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【李登輝氏死去】習近平氏の野望を阻んだ「台湾人意識」 尖閣は「日本のもの」と公言(産経N)


 【北京=西見由章】中国の習近平国家主席は台湾に「一国二制度」の受け入れを迫っているが、その台湾統一の野望を阻む最大の砦(とりで)は、李登輝氏が総統時代に政治改革や教育政策などを通じて確立させた台湾人意識だ。台湾の主体性を重視するこの意識は今や党派を超えた台湾民意の主流となり、李氏の死去で揺らぐことはなく、習指導部に残された手段は限られている。

 台湾統一は習氏が掲げる国家目標「中華民族の偉大な復興という中国の夢」の中核だ。だが2012年の習指導部発足以降、台湾独立志向の民主進歩党を率いる蔡英文氏に二度の総統選当選を許すなど台湾政策の成果は乏しい。特に今年1月の総統選は、香港への統制強化が台湾社会に一国二制度への不信感を募らせる結果となり、中国側の“オウンゴール”に終わった。
 焦りを隠せない習指導部は5月、党序列3位の栗戦書政治局員が、台湾独立の動きがあった場合に武力行使することを規定した「反国家分裂法」に基づく軍事力の発動を示唆した。
 中国が武力侵攻に踏み切る可能性はあるのか。李氏は18年10月、産経新聞の取材に「米国がどの程度関与してくるかは不明で(台湾も)過大な期待を持つべきではない」としつつ、中国側にもリスクは大きいとの見方を示した。北京の中国人ジャーナリストも「もし台湾側に三峡ダムを爆撃されたら下流の江蘇省や浙江省は水没する」と指摘し、習指導部が政治的賭けに出る可能性は低いとみる。
 李氏は総統退任後、台湾を「正常な国家」とするための新憲法制定を掲げ、中国が領有権を主張する尖閣諸島(沖縄県石垣市)も「日本のものだ」と公言。中国の左派を「現代最大の漢奸(かんかん)だ」(中国紙・環球時報電子版)と逆上させた。中国ではこうした批判の声が大勢を占める一方、改革派の中には「台湾の民主改革を穏健に実現した」(北京の政治学者)と評価する声もある。

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平和ボケ改め「令和維新」実現を 明治大学名誉教授・入江隆則(産経:正論)


 ≪明治維新前の2つの戦争≫
 国難である“小さな戦争”が国民の意識に与える影響について、私はこれまでに何度も書いたことがある。例えば日本の近代化の出発点となった約150年前の「明治維新」が、何故(なぜ)あれほど成功したのかといえば、それに先立つ薩英戦争と馬関戦争で、当時日本の雄藩だといわれていた薩摩藩と長州藩がともに敗れたからである。
 その詳細を今ここで書くことはできないが、1862年に横浜の近郊で起こった生麦事件で薩摩藩士が英国人を斬り殺したことの復讐として、翌年、英艦隊が鹿児島湾に侵入し鹿児島市街の約1割を破壊した。その結果薩摩藩と幕府とが英国に54万ドルを支払って解決したのが前者の薩英戦争である。
 また同じ年、長州藩が下関海峡を通過中の米・仏・蘭船を砲撃した報復として、翌1864年、米・英・仏・蘭の連合艦隊が長州藩を砲撃し、さらに陸戦隊が上陸して長州藩の陣地とその周辺とを破壊した。その結果としてやはり幕府と長州藩とが、連合国に対して300万ドルを交付して決着したのが、後者の馬関戦争である。
 こうして「攘夷」の不可能を知った当時の日本人が、急遽(きゅうきょ)「開国」に向かって舵(かじ)を切った結果が、あの世界の人々を感嘆させるほどの成功を収めた「明治維新」だったのである。約270年間続いた江戸時代の太平の世で、平和ボケに陥っていた日本人を目覚めさせるには2つの“小さな戦争”の重い教訓があった。
 さてここで話は、われわれが生きている日本の現状に移るが、昭和20年の敗戦から75年間続いてきた「太平の世」がやっと終わりかけているという意味では、規模はかなり小さいが、今述べたような幕末・明治の時代に似ていると云(い)えないこともない。時代を経て状況など当然異なりはするが、国難に見舞われている。それは云うまでもなく目下沖縄県の尖閣諸島で、連日起こっている日本と中国との間の“紛争”である。

 ≪日本人は覚醒するか≫
 約150年前の幕末・維新の際と同様に、太平の眠りから覚めようとしない「1億総平和ボケ」の日本人を覚醒させ、政権党としての自由民主党が結党以来の党是としていながら、いまだに成功させていない憲法改正も、実現させることができるか。少なくとも、そういう意図を持って、この国難と真剣に向き合う必要があると私は思っている。
 産経新聞によれば、中国海警局の公船が尖閣諸島周辺を航行したのは100日連続した。その一部は日本領海に大っぴらに侵入して、日本漁船を追尾するなどの行動を、エスカレートさせているようだ。自民党内からは尖閣に船だまりを造って公務員を常駐させるなど、日本政府の強い行動を求める声が上がっている。しかし外務省の関係者はなぜか、「中国の反発」を恐れて消極的だという。
 しかし戦後日本に特有なそういう弱腰な態度から脱却し、「普通の国」の対応に戻らないと、重大な国益を失うことは明白である。むしろこれを機会に、メディアを大々的に使って国内のみならず、全世界に向け、極東で起こっている中国の侵略行為を大いに宣伝する必要があろう。
 そんなとき私は雑誌『正論』8月号の2つの論文、古森義久氏の「尖閣奪取目前 これこそ国難だ」と、北村淳氏の「ミサイル増強で尖閣死守せよ」を読んだ。両者とも正面から国難に向き合っていて壮観である。とりわけ北村氏の論文は、眼前の国難への具体的な対策を提言していて印象的だった。氏の提言は2つあり第1には日本の民間団体によって現在尖閣諸島の魚釣島に設置されている小型灯台に換えて、本格的で高性能なコンパクト灯台を島の最高地点である奈良原岳山頂に設置する。

 ≪常に受動的だった戦後≫
 第2にはそこに気象観測施設と海難救助施設、発電機や浄水機、浄化槽設備などを備えた生活維持施設としてのコンテナハウスを造り、海上保安庁職員や自衛隊員や民間専門家を常駐させる。それによって尖閣諸島周辺での交通や漁業の安全を確保した上で、全般的な「海洋戦力プラス地対艦ミサイルならびに地対空ミサイル」を充実させるというのである。
 北村氏の言葉を引用すれば、「尖閣周辺海域を海上保安庁巡視船ならびに海自艦艇と航空機で防御態勢を固めた中を、自衛隊の工兵部隊と特殊部隊を投入すれば、自衛隊と海上保安庁の能力や日本のメーカーの技術レベルから判断すると、極めて容易に実現可能な作業である」という。その詳細を氏は展開しているが、私は全面的に賛成である。
 中国側の対応によって全ての状況が変わってくるのは勿論だが、さまざまな状況への対応策を、われわれは直ちに検討しなければならない。それによって、せめて小さな「令和維新」を実現させ、75年という長期にわたって続いたが、常に受動的だったという意味で醜悪極まりなかった「戦後」という時代の真の終焉(しゅうえん)を実現させたいものである。(いりえ たかのり)

防衛白書:多様な任務を着実に(朝雲:時の焦点)


 初の防衛白書「日本の防衛」は、1970年10月に発表された。自衛隊への風当たりがまだ強い頃に、当時の中曽根康弘防衛庁長官が「国の防衛には、国民の理解と積極的な支持が不可欠だ」として佐藤栄作首相に取りまとめを提案し、実現した経緯がある。50年を経て、自衛隊に対する国民の期待は着実に高まったと言えよう。
 2020年版の防衛白書が閣議で了承された。地域情勢を精緻に分析し、防衛力整備の方向性を示す狙いがある。
 日本を取り巻く安全保障環境は悪化していると言わざるを得ない。
 北朝鮮の核・ミサイル開発について、白書は「我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」と位置づけた。小型化した核兵器を弾道ミサイルに搭載し、「我が国を攻撃する能力を既に保有」と強調した。
 北朝鮮は、変則的な軌道で飛行する新型弾道ミサイルを繰り返し発射している。多数のミサイルが同時に発射された場合、すべてを完璧に迎撃するのは難しい。
 政府は、ミサイル防衛の要となるイージス・アショアの配備を中止した。代替措置は急務だ。
 自民党は、敵基地攻撃能力の保有を求めている。脅威の大きさを考えれば、自衛隊が巡航ミサイルなどの装備を備え、攻撃手段を確保することは妥当と言えよう。
 北朝鮮は、移動式のミサイル装置を有している。潜水艦からの発射も試みているとされる。発射地点を特定するには、衛星を活用した情報収集が必要だ。
 米軍の協力を得て、弾道ミサイルが日本の防衛網をかいくぐる事態を防ぐ態勢を整えたい。自衛隊が、米軍の打撃力を補完する役割を果たすことが大切だ。
 国際法上、認められていない先制攻撃と混同されないよう、敵基地攻撃能力の名称を変更することも検討に値しよう。
 白書は、軍事大国を目指す中国について、「安全保障上の強い懸念」とした。沖縄県の尖閣諸島周辺での活動を「執拗に継続」と批判した。日本政府の再三の抗議にもかかわらず、中国公船は尖閣周辺の接続水域を連日航行している。
 海上保安庁は、尖閣周辺海域の警備に多くの巡視船を割いているが、不測の事態への懸念は高まっている。自衛隊の護衛艦などが海保と連携を取り、警戒態勢を強めなければならない。
 豪雨や台風の被害が相次ぎ、自衛隊の災害派遣は近年、増加した。新型コロナウイルスへの対応でも、防疫や医療支援を続けている。こうした活動が自衛隊への信頼を高めているのは事実だろう。
 自衛隊法では、災害派遣は「防衛任務に支障を生じない限度」で実施することになっている。
 多様な任務を適切にこなす上で、防衛省は、十分な人材の確保と、自衛隊員の待遇の改善を進めていくべきだ。
夏川 明雄(政治評論家)

台湾 李登輝元総統死去 蔡総統が弔意と賛辞(NHK)


台湾で初めての直接投票による総統選挙を実現させるなど民主化に尽力し、親日家として知られる李登輝元総統が、30日、台北市内の病院で亡くなりました。蔡英文総統は哀悼の意を示すとともに、台湾の民主化を進めた李元総統の功績をたたえました。
台湾の李登輝元総統は日本時間の30日夜8時20分すぎ、入院先の台北市内の病院で多臓器不全などのため亡くなりました。97歳でした。

1988年、台湾出身者として初めて総統に就任した李元総統は、議会制度の改革など台湾の民主化を推し進め、1996年には直接投票による初めての総統選挙を実現させました。
日本の統治下にあった台湾で生まれた李元総統は日本語が流ちょうで、2000年に総統を退任後、文化交流などで日本をたびたび訪問するなど親日家として知られています。
李元総統の死去を受けて、蔡英文総統は深い哀悼の意を表明したうえで「李元総統の台湾の民主主義への貢献はかけがえのないもので、亡くなったことはとてつもなく大きな損失だ」として、李元総統の死を悼むとともに、その功績をたたえました。
そのうえで蔡総統は、関係部門に対して、葬儀など遺族の支援に全力であたるよう指示しました。
地元のテレビ各局は特別番組で李元総統の功績や足跡を大きく伝えていて、台湾では追悼ムードに包まれています。

交流協会会長「台湾の経済発展を切り拓いた」
化学メーカー昭和電工の元経営トップで、日本の台湾との窓口機関「日本台湾交流協会」の大橋光夫会長は「国際社会でも随一の知日派リーダーとして、情熱を傾けて日台関係の発展のために心を砕き、多大なる尽力をしてこられました。また、台湾の民主化と経済発展を切り拓き、今日の多様性を包括する成熟した社会となるまでの長く険しい道のりを導いてこられました。御功績に改めて深く敬意を表するとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします」というコメントを発表しました。

専門家「一時代の終わり」
李登輝元総統の死去について、台湾の政治に詳しい東京大学の松田康博教授は「台湾と東アジアにおける1つの大きな時代を象徴する政治家が亡くなり、時代を画した感がある」と話しています。
李元総統の功績について、松田教授は「台湾の民主化は李元総統の存在なくしては考えにくく、アメリカでの留学経験や日本語での研究活動、それに台湾の暗く苦しい時代を経た彼ならではの判断があったのだと思う。また、香港やマカオが万が一、中国に直接統治される状況になれば台湾はどう対応すべきか、考えていたことをすべて法律や施策として残すなど先見性にもすぐれていた。中国にとっては非常に手ごわい好敵手で、一つの時代が終わったと考えられているだろう」と評価しています。
また、李元総統と面会したときの印象について、「すべて日本語で応対し、高い理想や、実現に向けて実際にどうすべきかを熱く語るなど、今までの政治家のイメージと全く違うタイプだった」と振り返りました。
そのうえで松田教授は「日本でも人脈が広く、日本人の考えもよく理解していた。李元総統の死去は日本と台湾の関係においても一時代の終わりと言える。今まで日本人は台湾に対する理解が浅く、日本をよく知る李元総統の世代に甘えてきた部分が大きい。今後はお互い対等な関係として、日本人も台湾のことを学んでいかなければならない」と話していました。

ミサイル防衛 “必要な防衛力は最小限”盛り込み提言案 自民(NHK)


ミサイル防衛体制の在り方をめぐり、自民党の検討チームは、抑止力を向上させるため、相手の領域内でも攻撃を阻止するなどとした提言案について、必要な防衛力は最小限度にとどめることを盛り込んだうえで、了承しました。
新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の山口・秋田両県への配備断念を受けて、自民党は、ミサイル防衛体制の在り方を検討するチームを設けていて、29日に続いて開かれた30日の会合では、政府に対する提言案について議論しました。

提言案では、抑止力を向上させるための取り組みとして、憲法の範囲内で、専守防衛の考え方のもと、相手の領域内でも弾道ミサイルの発射などを阻止する能力の保有も含め、政府として早急に検討して結論を出すよう求めています。
その一方で、攻撃的な兵器を保有しないというこれまでの政府方針は維持すべきだと明記しました。
これについて、出席者から「必要な防衛力の整備は最小限度にとどめることを盛り込むべきだ」という意見が出され、こうした修正を行ったうえで、提言案は了承されました。
自民党は、改めて安全保障関係の会合を開くなどして議論したうえで、提言を決定し、来週にも政府に提出することにしています。

【主張】拉致新証言 被害者救出に結びつけよ(産経:社説)


北朝鮮には、帰国を望んでかなわない日本人が多く存在する。
 拉致問題に関連する具体的な新証言である。政府は調査を尽くし、北朝鮮にその結果を突きつけてほしい。
 北朝鮮に拘束され、後に解放された韓国系米国人博士が本紙に、北朝鮮で「日本人7人前後とひそかに会った」と証言した。彼らは自分の意思に反して北朝鮮に留め置かれており、大半が「だまされて来た」と説明したという。

 韓国系米国人博士、ドンチョル・キム氏は2001年から中国、北朝鮮間を行き来し、15年にスパイ容疑で北朝鮮に逮捕された。18年6月の米朝首脳会談に先立ち、解放された。キム氏は北朝鮮で会った日本人の多くは「甘言による拉致被害者だ」と述べた。
 日本政府は02年に帰国した蓮池薫さんら5人を含む17人を拉致被害者に認定しているが、警察や民間団体は拉致の可能性が排除できない800人以上を調べている。キム氏が会った7人前後がこれに含まれているかは分からず、新たな被害者の可能性もある。
 北朝鮮は14年のストックホルム合意に基づき、拉致被害者を含む在留日本人の調査、報告を約束した。だが16年、このための特別調査委員会を解体すると一方的に宣言し、現在に至っている。合意の履行を厳しく迫るべきである。

 キム氏は北朝鮮が「死亡した」と伝える拉致被害者について「実際は生きている人が多いだろう」「国際社会が秘密を知らないとたかをくくっているだろうが、知っている者はだませない。だから『日本人は生きている』と訴え続けていくべきだ」と述べた。
 その通りだ。北朝鮮は「死亡説」の明確な証拠を出すことができない。送りつけられた「被害者の遺骨」は別人のものと確認された。拉致被害者全員の救出、帰国という目標は、いささかも揺るがせてはならない。
 キム氏は本紙の取材に「日本政府が望むなら喜んで協力したい。知っていることは全てお話しする」と語っている。
 菅義偉官房長官は29日の会見で「拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動していきたい」と述べた。政府は一刻も早くキム氏から詳細な証言を得て情報を精査し、日本人被害者の帰国に結びつけてほしい。

第3水陸機動連隊 大村市が誘致へ 佐世保市も国に要望(長崎新聞)


離島防衛などを主任務とする陸上自衛隊水陸機動団への新編が計画されている「第3水陸機動連隊」について、大村市が竹松駐屯地(富の原1丁目)への誘致に乗り出すことが28日、分かった。同連隊を巡っては佐世保市も誘致を目指している。
同機動団三つ目となる連隊創設は、国の中期防衛力整備計画に明記。防衛省は新編時期は「検討中」としている。同省によると、同連隊の誘致については、これまでに本県以外に北海道千歳市が名乗りを上げている。
 
竹松駐屯地からは昨年度、第7高射特科群の本部や本部管理中隊など約200人が宮古島駐屯地(沖縄県)に移駐。これを受け大村市は、自衛隊施設などの誘致を目指していた。市関係者によると、29日に期成会を立ち上げ、官民挙げて誘致に取り組む方針。近く防衛省へ要望する予定で、「2年くらいの期間を設け、集中的に西部方面隊(熊本市)など各方面にも働き掛けたい」としている。
一方、相浦駐屯地に第1、第2水陸機動連隊がある佐世保市も21日に九州防衛局に対し、第3水陸機動連隊の誘致を緊急要望。28日の市議会基地対策特別委員会で市が明らかにした。要望書では、基地との共存共生を市政運営の基本としており、地勢的にも好条件として配備が「最適」と求めている。
同機動団は、沖縄県尖閣諸島などの南西諸島防衛強化を目的に2018年に発足。相浦駐屯地に団本部を置く。大分県の部隊なども含めると隊員は約2400人。国は同機動団を空輸する輸送機オスプレイについて、佐賀空港を最終的な配備候補地にしている。

次期戦闘機、日本主導に 開発へ国内1社と単独契約(日経新聞)


防衛省は2035年に配備予定の次期戦闘機の開発で日本企業1社と単独契約する方式を採用する。月内にも公表する。1社が設計や開発・製造の全体を統括し、共同開発に参加する日米の企業と調整する。試作機を除けば自衛隊の戦闘機では異例の契約方式で、日本企業の開発・製造能力の向上につながる。

これまで航空自衛隊の戦闘機は米国製を輸入したり、米国の機種を日本企業がライセンス生産したりする例が多い。日米共同開発をうたったF2も組み立ては三菱重工業が担ったが、基幹部分であるエンジンは米ゼネラル・エレクトリック(GE)製だった。
次期戦闘機は35年ごろに退役を始める「F2」の後継で、21年度予算に開発費を計上して24年度に試作機をつくる。艦船や地上への攻撃、空中戦の全てに対応しレーダーで探知しにくいステルス性も備える。90機程度を製造し、調達までの事業規模は5兆円超になるとの見方がある。
日本企業が設計に加え、戦闘システム、エンジンなど基幹部分の開発・製造をする。同盟国である米国の企業が協力して日米共同開発にする見込みだが、単独契約した1社が全体を統括する。

防衛省は近く契約を希望する企業を募る手続きを始め、年内に選定する。年末に米国側と共同開発で合意し、契約する。
単独契約は最大手の三菱重が有力だ。協力する企業として日本では川崎重工業、SUBARU(スバル)、IHI、米国ではロッキード・マーチン、ボーイング、ノースロップ・グラマンなどが候補に挙がっている。
空自のいまの最新鋭機F35も米国製だ。基幹部分の技術は非開示で、日本側は改修も自由にできない。戦闘システムは米国側の都合で更新する。日本側には「運用の自由度が低い」「日本の防衛産業に技術が蓄積されない」との不満があった。
戦闘機の生産は民間用航空機などの製造に応用できる。日本の防衛産業は独自の戦闘機開発から遠のいており、生産技術の継承や最先端の研究開発投資が難しくなっている。日本が基幹部分を担える契約方式を求める声は根強かった。
日本の次期戦闘機を巡っては、世界最強と称されるF22と、F35の混合型を米ロッキードが打診した経緯がある。日本が独自開発にこだわり立ち消えになった。とはいえ米防衛産業は政治的な影響力がある。11月の米大統領選後に米側が再び米国製を軸にする開発を働きかける可能性もある。

ミサイル防衛「日本と緊密に連携」 在日米軍司令官(日経新聞)


在日米軍トップのシュナイダー司令官は29日のインターネットの記者会見で、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画断念について「日本がどんな決断をし、どんな装備を買おうと、米国は日本と連携を密にし続ける」と強調した。

東シナ海や南シナ海で活発に活動する中国に関しては「中国対米国ではなく、中国対世界の話だ」と指摘した。「多国間の連携を通じ、中国の過激な行動に立ち向かう必要がある」と述べた。
沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域で、中国公船による航行が連続100日以上に及んだ点については「前例のないレベル」と指摘した。「米国は日本政府を100%支援する」とも述べた。

相手領域内でミサイル阻止 自民チームが提言案示す(日経新聞)


自民党のミサイル防衛検討チームは29日の会合で、抑止力強化を促す提言案を示した。相手の領域内でミサイル攻撃を阻む措置などの強化を求めた。出席者から専守防衛の範囲内の措置であると明示すべきだといった意見が出て了承は見送られた。30日に再協議する。

提言案は28日に提示した骨子案を詳細な文章にまとめた。相手のミサイル拠点をたたく敵基地攻撃能力を自衛の範囲とした1956年の鳩山一郎首相の国会答弁を引用した。日本全域を常時守る「総合ミサイル防空能力」を向上させる必要性も示した。
防衛省は29日の会合で、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備断念の経緯を改めて説明した。ミサイル防衛の代替策としてイージス艦の増備やレーダーなどの部品を転用する案を例示した。
検討チームは近く提言を決定する。8月上旬にも政府に提言を出し、国家安全保障会議(NSC)の議論に反映させる。政府は2021年度予算案の概算要求をまとめる9月をめどに、イージス・アショアの代替策や今後のミサイル防衛の方向性を示す方針だ。
提言案では米国を「矛」、日本を「盾」とする日米の役割分担は変わらないと記した。イージス・アショアの計画断念に伴い、日米の共同対処能力に関する議論を求めた。ミサイル攻撃から国民を守るシェルターなどの国民防護策も検討すべきだと指摘した。

【主張】米中対立激化 民主主義陣営は結束せよ(産経:社説)


米国は、スパイ行為や知的財産窃取の拠点だったとしてテキサス州ヒューストンの中国総領事館を閉鎖させた。
 中国は、対抗措置として、四川省成都市の米総領事館を接収し、米中対立は、互いの在外公館を閉鎖しあう異例の事態に発展した。

 ポンペオ米国務長官のトランプ政権の対中政策に関する演説は、こうしたさなかに発せられたメッセージである。中国への全面的な対決宣言といえよう。
 ポンペオ氏は、中国共産党は「われわれの自由で開かれた社会を食い物にした」と批判し、習近平国家主席については「全体主義の信奉者であり、覇権への野望を抱き続けている」と断じた。「自由社会は専制国家に勝たなければならない」とも強調した。
 この認識は正しい。
 日本を含む全ての民主主義国家が危機感を共有し、主権と国益、自由や法の支配を守り抜かねばならない。
 注目すべきは、ポンペオ氏が中国に対抗するため、「民主主義国家の新たな同盟」を構築する必要性を訴えたことだ。
 中国は、香港の統制強化への先進7カ国(G7)などの懸念の声に聞く耳を持たない。南シナ海の実効支配、軍事化を違法とする指摘は完全に無視している。その一方で経済力を背景に、欧米が距離を置く強権国家、援助を求める貧困国や途上国、さらには国際機関に浸透し、国際社会の「多数派」を形成しようとしている。

 中国の「覇権への野望」を打ち砕くには、価値観を共有する民主主義国家の結束が欠かせない。そうした「新たな同盟」を米国が主導するというのだろう。
 ならばトランプ大統領が自ら、しかるべき場を設け、中国の諸問題を提起し、対処するための結束を各国に訴えるべきである。トランプ氏は5月末、香港の統制強化を批判した演説で、中国との全面対決への決意を示している。
 トランプ氏に問われているのは、民主主義国家を糾合する指導力と、G7などの国際舞台での行動力だ。これまでの同盟軽視の姿勢を改めねばならない。
 米中両国と関係の深い日本は、両国の対立激化と無縁ではいられない。中国の脅威にさらされている隣国、民主主義国家として、米国と協調して対立に関与していく覚悟が求められている。

[安保60年]第3部 新たな戦闘領域<7>宇宙の脅威 常時監視…元航空幕僚長 片岡晴彦氏(読売新聞)


――宇宙における安全保障環境の変化は。
冷戦時代、宇宙は米ソ2極構造だった。宇宙システムを利用してお互いの核施設を監視していたので、緊張関係の中で、「お互いの宇宙システムは攻撃しない」という暗黙の了解があった。
今は、宇宙が多極構造に変化した。60か国以上が衛星を持っており、宇宙の混雑化も加速している。
そして、中国、ロシアの対宇宙攻撃の脅威が顕在化した。地上からミサイルで人工衛星を破壊する実験や、同一軌道の衛星に接近して攻撃する「キラー衛星」の実験を繰り返している。全地球測位システム(GPS)に対する電波妨害装置も既に配備している。
こうした変化により、暗黙の了解は崩壊し、宇宙が戦闘領域になった。このため、衛星を識別し、脅威を判定して宇宙の状況をリアルタイムで監視していくことが重要になっている。

――日本では今年5月、航空自衛隊に宇宙作戦隊が発足した。
日本は現在、こうした脅威に対して直接的に対処する能力を持っていない。今後、地上レーダーや宇宙設置型の光学望遠鏡の整備を進めていくが、日本単独では対処できない。米国との連携を強化する必要がある。
米国は2019年4月にファイブアイズ(米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)とフランス、ドイツの7か国共同で宇宙状況監視(SSA)に取り組もうという共同声明を発表した。日本もここに参加する必要がある。米側にとって、極東地域の観測網が一番欠けており、日本の参加は歓迎される。
日米では23年にも、日本独自の測位衛星・準天頂衛星に米国のSSAセンサーを搭載する。こうした器材の相乗りも重要だ。衛星を攻撃しようとする国は複数国への影響を考慮しなければならなくなり、攻撃をしにくくなる。
また、軍事面だけでなく、社会システムにも大きな役割を果たしているGPSは、電波妨害の影響を受けやすく、脆弱ぜいじゃく性が指摘されている。GPSが停止したときに準天頂衛星を使えるように整備していくといった具体的な対策を示すべきだ。
宇宙と安全保障の両面に精通する人材の育成も課題だ。自衛隊は40年間ほぼやっていなかった。宇宙で作戦を実行する際の自衛権や集団的自衛権をどう解釈していくのか、法的枠組みを整理する必要もあるだろう。

――宇宙開発の進展と安全保障の関係は。
宇宙空間は主権が及ばない先着優先主義だ。米高官は、西部開拓時代のような「ワイルドウェスト」と指摘しており、無法状態とも言える。
今は安全保障上の対象として、せいぜい高度約3万6000キロ・メートルの静止軌道までが活動エリアだが、米国のアルテミス計画が出てきた。月までの空間、月、火星と活動範囲が広がっていく。月面探査や資源探査、宇宙旅行が行われるようになれば、自国民の安全確保や資源確保が必要になってくる。
安全保障の核心は、(作戦が必要な場所に)戦力を投射できるかどうかだ。米国は2060年のシナリオを見積もった長期的な戦略策定を提唱している。日本も長期的な観点で、宇宙に防衛力をどう展開するか、宇宙船や宇宙飛行士、通信系をどうするか、関心を持つことが安全保障上も重要だ。

◆アルテミス計画=2024年までに米国の宇宙飛行士を月の南極に着陸させることを当面の目標とした探査計画。米政府が19年3月に計画を発表し、同5月、ギリシャ神話に登場する月の女神から命名した。月を回る宇宙基地を建設し、20年代半ばから飛行士も滞在させる。日本も19年10月に参加を表明しており、日本人飛行士の滞在、探査が想定されている。

米宇宙軍“ロシアが衛星攻撃実験” 官房長官「動向を注視」(NHKニュース)


ロシアが衛星を攻撃するための実験を行ったとアメリカが批判していることに関連し、菅官房長官は宇宙空間の安全確保は安全保障上の重要な課題だとして、各国の動向を注視していく考えを示しました。

アメリカの宇宙軍は、ロシアが今月15日にも地球の周回軌道上で、人工衛星から物体を発射し、衛星を攻撃するための実験を行ったと批判していて、アメリカと同盟国に対する脅威が増していると警戒を強めています。
これに関連して、菅官房長官は午前の記者会見で「アメリカによる発表は承知しており、わが国としても、現在、情報収集と分析を行っている。宇宙空間の安全的利用の確保は、宇宙利用を推進する各国にとって安全保障上の重要な課題の1つとなっている」と述べ、各国の動向を注視していく考えを示しました。
また、記者団が日本も将来的に衛星破壊兵器を所有する必要があると考えているかと質問したのに対し、菅官房長官は「宇宙領域で自衛隊が将来的に保有すべき個別的、具体的な装備品については、その時点における国際情勢や軍事技術の水準などを総合的に考慮する必要がある。現時点で確たる見解を申し上げることは控えたい」と述べました。

政府・自民にトマホーク配備論 中朝のミサイル攻撃抑止に期待(産経新聞)


「敵基地攻撃能力」の保有に向けて議論を進めている政府・自民党内で、米国製で英国にしか売却されていない長射程巡航ミサイル「トマホーク」の配備論が出ている。通常弾頭型で約1300キロ以上飛び、北朝鮮や中国を射程に収める。両国は日本を狙えるミサイルを多数保有しており、「撃ったら撃たれる」と発射を思いとどまらせる抑止力向上への期待がある。

地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の計画断念を機に、自民党は先月末からミサイル防衛のあり方に関する検討チーム(座長=小野寺五典元防衛相)を開いている。その非公開会合では、敵のミサイル攻撃に対して「迎撃だけでは対応しきれない」と敵基地攻撃能力保有を求める意見が相次いでいる。複数の防衛相経験者や国防族の有力議員は「手段の一つ」(中谷元・元防衛相)などとトマホーク導入を主張した。
防衛省関係者は「海上自衛隊の護衛艦のキャニスター(格納容器)を少し改修すればトマホークを搭載できる」と語る。日本海上のイージス艦や護衛艦からなら北朝鮮のほぼ全域、東シナ海上からは一定の中国領土を射程に収める。
防衛省関係者は、どの海自艦が搭載しているのか敵は判別できないという戦略上の利点もあるとし、「『能力保有』を宣言しなくても、攻撃されたら反撃できるトマホークを持つことが抑止力になる」と説明する。

防衛省は、射程約500~900キロの外国製巡航ミサイルの導入も決めている。主に戦闘機搭載用だが、敵領空への接近はリスクもあり、佐藤正久前外務副大臣は9日の参院外交防衛委員会で「イージス艦だと(敵基地から)遠くの安全な場所から撃てる」と主張。敵ミサイル発射の探知・追尾段階で米海軍との連携も「容易」とトマホークの利点を強調した。
日本を取り巻く周辺国の脅威は高まっている。北朝鮮は日本を射程に収める弾道ミサイルを数百発保有。相手の迎撃能力を超えるほどの連続発射を行う飽和攻撃の技術を高めている。中国は約2000発の弾道・巡航ミサイルを配備。その多くが日本を射程に収めるとされる。
同性能の巡航ミサイルの国内開発には数年以上を要する。政府関係者によれば、平成25年ごろの日米の非公式協議で「トマホークは売却しない」との方針を米側から伝えられたことがある。ただ、「トランプ大統領と安倍晋三首相の信頼関係があれば米政府は売却を認める」との見方も強い。調達価格はイージス艦が搭載している弾道ミサイル迎撃用の「SM3」の10分の1程度で済む可能性があるという。

ミサイル防衛 意見まとまらず 自民検討チームあすも議論(NHKニュース)


ミサイル防衛体制の在り方をめぐり、自民党の検討チームは28日の会合で、抑止力を向上させるため、相手の領域内でも攻撃を阻止するなどとした提言の骨子案をめぐって議論しましたが、意見はまとまらず、29日、改めて会合を開くことになりました。

新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の山口・秋田両県への配備断念を受けて、自民党は、ミサイル防衛の在り方を検討するチームを設けていて、28日、5回目の会合を開きました。
会合では抑止力を向上させるため憲法の範囲内で、専守防衛の考え方のもと、相手の領域内でも攻撃を阻止するといったことも含めた取り組みが必要とした提言の骨子案をめぐって議論しました。
出席者からは「『イージス・アショア』の配備断念の理由がいまも不明確だ」とか、「抑止力を向上させる方法が専守防衛の考えの中に入らないのではないか」といった指摘が出され、意見はまとまりませんでした。
このため、検討チームでは29日、改めて会合を開いて、提言の取りまとめに向けた議論を行うことになりました。

孤立深める習近平外交 コロナ後、独善性に拍車(産経N)


 【北京=西見由章】中国の習近平指導部が外交的に孤立を深めている。習指導部の発足後、低姿勢に徹する●(=登におおざと)小平の外交路線「韜光養晦(とうこうようかい)」を捨て、自国の意志を貫く「大国外交」に転換したことが根本的な要因だが、新型コロナウイルスの感染拡大以降は習外交の独善性と内向き志向に拍車がかかっている。
 「われわれは超大規模市場という優位性を発揮し、国内の大循環を主体とする新たな発展の構造を形成しなければならない」
 習国家主席は21日、国内企業家との座談会でこう語った。世界経済を取り巻く環境が厳しさを増す中、国内経済さえ復活させれば諸外国はおのずと中国になびくとの思惑がにじむ。

 中国は新型コロナの発生源として米欧はじめ各国から厳しい視線を向けられているが、積極的に関係改善に動くよりも、コロナによる混乱を奇貨として自国利益を露骨に優先させようとする姿勢が目立つ。
 海洋進出をめぐっては南シナ海で4月、中国公船がベトナム漁船に体当たりして沈没させる事件が発生。スプラトリー(中国名・南沙)諸島などに新行政区も設置し、ベトナムはじめ領有権を争う東南アジア諸国は警戒感を高めている。
 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺でも中国公船が100日連続で出没するなど日本への挑戦は新たな段階に入った。インドとの国境では両軍に死傷者が出る大規模衝突が発生した。
 中国当局の強硬外交を後押ししているのは愛国主義的な国内世論だが、一枚岩ではない。北京の外交筋は「一般国民の間でも中国自らが四方八方に敵を作り出しているという認識が広がっている」と分析し、「特に輸出型企業の関係者は、好戦的な態度が目立つ中国外務省に大きな不満を抱いている」と指摘する。

日本も対中政策の徹底的検証を 評論家・江崎道朗(産経:正論)


≪米国が過去の誤り認めた報告≫
 「過去20年間の対中関与政策は『誤り(false)』だった」
 米国のトランプ共和党政権は5月20日、「中国に対する米国の戦略的アプローチ」と題する報告書の中でこう指摘した。
 オバマ民主党政権は2015年の「国家安全保障戦略」において中国について「協力と注視」と述べるだけであった。だが、トランプ政権は17年12月、「米国の価値や利益とは正反対の世界への転換を図るライバル」だと中国を名指しで非難した。この対中戦略の転換に伴って中国の政策を徹底的に検証したのが今回の報告書だ。
 冒頭次のように指摘している。
 《1979年に米国と中国が国交を樹立して以来、米国の対中政策は、関与を深めることで中国の経済的・政治的な根本的な開放を促し、中国がより開かれた社会を持つ建設的で責任ある国際的な利害関係者として台頭することを期待することが前提となっていた》
 だが、その期待は中国共産党によって裏切られた。
 《中国の急速な経済発展と世界との関わりは、米国が期待していたような市民中心の自由で開かれた秩序への収束には至らなかった。中国共産党は代わりに、自由で開かれたルールに基づいた国際秩序を利用し、国際システムを自分たちに有利な形に再構築しようとしている。北京は、中国共産党の利益とイデオロギーに合わせて国際秩序を変革しようとしていることを公然と認めている》
 そして中国の問題点を次のように列挙した。
 ・2001年に中国がWTO(世界貿易機関)に加盟した際、加盟国は、中国が経済改革の道を歩み続け、市場志向の経済・貿易体制へと変貌していくことを期待していた。こうした期待は実現されなかった
 ・1980年代以降、北京は知的財産を保護するために複数の国際協定に署名してきた。にもかかわらず、世界の偽造品の63%以上が中国製であり、世界中の合法的なビジネスに数千億ドルの損害を与えている

 ≪中国の問題点を列挙≫
 ・北京は脅迫と誘導を組み合わせて外国の政府、エリート、企業、シンクタンクなどに中国共産党の路線に沿うように圧力をかけている
 ・中国は10年以上にわたり世界最大の温室効果ガス排出国である。中国はまた、海洋プラスチック汚染の世界最大の発生源でもあり、毎年350万トン以上を海洋に排出している
 ・2017年以降、中国は100万人以上のウイグル人やその他の少数民族・宗教団体のメンバーを再教育収容所に収容した。キリスト教徒、チベット仏教徒、イスラム教徒、法輪功のメンバーに対する宗教的迫害は、礼拝所の破壊や冒涜(ぼうとく)、平和的な信者の逮捕、強制的な信仰放棄、信仰の伝統の中で子供を育てることの禁止などを含めて広範囲にわたって行われている
 ・北京が東シナ海、南シナ海、台湾海峡などで挑発的で強圧的な軍事・準軍事活動に従事していることは自らの美辞麗句に反し、近隣諸国との約束を無視している
 ・米国やその他の外国企業は、中国の軍民融合戦略のために、知らず知らずのうちに中国の軍事研究開発にデュアルユース技術を投入しており、国内の反対勢力を弾圧し、米国の同盟国やパートナーを含む外国を脅迫する中国共産党の強圧的な能力を強化している
 よってこう総括している。
 《国家安全保障戦略は米国に対し「過去20年間の政策を見直すこと」を要求している。それはライバルに関与し、国際機関や国際商取引に参加させることによって、ライバルを良識ある行動者や信頼できるパートナーに変えることができるという前提に基づいた政策である。大部分においてこの前提が誤りであることが判明した》

 ≪国益踏まえた戦略へ総力を≫
 対中政策の誤りを認めた勇気は称賛に値する。そして最早(もはや)これまでのような対中「関与」政策には戻らないとして、こう明言する。
 《米国は、自由で開かれたルールに基づく国際秩序を弱める北京の行動には応じないし、応じるつもりもない》
 一方、日本はこれまでの対中政策の「誤り」を認めているのだろうか。沖縄の尖閣諸島周辺の領海への侵入や中国国内の日本企業への嫌がらせ、知的財産の不正利用などの問題に対し、どのように総括しているのか。
 習近平国家主席の訪日問題に対する「腰の据わらない」政府の対応を見ていると、トランプ政権が対中戦略を変更したので、それにしぶしぶと従っているだけではないかという疑問が湧いている。
 確かに対米「協調」は必要だ。だが、それが対米「追従」に陥らないためにも、日本政府も全省庁の総力を結集して、この20年の日中関係を徹底的に検証し、その問題点を明らかにした報告書を作成・公表すべきだ。そうすればおのずと日本の国益を踏まえた対中戦略が定まってくるはずである。(えざき みちお)

韓国に安倍氏の「贖罪」像 慰安婦問題、賛否割れ騒ぎ(東京新聞)


【ソウル共同】韓国北東部の江原道平昌にある「韓国自生植物園」は27日までに、同園内に旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像と、その前でひざまずいて謝罪する安倍晋三首相をモチーフにした像を設置した。「永遠の贖罪」と題したとしている。キム・チャンリョル園長が韓国紙、京郷新聞の取材に答えるなどして明らかにした。
 インターネット上で日本から批判が出ているほか、韓国でも賛否が割れ騒ぎとなっている。キム氏は27日、共同通信の取材に「安倍首相を特定してつくったものではなく、謝罪する立場にある全ての男性を象徴したものだ。少女の父親である可能性もある」と話した。

米宇宙軍“ロシアが衛星攻撃実験” 官房長官「動向を注視」(NHK)


ロシアが衛星を攻撃するための実験を行ったとアメリカが批判していることに関連し、菅官房長官は宇宙空間の安全確保は安全保障上の重要な課題だとして、各国の動向を注視していく考えを示しました。

アメリカの宇宙軍は、ロシアが今月15日にも地球の周回軌道上で、人工衛星から物体を発射し、衛星を攻撃するための実験を行ったと批判していて、アメリカと同盟国に対する脅威が増していると警戒を強めています。
これに関連して、菅官房長官は午前の記者会見で「アメリカによる発表は承知しており、わが国としても、現在、情報収集と分析を行っている。宇宙空間の安全的利用の確保は、宇宙利用を推進する各国にとって安全保障上の重要な課題の1つとなっている」と述べ、各国の動向を注視していく考えを示しました。
また、記者団が日本も将来的に衛星破壊兵器を所有する必要があると考えているかと質問したのに対し、菅官房長官は「宇宙領域で自衛隊が将来的に保有すべき個別的、具体的な装備品については、その時点における国際情勢や軍事技術の水準などを総合的に考慮する必要がある。現時点で確たる見解を申し上げることは控えたい」と述べました。

尖閣諸島「日本人開発の事実アピールせねば」衛藤沖縄北方相(NHK)


沖縄県の尖閣諸島の周辺海域で中国当局の船による活動が活発化する中、衛藤沖縄・北方担当大臣は、尖閣諸島の歴史資料などを展示する企画展を視察し、「日本人が開発してきた事実をアピールしていかなければならない」と述べました。

東京 千代田区にある領土・主権展示館では、沖縄県の尖閣諸島の歴史などについて理解を深めてもらおうと、28日から日本人による開発の歴史などを資料やパネルで解説する企画展が始まる予定で、これを前に27日夕方、衛藤沖縄・北方担当大臣が視察しました。
企画展では、明治26年に当時の沖縄県知事に宛てて送られた、熊本県の漁業者が尖閣諸島で漁を行うことを伝える書簡などが展示され、衛藤大臣は、尖閣諸島周辺で日本人による活動が行われてきた歴史を示す資料を見て回りました。
このあと、衛藤大臣は記者団に対し、「日本人が尖閣諸島を懸命に開発してきた事実を目の当たりにした。こうした事実を、国内的にも国際的にもアピールしなければならない」と述べました。

自衛隊装備品、初の競売 落札総額は581万円 2020.7.26 17:46政治政策(産経N)


 防衛装備庁は26日、不用となった自衛隊装備品のオークションを初めて行った。財源確保が目的で、春に退役した練習艦「やまゆき」の操舵輪や、パイロットのヘルメット・酸素マスク・バッグのセットなどが出品された。落札総額は税抜き581万8千円で、河野太郎防衛相は「思った以上の値段を付けていただいた」と満足げな様子だった。
 オークションは防衛省の講堂で開催。176人が参加した。2万円から競売がスタートしたやまゆきの操舵輪は52万円で落札。ヘルメットのセットはこの日最高値となる66万円で落札された。
 河野氏は冒頭、「興味のある人に引き取ってもらい、売り上げにもなれば一石二鳥だ」とアピールした。今後、ネットオークションも含めて競売を拡大する方針。今回の売り上げは自衛隊員の生活や勤務環境の改善に充てられるよう財務省と相談するという。

調査船拿捕、法整備 政府、中国念頭に検討(毎日新聞)


日本最南端の東京・沖ノ鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)で今月、中国の海洋調査船が6日連続で調査活動したことを受け、政府は調査船の取り締まりが可能となる法整備の検討に入った。外国船による科学的な海洋調査の場合でも、海上保安庁による拿捕(だほ)や逮捕が可能となる新法制定や法改正を想定している。
日本のEEZ内で外国漁船が違法操業をした場合には、「漁業主権法」に基づいて拿捕が可能で、日本の許可を得ていない鉱物資源の探査も「鉱業法」で取り締まりができる。一方、科学的な海洋調査に関しては、国連海洋法条約で、EEZの内側は、沿岸国が漁業や資源の掘削、科学的な海洋調査などに関する権利を有すると定めており、他国が沿岸国に無断でこうした活動を行うことはできない。だが、外国船や外国人を取り締まるための日本の法律は存在せず、拿捕や逮捕によって強制的に止めることはできない。
21日に開かれた自民党の「領土に関する特別委員会」などの合同会議では出席者から「無断で活動している外国の調査船を拿捕できるようにする法律をつくるべきだ」との声が相次いだ。出席した閣僚経験者は「相手が応じないなら別の手段を考えなければいけない。法整備は避けて通れない」と話す。政府は今後、他国の法律も参考にしながら法整備の検討を進める。

南シナ海緊迫…米、中国支配を拒絶 中国は実弾演習で対抗(産経新聞)


トランプ米政権が覇権拡大を図る中国への対抗措置を強める中、中国が領有権を主張し軍事拠点を構築する南シナ海をめぐって米中の軍事的緊張が高まっている。今月上旬、中国が同海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺で軍事演習を実施すると、米海軍は空母2隻を同海に派遣し中国の主張を認めない姿勢を誇示した。ポンペオ米国務長官は23日の演説で自由主義国と連携して中国の脅威に対抗する姿勢を強く打ち出しており、同盟国の日豪なども対応を迫られている。
 
■米国防長官「中国に国際水域変える権利ない」
【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、南シナ海における中国の過剰な海洋権益の主張を否定し、その覇権的行動を封じ込めるため、歴代米政権よりもはるかに積極的に対抗措置を講じている。
エスパー国防長官が21日、英政策研究機関「国際戦略研究所」(IISS)の講演で明らかにしたところでは、米政権は中国が南シナ海を軍事拠点化して一帯の領有権を主張するのを容認しない立場を明確にするため、南シナ海に艦船を派遣する「航行の自由」作戦を昨年、過去40年間で最多となる頻度で実施した。
エスパー氏は米政権の南シナ海政策の目的について「地域の全ての国々の繁栄に向けて自由で開かれたインド太平洋(の理念)を擁護し、中国に対し国際水域を自国の海洋帝国に変える権利はないことを明確にするためだ」と強調した。
同氏はその上で、「今年も前年と同じ頻度で航行の自由作戦を実施していく」と表明し中国を牽制(けんせい)した。
米政権は13日、南シナ海をめぐる中国の主張は「根拠がない」とした2016年7月のオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判断を支持すると発表し、中国による南シナ海の実効支配の強化を拒絶する立場を公式に打ち出した。
さらに米海軍は今月、原子力空母2隻を南シナ海に展開し、演習を繰り返し実施するという異例の措置をとった。空軍のB1戦略爆撃機2機も21日、グアムから南シナ海上空への長距離飛行を行った。
米政権がここへきて南シナ海への関与姿勢を強めているのは、米国を含む各国が新型コロナウイルス危機への対応に追われる中、中国がその隙を突いて南シナ海での挑発行動を強化しているためでもある。
米政権は、米軍の積極展開を通じ、中国と領有権を争う東南アジア諸国に対して米軍の関与が揺るぎないことを明示する一方、外交でも圧力を強める構えだ。専門家の間では、米国が同海の軍事拠点化に関与した中国企業に制裁を科す可能性が取り沙汰されている。
スティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は「全ての選択肢を排除しない」と述べ、制裁実施に含みを残している。
 
■中国、防空識別圏設定へ下準備か
【北京=西見由章】中国人民解放軍で南シナ海を管轄する南部戦区は、25日から8月2日まで、広東省雷州半島沖の北部湾で実弾演習を実施する。詳細は不明だが、米海軍が今月から南シナ海で活発化させている軍事演習に対抗する狙いもありそうだ。
米中間の全面的な対立構造が深まる中、南シナ海は軍事衝突の発生リスクが最も高い地域となっている。海域全体を自国の管轄下に置き米海軍の影響力を排除しようとする中国側の長期目標と、米国の国益が真っ向から対立するためだ。
両軍はこれまでも南シナ海でつばぜり合いを演じてきた。2001年には上空で両軍機が衝突、中国人パイロットが死亡し、米偵察機が海南島に不時着する事件が発生。13年には公海上で中国軍艦が米巡洋艦に異常接近し、16年には中国側が米海軍の無人潜水機を奪取する事態も起きた。
12年の習近平指導部発足後、中国世論の愛国主義と大国意識は肥大化した。米国と摩擦が生じても当局のメンツ上、明白な譲歩は困難だ。米中間で偶発的な衝突が起これば、双方が制御不能の事態に発展する危険性もある。
今後は中国が南シナ海で防空識別圏の設定に踏み切るかが焦点となる。人工島埋め立てによる軍事拠点化は、防空識別圏設定の下準備という側面がある。ただ、中国が強行すれば米国や同海周辺国との対立激化は不可避だ。中国政府系機関の研究者は7月に発表した文書で「中国政府が近く防空圏の設定を宣言することを示す証拠は全くない」と火消しを図っている。
 
■豪、対中警戒へ転換…インドネシアも
【シンガポール=森浩】南シナ海などインド太平洋地域で影響力を拡大する中国に対し、近隣諸国は警戒感を強め、米国との連携を進めるなどして対応強化に乗り出している。
オーストラリアは今月発表した新国防戦略で、中国の海洋進出を念頭に今後10年間で国防分野に2700億豪ドル(約20兆円)を投じる計画を明らかにした。当初計画の40%増となる。米国から長距離対艦ミサイルを購入するなど海上防衛に重点を置くもので、「国防戦略において、ここ数十年で最大の転換」(英紙ガーディアン)とされる。
豪州は南シナ海への関与も強めており、23日には、南シナ海での中国の権益に対する主張を否定する文書を国連に提出した。
インドネシアも今月に入って、南シナ海で2千人が参加する大規模な軍事演習を実施。「自国の領土に対する主権を主張する決意の表れ」と地元紙は報じた。
ベトナムも南シナ海での中国の伸長に繰り返し懸念を表明しており、22日には米国と漁船の安全な操業を確保するために連携することで合意した。ベトナム近海では、中国船による衝突で、ベトナム漁船が沈没する事故が相次いでいる。

南シナ海緊張 河野防衛相、沿岸国との防衛協力着々…中国牽制(産経新聞)


中国が領有権を主張し、軍事拠点を構築する南シナ海で軍事的緊張が高まっている。エネルギー資源を中東などからの輸入に頼る日本にとっても、南シナ海は重要なシーレーン(海上交通路)だ。政府は「自由で開かれたインド太平洋」構想に基づく防衛協力や装備品協力を南シナ海の沿岸国と進め、中国の動きに対抗する戦略を描く。

■タイ、フィリピン、マレーシアに…
河野太郎防衛相は昨年11月にタイを訪問し、プラユット首相兼国防相との間で防衛協力拡大に関する覚書に署名した。フィリピンとは平成28年、「防衛装備品・技術移転協定」を締結。中古の海上自衛隊TC90練習機5機や陸上自衛隊のヘリコプターUH1Hの中古部品を無償譲渡した実績がある。
さらに河野氏は今月20日、南シナ海に面するマレーシアのイスマイル・サブリ国防相と電話会談し、中国を念頭に「一方的な現状変更の試みや、緊張を高めるいかなる行為にも反対する」との考えを伝えた。

■米印豪との連携強化も
沿岸国との協力関係の構築と並行し、インド太平洋構想の中核をなす米国や豪州との連携強化も模索している。19日、海上自衛隊の護衛艦「てるづき」、米海軍の空母「ロナルド・レーガン」、オーストラリア海軍の強襲揚陸艦「キャンベラ」など9隻が南シナ海に集結し、陣形を組みながら西太平洋に出た。23日まで敵の潜水艦、水上艦艇、航空機への対処を想定した戦術訓練に臨んでいる。
日米豪の共同訓練は新型コロナの世界的な感染拡大以降では初めてとなる。覇権拡大をもくろむ中国を牽制(けんせい)する狙いがある。

宇宙監視網活用のミサイル防衛、日本と協議…米国防総省(読売新聞)


米国防総省ミサイル防衛局は24日、米軍が計画中の宇宙監視網「極超音速・弾道追跡宇宙センサー(HBTSS)」を活用したミサイル防衛のあり方について、日本政府と協議していることを認めた。

同局のマリア・ニョク報道官が読売新聞の取材に対し、「米国と日本は、相互の防衛にとって極めて重要な問題について、これまでもそうだし、今後も協力を続けていく」とメールで回答した。
中国やロシアが開発した極超音速滑空兵器は、比較的低い高度を音速の5倍以上で敵のレーダー網を避けながら飛ぶため、現在のミサイル防衛システムでは探知、迎撃が困難だ。
迎撃のための具体的な装備について、報道官は、「ミサイル防衛局は、極超音速の脅威に対処するために必要な技術的要求を特定する初期的な段階にある」とするにとどめた。

南シナ海緊張 河野防衛相、沿岸国との防衛協力着々…中国牽制(産経N)


中国が領有権を主張し、軍事拠点を構築する南シナ海で軍事的緊張が高まっている。エネルギー資源を中東などからの輸入に頼る日本にとっても、南シナ海は重要なシーレーン(海上交通路)だ。政府は「自由で開かれたインド太平洋」構想に基づく防衛協力や装備品協力を南シナ海の沿岸国と進め、中国の動きに対抗する戦略を描く。

■タイ、フィリピン、マレーシアに…
 河野太郎防衛相は昨年11月にタイを訪問し、プラユット首相兼国防相との間で防衛協力拡大に関する覚書に署名した。フィリピンとは平成28年、「防衛装備品・技術移転協定」を締結。中古の海上自衛隊TC90練習機5機や陸上自衛隊のヘリコプターUH1Hの中古部品を無償譲渡した実績がある。
 さらに河野氏は今月20日、南シナ海に面するマレーシアのイスマイル・サブリ国防相と電話会談し、中国を念頭に「一方的な現状変更の試みや、緊張を高めるいかなる行為にも反対する」との考えを伝えた。

■米印豪との連携強化も
 沿岸国との協力関係の構築と並行し、インド太平洋構想の中核をなす米国や豪州との連携強化も模索している。19日、海上自衛隊の護衛艦「てるづき」、米海軍の空母「ロナルド・レーガン」、オーストラリア海軍の強襲揚陸艦「キャンベラ」など9隻が南シナ海に集結し、陣形を組みながら西太平洋に出た。23日まで敵の潜水艦、水上艦艇、航空機への対処を想定した戦術訓練に臨んでいる。
 日米豪の共同訓練は新型コロナの世界的な感染拡大以降では初めてとなる。覇権拡大をもくろむ中国を牽制(けんせい)する狙いがある。
 (田中一世)

どんな人も全力で守る」自衛隊の使命感 九州豪雨から2週間余…1500キロ超!北海道から駆け付けた部隊も 防衛問題研究家・桜林美佐氏が寄稿(夕刊フジ)


九州に甚大な被害をもたらした豪雨災害から2週間以上が過ぎた。人命救助や土砂の撤去、被災者支援のために「災害派遣」された自衛隊の中には、何と1500キロ以上離れた北海道から駆け付けた部隊もあった。「どんな人も全力で守る」という自衛官の思いとは。防衛問題研究家の桜林美佐氏が寄稿した。

夜中、けたたましいエリアメールの音で飛び起きた。数百人の隊員が、つかの間の眠りについていた体育館では、その後も着信音が鳴り響き、そのまま夜明けを迎えた。
北海道の陸上自衛隊第12施設群(岩見沢市)を中心とした北方施設支援隊の主力部隊が、南恵庭駐屯地(恵庭市)を出発したのは7月8日。小樽港からフェリーに乗船して九州へ前進した。
先行班は新潟港(新潟市)で、主力部隊は舞鶴港(京都府舞鶴市)で下船し、その後は陸路をひた走った。日本海側のいくつかの駐屯地で給油し、7月11日の深夜に福岡県の小郡駐屯地(小郡市)に到着。ここを一時的な拠点として熊本の被災地に赴いた。

「ここじゃあ、眠られんやろ」
北の国から来てくれる部隊にとって暑い九州の夜は辛かろうと、受け入れる駐屯地では熱中症防止のため扇風機をあちこちに設置し、新型コロナウイルス対策でバレーボールネットを張りつめた。昼夜走り続けた隊員たちに、「少しでも休息をとってほしい」との思いで準備を整えたが、周辺地区の避難を促すメール音で結局、疲れを取ってもらう間もなかった。
とはいえ、当の北方施設支援隊は「ストーブを持ってきてしまいました」というので、九州の隊員を驚かせたという。北海道では夏の演習でも必須だそうだ。
北方部隊はその後、宮崎県のえびの駐屯地(えびの市)を拠点とし、熊本県内で堆積土や流木の除去などの活動を開始した。
しかし、これだけ自衛隊が活動している傍らで、「災害ゴミが片付いていない」という話も報じられている。なぜか。

その理由は、熊本県人吉市においては、機械力を駆使する作業より、むしろ「ゴミの分別」を重視しているためだ。これは、熊本地震や各地の同様の災害で分別しなかったことでゴミの処理が進まずに、かえって復興を遅らせてしまったことから取られた方策であった。
この、「少しずつ分別撤去する」という全国初の取り組み「人吉モデル」は長期的に見れば復興を早めるという。
高齢者が多いことや、コロナの影響でボランティア力の来援がかなわないため、自衛隊が頼りにされている。毎年のように起きる災害、そして高齢化社会において国防のための訓練といかに両立させるかは、ますます大きな課題だ。
「自衛隊は要らない」という人、あるいは「災害派遣はすべきでない」と考える人などさまざまだが、自衛隊はどんな人も全力で守る、それだけは確かだ。

サイバー・電子戦教育を強化 防衛省、人材確保なお課題(時事通信)


防衛省・自衛隊はサイバー・電子戦の新領域で、隊員らに対する教育を強化している。陸上自衛隊通信学校(神奈川県横須賀市)は月内に、電子戦の専門教育課程を新設。陸自高等工科学校(同市)も来年度からシステム・サイバー専修コースを開設する。ただ各国との差は依然大きく、人材確保は難航している。

「中国やロシアは軍のサイバー攻撃能力、電子戦の実践能力を強化している」。河野太郎防衛相は23日、陸自久里浜駐屯地(同市)で隊員に訓示した。これに先立ち、敵の通信を妨害する車載型電子戦システム「NEWS」や、昨年5月に開設した陸海空自衛隊統一のサイバー教育課程を視察した。

サイバー・電子戦の分野で世界を震撼(しんかん)させたのが、2014年のロシアによるウクライナ侵攻だ。ロシア軍はウクライナ軍の通信網を遮断して指揮系統を乗っ取り、最小限の火力で制圧。ロシア側はウクライナの3分の1の兵力で圧勝したとされる。
新たな戦闘に対処するため、自衛隊は今年度、陸自健軍駐屯地(熊本市)に80人規模の電子戦部隊を新編。サイバー防衛隊も70人増の290人に拡充し、23年度末までに関連部隊の定員を一千数百人規模にする計画だ。国内外の大学への留学や、サイバーセキュリティー企業への研修による人材育成にも取り組んでいる。
ただ、中国は3万人、北朝鮮も6800人のサイバー部隊を既に運用しているとされ、出遅れは否めない。即戦力として「ホワイトハッカー」と呼ばれる民間の高度人材を採用する制度もあるが、機密情報の管理や、公務員の硬直的な働き方が敬遠されるなどして実現しておらず、人材確保の課題はなお残る。

戦車全廃、内陸から沿岸部隊へ 中国にらみ変貌―米海兵隊(時事通信)


【ワシントン時事】戦車部隊全廃、1万2000人削減、対艦ミサイル装備の新連隊創設―。米海兵隊のバーガー総司令官は3月、10年後を見据えた海兵隊の抜本的改革を打ち出した。中東やアフガニスタンでの対テロ戦に最適化された戦力構成から脱却。中国との軍事衝突をにらみ、海兵隊は西太平洋の制海権確保に貢献する部隊へと変貌しつつある。
改革の道筋を示した「戦力デザイン2030」によると、今後10年間で戦車部隊を全廃するほか、砲兵隊を大幅に削減、水陸両用車や短距離離陸・垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機F35B、輸送機オスプレイなども減らす。
一方で無人偵察機を増やし、ミサイルを扱うロケット砲部隊を7隊から21隊に拡大する。新たに設置する「海兵沿岸連隊(MLR)」に対艦ミサイルを配備し、西太平洋で米海軍の活動を阻む中国軍艦をけん制。制海権確保につなげるのが狙いだ。
 
バーガー司令官は「戦力デザイン2030」の中で「18年策定の国家防衛戦略は、海兵隊が中東での過激派対策からインド太平洋における大国間競争に任務をシフトするよう求めた」と説明。「内陸から沿岸、対テロ組織から同格の競合国。このような任務の根本的変化は海兵隊の組織や訓練、装備に大幅な変革を必要とする」と強調した。
中国は地域紛争時に米軍の介入を阻む「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略を打ち出し、ミサイル戦力を大幅に増強している。昨年8月のロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約失効後、米軍は同条約で禁止されていた射程500~5500キロの地上発射型ミサイルの開発を開始。中国に対抗するため、日本を含む第1列島線に地上発射型ミサイルを配備する方針を示している。
ただ、バーガー司令官は、500キロ以上の射程を持つとされる地上発射型トマホークを海兵沿岸連隊に配備するかどうかについては、「現時点で判断するのは時期尚早だ」と述べるにとどめた。

27年までに「新ミサイル部隊」 対中国、沖縄に展開―米海兵隊トップ会見(時事通信)


【ワシントン時事】米海兵隊トップのバーガー総司令官は23日、時事通信との電話会見で、2027年までに対艦ミサイルなどを装備した「海兵沿岸連隊(MLR)」を3隊創設し、沖縄とグアム、ハワイに配置する考えを明らかにした。総司令官は3月、海兵隊が今後10年間で目指す方針を示した「戦力デザイン2030」で、戦力構成を抜本的に見直し、対中国にシフトする姿勢を鮮明にしている。

海兵隊の構想によると、沖縄を拠点とする第3海兵遠征軍傘下の海兵連隊を軸に再編成を行い、MLR3隊を創設する。バーガー総司令官は、既にハワイでは1隊目の編成が始まっており、沖縄とグアムに設置予定の残る2隊についても「27年までに完全な運用体制が整う見通しだ」と明言した。
MLRの設置時期が明らかになったのは初めて。既存の海兵連隊を再編するため、沖縄に駐留する総兵数が増えることはないという。
MLRは1800~2000人規模とみられ、長距離対艦ミサイルや対空ミサイルを装備する。有事の際には島しょ部に分散展開し、陸上から中国軍艦艇を攻撃して中国軍の活動を阻害。米海軍による制海権確保を支援するのが主な任務となる。
バーガー総司令官は、自衛隊が水陸両用車や輸送機オスプレイ、最新鋭ステルス戦闘機F35など相互運用性のある装備を保有していると指摘。「(海兵隊と)完全に補完し合う関係だ」と強調し、南西諸島での自衛隊との合同演習にも意欲を見せた。
今回の海兵隊再編が「日本に影響を与えるのは間違いない」と認め、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着くのを待って日本を訪問し、今後の改革などについて直接説明する考えを示した。

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