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GSOMIA「人質」に取る韓国 防衛大学校教授・倉田秀也(産経:正論)


ある種の既視感に襲われたのは筆者だけではあるまい。些(いささ)か旧聞に属するが、過日の青瓦台による日韓間の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)延長の決定である。「いつでも終了できる」との条件付きで「GSOMIAを終了したとの日本への通告の効力を停止する」、日韓間で「輸出管理に関する対話が正常的に進んでいる間は」、不当とした日本の輸出管理強化の世界貿易機関(WTO)提訴も「中止する」-この発表文の言辞は、北朝鮮がかつて対米関係で用いたそれを想起させる。同民族では、やはり「条件闘争」の手法も酷似するということか。

 ≪北朝鮮と共通する手法≫
 振り返ってみれば、1993年3月12日、北朝鮮が脱退宣言した核拡散防止条約(NPT)では-GSOMIAと同様-脱退宣言が効力を発するには90日の「猶予期間」が設けられていた。北朝鮮はその直前の6月11日、米朝高官協議で脱退宣言を「一方的に留保」するとした。
 安保取り決めに「猶予期間」が設けられる主旨の一つは、その決定が重要であるがゆえに再考の余地を与えるところにある。「猶予期間」満了時、宣言を行った国の選択肢は本来、宣言の効力発生か、宣言の撤回のいずれかしかない。ところが、北朝鮮は以降の米朝高官協議で、脱退の「意志」はあるが、脱退には至っていない「特殊な地位」を強調し、条約上の義務を最小化しつつ権利を最大化することを試みた。
 これが核不拡散体制をいかに揺るがせたか。北朝鮮は曲折の末、94年10月の米朝「枠組み合意」で米国から米朝国交正常化の確約、「安全の保証」など得難い外交的成果を得た。これらは北朝鮮が米国にNPTから脱退する可能性を突き付け、NPTを逆利用したからこそ得られた成果であった。
 さらに北朝鮮は、米朝ミサイル協議の末、99年9月、「米国との対話が継続している間は」「長距離ミサイル」の発射を「凍結する」と発表した。北朝鮮は米国が最も危惧する弾道ミサイル発射「凍結」を約束することで、米国を対話に誘導し、米朝関係改善の機会を与え続けた。NPT脱退宣言も米朝「ベルリン合意」も、北朝鮮がより大きな外交目標のため、安保取り決めを「人質」にとる上では共通していた。

 ≪安保取り決め「従属変数」に≫
 翻って、本年8月22日に日韓GSOMIA破棄を通告した韓国の場合も、90日の「猶予期間」を経た11月22日にとりえた選択肢は本来-NPT脱退宣言後の北朝鮮と同様-破棄通告の効力発生か、破棄通告の撤回のいずれかしかない。韓国がGSOMIA延長に付けた「いつでも終了できる」との条件は、NPT脱退宣言を「一方的に留保」した北朝鮮が核不拡散体制を揺るがしたように、GSOMIAという安保取り決めを毀損(きそん)してはいないか。「いつでも終了できる」ことが可能か否かは措(お)いても、GSOMIAは、「条件闘争」の手段に堕している。
 韓国はその「条件闘争」で主目的に据えるのは、日本の輸出管理強化措置の撤回であり、GSOMIA延長如何(いかん)はその従属変数に位置づけられている。青瓦台発表文にあるように「輸出管理に関する対話が正常的に進んでいる間は」、WTO提訴を「中止する」という誘因を与えてはいるが、日本が輸出管理強化措置を撤回しなければ韓国はWTO提訴を再開し、日韓GSOMIAを「いつでも終了できる」ことになっている。
 これは99年の米朝「ベルリン合意」で、北朝鮮が「米国との対話が継続している間は」「長距離ミサイル」の発射を「凍結する」としながら、06年7月に弾道ミサイルを連射したことと軌を一にする。さらに韓国が、日本の輸出管理強化措置をいわゆる「徴用工」判決への「対抗措置」と捉えている限り、日本がその措置を撤回しなければ、韓国はWTO提訴を再開しうる。そこで韓国がGSOMIA破棄を再びほのめかすこともありうる。「徴用工」問題が未解決であり続け、韓国が日本の輸出管理強化措置をその「対抗措置」と認識する限り、GSOMIA延長は必ずしも自明ではない。

 ≪批判されてよい発表文≫
 韓国の対日外交に米朝関係に固有の言辞が用いられたのは、今回が初めてではない。15年末の日韓「慰安婦合意」で問題解決に冠された「不可逆的」も、ブッシュ政権が掲げた北朝鮮非核化原則-CVID-のI(irreversible)で用いられていた。
 ただし、「慰安婦合意」にあった「不可逆的」は日本が韓国への不信から盛り込んだのに対し、日韓GSOMIA延長の発表文は青瓦台による。しかも北朝鮮が「条件闘争」を米国に挑んでいたのに対して、今般の日韓GSOMIA延長に関する青瓦台の発表文は、日本に「条件闘争」を挑みつつ、日韓GSOMIAという安保取り決めを日本に輸出管理措置を撤回させるための「人質」にとっている。米国の同盟国の発表文がこのような構造をもつこと自体、批判されてもよい。(くらた ひでや)
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【主張】辺野古の工期延長 より丁寧な説明が必要だ(産経:社説)


防衛省が、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事の工期延長を発表した。
 海底に軟弱地盤が確認され、改良工事が必要となったためで、当初5年と見積もっていた工期を9年3カ月に修正した。辺野古の飛行場が使用可能になるまで8年としていた期間は12年に延び、2030年代以降へずれ込むことが確実となった。
 3500億円以上だった総工費の試算が、9300億円に膨れ上がる。うち1千億円を地盤改良に費やすという。
 普天間飛行場の移転先が辺野古しかない状況に変わりない。そうであれば、地盤が軟弱で現行計画では滑走路として使用できない以上、工期延期はやむを得ない。と同時に、あまりにずさんな現行計画の見通しの甘さを、政府は猛省しなければならない。
 この際重要なのは、市街地に囲まれた普天間飛行場の危険を取り除くため、辺野古への移設が重要である点を、政府が今まで以上に丁寧に説明していくことだ。
 工期延期で、普天間飛行場の返還時期も大幅に遅れる。
 厄介なのは、工期延期が一筋縄ではいきそうにないことだ。
 玉城デニー知事は「辺野古移設では普天間飛行場の一日も早い危険性の除去につながらないことが明確になった」と述べ、普天間飛行場の即時運用停止を求めた。

 防衛省は令和元年度中にも県に地盤改良工事のための設計変更を申請する方針だが、県は許可しない構えという。またしても法廷闘争に持ち込むつもりか。
 知事はこれ以上、移設工事を妨げたり、不毛な訴訟合戦に入ったりすべきでない。人口密集地である普天間から、人口が少ない辺野古に移設する方が理にかなっている。辺野古移設に代わるアイデアは見当たらない。
 知事は人口密集地にある普天間飛行場周辺の県民の安全確保と、沖縄を含む日本の平和を守る抑止力確保のため、移設容認に転じてもらいたい。日米安全保障条約に基づき、米軍基地をどこに設けるかという外交・安保政策は政府の専管事項だからである。
 工期延期をきっかけに移設反対運動は活発化するだろう。政府は辺野古移設の意義を県民に丁寧に説き、工事を着実に進め、早期の完成に努めるべきである。

イラン革命防衛隊か、海自艦を追尾 ホルムズ海峡周辺で(朝日新聞)


海上自衛隊の護衛艦と哨戒機が派遣されることになった中東海域。10月、ペルシャ湾であった国際訓練に参加した海自の艦艇2隻が、ホルムズ海峡付近を航行中にイランの革命防衛隊とみられる船から短時間、追尾を受けていたことがわかった。海自艦艇であることを伝えると、離れていったという。
複数の政府関係者が明らかにした。付近では6月、日本の海運会社が運航するタンカーなど2隻が攻撃を受け、自衛隊の中東派遣のきっかけとなったが、12月27日に閣議決定された海自の活動地域からホルムズ海峡は外されている。周辺情勢が依然として予断を許さない状況であることも、活動範囲から外した一因になったとみられる。
 
防衛省によると、海自掃海母艦「ぶんご」と掃海艇「たかしま」が10月下旬から11月中旬、ペルシャ湾内のバーレーン周辺海域で、機雷の掃海や潜水作業の要領を確認する米国主催の国際海上訓練に参加した。同訓練は2012年から開催されており、今年で6回目で、海自は初回から参加している。防衛省幹部は「訓練参加が主目的だったが、今回の中東派遣をにらんでホルムズ海峡周辺の偵察も兼ねていた」と打ち明ける。
政府関係者によると、2隻は訓練参加前の10月23日から25日の間、オマーン湾からペルシャ湾に向けてホルムズ海峡付近を航行中に、1隻の船から短時間、追尾を受け、所属や航行の目的について問い合わせを受けた。海自側が「我々は日本の海上自衛隊の艦艇だ。国際訓練に参加するために来た」などと伝えたところ、離れていった。船の様子ややりとりなどからイランの革命防衛隊とみられるという。

点検2020年度予算案(6)防衛 20人規模「宇宙作戦隊」新設(日刊工業新聞)


日本の国土や国民の安全・生命を守る防衛予算は、2020年度予算案で前年度当初予算比1・1%増の5兆3133億円となった。増加は8年連続だが、急速に軍事力を増強する中国の20兆円超に比べると、まだ4倍近い開きがある。
中国は「遼寧」に続く初の国産空母「山東」を就役させるなど、極東方面で軍事覇権行動を強めている。北朝鮮も日本海で弾道ミサイル発射訓練を繰り返す一方、19年7月には中国軍機とロシア軍機が対馬海峡上空で共同飛行訓練を行うなど新たな動きも出ており、日本近海の安全保障環境は厳しさを増す。限られた予算を重点的にどこへ振り向けるかの目配りが重要になる。
20年度予算案の主なものは宇宙・サイバー・電磁波の新領域能力強化、「F2」後継の次期戦闘機の開発費用、垂直離着陸ができる「F35B」の新規取得と護衛艦「いずも」の改修、スタンド・オフ電子戦機の開発などだ。

宇宙では航空自衛隊内に米国の宇宙軍に続いて「宇宙作戦隊」を20人規模で新設するほか、わが国の人工衛星に対する電磁妨害状況を把握する装置を取得する。サイバーは防衛隊の人員規模を220人から290人へ増員するほか、高度人材発掘のためのコンテストなどを開催。中国や北朝鮮のハッカー攻撃などの動きに備える。
F2後継機開発はシステム全体の初期設計費用に111億円を充てる。ミッションシステムなど関連費用も入れると約280億円になる。ステルス戦闘機F35は通常のA型3機で281億円、垂直着陸のB型6機で793億円を計上。B型運用を可能にする、いずもの改修と合わせ、ミサイルなどで南西諸島の飛行場が奇襲攻撃を受けた場合の抗堪性を高める。スタンド・オフ電子戦機は相手のレーダーなどを無力化し自衛隊の航空作戦を支援するもので、「C2」輸送機を改造する方針だ。

潜水艦や滞空型無人機、無人水中航走体(UUV)も強化する。
F2後継の次期戦闘機は国産エンジン搭載が有力視される

【独自】馬毛島での米艦載機訓練、25年度にも運用可能に(読売新聞)


政府は、米軍空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)の移転候補地となっている馬毛島(鹿児島県西之表市)で、2022年度から飛行場など関連施設の工事に着手する方針を固めた。工期は3年を見込み、24年度末までの工事完了を目指す。日米合意を経たうえで、早ければ25年度からFCLPの運用が可能となる。
 
抑止強化へ早期整備
複数の政府関係者が明らかにした。中国や北朝鮮の脅威に対抗する上で、岩国基地(山口県)を拠点とする米軍の空母艦載機は要の部隊の一つだ。パイロットの技量を維持する恒久的な訓練環境を早期に整備することで、日米の抑止力や対処力の強化につなげる狙いがある。

馬毛島は鹿児島県・種子島の西約12キロ・メートルにある無人島で、面積は約8平方キロ・メートル。政府は19年11月、島の大半を所有する東京都内の開発会社と、段階的に島を国に売却する条件で約160億円の売買契約を結んだ。既に6割以上の土地を取得しており、年明け以降に所有権の移転を完了させる方向だ。
防衛省は20年1月下旬にも、施設整備のための地質調査や測量を始める。20年度からは動植物の生息・生育状況の調査など環境影響評価(環境アセスメント)を実施する。関連経費として20年度予算案に約5億円を盛り込んだ。
環境アセスメントは約2年で終え、22年度には飛行場や管制塔、通信施設の建設に着工する。島には100人規模の航空自衛隊「馬毛島基地(仮称)」を整備し、米軍が使用できるように日米合同委員会で合意する。25年度からのFCLPの運用を目指しており、年に1~2回、それぞれ10日間ほど訓練が行われる見通しだ。
人口密集地にある厚木基地(神奈川県)で騒音問題が発生したため、米軍は1991年から硫黄島(東京都)でFCLPを行っている。空母艦載機部隊の計約60機も2018年3月までに厚木基地から岩国基地に全て移った。
しかし、艦載機がFCLPを行う硫黄島までは岩国から約1400キロ・メートルあり、厚木より約200キロ・メートル遠くなった。このため、米側はパイロットの安全確保の観点からより近い場所での訓練を求め、日米両政府は11年6月、岩国から約400キロ・メートルの馬毛島をFCLPの候補地に選んだ。
政府は馬毛島を沖縄県の基地負担軽減にも活用するため、米軍普天間飛行場に所属する輸送機オスプレイの訓練移転なども検討している。
 
 ◆FCLP=Field Carrier Landing Practiceの略称。洋上の空母に着艦する艦載機のパイロットの技術を維持するため、陸上の滑走路を甲板に見立てて行う着陸訓練。「タッチ・アンド・ゴー」とも呼ばれる。

【主張】回顧2019 令和日本が歩み出した 政治は行動力を示すときだ(産経:社説)


平成から令和へ-。
 御代替わりが、202年ぶりの譲位によって実現した歴史的な年となった。
 天皇としての務めを全身全霊で果たされてきた上皇陛下に対して多くの国民が感謝し、今上(きんじょう)陛下の即位を寿(ことほ)いだ。
 「即位礼正殿の儀」の際、皇居の空にめでたい虹がかかった。日本は令和の時代を明るいムードで歩み出したといえよう。
 大嘗祭(だいじょうさい)をはじめとするさまざまな儀式はつつがなく営まれた。即位パレードでは、沿道で祝福する人々に、天皇、皇后両陛下が笑顔で手を振られた。海外からも多くの賓客がお祝いに駆けつけた。

≪明るい国柄が示された≫
 古くからの文化と伝統を重んじ、天皇を国民が敬愛する日本の明るい国柄や、世界から好まれている現代日本の姿が示された年となったのではないか。
 御代替わりに限って改められる元号の「令和」は、日本最古の歌集「万葉集」から引用された。漢籍(中国古典)からではなく、国書(日本古典)から作られたのは初めてだった。
 天皇、皇后両陛下は26日、台風19号などの被災地見舞いのため、宮城、福島両県を訪ねられた。在位中、国民と苦楽を共にされた上皇、上皇后両陛下を彷彿(ほうふつ)とさせるご訪問だった。

 天皇は「日本国および日本国民統合の象徴」という極めて重い立場にある立憲君主である。新しい天皇陛下や御代替わりの儀式を目の当たりにしたことを通じて、国民が「天皇と日本」について改めて考える契機となったはずだ。
 一方で、皇位の安定継承策を固めなければならない危機にあることも事実だ。天皇の長い継承の歴史のありようが、国民に十分には知られていないことも浮き彫りになった。
 初代の神武天皇から第126代の今上陛下まで、一度の例外もなく貫かれてきた原則は、父方をさかのぼれば天皇を持つ皇族による男系(父系)の継承である。来年4月の立皇嗣の礼の後、政府は継承策の検討を本格化させる。正確な知識が議論の前提とならねばならない。女系継承の安易な容認で皇統の断絶を招かないよう政府や宮内庁は皇位継承の原則を国民に説明しなければならない。
 危機は、それにとどまらない。激動の国際社会の中で日本丸の針路が問われている。
 昨年の本紙主張「回顧2018」は、「米中が対決局面に入った」と振り返った。新冷戦ともいうべき米中両国の対立は、日本と世界にとって戦略環境の激変であり、危機である。
 新冷戦の行方は日本の平和と独立、繁栄を左右する。傍観者でいられないはずの日本だが、その針路は今年、定まらなかった。

 ≪定まらぬ日本丸の針路≫
 日本や米国など先進7カ国(G7)が主導してきたのが、自由と民主主義、法の支配、人権を尊重するこれまでの国際秩序だ。
 共産党独裁政権が統治し、香港や新疆ウイグル自治区での人権弾圧が問われ、南シナ海などで国際法を無視する中国が覇権国になることは望ましくない。
 日本が選択すべきは、米国やその同盟国と協力して、中国の脅威を抑止する道のはずだ。
 だが、今年の安倍晋三政権を振り返ると、米中の狭間(はざま)で右往左往している印象が拭えない。
 トランプ米政権と強固な同盟関係を保った点は評価できる。日米貿易協定は来年1月1日発効の運びとなった。だが、対中関係が「完全に正常な軌道」にあると唱え、習近平中国国家主席の来年の国賓招致を目指しているのは不可解極まる。対中関係が良好と考える国民はほとんどいまい。香港やウイグル弾圧の最高責任者である習氏を国賓にしていいのか。

 今年の漢字を問われた河野太郎防衛相は「尖」を挙げた。中国は尖閣諸島を狙っている。南西防衛の強化は重要課題である。
 北朝鮮の核・ミサイルの脅威も去らず、拉致被害者は帰ってこない。安倍政権は、これらの危機にもっと行動力を発揮すべきだ。
 国会や与野党も、日本と国民を守るという最大の責務を果たしたとはいえない。香港やウイグルの人権問題を憂えて、国会決議を出すことすらなかった。取り組むべきことをせずに、お粗末な「桜を見る会」の問題で攻防を繰り広げても得るところはない。

河野防衛相 オマーン訪問 護衛艦の中東派遣に理解求める (NHK)


中東地域への自衛隊派遣が決定されたことを受け、河野防衛大臣は中東のオマーンを訪れてバドル国防担当相と会談し、オマーンの港で護衛艦の補給を検討していることを踏まえ、派遣の内容について説明し理解を求めました。

中東地域での日本に関係する船舶の安全確保に必要な情報収集態勢を強化するため、政府は来年2月上旬に護衛艦「たかなみ」を出港させ、2月中にも現地で活動を開始させるほか、アフリカ東部のジブチを拠点に海賊対策にあたる哨戒機部隊を活用することにしています。
これを受けて河野防衛大臣は、日本の防衛大臣として初めてオマーンを訪問し、日本時間の29日午後、バドル国防担当相と会談しました。
会談で河野大臣は中東地域に派遣する護衛艦がオマーンの港で燃料などの補給を検討していることを踏まえ、活動地域がオマーン湾やアラビア海北部などになるといった自衛隊派遣の内容を説明し、理解を求めました。
会談のあと河野大臣は記者団に対し、「『派遣は中東の安定に寄与するだろう』と、前向きな反応をいただいたと思っている。オマーンとは海上自衛隊の艦船の寄港など実績を重ねてきたので、今後も交流を深めていきたい」と述べました。

防衛相「最終配備地は佐賀」 水陸機動団と一体運用 閣議後会見で発言(佐賀新聞)


陸上自衛隊オスプレイの佐賀空港配備計画の実現を、木更津駐屯地(千葉県木更津市)への暫定配備から5年以内との目標を明示したことに関し、河野太郎防衛相は27日の閣議後会見で「最終的には佐賀に配備したいと考えており、さまざまな調整を丁寧にやっていきたい」と述べた。今年を象徴する漢字に「尖」を選び、南西諸島防衛に力を入れる姿勢を示した。
 
陸自オスプレイを巡って河野氏は、木更津市の渡辺芳邦市長と25日に面会し、暫定配備期間に関し「5年を目標として頑張りたい」と述べていた。渡辺市長はこの発言を受け、暫定配備の受け入れを表明した。
会見で河野氏は、目標にどのように取り組むのかとの質問に「最終的には水陸機動団との一体運用ということで佐賀に配備させていただきたいと考えている。さまざまな調整をしっかり丁寧にやっていきたい」と答えた。
今年の漢字を問われると「尖」を挙げた。沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船の動きが活発になっているとして「沖縄、南西諸島の防衛にしっかり取り組む」と強調した。「有事の際に領土領空領海、国民の平和な暮らしを守れる自衛隊であるために大臣自身も『尖とがって』やっていかないといけない」と自身の政治姿勢にも重ねた。
陸自が導入するオスプレイは、南西諸島の防衛強化を目的にしている。

中国で今年駆逐艦9隻進水、「世界記録」と宣伝…海軍力の増強鮮明に(読売新聞)


【北京=中川孝之】中国の軍事専門サイト「新浪軍事」など複数の中国メディアは、中国で今年、空母護衛などを担う最新鋭のミサイル駆逐艦9隻が進水したと伝えた。駆逐艦の1年の進水数では「世界記録」と宣伝している。海軍力を増強して米軍に対抗する狙いが一段と鮮明になった。

遼寧省大連の造船所では26日、駆逐艦2隻の進水式典が開かれた。排水量1万トン級でアジア最大の「055型」と、「中国版イージス」と称される「052D型」で、今年進水の9隻はいずれもこの2種の最新鋭艦となった。
駆逐艦の建造ペースは、近年では米国が1992年に6隻を進水させたのが最多で、中国はこれを初めて塗り替えたとしている。
進水した船は、試験航海などを経て来年にも就役する見通しだ。055型は対空ミサイルなどの計112の垂直発射装置を搭載し、空母に随伴する主力艦となる。進水済みの055型はこれで6隻目、052D型は23隻目となった。
中国では今年、駆逐艦の他に、初の強襲揚陸艦「075型」1隻や、駆逐艦より小型のコルベット艦12隻も進水するなど、軍艦艇の増産を加速させている。

機雷機能を装備 無人潜水機開発へ…防衛省 離島防衛など想定(読売新聞)


防衛省は、機雷として使える小型無人潜水機(UUV◎)を開発する。水中を自動航行し、有事には艦船や潜水艦の侵入を防ぐ。
来年度以降、試作機2機を作り、次期中期防衛力整備計画(中期防、2024~28年度)での導入を目指す。来年度予算案に開発費75億円を盛り込んだ。
UUVは、自衛隊の艦船や航空機などから海中に投下される。所定の海域まで自動航行させた後、遠隔操作で機体を停止させ、機雷機能を作動させる仕組みだ。南西諸島などの離島防衛や日本周辺の海峡封鎖などでの利用が見込まれる。
防衛省・自衛隊は、少子化などで隊員減が大きな課題となっている。政府が昨年12月に閣議決定した中期防では、「防衛装備品の無人化、省人化の取り組みを積極的に進める」としており、UUV開発もその一環だ。
政府は人工知能(AI)が自ら標的を選ぶ「自律型致死兵器システム(LAWS◎)」について、倫理上の観点から、完全自律型は開発しないとの立場だ。UUVについても、自動航行中には機雷を起動させないなど、人が関わる余地を残す。

【主張】韓国憲法裁「却下」 文政権は国の約束を守れ(産経:社説)


 慰安婦問題の日韓合意を「違憲」だとする元慰安婦らの訴えを韓国の憲法裁判所が却下した。
 だが、その理由を聞くと呆(あき)れるばかりだ。憲法裁は日韓合意が法的な履行義務のない「政治的合意」にすぎず、効力も不明だとしたからだ。

 国際法を守るべき韓国政府をたしなめてしかるべき憲法裁が、正当な国家間の合意を否定するのは間違っている。国同士の約束を守るという信義など、どうでもいいのか。これでは諸外国も韓国政府と約束ごとは結べまい。
 文在寅政権は合意を完全に履行しなければならない。
 韓国では最高裁とは別に、憲法裁判所が置かれ、憲法に関わる案件を審理している。今回の訴訟は慰安婦問題で「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった平成27年の日韓合意に対し、元慰安婦らが起こした。合意により日本側に賠償を求める道が閉ざされ財産権などが侵害されたほか、合意内容が十分に説明されず、知る権利が侵害されたなどと主張していた。
 もともと、昭和40年の日韓国交正常化に伴う請求権協定で、日本は韓国に無償3億ドル、有償2億ドルを支払った。韓国側は個人補償は韓国政府の責任で行うと明言している。すべて解決済みで、いわれのない要求である。

 憲法裁が日韓合意は「政治的合意」にすぎないとしたことを盾に、請求権が残るかのように主張するのも誤りである。合意内容などが十分説明されたか、されないかにかかわらず、すべては韓国政府に責任がある。
 慰安婦問題で日本政府はできる限りのことをしてきた。
 日韓合意に基づき、日本政府が拠出した10億円を元に、元慰安婦のための「和解・癒やし財団」が韓国で設立された。元慰安婦の7割以上が財団による現金支給事業を受け入れた。その財団を一方的に解散したのは文政権だ。
 いわゆる徴用工訴訟で韓国最高裁は日本企業に賠償を命じた。憲法裁の判断はこれと同根だ。人事への介入など法を恣意(しい)的に運用してきた文政権の意向に沿い、韓国側の合意不履行や白紙化まで正当化するのは理不尽この上ない。
 日韓合意は東アジアの安全保障上の懸念が強まる中で関係改善を目指してかわされた。日韓関係の悪化で喜ぶのは誰か。合意を守らず国益を害すのは韓国なのだ。

漂着木造船から7遺体 北朝鮮からか―新潟・佐渡(時事N)


佐渡海上保安署は28日、新潟県佐渡市の海岸に漂着した木造船の一部から7人の遺体が発見されたと発表した。船にはハングルとみられる文字が記されており、同保安署は北朝鮮の船の可能性があるとみて調べている。

 同保安署によると、巡回中の県警佐渡署の警察官が27日午後3時45分ごろ、同市の海岸で木造船の船首部分が漂着しているのを発見。同保安署などが28日午前、中を確認し遺体を発見した。一部の遺体は白骨化していたという。
 見つかった船首部分は長さ7.6メートル、高さ2.25メートル、幅4.3メートル。外観は黒く、赤色の塗料でハングルとみられる文字と数字が記されていた

シリア内戦や温暖化対策 国連 2010年代主要ニュースを発表 (NHK)


国連は2010年代が終わるのを前に、この10年の主要なニュースを発表し、ハイチで起きた大地震やシリアで続く内戦などが人々を苦しめた一方で、地球温暖化対策の枠組み作りなどで国際社会が結束を見せたことを取り上げ、引き続き国際協調を呼びかけることにしています。

国連は27日までに、2010年代の10年間に起きた主なニュースを1年ごとに1つずつ取り上げ発表しました。
それによりますと、2010年はカリブ海の島国ハイチで20万人を超える死者を出した大地震を、続く2011年はいまに続くシリアの内戦が始まったことをあげています。
そして2015年は、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定が採択され、国際社会が結束を見せたとしたほか、ことし2019年もグテーレス事務総長の呼びかけで温暖化対策に弾みがついたとしています。
また、2016年は、持続可能な開発目標=SDGsの期間が始まり、よりよい未来への青写真が描かれたとしています。
一方、2017年は、ミャンマーでイスラム教徒の少数派のロヒンギャの人たちが迫害から逃れ、これまでにおよそ74万人が難民となり、深刻な人道危機になったことをあげています。
国連は次の10年に向けても、さまざまな課題について粘り強く国際協調を呼びかけることにしています。

防衛省、北の新型ミサイル対応で新迎撃システム開発へ(産経新聞)


防衛省は、北朝鮮などの弾道ミサイルの脅威が高まっていることを受け、新たな迎撃ミサイルシステムを開発する検討に入った。陸上自衛隊の03式中距離地対空誘導弾(中SAM)を改修し、弾道ミサイル迎撃能力を付与する研究を来年から始める。北朝鮮が開発している変則軌道で飛来する新型ミサイルなどに対応する性能を目指す。
複数の政府関係者が28日、明らかにした。完成すれば、海上自衛隊のイージス艦が発射する迎撃ミサイルSM3、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)に続く“第3”の迎撃システムとなり、防空体制が強化される。
中SAMは国産のミサイルシステムで、100キロメートル未満とされる射程を大幅に延伸した改良版が来年末から順次、陸自部隊に配備される。敵の戦闘機や巡航ミサイルを撃ち落とせるが、弾道ミサイルには対応しておらず、防衛省は弾道ミサイルを着弾間際に迎撃できるよう中SAM改良版の改修を進める。
具体的には、誘導弾(ミサイル本体)や射撃管制装置を改修し、敵の弾道ミサイルの軌道予測能力を高度化させることで、新型を含む弾道ミサイルへの対応を可能とする技術検証に着手する。迎撃範囲が数十キロメートルにとどまるPAC3に生じる隙間をカバーする役目も担わせる。開発期間は3年程度と見込まれる。
迎撃対象に想定するのは、北朝鮮がロシア製「イスカンデル」を基に今年開発した変則軌道の短距離弾道ミサイルだ。低空で飛来し、着弾前に再上昇するなど従来型と異なる複雑な軌道を描く。既存のSM3は高高度を標的とするため迎撃できず、PAC3も変則軌道への対応が難しいため、国防上の大きな懸念になっていた。
中国やロシアは「極超音速滑空ミサイル」を開発している。極超音速(マッハ5以上)で飛来し、軌道も複雑で、現在のミサイル防衛網の突破も可能とされる。このため中SAM改良版をベースに、敵ミサイルを捕捉するレーダーの高出力化など、さらなる高度な開発を7年程度かけて行う構想もある。

    ◇
政府は北朝鮮による弾道ミサイル技術の急速高度化を「新たな脅威」と位置づけ、「総合ミサイル防空能力を高めていく」(河野太郎防衛相)と強調している。だが隙も多いだけに、03式中距離地対空誘導弾(中SAM)改良版を基にした新たな迎撃システムを開発し、多層的な防空体制の構築を目指す意義は大きい。
北朝鮮は今年5月以降、13回にわたり弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。日本政府は、このうち4回がロシアの「イスカンデル」に類似した変則軌道型だと分析している。
一般的な弾道ミサイルはボールを投げたときのような放物線を描き、短距離の場合の高度は100キロメートル程度になる。変則軌道型はその半分程度の低空で飛来し、最終段階で再上昇するなど複雑な軌道を描く。自衛隊幹部は「今の体制では撃ち落とすのは難しい。早急な体制強化が必要だ」と危機感を強める。
現在の日本の弾道ミサイル防衛は「2段構え」だ。まず海上のイージス艦が迎撃ミサイルSM3を発射し、敵の弾道ミサイルが高高度に達している大気圏外で撃ち落とす。打ち漏らした場合は、高度20キロメートル程度の着弾間際に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が迎撃する。
防衛省は、その中間地点での迎撃を担う地上配備型の「イージス・アショア」を国内2カ所に配備し、迎撃ミサイルSM3ブロック2Aを搭載して「3段構え」にする方針もすでに決めている。ただ、配備候補地の選定作業でミスが発覚し、早ければ令和7年度としていた運用開始は不透明になってきている。
北朝鮮が発射した弾道ミサイルの大半は短距離で、対韓国を想定したとみられる。だが、飛行途中で誤作動を起こし、日本領土に飛来する可能性があるうえ、国際情勢の変化によって日本に矛先が向かないともかぎらない。
中国やロシアは最新の極超音速兵器滑空ミサイルと呼ばれる最新兵器の開発も進める。露国防省は27日、音速の20倍以上の速度で不規則に飛行するとされる「アバンガルド」を搭載したミサイルが初の実戦配備に就いたと発表した。計画中の「アショア」も含めた日本の防空体制ではこれらのミサイルの迎撃は難しく、能力強化は不可欠だ。
ミサイルの攻撃と迎撃の技術は高度化を競う「いたちごっこ」になりやすい。このため「目」の機能の強化も重要で、米国などは小型無人機で敵の発射地点近くに到達し、発射の兆候を探知する技術を研究している。
多くの人工衛星を協働させ、敵のミサイル発射を高い精度で探知・追尾するシステムの構築を米国などとも協力して急ぐ必要がある。

海自哨戒機の運用状況確認 防衛相、ジブチ拠点視察(日経新聞)


【ジブチ=共同】河野太郎防衛相は28日(日本時間同)、アフリカ東部ジブチで、ソマリア沖アデン湾を対象に海賊対処活動を展開している自衛隊部隊の拠点を視察した。河野氏は自衛隊の活動について「国際社会に貢献する大きな意義がある」と激励。27日に閣議決定した海上自衛隊の中東派遣を巡り、海賊対処活動を担うP3C哨戒機を活用することを踏まえ、運用状況を直接確認した。

河野氏は海賊行為の取り締まりを目的に、P3C哨戒機が活動するソマリア沖アデン湾に関し「国際社会の平和と安全のため、この海域の安全を守ることが不可欠だ」と強調した。その後ジブチ国内にある港に移動し、護衛艦も視察した。
自衛隊拠点の視察に先立ち、河野氏はジブチのブルハン国防相と国防省で会談した。27日の閣議決定の内容を説明したとみられる。
自衛隊の海賊対処活動は2009年に開始。現在、護衛艦1隻、P3C哨戒機2機を派遣している。河野氏は28日、ジブチに入った。

【主張】海自の中東派遣 「日本の船守る」第一歩だ(産経:社説)


政府が海上自衛隊の中東派遣を閣議決定した。河野太郎防衛相は自衛隊に派遣準備を命じた。
 中東情勢の悪化を踏まえ、護衛艦と哨戒機が日本関係船舶の安全確保のための情報収集を行う。不測の事態の際は、海上警備行動を発令して日本関係船舶を保護する。
 日本は原油輸入の約9割を中東地域に依存する。派遣は、日本向けタンカーなどを日本自ら守る努力の第一歩であり、評価したい。「自国の船は自国が守る」のは当然のことだ。
 平成3年の掃海艇のペルシャ湾派遣以来、多くの自衛隊の海外派遣があった。これらは国際貢献が主な目的だった。今回の派遣は国益を守ることを第一義的な目的とする点が特徴だ。
 護衛艦は来年2月上旬に日本を出航し、哨戒機は1月下旬に現地で活動を開始する見通しだ。万全の準備を整えて臨んでほしい。
 派遣の背景として、今年6月にホルムズ海峡周辺で、日本の海運会社が運航するタンカー(パナマ船籍)が何者かに攻撃された事件がある。さらに、トランプ米大統領が、日本や中国に自国船を自ら守るよう促したことがある。
 日本は、同盟国米国が主導する「海洋安全保障イニシアチブ」(有志連合)などの枠組みには参加しない。米国と対立するイランとも友好関係にあり、双方に配慮した。そうであっても米軍との情報共有、連携は極めて重要だ。

 総合的に考えれば派遣は妥当だが課題もある。対象海域から、航行が集中するペルシャ湾とホルムズ海峡を外してしまった。領海が多く、そこで情報収集活動をすれば、航行の条件である無害通航でなくなるからだという。沿岸国から許可を得る努力をしたのか。
 また政府は、海上警備行動を発令しても、自衛隊が武器を使って守れるのは国際法上、日本籍船だけだとしている。
 日本人が乗船していたり、日本の会社が運航したり、日本向けの重要な積み荷を輸送中の外国籍船も「日本関係船舶」として保護の対象に含むが、自衛隊は武器を使用せずに守るしかないという。
 そのような国際法または法解釈は国益と人道に反し、おかしい。必ず武器使用するわけではないが、使わないと守れない場面に遭遇したら見殺しにするのか。安倍晋三首相や防衛省は現場指揮官に負担を押しつけてはならない。

2020年代の「新防衛」発想を 防衛大学校教授・神谷万丈(産経:正論)


 今日、日米同盟は奇妙な状況にある。同盟が「史上かつてなく強固」であるにもかかわらず、日本人の間では同盟の将来に対する不安感が払拭されない。米国との関係をどう規定し直していくのかが、2020年代の日本の安全保障政策にとっての大きな課題となろう。

 ≪常識が今後も通用するか≫
 世界最強の米国との同盟を基軸にして安全保障政策を進め得たことは、戦後の日本にとっての幸運だった。だが今や強固な日米同盟の維持が日本の意思だけでは保証されない状況が生じ始めているようにみえる。日本が同盟国として十分な安全保障努力を行う限り、米国が自らの世界戦略上不可欠なこの同盟を弱めるような態度をとるはずはない。それが従来の常識だった。だがトランプ政権の同盟政策をみると、この常識が今後も通用するかどうかは心もとない。
 トランプ氏は、米国は世界中の金持ち国の軍を助成しているのにそれらの国々に食いものにされていると言う。彼にとって同盟とは米国が同盟国を守ってやる装置であり、米国主導の国際秩序の維持に同盟が必要だとの発想はない。その結果、彼の同盟政策には他の外交分野同様に不確実性が目立つ。日米同盟だけがその例外だと考えてよい理由はなかろう。
 来年の大統領選挙で民主党が勝ったとしても、米国の同盟政策が「トランプ以前」に戻るとは限らない。トランプ流の米国第一主義の根底にある、面倒で金のかかる国際問題からできるだけ手を引きたいという発想には、米国国民の多くが共感しているからだ。
 米国の同盟政策に不確実性が増しているとすれば、日本の安全保障政策は日米同盟基軸を唱えるだけではもはや十分ではない。米国による日本の好まぬ政策転換に備える必要があるからだ。そのためには、日本は安全保障面での米国への依存度を下げる必要がある。
 だが、それが同盟を傷つけることは避けねばならない。中国の台頭やロシアの復活が著しい今日、基本的な価値や理念を共有する世界最強の国と肩を組み続けることは、日本にとっての最善シナリオだからだ。だが、強い同盟を維持しつつ対米依存度を下げるのは容易ではない。そのためには、少なくとも二つのことが必要だ。

 ≪基地共同使用の推進を≫
 一つは、米国の日本防衛への関与を繋(つな)ぎとめるための手を打つことだ。非介入主義的傾向を強めた米国が日本有事の際の行動をしぶるという悪夢を防ぐためには、米国が日本を防衛せざるを得ない状態を作り出すべきだ。そのために考えられるのが、自衛隊と在日米軍による基地共同使用の推進だ。
 基地の共同使用が進めば自衛隊への攻撃は即在日米軍への攻撃ともなるため米国が反撃しないことは考えられなくなる。しかも基地共同使用で自衛隊と在日米軍の一体化が進めば同盟協力も強化されるので一石二鳥の方策といえる。
 もう一つは、日本自身の国を守る能力を高めることにより対米依存度を下げることだ。現在の日本の防衛支出は国内総生産(GDP)の0・9%強で、中国の1・9%、韓国の2・6%などと比べて著しく少ない。これを増額すれば、トランプ氏が問題にする日米の防衛負担の非対称を緩和する効果もあるのでやはり一石二鳥だ。
 その第一歩として、米国の在日米軍駐留経費負担(HNS)の増額要求に対し、防衛費を増やすことで応えてはどうか。トランプ政権は日本に対してHNSの4倍増を求めたと報じられたが、その場合増額は年に約6千億円になる。それを防衛費に回せば、防衛費を約11%押し上げる効果が出る。

 ≪「防衛的防衛」の考え方≫
 日本の防衛力の内容についても修正が必要だろう。日米の「盾と矛」という役割分担は再検討すべきではないか。米国の軍事力は世界最強で、日本国民は平和主義の継続を望んでいる。ゆえに日本有事に際して攻勢作戦は米軍中心で行い、自衛隊は主に防勢作戦を担うという分担には合理性がある。だが、日本が矛の能力を持てないという考え方は問題だ。攻撃力を持たない国は自前の抑止力も持てぬ。しかも米国の同盟政策に関する不確実性の増大は、有事に際して米軍が約束通りに攻勢作戦を行うかどうかを以前よりは不確実にしている。日本は敵基地反撃能力としての巡航ミサイル導入をはじめ、一定の攻撃能力を手にすることを検討すべきだろう。
 攻撃力を持つことは専守防衛の放棄を意味しない。安全保障学には「防衛的防衛」という考え方がある。これは国家が自らを守るには十分だが他国を攻撃するには不十分という武力しか持たないことが平和につながると説くものだ。防衛的防衛は、上の基準内で防衛のための攻撃兵器の保有を否定しない以外は専守防衛とほぼ同じだ。平和学の泰斗(たいと)坂本義和教授はかつて国会の憲法調査会で両者を同一のものとして説明している。
 日米同盟を維持しつつ対米依存度を下げるには、イノベーティブな発想が求められる。本稿で提起したのは、その一端にすぎない。(かみや またけ)

自衛隊の中東地域派遣 現地での活動は? 武器使用は?(NHKニュース)


政府は中東地域で日本に関係する船舶の安全確保に必要な情報収集態勢を強化するため、日本独自の取り組みとして、自衛隊の護衛艦と哨戒機の派遣を27日の閣議で決定しました。具体的な任務や活動はどうなるのでしょうか?
閣議決定された中東地域への自衛隊派遣は、現在、活動しているアフリカ・ソマリア沖の海賊対策とは任務や派遣の根拠などで違いがあります。

活動範囲は3つのエリア
今回の活動範囲はイランとアラビア半島の間にあるオマーン湾、その南に広がるアラビア海北部、それにアラビア半島とアフリカ・ソマリアの間にあるアデン湾の3つのエリアです。
海賊対策ではアデン湾で護衛艦1隻と哨戒機2機が活動していますが、活動範囲が大きく広がり、別の護衛艦1隻を派遣します。
新たに派遣される護衛艦はオマーン湾とアラビア海北部で活動しますが、イランにより近いホルムズ海峡や、その先のペルシャ湾は活動範囲に含まれません。
またアデン湾ではアフリカ・ジブチを拠点に海賊対策で派遣されているP3C哨戒機が並行して活動に当たります。

任務は船の安全に必要な「情報収集」
今回の中東地域での任務は、日本に関係する船の安全を確保するために必要な「情報収集」です。
防衛省関係者によりますと特に船の位置などを知らせるAISと呼ばれるシステムを切ったまま航行するなど不審な動きをする船について、種類や進路などの情報を収集するということです。
一方、日本に関係する船の防護が直ちに必要となる状況にはないとしていて、海賊対策で行われている船の護衛は任務に含まれていません。

派遣根拠は「調査・研究」という枠組み
今回、海外派遣の根拠とされたのは防衛省設置法の「調査・研究」という既存の枠組みです。
海賊対策や、平成13年からインド洋で行われた給油活動で自衛隊を海外に派遣する際は、国会での審議を経て活動の根拠となる新しい法律が作られました。
今回、活動期間を延長する場合には改めて閣議決定を行い、国会に報告するとしていますが、チェック機能がどう働くかが課題になります。

武器使用に制限
防衛省設置法の「調査・研究」に基づく活動中、自衛隊が武器を使用できるのはみずからの艦艇や航空機を相手の攻撃から守る場合に限られます。
日本に関係する船に対する攻撃があっても、直ちに武器を使った対処をすることはできません。
そのような不測の事態が起き、必要と認められる場合には、自衛隊に「海上警備行動」を発令して対応するとしています。
海上警備行動では相手を停船させるために武器の使用が可能となりますが、相手に危害を加える武器使用が許容されるのは、「正当防衛」と「緊急避難」に限られます。
保護の対象も日本に関係する船に限られ、海賊対処法に基づく護衛の活動が、外国籍船を含めたすべての船を対象にしているのと違いがあります。
またことし6月にホルムズ海峡付近でタンカーが攻撃を受けた事件では、イランやイランの「革命防衛隊」の関与をアメリカなどが指摘していますが、防衛省は国や国に準ずる組織に武器を使用することは海上警備行動の権限を超えるとしています。

護衛艦「たかなみ」を派遣
今回、中東地域に派遣されるのは海上自衛隊横須賀基地に配備されている護衛艦「たかなみ」です。
全長およそ150メートルで哨戒ヘリコプターを最大で2機搭載でき、アフリカ・ソマリア沖の海賊対策にも派遣されたことがあります。
防衛省関係者によりますと1等海佐の護衛隊司令が指揮官を務め、司令部の要員も含めておよそ200人が乗艦して活動に当たるということです。
年明け以降、図上演習を行い、どのような特徴や動きの船を特に警戒すべきかや、仮に不測の事態が起きた場合、どのようなケースでどこまでの対応が可能かなどさまざまな条件を設定して、シミュレーションを重ねるということです。
そして2月上旬に出港し、2月中の活動開始を目指すということです。

中東地域における日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動のための準備に関する防衛大臣指示(防衛省)


中東地域の平和と安定は、我が国を含む国際社会の平和と繁栄にとって極めて重要である。また、世界における主要なエネルギーの供給源である中東地域において、日本関係船舶(日本籍船及び日本人が乗船する外国籍船のほか、我が国の船舶運航事業者が運航する外国籍船又は我が国の積荷を輸送している外国籍船であって我が国国民の安定的な経済活動にとって重要な船舶をいう。以下同じ。)の航行の安全を確保することは非常に重要である。
今般、「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について」(令和元年12月27日国家安全保障会議決定及び閣議決定)により、中東地域における平和と安定及び日本関係船舶の安全の確保のため、我が国独自の取組として、更なる外交努力、航行安全対策の徹底及び自衛隊による情報収集活動について、政府一体となった総合的な施策を関係省庁が連携して実施することとされた。
 
自衛隊による情報収集活動については、所要の調整を経て、回転翼航空機を搭載する護衛艦1隻で構成される部隊を編成して新たに派遣するとともに、派遣海賊対処行動航空隊の固定翼哨戒機P-3C2機を活用することとする。派遣海賊対処行動航空隊による情報収集活動は、現に海賊対処行動に従事している航空機と交替するために令和2年1月11日の出国を予定している航空機から従事させる。
 
このため、下記の事項について所要の準備を実施せよ。
1.護衛艦部隊の編成及び固定翼哨戒機P-3Cの活用のために必要となる準備
2.現地情勢に係る情報の収集
3.教育訓練
4.予防接種等
5.装備品等の調達、補給、集積、整備等
6.関係機関との協力
7.諸外国等との連携

中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について(閣議決定)


中東地域の平和と安定は、我が国を含む国際社会の平和と繁栄にとって極めて重要である。また、世界における主要なエネルギーの供給源である中東地域において、日本関係船舶(日本籍船及び日本人が乗船する外国籍船のほか、我が国の船舶運航事業者が運航する外国籍船又は我が国の積荷を輸送している外国籍船であって我が国国民の安定的な経済活動にとって重要な船舶をいう。以下同じ。)の航行の安全を確保することは非常に重要である。
 
中東地域において緊張が高まる中、船舶を対象とした攻撃事案が生起し、令和元年6月には日本関係船舶の被害も発生している。このような状況に鑑み、各国は、同地域において艦船、航空機などを活用した航行の安全確保の取組を強化している。米国は、海洋安全保障イニシアティブの下、英国や豪州等と共に、艦船等による活動を行っており、フランスも、欧州諸国のイニシアティブに取り組んでおり、アラブ首長国連邦に司令部を設置することを表明している。このほか、インドも艦船による活動を独自に行っている。このように、国際社会において、多様な手段で船舶の航行の安全のための情報を収集し、あるいは安全確保に万全を期すという取組が行われている状況にある。
以上の点に鑑み、中東地域における平和と安定及び日本関係船舶の安全の確保のため、我が国独自の取組として、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けた更なる外交努力、関係業界との綿密な情報共有をはじめとする航行安全対策の徹底並びに情報収集態勢強化のための自衛隊の艦艇及び航空機の活用について、政府一体となった総合的な施策を関係省庁が連携して実施することとし、その重要性に鑑み、閣議決定を行い、下記により対応する。

1.更なる外交努力
 我が国は、米国と同盟関係にあり、同時にイランと長年良好な関係を維持するなど、中東の安定に関係する各国と良好な関係を築いている。これを活かし、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向け、関係国に対する様々なレベルでの働きかけを含む更なる外交努力を行う。また、船舶の安全な航行に大きな役割を有する沿岸諸国に対し、航行安全確保のための働きかけを引き続き実施する。中東地域における自衛隊の活動については、これまでも地域の関係国の理解を得るよう努めてきているが、下記3.における自衛隊の情報収集活動について、地域の関係国の理解を得られるよう努力を継続する。

2.航行安全対策の徹底
 関係業界との綿密な情報共有をはじめとする航行安全対策を徹底する。具体的には、下記3.の自衛隊による情報収集活動で得られた情報及び関係省庁が得た情報の共有を含めた政府内及び政府と関係業界との間の連携体制を構築する。また、船舶の航行安全に影響を及ぼし得る情報に基づき、関係業界に対する迅速な情報提供及び適時の警戒要請を行うとともに、関係業界による航行上の措置の実施などの自主的な安全対策の徹底を促す。

3.自衛隊による情報収集活動
 中東地域においては、日本関係船舶の防護の実施を直ちに要する状況にはないものの、中東地域で緊張が高まっている状況を踏まえると、日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集態勢を強化することが必要である。そのため、我が国から中東地域までの距離、この地域における活動実績及び情報収集に際して行う各国部隊・機関との連携の重要性を勘案し、自衛隊による情報収集活動を行うこととする。
 この自衛隊による情報収集活動は、政府の航行安全対策の一環として日本関係船舶の安全確保に必要な情報を収集するものであり、これは、不測の事態の発生など状況が変化する場合への対応として以下(4)に定める自衛隊法(昭和29年法律第165号)第82条に規定する海上における警備行動(以下「海上警備行動」という。)に関し、その要否に係る判断や発令時の円滑な実施に必要であることから、防衛省設置法(昭和29年法律第164号)第4条第1項第18号の規定に基づき実施する。
 
基本的な実施方針は以下のとおりであり、その詳細は、防衛大臣の命令に定めることとする。

(1)収集する情報
 下記(3)に示す海域において、船舶の航行の安全に直接影響を及ぼす情報その他の航行の安全確保に必要な情報の収集を行う。

(2)装備
 所要の調整を経て、護衛艦を新規に1隻派遣するとともに、海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律(平成21年法律第55号。以下「海賊対処法」という。)第7条第1項の規定による海賊対処行動に現に従事する自衛隊の部隊(以下「海賊対処部隊」という。)の固定翼哨戒機P-3Cを活用する。なお、海賊対処部隊による情報収集活動については、海賊対処行動に支障を及ぼさない範囲で実施する。

(3)活動の地理的範囲
 (2)の護衛艦及び固定翼哨戒機による情報収集活動の地理的範囲は、オマーン湾、アラビア海北部及びバブ・エル・マンデブ海峡東側のアデン湾の三海域の公海(沿岸国の排他的経済水域を含む。)とする。護衛艦が補給等を行う場合には、当該三海域に面する港に寄港するものとする。

(4)不測の事態の発生など状況が変化する場合への対応
 不測の事態が発生するなど状況が変化する場合には、関係省庁は連携して状況の把握に努め、相互に緊密かつ迅速に情報共有するとともに、政府全体としての対応を強化する。その上で、当該状況への対応として、自衛隊による更なる措置が必要と認められる場合には、自衛隊法第82条の規定に基づき、海上警備行動を発令して対応する。当該発令に際しては、迅速な意思決定に努めることとする。
 海上警備行動に際してとり得る措置は、旗国主義の原則をはじめとする国際法を踏まえ、保護対象船舶が日本籍船か外国籍船かの別、侵害の態様といった個別具体的な状況に応じて対応することとなる。

(5)自衛隊の部隊の安全確保
 情報収集活動の実施に当たっては、活動海域の情勢に係る十分な情報収集、安全確保に必要な機材の搭載、事前の適切な教育訓練等を通じ、自衛隊の部隊の安全の確保に万全を期す。

(6)関係省庁間の協力
 情報収集活動及び不測の事態の発生など状況が変化する場合への対応の実効性確保のため、関係省庁は連携を密にし、当該対応についての認識を共有するとともに、訓練等を通じて対処能力向上等を図り、状況に迅速に対応することができる態勢を整備する。

(7)諸外国等との連携
 我が国は中東地域の航行の安全に係る特定の枠組みには参加せず、自衛隊の情報収集活動は我が国独自の取組として行うものであるが、諸外国等と必要な意思疎通や連携を行う。

(8)自衛隊の活動期間
 本閣議決定に基づく自衛隊による活動を行うべき期間(訓練等の準備期間を含む。)は、令和元年12月27日から令和2年12月26日までとする。なお、本閣議決定に基づく自衛隊による活動を延長する必要があると認められる場合には、再度閣議決定を行う。右期間の満了前に、本項に記す必要性に照らし、自衛隊による活動が必要と認められなくなった場合には、その時点において当該活動を終了するほか、情勢に顕著な変化があった場合は、国家安全保障会議において対応を検討する。

4.国会報告
 海賊対処法に基づく自衛隊の行動に係る事項については、海賊対処法第7条第3項の規定により国会に報告されていることにも鑑み、本閣議決定(これを変更する場合を含む。)及び当該活動が終了したときはその結果を国会に報告する。(以上)

日本と米中印英、経済対話へ 来年から閣僚級で調整(産経N)


政府が来年から、世界経済の動向の鍵を握る米国、中国、インド、英国の4カ国と経済政策全般について閣僚級が話し合う「マクロ経済対話」を行う調整をしていることが26日、分かった。西村康稔経済再生担当相が各国を訪れる方向だ。米中貿易戦争などにより世界経済が減速傾向にある中、経済の持続的発展に向けた対応を協議するほか、日本が提唱する「自由で公正なルール・秩序」を広げる狙いがある。

 西村氏は来春にインド、その後に米国、英国、アジア諸国などを歴訪する予定だ。各国の経済担当の閣僚級と会談する方向で調整している。インドとの閣僚級の「経済対話」は初めて。中国には安倍晋三首相が25日まで訪ねており、西村氏がフォローアップする形での訪中を検討している。
 各国との経済対話のテーマは通商、財政、成長戦略など多岐にわたる。安倍首相は24日、中国四川省成都で講演し、「自由で公正なルールに基づく21世紀型の経済秩序を世界へと広げていく決意だ」と述べた。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)といったルールに基づく枠組みを広げ、経済成長につなげたい考えだ。
 インドは11月、日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)が参加したRCEP交渉からの離脱を表明した。日本は市場規模が大きいインドのつなぎ留めを図っている。
 来年1月の欧州連合(EU)離脱が確実視される英国は、TPPに関心を寄せている。西村氏は兼務するTPP担当相として英国に必要な情報を提供する方針。日英両政府による経済連携協定(EPA)交渉と並行していく構えだ。米国とはすでに日米貿易協定の枠組みもあるが、経済対話では成長戦略や財政出動なども話題になる見通しだ。

北朝鮮拉致情報、政府高官が封印 田中実さんら2人生存、首相了承(東京新聞)



 拉致問題を巡り北朝鮮が2014年、日本が被害者に認定している田中実さん=失踪当時(28)=ら2人の「生存情報」を非公式に日本政府に伝えた際、政府高官が「(2人の情報だけでは内容が少なく)国民の理解を得るのは難しい」として非公表にすると決めていたことが26日、分かった。安倍晋三首相も了承していた。複数の日本政府関係者が明らかにした。もう1人は「拉致の可能性が排除できない」とされている金田龍光さん=同(26)。
 日本では身寄りがほとんどなく「平壌に妻子がいて帰国の意思はない」とも伝えられ、他の被害者についての新たな情報は寄せられなかった。
(共同)

中ロイランが海上軍事演習 27日からオマーン湾(時事N)


【北京時事】中国国防省の呉謙報道官は26日の記者会見で、中国、ロシア、イランの海軍が27日から30日までイラン近海のオマーン湾で合同演習を行うと発表した。友好関係にある3カ国が軍事的協力関係を誇示し、イランを圧迫する米国をけん制する狙いがあるとみられる。

 呉氏は「今回の演習は3カ国海軍間の交流と協力を深め、世界平和と海上の安全を共に守り、『海洋運命共同体』を積極的に構築する善意と能力を示すためだ」と述べた。イランメディアによると、中ロイランの合同軍事演習は初めて。
 中国海軍は演習にミサイル駆逐艦「西寧」を派遣する。中国外務省の耿爽副報道局長は26日の記者会見で、米側の警戒を念頭に「3カ国の正常な軍事交流活動だ」と強調した。
 オマーン湾は、緊張状態が続くペルシャ湾・ホルムズ海峡の入り口に位置し、各国のタンカーが往来する。米国は同盟国に対し、ホルムズ海峡などで船舶護衛の有志連合への参加を求めている。

防衛予算 調達の改善で効率化を図れ (読売:社説)


宇宙空間やサイバーといった新たな領域の防衛体制を着実に構築しなければならない。
 政府は2020年度予算案で、防衛費を今年度当初に比べて1・1%増の5兆3133億円とした。8年連続での増額で、過去最大となる。
 トランプ米政権は、中国やロシアに対抗するため、同盟国に対して国防費の増額を求めている。豪州や韓国、欧州各国は近年、国防予算を大幅に増やした。
 北朝鮮の核・ミサイルの脅威や、日本の4倍近い予算で軍備を増強し続ける中国への対処を考えれば、日本も装備を充実させ、抑止力を向上させる必要がある。
 政府は18年末に決めた中期防衛力整備計画で、19~23年度の5年間の防衛費の総額を27兆4700億円と定める。計画的に予算を計上していくべきだ。
 不要な装備を見直し、効率化を図る努力を怠ってはならない。
 来年度予算案で重点を置いたのは、新たな脅威への対処だ。
 中国やロシアは、人工衛星を攻撃する衛星を開発している。サイバー攻撃で自衛隊の防衛システムが機能不全に陥れば、艦艇や戦闘機の運用に支障を来す。
 来年度予算案では、他国の衛星の監視などを目的とした人工衛星の導入費などに506億円を計上した。サイバー防衛隊の拡充などに256億円を充てる。日本の情報収集衛星や通信ネットワークの防護力を高めることが重要だ。
 航空自衛隊の予算では、F2戦闘機の後継機の開発費を初めて計上した。空自が持つ約300機の戦闘機のうち、F2は約90機を占める。老朽化する30年代に備え、新型の設計に着手する。
 防衛省は、国内の防衛産業の技術や生産基盤を維持するため、日本主導の開発を目指す。米英などとの共同開発を視野に入れ、費用の抑制に努めるべきである。
 安全保障環境の変化や、軍事技術の進展を見定め、装備体系を柔軟に見直す視点も欠かせない。
 調達コストの削減に引き続き取り組むことも大切だ。
 米政府を通じて最新鋭の装備を購入する対外有償軍事援助は、戦闘機F35の経費などで大きく膨らんでいる。米国が価格決定の主導権を持つためだ。
 輸入国が品質管理などの業務を担えば、米国に支払う手数料が減免されるにもかかわらず、防衛省はこの措置を利用していなかった。手数料の減免はもとより、取得価格の低減に向け、米国と粘り強く交渉しなければならない。

政府 中東地域に護衛艦と哨戒機を派遣 きょう閣議決定 (NHK)


中東地域で日本に関係する船舶の安全確保に必要な情報収集態勢を強化するため、政府は、日本独自の取り組みとして、護衛艦と哨戒機を派遣することを27日、閣議決定します。安倍総理大臣は、来月中旬にもサウジアラビアなどの関係国への訪問を調整していて、派遣への理解を得たい考えです。

中東地域では、イランをめぐる核合意から、アメリカが一方的に離脱して以降、緊張が高まっています。
政府は、地域の緊張緩和と情勢の安定化に向け、外交努力を続けるとともに、日本に関係する船舶の安全を確保するのに必要な情報収集態勢を強化するため、日本独自の取り組みとして、護衛艦と哨戒機を派遣することを27日、閣議決定します。
防衛省設置法に規定された「調査・研究」に基づいて行うもので、護衛艦1隻を新たに派遣するほか、アフリカ東部のジブチを拠点に海賊対策にあたっているP3C哨戒機を活用します。
活動範囲は、オマーン湾、アラビア海北部、バベルマンデブ海峡東側のアデン湾の沿岸国の排他的経済水域を含む公海で、ホルムズ海峡やペルシャ湾は含まれていません。
活動期間は1年間とし、延長する際には国会への報告と、改めて閣議決定を行うとしています。
不測の事態が発生するなど状況が変化した場合には、海上警備行動を発令して、対応にあたるとしていて、政府は、準備や訓練などが終わり次第、部隊を派遣することにしています。
今回の派遣をめぐって、安倍総理大臣は、今月20日に日本を訪れたイランのロウハニ大統領に、直接説明して、日本の取り組みへの理解を求めたほか、その翌日にはアメリカのトランプ大統領と電話会談を行い、会談の内容を説明しました。
安倍総理大臣は、来月中旬にも、サウジアラビアなど関係国への訪問を調整していて、こうした内容を直接伝え、理解を得たい考えです。

中東派遣 これまでの流れ
アメリカとイランの対立で中東地域の緊張が高まるなか、ことし6月、中東のホルムズ海峡付近のオマーン湾で、タンカー2隻が攻撃を受け、うち1隻は日本の海運会社が運航する船でした。
緊張緩和に向けた建設的な対応を働きかけるため、安倍総理大臣が、日本の総理大臣として41年ぶりにイランを訪問しているさなかの出来事でした。
アメリカの無人偵察機をイランが撃墜するなど、緊張がさらに高まるなか、アメリカのトランプ大統領はツイッターで「すべての国々は、自国の船を自分で守るべきだ」などと投稿しました。
そしてアメリカは、ホルムズ海峡の安全を確保するためとして、日本を含む同盟国や友好国に有志連合の構想を説明し、参加を呼びかけました。
こうした中、政府は、同盟国のアメリカや、伝統的な友好国イランとの関係を踏まえて外交努力を続けるとともに、10月、NSC=国家安全保障会議を開き、アメリカが結成を目指していた有志連合には参加せず、独自の取り組みで情報収集態勢を強化するためとして、自衛隊の中東地域への派遣を検討する方針を決めました。
これを受けて、政府は、茂木外務大臣や河野防衛大臣が、アメリカや中東各国の閣僚に対し、派遣の方針について説明を進めました。
一方、国内では、今月に入ってから、与党側の党内手続きが始まり、公明党からは、派遣に慎重な立場から、必要性や派遣期間を明確にするよう求める意見が出されました。
このため政府は、派遣期間を1年ごとに更新し、活動の結果を国会に報告することなどを盛り込んだ案をまとめ、与党側の了承を得ました。
今月20日には、安倍総理大臣が、日本を訪れたイランのロウハニ大統領と会談。粘り強く外交努力を続けるとした日本の立場を伝えるとともに、自衛隊派遣をめぐる具体的な検討状況を説明し、ロウハニ大統領は、「日本が、みずからのイニシアチブにより、航行の安全確保に貢献する意図は理解している。透明性をもって説明していることを評価する」と応じました。
また、安倍総理大臣は、アメリカのトランプ大統領と電話で会談し、ロウハニ大統領との会談内容を説明。中東地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けて、アメリカと緊密に連携しつつ、引き続き外交努力を続ける考えを伝えました。

自衛隊の活動範囲など
政府は、自衛隊の活動範囲について、オマーン湾、アラビア海北部、バベルマンデブ海峡東側のアデン湾で、沿岸国の排他的経済水域を含む公海としています。イランにより近い、ホルムズ海峡やペルシャ湾は含まれていません。
政府は、日本に関係する船舶の航行が、年間でホルムズ海峡はおよそ3900隻、うちおよそ2600隻がタンカー、またバベルマンデブ海峡は1800隻が通過するとしています。
護衛艦が燃料の補給などを行う際は、活動範囲内にある港に寄港して行うとしていて、オマーンの南部にあり、アラビア海に面するサラーラ港という港などを活用する方向です。
一方、哨戒機での情報収集活動は、現在、取り組んでいる海賊対策に支障を及ぼさない範囲で行うとしていて、海賊対策の活動範囲でもあるアデン湾を中心とする方針です。

「調査・研究」と「海上警備行動」の違い
今回の派遣について、政府は、中東地域での情報収集態勢を強化するため、防衛省設置法で定められた「調査・研究」に基づいて行うとしています。
「調査・研究」に基づく自衛隊の活動は、防衛大臣の権限で行うことができ、政府は通常、この規定を自衛隊による、日本周辺での警戒や監視活動の根拠としています。
今回の派遣にあたっては、公明党を中心に、派遣の長期化を防ぐなど、「歯止め」を求める意見が出ました。
このため政府は、派遣について、本来は必要のない閣議決定を行うほか、派遣期間を1年と区切り、延長する際には改めて閣議決定を行い、国会に活動の結果を報告をするといった、手続きを盛り込みました。
ただ、「調査・研究」に基づく活動は、あくまでも情報収集活動が目的で、日本に関係する船舶であっても、この法的根拠に基づいて護衛を行うことは難しいとしています。
政府は、日本船籍のタンカーが何者かによって襲撃されるなど不測の事態が生じた場合は、「調査・研究」を「海上警備行動」に切り替えて対応するとしています。
「海上警備行動」は、自衛隊法に基づいて、閣議決定により、防衛大臣が、海上で人命や財産を守り治安を維持するために、自衛隊に必要な行動をとるよう命じるものです。
発令されれば、不審船などを見つけた場合、拡声器を使った警告や針路妨害のほか、憲法で禁じられる「武力の行使」に至らない範囲で、警告射撃など武器の使用も認められます。
ただ、国際法上、船舶の保護は、船籍を登録している国の政府が行う原則があることなどから、防衛省は、外国籍の船の場合、日本人が乗船していたり日本の会社が運航していたりしても、武器を使用した実力行使は難しいとしています。
日本船主協会によりますと、日本の海運会社が運航する船舶のうち、船籍が日本のものは、10.5%だということです。
「海上警備行動」の発令にあたって政府は、意思決定を迅速に行うため、必要に応じて電話などで閣議決定を行うこともあり得るとしています。
海上警備行動が初めて発令されたのは、平成11年に、日本海の能登半島沖で見つかった北朝鮮の工作船と見られる不審船が領海侵犯した際で、これまでに合わせて3回発令されています。

「調査・研究」に基づく長期の海外派遣は初
自衛隊が、防衛省設置法の「調査・研究」に基づいて1年単位の長期間にわたり海外に派遣されるのは初めてのケースとなります。
防衛省設置法の「調査・研究」は、自衛隊の艦艇や航空機が日本周辺の海域で行っている警戒監視や情報収集活動の根拠とされていますが、過去に一時期、自衛隊の部隊が「調査・研究」に基づいて海外派遣されたことがあります。
平成13年のアメリカ同時多発テロを受けて海上自衛隊がインド洋で行った給油活動では、当初、「調査・研究」に基づいて艦艇が派遣されました。
このときは、本格的な活動に先立ち、派遣先の海域の気象や港湾の状況を調査する一時的な措置と位置づけられ、およそ2週間後には、新たに作られた「テロ対策特別法」に基づいて艦艇が派遣されました。
当時、一時期とはいえ、「調査・研究」に基づいて海外派遣を行うことには「法の拡大解釈ではないか」という指摘もありました。
今回、活動期間は1年間とされ、自衛隊を「調査・研究」に基づいて長期間にわたり海外に派遣する初めてのケースとなります。

自衛隊活動範囲周辺の情勢
中東に派遣される自衛隊の活動範囲になるオマーン湾、アラビア海北部、アデン湾は、世界のエネルギー供給やアジアと中東、ヨーロッパをつなぐ物流網にとって重要な海域になっています。
このうちオマーン湾は、ペルシャ湾からホルムズ海峡を抜けてアラビア海に向かう上で必ず経由する海域で、湾岸の産油国から原油を輸入する各国にとって重要な海上交通路となっています。
今回自衛隊が派遣される活動範囲には含まれませんが、オマーン湾と接するホルムズ海峡は、世界に供給される原油のおよそ2割が通過しています。
このうち原油の多くを湾岸諸国に依存する日本は、輸入量の8割以上がホルムズ海峡を通過し生命線ともいえる航路となっています。
この海域ではことし6月、ホルムズ海峡を抜けてオマーン湾を航行していた、日本の海運会社が運航するタンカーなど2隻が何者かに攻撃を受ける事件が起きています。
アメリカは、攻撃にはイランが関与していると主張していますが、イランは否定しており、真相は明らかになっていません。
さらに、同じ6月にはアメリカの大型の無人偵察機がイランに撃墜されたほか、7月にはイギリス船籍のタンカーが国際的な航行規則に従わなかったとして、イランに拿捕(だほ)され緊張が高まりました。
一方、アラビア半島の南側、イエメンとソマリアの沖合にあるアデン湾は、アジアと中東、ヨーロッパを結ぶ、海上交通路になっています。
アデン湾の東端には紅海につながるバベルマンデブ海峡があります。
この海峡は湾岸諸国からヨーロッパなどに向かう原油タンカーの輸送ルートになっており世界の原油供給量の5%近くが通過します。
海峡の北側の紅海では、イランが支援するイエメンの反政府勢力が、敵対するサウジアラビアのタンカーを攻撃する事件が起きています。
一方、紅海では10月、イランのタンカーで爆発が起き、イランは国家レベルの関与があった可能性があると主張しています。

米主導の事実上の新たな有志連合 活動開始
ホルムズ海峡やオマーン湾、そしてバベルマンデブ海峡では、アメリカ主導の事実上の新たな有志連合も先月から活動を始めています。
この有志連合はことし7月、アメリカがイランへの圧力を強めることをねらって各国に結成を呼びかけましたが、対話による緊張の緩和を目指すフランスやドイツが参加を見合わせ、イランとの関係を重視する日本政府も慎重な姿勢を示しました。
この結果、参加した国はアメリカと同盟国のイギリス、オーストラリアのほかイランと対立するサウジアラビアやUAE=アラブ首長国連邦、それにバーレーン、アルバニアの7か国となっています。
アメリカは各国の懸念も踏まえ、現在では当初の有志連合という呼び方を控え「国際的な海洋安全保障を構築する活動」としていて、近くカタールとクウェートも参加する見通しだとしています。
この活動では司令部をアメリカ第5艦隊の拠点があるバーレーンに置き、参加国は艦艇などを派遣して、警戒・監視活動にあたっています。
活動海域はペルシャ湾からホルムズ海峡、そしてオマーン湾に至る海域とアラビア半島の西側の紅海、そしてバベルマンデブ海峡で、アメリカとしては周辺で活動するイランとイランが支援するイエメンの反政府勢力「フーシ派」を念頭に置いているとみられています。
これらの海域は自衛隊の活動を予定している海域とも一部、重なっていて、中東地域を管轄するアメリカ中央軍のマッケンジー司令官は先月、バーレーンで開かれた国際会議でNHKの取材に「日本もおおむね同じ活動をすると見ている。同盟国として多くの情報を共有できるだろう」と述べて、自衛隊との連携に期待を示しています。

辺野古移設工期「9年3カ月」、防衛省が修正(産経N)


防衛省は25日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古沖の軟弱地盤改良の技術的検討を行う有識者会議の第3回会合を開いた。同省沖縄防衛局の担当者は、地盤改良工事が必要となったことなどから、当初5年と見積もっていた工期を9年3カ月に修正し、同会議に報告した。
 関連手続きを終えて飛行場が使用可能になるまで8年としていた期間は12年に延び、2030年代以降にずれこむことが確実となった。日米両政府が「2022年度またはその後」と合意した普天間飛行場の返還時期は大幅に遅れる。
 また、「3500億円以上」としていた総工費の試算が9300億円に膨らむことも報告。このうち1000億円を地盤改良に費やす。
 河野太郎防衛相は防衛省で記者団に「普天間飛行場の危険性を早く除去するために工事が必要だ」と述べ、移設を推進する考えを改めて示した。
 技術検討会は今後も会合を開き、検証結果をまとめる。防衛省は結果を踏まえ、今年度中にも県に地盤改良工事のための設計変更を申請する方針。県は許可しない構えで、法廷闘争に持ち込まれる公算が大きい。

【主張】日中首脳会談 「国賓」推進の状況でない(産経:社説)


安倍晋三首相が訪問先の中国で習近平国家主席と会談し、来年4月で調整中の習氏の国賓来日の準備を進めることで一致した。
 首相は国賓来日を「極めて重視している」と語った。だが、本当に推進していいのか。極めて疑問である。
 中国の深刻な人権状況や日中間に横たわる懸案などは解決されていない。今回の首相訪中で、習氏を国賓として歓迎するにふさわしい環境が整ったとは到底言えない。
 首相は「日中新時代にふさわしい関係を築き上げていくために協力して(国賓来日の)準備を進めたい」と語った。習氏は日中関係について「小異を残して一致点を求め、積極的に協力」すべきだとの考えを示した。
 だが、中国が抱える問題は「小異」として棚上げできない。
 会談で首相は、尖閣諸島周辺での中国公船の挑発活動の自制や、中国が拘束している邦人の早期帰国を求めた。香港情勢について「大変憂慮している」と伝え、新疆ウイグル自治区の人権状況について透明性ある説明を促した。
 これらの要求は評価できる。だが、習氏は改善するそぶりを示さなかった。香港、ウイグルは「内政問題だ」と切り返した。
 24日の日中韓サミットでは、中国当局は産経新聞北京特派員2人の記者証発行を拒んだ。言論の自由という基本的価値を認めない本性を改めて露(あら)わにしたものだ。

 このような中国との間で、「アジアや世界の平和と安定、繁栄に責任を共有」していくと謳(うた)われても戸惑うばかりである。責任を共有する以前の段階ではないか。
 今回の訪中で首相は、習氏らに言うべきことを言い尽くしたようには思われない。
 まず、首相自身が伝えた懸念に改善が見られなければ、国賓招致は難しくなるとはっきり伝えたほうがよかった。
 人権以外でも国際社会が懸念する問題があるが、首相がほとんど触れなかったことも解せない。米中対立について論じ合わなかったのだろうか。その行方は日本の命運がかかっているはずだ。
 中国が国際法を無視して軍事化を進める南シナ海の問題は、李克強首相との会談でわずかに触れたが、最高指導者の習氏にこそ改善を求めるべきだった。大規模な軍拡の自制も同様である。

靖国参拝「絶対避けて」 駐中大使、竹下氏に進言―外交文書(時事通信)


1988年8月の竹下登首相訪中に先立ち、中島敏次郎中国大使が首相の靖国神社参拝を「絶対に避けていただきたい」と進言していたことが分かった。25日公開の外交文書で明らかになった。(肩書は当時)
 
中島氏は同年3月1日、竹下首相に直近の中国情勢や日中関係などをめぐり、約20分間説明した。
この中で、中島氏は靖国参拝について「国内に種々困難な事情があることは十分理解しているが、訪中直前ということもあり、絶対に避けていただきたい」と指摘。さらに、「『皆で渡ろう方式』も不可」との旨も伝え、集団参拝の形式であっても中国側の理解は得られないとの認識を示した。
これに対し、竹下氏は「その点はよく心得ている。ただし、絶対に外には言ってはならない」と応じた。実際、竹下氏は首相在任中に参拝することはなかった。
(宮下注:当時私は陸自幹部学校指揮幕僚課程を卒業し外務省中国課に出向していました。中国課員として最初の大仕事が竹下総理訪中でした。)

重光外相、自衛目的の自衛隊海外派遣「可能」…米国務長官に伝える(読売新聞)


1955年8月に重光葵外相(当時)がダレス米国務長官(同)と行った会談で、自衛目的での自衛隊の海外派遣は可能との考えを伝えていたことが、外務省が25日に公開した外交文書からわかった。安倍首相が進めた集団的自衛権行使の限定容認につながる考え方を示したものと言えそうだ。

会談は8月30日に米ワシントンで行われた。日本政府は当時、51年に結ばれた日米安全保障条約の改定を求め、将来的に相互防衛条約に発展させる構想を米側に働きかけていた。
会談ではこうした日本政府の意向を踏まえ、ダレス氏が「日本は米国を守ることが出来るか。たとえばグアムが攻撃された場合はどうか」などと、憲法9条との整合性に関連して質問。これに対し、重光氏は「自衛が目的でなければならないが兵力の使用につき協議出来る」と述べた。
もっともダレス氏は、「それは全く新しい話である。日本が協議によって海外出兵出来るという事は知らなかった」とし、自衛隊の海外派遣について踏み込んだ議論にはならなかった。

オスプレイ暫定的配備 受け入れ容認へ 千葉 木更津(NHKニュース)


千葉県木更津市の木更津駐屯地に自衛隊の輸送機オスプレイの暫定的な配備が検討されていることについて、木更津市が受け入れを容認する方向で調整していることが関係者への取材で分かりました。

防衛省は陸上自衛隊の輸送機オスプレイ17機を佐賀空港に配備する計画ですが地元の関係者との協議がまとまらず、環境が整うまでの間、陸上自衛隊の木更津駐屯地に暫定的に配備したいとして協力を求めています。
これについて木更津市は、安全性や騒音への懸念に対して防衛省の職員を招いた住民説明会を15回にわたって開くなどしたうえ、今月、暫定配備の期間が明らかにされなければ要請を受け入れるかどうか判断できないとする、公式の見解を初めて示していました。
そして、関係者によりますと配備期間を5年をめどとすることなどを条件に、受け入れを容認する方向で最終調整しているということです。
25日、木更津市の渡辺市長が防衛省を訪れ、こうした条件面の協議を行ったうえで最終的に判断するものとみられます。

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