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米中覇権争い乗り切る日本の道 東京国際大学教授・村井友秀(産経:正論)


 一般的に民主主義国では、外交政策に関して与党と野党の間に大きな政策の違いはない。「右であれ左であれ我が祖国」(G・オーウェル)だからである。また、国際関係は国内と異なり、法の執行者が明確に存在しない一種の無法状態である。現実の国際関係は「永遠の友も永遠の敵も存在せず、永遠の国益が存在するだけだ」(H・パーマストン)ということになる。

 無法者を改心させる懲罰的抑止
 無法状態の国際関係の中で、攻撃的な国家を抑止する方法は、(1)攻撃しなければ報償を与える「報償的抑止」(2)攻撃をはね返すことによって攻撃者に利益を与えない「拒否的抑止」(3)攻撃されれば反撃し、攻撃者に損害を与える「懲罰的抑止」-がある。報償的抑止は、攻撃者が報償目当てに相手を威嚇することを助長しかねない。拒否的抑止は、攻撃者が損害を被らずダメ元で攻撃してくる可能性を排除できない。歴史を見ると、懲罰的抑止が攻撃者を効果的に抑止してきた。
 北朝鮮の場合も、これまで周辺諸国が取ってきた政策は基本的に報償的抑止か拒否的抑止であり、懲罰的抑止は実行されなかった。今回初めて「斬首作戦」を含む懲罰的抑止が機能したのである。
民主主義国家では、政府が強硬に要求を突き付けたにもかかわらず、後から要求を取り下げることによって、政府が有権者の信用を失うコスト(観衆費用)がある。故に民主主義国の指導者は過激発言で相手国を威嚇することを躊躇(ちゅうちょ)する。しかし、トランプ大統領は観衆費用を無視して過激な発言を繰り返している。
 多数の死傷者が発生する可能性がある懲罰的抑止を、トランプ大統領なら平気で実行するかもしれないという金正恩委員長の不安が米朝会談を実現させた。他方、派手な演出好きのトランプ大統領には米朝会談は魅力的な選挙キャンペーンに見えたのだろう。

 朝鮮半島支配を強める中国
 中国にとって北朝鮮は単なる隣国ではない。北朝鮮は2千年前の漢の時代には中国の一部(漢四郡)であり、その後も朝貢国として中国に従属した。中朝は「唇亡ぶれば歯寒し」密接不離の関係である。北朝鮮が国連制裁を受けたときには、中国が制裁に加わる振りをして制裁を骨抜きにし北朝鮮を守った。
 ただし、中国は北朝鮮を守る代償として北朝鮮の鉱山や港などの重要なインフラを50年以上長期間租借する。軍事力よりも経済力で支配する「新植民地主義」によって、北朝鮮は中国の配下に置かれた。故に北朝鮮の役人が「日本は百年の敵、中国は千年の敵」と発言する事態になっている(RFA2018年1月4日)。
 韓国における親北政権の誕生は、平和的に南部朝鮮へ進出する絶好の機会を中国に与えた。この機会を生かすために中国は米軍の介入を招きかねない北朝鮮の挑発を抑えた。

 将来の東アジアの覇者はだれか
 将来の東アジアは、(1)米国が覇者、または(2)中国が覇者-という2つの形が考えられる。
 (1)米国が覇者であれば現在の状況と変わらない。米国が太平洋を支配するためには、米国から1万キロ離れた太平洋の西側を守る日本の役割が欠かせない。日本は米国に対して物言う強力なカードを持っている。日本の地理的位置と高い技術的能力は「余人を以って替え難い」。
 (2)中国が覇者になれば状況は劇的に変化する。現在の日本が中国に対して持っている技術的優位は時間差の問題であり、一定の時間がたてば中国は必ず追いつくと中国人は信じている。したがって、日本が中国に対して物言う強力なカードはない。
 また、中国共産党の国家戦略の基本は「1つの山に2匹の虎はいない」、すなわち東アジアのもう1匹の虎である日本に勝つことである。中国は日本の国連常任理事国入りに強く反対している。
 また、日本の貿易の99%は海上輸送である。インド洋や太平洋を通るシーレーンは日本の生命線である。もし、日本が米国の友人ならば、米国が日本のシーレーンを守るだろう。中国軍に米軍を撃破してインド洋や太平洋の日本のシーレーンを攻撃する能力はない。
 しかし、日本が中国の友人になり米国の敵になれば、中国軍にインド洋や太平洋の日本のシーレーンを米軍の攻撃から守る能力はない。したがって、日本が生命線のシーレーンを守ろうとすれば、米国の友人になる以外に選択肢はない。以上の条件を考えれば日本が進むべき道は、米国が覇者たる東アジアを守る道である。
 日本の安全保障の要点は、日米同盟を強化し、同盟の中で日本の発言力を大きくすることである。中国は米国の「競争国」になった。共通の敵が存在すれば同盟は強くなる。同時に日本も「巻き込まれ」の議論を超えて北大西洋条約機構(NATO)諸国と同様に、正義のために犠牲を払って積極的に同盟に貢献していると米国に認識させることが肝要である。(東京国際大学教授・村井友秀 むらいともひで)


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トランプ氏、米韓軍事演習「再開せず」 「北援助」中国を再び非難(東京新聞)


【ワシントン=石川智規】トランプ米大統領は二十九日、自身のツイッターに声明を発表し、六月の米朝首脳会談後に中止している米韓合同軍事演習について、現時点で再開は考えていないことを明らかにした。
 またトランプ氏は、中国が北朝鮮に資金や燃料を援助しているとして「有益ではない!」とあらためて非難した。
 米韓合同軍事演習をめぐっては、マティス国防長官が前日の会見で演習再開を示唆する発言をしていた。
 声明は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との関係が非常に良好であることから、「演習に巨額の費用を投じる理由は現時点ではない」と指摘。
 一方で、大統領が決断すれば韓国との合同軍事演習をすぐ再開できるとも強調。「再開すれば過去にないほど大規模になるだろう」とも付け加え、北朝鮮をけん制した。
 中国に関しては、非核化交渉を行う北朝鮮の後ろ盾になっていることを非難。貿易問題と合わせて「習近平(しゅうきんぺい)国家主席との間で解決するつもりだ」と述べた。

8月30日(朝雲寸言)


やはりと言うべきか。北朝鮮の非核化プロセスがはかばかしくない。先方の身になれば、苦難の末に勝ち取った核という果実を易々と手放すはずもない。我々は見通し得る将来、北朝鮮の核ミサイルが頭上につるされ続けることを覚悟すべきなのかもしれない。
 抑止は機能するはずだとの想定にとらわれず、国民を守れるよう最善を尽くす。津波への備えと同様に真摯で地道な取り組みが昨春から1年余り続いた。政府と一部自治体による弾道ミサイル避難国民保護訓練だ。後世、この訓練は安倍晋三内閣が進める安全保障政策の中で最も評価される施策になるとみる。「考えたくないことは考えない」という日本人の弱点に真正面から切り込んだからだ。
 神奈川県横須賀市も国民保護訓練に熱心だ。今年1月「核ミサイル着弾」という苛烈な状況を想定した図上訓練を自治体としては初めて実施し、自衛隊や海上保安庁も参加した。監修者は防衛大学校の宮坂直史教授。自身の研究を国民の脅威低減に役立てようと行動し続ける「知行合一」ぶりに感銘を受けた。
 一方で、国際安全保障を専門としながら国民の安全には淡白な学者・研究者がいかに多いことか。「いかにもっともなことを論じても、実践できるように心を働かさず、ただ口先の議論であるならば少しも心に響かない」(『南洲翁遺訓』)。「本当の仕事」をしているのは誰なのか。今のような状況でこそ鮮明にわかる。
(2018年8月30日付『朝雲』より)

防衛白書 長期的視点で脅威に備えよ(読売:社説)


将来の安全保障環境を予測し、長期的な視点から脅威に対処する態勢を整える必要がある。
 2018年版防衛白書が公表された。地域情勢を分析し、今後の防衛力整備の基盤とする意義を持つ。
 北朝鮮の核・ミサイル開発について、「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」と指摘した。昨年の度重なるミサイル発射や、通算6回目となる核実験を受け、政府の従来の認識を踏襲した。
 今年に入り、北朝鮮は軍事的挑発を自制し、緊張は和らいだ。とはいえ、米朝首脳会談後も核・ミサイル放棄の道筋は不透明だ。緊張緩和が一時的なものにとどまる懸念は捨て切れまい。
 白書は、北朝鮮が「米国に対する抑止力を確保した」と「過信・誤認」した場合、挑発行為を再び始める可能性に言及した。
 日本を射程に収める数百発の弾道ミサイルを配備している現状を踏まえると、脅威の評価を変えなかったのはやむを得ない。
 日米両国は、同盟の重要性を確認し、抑止力を高めるべきだ。
 日本に対する現実的な脅威として、ミサイル防衛の強化に計画的に取り組むことが大切である。
 軍備を増強する中国の動向について、白書は「国際社会の安全保障上の強い懸念」と位置づけた。1月に尖閣諸島の接続水域を中国軍潜水艦が航行したことを挙げ、「行動を一方的にエスカレートさせている」と指摘している。
 中国は、日本の海上保安庁にあたる海警局を軍の傘下に入れた。米国防総省は、中国海軍が尖閣や台湾での上陸作戦を視野に、部隊を拡充すると予測する。
 尖閣を含む南西諸島が、防衛上の「空白」とならないよう、警戒監視にあたる部隊の配備を急がなければならない。
 あわせて、離島が占拠された際の奪還を主な任務とする水陸機動団の能力を向上させ、抑止力維持に努めることが欠かせない。
 輸送機オスプレイが機動団を現地に運ぶ計画だ。防衛省と佐賀県は、佐賀空港にオスプレイを配備することで合意した。防衛省は、反対している漁業者らの理解を得る努力を続けねばならない。
 白書が「サイバー・宇宙空間など新たな領域の活用が死活的に重要」と明記したことは注目に値する。サイバー攻撃で衛星の通信機能を妨害し、通常兵力を無力化する事態が懸念されている。
 陸、海、空の枠にとらわれない横断的な防衛のあり方や、政府を挙げた態勢も検討すべきだ。

安倍首相「憲法に自衛隊明記し違憲論争に終止符を」(NHK)


来月の自民党総裁選挙への立候補を表明している安倍総理大臣は名古屋市で開かれた党の会合であいさつし、「憲法に自衛隊を明記して違憲論争に終止符を打つ」と述べ、憲法改正を目指す考えを重ねて示しました。

来月の自民党総裁選挙への立候補を表明している安倍総理大臣は30日、愛知県瀬戸市を訪れ、女性が働きやすい環境を整備しようと自前で保育所を設置した企業を視察したあと、名古屋市で自民党の会合に出席しました。
この中で、安倍総理大臣は「災害時に昼夜を問わず命懸けで救助・救命に頑張る自衛官たちに対して『憲法違反ではない』と言い切る憲法学者はたった2割にしかならない。憲法に自衛隊を明記して違憲論争に終止符を打つ、それこそが今を生きる政治家の、自民党の責務だ」と述べ、憲法改正を目指す考えを重ねて示しました。
また、安倍総理大臣は来月の総裁選挙について「私にとっては4回目の総裁選であると同時に最後の総裁選となる。子どもたちの世代に美しく伝統あるふるさとや誇りある日本を引き渡していくため、日本のかじ取りを担っていく考えだ」と述べました。

拉致と総裁選 北朝鮮に言質を与えるな(産経:主張)


 自民党総裁選で石破茂元幹事長は、北朝鮮問題について「拉致問題の全面解決がなければ、何も進展しないというものからは脱却しなければならない」と述べた。
 この発言を、誰が喜ぶか。それは他ならぬ、北朝鮮であろう。
 総裁選では、あらゆる課題で忌憚(きたん)のない論戦が望まれる。だが、拉致問題の全面解決は最優先課題である。
 この一点においては、自民党内のみならず、国民の共通認識とすべきだ。拉致問題を置き去りにして、何を進展させようというのだろう。拉致を「解決済み」と繰り返す北朝鮮に、国交交渉再開などの言質を与えるだけだ。石破氏には発言の撤回を求めたい。
 2014年のストックホルム合意で北朝鮮側は、拉致被害者を含む全ての日本人に関する調査を包括的に実施すると約束した。そこには、日本人配偶者や遺骨の調査も含まれる。拉致被害者の調査については一方的に打ち切られたままである。
 北朝鮮は米国との間で朝鮮戦争時の戦没米兵の遺骨収集を進め、韓国との間で離散家族再会の場を用意するなど、人道的措置を小出しにしている。
 日本との間でも、日本人配偶者や遺骨の調査を入り口に、国交正常化や経済支援の道を探ろうというのだろう。
 だが拉致は、北朝鮮による残虐な国家犯罪である。本来、一切の交渉材料にはなり得ない。ただ被害者全員の解放、帰国を求めるだけである。
 先の米朝会談でトランプ米大統領は「拉致問題は最重要課題である」とする安倍晋三首相の考えを伝え、金正恩朝鮮労働党委員長は「安倍首相と会ってもいい」と応じたのだという。これを受けて安倍首相は、「北朝鮮と直接向き合いたい」と述べた。
 拉致問題は全面解決に向けて、今が正念場である。米国をはじめとする国際世論の力も借りて、北朝鮮を追い込むことでのみ、その道が開ける。国内が結束しなければならないこの時に、総裁選の候補者が後ろ向きでどうする。
 安倍首相は拉致問題を「内閣の最優先、最重要課題」と繰り返し述べてきたが、この間、解決に向けて進展はなかった。その反省の上に立つ、さらなる決意を、総裁選を通じて北朝鮮に突きつけるべきである。

「正直、公正」か「責任、実行」か(産経:阿比留氏の極言御免)


「正直、公正」の石破茂元幹事長か「責任、実行」の安倍晋三首相か-。自民党総裁選で2人が掲げたスローガンを見比べていて、4年前の話を思い出した。
 あの時ああしていれば…と過去を振り返っても詮無きことである。そうではあるが筆者は、石破氏は平成26年9月の内閣改造に当たり、安倍首相から安全保障法制担当相就任を打診された際に、固辞せず受けるべきだったと今も考えている。
 石破氏は安保法制に詳しく弁が立つ。もし受けていれば、不勉強な野党の国会質問などは一蹴し、その後の安保関連法をめぐる国会審議は大きな混乱もなくスムーズに進んでいたのではないかと思う。
 民主党政権時代には、石破氏が衆院予算委員会などで質問に立つと、居並ぶ閣僚たちが「どうか私には質問しないでくれ」とばかりに息を潜めるのが伝わってきた。22年10月の衆院予算委では、尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖での中国漁船衝突事件の映像公開を拒んできた仙谷(せんごく)由人官房長官をひとつひとつ理詰めで追い詰め、公開への道を開いた。
 野党側には、そんな石破氏に対する苦手意識もあったろう。安保法制担当相に就いていれば野党はもっとおとなしく振る舞い、国会前の大規模デモなどの騒動も起きず、「さすが石破さん」と評価も期待も高まっていたかもしれない。
 ところが石破氏が固辞したため、安保法制担当相(防衛相)にはまず江渡聡徳(えとあきのり)氏、次いで中谷元(げん)氏が就任した。2人の答弁は必ずしも万全でなく、野党に付け入る隙を与えた。
 当時、石破氏が就任打診を断った理由は、安倍首相との安保政策に関する考え方の相違だった。首相は集団的自衛権の制限行使論を唱えていたが、石破氏は全面的行使が可能だと主張していた。
 「だったら、石破さんは自分が首相になってから全面行使のための法整備をやればいいじゃないか」
 安倍首相は周囲にこう話していた。控えめな限定行使論でも大きな反発が予想できるのに、いきなり全面行使をいっても現実的ではないとみていた。結局、石破氏はこの時は地方創生担当相を受諾して入閣したが、28年8月の内閣改造時には閣内残留を峻拒(しゅんきょ)した。
 その際、周囲からは「閣内にとどまらず無役になれば、権限もなくなり、政治家としてやりたいこともできなくなる」との忠告も受けたが、石破氏自身はこう自嘲してみせた。
 「私みたいな馬鹿が、1人ぐらいいたっていいじゃないか…」
 これ以上、考え方の異なる安倍首相の下では働きたくないという意志を貫いたのは確かに自分自身に対して「正直」で「公正」だったとはいえる。
 それと同時に、安倍首相の政治手法とは対照的でもある。首相は17年の小泉純一郎首相による郵政選挙の際、郵政民営化関連法案に反対票を投じて「刺客」を送られた保守派の同志議員らについて、こううめくように話していた。
 「彼らは間違っている。自分のやりたいことを実現しようと思うなら、権力の近くにいなければならない。郵政民営化なんて本来、われわれが目指していることに比べたら、どうでもいいことではないか」
 安倍首相は、憲法改正をはじめ大きな目標を「責任」を持って「実行」していくためには、小異は捨てる覚悟だった。2人が選んだスローガンに、それぞれの個性が浮かび上がる。
(論説委員兼政治部編集委員)

日朝高官が極秘接触 7月ベトナム 事前連絡なく米不快感(東京新聞)


【北京=城内康伸】日本と北朝鮮の政府高官が七月十五~十六日、ベトナム・ホーチミンで極秘接触していたことが分かった。日本人拉致問題などを論議したとみられるが、特段の進展はなかったもようだ。複数の日朝関係筋が明らかにした。
 関係筋によると、日本からは北村滋内閣情報官、北朝鮮からは主に南北関係を担当する金聖恵(キムソンヘ)朝鮮労働党統一戦線部統一戦線策略室長が参加した。
 韓国政府によると、金聖恵氏は今年二月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪の際、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キムヨジョン)党宣伝扇動部第一副部長ら北朝鮮高官の訪韓に随行。四月の南北首脳会談時には、北朝鮮側の夕食会出席者にも名を連ねた。六月の米朝首脳会談直前、金英哲(キムヨンチョル)党副委員長(党統一戦線部長)がワシントンを訪問した際に同行。トランプ米大統領、金英哲氏と共にホワイトハウスの庭で記念撮影をしており、正恩氏に近い人物とされる。
 関係筋によると、金聖恵氏は七月十四日、中国の北京を経由してホーチミン入りし十六日まで滞在。北村氏と接触した。日朝関係を担当した経験がある統一戦線部の課長級人物ら二、三人が同行したとされる。日本政府関係者は本紙の取材に、接触を否定している。
 北朝鮮関係筋は「拉致問題は解決済みで、日本の対応が変わらない限り、朝日関係改善に向けた話し合いは無理だ」としている。
 【ワシントン=石川智規】米紙ワシントン・ポストは二十八日、日本と北朝鮮の政府当局者のベトナムでの接触について、米国側に事前に連絡がなかったとして複数の米政府高官が不快感を示していると報じた。

◆菅官房長官「コメント控える」
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十九日午前の記者会見で、日朝政府高官の極秘接触について「報道の内容の一つ一つに政府としてコメントすることは控えたい」と話した。






トランプ氏、首相に「真珠湾を忘れない」…米紙(読売N)


【ワシントン=大木聖馬】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は28日、6月7日にホワイトハウスで行われた日米首脳会談で、トランプ大統領が対日貿易赤字問題などをめぐって「私は真珠湾を忘れない」と発言し、安倍首相への強い不満を示していたと報じた。会談内容に詳しい複数の関係者の話として伝えた。

 首相とトランプ氏は頻繁に電話会談を行い、一緒にゴルフもプレーする緊密な関係を構築している。その一方で、トランプ氏は旧日本軍による真珠湾攻撃を引き合いに出す異例の強い表現で、日本への不満をぶつけたことになる。
 同紙によると、トランプ氏は会談で日本の経済政策を痛烈に批判し、対日貿易赤字について非難した。その後、日米で2国間の貿易協定を結ぶように首相に促したが、首相は提案を拒否したという。

自衛官が足りない 人材確保に定年引き上げを検討(NHK)


少子化の進展などに伴い、自衛官のなり手不足が課題となる中、菅官房長官は記者会見で、現在は階級に応じて53歳からとなっている自衛官の定年の引き上げを検討していることを明らかにしました。

自衛官の応募者数は、少子化や景気回復の流れを受けて減少傾向にあり、昨年度採用された「自衛官候補生」の数はおよそ7500人と、計画のおよそ8割にとどまるなど、人材確保が課題となっています。
これについて菅官房長官は記者会見で、「わが国を取り巻く安全保障環境が極めて厳しさを増している中で、防衛力を最大限機能させるためには、それを支える人的基盤を充実・強化することは必要なことだ」と指摘しました。
そのうえで菅官房長官は「自衛官の応募者数そのものは減少傾向にあり、多様な人材を確保し、有効に活用していくために、自衛官の定年延長など各種の施策について検討している」と述べ、現在は階級に応じて53歳からとなっている自衛官の定年の引き上げを検討していることを明らかにしました。
自衛官の確保に向けて防衛省は先に、新たに採用する自衛官の年齢の上限を現在の「26歳」から「32歳」に引き上げる方針も決めています。

中国との体制間競争を勝ち抜け 防衛大学校教授・神谷万丈(産経:正論)


冷戦期は、自由・共産両陣営が体制の優位を競い合った時代だった。だが冷戦後、リベラルデモクラシー諸国は、中国に対してはそうした考え方を控えてきた。中国を打ち負かすのではなく発展を助けることで、中国の体制をより自由な方向に動かそうというのがその対中戦略の基本だった。

 ≪動揺するリベラル国際秩序≫
 現在われわれは、リベラルな価値や理念の受け入れを拒む中国の自己主張の強まりを前に、過去数十年の東アジアと世界の平和と繁栄の基盤になってきたリベラル国際秩序が動揺するという現実に直面している。今われわれに求められているのは、自由な諸国と中国との体制間競争が既に始まっており、リベラル国際秩序が守られ得るかどうかは、その結果にかかっているという認識を持つことだ。
 21世紀に入る頃から、日米欧などは、中国にリベラル国際秩序を支持させようとする働きかけを続けてきた。世界貿易機関(WTO)などの国際機構に迎え入れてさまざまな形で関係を深めれば、中国も国際ルールを尊重するようになり、相互依存の中で既存秩序の維持を利益とみるようになるだろう。また、中国の発展を助ければ徐々に民主化も始まり、リベラルな価値の受容も進むだろう。そのように考えられたからだ。
だが、豊かさと強さを手にした中国は、反対に共産党独裁と言論・思想統制の強化に動いた。対外的にも、南シナ海や東シナ海でみられるように、国際的なルールを守るよりも、力で現状を変えようとする姿勢が目立ってきている。

 ≪世界はいずれの体制を選ぶのか≫
 最近では、既存のリベラル国際秩序を支えるのではなく、中国主導でその改変を図りたいという意志が表明されるようにもなった。たとえば習近平国家主席は、6月の中央外事工作会議で、中国が「グローバルな統治システムの改革に積極的に関わり、リードしていく」と述べている。
 これまでわれわれは、中国は、安全保障面では脅威でも、経済面では協力すべき相手なのだから、競争とか対決とはあまり言うべきではないと考えてきた。だが、今や、経済面を含めて中国と正面から対峙(たいじ)し、自由で民主的な体制と中国的なるものとのいずれが優れているのかをめぐり、決然と競争することが求められているのではないだろうか。
 これは、中国をいたずらに敵視せよということとは違う。近い将来経済規模で世界一になる可能性が高く、人工知能などの最先端技術でも躍進著しい中国とは、仲良くできるならばそれにこしたことはない。だが、協力を追い求めるあまり、対中競争を恐れることがあってはならないということだ。
 われわれは、リベラルな国際秩序を守りたい。そのためには、世界の国々がわれわれの秩序と中国的秩序とのいずれを選ぶかが重要だ。世界に対し、日米欧のような自由で民主的な体制が中国の体制よりもよいものであることを示していくことが求められている。
 そのためには、経済や技術力で中国に負けないことが必須の条件だ。中国の体制の欠点を批判するだけでは対中競争には勝てない。現実の経済や技術で中国が自由な国々よりも実績を残せば、誰がどう批判しようとも中国に引きつけられる国は増えてしまうだろう。
 政治的にも、リベラル民主社会の素晴らしさを世界にアピールできなければならない。言論の自由が保障され、男女が平等で、少数派が迫害されず、社会の開放性が保たれている。そうした社会がいかに住みよいものなのかを、説得的に示さなければならない。

魅力ある経済と社会の構築を
 1963年6月26日、西ベルリンを訪れたケネディ米大統領は、30万の聴衆に「私はベルリン市民である」と語りかけた。共産圏に浮かぶ自由主義の孤島となっていた西ベルリンの人々を勇気づけたこの演説は、冷戦史上最も記憶されている瞬間のひとつだ。だが、彼が次のように述べたことを覚えている人はどれだけいるか。「共産主義が未来の波だという者がある。彼らをベルリンに来させよう。…共産主義が邪悪な体制であることは確かだが経済的進歩を可能にするという者さえある。彼らをベルリンに来させよう」
 ケネディは、東西競争の帰趨(きすう)はベルリンに行けば一目瞭然だと言い、それに誰もが納得した。ソ連は、西側の自由と繁栄を東側の目から隠すために、ベルリンの壁を築かなければならなかったのだ。
 だが今日の中国は違う。北京や上海を見た人は、その繁栄に圧倒される。中国の体制は自由でも民主的でもないが、経済的進歩は疑いなく可能にしているのだ。他方、リベラル民主社会の魅力は、トランプ大統領の言動によって徐々に蝕(むしば)まれつつある。
 世界の多くの国が中国を「未来の波」とみなし、手本にしたいと思うようになってしまえば、リベラル国際秩序の将来は暗い。この秩序を守りたいならば、われわれは、経済でも社会の魅力でも、中国との体制間競争には負けられないのだ。(防衛大学校教授・神谷万丈 かみやまたけ)
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8月29日(産経抄)


 先日、航空自衛隊初の女性戦闘機パイロットの誕生が報じられていた。自衛隊の中でも花形とされる戦闘機パイロットから、さらに選び抜かれた精鋭集団が、「ブルーインパルス」である。
 ▼昭和39年10月の東京五輪開会式では、青空に5色の五輪マークを描いた。今でも全国各地の基地で開催される航空ショーで、ブルーインパルスが披露する高度な操縦技術は目玉企画となっている。
 ▼ところが、今年3月に小牧基地(愛知県小牧市)で開かれた航空祭では、ブルーインパルスの展示飛行が中止となり、来場者は前年の約6万2千人から約1万人に減ってしまった。地元の団体が「航空法違反にあたる」として、名古屋地検に提出した告発状が関係しているらしい。
 ▼埼玉県鴻巣(こうのす)市では、地元の共産党市議らが、10月に行われる空自の航空ショーそのものの中止を求めている。「航空ショーは戦闘と切り離すことができない」というのだ。今月20、21日には市内のショッピングセンターで予定されていた自衛隊のイベントが、やはり共産党市議らの反対で、中止に追い込まれたばかりである。
 ▼有川浩さんの小説『空飛ぶ広報室』は、元戦闘機パイロットの空井2尉が主人公である。ブルーインパルスの一員に選ばれながら、交通事故に遭って広報室に配属されていた。「戦闘機って人殺しのための機械でしょ?」。テレビの女性記者の一言に、空井は思わず声を荒らげてしまう。
 ▼「自衛隊は専守防衛が信条なんですよ。国外に攻め入ることはありませんから」。女性記者は幸い、取材を進めるうちに、空井の言葉を理解していく。「自衛隊イコール戦争」のイメージを広めるのにやっきになっている人たちは、耳を貸すつもりはなさそうだが。

米韓軍事演習の再開示唆=北朝鮮非核化進展しない中-マティス国防長官(時事N)


 【ワシントン時事】マティス米国防長官は28日、国防総省で記者会見し、米韓合同軍事演習について「追加で中止する予定はない」と表明した。北朝鮮の非核化が進展していないことを受け、軍事演習の再開を示唆した形だ。
マティス長官は「シンガポールでの(6月の)米朝首脳会談を受け、誠意を見せるためにいくつかの大規模演習を中止したが、これ以上の演習を中止する予定はない」と発言。毎年春に実施される野外機動訓練「フォール・イーグル」などについては「まだ何も決めておらず、国務省と協議した上で決定する」と述べた。

自衛官定年、1~5歳延長を検討…人員不足解消(読売N)


防衛省は、自衛官の定年を延長する方針を固めた。自衛隊の人員不足を解消するためで、2020年度以降、階級に応じて定年年齢を1~5歳引き上げることを検討する。定年が延長されれば、1990~96年度に各階級で段階的に実施して以来となる。
 自衛官は過酷な任務を伴う特別職国家公務員で、60歳定年の一般職とは別体系の「若年定年制」をとっている。将、佐、尉、曹といった階級ごとに定年が決まっており、例えば将と将補は60歳、2曹と3曹は53歳だ。1~5歳の幅でどの程度、定年を延長するかは、今後検討する。
 今年末に策定する「防衛計画の大綱」(防衛大綱)でも、人材確保を重点項目として明記する見通しだ。これに関連し、政府は27日、有識者で作る「安全保障と防衛力に関する懇談会」の設置を決めた。懇談会の意見を防衛大綱に反映させる。

米朝首脳会談後も「北朝鮮の脅威に変化なし」 防衛白書(NHK)


ことしの防衛白書がまとまり、北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威は、6月に行われた米朝首脳会談のあとも変わっていないとしたうえで、新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入の必要性を強調しています。

閣議に報告された防衛白書では、6月に行われた米朝首脳会談について、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が朝鮮半島の完全な非核化に向けた意思を文書の形で明確に約束した意義は大きいと指摘しています。
一方で、北朝鮮は、日本を射程に収める弾道ミサイルを実戦配備し、核・ミサイル開発を進展させ、運用能力を向上させているとして、米朝首脳会談後も「これまでにない重大かつ差し迫った脅威であることに、基本的に変化はない」としています。
そのうえで、白書では、弾道ミサイル攻撃への対処能力を強化していくとして、「新型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』を導入すれば、わが国を切れ目なく守る能力を抜本的に向上できる」と、導入の必要性を強調しています。
また、海洋進出を強める中国の動向について「日本周辺での活動を一方的にエスカレートさせている」として、地域・国際社会の安全保障上の強い懸念と位置づけています。

防衛相「わが国の安全保障環境は厳しい」
小野寺防衛大臣は閣議のあとの記者会見で、防衛白書について「北朝鮮問題については、対話で解決に向かうことは重要なことだが、現時点では核・ミサイルの廃棄の動きは見られないこと、また、中国の最近の軍の拡大、能力の向上など、わが国の安全保障環境が厳しい状況にあることを知ってほしい」と述べました。
そのうえで、小野寺大臣は「それに対応して防衛省・自衛隊の能力をどのように高めていく必要性があるか、その方向性について白書を通じて国民に知っていただく必要がある」と述べました。

総裁選と憲法9条 自衛隊明記の意義を説け(産経:主張)


■ゴールは「2項削除」と確認を
 自民党総裁選は、安倍晋三首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなる公算が大きい。
 まず、憲法改正が主要な争点となっていることを歓迎したい。
 今後3年間の日本の舵(かじ)取りを論ずる上で、憲法改正から目をそらすわけにはいかない。国の基本法の改正は、よりよい国造りに欠かせない。
 なぜ憲法を改めなければならないのか。どのような改正をどう実現していくつもりなのか。国民や党員に具体的に訴え、約束する論戦を展開してほしい。

 ≪主要争点化を歓迎する≫
 施行から71年がたった憲法と現実世界との乖離(かいり)は大きくなるばかりだ。その最たるものが安全保障分野だという問題意識を安倍、石破両氏は共有しているはずだ。
 防衛力を整備し、侵略者から国民を守り抜くことは国の最大の責務である。ところが、現憲法にはそのための規定が欠けている。
 首相は現行の9条を残しつつ、自衛隊の存在を憲法に明記する党の加憲案を、秋の臨時国会に提出する考えを示している。
 石破氏は、改正を急ぐべき項目として、参院選の合区解消と大規模災害に備える緊急事態条項の創設を挙げた。自衛隊明記には緊急性がないとし、国民の理解を得た上で、戦力不保持を定めた9条2項を削除して、軍の保持を定めるよう唱えている。
 多くの国民は自衛隊を合憲と認め、活躍に期待している。だから自衛隊の明記だけでは改憲の意味がないという議論が存在するが、果たしてそうか。
 9条を旗印にした空想的平和主義や、自衛隊違憲論に基づく軍事忌避の傾向は今も存在し、防衛努力を妨げている。
 北朝鮮の核危機や中国の軍拡を前にしてなお、防衛省が資金提供する軍民両用の先端研究を忌避する大学や、研究機関が存在している。日本の義務教育では、抑止力や同盟といった安全保障の初歩的知識すら教えていない。
 自衛隊の明記は、これらの問題を解消するきっかけにできる。
 平和のために国が防衛力を活用する場合はあり得る。必要なら集団的自衛権の行使で仲間の国同士が守り合うことが国連憲章で認められている。世界の常識を国民が共有し、日本の安全保障論議の底上げをはかる意義は大きい。
 国民投票で自衛隊明記を決めることは、命をかけて日本と国民を守る自衛隊を国民が支える意思表示にもなる。
 もちろん、9条2項を削除して自衛隊を軍に改め、法律と国際法が禁じた以外は、柔軟に行動できるようにすることが憲法改正のゴールであるべきだ。
 衆参各院での3分の2勢力の形成に必要な公明党の理解がすぐに得られる段階ではないが、これなくして、日本の安全保障改革は完成しない。

 ≪緊急事態条項も急務だ≫
 安倍首相と石破氏は、第一歩として自衛隊を明記し、その後、9条2項削除の実現を目指すことで協力してもらいたい。
 緊急事態条項の創設も急務である。備えるべきは、南海トラフの巨大地震や首都直下型地震といった天災(自然災害)にとどまらない。日本に対する核ミサイル攻撃や南西諸島方面への侵略など有事がもたらす人災にも備える憲法上の規定が必要である。
 自民党憲法改正推進本部が検討している改正案には、緊急事態を天災に限定する欠陥がある。「大規模な天災には備えるが、大規模な人災には備えない」憲法などあってはなるまい。
 自由や権利を享受する国民の命とそれを保障する憲法秩序を守るため、再考してほしい。
 憲法改正は、自民党内で論議しているだけで満足しているわけにはいかない。麻生派は安倍首相に対し、来年夏の参院選前に憲法改正国民投票の実現を求める政策提言を提出した。
 平成24年12月に第2次安倍政権が発足してから5年8カ月がたった。憲法改正に前向きな勢力が衆参各院で3分の2以上を占めても憲法改正は実現していない。
 その理由の一つが、政局を理由に改憲論議にブレーキをかけてきた立憲民主党などとの「合意」にこだわりすぎた憲法審査会の停滞にある。
 審査会規程にのっとり、改正論議に前向きな与野党が主導する運営に改める時期にきている。

陸上イージス配備、秋田・山口以外も検討=防衛省(時事通信)


防衛省の深沢雅貴官房審議官は27日、秋田県庁で佐竹敬久知事と会談し、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入に関し、「秋田、山口県内とその周辺も検討する」と述べ、両県の隣接県も候補地として検討する意向を伝えた。佐竹知事の軟化を促す狙いがあるとみられる。
 同省は9月12日に、新屋(秋田市)、むつみ(山口県萩市)両陸上自衛隊演習場の地質・測量調査に関する入札公告を予定している。深沢氏は調査で配備に適さないとの結論が出た場合に備え、自衛隊の所管外の国有地を含めて検討すると説明。2019年度の概算要求では設計や人材育成に関する予算計上にとどめ、敷地造成などの工事は行わないことも伝え、理解を求めた。
 これに対し、佐竹知事は地元住民から理解が得られなければ配備を諦めるよう要請。「物理的に事を強行することがあれば反対運動になる」と述べ、慎重な対応を求めた。

防衛省、秋田知事と面会 地上イージスの必要性強調(東京新聞)


政府がミサイル防衛強化策として導入を目指す地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡り、防衛省の深沢雅貴官房審議官が二十七日、配備候補地となっている秋田県を訪れ、佐竹敬久知事と面会した。秋田、山口両県への配備が最適だとして、必要性を強調した。
 防衛省側は、地質調査などで陸上自衛隊演習場が不適となった場合も、周辺にある防衛省・自衛隊の所管外の国有地を候補地にすると伝えた。佐竹知事は「ほかの国有地の調査もしっかりやって、われわれに(情報を)提供してほしい」と応じた。
 また防衛省側は、電磁波が旅客機の航路に影響するとの懸念に対し、使用する周波数帯の違いなどを理由に「支障は生じない」と説明した。
 佐竹知事は終了後、記者団に「(県や住民が一定の理解を示さないうちに)工事の強行はだめだ」と訴えた。
 地元では「敵の標的になる」との懸念や、レーダーの電磁波による健康被害への不安が根強く、住民らが二十四日、県に計画の撤回を国に働き掛けるよう求める要望書を提出している。
 防衛省は、陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)と陸自むつみ演習場(山口県萩市、阿武町)の二カ所を候補地として検討している。

首相出馬表明 長期政権を担う覚悟が必要だ(読売:社説)


歴代最長の政権を視野に入れた挑戦である。だからこそ、実のある政策論争を展開し、日本が進むべき道筋を明確に示すことが肝要だ。

 安倍首相が9月の自民党総裁選に連続3選を目指して出馬する考えを表明した。総裁選は、首相に石破茂・元幹事長が挑む一騎打ちの構図がほぼ固まった。
 首相は鹿児島県内で記者団に、来年の皇位継承や2020年東京五輪などを挙げ、「日本は大きな歴史の転換点を迎える。平成の先の時代に向けて、新たな国造りを進めていく。その先頭に立つ決意だ」と強調した。
 自民党が党則を改め、総裁任期を「2期6年」から「連続3期9年」に延長した。これにより、首相の出馬が可能になった。
 総裁3選となれば、4選を果たした佐藤栄作首相以来だ。来年11月には、首相としての通算在職日数は憲政史上、最長となる。
 昨年の衆院選で大勝したことで、党内には、首相の3選を既定路線ととらえる向きがある。
 過去にない長期政権を委ねるかどうかを判断する重要な総裁選である。そのことを肝に銘じ、凡戦に終わらせるべきではない。
 首相は昨年の衆院選の政権公約を基に、各派閥の意見を踏まえて政策を公表する。「歴史の転換点」の先頭に立つのであれば、内政、外交の難題に取り組む覚悟と戦略が求められる。
 重要課題の一つは、憲法改正である。首相は、次期国会に党の改憲案を提示する意向を表明している。9条に自衛隊を明記することが柱だ。まずは改憲案の意義を丁寧に訴えることが必要だ。
 企業収益や雇用状況は改善しているが、持続的な経済成長への道筋は今なお、不透明だ。アベノミクスの成果と弊害を検証した上で、デフレ脱却を確実なものにしなければならない。
 森友・加計両学園の問題を巡る首相や周辺の対応には、傲慢ごうまんさも垣間見えた。驕おごりと緩みを戒め、真摯しんしに政権運営にあたる姿勢を示すことが大切である。
 石破氏は、9条改正を急がない考えを示している。経済政策に関しては、地方創生に重きを置く政策を掲げる構えだ。
 首相の座を巡る権力闘争とはいえ、首相と石破氏が不毛な批判合戦に終始すれば、国民の政治不信を助長しかねない。
 首相は「どのような国造りをしていくかが争点だ。骨太の議論をしていきたい」と述べた。まさに、そうした論戦を期待したい。

「AI兵器」開発規制すべき? 日本は規制に慎重(NHK)


AI=人工知能が敵を自動的に攻撃する、いわゆる「AI兵器」について各国が議論する会合がスイスで開かれ、人間の判断を必ず介在させるなど新たな規制を求める声が相次ぎました。

ジュネーブにある国連ヨーロッパ本部で27日、AI兵器の開発を規制すべきかどうかをめぐって各国の政府代表や専門家が議論する会合が始まり、日本など100か国以上が参加しました。
この中でオーストリアのハイノツィ大使が「AIに人間の生死の判断を託すことはできない。倫理と法を守るためには人間の判断が常に介在しなければならない」と述べるなど、新たな規制を設けてAI兵器の開発を制限すべきだという声が各国から相次ぎました。
一方、軍縮会議日本政府代表部の中井公使は「AIを適切に活用すれば、攻撃対象を限定することで犠牲を最小限に抑えることが可能になる」と指摘し、人為的ミスによる巻き添えなどを防ぐことにつながるなどの利点もあるとして規制は慎重に行うべきだと主張しました。
AI兵器の規制をめぐっては、アメリカやロシアなどが「適切に使用できるよう管理や訓練の体制を整えることがより重要だ」として反対しています。
会合は今月31日まで行われ、各国がAI兵器の今後の開発の在り方について合意できるかが焦点となります。

EU離脱交渉 「無秩序」回避へ知恵絞れ(産経:主張)


 来年3月末に予定される、英国の欧州連合(EU)離脱に向けた交渉が重大な局面に入った。
 英EU双方は10月までに、離脱条件を定めた協定と、将来の双方の関係を示す政治宣言について合意を目指している。ところが主張の隔たりはいまだに大きく、打開の糸口は一向に見えない。
 折り合いがつかぬまま協定なき無秩序な離脱に陥れば、企業活動や金融市場が混乱する深刻な事態を招く。欧州に進出する日本企業にも多大な悪影響を及ぼそう。
 これを回避する責任は、英国とEUの双方にある。その点を厳しく認識し、知恵を絞って現実的な妥協点を見いだしてほしい。
 特にメイ英首相は指導力を発揮すべきだ。強硬離脱派の閣僚辞任という犠牲を払いながらも対EU方針をまとめたが、交渉が不調を来せば、EUとの経済関係を極力維持したい穏健派の支持も失いかねない。国内の軋轢(あつれき)を抑えつつ交渉を進展させられるかである。
 先に再開した首席交渉官会合では、交渉が最終段階入りしたという認識と、協議を加速すべきだという点で一致したが、そこまでである。EU側は10月合意が後ずれする可能性を示唆した。懸案解決が見通せないからである。
 その一つは、メイ政権が打ち出した「モノの自由貿易圏」構想の是非である。モノの取引はEUと共通ルールとし、英国経由の製品は関税徴収を英国が代行する。円滑な物流の維持が狙いである。
 だが、EUの単一市場は「人・モノ・資本・サービス」の自由移動が不可分だ。モノだけを持ち出し、統合された関税領域のような状態を目指す英国の発想はEUにとって身勝手と映るのだろう。
 英領北アイルランドとEU加盟国アイルランド間の国境管理問題も決着を見ないままである。
 10月合意が遅れれば、双方の批准手続きが間に合わず、無秩序離脱が現実味を増す恐れがある。その場合、英側では企業撤退が加速し、乳製品や医薬品が供給不足に陥る。EUの経済成長も減速するとみられる最悪のシナリオだ。
 日本にとって英国とEUはともに戦略的に重要な存在だ。EUとは経済連携協定(EPA)に署名し、英国は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加に関心を示す。双方と関係を緊密化する上でも、混乱は障害となる。交渉の進展を強く促すべきである。

安倍晋三首相、鹿児島で「平成の薩長同盟」を演出 「反安倍」鎮めた森山裕氏に論功行賞(産経:自民党総裁選)


9月の自民党総裁選で連続3選を目指す安倍晋三首相(党総裁)が、正式な出馬表明の舞台に選んだのは、森山裕国対委員長の地元の鹿児島県だった。森山氏は先の通常国会対応で尽力し、「反安倍」に傾きそうだった石原派(近未来政治研究会、12人)を首相支持でまとめた。山口県選出の首相は森山氏への返礼の意味も込めて「平成の薩長同盟」を演出したともいえる。(今仲信博)
 「ちょうど今晩のNHK大河ドラマ『西郷どん』(のテーマ)は『薩長同盟』だ。しっかり薩長で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」
 首相は26日、鹿児島県鹿屋市で開かれた森山氏の後援会合に出席し、新時代の「薩長」の絆を大切にする考えを強調した。
 首相は、7月に鹿児島入りする予定だったが、西日本豪雨の対応で延期していた。今回は訪問の約束を守るだけでなく、鹿児島のシンボル・桜島の雄大な景色をバックに出馬表明まで行った。
 首相と森山氏の関係は蜜月といえる。
 首相が「働き方改革国会」と銘打った通常国会では、学校法人「森友学園」「加計学園」問題が再発、財務省の決裁文書改竄(かいざん)などの公文書管理問題も出て、安倍政権は野党の攻撃にさらされた。森山氏は、野党の攻撃をかわしながら、働き方改革関連法やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法など重要法案の成立にこぎつけた。
 石原派内では、派の創設者であり最高顧問の山崎拓元副総裁が「反安倍」勢力の結集を目指し、派内もまとめようとした。石原伸晃会長は反発しながらも、山崎氏に気兼ねして、派の判断を8月下旬まで先送りしようとした。森山氏は石原氏に早く決断するよう説得し、お盆前の9日に首相支持表明を実現させた。
 森山氏は平成17年に郵政民営化関連法に反対し、自民党を離れたが、批判を押し切って復党を実現させたのは首相だった。首相はさらに、19年の第1次安倍改造内閣で森山氏を財務副大臣に起用した。森山氏はこのときの恩義を忘れていないという。
 もっとも、森山氏の厚遇は、党内でくすぶる「反安倍」勢力への見えざるメッセージという面もある。
 首相は25日に宮崎県に入り、地元首長や県議らと会食した。宮崎は石破茂元幹事長が率いる石破派(水月会、20人)の古川禎久事務総長の地元でもあり、宮崎入りは党員票を意識した石破陣営への牽制(けんせい)でもある。
 首相が言う「平成の薩長同盟」には、硬軟織り交ぜて「反安倍」の芽をつぶす狙いも込められている。


マケイン米上院議員死去…トランプ氏に度々苦言(読売N)


 【ワシントン=黒見周平】米共和党の重鎮で元大統領候補のジョン・マケイン上院議員が25日、死去した。81歳だった。マケイン氏の事務所が発表した。マケイン氏は脳腫瘍にかかり、地元のアリゾナ州で療養生活を送っていた。
 外交・安全保障政策の専門家で上院軍事委員長などを歴任し、ロシアやイランに厳しい立場をとるタカ派として知られた。外交経験のないトランプ大統領には度々苦言を呈した。
 マケイン氏はベトナム戦争に従軍し、操縦していた海軍機が撃ち落とされ、5年半にわたり過酷な捕虜生活を送った。帰国後は「米国の英雄」として政界に進出。下院議員を経て、1987年からアリゾナ州選出の上院議員を務めた。
 大統領選にも2度出馬した。2000年は共和党指名争いでブッシュ元大統領(子)に敗れた。08年は共和党指名を獲得し、民主党のオバマ前大統領と争った。

陸上自衛隊 大規模演習を公開 「水陸機動団」が初参加(NHK)


陸上自衛隊の実弾を使った大規模な演習が静岡県の東富士演習場で公開され、上陸作戦の専門部隊として新たに発足した「水陸機動団」が初めて参加しました。

東富士演習場で毎年行われているこの演習は、陸上自衛隊が一般に公開するものでは最大規模の演習で、隊員およそ2400人のほか、戦車などおよそ80両の車両や航空機およそ20機が参加しました。
南西諸島の防衛態勢の強化が進む中、ことしの演習も離島が侵攻されたという想定で行われ、上陸作戦の専門部隊としてことし3月に発足した水陸機動団が初めて参加しました。
水陸機動団の隊員たちは現場の状況を偵察したあと、AAV7という水上を航行してそのまま上陸できる水陸両用車を使って展開しました。
演習ではこのほか、戦車のような大砲を備えながら高速で移動できる「機動戦闘車」の射撃やヘリコプターで隊員を運び展開する様子などが公開されました。
陸上自衛隊によりますと、26日の一日の演習で使われた弾薬は36トンで、金額にしておよそ3億9000万円に上るということです。

新「防衛計画の大綱」で有識者懇開催へ サイバー空間も対象に(NHK)


新たな「防衛計画の大綱」の策定に向けて、政府は有識者の懇談会の初会合を今月29日にも開く方針を固め、宇宙やサイバー空間も対象にした防衛力整備の在り方を検討することにしています。

政府は防衛力整備の指針となる新たな「防衛計画の大綱」を年末を目指して策定する方針で、国民の理解を得るためには幅広い視点が必要だとして、女性を含めた学識経験者や防衛省・自衛隊の元幹部など、有識者から意見を聞く懇談会を設けることにしています。
この有識者の懇談会について、政府は今月29日にも安倍総理大臣や小野寺防衛大臣も出席して、初会合を開く方針を固めました。
懇談会では、従来の陸上や海上、空域にとどまらず、宇宙やサイバー空間も対象にした防衛力整備の在り方を検討することにしています。
また、政府が配備する方針の新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」も含め、今後の弾道ミサイル防衛の在り方についても議論が行われる見通しです。

中国通信機器2社を入札から除外 日本政府方針 安全保障で米豪などと足並み(産経N)


 政府が、安全保障上の観点から米国やオーストラリアが問題視する中国通信機器大手2社について、情報システム導入時の入札から除外する方針を固めたことが25日、分かった。機密情報漏洩(ろうえい)やサイバー攻撃への対策に関し、各国と足並みをそろえる狙いがある。
 対象となるのは、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)。両社に対しては、米政府が全政府機関での製品使用を禁じているほか、オーストラリア政府が第5世代(5G)移動通信整備事業への参入を禁止するなど、除外する動きが広がっている。
 背景にあるのは安全保障上の根深い危機感だ。米下院情報特別委員会は2012年の報告書で、両社が中国共産党や人民解放軍と密接につながり、スパイ工作にもかかわると指摘した。
 実際、米国防総省は今年5月、両社の携帯電話などを米軍基地内で販売することを禁止すると発表している。中国当局が携帯電話を盗聴器として使ったり機器を通じて情報を盗み出したりすることを防ぐためだ。
 こうした状況を踏まえ、日本政府は、各国と共同歩調をとって対処すべきだと判断し、具体的な方策の検討に入った。情報セキュリティーを担当する政府関係者は「規制は絶対にやるべきだ。公的調達からの除外の方針は、民間部門の指針にもなる」と強調する。
 政府内では、入札参加資格に情報セキュリティーの厳格な基準を設け、条件を満たさない企業の参加を認めないようにする案などが検討されている。政府の統一基準にあるセキュリティー機能確保規定を適用するなどし、入札時に両社を除外する案も浮上している。
 一方で、10月に予定される安倍晋三首相の訪中に向け、日中関係の改善ムードに悪影響が及ぶことを危ぶむ声もある。除外の方針が、世界貿易機関(WTO)の内外無差別原則に抵触すると解釈される余地も否定できない。
 日本政府関係者は「統一基準の中に『中国』の国名や企業名を盛り込むところまでは踏み込めないだろう」と話した。

米長官の訪朝中止 非核化せぬ交渉無意味だ(産経:主張)


ポンペオ米国務長官が予定していた4回目の北朝鮮訪問が取りやめとなった。トランプ大統領が指示した。
 トランプ氏は、その理由として「朝鮮半島の非核化に十分な進展が見られないと感じた」と説明した。現状はこの一言に尽きるだろう。
 北朝鮮は6月の米朝首脳会談で、「完全な非核化」を確約した。だが、核・弾道ミサイルの廃棄に向けた具体的な行動は一切取っていない。
 核兵器の搬出どころか、保有状況の申告もしていない。核、ミサイル実験を行っていないというだけだ。訪朝中止は当然である。
 ポンペオ氏は非核化のための交渉にあたっている。だが、前回の訪朝では、北朝鮮は、当然の要求を「強盗的」と反発した。
 北朝鮮が真摯(しんし)な姿勢を見せないなら、交渉の続行は有害ですらある。北朝鮮は核戦力を温存したまま時間を稼ぎ、中国やロシアを「後ろ盾」に自国有利の状況をつくりだそうとしている。
 トランプ氏は、首脳会談やその後の米朝交渉について、「大成功」「順調」と繰り返してきた。11月の米中間選挙を意識してのことだろう。
 だが、もはや言い繕えないと判断したのではないか。国務長官の重要日程が突然中止となるのは異例である。
 米国主導の「最大限の圧力」が金正恩政権を対話へと導き出した。トランプ政権はいま一度、その原点に戻るべきだ。
 北朝鮮に対する制裁は、洋上での「瀬取り」による密輸の監視強化など、厳格履行の努力が続けられている。重要なのは、トランプ氏自身が金氏に対し、「会談を楽しみにしている」といった態度をやめ、非核化要求を明確に突きつけることだ。
 米韓合同軍事演習の中止に代表される軍事的な緊張緩和措置の見直しも検討すべきではないか。
 ポンペオ氏の次回訪朝については、非核化への具体的な措置で、北朝鮮側から確約を得てから行うべきである。
 トランプ氏は、中国との貿易問題に触れて、北朝鮮に対する制裁圧力で「かつてのように協力していない」と非難した。
 状況がどうであれ、北朝鮮の非核化に向け、中国の役割が重要なことに変わりない。大国としての責任を果たしてもらいたい。

オスプレイ、佐賀配備合意 用地交渉、安全性 残る課題(東京新聞)


佐賀県が陸上自衛隊の輸送機オスプレイの佐賀空港配備受け入れを正式表明、配備予定地を所有する地元漁協も県との協議に応じる考えを示し、計画は動きだした。だが、漁業者との用地取得交渉や、公害防止協定を巡り課題は残る。トラブルが相次ぐオスプレイの安全性への懸念も残ったままだ。

 漁業振興や補償の基金創設などで国と県が合意し、山口祥義知事が正式に計画の受け入れを表明したことで、漁協が協議のテーブルに着く環境が一気に整った。県幹部は「急転直下だった」と振り返る。
 ただ、配備予定地の地権者でもある漁業者との用地交渉など、大きな課題がある。交渉は防衛省が担うが、国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡る国への不信感もあり、配備に強硬に反対する地権者は多い。佐賀県有明海漁協の徳永重昭組合長は記者団に、組合員の多数が反対の立場だと説明した上で「それぞれの土地に所有者がいて、難しい面がある」と語り、難航するとの見方を示した。
 防衛省は、オスプレイの安全性や環境への影響について漁業者らに説明を続け、理解を求める考えだ。

北朝鮮核問題 韓国は米国との連携維持を(読売:社説)


核放棄を求める米国と遅延を図る北朝鮮の間で駆け引きが激しくなっている。核問題の前進のためには、中国、韓国を含む国際社会が制裁圧力を維持することが不可欠だ。

 トランプ米大統領は、ポンペオ国務長官が予定していた訪朝を中止するよう指示した。「現時点では、朝鮮半島の非核化に関して十分な進展が得られているとは思えない」との認識も示した。
 米朝協議が膠着こうちゃく状態に陥ったのは、北朝鮮が非核化を先送りにし、制裁解除や体制保証を優先する戦術を強めているからだ。
 国際原子力機関(IAEA)は、北朝鮮が北西部・寧辺の核関連施設の稼働を継続するなど、核開発を「進展させている」ことを裏付ける報告書をまとめた。
 6月の米朝首脳会談で、金正恩朝鮮労働党委員長が約束した「朝鮮半島の完全な非核化」に逆行する動きであり、看過できない。
 北朝鮮は、すべての核兵器や核計画の申告を通じて非核化のスタートラインに立ち、核放棄の工程表作りを進めるべきだ。
 米国による「安全の保証」を重視する北朝鮮は、朝鮮戦争の終戦宣言の早期実現を執拗しつように求める。米国はすでに米韓合同演習中止というカードを切っている。非核化の具体的な動きがないまま、終戦宣言に応じるべきではない。
 懸念されるのは、韓国の文在寅大統領が北朝鮮との交流・協力に前のめりになっていることだ。
 南北は、文氏が9月に平壌を訪問し、金委員長と会談することで合意した。文氏は「南北関係の発展こそ、朝鮮半島の非核化の原動力になる」と強調し、南北間の鉄道、道路連結の着工式を年内に行う意向を明らかにした。
 文政権は、南北共同連絡事務所の北朝鮮・開城への開設も急いでいる。南北関係を緊密化させることで、米朝の仲介役の立場を強める思惑があろう。
 非核化の前進なしに北朝鮮との協力を加速させれば、米韓の足並みが乱れかねない。現状では、南北関係の進展に限界があることを文氏は認識すべきではないか。
 韓国当局は、国連安全保障理事会の制裁決議で禁輸対象となっている北朝鮮産石炭を密輸していた韓国企業を摘発した。安保理制裁委員会の専門家パネルの指摘で、密輸疑惑が表面化していた。
 金正恩体制の後ろ盾である中国が制裁を厳格に履行しているのか、不透明さが増している中で、韓国までもが制裁網のほころびを拡大してはなるまい。

北朝鮮が大規模軍事パレード準備か 米研究グループ(NHK)


北朝鮮が来月9日の建国70年の式典で軍事パレードを行う準備をしていて、その規模はことし2月に行った軍事パレードよりも大きくなりそうだという分析を、アメリカの研究グループが発表しました。

これは、北朝鮮の動向を分析しているアメリカの研究グループ「38ノース」が、北朝鮮の首都ピョンヤン郊外にある飛行場を撮影した衛星写真を分析し、24日に発表したものです。
それによりますと、今月22日に撮影された写真からは、戦車をはじめ、スカッドミサイルの移動式発射台と見られる車両などおよそ120台の軍用車両が隊列を組む練習をしているのが確認され、来月9日の建国70年の式典で軍事パレードを行う準備が活発になっているとしています。
そして、ことし2月に北朝鮮が行った軍事パレードと比較しても、軍用車両などを納めたコンテナの数が大幅に増えていることから、研究グループは「2月よりかなり大規模になる」と分析しています。
一方、2月の軍事パレードにはICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星15型」などが登場しましたが、今回の衛星写真からはICBMの移動式発射台は確認できないということです。
北朝鮮の式典には、中国の習近平国家主席が出席する方向で準備が進められていて、中国が後ろ盾となる形で、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が、非核化や、アメリカや韓国との関係について、どのようなメッセージを発信するか注目されます。

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