FC2ブログ

回顧2018 米中が対決局面に入った 国益の最大化をためらうな(産経:主張)


世界は米中の対決局面に入った。両国のパワーゲームの狭間(はざま)でわが国には今こそ、国家百年の計が求められている。そんな思いを抱かされる一年となった。
 世界は、良くも悪くもトランプ米大統領が主役だった。特に、中国と北朝鮮への対応は、わが国の安全保障に直結するだけに目が離せない展開が続いた。
 その米中両国だが、かつて蜜月ぶりの象徴としてG2と呼ばれた時代が遠い過去のごとく、「新冷戦」とか「第2次冷戦」とも評される深刻な事態を迎えた年として記憶されるだろう。

 ≪日米同盟の強化が基軸≫
 軍事、経済両面で台頭を続ける中国は、国際秩序に挑戦するゲームチェンジャーとしての立ち位置を強めている。南シナ海での傍若無人な振る舞いや、相手国を借金で縛る覇権主義との批判が絶えない「一帯一路」が典型だ。
 そんな中国相手の貿易戦争について、トランプ大統領が2期目を目指し、貿易赤字減らしを狙ってパフォーマンスを仕掛けているとだけ見るのは、間違いだ。
 対中強硬姿勢に転じた米国の動きは、決して大統領の個人的で浅慮な言動ではなく、国を挙げての強固な意思決定が背景にあるとみるのが正しかろう。
 新冷戦の本質は軍事、経済、科学のあらゆる分野で、米国こそが世界を支配するのだという覇権争いなのだ。オーストラリアやニュージーランド、英国、カナダも追随した。英語圏で構成する「ファイブアイズ」だ。
 米国の要請でカナダ当局が中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟最高財務責任者を逮捕したのが好例だ。スパイ行為やサイバー攻撃が疑われ、米国として安全保障面で譲れない一線を越えたことへの警鐘だろう。

 日本は事実上、華為技術などの中国製機器を政府調達から排除することにした。同盟国として足並みをそろえたのは当然だ。米中の対決は長期戦になる。
 わが国は日米同盟を基軸とし、時代の大きな変化に活路を見いだしていく努力が求められる。
 北朝鮮は、わが国にとって目の前の脅威として存在する。日本人拉致問題の解決も急務だ。
 今夏、トランプ氏と金正恩朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談が行われた。共同声明で金委員長は「朝鮮半島の完全な非核化」を表明し、トランプ氏はこれが成果だと胸を張った。だが、残念ながら何も決まらず、何も変わっていない。
 金委員長に約束させるべきは北朝鮮の核や大量破壊兵器、弾道ミサイルを「完全かつ検証可能で不可逆的に廃棄」させることだったのに、できていない。

 ≪地殻変動を乗り越えよ≫
 トランプ氏が北朝鮮の体制保証を約束し、会見で国交正常化への意欲を示したのは、いかにも前のめりだった。在韓米軍の撤退を要求し、自国の非核化を遅らせる口実すら与えた感がある。

 北朝鮮が偽りの政治ショーにたけた国であることを忘れてはならない。同盟国としっかりと足並みをそろえ、制裁の厳格な履行など強い姿勢で臨み続けるべきだ。
 ひるがえってわが国は、安倍晋三首相が自民党総裁選で3選を果たし、戦後外交の総決算に向け正念場を迎えている。この一年、米中露という大国相手に、長期政権と国民世論の支持を背景に大いに存在感を発揮したといえよう。
 ただ、首相の訪中はいただけない。国際社会が「一帯一路」から距離を置き始める中、それに手を貸すかのような経済協力は世界の潮流に逆行してはいまいか。ペンス米副大統領の中国に関する演説は、対中融和に傾く日本の外交姿勢に鋭く突き刺さった。
 プーチン露大統領とは1956年の日ソ共同宣言を基礎に、平和条約締結の交渉を加速させることで合意したが、これも危うい。宣言は色丹島と歯舞群島を引き渡すと記されているだけだからだ。
 来春、天皇陛下が譲位され、御代が替わる。

 世界は大きな地殻変動が起きている。そのスピードはとてつもなく速い。まるで、自分で自分の国を守るための憲法改正すら議論できない、わが国の未熟な国内情勢をあざ笑うかのようでもある。
 国際社会は日本の事情を斟酌(しんしゃく)しない。国益の最大化をためらう理由もない。来年は日本がより一層飛躍する一年としよう。
スポンサーサイト



レーダー映像公開「安倍首相は汚い」 韓国与野党が批判(朝日新聞)


海上自衛隊のP1哨戒機が韓国海軍艦艇から射撃用の火器管制レーダーを受けたとされる問題で、韓国の与野党は29日、日本政府の対応の背景には、安倍政権が問題を政治利用する意図があるとする論評を相次いで発表した。
 与党「共に民主党」は29日付の論評で「日本メディアは、最近支持率が落ちている安倍晋三首相が反韓感情を刺激して、保守層を結集しようとする汚いやり方で(問題となった現場の)映像を公開したと報道した」と主張。「不純な意図を持って安保を脅かす日本政府」と批判した。
野党「正しい未来党」も同日付の論評で、映像公開について「安倍首相が韓日間の軍事問題を国内政治に利用しようとしている」と批判し、「安倍首相は真実の究明よりも、政治攻撃に集中する姿勢を即刻やめるべきだ」と主張した。

防衛省、高出力レーザー兵器開発へ=ドローン、迫撃砲対策(時事通信)


防衛省は2019年から、低空を飛来する攻撃・偵察型ドローン(小型無人機)や迫撃砲弾の迎撃を目的に、高出力の軍事用レーザー兵器の研究を本格化させる。今年度予算には開発費として87億円を計上。年明けに陸上配備型の研究試作機製作の入札を行い、23年度までに技術的検証を終えたい考えだ。
レーザー兵器の開発は米国や中国など各国で進められており、米軍は既にレーザー兵器を揚陸艦に搭載して運用を始めている。
戦闘機のステルス能力向上やミサイルの低高度化・高速化により、迎撃までの対処時間は短くなるばかり。レーザー兵器は、直進するレーザーを照射して目標を瞬時に破壊することができるため、迎撃ミサイルなどで必要な事前の弾道計算が要らない。ミサイルや高射砲弾のように破片も発生しないため、地上被害が少なくなる利点もある。
ミサイル防衛と比べると、ミサイルの補充が不要で撃ち漏らしもないため、運用コストは格段に下がるとみられる。米軍ではレーザー発射1回の費用は1ドル程度とされている。
課題は出力の強化だ。防衛省は、最大50キロワットのレーザー発生装置を開発しているが、迎撃には100キロワット程度の出力が必要になる。
将来的には長距離巡航ミサイルや戦闘機などの迎撃に使用することを目標に研究開発を進める。

新年目標「皇位継承とG20つつがなく」…首相(読売N)


安倍首相は30日、新年の目標について、「皇位継承と、G20(主要20か国・地域首脳会議)をつつがなくこなしていきたい。統一地方選と参院選をしっかり勝ち抜きたい」と述べた。神奈川県茅ヶ崎市のゴルフ場で記者団の質問に答えた。

 首相は「G20は世界の首脳が集まり、歴史的な皇位の継承がある。大変緊張する」とも語った。個人的な目標については、「とにかく健康で1年間を終えることですね」と語った。
 首相はこの日、古森重隆富士フイルムホールディングス会長夫妻、昭恵夫人とともにゴルフを楽しんだ。

プーチン大統領が安倍首相に新年のメッセージ “対話継続を”(NHK)


ロシアのプーチン大統領は、安倍総理大臣に宛てた新年の祝賀メッセージの中で「建設的な対話が続くことを期待している」と述べ、日ロ両国が平和条約交渉を加速させることで合意するなか、日本と幅広い分野での対話が続くことに期待を示しました。

ロシア大統領府は30日、プーチン大統領が日本やアメリカ、中国など各国の首脳に新年の祝賀メッセージを送ったことを明らかにしました。
このうち、安倍総理大臣に対しては、「2国間の協力を進めるための法的な基盤の拡大と、ロシア極東での共同経済プロジェクトを実現させることなどで建設的な対話が続くことを期待している」と伝えたということです。
日本とロシアは平和条約の締結後に、歯舞群島と色丹島を引き渡すことを明記した日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させることで合意しており、プーチン大統領は来月、安倍総理大臣をロシアに招いて首脳会談を行う予定です。
プーチン大統領としては、2国間の政治や経済の分野での対話とともに、来年6月、日本が議長国となってG20サミットを開くことから、国際的な問題についても双方が対話を続けることに期待を示したものとみられます。
一方、プーチン大統領はアメリカのトランプ大統領に宛てたメッセージの中で、「ロシアとアメリカの関係は戦略的な安定を確保するために極めて重要だ」として、INF=中距離核ミサイルの全廃条約の破棄を表明したアメリカに対し、核軍縮に向けた対話を呼びかけました。

専守防衛を強調=「新領域強化」最優先に-河野統幕長インタビュー(時事通信)


自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は、新たな防衛大綱と中期防衛力整備計画(中期防)の決定を受け、29日までに時事通信のインタビューに応じた。海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を事実上の航空母艦(空母)へ改修することについて、「専守防衛の範囲内」と強調。宇宙やサイバーなど新領域の防衛力強化を最優先課題とする認識を示した。
河野統幕長は、改修によりいずも型は「柔軟性が増す」と指摘。短距離離陸・垂直着陸能力を持つ米最新鋭ステルス戦闘機F35Bを艦載することで、航空基地が離れている太平洋の防空体制を強化できるとした。
空母化により敵基地攻撃能力を保有することについて、「専守防衛を逸脱しない」と繰り返す一方、具体的な運用は「これから構想を立てていく」と述べるにとどめた。
河野統幕長は新防衛大綱を、「非常に大きなステップ」と評価。大綱で重視された宇宙・サイバー・電磁波の新領域に関して、「あまり手を付けてこなかった。従来の延長線上ではないアプローチをしていく」と述べ、最優先課題と位置付けた。

12月29日(産経抄)


 「仮想敵国は日本だ」。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の師匠にあたる故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領はブッシュ米政権のラムズフェルド国防長官と初会談した際、こう言い放った。今年2月の小欄でも紹介したエピソードだが、最近の韓国の言動をみるとしゃれにならない。持病の反日病は、もはや膏肓(こうこう)に入る。
 ▼盧氏は平成18年7月には竹島(島根県隠岐の島町)近海で、韓国海洋警察庁の警備艇に、海上保安庁巡視船の撃沈も辞さない「危害射撃」を許可した。海上保安官らの生命が、実際に危機にさらされた事態もあったのである。

 ▼「トップがおかしいのでどうしようもない」。盧政権当時、ある自衛隊幹部は韓国軍人からこんな愚痴を聞かされた。米軍が「盧政権は信用できない」と衛星写真などの軍事情報を提供しなくなったので、韓国軍高官が日本を頼って来日していた。
 ▼この時代は、政権中枢はともかく韓国軍は正気を保っていたが、現在はどうか。27日の日韓防衛当局による実務者協議では、韓国駆逐艦による自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射に関する協議は、平行線をたどった。軍までおかしくなっているとすると恐ろしい。

 ▼防衛省は28日、レーダー照射を受けた当時の映像を公開した。日本の主張の正しさを国際社会に示すためだが、本来は自衛隊の探知・解析能力など諸情報は公にしたくなかったはずである。韓国が素直に非を認めていれば、不必要な措置だった。
 ▼文氏は就任後、うわべは前任者の朴槿恵(パク・クネ)前大統領ほど反日的言説は弄していない。ただ、慰安婦をめぐる日韓合意不履行にしろ、いわゆる徴用工問題蒸し返しにしろ、本音は日韓関係を壊したいのではないか。韓国の無軌道ぶりは、今後も続くと覚悟して臨むしかない。

韓国海軍によるレーダー動画公開 日韓の溝、防衛にも(東京新聞)


 防衛省は28日、韓国海軍によるレーダー照射問題で当時の動画公開に踏み切った。韓国国防省は即座に反論。この日は日韓の外相が慰安婦問題の解決にこぎ着けた「日韓合意」から3年の節目にあたり、慰安婦問題や韓国人元徴用工の対日賠償請求問題に端を発した両国関係の悪化は、これまで協力を保ってきた防衛当局間にも広がり始めた。 (上野実輝彦、ソウル・境田未緒)
 「韓国が何を考えているか分からなくなった」。問題発覚後、ベテラン自衛官はこう漏らした。現場レベルでは、安全保障面での日韓協力の重要性を十分共有してきた、との思いがあったからだ。
 日韓は、軍拡を続ける中国をはじめ、北朝鮮やロシアなどに対抗する共通の目的があり、韓国国防省関係者は「防衛当局の信頼は揺るぎない」と語っていた。
 韓国世論の反発を受けながらも、日韓の軍事機密を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結にこぎ着けたのは、その好例だ。対日強硬姿勢が続く文在寅(ムンジェイン)政権で九月、航空自衛隊での研修経験がある鄭景斗(チョンギョンドゥ)氏が国防相に就任したのも、防衛省では日本を重視するシグナルと受け止められていた。
 日韓関係筋によると、日本政府は動画公表を二十七日に韓国に通知。韓国側は「公表されれば態度を硬化させるしかない」と伝えたものの、日本側は公表に踏み切った。防衛省は今後も関係をつなぎ留めるための一定の努力は続けるが、「日本の韓国に対する悪感情が表出」(朝鮮日報)「理にかなわない韓国批判」(京郷新聞)といった韓国メディアの対日批判はさらに厳しくなりそうだ。
 「日本政府はアジアの全ての被害者に公式謝罪と法的賠償を!」。氷点下一〇度以下に冷え込んだソウルの韓国外務省前で、元慰安婦の支援者らが声を上げた。
 文在寅大統領は二〇一七年末、「日韓合意で慰安婦問題は解決されない」と表明。韓国政府は、日本政府が元慰安婦に支給するため拠出した十億円を肩代わりし、十一月には支給などを担っていた「和解・癒やし財団」の解散を発表した。
 元徴用工訴訟では、韓国大法院(最高裁)が十月三十日以降、日本企業に損害賠償の支払いを命じる判決を計三件、確定させた。日本政府は一九六五年の日韓請求権協定で「解決済み」としている。河野太郎外相は判決を「国際秩序への挑戦だ」などと批判。韓国政府は「国民感情を刺激する」などと反発し、溝は埋まらない。
 韓国大統領府には日本に理解のある専門家がいない。文氏の支持率に陰りが見える中、文政権は支持者らの反応を意識した政策を打ち出す傾向にある。元慰安婦や元徴用工の支援者は、文政権の支持層だけに、関係改善の道筋は見えない。


世界が見れば「自衛隊主張が本当とわかる映像」(読売N)


香田洋二・元海上自衛隊自衛艦隊司令官の話「防衛省が公開した映像では、海自哨戒機の外に見える風景と乗員のコミュニケーションが完全に一致し、不自然な部分はない。韓国軍が遭難した漁船を救助していたのは事実だろうが、位置が特定されており、捜索のために火器管制レーダーを使う必然性はまったくない。世界の軍事専門家が見れば、自衛隊が本当のことを言っているとわかる映像だ」

米中首脳が電話会談 トランプ大統領「大きな進展」(NHK)


アメリカのトランプ大統領は中国の習近平国家主席と電話会談を行ったとツイッターに投稿し、「大きな進展がなされている」と強調しました。中国との貿易摩擦の影響が広がる中、交渉は順調だと印象づけたい思惑もあると見られます。

トランプ大統領は29日、ツイッターに「中国の習近平国家主席と長く、とてもよい電話会談を行った。交渉は順調に進んでいる」と投稿しました。
そのうえで「交渉がまとまれば、非常に包括的な、すべての議題を含むものになるだろう。大きな進展がなされている!」と書き込みました。
両国は、輸入品の関税をめぐる問題や中国による知的財産権の侵害などについて、来月、協議を行うことにしています。
トランプ大統領としては、中国との貿易摩擦への不安を背景に各国の市場で株価が大きく下落するなど影響が広がるなか、交渉は順調だと印象づけたい思惑もあると見られます。
一方、中国国営の新華社通信は電話会談で習主席が貿易問題について「今月1日にアルゼンチンで行われた首脳会談で、双方は重要な共通認識を得られた。両国は積極的に協議を行っており、米中だけでなくグローバルに利益をもたらすような合意に達することを期待する」と述べたと伝えました。
また、朝鮮半島情勢について習主席は「米朝が引き続き対話を行い積極的な成果を得ることを支持する」と述べ、2回目の米朝首脳会談の開催に向けて中国も協力していく姿勢を示したということです。

米軍シリア撤退 「力の空白」極めて危うい(産経:主張)


内戦が続く中東のシリアに「力の空白」が生じて混乱が深まり、イラクなど周辺国にも波及することを強く懸念する。
 約2千人のシリア駐留米軍が全面撤退を開始した。トランプ米大統領は過激組織「イスラム国」(IS)に対する勝利をその理由に挙げた。
 イラクを初訪問したトランプ氏は、同国駐留米軍の撤退計画はないと言明したが、シリア全面撤退への批判に対して、「米国は世界の警察であり続けることはできない」と強調した。

 シリアとイラクにまたがる広い地域を支配したISの打倒は、米軍が主導した。有志連合を率い、地上のイラク軍やクルド人らの武装勢力を支援した。シリアから米軍の姿が消えることが、ISの再起につながらないか心配だ。
 支配地の大半を失ったISだが、その実態はテロリスト集団であり、なお多くの戦闘員が一般住民に紛れたり、砂漠に潜んだりしているとみられている。
 イラク戦争後駐留した米軍の2011年の全面撤退とシリア内戦で生じた「力の空白」がIS台頭を招いた。オバマ前政権は14年に米軍のイラク再派遣を余儀なくされた。トランプ氏は、オバマ前政権の判断ミスを批判したことを忘れたわけではあるまい。
 シリアのアサド政権が勢いを得て、戦闘が激化する事態も懸念される。政権側の化学兵器使用に対し、トランプ政権は2度にわたりミサイル攻撃で応じた。地上軍不在でも、蛮行を阻止する即応態勢を維持せねばならない。
 アサド政権は、ロシアやイランが支える。シリア内戦の行方が、同政権とこれらの国々の思惑のみで進められることは望ましくない。米国が何らかの形でシリアにとどまることが不可欠だ。

 トランプ政権は、約1万4千人のアフガニスタン駐留米軍も半減させる計画だと伝えられる。世界の警察官の役割を拒むトランプ氏の理屈は、経済的負担が「割に合わない」からであり、その発想自体が極めて危うい。
 アフガンではイスラム原理主義勢力、タリバンが跋扈(ばっこ)し、ISも浸透している。イラクも宗派、民族の対立で安定とはほど遠い。
 これらの地域では、テロの抑止や秩序の維持に、米軍のプレゼンス(存在)自体が大きな役割を果たしている。撤退に向けた性急な判断は将来に禍根を残す。

照射動画の公表 動かぬ証拠認め謝罪せよ(産経:主張)


改めて言う。
 韓国の政府と海軍は過ちを正直に認めて責任者を処分し、日本に謝罪すべきである。
 韓国海軍の駆逐艦が日本海で、海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制用レーダーを照射した問題をうやむやに終わらせることはできない。
 防衛省が28日、P1が当時撮影した関連動画をホームページで公開し、韓国大使館にも提供した。新型機のP1が警戒監視活動に当たっている動画を示すのは異例だ。照射を頑(かたく)なに認めない韓国に業を煮やし、具体的な証拠を世界に発信した。

 映像には、韓国駆逐艦から火器管制用レーダーを照射され、無線で照射の理由を質(ただ)す様子や、韓国艦の近くに、救助されているとみられる北朝鮮船が映っていた。
 照射の事実は歴然としている。韓国側は当初、遭難した北朝鮮船を捜索するためレーダーを用いたと説明したが、動画からは北朝鮮船発見後の照射だと分かる。
 韓国はその後、レーダーの使用自体を否定した。火器管制用レーダー使用を否定しようと、ウソを重ねているということだ。
 27日の日韓防衛当局のテレビ協議で、日本はこの映像を韓国側に示した。それでも韓国はしらを切った。事実を認めないのだから再発防止策を講ずるはずもない。このままでは自衛隊員の安全は脅かされ続けることになる。
 北朝鮮をにらんだ、日米韓による安全保障協力は重要だが、問題を棚上げして実効性ある協力はできない。不実な相手の行動や情報を、どう信用せよというのか。
 火器管制用レーダーの照射は、ミサイルなどで攻撃するための準備行為だ。極めて危険で、不測の事態を招きかねない。

 中国海軍のフリゲート艦が平成25年1月に、尖閣諸島沖で海自護衛艦などに火器管制用レーダーを照射した。日本は抗議したが中国は捜索用レーダーだったと虚偽の主張をして非を認めなかった。
 韓国は、日本に対する敵対的行為を中国と競うつもりか。
 日韓防衛当局の協議は継続されるという。韓国国防省は日本の「誤解を解く」協議と位置づけているが、事実に基づく立場をとる日本は誤解などしていない。
 韓国がとるべきは、ありもしない「誤解」を解くことではない。潔く非を認め、日本人の韓国への不信の念を解くことである。

韓国の対北接近 日米の厳しい視線を認識せよ(読売:社説)


 北朝鮮の非核化が進まぬ限り、制裁の緩和も、大規模な経済協力もありえない。韓国の文在寅政権はこの現実を直視し、行き過ぎた対北融和政策を見直すべきである。

 韓国と北朝鮮が南北間の鉄道・道路を連結する事業の着工式を行った。北朝鮮は核・ミサイル開発を巡り、国連安全保障理事会から厳しい制裁を科されている。問題が解決し、制裁が解除されなければ、本格工事には入れない。
 北朝鮮の老朽化した鉄道の改修に必要な資金調達のメドも立っていない。それでも、韓国は着工式にこだわり、難色を示していた米国などの同意を取り付けた。
 韓国側が期待する北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長のソウル訪問や朝鮮戦争の終結宣言は、年内実現が絶望的となっている。文大統領は、南北関係の前進を国内でアピールするために、着工式の開催を重視したのではないか。
 韓国の国土交通相は式典で、「70年の断絶を終わらせる一歩となることを望む」と強調した。
 北朝鮮の鉄道省次官は「事業の成果は全民族の意思にかかっている」と述べ、「他人の顔色を窺うかがっていては、統一は実現できない」と言い放った。米国の意向にかかわらず経済協力を進めるべきだと韓国を揺さぶったのだろう。
 式典には、中露両国やモンゴルの代表は出席したが、日本と米国は参加しなかった。日米が事業に冷ややかな目を向けていることが浮き彫りになった。
 看過できないのは、文氏が米国との緊密な政策のすり合わせをおろそかにしていることだ。
 9月の南北首脳会談では、米国から事前の同意を得ないまま、軍事境界線近くでの演習中止や飛行禁止地域の設定、監視所の一部撤去で合意した。韓国側は緊張緩和策と評価するが、米韓同盟の即応能力の低下が懸念される。
 米国は、北朝鮮政策の調整のため、韓国との作業部会を設置した。ポンペオ国務長官は、「南北関係の進展に対し、非核化が置き去りにされるべきではない」と警告を発した。文政権は、重く受け止めねばならない。
 対日関係についても、不誠実な対応を重ねている。
 海上自衛隊のP1哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーを照射された問題で、防衛省は当時の現場の状況を撮影した映像を公開した。日本側の主張を裏付ける証拠だとしている。
 韓国側は経緯を真摯しんしに説明し、再発防止策を講じるべきだ。

新元号公表、4月中旬軸に…現天皇が署名し公布(読売N)

政府は来年5月1日の皇太子さまの即位に伴う改元に先立ち、来年4月中旬を軸に新元号を公表する方向だ。公表に合わせ、新元号を定める政令を閣議決定し、現天皇が署名したうえで公布する段取りも固めた。政府関係者が明らかにした。

 改元に伴う官民のシステム改修には一定の時間がかかるため、政府は「国民生活への影響に配慮」(菅官房長官)し、新元号を事前公表する。年明けにも公表日を発表する見通しだ。
 現天皇が来年4月中旬をめどに新元号を定める政令に署名・公布しても、政令の施行日は、皇太子さまが即位して新天皇となられ、新元号が始まる5月1日とする。
 自民党内などの保守派は、天皇一代に元号一つを定める「一世一元」制を重んじる立場から、「新元号は新天皇が署名、公布すべきだ」と主張してきた。
 保守派の主張通りなら、政令の署名・公布は来年5月1日となる。この場合、政令の閣議決定から公布までには数週間かかる。

韓国軍のレーダー照射 当時の映像公開 防衛省(NHK)


自衛隊の哨戒機が韓国軍の艦艇から射撃管制用レーダーの照射を受けた問題で、防衛省は当時、自衛隊が撮影した映像を公開しました。映像は警戒監視のため外の様子を撮影したものですが、機内の隊員たちがレーダーの照射を受けたと報告する音声が収録されていて、防衛省は日本側の説明の客観性を裏付けるものだとしています。

今月20日、海上自衛隊のP1哨戒機が石川県沖の日本海で、韓国軍の駆逐艦から射撃管制用レーダーの照射を受けた問題では、韓国側が否定する見方を示し、27日に行われた日本と韓国の防衛当局による初めての協議も平行線をたどったままでした。
こうした状況を受けて、防衛省は28日、自衛隊が当時、撮影した映像を公開しました。
映像は警戒監視のため海上の韓国の駆逐艦などを撮影したもので、機内の様子は映っていませんが、隊員たちが射撃管制用レーダーを表す「FC系出している」とか「FCコンタクト」などと声を掛け合って、レーダーの照射を受けたことを報告する音声が収録されています。
レーダーの照射について、防衛省はこれまで哨戒機で記録されたデータを分析した結果、一定時間継続して複数回確認されたと説明していて、今回の映像は日本側の説明の客観性を裏付けるものだとしています。
また、映像には「射撃管制用レーダーのアンテナが自衛隊機を指向していることを確認したが、目的は何ですか」と、哨戒機から英語で3種類の周波数を使って繰り返し呼びかけたものの、韓国側から応答がみられない時の音声も収録されています。
映像の長さはおよそ13分で、状況を説明する字幕が入っているほか、一部音声が消されていますが、防衛省はそれ以外の加工はしていないとしています。
この映像は韓国側にも示したということで、防衛省は今後も韓国側と協議を進めていくことにしています。

これまでの経緯
この問題の事実関係をめぐっては、日韓双方の見解が食い違い、韓国側は自衛隊機を狙ったレーダーの照射を否定してきました。
海上自衛隊の哨戒機が日本海の能登半島沖で韓国軍の艦艇から射撃管制用レーダーの照射を受けたのは今月20日。
日本政府は翌日に事案を公表し、「不測の事態を招きかねない、極めて危険な行為だ」として韓国側に抗議して、再発防止を求めました。
これに対し、韓国国防省は「自衛隊機を追跡する目的でレーダーを運用した事実はない」とする声明を発表し、遭難した北朝鮮船舶の救助活動が目的だったと説明しました。
翌22日、防衛省は「射撃管制用レーダーは広範囲の捜索には適さない」と反論する声明を発表しました。
しかし、韓国側は24日、「自衛隊機は低空で韓国軍の駆逐艦に接近してきた」としたうえで、カメラによる監視を行ったものの、自衛隊機を狙ったレーダー照射は重ねて否定しました。
これに対し、防衛省は韓国側の説明には矛盾があると指摘し、収集したデータを解析した結果、レーダー特有の電波の照射を一定時間継続して複数回確認したことを明らかにしました。
そして27日、日韓両国の防衛当局はこの問題をめぐって初めてテレビ会議システムで協議を行いましたが、韓国側はこれまでの主張を繰り返し、平行線をたどりました。

海自元海将「日本の主張正しいとわかる」
海上自衛隊で司令官を務めた元海将の香田洋二さんは、防衛省が公開した映像について、「哨戒機内の隊員たちのやり取りや韓国軍の艦艇に対する無線の呼びかけなどに不自然な点はないので、哨戒機に対してレーダーが照射されたのだと思う。哨戒機と艦艇の距離も相手が圧迫感を感じない程度に離れているので、哨戒機の対応に問題はない。国際社会は間違いなく、日本の主張が正しいとわかる内容だ」と述べ、射撃管制用レーダーが照射されたことを裏付けるものだとしています。
そのうえで、「国際的に必要なことはしっかりと発信する。しかし、韓国をとことん追い詰めることは日本の国益には必ずしもならない。日本と韓国の関係が悪くなると有利になる国が周辺にあるので、より冷静に対応していくことが必要だ」と指摘しています。

公開された映像は
公開された映像について、防衛省は海上自衛隊のP1哨戒機が韓国海軍の駆逐艦の付近を飛行していたおよそ13分間を記録したものだと説明しています。
状況を説明する字幕スーパーが入り、一部音声が加工されていますが、防衛省はそれ以外の加工はしていないとしています。
映像ではまず、哨戒機が韓国軍の駆逐艦の後方から近づいていき、周囲を旋回しながら飛行している様子がわかります。そして、映像が始まっておよそ6分後、駆逐艦の左前方およそ5000メートルを飛行していた際、機内の隊員たちが射撃管制用レーダーの照射を受けたことを指す「FC系出している」とか「FCコンタクト」などと、次々に報告する音声が聞こえてきます。
隊員が「避けたほうがいいですね」と言うと、機長は「はい、了解」、「いったん離隔する」などと短く答え、落ち着いて対応している様子がうかがえます。
哨戒機は回避行動を取ったあと、少し距離を取って警戒監視を続けたということですが、映像では「めちゃくちゃすごい音だ」「この音覚えておいてください」という音声が続きます。
これは電波を音に変換する装置をヘッドホンで聞いていた隊員らの発言で、防衛省は射撃管制用レーダーの特徴である強い電波が出されたことを示す内容だとしています。
また、「砲はこちらを向いていない」という発言もあり、この時、駆逐艦の大砲が哨戒機に向けられることはなかったことがわかります。さらに、このあと映像の7分30秒ごろに、「FCレーダーらしき電波探知」、8分50秒ごろにも「また探知」という音声が記録され、複数回、レーダー照射を探知した様子が記録されています。
このあと、哨戒機の隊員が「貴艦のFCアンテナがわれわれを指向したことを確認した。貴艦の行動の目的は何ですか」と3種類の周波数を使って英語で繰り返し呼びかけている音声が収録されていますが、韓国側から反応はみられませんでした。
当時の通信環境などについて、韓国側は通信状態が悪かったと主張していますが、映像からは当時、現場海域は晴れて見通しもよく、波も1メートル程度とおだやかな天候だったことがわかります。
また、映像からは哨戒機が駆逐艦に無理に近づいたり、真上を飛行するような状況は確認されず、防衛省は自衛隊側に問題はなかったと改めて説明しています。
一方、28日に公開されたのは隊員の音声が中心で、哨戒機が探知したレーダーの照射を裏付けるデータなどは「自衛隊の能力にかかわる」という理由で明らかにされていません。
防衛省は「この映像で韓国側との認識の違いがすべて埋まったとは思っていない」としていて、引き続き韓国側と協議していくことにしています。

AIの軍事利用をタブー視するなかれ(産経:外交安保)


政府が18日に閣議決定した新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」には、人工知能(AI)が「(戦争のありようを根底から変える)ゲーム・チェンジャーとなり得る」として、AIへ重点的に投資をしていく方針が示された。一方、国内外にはAI兵器を「キラーロボット」と呼び、AI兵器開発の国際的な規制を求める動きがある。各国がAI兵器開発に注力する中で、AIの軍事利用をタブー視する風潮が強まれば、かえって危険が高まる恐れもある。

 防衛大綱は、「日本を取り巻く安全保障環境」の一例として、「各国がAIを搭載した自律型の無人兵器システムの研究に取り組んでいる」と指摘した。この分野での技術革新は「将来の戦闘様相を予見困難なものにする」というのだ。
 米国、中国、ロシアなどはすでにAI兵器開発に着手しているとされ、とりわけ国内の監視システムなどにAIを使う中国の技術革新は目覚ましい。米国が対中認識を硬化させる要因の一つともなっている。
 一方で、AIの進化により、人間の関与なしに標的の探索から攻撃までを行う新型兵器が生まれることへの危機感も高まっている。
国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)などはこうした兵器が国際人道法に抵触する可能性を指摘し、国際法による全面的な禁止を求めている。非政府組織(NGO)を中心とした国際的な規制を求める取り組みは「ストップ・キラーロボット」キャンペーンと呼ばれ、国連で昨年11月に初の政府専門家会合が開催されるきっかけとなった。
 ただし政府専門家会合では、規制をめぐる各国の思惑が交錯し、議論が収束する見通しは立っていない。AIの分野で先行する米露は規制の導入に慎重な立場で、規制が自国のAI開発の足かせとなることを危惧する。

 一方、AI開発で後れをとる南米などは規制の導入に積極的で、慎重派と推進派の隔たりは大きい。中国も推進派に賛同しているとされるが、「使用禁止」を主張しているだけで「開発・所持」には踏み込んでいない点に注意が必要という。
 日本は「完全自律型の致死性兵器の開発を行う意図はない」と表明した上で、議論の継続を訴えている。
 日本国内でも「ストップ・キラーロボット」キャンペーンと足並みをそろえたNGOなどの動きがあり、国会議員による超党派の勉強会も立ち上がった。今年11月に開かれた2回目の会合には公明党の遠山清彦衆院議員(49)が発起人の一人として参加し、AI専門家も招いて意見交換が行われた。
ここで注意が必要なのは、規制すべき対象が、政府専門家会合で議論されている完全自律型兵器「LAWS」なのか、AIを搭載した無人兵器全般なのかだ。
 政府関係者によると、国連の政府専門家会合でも、人間が関与しないLAWSは使用されるべきでないとの一定の合意ができつつあるという。一方で、AIを使った無人化技術は今後、一層の開発が進むとみられ、これを規制するのは困難との見方もある。
 ハーバード大ケネディ行政大学院の研究機関は2017年7月の報告書で、「AIの軍事利用の拡大は避けられない」との見通しを示しており、将来的には核兵器級の影響力を持ち得るとも指摘している。

 日本国内での規制議論の一部には、対象がLAWSなのか、AIを用いた無人兵器全般なのか、線引きがあいまいなところがあり、ややもすれば「(AI兵器の恐怖の)イメージが先行している」(政府関係者)側面もある。
 今後はAIを搭載したドローンや無人機の投入によって戦闘のあり方が激変すると考えられている。AI兵器の開発で後れをとれば、日本は安全保障上、致命傷を負いかねない。AIの軍事利用のタブーなき議論が求められている。
(政治部 大橋拓史)

中国漁船の蛮行 違法操業に厳正な処罰を(産経:主張)


違法行為には厳正な処罰を与えなくてはならない。蛮行を放置すれば、わがもの顔の新たな犯行を呼ぶだけだ。
 鹿児島県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)で11月、水産庁の取締船が違法な底引き網漁をしていた疑いがある中国漁船を発見し、停船させて立ち入り検査に着手したが、漁船は水産庁の職員12人を乗せたまま逃走した。
 漁船は海上保安庁巡視船の停船命令も無視して航行を続け、逃走は約12時間に及んだ。
 水産庁は外国人の違法操業などを取り締まるEEZ漁業法違反の疑いで捜査している。水産庁職員を人質に海保の停船命令を無視した行為には、公務執行妨害の疑いもある。

 菅義偉官房長官は「悪質な事案であり、中国に対して外交ルートを通じて申し入れを行った」と述べた。だが、中国側に漁船員らを処罰するよう求めても、成果は得られまい。
 記憶に新しいのは、平成22年に尖閣諸島沖で起きた、中国漁船による海保巡視船への体当たり事件である。逮捕された船長を当時の民主党政権の意を受けた那覇地検は「今後の日中関係を考慮した」として処分保留のまま釈放し、船長は英雄として凱旋(がいせん)帰国した。
 政治判断が司法に優先した痛恨事である。その後、検察審査会が「市民の正義感情を反映させる」として船長を公務執行妨害などの罪で強制起訴したが、中国側は起訴状の受け取りを拒否した。
 こうした前例が中国漁船に、日本の領海やEEZで何をやっても大丈夫との印象を与えている。
 今回の事例では、暗闇の海上における取り締まりの継続には危険が伴い、水産庁職員の安全を優先して全員の奪還と引き換えに漁船を逃した格好だ。これも今後への悪例となり得る。

 本来は中国漁船員らの身柄を確保し、国内法に照らすべき事案だった。だが水産庁の取締船は武装を認められておらず、海保巡視船との連携も広い海上では限界がある。海保はただでさえ尖閣諸島の周辺警備と日本海などの北朝鮮漁船の取り締まりという二正面作戦を強いられており、巡視船も人員も圧倒的に不足している。
 沿海も満足に守れぬようでは、海洋国家として成り立たない。無法を許さぬ国としての態勢を整えることこそ急務である。

トランプ氏、イラク電撃訪問 就任後初 米兵激励「撤収ない」(東京新聞)


【ワシントン=石川智規】トランプ米大統領は二十六日、イラク中西部アンバル州のアサド空軍基地をメラニア夫人と共に訪問した。事前公表のない「電撃訪問」で、トランプ氏が就任後にイラクを含む海外紛争地の米軍部隊を訪問するのは初めて。ホワイトハウスによると、トランプ氏は記者団に対し「イラクから撤収する計画はない」と述べた。

 米大統領は慣例的に紛争地の米軍部隊を訪問するが、トランプ氏は就任後約二年の間に一度も訪問したことがなく、米議会などから批判が上がっていた。
 トランプ氏は米東部時間二十六日未明に首都ワシントンを出発し、現地時間同日夜にアサド空軍基地に到着した。トランプ氏は記者団に対し「ここにいる偉大な兵隊に敬意を表するために来た」と説明した。
 さらに、イラク駐留米兵の撤収計画はないことを明らかにした上で、過激派組織イスラム国(IS)の掃討に向け「イラクを拠点に使うこともできる」と述べた。イラクには約五千二百人の米軍が駐留している。
 トランプ氏は先週、内戦の続くシリアからの米軍撤収を発表。マティス国防長官が抗議の意を込め辞任を表明し、与党共和党からも疑問の声が出ていた。
 トランプ氏はイラクで、「米国が世界の警察官であり続けることはできない」と強調。「われわれはこれ以上、米軍に費用を払わない他国に利用されたくない」とし、同盟国がさらなる負担をするべきだとの持論を展開した。

レーダー照射、映像公開へ…韓国が改めて否定で(読売N)


韓国海軍の駆逐艦が日本海で海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題をめぐり、防衛省は近く、哨戒機が撮影した当時の映像を公開する方針を固めた。27日にテレビ会議で行われた日韓防衛当局間の協議で韓国側が事実関係を改めて否定したため、公開に踏み切ることにした。

 政府関係者によると、映像には、韓国海軍の駆逐艦の近くに北朝鮮籍とみられる漁船が映っていた。韓国側は、遭難した北朝鮮の漁船をレーダーで探索していたが、火器管制レーダーは使用しておらず、電波が海自哨戒機にあたった可能性はないと主張している。
 しかし、駆逐艦の近くに漁船がいたことが判明すれば、韓国側の説明は矛盾する可能性が出てくる。防衛省幹部は「肉眼でみえる位置に漁船がいたことになり、レーダーを使う必要はなかったはずだ」と語る。

レーダー照射 日韓の防衛当局が初協議も平行線(NHK)


自衛隊の哨戒機が韓国軍の艦艇から射撃管制用レーダーの照射を受けた問題で、日本と韓国の防衛当局による初めての協議が行われました。日本側がレーダー照射の事実を認めるよう求めたのに対し、韓国側は「自衛隊機を狙っていない」と主張して、平行線をたどり、今後も協議を続けることになりました。

今月20日、海上自衛隊のP1哨戒機が、石川県の能登半島沖の日本海で、韓国軍の駆逐艦から射撃管制用レーダーの照射を受けた問題で、韓国側は、自衛隊機を狙って照射したことを否定しています。
こうした状況を受けて防衛省統合幕僚監部の池松首席参事官と、韓国軍合同参謀本部のキム作戦部長は、27日、テレビ会議システムを使って、初めての協議を行いました。
協議はおよそ2時間にわたって行われ、日本側は、「哨戒機が収集したデータをもとに詳細な解析を行った結果、照射があったと考えている」として、韓国側にレーダー照射の事実を認めるよう改めて求めました。
これに対し、韓国側は、「自衛隊機を狙って照射したのではない」などと、これまでの主張を繰り返して、平行線をたどり、今後も協議を続けることになりました。
一方、韓国国防省は、「双方は互いの誤解を解消するために、事実関係の確認や技術的な分析などについて意見を交わした」と発表しました。
そのうえで協議について、「友好的かつ真摯(しんし)な雰囲気で進められ、今後、関連する実務協議を続けていくことで一致した」としていて、防衛当局間の関係は損なわれていないと強調したものとみられます。

北の違法操業 海保の体制強化が急務だ(産経:主張)


北朝鮮の漁船団が日本の排他的経済水域(EEZ)で違法操業を繰り返し、日本の漁業を脅かしている。
 大型鋼船に接触されて海上保安庁の巡視船が破損し、投石で窓ガラスが割られる被害も報告されるなど、その凶暴化も進んでいる。
 日本海側各地への漂着船も今年、100件以上が確認された。違法操業だけではなく、覚醒剤密輸や、工作員による偽装上陸の可能性も指摘されている。
 昨年11月には、北海道の無人島に上陸した北朝鮮船の男らが発電機などを盗んで摘発され、有罪判決を受けて強制送還される事件も起きた。

 こうした状況を受けて政府は18日、海上警備体制強化のための関係閣僚会議を開き、安倍晋三首相は「力を結集して体制の強化を図り、海洋の安全保障に全力を尽くす」と強調した。
 だが現行の体制で、中国船の侵入に備える尖閣諸島周辺警備との二正面作戦には限界がある。
 昨年は日本海の中央に位置する好漁場「大和堆(やまとたい)」に北朝鮮漁船が大挙して押し寄せ、日本漁船が集めたスルメイカを流し網で横取りするなどの乱獲を繰り返した。今年はその反省から、海保や水産庁はスルメイカ漁期前の5月に巡視船を現場に展開し、徹底的な警告や放水などで入域を阻止した。
 ところが、北朝鮮の漁船団はこれを避けて北海道西方沖の「武蔵堆(むさしたい)」などに活動域を拡大し、違法操業を続けている。
 守るべき日本の沿海は広く、海保の体制は、これに比して脆弱(ぜいじゃく)である。
 来年度予算で大型巡視船や海洋警戒監視用の新型ジェット機などの整備を進めるというが、まだまだ足りない。海保全体の巡視船、装備、定員の抜本的な体制強化を急ぐべきである。

 「大和堆」は昭和元年、海軍水路部の測量艦「大和」が精密測量を行い、艦名にちなんで名付けられた。「武蔵堆」は姉妹艦の「武蔵」が大正14年に発見した。いずれも明治天皇に命名された両艦は昭和に入って海軍除籍となり、空いた艦名を引き継いだのが巨大戦艦「大和」と「武蔵」である。
 こうした命名の歴史がある「大和堆」「武蔵堆」は、必ず守らなくてはならない日本の海である。そのためには、何よりも海保の体力増強が必要である。

終わりを迎えた「冷戦後」の時代 京都大学大学院教授・中西寛(産経:正論)


≪象徴的だったブッシュ氏の死去≫
 日本ではいつの間にか「平成最後」が決まり文句になっているが、日本だけでなく世界を見ても時代の終わりを感じさせる状況となっている。その感覚を後押ししたのは、約30年前に冷戦の終焉(しゅうえん)や湾岸戦争の時代を率いたアメリカの第41代大統領ジョージ・H・W・ブッシュ氏の死去であった。
 公職から離れて長く、愛妻バーバラさんの後を追うように94歳で世を去った大統領の道行きは静かなものであってもよかっただろう。しかし追悼行事や報道は大規模なものとなった。その直接的な理由は、分裂著しい昨今の政治の現状に対して、まだ政治的コンセンサスが意味を持っていたブッシュ大統領時代を懐かしむ気持ちが米国民にあるからだろう。
 故人の息子でもある43代ブッシュ大統領が政府追悼式典の場でミシェル・オバマ前大統領夫人にのど飴(あめ)を渡したしぐさが、目も合わせなかったトランプ大統領とクリントン元大統領夫妻の姿と対比して報じられたことにも、そうした感情が察せられる。
 しかしより大きく捉えれば、ブッシュ氏の死が冷戦後という時代の弔鐘と受けとられるからであろう。副大統領だったレーガン政権時代からブッシュ氏はイギリスのサッチャー首相とともに冷戦終焉を実現し、イラクの軍事侵攻に対して国連主導の対抗措置をとった。ブッシュ氏が語った世界新秩序という言葉は、フランシス・フクヤマ氏の「歴史の終わり」という言葉とともに、西側の勝利が政治的、軍事的なものだけでなく、思想的、哲学的レベルに及ぶものであるという印象を与えた。
 その後、「世界新秩序」に対する希望は急速に後退し、ハンチントンによる「文明の衝突」論のような問題提起が論争を巻き起こした。とはいえ日本を含めた欧米の知的主流は冷戦終焉時の楽観を維持し、自由主義的な世界観の優越を信じてきた。その一つの証左は、近年流行している戦後秩序を自由主義的な国際秩序と捉える議論であろう。

 ≪勝利したのは情報テクノロジー≫
 歴史を正確に評価すれば、冷戦期の国際秩序においては国連や市場経済といった自由主義的な要素が占めた役割は部分的でしかなく、その役割が全面化したのは冷戦終焉後であったと考えられる。「鎖国」という言葉が幕末期になって発明されたにもかかわらず、徳川開幕以来の「祖法」として権威づけられたように、「自由主義的国際秩序」が戦後一貫していたと主張することで、その正統性を強めようとしているのである。
 しかし、アメリカでトランプ大統領がポピュリスト的な後押しを受けてアメリカ主導の国際秩序の解体に邁進(まいしん)し、イギリスで欧州連合(EU)離脱政策が混迷を極めていることは偶然ではない。冷戦で真に勝利したのは民主主義思想や市場経済といった西側の政治・社会思想ではなく、伝統的な規制をかいくぐる情報テクノロジーの発達であったのだろう。
 この誤解は、自由主義を主導してきた米英で、情報テクノロジーを握る経済技術コングロマリットに対するポピュリズムの奔流を呼び起こした。また、市場経済に統合すれば自由主義社会になるといった楽観によって中国に習近平氏が主導するテクノロジー専制国家をもたらした。冷戦後の時代は「冷戦後」以外の名称をついぞ持ち得ないまま、終わりを告げようとしているのである。

 ≪次代に向けた構想を練ろう≫
 くしくも冷戦終焉が昭和の終わりと重なったように、冷戦後時代の終わりも平成の終わりと重なりつつある。レーガン、サッチャー両氏とともに西側世界を支えた中曽根康弘首相も新自由主義路線を採ったといわれるが、米英に比べて日本の政治的変革の度合いははるかに小さいものであった。
 日本の変化は、既存の秩序に新自由主義的な規制緩和が接ぎ木されたことで生じたバブルが、冷戦終焉期の国際変動の影響を受けてはじけた後の経済的苦境によって、平成になってから生じたといえるだろう。その姿は平成最後の長期政権となった安倍晋三政権とも重なるかもしれない。
 現政権が外交や安保政策で一定の成果を挙げてきたことは評価できるだろう。しかし現政権を支えてきたアベノミクスは、伝統的な自民党の利益分配政治と新自由主義的な規制緩和策を、異次元金融緩和という魔法の杖(つえ)によって結びつけてきた政策であり、その効果が失われつつあることはもはや否定し難くなっている。
 現時点での方向転換はもはやマイナスが大き過ぎるので、政治的に許容し難くなっている。残念ながら30年前と同様に、国際環境の急変によって日本の脆弱(ぜいじゃく)性が明らかにされ、経済社会が追い込まれることによってのみ、変化は生じるのかもしれない。
 それでも事態を冷静かつ正確に診断し、次の時代に向けて構想を練ることには意味がある。残り少ない平成を過ごす間、私たちはそうした心構えを持つことが必要な段階に至りつつある。(なかにし ひろし)

広がるマティス氏支持、いら立つトランプ大統領(読売N)


【ワシントン=海谷道隆】米国のトランプ大統領が辞任を表明したマティス国防長官への攻撃を繰り返している。同盟の重要性を訴えたマティス氏を支持する論調が主流となっていることにいら立ちを募らせているためだ。

 トランプ氏は24日のツイッターで「我々が多くのとても裕福な国の軍事的負担を背負っている一方、これらの国は貿易で米国につけ込んできた」と持論を訴えた。「マティス氏は問題と見なさなかったが、私は違い、改善されつつある」と続け、同盟国に負担増を突き付ける自身の政策の成果を誇示した。22日のツイッターでも「同盟国はとても重要だが、米国につけ込んでいる場合は違う」と指摘し、辞任表明の書簡で同盟国に敬意を払うべきだとしたマティス氏に反論した。

原田防衛副大臣、陸上イージス理解求める=村岡山口県知事らと会談(時事通信)


防衛省の原田憲治副大臣は25日、山口県庁で村岡嗣政知事らと会談し、同省が陸上自衛隊むつみ演習場(山口県萩市)に配備を計画する陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」への理解を求めた。
 原田氏は「地元の懸念や不安を払拭(ふっしょく)できるよう具体的で分かりやすい説明に努める」と強調。村岡氏は「周辺環境などを十分に調査してほしい」と求めた。
 また、同演習場に隣接する同県阿武町の花田憲彦町長も会談に同席し、「町の存亡に関わる話だ。配備については断念してほしい」と述べ、反対の考えを重ねて示した。

レーダー照射「証拠に自信」=韓国側否定に、公表どこまで-長期化懸念も・防衛省(時事通信)


海上自衛隊のP1哨戒機に韓国駆逐艦が火器管制レーダーを照射した問題では、日本海上での緊迫した当時の状況が徐々に判明しつつある。しかし、抗議する防衛省と、照射していないとする韓国側の主張は平行線のままだ。
 P1は照射された電波を収集・記録しており、同省幹部は「困るのは韓国側になる」と証拠に自信を示す。ただ、証拠にはP1の監視能力に関わる情報が含まれており、全て公表するわけにはいかない事情もある。
厚木航空基地(神奈川県)を離陸した海自P1が、石川県・能登半島沖で火器管制レーダーの照射を受けたのは20日午後3時ごろ。射撃目標としてレーダーに追尾される「ロックオン」状態を機体のセンサーが感知した。
防衛省によると、問題の韓国駆逐艦には2基の火器管制レーダーが艦上の前後にあり、P1の乗員は後部のレーダーの方位盤が動作していることを目視でも確認した。

 P1側は無線で駆逐艦に対し、「韓国海軍艦艇 艦番号971」と3回英語で呼び掛けたが、応答はなかった。韓国側は、認知したのは「『コリア コースト』という言葉だけであった」とするが、岩屋毅防衛相は「(P1が)そのような用語を用いた事実はない」と否定した。
 当時、P1は日本の排他的経済水域(EEZ)を警戒監視中で、韓国駆逐艦の周辺を撮影していた。韓国側は、P1が駆逐艦の上空を低空飛行する特異な行動を取ったと主張したが、防衛省は「駆逐艦から一定の高度と距離を取っており、低空で飛行した事実はない」と反論。自衛隊幹部も「対空火器を持つ他国の艦船を撮影する際に、真上を飛行することはあり得ない」と強調する。
 韓国側は、火器管制レーダーとセットになっている光学カメラを作動させた際、レーダーのアンテナが動くようになっているとも説明。光学カメラは、レーダーが目標物を見失った場合に備え、映像で対象を追尾する装置だが、「カメラを回して日本の哨戒機を監視する過程で、一切の電波放射はなかった」との立場を崩していない。
 政府関係者は「P1は火器管制レーダーが発した電磁波の周波数帯を記録した。動画を含め、順次公表すれば韓国側は窮地に追い込まれるが、P1の情報収集能力が知られることにもなる」と指摘。「日米韓の防衛協力は重要で、問題を長期化させることは北朝鮮を利するだけだ」と話した。

激動の国際情勢越年:米中対立と米ロ険悪化(朝雲:時の焦点)


 今年も旬日を残すだけとなり、本欄への寄稿は年内最後となるが、過去1年の国際情勢の激しい動きを映すかのように、最近も年明け以降の大国間の世界勢力図に影響を与えそうなショッキングな事件が相次いだ。
 一つは、激化する米中貿易戦争のさ中の12月初め、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の女性経営幹部が滞在先のカナダで米政府の要請により逮捕された事件。もう一つは、ロシアが5年近く前に併合したウクライナ南部クリミア半島近くのケルチ海峡で11月下旬にウクライナ艦船3隻が「領海侵犯」があったとしてロシア側に拿捕された一件で、黒海の荒波は出口が見えないウクライナ紛争の解決の新たな障害となるだけでなく米欧など西側諸国とロシアの関係改善の機運を遠のかせるのは必至だ。
 国際的には無関係とみられる二つの事件とも、最近の米中通商摩擦のはざまに置かれる一方で、ロシアとの間で北方領土問題の解決と平和条約をめぐる重要交渉を抱えるわが国にとって悪影響を及ぼす要因となるだけに、今後の展開には目が離せない。
 華為技術の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)が米国の要請でカナダ司法当局に逮捕された事件は、今後本格化する米中貿易協議にも影響を及ぼす。イラン制裁に違反して製品を輸出した容疑をかけられていると伝えられる孟氏が逮捕された12月1日は、アルゼンチンで会談した米中首脳が貿易戦争を「一時休戦」し、90日間の協議入りで合意した日だった。中国軍出身の創業者の娘で後継者と目されてきた孟氏の身柄を押さえれば、米国は対中通商協議で有力な交渉カードを手にできるだけでなく、展開次第では米国内で中国通信機器の締め出しを図り、安全保障などを名目としたハイテク技術をめぐる覇権争いで優位に立つというトランプ政権の思惑が垣間見える。
 一方、国際紛争のホットスポットとも言えるクリミア沖ケルチ海峡でのロシアによるウクライナ海軍艦船の拿捕と乗組員の身柄拘束は、起こるべくして起きた事件で、この海域では今年4月以降、船舶の航行をめぐりロシア、ウクライナの間で緊張が高まっていた。マティス米国防長官はウクライナ艦船拿捕について、ケルチ海峡の航行の自由を定めた二国間合意を「恥知らずに軽視し、破棄した」と強い口調でロシアを批判した。
 米ロ間では、野党・民主党が下院の多数派を奪還した米議会でのロシアによる米大統領選介入・共謀疑惑をめぐる追及の動きに加え、米側が離脱を通告した中距離核戦力(INF)全廃条約の扱いに関する交渉など、関係険悪化を予想させる材料には事欠かない。
 トランプ米政権は1年前に公表した外交・安保の指針「国家安全保障戦略」で、中国とロシアを「米国の価値や富に挑戦しようとする競合勢力」と名指しした。米国の対中・対ロ政策はこの安保戦略が唱える方向に進んでいるのは間違いなく、大統領の米国第一主義の追求姿勢と併せ、年明け以降の世界情勢天気図は荒天模様と覚悟しておく必要がある。
伊藤 努(外交評論家)

中国は「完璧」な独裁を構築した 文化人類学者、静岡大学教授・楊海英(産経:正論)


 改革開放40周年を祝った中華人民共和国は来年、建国70周年を迎える。中国共産党は国名に「人民共和」と付けて「人民に奉仕している」とうそぶいている。対内的には「法治」と「民主主義」、対外的には「平和外交」が国家運営の根幹だと喧伝(けんでん)し、世界と何ら変わらない性質を表明している。それでも国際社会から敬遠され、嫌悪されるのはなぜだろうか。
 ノルウェーの中国学者ステイン・リンゲンは、21世紀に勃興した中国の体制的特徴を「パーフェクトな独裁」と呼んだ。美辞麗句でもって国内の人民と国際社会を長期間にわたって騙(だま)すことができたのは、完璧な独裁体制を構築できたからだ、と論破している。その視点に沿って過去1年間の習近平体制を回顧し、来る2019年における中国の動向について展望してみたい。

 ≪「不老長寿を目指す」習氏≫
 習氏は3月の第13期全国人民代表大会(全人代=国会)で、国家主席と副主席の任期規定を撤廃し、自身の名前を冠した思想を憲法に書き込んで、事実上の終身的独裁体制を敷いた。お墨付きを得た彼は、35年に「社会主義の現代化を中国に実現する」と宣言する。その目標の年には、今年65歳の習氏は82歳になる。
 おりしも11月に中国の研究者がゲノム編集を行った子供を誕生させたとして国際社会から非難を浴びた。この遺伝子操作の技術が独裁者の延命措置に利用されるようになれば、習氏は秦の始皇帝のように不老長寿の“妙薬”を手に入れようと動き出すだろう。彼をトップとする一党独裁体制はさらに強化されて2世、3世へと続く可能性すら出てくる。これは杞憂(きゆう)ではなく、中国内外の良識ある知識人によって指摘されていることである。
 改革開放で豊かになったのはごく一部の人々、それも9千万人に及ぶ共産党員かその縁故者ばかりである。圧倒的多数を占める農民はいまだに衣食足らずで廉価な労働力として酷使され続けている。
 しかも農村戸籍ゆえに、都市部それも共産党員と同等の福祉や待遇を享受できない。農民の子は後世においても農民で、永遠に立身出世の道が閉ざされており、名実ともに「戸籍アパルトヘイト」の犠牲者となっている。この悪政の改革を共産党は実施できない。

 ≪騙しと恫喝の外交を推進≫
 漢民族内部では農村戸籍と都市戸籍のような差別的な制度を設けて人間の自由な移動がコントロールされているのと同時に、少数民族に対しては民族浄化を敢行している。その典型的な実例が新疆ウイグル自治区だ。ウイグル人は100万人単位で強制収容所に閉じ込められている。イスラム教を信仰するウイグル人とカザフ人は母語による教育を禁止され、豚肉食を強制され、過酷な肉体労働に従事させられている。
 人類は第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるホロコーストを反省し、二度と特定の民族を対象とした殺戮(さつりく)を行わないと誓った。中国共産党が過去にはモンゴル人とチベット人、現在ではウイグル人の迫害を進めてきたことを、国際社会は放任している。これも、中国共産党が「先進的な漢民族が文化的に遅れた少数民族を解放し、社会主義の天国へと導いてきた」と嘘をついているからだ。
 中国共産党は広大な市場を「餌」に、諸外国の企業と技術者を誘いこんで先進的な技術を盗み自身の武器とした。今や、部分的に世界をリードする科学技術を駆使して自国の人民を監視し、日本や東南アジア諸国を恫喝(どうかつ)するように変わった。沖縄県尖閣諸島沖には毎日のように公船を遊弋(ゆうよく)させ、南シナ海の環礁を軍事要塞化した。平和な秩序の維持を守ろうとした仲裁裁判所の判決を北京は「単なる紙切れ」とけなして受け入れようとしない。イギリスと交わした「香港の高度自治政策は50年間不変」の約束も否定された。
 中国初代指導者の一人、周恩来らが唱えてきた「平和5原則」など他人を騙す方便の道具にすぎない、と言わんばかりの外交を北京政府は推し進めている。

 ≪強烈な排外主義が鮮明化する≫
 中国は現在、米国との間で深刻な貿易紛争を抱えている。西側諸国の自由と民主主義を悪用して強大化した中国共産党がこれ以上、国際秩序を乱し、米国の地位を脅かすのを座視できなくなったトランプ政権の強硬姿勢は今後も変わらないとみていい。対する中国も簡単に敗北を認めようとせずに、漢民族の民族主義を鼓舞して対抗してくるに違いない。
 漢民族の貧困層は共産党政策の被害者であっても、外国からの「圧力」に立ち向かう際には共産党員と一致団結する。習氏の演説はどれも小学生の作文の域を越えるものではないが、だからこそ、ほとんど教育を受けていない農民に響きがいい。国際社会の知的水準を標準にして中国を測ることは危険であり、実態とかけ離れた結果になりかねない。従って日本は、強烈な排外主義を醸し出した中国との付き合いに覚悟が求められることになる。(よう かいえい)

韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について(防衛省)


12月20日(木)午後3時頃、能登半島沖において、韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦から、海上自衛隊第4航空群所属P-1(厚木)が、火器管制レーダーを照射された旨、21日(金)、防衛省から公表を実施しました。
 本件について、昨日、韓国国防部が見解を発表していますが、防衛省としては、事実関係の一部に誤認があると考えています。
 まず、防衛省では、20日(木)のレーダー照射事案の発生後、海自P-1の機材が収集したデータを基に当該駆逐艦から発せられた電波の周波数帯域や電波強度などを解析した結果、海自P-1が、火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認しております。
 また、海自P-1は、国際法や国内関連法令を遵守し、当該駆逐艦から一定の高度と距離をとって飛行しており、当該駆逐艦の上空を低空で飛行した事実はありません。
加えて、海自P-1は、国際VHF(156.8MHz)と緊急周波数(121.5MHz及び243MHz)の計3つの周波数を用いて、「韓国海軍艦艇、艦番号971(KOREA SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971)」と英語で計3回呼びかけ、レーダー照射の意図の確認を試みました。
 防衛省としてはこのような事案が発生したことは極めて遺憾であり、韓国側に再発防止を強く求めてまいります。こうした事案によって日韓防衛当局間の連携を損なうことがあってはならず、今後、日韓防衛当局間で必要な協議を行っていく考えです。

中国「S400」試射成功…最大射程圏内に尖閣(読売N)


 【モスクワ=工藤武人、北京=中川孝之】タス通信は軍事外交筋の話として、中国軍が今月上旬、ロシア製の最新型防空ミサイルシステム「S400」の試射を実施し成功したと報じた。中国紙・環球時報も25日、露メディアを引用しながら中国国内の発射場で試射が行われたと伝えた。
 タス通信によると、試射では、約250キロ・メートル離れた地点から毎秒約3キロで飛行する弾道ミサイルを撃ち落としたという。環球時報はロシアの専門家の話として、S400が将来の台湾海峡での武力衝突発生時に「重要な役割を果たす」と伝えた。
 S400は、巡航ミサイルなど同時に36の標的を狙うことが可能とされる。最大射程約400キロ・メートルだが、今回の試射では、射程が短いタイプとされる「48N6E」が使われた。
 中国本土から400キロ・メートル圏には台湾や、沖縄県・尖閣諸島周辺が含まれる。環球時報は露メディアを引用し、射程約400キロ・メートルの「40N6」は露軍が配備を終えたばかりで、中国軍が露側から調達したかは不明と報じている。
 中国のS400調達に絡み、トランプ米政権は今年9月、対ロシア制裁強化法に基づき、調達を担当した中国軍の「装備発展部」とそのトップに経済制裁を発動し、中国が猛反発した。

レーダー照射で韓国側に謝罪求める考え 佐藤外務副大臣(NHK)


自衛隊の哨戒機が韓国軍の艦艇から射撃管制用レーダーの照射を受けた問題で、佐藤外務副大臣は自民党の会合に出席し、双方の主張を精査する必要があるとしながらも、韓国側に謝罪を求めていく考えを示しました。

今月20日、海上自衛隊のP1哨戒機が、石川県の能登半島沖の日本海で、韓国軍の駆逐艦から射撃管制用レーダーの照射を受けた問題で、韓国側は自衛隊機を狙って照射したという見方を否定しています。
25日に開かれた自民党の安全保障関係の会合で、防衛省は「慎重で詳細な解析の結果、特有の電波を確認していて、照射を受けたことは間違いない。極めて遺憾で、韓国側に再発防止を強く求めている」と説明しました。
そして、会合では「政府が照射された証拠を示し抗議したうえで、謝罪を求めるべきだ」という意見で一致しました。
また、会合に出席した佐藤外務副大臣は「双方の言い分を精査する必要があるが、韓国側に謝罪を求めていきたい」と述べました。

韓国国防省「誤解解消の協議進める」
防衛省が、韓国側の説明に「誤認がある」という見解を示したことを受けて、韓国国防省は25日午後、コメントを発表し、「誤解を解消するための協議が進められることになる」として日本側への説明を続ける考えを示しました。
また韓国国防省は「日本側が、緊張緩和のために、きょうの発表内容を事前に通知してきた」としています。
これは、今回の問題をめぐる発表のしかたをめぐって日本側が韓国に配慮したと説明することで、防衛当局間の信頼関係は損なわれていないと強調するねらいがあるものとみられます。

元海将「早く関係改善を」
海上自衛隊の哨戒機が韓国軍の艦艇から射撃管制用レーダーの照射を受けた問題で、海上自衛隊の元海将は「電波の放射はなかった」という韓国側の説明について矛盾があるとする一方で、北朝鮮や中国の動向を考えて一刻も早く関係改善を図るべきだと指摘しています。
海上自衛隊の元海将で金沢工業大学虎ノ門大学院の伊藤俊幸教授は、今回の問題について「射撃管制用レーダーの照射は、ミサイルなどを発射する際に目標に標準を合わせるために行うもので、攻撃準備命令が出されたのと同じ意味を持つ極めて危険な行為だ。日本にとって韓国は同盟国とも言える友好国なので非常に驚いている」と話しています。
また、韓国側がカメラで監視を行ったものの「電波の放射はなかった」と説明していることについては「射撃管制用のレーダーは周波数が高いなどの特徴があり、照射された場合は確認できるようになっている。今回、防衛省はレーダーのデータを収集して分析しているということなので韓国側の説明には矛盾がある」と指摘しています。
そのうえで「北朝鮮や中国の動向を考えれば、日本とアメリカ、韓国が連携することが重要で、今の状況はデメリットしかない。一刻も早く関係改善を図るべきだ」と話しています。

PageTopNext>>

プロフィール

yasukuninoharu

Author:yasukuninoharu
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ

カテゴリ
検索フォーム

RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード

QR