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“終戦”前のめりの文在寅政権、国連総会で「板門店宣言」配布する狙いは(産経:久保田氏の朝鮮半島ウォッチ)


 各国首脳による一般討論演説が行われる国連総会で、4月の南北首脳会談の成果である「板門店(パンムンジョム)宣言」英語版が配布されている。約190カ国の首脳が集まる機会に宣言の国際化を図るため、韓国が主体となって準備した。「板門店宣言」は政治宣言で法的拘束力を持たないが、韓国政府は現在、同宣言を国会に上程し批准を目指している。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は国連演説で「今度は国際社会が北朝鮮の努力に応える番だ」と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長を代弁し、「金委員長のスポークスマン」(米ブルームバーグ通信)などと揶揄された。

「終戦宣言」の文言めぐり騒動
 ニューヨークで文大統領はまず、国連のグテレス事務総長と会談し、先に平壌で行われた南北首脳会談について、「非核化に対する金正恩氏の確かな意志を確認できた」と述べて「今回、金正恩氏と終戦宣言の考え方についても合意した」と説明した。
 米シンクタンクでの講演では「金正恩氏は若く、極めて率直で礼儀正しく年長者に敬意を持っている」と褒めたたえた。

 韓国報道によると、板門店宣言の国連での配布は署名直後の今年4月30日、韓国政府が北朝鮮側に提案、その後、7月から英文の文言について数回の南北協議を経て、9月6日付で国連総会議長とグレテス事務総長宛に提出されたという。
 その過程で騒動になったのは、北朝鮮流に変わった英語版の翻訳だ。板門店宣言で終戦宣言に言及している第3条3項は、『南北は今年、終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換するとともに恒久的で強固な平和体制構築のため南北・米国の3者または南北・米中の4者による会談の開催を積極的に推進することとした』(韓国語版、英語版)となっていた。しかし、国連に提出された英文では、この部分が、『今年、終戦を宣言することで合意した』に変わっていた。
 これは北朝鮮版の英訳(朝鮮中央通信)と同じだったため、米政府系のVOA放送が「誤訳」と報道。韓国内で取材していたVOAの韓国系記者が一時、韓国大統領府担当者から「報道支援は難しい」などと圧力を受ける騒ぎになったのだ。
 同一の文書でも南北で表現が異なることはしばしばあるが、今回は国連に持ち込む際に韓国が北朝鮮の言い分を全面的に受け入れて翻訳を変えたことが明らかになり、その「従北」ぶりが目立った。
 日本の政府関係者は「われわれも気づいた。韓国は4月の時点から『今年中に終戦宣言したい』と言っていたので、そんなものだろうと受け取ったが、米政府にも問題意識は伝えてある」としており、日米は前のめりになる文政権に警戒感を共有しているようだ。

南北が「板門店宣言」に固執するワケ
 南北が「板門店宣言」に固執するのは、これが南北の終戦宣言であることに加え、実際に米中との終戦宣言が実現すれば北朝鮮の体制は保証される一方、米韓合同軍事演習の根拠が消えるからだ。
 また、「板門店宣言」は2000年の金大中(デジュン)元大統領と金正日(ジョンイル)総書記による「6・15」南北共同宣言と、07年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と金正日氏による「10・4」南北首脳宣言の内容を包含しており、明記されている事項をすべて実現したら約100兆ウォン(約10兆円)との試算もある経済復興援助計画でもある。
 終戦が確定すれば、南北統一に向けて北朝鮮が主張する連邦制と、韓国が主張する連合制への根拠文書ともなり得る。このモメンタム(機運)を高めようと、平壌での南北首脳会談では「9月平壌共同宣言」に「板門店宣言における軍事分野履行合意書」を付属させ、終戦の公文書化に腐心した。
 しかし、韓国では保守派を中心に、文政権の北朝鮮傾斜が一気に安全保障分野に及んできたことへの強い警戒感が出ている。「軍事分野合意書」は韓国側の陸海空の敵対行為中止を詳細かつ具体的に明記している半面、北朝鮮側の対応は担保されておらず、「韓国側の武装解除」を想起させたからだ。

 韓国政府は、「事実上の南北不可侵宣言だ」(大統領府の鄭義溶=チョン・ウィヨン=国家安保室長)などと胸を張ったが、合意書にのっとれば今後、韓国は軍事訓練や軍事力増強、さまざまな偵察行動について「南北軍事共同委員会」での協議が義務付けられ、米韓合同軍事演習ができなくなる可能性さえある。米韓の偵察監視能力は明確に低下する。この南北独自の軍事分野合意について、米韓間でどの程度協議されているのかは、いまのところ不明だ。
 「金委員長は経済発展のためいくらでも核を放棄できるという真剣さを持っている。私は信じている」と文大統領は米シンクタンクの演説で語った。だが、文氏が真剣に語れば語るほど、専門家たちの受け止めは一様に冷ややかになったという。
(編集委員)
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米、最新鋭戦闘機F35調達費が最安値に(産経N)


米国防総省は28日、最新鋭ステルス戦闘機F35、141機を計115億ドル(約1兆3千億円)で調達することで、製造元のロッキード・マーチンと合意したと発表した。これまでの調達で最安値となり、空軍仕様で航空自衛隊も導入したF35Aは1機当たり約8920万ドル(約101億円)となり、初めて9千万ドルを切った。
 ロッキードの担当者は28日、2020年までにF35Aの調達費を1機当たり8千万ドルまで値下げする意向を示した。
 米政府監査院(GAO)は昨年、F35の維持費が60年間で1兆ドル以上になるとの試算を発表。トランプ大統領は調達計画を「制御不能」と批判し、米軍は価格を抑制しなければ、調達機数を減らす必要があるとしてロッキードに値下げを迫っていた。
 F35Aは前回調達時と比較して5・4%減。海兵隊仕様のF35B、海軍仕様のF35Cも、それぞれ5・7%、11・1%減となった。値下げを受けて日本が調達を拡大する可能性もある。(共同)

静岡「正論」友の会第23回講演会 自民・佐藤正久参院議員「北朝鮮の外交レベル高い」(産経N)


「静岡『正論』友の会」の第23回講演会が29日、静岡県沼津市大手町のプラサヴェルデで、“ヒゲの隊長”こと参議院議員の佐藤正久氏を講師に招いて開催された。佐藤氏は「混迷深める日本を取り巻く東アジア情勢」と題し、米国や中国、韓国など周辺諸国との北朝鮮の外交戦略を読み解きながら、いかに日本が自国の国益を守るかについて約150人の聴衆を前に講演した。
 佐藤氏は6月の米朝首脳会談の事例を挙げ、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が中国のチャーター機で、中国国旗を背景にしてシンガポールに降り立ったことや、北朝鮮で縁起が良いとされる足すと「9」になる6月12日に開催することを米側に飲ませたことを紹介。「外交面で自国中心の米国に対し、全部対等に進めた。皆さんが思っているよりも(外交)レベルが高い」と分析した。合意文書についても「北朝鮮に有利で曖(あい)昧(まい)な文書ができてしまった」と危機感をにじませた。
 一方で、東日本大震災や今夏に相次いだ自然災害で活躍した自衛隊に関し、予算や人員不足などで取り巻く環境が悪化していることを憂い、「現場の隊員の方々が厳しい状況の中で、しっかり働ける環境を整えることがわれわれ政治の仕事であり国民の責務だ」と強調した。

「憲法改正議論、公明入れて合意案を」 自民・細田氏(朝日N)


細田博之・自民党憲法改正推進本部長(発言録)
 (国会で憲法改正を議論をすることについて)公明党は今はまだそこまで乗ってきてない。やはり、(自民、公明の)両党の間で話し合いを進め、公明党の意見も入れて、まず与党でしっかりと合意できる案を探そうじゃないか。
 (自民党の)総務会で最終的に我が党は絶対こうだと決めているわけでないが、今考えられる最良の案はこうなので、各党考えてくださいという意味で条文イメージを書いている。しかし、どういうわけか国会で(憲法改正の)議論が始まらない。共産党や立憲民主党は絶対、議論に乗らない。国会の審議をやらないことは「立憲」という党名と矛盾するのでないか。(青森県弘前市での講演で)

北朝鮮「一方的な核武装解除はない」国連総会で米をけん制(NHK)


北朝鮮のリ・ヨンホ外相が国連総会で演説し、アメリカとの非核化をめぐる協議について「われわれが一方的に核武装を解除することはない」と述べ、相応の措置をとるようアメリカをけん制しました。

ニューヨークを訪れている北朝鮮のリ・ヨンホ外相は29日、国連総会で演説を行い「キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長は、朝鮮半島を核兵器も核の脅威もない平和の地にするという確固たる意思を持っている」と述べ、非核化に向けた姿勢を強調しました。
そのうえで、アメリカとの非核化をめぐる協議について「非核化のためには信頼醸成が基本であり同時行動が原則だ。われわれは核実験場を閉鎖するなどしたがアメリカからは相応の応えがない。制裁と圧迫を強め、朝鮮戦争の終戦宣言にまで反対している」とアメリカを批判しました。
そして、リ外相は「われわれが一方的に先に核武装を解除することは絶対にない。互いに疑っているだけであれば、首脳会談の合意は失敗という運命を免れない」と述べ、相応の措置をとるようアメリカをけん制しました。
一方、北朝鮮は、今月行われた南北首脳会談の共同宣言で、アメリカの相応の措置を前提条件にニョンビョン(寧辺)の核施設を廃棄する用意があると表明しましたが、リ外相はこの内容や2回目の米朝首脳会談については言及しませんでした。

北朝鮮外交 融和先行のブレーキ役を(産経:主張)


 安倍晋三首相はトランプ米大統領との会談後、米朝首脳の2度目の会談について、「当然、大きな進展がなければならない」と述べた。
 北朝鮮による核・ミサイルの廃棄に向け、実質的で明確な成果を得ることが会談開催の前提だとくぎを刺したものだ。
 文在寅大統領が訪朝を果たした韓国同様、米国も北朝鮮との対話に前のめりの姿勢がみえる。懸念するのは、両国が融和を前面に出すことで圧力が緩み、非核化が遠のくことである。
 こうした流れに歯止めをかけるのが、日本の役割だ。目指すべきは「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」であると言い続けなければならない。
 同時に、米朝、南北の接触を、拉致問題解決へとつなげる努力が欠かせない。国連で短い日朝外相会談も実現した。機を逃さぬよう耳を研ぎ澄ます必要がある。
 国連総会演説で、トランプ、文両氏は、金正恩朝鮮労働党委員長の非核化への意欲を評価した。北朝鮮は核実験、弾道ミサイル発射をせず、関連施設の廃棄も表明した。だが、これらの措置は直接、非核化に結びつかない。
 核・ミサイルの脅威はトランプ氏が「ロケットマンの自殺行為」と難じた1年前と、本質的には何も変わっていない。
 トランプ氏は会見で、非核化に期限を設けない意向を示したが、先延ばしの口実になる。現段階であってはならない発言だった。
 非核化への行動を引き出すために重要なのは圧力の継続である。国連安全保障理事会で、北朝鮮制裁を討議する閣僚級会合を開いたのは時宜にかなっていた。
 ただ、会合で際立ったのは、制裁の厳格履行を強調する日米と、北朝鮮の後ろ盾として緩和を要求した中露との対立の構図だ。
 文氏は総会演説で、北朝鮮の取り組みに「国際社会が応える番」と述べた。これは中露に与(くみ)し、日米との連携を乱す発言である。自制を求めたい。
 安倍首相は総会演説で「すべての拉致被害者の帰国を実現する」と決意を表明した。同時に、金氏と「直接向き合う用意がある」と述べ、「北朝鮮がもつ潜在性を解き放つため助力を惜しまない」と誘い水を向けた。
 「拉致の解決なしに北朝鮮は未来を描けない」とする従来の一線は、決して譲ってはならない。

「旭日旗」掲揚自粛、日本は断固拒否 海自「要請は非常識」(産経N)


 防衛省・自衛隊は、韓国側が求める自衛艦旗「旭日旗」の掲揚自粛を断固拒否する構えだ。軍艦旗に当たる自衛艦旗の掲揚は、軍艦と民間船を区別するために課せられた国際ルールで、韓国側の要請は「非常識」(海上自衛隊幹部)と指摘せざるを得ないからだ。
 小野寺五典(いつのり)防衛相は28日の記者会見で「自衛艦旗の掲揚は自衛隊法などの国内法令で義務づけられている。国連海洋法条約上も、国の軍隊に所属する船舶の国籍を示す『外部標識』に該当する」と強調し、国際観艦式に派遣する海自護衛艦に、従来通り旭日旗を掲げる方針を示した。
 海自幹部も「国籍を示す自衛艦旗は国の主権の象徴でもある。『降ろせ』というのは非常識かつ礼儀を欠く行為で受け入れられない」と韓国側への不信感を隠さない。
 旭日旗は日本海軍の軍艦旗として使用され、海自の自衛艦旗にも採用された。先の大戦で日本と激戦を交えた米国を含め、現在では国際社会に広く浸透している。しかし、韓国内の反発は根強い。
 平成28年に行われた日米韓など各国海軍による共同訓練の際には、韓国世論が海自の旭日旗を問題視。各国艦船の韓国・済州島入港が中止された。海自幹部は「困難な政治問題があっても軍事交流には持ち込まないのが国際的な共通認識だが、韓国では反日世論が優先される傾向が強い。北朝鮮問題で日米韓の連携が重要になるが、こんなことが繰り返されれば信頼関係は築けない」と語る。

対北朝鮮外交 拉致解決の本気度を見極めよ(読売:社説)


日本人拉致問題を本当に解決するつもりがあるのか。北朝鮮の姿勢を見極めつつ、冷静に対処することが重要だ。
 安倍首相はニューヨークでの国連総会で演説し、「北朝鮮との相互不信の殻を破り、金正恩朝鮮労働党委員長と向き合う用意がある」と語り、日朝首脳会談への意欲を改めて表明した。
 膠こう着ちゃく状態に陥っている拉致問題の打開には、トップ同士の交渉は有効な手立てだ。北朝鮮が対話姿勢に転じた機会を捉え、解決の糸口を探る狙いは理解できる。
 今月中旬の南北首脳会談で、金委員長は「適切な時期に日本と対話し、関係改善を模索する用意がある」と語ったという。韓国の文在寅大統領が首相に伝えた。
 一方で、北朝鮮は公式メディアなどで「拉致問題は解決済み」との立場を変えていない。
 河野外相は国連本部で、北朝鮮の李容浩外相と会談した。日朝外相の接触は8月以来だ。7月には、北村滋内閣情報官が朝鮮労働党関係者と会談している。
 金委員長が拉致問題解決の重要性を認識しているか。様々な機会を通じて確認すべきだ。
 譲歩を小出しにし、より多くの見返りを得ようとするのは北朝鮮外交の常とう手段である。
 環境が整わないまま、日朝首脳会談を急げば、北のペースにはまりかねない。首相が「拉致問題の解決に資する会談にしなければならない」と述べたのは当然だ。
 2014年の日朝ストックホルム合意に基づく拉致被害者らの再調査は、北朝鮮が一方的に中止した。こうした不誠実な対応を繰り返させてはならない。
 北朝鮮の核と弾道ミサイルは日本にとって脅威だ。拉致問題と包括的に解決することで、北朝鮮との国交正常化の道が開ける。そうすれば、経済支援も可能になる、というのが日本の主張だ。
 日本はこの方針を崩さず、北朝鮮側から譲歩を引き出すことが大切だ。日朝間の実務的な折衝を積み上げたうえで、首脳会談に臨まなければならない。
 北朝鮮の非核化に向けて、2回目の米朝首脳会談の準備が本格化している。米朝交渉の進しん捗ちょく状況を見定めながら、日朝協議を進めることが欠かせない。
 日米韓の緊密な情報交換と政策協調が一層重要となる。
 拉致被害者の家族は、高齢化が進み、被害者の一刻も早い帰国を待ち望んでいる。長年の懸案をいかに解決に導くか、安倍外交の真価が問われよう。

官房長官 ”米大統領に防衛装備品導入の重要性伝えた”(NHK)


菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、27日、アメリカ ニューヨークで行われた日米首脳会談で、安倍総理大臣がトランプ大統領に対し、日本を取り巻く安全保障環境は厳しいとして、アメリカ製を含む高性能な防衛装備品の導入が日本の防衛力強化に重要だという認識を伝えたことを明らかにしました。

アメリカのトランプ大統領はこれまで、貿易赤字の削減などを目指し、日本を含め各国への兵器の売却を拡大する方針を示していて、27日、ニューヨークで行われた日米首脳会談のあとの記者会見では、「日本は防衛装備品も多く購入している」と述べました。
これに関連して、菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「日米首脳会談で、安倍総理大臣からトランプ大統領に対し、厳しい安全保障環境に対応するため、今後とも米国の防衛装備品を含め、高性能な防衛装備品の導入が、わが国の防衛力強化にとっては重要であるという旨を伝えた」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「日米間では、引き続いて緊密に協力していくことで一致しているということだ」と述べました。

防衛相「主体的な判断のもと防衛力強化」
小野寺防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「安全保障環境が一層厳しさを増す中、防衛力について、質および量を、必要かつ十分に確保することが不可欠だ。最新鋭の装備品の導入は非常に重要で、引き続き日米間で緊密な協力を行っていく。自衛隊の装備品は、防衛計画の大綱などに基づき、アメリカ製を含めて計画的に取得していて、今後も主体的な判断のもと、防衛力の強化に努めていく」と述べました。

東シナ海で米軍B52戦略爆撃機と空自戦闘機が共同訓練(NHK)


アメリカ軍のB52戦略爆撃機と航空自衛隊の戦闘機が27日、東シナ海で共同訓練を行いました。小野寺防衛大臣は、中国を念頭に、この地域での日米同盟の抑止力と対処力を強化するための訓練だと強調しました。

防衛省は、グアムに配備されているアメリカのB52戦略爆撃機1機と、航空自衛隊のF15戦闘機など16機の戦闘機が27日、東シナ海と日本海で共同訓練を実施したと発表しました。
小野寺防衛大臣は記者会見で、「日米同盟の抑止力や対処力を一層強化するため、共同訓練を実施した。日米の連携強化を図ることは、安全保障環境が厳しさを増している中で、地域の安定化に向けた日本の意志と高い能力を示す効果がある」と述べました。
東シナ海でのB52戦略爆撃機と航空自衛隊の共同訓練は、これまでにも実施されていますが、公表されたのは初めてで、この地域で活動を活発化させる中国をけん制する狙いがあるものとみられます。

歴史の誤報を反論できる日本に 東京大学名誉教授・平川祐弘(産経:正論)


 歴史教科書問題はデリケートだ。不愉快極まるのは誤報事件で、日本の文部省が検定で「華北への侵略」を「進出」に書き換えさせたと新聞が一斉に報じた。1982年のことである。中国・韓国が猛反発した。しかしそれは日本のメディアが日本を傷つけた例のフェイク・ニュースだった。

 ≪あたふたしただけの日本政府≫
 あのとき文部省は誤報だと最初からわかっていたのだから、大声をあげて反論すればよかった。担当官が職を賭して憤り、辞表を叩(たた)きつけていればまだしも救いはあった。戦前の官吏なら割腹自決して抗議したかもしれない。しかし日本政府があたふたしたのがよくなかった。宮沢喜一官房長官は及び腰で、談話は「アジアの近隣諸国に配慮する」と明記した近隣諸国条項へと発展、中韓による「外圧検定」騒ぎとなった。
 だが渡部昇一教授が『諸君!』10月号に「萬犬虚に吠えた教科書問題」を寄稿、日本の大新聞の報道は事実無根と真相を明かすや世間は唖然(あぜん)とした。さらによくなかったのは、誤報の経過を述べ詫(わ)びたのが『産経新聞』(9月7、8日付)だけで、他の新聞は訂正しなかったことだ。日本を傷つける分には虚報も許されるかのような風潮を広めた。
国際関係を悪化させる誤報は放置してよいのか。1929年12月、南京で出た『時事月報』に中国訳『田中義一上日皇之奏章』なるものが載った。そこには日本の内外蒙古への軍人スパイの派遣、鉱山の獲得、朝鮮人の移住、鉄道の建設、満蒙特産品の専売など全21条にわたる満蒙の征服・経営の方策が具体的に出ている。
 27年、田中首相から昭和天皇に上奏されたとされたが、実は偽書で作者は王家禎(後の国民政府外交部次長)だとわかっている。しかし『タナカ・メモランダム』は中国侵略計画書として世界に喧伝(けんでん)され、東京裁判でも取り上げられた。中国の歴史教科書には『田中上奏文』が今も載っている。

 ≪排日思想を煽った外国の教科書≫
 他国の教科書の誤りを指摘すると、相手の反発を招きかねない。戦前の日本は中国の教科書が排日思想を煽(あお)っているとして再三申入れを行った。それで効果が出たかは疑問だ。並木頼寿・大里浩秋・砂山幸雄編『近代中国・教科書と日本』はその間の事情を中国側研究者とともに調べている。東大に提出された徐冰教授の博士論文『中国近代教科書中的日本和日本人形象』(商務印書館)はバランスのとれたアプローチで両面を見ている。この種の研究は早く日本語版も活字にしてもらいたい。
 私は前にこんな文章を読んで驚いたことがある。「学校で使われている教科書を読むと、執筆者は憎悪の炎で国粋主義を燃え上がらせ、悲壮感を煽り立てているような印象を受ける。学校に始まり、社会の各層で行われている激しい外国排斥プロパガンダが学生を政治運動に走らせ、時には官庁や閣僚、高級官僚への襲撃、政府転覆の企(たくら)みへと駆り立てている」
 近年は外国と連動する一部日本左翼が、新しい歴史教科書が出るたびに非難を浴びせる。これは一体どの教科書ヘの批判か。わが国の教科書はこれほど過激でない。現行のものには排外主義で若者を扇動する記述はない。実はこれは中華民国の教科書に関するリットン調査団の報告だ。私は英国人リットン卿が中国の肩を持つ報告をするから日本は国際連盟を脱退した、と思っていただけに驚いた。

 ≪世界に向け事実に基づく発信を≫
 近年の最大の教科書問題はアメリカだ。「慰安婦。日本軍は14歳から20歳にいたる20万の女を強制的に徴用し、銃剣をつきつけて慰安所と呼ばれる軍隊用の女郎屋で無理矢理に働かせた。日本軍は女たちを天皇陛下の贈物として提供した。逃げようとした者、性病に罹(かか)った者は日本兵によって殺された。敗戦の際にこの件を隠すために日本兵は多数の慰安婦を虐殺した」
 マグロウヒル歴史教科書のジーグラー氏執筆のこの記述は誇張と歪曲(わいきょく)によって私たちをいたく驚かせた。だが日本側が訂正申込みをしても応じるどころか、北米の歴史学会員が逆に、教科書擁護の声明を出した。韓国慰安婦にまつわる誤情報が朝日新聞によって流された経緯は日本でこそ知られているが、海外では知られていない。
 その中で朗報は、秦郁彦氏の客観的な研究『慰安婦と戦場の性』の立派な英訳 Comfort Women and Sex in the Battle Zone がアメリカのハミルトン社からついに出たことだ。日本が不当に扱われると憤激する正論派は多いが、内弁慶では反撃の効果はない。国際的に通じる、きちんと註のついた学術書を世界に向けて発信する。それが日本の汚名をそそぐ捷径(しょうけい)だ。
 私たち日本の学者も外交官も相手の言い分を理解する語学力はあるが、相手の言葉で説得的に反論できる力が足りない。歴史問題では問題点を確かめ、相手の誤りを事実に即して上手に知らせるがよい。そのためにはこの種の英文書籍を活用することが大切だ。(東京大学名誉教授・平川祐弘 ひらかわすけひろ)

安保法3年:広がる自衛隊の活動(朝雲:時の焦点)


 1956年、エジプトが突然、スエズ運河の国有化を宣言すると、英国とフランスはすぐさま軍事介入した。イスラエル軍もエジプト領シナイ半島を占領した。スエズ動乱である。
 米ソの対立で、紛争が起きても国連の安全保障理事会は機能を果たせなかった。
 事態を憂慮した当時の国連事務総長が「国連緊急軍」の創設を主導し、現地に派遣した。緊急軍はその後10年にわたって平和維持に貢献する。これが国連平和維持活動(PKO)の誕生のきっかけだ。

 日本は、「自衛隊の他国への派遣は戦前の海外派兵と一緒だ」という愚論に振り回されながらも、92年、PKO協力法を成立させた。自衛隊はカンボジア、ゴラン高原、東ティモール、南スーダンなどで多くの実績を残している。
 国際社会の平和と安定のため、自衛隊が様々な形で支援活動に携わり
、国力にふさわしい役割を果たすことが重要だ。
 政府が新たな貢献策として、PKOの原点であるシナイ半島で活動する多国籍軍監視団(MFO)に、陸上自衛隊員の派遣を検討している。
 MFOは、かつての緊急軍に代わり、エジプトとイスラエルの国境周辺で停戦監視などにあたっている。米英など12カ国で構成しているが、国連の傘下にはない。
 安全保障関連法では、PKOと異なる多国籍軍への参加が認められた。機動的な対処を可能にする狙いがあった。
 派遣は司令部要員数人にとどまる方向だが、自衛隊が活動の幅を広げ、中東の安定に貢献することは、政府が掲げる積極的平和主義にも合致しよう。
 南スーダンに派遣されていた陸自部隊が昨年、撤収して以降、日本はPKOに部隊を派遣していない。
 PKOの主要任務は、かつての停戦監視から、武装解除、文民保護、国造り支援など多岐にわたるようになっている。危険にさらされるケースも増えた。
 日本は安保関連法で、任務の妨害を排除する「任務遂行型」の武器使用などを認めたが、なお制約は多い。
 政府は、国連による新たなPKO派遣の可能性を探りながら、日本にもできる部隊派遣を検討すべきだ。
 安保関連法は、19日で成立から3年を迎えた。日本の存立が脅かされる事態が発生した際に、集団的自衛権の限定的な行使を認めたほか、平時の米軍への後方支援活動を拡大した。米艦船の警護や給油活動などにつながっている。
 日米の共同訓練が「米軍の武力行使との一体化にあたらないか」といった不毛な論争に終止符を打った意義は大きい。
 危機での共同対処に向けて、同盟を実効あるものにする努力が欠かせない。
夏川 明雄(政治評論家)

米国務長官、来月に訪朝 トランプ氏、非核化期限固執せず(東京新聞)


 【ニューヨーク=赤川肇】ポンペオ米国務長官は二十六日、北朝鮮の李容浩(リヨンホ)外相とニューヨーク市内で会談し、トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の二回目の首脳会談に向け、ポンペオ氏が十月に平壌を訪問することで合意した。米国務省が発表した。 

 発表によると、ポンペオ氏の訪朝は正恩氏の招請を受け入れた。六月にシンガポールで行われた米朝首脳会談で合意した非核化の進展と、二度目の首脳会談への準備が目的という。
 ポンペオ氏は二十六日午前の米CBSニュースに出演し、二度目の首脳会談の時期について「十月かもしれないが、十月より後の可能性が高い」と説明。非核化を確認するために米側が求めた検査官の現地入りを正恩氏が容認しているとの認識を明らかにした。
 また、トランプ氏は同日夕、ニューヨーク市内で記者会見し、非核化の期限について「時間を競っているわけではない。二年、三年、あるいは五カ月でも構わない」と固執しない考えを明らかにした。北朝鮮が核実験やミサイル発射をしていない現状を理由に挙げた。
 さらに、北朝鮮側が主要核施設が集中する寧辺(ニョンビョン)の核施設を永久廃棄する用意があると表明した南北首脳会談の合意文書に関し「北朝鮮側はもっと多くを取り壊そうとしている。すぐに分かるだろう」と非核化に向けた進展を示唆した。
 トランプ氏は同日の国連安全保障理事会で、非核化について「うまくいくと思う」と強調。一方で「残念ながら(非核化の)前進を確実なものにするために、非核化するまで安保理決議を履行させなければならない」と制裁維持を訴えた。

空自と米軍のB52、大規模な共同訓練実施(読売N)


核兵器を搭載できる米空軍のB52戦略爆撃機と航空自衛隊の戦闘機が27日、東シナ海から日本海にかけての広い空域で大規模な共同訓練を行ったことがわかった。尖閣諸島(沖縄県)のある東シナ海での訓練のほか、日本海をB52が北上するのに合わせて、空自の複数の基地に所属する多数の戦闘機が順次、訓練に参加した。中国を念頭に日米の連携を示す狙いがあるとみられる。

 政府関係者によると、B52は米領グアムのアンダーセン空軍基地から飛来。沖縄周辺の東シナ海上空で空自那覇基地(同)の複数のF15戦闘機と編隊飛行などの訓練を行った後、九州沖で同築城基地(福岡県)のF2戦闘機と訓練して日本海に入った。その後、日本海を北上し、別の基地の空自戦闘機とも順次、訓練を行ったという。

陸自相浦 水陸機動団発足から半年 南西防衛の中核へ進化(長崎新聞)


離島防衛を主な任務とし「日本版海兵隊」と呼ばれる陸上自衛隊水陸機動団が、佐世保市の相浦駐屯地に発足して27日で半年を迎える。これまで部隊内の連携強化や海上自衛隊、他国との共同訓練を重ねてきた。識者は「西方重視、離島防衛をにらんだ本格的な動きが見えてきた」と分析する。
 
機動団の発足に伴い、作戦の主体となる水陸機動連隊に加え、水陸両用車の操縦・戦闘を担う戦闘上陸大隊、120ミリ重迫撃砲を運用する特科大隊などが組織化された。
 「戦力の一体化は創隊以来のスローガンだ」。青木伸一団長(52)が強調するようにこれまで各部隊の連携を強化してきた。日々の訓練に加え、日出生台や霧島演習場などで9回にわたり演習。機動団は「団長の指揮命令で部隊を動かせる。自隊で完結できるようになったことは大きい」とする。
 海上自衛隊や他国との共同訓練も進む。海自とは5月に九州近郊の海域で▽輸送艦から水陸両用車を発進・収容させる訓練▽エアクッション型揚陸艇(LCAC)を使った揚陸訓練-を実施した。6~8月には、米国や英国など26カ国による環太平洋合同演習(リムパック)に参加。9月1日の佐世保市総合防災訓練も共同で臨んだ。10月には米国、フィリピンの海兵隊と災害救援活動などの訓練が予定されている。
 装備についても大きな動きがあった。機動団と一体運用される陸自オスプレイの佐賀空港(佐賀市)配備計画で、佐賀県の山口祥義知事は8月、正式に受け入れを表明。国が20年間に計100億円の着陸料を支払い、これを基に県が漁業振興基金を創設するなどの使用条件で合意した。今後、反対する地元漁協と協議が始まる。青木団長は佐賀県の受け入れについて「非常にありがたい」と語る。
 軍事評論家の前田哲男さんは「海外での演習に参加するなど、海兵隊の機能を果たすべく、着々と進化している」と受け止める。さらに「オスプレイは水陸機動団の“足”になる。南西防衛の中核として相浦の位置付けが高まっていることが、この半年でくっきり見えてきた」と話す。

北朝鮮の真意探る日本政府 韓国の文大統領にも不信感(産経N)


 日本政府は、米ニューヨークで25日夜(日本時間26日午前)に行われた日韓首脳会談で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長について「拉致問題も含め、安倍晋三首相と向き合う必要があると分かっている」とした韓国の文在寅大統領の説明を冷静に受け止めている。北朝鮮との関係改善に強い意欲を見せる文氏が、拉致問題をてこにして日朝の接近を狙っているとの懸念も否定できないためだ。
 「文大統領より、拉致問題解決の重要性など金委員長に伝達したとの紹介があった。金委員長の反応を含め、外交上のやりとりの詳細、評価について述べることは差し控えたい」
 菅義偉官房長官は26日の記者会見でこう指摘し、日韓首脳会談について踏み込んだ言及を避けた。日朝首脳会談に関しても「現時点で決まっていることは何もない」と述べた。
 日本政府は、文氏が安倍首相に説明した中で、拉致問題を含む日朝関係の部分を公表していない。文氏の発言の信憑性がまだ不明だからだ。
 日本政府はかねて慰安婦問題などで「文氏は言動がちぐはぐ」との印象を持っており、文氏への不信感が根強い。北朝鮮をめぐる対応でも、文氏やその周辺は「もともと親北朝鮮派」とされ、日米両政府は常に文政権を不安視してきた。
 とはいえ、直近で金氏と会った外国首脳は文氏だけだ。南北首脳会談で、文氏が首相のメッセージを金氏に伝達したところ、金氏は「適切な時期」に日本と対話する意向を表明。「拉致は解決済み」との立場は口にしなかったとされる。
 日本政府は既に北朝鮮と水面下で接触を始めており、当面はさまざまな外交ルートを使いながら文氏の発言の裏付けを急ぎ、金氏の意図も慎重に見極める方針だ。
 「日朝が動くのは米朝の後だ」。日本政府関係者は日朝間の交渉が米朝協議を追い越して始まることはないとしている。北朝鮮の非核化を含む米朝協議の進展が確認されるまで、日米、日米韓で緊密に連携しながら対北経済制裁を維持し、北朝鮮に具体的な行動を促す考えだ。
(ニューヨーク 田北真樹子)

日本は「大人の国」になったか 金沢工業大学虎ノ門大学院教授・伊藤俊幸(産経新聞)


≪公表に踏み切った対潜水艦訓練≫
 今月17日、海上自衛隊は南シナ海で「9月13日に護衛艦部隊と潜水艦が対潜戦訓練を行った」と公表した。これまで海自は対潜訓練や潜水艦の行動については、ほとんど公表してこなかった。それは「隠密性の確保」が、潜水艦の存在意義そのものだからだ。筆者も潜水艦乗りだったが、「明日から出港する」と家を出ても「いつ帰る」とは家族にも伝えなかった。にもかかわらず公表に踏み切ったのは、これが「戦略的な情報発信」だったからだ。
 平成25年に日本政府が策定した「国家安全保障戦略」の「(日本国)内外における理解促進」の項目の中に、「官邸を司令塔として、政府一体となった統一的かつ戦略的な情報発信を行う」とある。今回はこれが行われたのだ。
 中国外務省の耿爽報道官は「現在、南シナ海の情勢は安定に向かっている。域外の関係国は慎重に行動し、地域の平和と安定を損なわないよう求める」と述べたにとどまった。人工島などの12カイリを意図的に通過する「航行の自由作戦」ではなく、九段線内の公海で行った訓練はそもそも中国に文句を言われる筋合いはない。
 しかし、中国を刺激することを見越した海自の公表は、国家安全保障局との綿密な事前調整によって行われたことは間違いない。
 今回の海自艦艇の活動は、「平成30年度インド太平洋方面派遣訓練」として、護衛艦かが、護衛艦いなづま、護衛艦すずつき、および搭載ヘリコプター5機、総勢800人からなる部隊が、8月26日から10月30日まで約2カ月間行う訓練航海の一環である。
その間、インド、インドネシア、シンガポール、スリランカ、フィリピンを訪問し、各国海軍との共同訓練も行われる。この活動は8月21日に公表され、その目的の一つは「地域の平和と安定への寄与を図る」と明言している。活動地域は“自由で開かれたインド太平洋”の海域だ。

 ≪活動は米海軍とも調整ずみ≫
太平洋軍からインド太平洋軍に名称を変更した米海軍空母部隊は、中国を意識しつつ半年間ずつ年間2交代で、この地域を遊弋(ゆうよく)するプレゼンス活動を行っている。
今回の海自部隊は、同レベルの活動をしていると見ることもできる。当然、対外的にインパクトが大きい訓練実施の可否は、官邸や国家安全保障局と調整される。ちなみに同部隊にはテレビなどのメディアも同乗しているという。
27年4月に策定された「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」には、「日本の平和及び安全の切れ目のない確保」のため、平時から緊急事態までのいかなる段階においても、日米調整メカニズムにより「柔軟に選択される抑止措置(FDO=Flexible Deterrent Options)」をとるとある。
FDOは、国力の各要素(外交、軍事、経済、情報など)を駆使し、これを柔軟に運用することで紛争を抑止する方法論で、その手段の一つが「適切な経路を通じた戦略的な情報発信(IO=Information Operations)」だ。今回の活動も米海軍とは当然、調整されている。
 ちなみに「IO」という用語は、筆者が在米国防衛駐在官だった2000年頃から米軍で多用され、イラク戦争では記者を従軍させるエンベッド方式を採用して「正しい戦争」の宣伝に成功、「戦略的広報」とも呼ばれた。
このように国家としての目的を果たすため、国力の各要素を政府内で一致(Synchronized)させ、統一的メッセージとして伝えることを「戦略的コミュニケーション」あるいは「コミュニケーション・シンクロナイゼーション」という。
昨年4月以来、米国が採用している「あらゆる選択肢がテーブルの上に載っている」とする対北朝鮮政策や、尖閣諸島の日本国有化の際に、中国が日系企業の破壊や日本人の拘束、レアアースの禁輸などを日本に同時にぶつけてきたのもこれにあてはまる。

 ≪従来なら忖度して取りやめに≫
日本の対外政策は一度友好ムードになると、たとえ相手国が間違っていても、なるべく刺激を避ける対応になりがちだった。特に日中友好の機運が高まり、来月には安倍晋三首相の訪中が予定される時期にあって、従来なら中国を刺激しかねないインド太平洋での活動・訓練は、各省などが“忖度(そんたく)”して取りやめになっていたかもしれない。
そもそも大国同士は経済では相互依存の関係であっても、国際政治や国際法上間違っていることに対しては「堂々と伝える」ことができる「是々非々の関係」であるべきだ。
南シナ海での中国の海洋政策が国際法違反であることは、仲裁裁判所による裁定のとおりだ。その中国の誤りを正すべく、日米豪印英仏の海軍が行動で示している。日本も「右手で握手し、左手でげんこつを握る」ことができる“大人の国”になったと評価すべきだろう。
 

首相「正恩氏と向き合う」…北の対話用意発言で(読売N)


【ニューヨーク=石田浩之、池田慶太】安倍首相は25日(日本時間26日)、韓国の文在寅ムンジェイン大統領とニューヨークで約50分間会談した。文氏は18、19日の南北首脳会談で、北朝鮮の金正恩キムジョンウン朝鮮労働党委員長が「適切な時期」に日本と対話する意思を示したことを首相に伝達。首相も北朝鮮との直接対話に意欲を表明した。
 首相と文氏の会談は、南北首脳会談後初めて。文氏は、正恩氏が「日本との対話」に言及したことを紹介するなど、南北首脳会談の詳細を説明した。その上で文氏は「朝鮮半島の平和構築のためには日朝首脳会談が必要になる。実現のため積極的に協力する」と述べた。
 首相は謝意を示し、「北朝鮮との相互不信の殻を破り、直接向き合う用意がある」と強調した。

在韓米軍次期司令官「北朝鮮の脅威に変化なし」(NHK)


韓国に駐留するアメリカ軍の新しい司令官に指名されたエイブラムス陸軍大将は議会で証言し、さきの米朝首脳会談後も北朝鮮軍の兵力に変化はなく、アメリカなどにとって依然重大な脅威であるという認識を示し、北朝鮮への警戒を続ける必要性を強調しました。

韓国に駐留するアメリカ軍の新しい司令官に指名されたエイブラムス陸軍大将は、25日、議会上院の軍事委員会で行われた承認のための公聴会に出席しました。
この中でエイブラムス大将は、北朝鮮情勢について、ミサイルの発射や核実験が行われなくなったほか、軍の将官級による協議が開催されるなど、緊張緩和に向けた動きが進んでいるという認識を示しました。

その一方で、「北朝鮮は世界で最大規模の通常兵力を保有しており、その配置に変わりはない」と述べて、ことし6月の米朝首脳会談後も北朝鮮軍の兵力に変化はないという分析を明らかにしました。そして、「北朝鮮は依然として大陸をまたぐ重大な脅威を有している」としてアメリカや同盟国に対する脅威に変わりはないという認識を示した上で、「我々は状況を注視し続けるべきだ」と述べて、北朝鮮への警戒を続ける必要性を強調しました。
また、エイブラムス大将は米朝首脳会談を受けて、米韓合同軍事演習が中止されていることで、軍の即応体制がわずかながら低下しているという認識を明らかにした上で、小規模な演習を実施することで即応体制の低下を補う方針を示しました。

河野外相 PKO部隊の能力向上への貢献を表明(NHK)


ニューヨークを訪れている河野外務大臣は、国連のPKO改革をテーマにした会合に出席し、PKO部隊の能力向上や女性の要員を増やすために貢献していく方針を示しました。

PKO改革をテーマにした閣僚級会合は、国連総会にあわせて日本時間の26日朝、ニューヨークの国連本部で開かれ、日本からは河野外務大臣が出席しました。
この中で、河野大臣は「日本は積極的平和主義の旗のもと、国連PKOが抱える課題に国連や加盟国とともに取り組み、日本の強みを生かして能力構築支援の強化や部隊の派遣など、具体的な貢献を続けていく」と強調しました。
そのうえで、PKO部隊の要員育成や能力向上に向けて、これまでアフリカで行ってきたインフラ整備などに使われる重機の操作訓練を、ことし11月に、ベトナムでも実施することを明らかにしました。
また、活動の現場で女性や子どもを保護するためには女性の要員を増やすことが重要だとして、女性専門家の育成や女性士官の訓練を支援する方針を示しました。

現実逃避の安保論議は禁物だ 元駐米大使・加藤良三(産経:正論)


従来、中国の長期・戦略思考を褒める言葉に「何せ孫子の兵法の国だから」というのがある。戦わずして勝つ、これぞ極意という辺りが共感を呼ぶのだろう。しかし孫子の兵法は非戦論でも平和論でもない。兵法の名が示す通り軍事戦略論の一つに違いない。
 すぐに干戈(かんか)を交えては自らの犠牲が多くなるので、時間をかけて相手を圧倒する戦力をじっくりと構築し、屈服させるという極めて慎重な軍拡論だと思う。そして勝った後の統治のあり方について特に述べるところはない。

 ≪日本で受けのいいソフトパワー≫
 この兵法の現代性はどうなのだろう。近年、中国の南シナ海における一連の軍事動向や、軍要人の「台湾が火の海になる」などの言動は、周囲の注意や懸念をかき立てる類いのものであり、中国自身は孫子の兵法の効用をあまり感じていないのかもしれない。
 日本で受けのいい言葉に「ソフトパワー」がある。軍事力という「ハードパワー」への対抗概念であるソフトパワーを充実させれば、軍事力は少なくて済むという感覚を示すものだろう。
 ソフトパワーを最初に言い出したのはジョセフ・ナイ教授だったと思うが、アメリカの主要な有識者は安全保障政策面でハードパワーとソフトパワーを二者択一の関係だとは捉えていない。それらは両方相まって総合的「スマートパワー」をなすものであって、専(もっぱ)らソフトパワーによって戦わずに勝つという安保戦略があるという幻想は抱いていない。
 冷戦を自由民主主義側が制するにあたってソフトパワーの効用が大きかったと多くの識者が認めている。当時、米欧の対ソ連戦略の3本柱は(1)NATO(北大西洋条約機構)(2)EC(欧州共同体)(3)CSCE(全欧安保協力会議。対ソ文化攻勢戦略の中核)だった。
 NATOはハードパワー、CSCEはソフトパワー、ECはそのための欧州諸国の体幹強化の枠組みといえるだろう。この組み合わせの相乗効果は巨大だったが、その基盤においてパシフィスト志向はいたって希薄であった。

 ≪危急の際に頼れる国は造れるか≫
 冷戦中1980年代の日本では「総合安全保障」の考え方が一時脚光を浴びた。必要最小限の自衛力に経済、経済協力、科学・技術、文化の力を総合して安保能力を高めるという考え方で至極まっとうなものではあるが、もともと安全保障は総合的、包括的であるに決まっている。それをわざわざ「総合的」などと銘打つのは、日本が本来なすべき防衛努力を回避するための理論構成ではないかということで、アメリカにはあまりアピールしなかった。
 日米安保体制の下、「ごつい(ローバスト)」仕事はアメリカ、「やさしい(ビナイン)」仕事は日本という役割分担は中長期的に見て日米双方に利益をもたらして今日に至る。実際、最近まで日本の軍事力増強を懸念するアメリカの有識者は多かったし、アジア・太平洋にもそれに同調する声は強かった。
 ソフトパワー外交というものがあるとして、難点はそれによって漠然と日本に好意的で有利な国際環境を醸成できても、危急存亡の際、日本のために血を流す国を(アメリカ以外に)造るだけの国際浸透力を期し難いことにある。
 そういう国際社会の現実の下、日本では少なくとも「お目覚めコール」(ウエーク・アップ・コール)が鳴っていることに、多くの国民はとうに気付いていると思う。
 要するに今、世論調査で4分の3の国民が現状に満足しているという国際的にもまれな幸せな状況を維持するなら、自己防衛力、「実力」のあるべき姿の議論を回避する安保論はありえないのだと思う。

 ≪防衛態勢考える好個の機会に≫
 振り返れば、あれだけ難しい状況だった1957年に日本(岸信介内閣)が定めた「国防の基本方針」は、優れた先見性と今日性を持つ文書である。「方針」の枢要なポイントは、当時の日本のリーダーが「国力国情に応じ自衛のため必要な限度において、効率的な防衛力を漸進的に整備する」「外部からの侵略に対しては(国連が機能するまで)米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する」としている点だ。
 今日あるべき自己防衛力を論ずる基盤は変化している。サイバーや人工知能(AI)、宇宙などで、サイバー一つをとっても、使い方如何(いかん)によってソフトパワーでもハードパワーでもありうる。
 筆者が現役の役人であった頃、例えば「個別的自衛権」発動の要件に関する国会質疑は(日本的美学に合うのかどうか知らないが)ほとんど「やあやあ、われこそは」で始まる戦争作法との整合性をいい大人が真剣に論じているがごとくであった。
 アメリカにおけるトランプ政権誕生は、日本が基本に戻って日本にふさわしい抑制的、理性的防衛態勢をどうするか、タブーなしに論ずる好個の機会を提供しているのだと思う。(かとう りょうぞう)
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米朝首脳再会談 トランプ氏は功を焦るな(産経:主張)


トランプ米大統領が、北朝鮮の核・ミサイル問題をめぐって金正恩朝鮮労働党委員長と再び会談する意向を表明した。
 6月の米朝首脳会談以降、金氏は非核化への「意思」はしきりと口にするが、実質的な行動はとっていない。それを引き出せなければ、再会談の意味はあるまい。
 トップ同士の交渉にさきがけてポンペオ国務長官以下、米政府関係者が一体となり、周到な準備を行うべきだ。制裁の厳格履行など強い姿勢で臨んでもらいたい。

 先の南北首脳会談の共同宣言で金氏は、寧辺の核施設の廃棄に言及したが、米国の「相応の措置」を前提条件とした。
 朝鮮戦争の終戦宣言や体制保証などを指すとみられる。国際社会の制止を無視して核・ミサイル開発に走ったのは北朝鮮である。悪行をやめるのに見返りを求める厚顔さにはあきれるばかりだ。
 北朝鮮の核・ミサイル戦力が深刻な脅威であるのに、体制保証や、在韓米軍駐留の正当性を弱めかねない終戦宣言は議論の対象とすべきではない。

 北朝鮮は1994年の米朝枠組み合意で、核開発を凍結すると嘘をついて重油や食糧を手に入れた。2005年の6カ国協議での核放棄の約束もほごにした。
 08年にも寧辺の核施設の一部を爆破してみせたが、核放棄には何らつながらなかった。偽りの政治ショーに長(た)けた国であることを忘れてはならない。
 北朝鮮が今とるべきは、核・ミサイル開発計画の全容と、現有の核兵器、ミサイルおよびその関連施設をすべて明らかにし、廃棄あるいは国外に搬出することだ。その際、米国と国際原子力機関(IAEA)の査察を無条件で受け入れることが欠かせない。
 この行動に踏み切るかどうかだけが、金氏の非核化の言葉が真実か見極めるものさしとなる。
 トランプ氏は、北朝鮮に翻弄された歴代米政権を批判してきた。自分は違うと示せるかどうか、今が正念場だ。11月に米中間選挙を控えるが、トランプ氏は功を焦ってはなるまい。北朝鮮の無理な注文をはねつけることが、かえって交渉を促進させることもある。
 安倍晋三首相は首脳会談でトランプ氏に対し、冷静かつ現実的に北朝鮮に向き合うよう促してほしい。拉致問題解決への支援を求めることも重要課題である。

米朝再会談 「北」主導で非核化は進まぬ(読売:社説)


北朝鮮の非核化で具体的成果を上げることが、2回目の米朝首脳会談の最重要課題である。米国は確固たる戦略を立て、曖昧な合意を繰り返さないようにしなければならない。

 トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領がニューヨークで会談し、米朝首脳の再会談に向けて協力することで一致した。
 文氏は約1週間前に訪朝し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談している。金委員長が「早期にトランプ氏と会い、非核化プロセスを速やかに終わらせたい」と述べたことを明らかにし、トランプ氏宛ての詳細なメッセージも伝えた。
 金委員長が南北首脳会談で表明したのは、「米国の相応の措置」を条件に、寧辺の核施設などを廃棄する方針に過ぎない。
 非核化を進める意思は本当にあるのか。現有する核兵器を温存したまま、朝鮮戦争の終戦宣言を実現させ、米国から体制保証を勝ち取ろうとしているのではないか。真意を見極める必要がある。
 トランプ氏が再会談の開催地を間もなく公表する、と語るなど、前のめりになっているのは気がかりだ。11月の中間選挙を控え、国内向けのアピールにとらわれていては、北朝鮮に交渉の主導権を握られるだけだろう。
 再会談の最終準備のため、ポンペオ米国務長官は近い時期に訪朝する意向を示した。北朝鮮に全ての核兵器と関連施設を申告させ、査察や廃棄の期限、手続きなどを定めた工程表を早急に作成することが先決である。
 米韓同盟の軍事的意義や北朝鮮に対する抑止力の重要性を強調する発言は、トランプ氏からも文氏からも聞かれなかった。南北首脳会談の際に、双方の国防相が署名した軍事分野での合意書が影響を及ぼしている可能性が大きい。
 大規模な軍事訓練や戦力増強について、南北は「軍事共同委員会」を通じて協議するという。軍事境界線付近に飛行禁止区域を設定することも決まった。
 米韓両軍の活動が大幅に制約されるのは問題だ。北朝鮮の軍事挑発の徴候をつかむ偵察活動にも、支障が出る恐れがある。今夏中止した合同軍事演習の再開が困難になるのは間違いない。
 緊張緩和を進める狙いは理解できるが、北朝鮮の軍事的脅威は軽減していない。米韓同盟は、韓国の防衛だけでなく、北東アジア全体の安定にも寄与している。
 米韓両国は、北朝鮮の対話攻勢に惑わされず、安全保障面での連携を維持すべきだ。

横田基地のオスプレイ配備 周辺自治体など安全対策を要請(NHKニュース)


アメリカ軍の輸送機、オスプレイが来月、東京のアメリカ軍横田基地に配備されるのを前に、基地周辺の自治体などは25日、防衛省に対し安全対策の徹底などを要請しました。

東京の横田基地には、来月1日に、アメリカ空軍の輸送機CV22オスプレイ5機が、新たに配備されることになっています。
これを前に、東京都と横田基地周辺の6つの市や町で作る連絡協議会は25日、副会長を務める福生市の加藤市長らが防衛省を訪れました。
そして、小野寺防衛大臣に安全対策の徹底や騒音など住民の生活環境への影響を最小限におさえることなどを、アメリカ軍に働きかけるよう求める要請書を手渡しました。
これに対し、小野寺大臣は「オスプレイは安全な機体だと思うが、地域の住民が懸念を持っていることも深く感じている。飛行の安全が最重要で、少しでも不安がないようにしていきたい」と述べました。
このあと、加藤市長は記者団に対し「基地の周辺には、海もなく、降りるところがない。安全性を担保するよう強く求めていきたい」と述べました。

離島防衛に超音速滑空弾=防衛省、26年度実用化目指す-沖縄に配備念頭(時事通信)


防衛省は、沖縄県・尖閣諸島などの離島防衛を強化するため、「島しょ防衛用高速滑空弾」の開発を進めている。高高度に打ち上げたミサイルから分離させた弾頭を、超音速で地上の目標に落下させるもので、陸上自衛隊による離島奪還戦力の一つと位置付けている。同省は当初の計画より開発を約7年早め、2026年度の実用化を目指す。

 発射装置は移動式とみられる。射程が比較的長いことから、防衛省が航空自衛隊に導入する対地攻撃型の長距離巡航ミサイルと合わせて敵基地攻撃能力があるとみなされ、周辺国から警戒される可能性もある。
滑空弾はロケットモーターで推進。高度数十キロで弾頭が切り離され、大気圏内を超音速で地上の目標に向け滑空、着弾する。高速で対空火器に迎撃されにくく、敵が侵攻した離島周辺の島から発射する。
 
防衛省が研究・開発を進める「島しょ防衛用高速滑空弾」のイメージ(同省資料より)
 防衛省は、東シナ海で活動を活発化させる中国軍の脅威に対処するため、沖縄県の宮古島や石垣島に陸自の地対艦誘導弾のミサイル部隊などを配置する計画を進めており、滑空弾はこれらの陸自部隊に配備される可能性がある。
 同省幹部は「島しょ部に侵攻された場合には陸自の水陸機動団が投入されるが、機動団の上陸・奪還作戦を効果的に実施するには、対地攻撃能力が必要」と説明する。
 実用化には、超音速で滑空できるようにする姿勢制御システムや、滑空する際に大気との摩擦で生じる高熱に弾頭が耐えられる技術を確立する必要がある。同省は、早期装備型とその性能向上型を順次開発し、25年度に試験を完了させる計画だ。
 滑空弾の研究開発は18年度から予算化され、防衛省は19年度予算の概算要求では138億円を計上した。

北の「交渉術」披露した平壌宣言 モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授・西岡力(産経:正論)


「餅をくれるはずのやつはそんな考えはないのにキムチの汁から飲んでいる」-韓国のことわざで、拙速に自分の都合のいいように事態を考える愚かさを意味している。韓国の文在寅大統領と北朝鮮の独裁者、金正恩朝鮮労働党委員長が署名した「9月平壌共同宣言」を読んでそれを想起した。

≪韓国国防の決定的な損失に≫
 文在寅大統領はただキムチの汁を飲んで餅、つまり核廃棄を待っているだけでなく、膨大なお土産を持参してきた愚かな客といえるのではないか。共同宣言の第1項は核廃棄ではなく軍事演習の中止約束であり、第2項は経済支援だ。この2つは本来なら完全な核廃棄が実現した後になされるべきものだが、まだ実質的に何も進んでいない現段階で約束してしまった。
 共同宣言の第1項の危険性について触れておこう。第1項とその付属文書である合意書では、空中、海上、陸上での軍事演習が大幅に制限された。軍事境界線から南北に10~40キロ以内の飛行禁止区域を設定し、この区域では空中偵察活動を禁止した。
 日本海と西黄海において北方限界線(NLL)を挟んで80キロ以内の海域を緩衝地域に設定し、砲兵・艦砲射撃と海上機動訓練を中止した。11月から軍事境界線一帯で各種軍事演習を中止した。空中偵察の禁止はソウルを射程に入れる長距離砲、ロケット砲が密集している前線地域に対する監視能力を著しく低下させる。韓国の国防にとって決定的な損失だ。
 また、金正恩氏が今年になり対話路線に入った大きな理由の一つである、米軍による軍事圧力をも低下させかねない危険な合意だ。米軍は昨年、B1B戦略爆撃機を20回朝鮮半島周辺に送って演習をした。特に昨年9月23日にはNLLを越えて北朝鮮の地方都市、元山の沖で演習を行った。金正恩氏がこれに肝を冷やしたことが対話路線転換への大きな理由だった。飛行禁止区域設定により米軍機の演習も影響を受けるとすれば、金正恩氏は大笑いしているだろう。

≪核兵器量産体制は維持される≫
 核問題は末尾近くの第5項だったが、その中身は完全な非核化の第一歩として米国が求めている核兵器と核製造施設の申告ではなく、ミサイルエンジン実験場廃棄約束の実行と寧辺の核施設の廃棄意思の表明だけだった。
 エンジン実験場廃棄はすでに6月の米朝首脳会談で金正恩氏が約束したものだったから、3カ月たってそれを実行すると言っただけだ。寧辺の核施設廃棄は新しい提案だ。そこにはプルトニウムを生産するための5000キロワット級の黒鉛原子炉と使用済み燃料再処理施設と、濃縮ウランを生産するための施設がある。ただし、後者は国際社会に見せるためのダミーで、実際に濃縮ウランを生産している施設は他の場所に複数存在する。そのうち1つは7月に米国で報道された平壌近郊の「降仙(カンソン)」だ。
 濃縮ウラン生産施設は地下にあると想定されていたが、降仙は大きな製鉄所の敷地に隣接して地上に造られていた。米国情報機関は衛星情報だけでなく、人的情報を使ってその建物の中でウラン濃縮が行われていることを把握し、それを米朝首脳会談の直後に専門家や報道機関にリークした。こちらは核関連施設について、確実な情報を多数持っているのだというメッセージを送ったのだ。
 現在、北朝鮮が量産している核兵器はプルトニウム爆弾ではなく濃縮ウラン爆弾だから、寧辺の施設が廃棄されても北朝鮮の核兵器量産体制はそのまま維持される。その意味で今回の提案は実質的な進展とはみなしにくいし、その提案でさえ「米国が相応の措置を取れば」という条件がついている。核兵器量産体制には手を付けずに先に米国から取れるものを取るという北朝鮮の伝統的な交渉術だ。

≪白頭山で感慨にふけったのか≫
 文在寅大統領は平壌に行く前には、金正恩氏に対して未来の核だけでなく現在の核についても廃棄する行動をとるように説得すると語っていた。つまり、核兵器生産施設や実験場の廃棄だけではなく、現在持っている核ミサイルを廃棄する作業も行わせるということだった。そのためには保有核ミサイルの申告が絶対に必要だが、共同宣言にも記者会見での金正恩氏の発言にもその部分に関する言及がなかった。文在寅大統領は説得に失敗したのだ。
 あるいはすでに共同宣言の内容が事前に準備されていて、現在の核については言及しないという合意が南北でできていたのかもしれない。なぜなら、文在寅大統領は3日間の平壌訪問のうち2日目であっさり共同宣言に合意してしまい、3日目は白頭山への観光旅行に出かけたからだ。
 白頭山は北朝鮮では革命の聖地とされ、世襲独裁者の家系を「白頭山血統」と呼んでいる。昨年12月には金正恩氏が白頭山を訪れ「国家核武力完成の歴史的大業を立派に実現してきた激動の日々を感慨深く回想し」たとされている。今回、金正恩氏は文在寅大統領と白頭山に登り、何を「感慨深く回想し」たのだろうか。(モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授 西岡力 にしおか つとむ)


北海道地震で周辺国の偵察機が飛来、空自が対処していた…元空将が講演で明かす(産経N)


 愛媛県憲法改正国民投票連絡会設立大会が22日、松山市居相の椿神社会館で開かれ、同県出身の元空将、織田邦男(おりたくにお)氏が講演した。織田氏は「自衛隊にリスペクト(敬意を表すこと)がない」と、自衛隊をめぐる憲法改正問題の本質を鋭く指摘した。主催は実行委員会(共同代表、山本順三氏・加戸守行氏)で、織田氏は「憲法に自衛隊を明記する意義-元自衛官の立場から-」の演題で話した。
 織田氏は昭和49年、防衛大学を卒業し航空自衛隊に入隊。F4戦闘機のパイロットとして第6航空団勤務などを経て、平成18年、航空支援集団司令官としてイラク派遣航空部隊指揮官を兼任。21年に退官した。
 航空自衛隊の活動と抑止力について、織田氏は北海道で今月起きた地震の影響による2日間にわたる大規模停電を例に、「国民の多くは知らないが、周辺国の偵察機がガンガン飛んできた。これに対し、航空自衛隊は何事もなかったかのように対処した。こういうことが抑止力になる」と紹介した。
 尖閣諸島海域の状況についても、「日本が実効支配していなければ日米安保の対象にならない」として、海上保安庁や空自が常時対処している実態を述べた。「空自の場合、中国が出てくると分かったらスクランブル発進して、常に中国機より先に尖閣の上にいなければならない」。年間1千回に及ぶ緊急発進の様子を語り、「国を守る自負がなければ戦闘機には乗れない」と話した。
 「国防は最大の社会福祉」として日々、活動する自衛隊。しかし、織田氏は「国民のリスペクトがない」と実感を述べた。イラク派遣の指揮官時代の経験を披露し「憲法違反の自衛隊反対、イラク派遣反対と書かれた横断幕を見て切なかった。イラクへ行く隊員がかわいそうだった」と振り返った。
 度重なる災害派遣で自衛隊に対する国民意識は変わり、92%が支持となっている。だが、織田氏は「迷彩服は人殺しの象徴とか、自衛隊のカレーは食べないと反対する人がいる。隊員は被災者のために温かいカレーを作り、自分たちは缶飯を食べているのに」と嘆き、自衛隊がリスペクトされない原因として「憲法学者の多くが違憲としている」と、憲法問題に行き着くと述べた。
 「士気の高い、質の高い隊員が入ってしっかりやる。これが抑止力になるのだが、景気回復で自衛隊に若者が入ってこない。定員を満たせない状態。このままでは先細りになる」と実情を紹介し、憲法改正の国民投票により議論が深まることを期待。「ガンガン議論して、問題点がどこにあるか知ってほしい」「日本の安全と平和を守るため、自衛隊は頑張っている。国民みんなで支え、育てていくことを考えないといけない。隊員に会ったら『ご苦労さん』と一言、言ってください」と会場に呼びかけた。
 連絡会は安倍晋三首相が提案している自衛隊を憲法に明記することなどを軸に今後予想される国会発議から国民投票実施を視野に、議員と民間組織が連携して全国的に衆議院の小選挙区ごとに設立。愛媛では第1区~第4区でこの日同時に発足した。

米司法副長官、更迭か 「トランプ氏解任を画策」と報道(朝日N)


 トランプ氏陣営とロシアとの関係の捜査を担当するローゼンスタイン司法副長官が24日にも更迭されると米メディアが伝えた。現在、司法省ナンバー3のフランシスコ訟務長官にロシア疑惑の捜査が引き継がれるとみられる。今後、疑惑捜査の中立性が維持されるかが注目される。
 ローゼンスタイン氏を巡っては、ニューヨーク・タイムズ紙が21日にトランプ大統領の解任を画策していたと報じており、更迭観測が高まっていた。報道では、ローゼンスタイン氏がトランプ氏の発言を隠れて録音することを司法省の同僚に提案。大統領の職務が果たせないと閣僚が宣言することで、大統領を解任できる憲法規定の適用を検討していたとされる。
 ロシア疑惑では、セッションズ司法長官が自身のロシア側との接触が問題になり、昨年3月に捜査に関与しないと表明。代わってローゼンスタイン氏がマラー特別検察官を任命した。ローゼンスタイン氏はマラー氏から捜査の報告を受けてきたほか、マラー氏の解任権限も持っていた。
 ロシア疑惑の捜査に不満を持つトランプ氏はローゼンスタイン氏を度々批判してきた。(ワシントン=杉山正)

首相が到着、トランプ氏「軍事と貿易話し合う」(読売N)


【ニューヨーク=石田浩之、海谷道隆】安倍首相は23日午後(日本時間24日午前)、政府専用機で米ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に到着した。首相はこの後、同市内でトランプ米大統領との夕食会に出席した。

 夕食会では、26日午後(同27日午前)の首脳会談を前に、朝鮮半島の非核化や日本人拉致問題解決に向け、日米の対処方針をすり合わせる。二国間の貿易問題についても意見交換するとみられる。
 トランプ氏は夕食会に先立ち、ツイッターで「安倍首相と軍事と貿易について話し合う」と書き込んだ。「米国は日本を助けるために多くのことをしてきた。より相互的な関係を築きたい」とも強調した。

外相が国連総会で演説 安保理含む国連改革の実現を訴え(NHK)


河野外務大臣はニューヨークで開かれている国連総会で演説し、国連の創設から70年以上が経過し、国際社会が紛争の予防などにより迅速で効果的に行動できるようにする必要があるとして、安全保障理事会を含む国連改革を実現させるべきだと訴えました。

国連総会では、南アフリカで人種差別と闘い5年前に亡くなったマンデラ元大統領の生誕100年を記念するハイレベル会合が開かれ、日本からは河野外務大臣が参加して、日本時間の25日未明、演説を行いました。
この中で河野大臣はマンデラ氏の功績をたたえるとともに、来年、日本で開かれるTICAD=アフリカ開発会議について、マンデラ氏の遺志を受けて、アフリカの平和構築を進める重要な機会にしたいという考えを示しました。
そのうえで河野大臣は、国連の平和活動に触れ「国連の創設から70年以上の時を経て、われわれは万人の利益のために、より迅速に、より効果的に行動する必要がある。そのためにも安全保障理事会を含む国連は改革されなければならない」と述べ、国連改革の実現を訴えました。

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