげることが重要だ。
 米国との協力関係をより強固にし、海洋監視の機能を充実させなければならない。

官房長官「北朝鮮に圧力維持 これからが正念場」(NHK)


北朝鮮の非核化をめぐって、菅官房長官は宇都宮市で講演し、これからが正念場だとしたうえで、圧力を維持し具体的な行動を引き出したいという考えを示しました。

この中で、菅官房長官は中止が発表されたものの、開催へ向けて再び調整が進められている米朝首脳会談に関連し「会談を開くことが重要ではなく、日本にとって、核・ミサイル、そして拉致問題を前に進めていくことが重要だ。北朝鮮に圧力をかけ続けて政策を変えさせる」と述べました。
そのうえで「安倍総理大臣の外交努力によってトランプ大統領を引き込み、北朝鮮に圧力をかけ続けてきた結果、非核化の方向に物事が回り始めてきている。まさにこれからが正念場だ」と述べ、北朝鮮への圧力を維持し、非核化に向けた具体的な行動を引き出したいという考えを示しました。

米朝の中止を通告 偽りの非核化は通じない 日米は対北圧力強化へ結束を(産経:主張)


 トランプ米大統領が米朝首脳会談の中止を通告した。極めて妥当な判断である。
 中止の要因は、北朝鮮が「非核化」に言及しながら、日米両国が求める完全な形で、核放棄する意思を示さなかったことにある。
 「偽りの非核化」は受け入れられない。対話のための対話は、時間を浪費し、北朝鮮を利するからである。核放棄なしに北朝鮮の未来はない。それを理解させるため、日米は改めて結束を確認し、圧力強化に努める必要がある。
 安倍晋三首相は、トランプ氏の判断を「尊重し、支持する」と表明した。今後の対応について早急に協議してもらいたい。

 《実験場の爆破は隠蔽だ》
 トランプ氏は強力な制裁で「最大限の圧力」をかけ続けると表明する一方、今後の会談開催に含みも持たせた。実現するかどうかは北朝鮮の行動しだいである。
 求められているのは、完全で検証可能かつ不可逆的な方法で核、化学、生物の大量破壊兵器と、あらゆる種類の弾道ミサイルを廃棄することにほかならない。
 金正恩政権は大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射と核実験の中止を表明した。核戦力が完成したため必要ないという理由からだろう。自らを「核保有国」と勝手に位置付け、米国はじめ国際社会と渡り合おうとした。
 非核化の意思はあるとしながら「段階的に行う」と主張したのは、「非核化措置」を講じるごとに見返りを得るためだ。けっしてゴールに到達しないのが北朝鮮の過去の核交渉であり、今回もそこから抜け出そうとしなかった。
 6度の核実験を行った豊渓里の核実験場の爆破は典型的なパフォーマンスである。核施設の爆破は以前にもあった。外国メディアには公開したものの、専門家は招かなかった。坑道は閉ざされ、過去の実験のデータ採取は困難になったとみられる。これでは、閉鎖というより隠蔽(いんぺい)ではないか。米政府が非核化とは無関係だと相手にしなかったのは、当然のことだ。
 真の非核化という課題に向き合おうとせず、北朝鮮は会談の開催を人質にとるように米側を揺さぶろうとした。
 通告の決め手となったのは、ペンス副大統領を罵倒した崔善姫外務次官の談話だったとされる。「核戦争か会談か」という恫喝(どうかつ)は、核にしがみつくことで存続を図ろうとする金正恩政権の実態を如実に表していよう。
 金正恩政権は今年に入って対話路線に転じ、軍事境界線のある板門店で文在寅大統領との南北首脳会談を実現させた。
 その先にあったのが、金正恩氏の求める体制の保証をかけた米国との対話である。トランプ氏との会談が流れてシナリオが狂い、状況が急変する可能性もある。

《習近平氏の責任も重い》
 通告を受け、北朝鮮は直ちに金桂寛第1外務次官の名で談話を発表した。それは、崔氏の談話について弁明しつつ、米側の再考を促している。
 ならば自ら動くしかない。言葉の挑発はもちろん、武力の威嚇で対話への道が開けると考えるのは思い違いである。
 トランプ氏は金正恩氏が2度目の訪中後、強気になったと指摘した。後ろ盾となった習近平国家主席の責任は重い。影響力は正しく行使すべきだ。
 一方、韓国の文大統領は米朝の仲介役として振る舞い、金正恩氏に経済協力などを約束した。北朝鮮を対話に引き出したのは国際社会の圧力である。同じく思い違いをすべきではない。
 懸念されるのは中国、韓国で、制裁の緩みがみられることだ。国連制裁が解除されたわけではない。厳格な履行を今一度、徹底しなければならない。
 日本も傍観してよい立場でないことはむろんである。北朝鮮の核戦力の脅威は間近にあり、何ら減じていない。米朝交渉の途絶で、危機が強まる可能性もある。その現実を直視すべきだ。
 北朝鮮の軍事挑発の再開や、米国との武力衝突も排除できない。あらゆる事態を想定し、備えておかなければならない。
 米朝会談に伴う展開は困難になったが、拉致問題解決への努力を止めてはならない。その場合も、対話のための対話となっては無益だ。拉致被害者全員の帰国を実現するための話し合いとすべきことはいうまでもない。

5月26日(産経抄)


 「北朝鮮が未練たらたらなコメントを出し始めているね」。政府高官は25日、こうつぶやいた。トランプ米大統領が24日、来月12日にシンガポールで開催予定だった米朝首脳会談の中止を表明した途端、それまで強気で会談中止をちらつかせていた北が、手のひらを返して対話を請うている。
 ▼慌てぶりは手にとるように分かる。「われわれはいつでも、いかなる方法でも対座して問題を解決する用意がある」。北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)第1外務次官は25日、こんな談話を発表し、首脳会談の「切実な必要」を訴えた。その9日前には、自ら会談中止を示唆していたのに。
 ▼それどころか北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会報道官は、ペンス米副大統領のことを「ならず者」「人間のくず」とまでののしっていた。揺さぶりで米側の譲歩が引き出せると、過去の成功体験からトランプ氏を甘く見ていたのだろう。
 ▼だが、トランプ政権は一貫して「北朝鮮が会談したくないのなら、構わない」(サンダース大統領報道官)との姿勢だった。トランプ氏は「過去の政権の過ちを繰り返さない」と強調してきた。会談中止で困るのは北の方なのである。
 ▼「会談が実現しなければ次のステップへいく」。トランプ氏はこう明確に述べている。今後、米国は軍事力行使を含む「あらゆる選択肢」を保持しながら、北朝鮮に「最大限の圧力」をかけていくことになる。北は困窮を極め、渇望する体制保証も経済支援も得られない。
 ▼トランプ氏は24日に公開した金正恩(ジョンウン)朝鮮労働党委員長への書簡で、こうも呼びかけている。「いつの日かお会いすることをとても楽しみにしています」。あれこれ策を弄してみても、正恩氏は結局、降参するしか道はないのではないか。

米朝首脳会談 中止 トランプ政権「多くの約束破った」(東京新聞)


 【ワシントン=石川智規】トランプ米大統領は二十四日昼(日本時間二十五日未明)、ホワイトハウスで、六月十二日に予定されていた北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談を中止すると発表した。トランプ氏は「偉大な機会が訪れるはずだったが、北朝鮮と世界にとって大きな後退だ」と強調。米政府高官は、中止の理由について、北朝鮮が事前の高官級協議に応じないなど「多くの約束を破り、対話が欠如していた」と明らかにした。
 米高官によると、ポンペオ国務長官が五月に再訪朝した際、シンガポールで高官級の事前協議を行うことで合意したが、北朝鮮側の担当者が約束期日に現れず、その後音信不通になっていたという。
 北朝鮮が二十四日に行った核実験場の廃棄作業について、正恩氏は当初、専門家に検証させる意向を表明していたが、実際には招かなかったことも批判。「これでは何が達成されたのか科学的に証明できない」と指摘した。米韓が二十五日までの予定で実施している共同軍事訓練に反発したことも「約束破り」の一つに挙げた。
 米高官によると、トランプ氏は二十四日朝、非核化要求に応じなければ「崩壊したリビアのカダフィ政権のようになる」などと北朝鮮に警告したペンス副大統領を北朝鮮側が激しく非難したことなどをペンス氏らと協議。その直後、正恩氏に首脳会談中止を通告する書簡を作成したという。
 トランプ氏は一方、正恩氏が「建設的な対話と行動を選ぶことを待っている」とも指摘。将来的な会談の実現に含みを持たせた。
 米高官は、「大統領は対話の窓を開き続けている」とした上で、首脳会談の再設定には「多くの(事前の)対話と明確な議題設定が必要だ」と述べた。

◆北「意外で遺憾、対話を」 金桂冠外務次官 談話
 【北京=城内康伸】北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)第一外務次官は二十五日、談話を発表し、トランプ米大統領が米朝首脳会談を中止したことについて「いかなる形であれ、対座して問題を解決する用意があることをいま一度明らかにする」と述べ、会談開催を求めた。朝鮮中央通信が伝えた。
 金氏は会談中止を「朝鮮半島はもちろん、世界の平和と安定を願う人類の念願に合致しない決定だ」と批判した。「意外で極めて遺憾だ」とも述べており、突然の中止に北朝鮮側が驚いていることが分かる。
 談話は金正恩朝鮮労働党委員長の「委任により」発表された。米国に対する激しい反発や非難は抑えた内容になっている。
 金氏は、正恩氏が「トランプ大統領と会えば、良い始まりになるだろう」と述べ、首脳会談の準備にあらゆる努力を傾けてきた、と紹介した。
 「トランプ大統領が歴代の大統領が下せなかった勇断を下し、首脳会談という重大な事変のため、努力したことを高く評価してきた」と言明。トランプ氏が提示していた北朝鮮の体制保証と非核化実現の方式について「われわれの要求にも合致し、問題解決に実質的に作用する賢明な案になるとひそかに期待していた」と明らかにした。
 トランプ氏が会談中止の理由に挙げた「(北朝鮮の)大きな怒りと露骨な敵意」に関しては「一方的な核廃棄を迫った、米側の行きすぎた言動に対する反発にすぎない」と釈明した。
 その上で、「朝鮮半島と人類の平和と安定のために全力を尽くそうとする、われわれの目標と意志に変わりはない」と強調。「常に大胆で胸襟を開き、米側に時間と機会を与える用意がある」と述べ、会談を開催するよう再考を促した。

米朝首脳会談 非核化へ「北」の決意が見えぬ(読売:社説)


◆開催巡り熾烈さ増す主導権争い◆
 北朝鮮の挑発的な言動と約束違反を黙認していては、非核化の進展は、到底期待できまい。
 金正恩朝鮮労働党委員長との直接会談で決裂する事態を回避し、事前に真摯しんしな対応を促すための、熾烈しれつな駆け引きの表れだと言えよう。
 トランプ米大統領が6月12日に予定されていた米朝首脳会談の中止を北朝鮮に伝えた。
 北朝鮮が最近の声明で米国への「怒り」や「敵意」を示したことを理由に、会談の実施は適切ではない、と判断したという。

 ◆無用な挑発が目に余る
 トランプ氏は一方で、「建設的な対話と行動を選ぶなら、私は待っている」と再調整への含みを残した。当初の予定通りに開催する可能性にも言及した。
 会談開催を巡る混乱を引き起こした責任は北朝鮮側にある。
 金委員長が米韓合同軍事訓練を容認すると発言したにもかかわらず、北朝鮮高官は最近、反対する見解を表明した。訓練を理由に南北会談を中止し、米国が一方的な核放棄を強要するなら首脳会談も「再考」するとした。
 シンガポールで行うはずだった米国との準備協議には、北朝鮮高官が現れなかったという。
 崔善姫外務次官は24日の談話で自国を「核保有国」と位置付け、米国と「核で対決」する可能性にまで言及した。北朝鮮への軍事攻撃の選択肢を排除しなかったペンス米副大統領に対し、「愚鈍な間抜け」と名指しで罵ののしった。
 米朝協議の主導権を握ろうと、揺さぶりをかけた結果、トランプ氏から想定以上の反発を招いた。常套じょうとう手段としてきた瀬戸際戦術を過信していたのではないか。
 金桂官第1外務次官は、首脳会談の中止表明について、「予想外のことで、非常に残念だ」とする談話を異例の早さで発表した。衝撃の大きさがうかがえる。
 談話は、対米批判を抑え、「いつでも、どのような方法でも、向かい合って問題を解決していく用意がある」と強調した。関係修復を図っているのだろう。
 北朝鮮は24日、北東部・豊渓里の核実験場の廃棄作業を行った。坑道の入り口や関連施設を爆破し、記者団に公開したが、国際原子力機関(IAEA)などの専門家は招かれなかった。

 ◆中韓含め圧力の維持を
 計6回行った核実験では、使われた核物質の種類や爆発の規模など、不明な点が多い。核開発の実態解明には、専門機関による実地検証が不可欠だ。これでは、非核化に真剣に取り組む意思を疑われても仕方あるまい。
 米国が「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」の先行を求めるのに対し、北朝鮮は「段階的、同時並行的な措置」を主張する。非核化のカードを切るたびに、経済支援や体制保証、米軍の脅威削減などの見返りを得る狙いだ。
 この溝が埋まらなければ、首脳会談の成果は期待できない。
 金委員長に核放棄の決断を促し、対話解決の流れを軌道に乗せるには、国際社会による最大限の圧力の維持が欠かせない。
 韓国の文在寅大統領はトランプ氏の中止表明について「当惑している。非常に残念だ」と述べ、双方に歩み寄りを求めた。
 米朝の橋渡し役を務めたことは評価できるが、4月の南北首脳会談以降、融和ムードに過度に傾き、結果的に北朝鮮の恫喝どうかつ外交を許した側面は否めない。
 今月上旬には、韓国籍タンカーが公海上で北朝鮮の船に横付けしているのが確認された。洋上で物資を積み替えて密輸する瀬取りの疑いが持たれている。韓国政府は、包囲網に綻びが出ていないか、改めて点検する必要がある。
 北朝鮮の最大の貿易相手国である中国の責任も重大だ。習近平国家主席は、対北朝鮮制裁を緩めず、金委員長に粘り強く説得を続けることが求められる。

 ◆危ういトランプ外交
 米朝首脳会談を3月に受諾した時も、中止表明も、トランプ氏が拙速に決めている印象が強いのは気がかりだ。長年にわたる米朝間の不信の解消に一定の時間がかかるのは自明のことだろう。
 大統領が前面に出て決着を図る手法は、突破力がある反面、危うさが残る。実務者レベルでの積み上げなしに、実りある交渉はできない。外交経験に乏しいトランプ氏が感情に流され、緊張を不必要に高める懸念もある。
 菅官房長官は、「北朝鮮の政策を変えるため、日米韓で連携しながら、しっかりと取り組んでいく」と語った。3か国の政策調整を強化していくことが重要だ。

首相「北朝鮮へ圧力維持し米朝首脳会談を」(NHK)


安倍総理大臣は、アメリカのトランプ大統領が来月の米朝首脳会談の中止を表明したことに関連し、北朝鮮への圧力の維持を通じて再び会談に向けた動きが出ることに期待を示しました。

ロシアで開催された国際経済フォーラムに出席した安倍総理大臣は、アメリカのトランプ大統領が来月の米朝首脳会談の中止を表明したことについて質問を受け、「残念に思っている。北朝鮮の対応にさまざまな問題があることは事実だと思う」と述べました。
一方で「今後も米朝首脳会談を追求していく必要はある。それは問題を解決する上で必要不可欠だ」と指摘しました。
そのうえで「大切なことは、実際に北朝鮮が核やミサイルのCVID=完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄に向けて具体的な行動をとるまで国際社会で今の圧力を継続していくことだ。そうした姿勢をとっていく中で再び米朝首脳会談に向けて動きが出てくることを期待したい」と述べました。
また安倍総理大臣は、アメリカが日本も対象に発動した鉄鋼製品などに高い関税を課す輸入制限措置について「同盟国であるにもかかわらず安全保障上の理由で関税をかけることは理解できない。日本がアメリカに輸出している鉄の6割はアメリカでは代替できないもので、関税をかけて損害を被るのはアメリカで日本の鉄鋼を使う事業者だ」と述べ、対象から外すよう求めていく考えを示しました。

防衛費「対GDP比2%」 F35Bなど高額装備で周辺国の脅威対応(産経N)


 防衛大綱への自民党提言には、1機100億円以上とされるF35Bや、多用途運用母艦など多くの高額装備品が並び、防衛費の目標を「国内総生産(GDP)比2%」と明記した。現在の防衛費は約5兆円で、GDP比は1%水準で推移している。2%となれば10兆円規模となり、党国防幹部会では「現実的ではない」との慎重論も出たが、最終的に周辺の安全保障情勢の厳しさを考慮した。
 中国は30年間で国防費を50倍以上に増やし、国産空母や高いステルス性能を持つ第5世代戦闘機の開発などに血道を上げる。武装した公船による尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での領海侵犯も相次ぎ、日本にとって重要なシーレーン(海上交通路)である南シナ海では軍事的プレゼンスを一方的に高めている。
 北朝鮮は米朝首脳会談の中止を受け、一時的に停止していた核・ミサイル開発について、いつ強硬路線に回帰してもおかしくない。北方領土の軍備増強を進めるロシアも23日、日本の領空まで約4キロの空域で哨戒機を飛行させ、特異な動きを見せた。
 高まる脅威に対処し得る相応の防衛力を整備するためには、従来の延長線上での予算措置では間に合わないのが実情だ。厳しい財政事情を承知の上で、自民党があえて提言に「対GDP比2%」を明記したのは、政府に大胆な方向転換を促すためで、提言のまとめ役を務めた中谷元・元防衛相や若宮健嗣前防衛副大臣らが主導した。
 安倍晋三政権は防衛費を毎年増額させているが、GDP比1%の枠は突破していない。主要国と比べ日本の防衛費のGDP比は低水準で、そもそも安全保障環境を考慮せずに「1%枠」にこだわる合理的な根拠はない。次期防衛大綱は過去のしがらみから脱却する好機となり得る。(石鍋圭)

“多用途運用母艦導入を検討”自民が提言へ(NHK)


中国が急速な軍拡を進める中、自民党は、南西諸島の防衛力を強化するため、空母の役割を担う「多用途運用母艦」の導入を検討するなどとした政府への提言案をまとめました。

政府は、ことし、防衛力整備の指針となる「防衛計画の大綱」を5年ぶりに見直す方針で、自民党は防衛大臣経験者らが中心になって見直しに向けた提言案をまとめました。
提言案は、中国について「国防費が30年間でおよそ51倍に急増し、国産空母の開発や最新型潜水艦の増強など、軍備の拡張が不透明な形で進められている」として、「安全保障上の懸念となっている」と指摘しています。
そのうえで、中国が南西諸島から台湾、フィリピンにかけてのラインを「第1列島線」と呼んでいることを念頭に、「列島線防衛」のための防空任務や災害時の救援活動の拠点として、空母の役割を担う「多用途運用母艦」の導入を検討するとしています。
また、提言には、防衛費について、NATO=北大西洋条約機構がGDP=国内総生産の2%を目標としていることも参考に十分な予算を確保することや、AI=人工知能など先進技術の導入を進めることも盛り込まれています。
自民党は、来週にも、こうした提言を政府に提出することにしています。

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