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日本外交の真価が問われるとき 名古屋市立大学教授・松本佐保(産経:正論)


米国の対中国外交は経済・貿易戦争にとどまらず、サイバーを含む軍事的なライバル関係に突入していることは、もはや周知のことである。実際に米国は軍事力を中東から徐々に撤退させ、その比重をアジア・インド・太平洋地域にシフトさせている。
 中東からの米軍撤退については、シリアやイラク問題を放置したままへの批判はあるが、米国の相対的なパワーの衰退に伴い、中東とアジア・太平洋の双方を防衛することは困難であり、その優先順位がアジアとなることは必然的であろう。

 ≪日米豪印「クワッド」≫
 それはほかでもない我が国、日本の安全保障上の重要性が高まっていることも意味する。
 その証拠に10月6日に第2回日米豪印の外相会合が東京で開催され、茂木敏充外相をホストに、ポンペオ米国務長官、ペイン・オーストラリア外相、ジャイシャンカル・インド外相が会談した。4カ国を意味する「クワッド(Quad)」と呼ばれ、南シナ海や沖縄県の尖閣諸島などで軍事的に威圧行動を繰り返す中国に対抗、結束を固める国々での「NATOアジア版」との声もある。
 こうした新たな動きに英国のメディアも反応している。英労働党系のオピニオン誌『ニュー・ステイツマン』で記者は、米国の中東からアジア・インド・太平洋地域への軍事的なシフトを歓迎し、「NATO本家」であるドイツの米軍を削減、その分をアジア・インド・太平洋に移したとしても驚くに当たらないと述べる。
 この日米豪印連合は合従連衡的な側面を持ち、中国による巧みな切り崩し工作を防ぎ、今回次のような申し合わせを行い、対中国の防波堤の役割を新たにした。
 1、年1回開催を定例化し、次回は来年に開催する
 2、「自由で開かれたインド太平洋」実現に向け、より多くの国との連携が重要
 3、質の高いインフラ、海洋安全保障、サイバーで実践的な協力を進める
 4、保健・衛生(コロナ問題を含む)やデジタル経済分野での新たな国際ルール作りで連携
 5、北朝鮮の核・ミサイル開発が深刻との認識を共有し、日本人拉致問題への協力を確認

 ≪中国寄り外交は過去のものに≫
 以上の5項目は、安全保障問題だけでなく、経済問題でも密接な連携を模索している。またポンペオ国務長官は次のように述べた。
 「中国は、南シナ海に人工島を造成し、軍事施設を建設してベトナムへの軍事的な脅威を増大させ日本でも沖縄県・尖閣諸島周辺で(航空自衛隊が)緊急発進を頻繁にせざるを得ない状況だ。またヒマラヤでは中印の軍事衝突が起き、中国は力ずくで周辺国に圧力をかけているので、このような国との融和政策を取る余地はない」
 間近に迫った米大統領選の結果、もしバイデン氏が勝利した場合は、この「クワッド」はどうなるのかが懸念される。バイデン民主党は中国に対して妥協的なのではという声もあるからだ。
 クワッドの第1回日米豪印の外相会合は、2017年11月に行われたが、その起源は07年5月の安倍晋三首相による提唱、その後ブッシュ・ジュニア米政権下のチェイニー副大統領の支援を得て、豪印が入ることとなった。日本もこの時期に前後し、安全保障協力に関する日豪共同宣言や日印安保宣言と、2国間での関係強化で補強した。
 一方オバマ大統領政権下でも、豪州の労働党女性首相のギラード政権との間で、軍事的な連携強化が行われた。チモール海とロンボク海峡に臨むダーウィン近郊への米国の軍事プレゼンスを承認した。さらにオバマ政権の支持により、ギラード政権は、核保有国インドへのウラン売却の拒否を覆し、その供給に踏み切った。これは米民主党と豪労働党の組み合わせで起きた点が興味深く、どちらも中国寄り外交であったことは過去のこととなったのである。
 菅義偉政権下で日米豪印戦略対話の恒久化が決定され、米軍のアジア・インド・太平洋地域へのシフトにより、ますます日本の安全保障上の役割が期待される。

 ≪安全保障「ホットスポット」≫
 実際インテリジェンスの分野でも、機密情報を共有する英・米・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの5カ国「ファイブアイズ」(UKUSA協定)に、日本が参入する可能性も議論されている。これは通信傍受などによる諜報活動のシギント等、サイバー分野での活動がアップデートされる必要がある。日本のこの分野はまだまだ遅れている。
 菅首相の初外遊で、ベトナムとインドネシアを訪問し、対中包囲外交なのではとも報じられた。確かにベトナムは、南シナ海で中国との対峙(たいじ)を強いられている。
 いずれにしても日本の地政学的な位置も手伝って、安全保障上の「ホットスポット」になることは回避できない。日本外交が世界の注目を集める中、これに応える外交の真価が問われている。(まつもと さほ)
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【主張】「徴用工」協議 誠意を見せろに耳を疑う(産経:社説)


耳を疑う。解決済みの問題を蒸し返した韓国が、今度は「誠意」を見せろと開き直った。
 いわゆる徴用工訴訟で韓国最高裁が新日鉄住金(現・日本製鉄)に賠償を命じた不当な判決から2年がたった。
 だが、韓国を代表して対外関係に当たるべき文在寅政権は何ら有効な解決策を示さない。これは最大級の非難に値する。
 菅義偉政権は、韓国側が日本企業の資産を現金化して奪う不当な措置をとることを防がねばならない。国際法と国益の尊重を貫き、文政権に翻意を促すべきだ。

 29日の日韓局長協議で「徴用工」問題が取り上げられた。韓国最高裁の判決を受け、日本企業の韓国内の資産現金化手続きが進んでいることに対し、滝崎成樹外務省アジア大洋州局長は「極めて深刻な状況を招くので絶対に避けねばならない」と要求した。
 だが、韓国の金丁漢アジア太平洋局長は「日本政府と被告企業が問題解決に向け、より誠意ある姿勢を見せる必要がある」と述べたという。誠意を見せろというのは、さらに金を出せということなのか。
 何度も繰り返すが、日韓両国は昭和40年の国交正常化時の請求権協定で、一切の請求権問題は「完全かつ最終的に解決された」と約束した。協定に伴い日本は無償3億ドル、有償2億ドルを韓国側に支払った。無償3億ドルは個人の被害補償の解決金を含んでいた。個人補償に不満があるなら、解決するのは韓国政府の責任である。

 この協定は両国関係の基盤だ。それを破壊する不当判決を放置したままの文政権の態度は、常軌を逸している。法よりも「反日」を優先し、「司法の判断」に責任転嫁するのはおかしい。
 局長協議で「意思疎通の継続では一致した」というが、国同士の約束を反故(ほご)にする国と、どうして信頼関係が築け、意思疎通や交渉ができよう。
 「徴用工」問題は、国際法を無視し、歴史を歪曲(わいきょく)した韓国側による完全な言いがかりで日本側は被害者だ。おかしな妥協は禁物である。反日の成功に味をしめた韓国が不当な対日要求をエスカレートさせるに違いないからだ。
 今年の日中韓首脳会議の議長国である韓国は、菅首相の訪韓を望んでいるというが、訪韓できる環境にないことは明らかだ。

陸自と海自のどちらが受け持つ? イージス代替策に現場困惑(東京新聞)


政府が配備を撤回した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代替策を巡り、現場の自衛隊に困惑が広がっている。撤回前の計画では陸上自衛隊の部隊が運用を受け持つはずだったが、代替策の検討は艦船利用が中心に。この場合、海上自衛隊の負担増につながる上、監視態勢の強化という当初目的が揺らぎかねないためだ。(荘加卓嗣)

◆常時警戒と海自負担軽減のはずが…
 「陸上に置くことで365日、24時間切れ目ない監視態勢をつくるはずではなかったか」。海自幹部は首をかしげる。
 現在、政府が検討するのは表向き①弾道ミサイル迎撃に特化した専用艦を含む護衛艦の利用②民間船舶の活用③石油採掘装置のような「海上リグ」の利用―の3つだが、事実上、艦船利用案に絞られつつある。岸信夫防衛相は30日の記者会見で「移動式の洋上プラットフォームの方向で検討を進める」と答えた。
 北朝鮮の相次ぐミサイル発射を受け、秋田、山口両県への配備計画を進めた目的は、切れ目なく運用できる「常時持続性」と海自の負担軽減だった。
 海自のイージス艦は来年3月に「はぐろ」が就役すれば8隻態勢になるものの、補給や修理等で帰港の必要があり常時警戒は難しい。洋上は気象の影響を受けやすいとの事情もある。
 本来、イージス艦の用途は弾道ミサイル対処だけではない。中国の活動が活発な東シナ海での警戒監視や、中東から資源を運ぶシーレーン防衛の運用を窮屈にし、隊員の練度維持も懸念される。「いつとも知れないミサイル発射に備え日本海上に張り付けるのはロスが大きい」(海自幹部)

◆未経験任務に警戒感
 もうひとつの障害は技術面。代替案の検討は地上イージス計画撤回で宙に浮いた米ロッキード社製のレーダー「SPY―7」(契約額350億円)の利活用が前提となっているが、艦船上に転用する場合、小型化が必要になるとされる。
 こうした懸念にもかかわらず、早々と艦船利用案に絞られつつあることに、別の海自関係者は「決まっているのなら何のための検討か」と警戒感を隠せない。
 海に不慣れな陸自は一層、戸惑いは大きい。海上で艦船の操縦や運用の協力を求められたとしても「陸自にできるわけがない」(幹部)とにべもない。「陸上にあれば、陸自がやるが(あれは海上だ)」
 元海将で金沢工業大学虎ノ門大学院の伊藤俊幸教授は「3案の中でいえば、地上イージスを導入しようとした経緯を考えると艦船2案はそぐわない。リグ案で陸自が受け持ち、警備も担当するのが現実的では」と指摘する。

◆年末までに代替策目指すも課題山積
 冷戦後、脅威の中心が旧ソ連から北朝鮮や中国へとシフトする中、戦車や火砲などを削られ続けてきた陸自。これに対して海自は弾道ミサイル防衛などの名目で、装備の充実を図ってきたのではないかという感情論も見え隠れする。
 自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長は記者会見で「具体的な案を検討している段階。人的な観点も当然検討項目に入る」と述べるにとどまっている。政府は年末までの代替策取りまとめを目指すが、クリアするべき課題は山積。越年の可能性も高まっている。

シャツが破れるほどの激しい攻防、防衛大の「棒倒し」見送り…大勢の観客に海外メディアも注目(読売N)


神奈川県横須賀市の防衛大学校は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、11月14、15日に予定していた開校記念祭を中止すると発表した。前身の保安大学校創設翌年の1953年から続けられている同祭の中止は初めて。旧海軍兵学校の伝統を受け継ぐ「棒倒し」の実施も見送られた。

 棒倒しは、学生が寮の建物ごとに四つの大隊(約150人)に分かれ、それぞれの陣地にある棒をめぐり、シャツが破れるほどの激しい攻防を繰り広げる。毎年大勢の観客が集まり、近年は海外のメディアが取材に訪れるなど国内外で注目されていた。

新型イージス艦増やす検討を “アショア”代替案提出 自民議連(NHK)


新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策について、自民党の議員連盟は、運用地域が柔軟に変えられ、防護能力も高いなどとして、新型のイージス艦を増やすことを軸に検討を進めるよう求める提言を岸防衛大臣に提出しました。

自民党の国防関係の議員連盟は、配備を断念した新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策について、提言を取りまとめ、30日、国会内で、岸防衛大臣に提出しました。
提言では、代替策について、運用地域を柔軟に変えられ、防護能力が高いなどとして、新型のイージス艦を増やすことを軸に検討を進めるよう求めています。
また、防衛省が「イージス・アショア」に使用する予定ですでに契約を済ませているレーダーを代替策でも使用したい考えを示していることについて、安全保障環境の変化を見据え、さらに改修が必要になるとして、活用を前提に検討を進めるべきではないと指摘しています。
提言を受け取った岸防衛大臣は「大変、貴重な提言だ。ミサイルをめぐる安全保障環境が厳しい中で、しっかり対応していかなければいけない」と応じました。

南シナ海問題で米国務長官が中国非難「違法な主張拒否する」(産経N)


アジア歴訪中のポンペオ米国務長官は29日、インドネシア・ジャカルタでルトノ外相とオンラインで共同記者会見し、南シナ海への海洋進出を強める中国について「法を順守する国々は中国の違法な主張を拒否する」と非難した。

 ポンペオ氏は、南シナ海南端のインドネシア領ナトゥナ諸島北方の排他的経済水域(EEZ)で中国漁船による違法操業が相次ぎ、インドネシアが今年1月、軍艦や航空機を派遣したことなどを念頭に「断固とした行動を歓迎する」と表明した。
 ルトノ氏は中国を名指しせずに「安定した平和な海として維持されるべきだ」と強調、国際法の尊重を求めた。米国を「戦略的パートナー」と位置付ける一方、中国はインドネシアの最大の貿易相手国でもあり、米中対立の中で板挟みになるのを避けたい立場だ。(共同)

【主張】代表質問 「国の守り」なぜ語らない(産経:社説)


国会はもっと大きな論議をしてほしい。28日から始まった代表質問を聞いての率直な感想だ。
 新型コロナウイルス禍をめぐる問題や日本学術会議会員候補の一部任命見送り、2050年までの温室効果ガス排出の実質ゼロ達成などが取り上げられた。
 一方で、素通りされた重要課題もあった。その典型が、与野党とも日本の守りをほとんど取り上げなかったことだ。国会がこんなていたらくでいいのか。
 国の最も重要な責務は、国民の生命と領土、領海、領空を守ることだ。政党も国会議員も防衛、安全保障の問題を避けて通れないはずである。
 だが、尖閣諸島(沖縄県)防衛に関する質疑はなかった。中露両国や北朝鮮の核・ミサイルの脅威を指摘し、国民を守り抜く方策を提案した質問者もいなかった。
 中国公船が尖閣周辺で領海侵入などを繰り返している問題を取り上げたのは立憲民主党の福山哲郎氏だけだった。その福山氏にしても「どのような外交努力をするのか」と問うにとどまった。外交、防衛双方の強化が必要である。
 中国公船による過去最長の領海侵入や日本漁船の追尾、中国海軍艦船が尖閣付近を飛んでいた海上保安庁機に「中国領空からの退去」を求めた問題も明らかになっている。いずれも日本の主権への重大な侵害といえる。

 政府が推進する「自由で開かれたインド太平洋」構想を取り上げたのは、自民党の野田聖子、世耕弘成の両氏しかいなかった。
 学術会議をめぐっては、立民と共産党が会員候補の一部任命見送りの撤回を、日本維新の会が行政改革上の点検を求めた。
 首相による任命権の行使は当然だが、どのような観点から判断したか、経緯についてはもう少し詳しい説明が必要だろう。
 残念なのは軍事科学研究を否定し、防衛力向上を妨げている学術会議の安全保障上の問題点を改めようという議論がなかった点だ。同会議は平成29年の声明で、軍事科学研究を「絶対に行わない」とした過去の声明の「継承」を宣言した。侵略を防ぐ抑止力構築を否定するもので非常識に過ぎる。
 日本と国民を守るための軍事科学研究は認め、日本に脅威を及ぼす中国や北朝鮮の軍事力強化に協力しない立場への改革こそ、国民のために国会は論じてほしい。

サイバー攻撃 官民の協力で東京五輪を守れ(読売:社説)


平和の祭典の円滑な実施に向けて、官民が連携し、サイバー攻撃から守る様々な手だてを講じなければならない。
 ロシアの情報機関であるロシア軍参謀本部情報総局(GRU)が、東京五輪・パラリンピックを標的に、サイバー攻撃を仕掛けていた疑いが浮上した。
 英政府によると、攻撃は五輪延期が決まった今年3月以前に、大会関係者やスポンサー企業、物流サービスのシステムに対して行われた。五輪本番を控え、GRUが偵察したとみられるという。
 組織的なドーピング問題で、ロシアは国としての五輪出場が認められなかった。攻撃は、その報復との見方が出ている。日本側に実害はなかったという。
 ロシアは関与を否定しているが、事実ならば容認できない。
 政府は、ロシアから攻撃があったかどうか明言を避けている。平和条約交渉に悪影響を与えたくないという思惑があるのだろうが、事実関係を明らかにすべきだ。
 GRUは2016年の米大統領選で、世論を操作するため、サイバー攻撃で候補者に関する文書を入手し、公開したとされる。英国は、GRUが元スパイ毒殺未遂事件に関わったと断定している。
 旧ソ連時代から続く不透明な組織の活動が、ロシアの信用を毀損きそんしていることをプーチン政権は重く受け止めねばなるまい。
 国際的に注目を浴びるスポーツなどのイベントは、サイバー攻撃の標的になりやすい。

 12年のロンドン五輪では、競技場の電源システムに不審なデータが大量に送りつけられた。18年の平昌冬季五輪では、ウイルス感染によって公式サイトや通信サービスが一時、ダウンした。
 ロシアに限らず、中国や北朝鮮もサイバー攻撃の能力を高めている。重要インフラが攻撃されれば、停電や交通まひなどが起き、大規模な事故につながりかねない。
 政府は、対策が進んでいる欧米と連携し、デジタル空間を悪用した攻撃事例や防御策について、知見を共有することが不可欠だ。
 司令塔である内閣サイバーセキュリティセンターは昨年、自治体や重要インフラ事業者と情報を共有するための協議会を設置した。来夏の五輪を見据え、官民で様々な手口を研究し、各種システムの強化を図る必要がある。
 本番での攻撃に備えた演習を、政府や組織委員会、事業者などが協力して行うことも大切だ。そうした取り組みを積み重ねて、被害の拡大を防いでもらいたい。

フランス まもなく全国一律の外出制限始まる(NHK)


フランスでは、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることを受けて日本時間の30日午前8時から全国一律の外出制限が始まります。短期間で感染を抑え込み、経済への影響を最小限にできるかが課題です。
フランスでは、新型コロナウイルスの1日の感染者数が多い日で5万人を超すなど、感染が急速に広がっていて、マクロン大統領は28日、ことしの春以来2度目となる、全国一律の外出制限を始めると発表しました。

外出制限は30日の午前0時、日本時間の午前8時から始まります。
これを前に29日、カステックス首相などが一連の措置について説明し、外出については、
▽通勤や食料品の買い出し、
▽通院など健康上の理由、
▽1日1時間以内、自宅から1キロの範囲での散歩や運動を除いて
認めないとし、違反した場合は135ユーロ、日本円で1万6000円余りの罰金を科すとしました。
また、レストランなどの飲食店や、食料品といった生活必需品以外を取り扱う小売店が店内に客を入れることは禁止されますが、配達や、商品を事前に注文して持ち帰る客への販売は認められ、この春に比べて緩やかな規制になっています。
カステックス首相は記者会見で、「感染のスピードは増している。われわれも対応を急がなければならない」と述べ国民に理解を求めました。
フランスでは、この春の外出制限で、経済がすでに深刻な打撃を受けていて、短期間で感染を抑え込み、経済への影響を最小限にできるかが課題となります。

「徴用」判決から2年 韓国 日本側受け入れ可能な解決案示すか(NHK)


太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国の最高裁判所が日本企業に賠償を命じる判決を言い渡してから30日で2年となります。韓国国内にある日本企業の資産の「現金化」に向けた手続きが進む中、ムン・ジェイン(文在寅)政権として日本側が受け入れ可能な解決策を示すのかが焦点です。

韓国の最高裁判所は2年前のおととし10月30日、韓国人4人が「太平洋戦争中に徴用工として日本で強制的に働かされた」と主張し日本製鉄に損害賠償を求めた裁判で、1人当たり1億ウォン(900万円余り)の支払いを命じる判決を言い渡しました。
これについて日本政府は、「徴用」をめぐる問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みだとして国際法違反の状態を是正するよう求めていますが、ムン・ジェイン政権は司法判断を尊重する姿勢を崩していません。
こうした中、ムン大統領は先月、菅総理大臣との電話会談で「両国政府とすべての当事者が受け入れられる最適な解決策を共に探していく」と強調しました。
また、今月には、与党のイ・ナギョン代表が「両国の真摯(しんし)な意思さえあれば、来年夏のオリンピックまで待たずとも解決できる」と述べるなど、韓国では、菅政権の発足を機に局面の打開を期待する声が出ています。
大統領府は日中韓3か国の首脳会議を年末までに韓国で開催するため努力するとしていて、来月中旬に予定される韓日議員連盟の幹部の日本訪問などを通じて菅政権の出方を見極めたい考えとみられます。
原告側が韓国国内にある日本企業の資産を「現金化」する手続きを進める中、ムン政権として日本側が受け入れ可能な解決策を示すのかが今後の焦点です。

「現金化」手続き 現状は
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる韓国の裁判で、原告側は、被告の日本製鉄の韓国国内にある資産を差し押さえ、「現金化」する手続きを進めています。
原告側によりますと、差し押さえた資産は日本製鉄と韓国の鉄鋼大手の合弁会社の株式です。
韓国の裁判所はことし6月、書類をホームページに公開する「公示送達」の手続きを取り、2か月後の8月、差し押さえを命じた決定書などが日本製鉄側に届いたとみなしました。
さらに今月にも「公示送達」の手続きを取り、ことし12月9日の午前0時になると、資産の売却について日本製鉄に意見を求める審問書などが日本製鉄側に届いたとみなされ、「現金化」の手続きが進むことになります。
ただ、韓国メディアは、ことし12月以降も必要な手続きがあるため、原告側による「現金化」には時間がかかるという見方を伝えています。
一方、日本製鉄はことし8月、原告側が資産を差し押さえたことについて韓国の裁判所に「即時抗告」を行い、手続きの差し止めを求めています。
「徴用」をめぐる裁判で、韓国の最高裁判所はおととし11月、三菱重工業にも賠償を命じる判決を言い渡しています。
この裁判の原告側も三菱重工業の韓国国内の資産を差し押さえ、「現金化」する手続きを進めていて、来月10日には「公示送達」によって審問書などが三菱重工業に届いたとみなされます。

韓国有識者「現金化を保留させる案の模索が現実的」
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題について、日韓関係が専門の韓国のクンミン(国民)大学のイ・ウォンドク(李元徳)教授は「この問題が両国を根本的な対立に導く外交懸案だという認識が韓国政府に不足している」と指摘しました。
そのうえで「日本企業の資産の『現金化』は、日韓関係が一線を越えることを意味する。これを保留させる案を模索するのが現実的だ」と述べ、ムン・ジェイン大統領がリーダーシップを発揮すべきだと訴えました。
また、ムン大統領が決断するには、韓国国内の世論が受け入れやすい雰囲気が必要だとして、対日世論の悪化につながった日本政府による輸出管理の厳格化措置は撤回されるべきだとの考えを示しました。
そして、ムン大統領の任期は来年5月で残り1年となり、今後、いわゆるレームダック化が進み、求心力が低下する可能性があるとして「今こそが両国関係を好転させる機会だ」と述べ、韓国政府が年内の開催を目指している日中韓3か国の首脳会議に合わせた日韓首脳会談に期待を示しました。

内閣には会員任命の拒否権あり 国士舘大学特任教授、日本大学名誉教授・百地章(産経:正論)


日本学術会議の一部会員の任命拒否問題について、憲法と行政法の立場から考えてみたい。

 ≪羈束(きそく)裁量行為とは何か≫
 学術会議の会員の任命は内閣による「行政行為」の一つだが、行政行為には「羈束(きそく)行為」と「自由裁量行為」、それに「羈束裁量行為」の3つがある。このうち、「羈束行為」は法律による厳格な拘束があり、例えば運転免許は所定の学科試験と技能試験に合格すれば、必ず交付しなければならない。つまり裁量権(合否を自由に決定する権利)などない。
 他方、「自由裁量行為」は、行政機関が法律に基づいて自由に判断できるもので、原則として違法性は問われない。裁判で争われた例としては、厚生大臣による生活保護基準の決定(朝日訴訟最高裁判決)などがあげられる。
 これに対し「羈束裁量行為」は、法律によって定められた範囲内で一定の自由裁量が可能な行為をいう。朝日訴訟では、東京高裁判決は厚生大臣の決定を羈束裁量行為とした。この場合も裁量内であれば違法にはならない。そこで問題となっている日本学術会議会員の任命はどうみたら良いのか。
 任命には様々なものがあるが、菅義偉内閣を批判する論者の中には、天皇による内閣総理大臣の任命(憲法6条1項)を引き合いに出して、「国会の指名に基いて」任命するとある以上、天皇には拒否権はない。それと同様、内閣による学術会議会員の任命も学術会議の「推薦に基づいて」(日本学術会議法7条)とある以上、内閣に拒否権はないという。
 しかし、天皇は国政に関与できず(憲法4条1項)、しかも国会は国権の最高機関である(同41条)。それ故、天皇がその指名に従い、内閣総理大臣の任命拒否権を持たれないのは当然であろう。だからこれを例に、内閣には学術会議会員の任命拒否権はない、と決めつけるのは早計である。
 他方、一般公務員の場合には、任命権は内閣や都道府県知事などにあり、試験に基づく任命や昇進の可否は自由に決定でき、わざわざその理由を示す必要などない。

 ≪任命拒否は会議法に違反せず≫
 これに対して、学術会議会員は特別公務員であり、学術会議の「推薦」に基づいて任命されることになっている以上、内閣が推薦名簿を無視して自由に決定することはできない。
 そこで考えるに、昭和58(1983)年の政府答弁では「内閣が行うのは形式的任命にすぎない」とあり、事実上の「羈束行為」のようにもみえる。
 しかし、近年、学術会議側は事前にポスト数より多めの人数の名簿を内閣に提出して説明してきたというから(大西隆元会長、朝日新聞10月13日)、内閣に裁量の余地を認めたことになろう。
 この点、下級裁判所の裁判官の任命権は内閣にあるが(憲法80条1項)、「最高裁判所の指名した者の名簿によつて」行うことになっている。しかし、内閣は「名簿に掲げられた者の中から任命しなければならない」が「名簿に掲げられた者を任命しないことはできる」(兼子一・竹下守夫『裁判法〔新版〕』、傍点は引用者)。つまり任命拒否は可能であり、「羈束裁量行為」とみるべきだ。
 とすれば、特別公務員にすぎない学術会議会員の任命は、これと同様の解釈が当然可能であり、内閣による任命は「羈束裁量行為」とみるのが自然だ。
 裁判所には憲法で「司法権の独立」が保障されているが、内閣は任命しなかった者についてその理由をわざわざ最高裁に示さないし、最高裁も理由の開示を求めたりしないはずだ。であれば内閣が学術会議に任命拒否の理由をいちいち示す必要などない。
 加えて学術会議は性格上、政治に左右されず中立的な運営がなされなければならないが、その職務(日本学術会議法4条)をみると「審議会」的な性質もある(橋下徹・元大阪府知事)。となれば政治的中立性やメンバーのバランス等を総合的に判断し、会員の任命につき、内閣が一定の裁量権を行使するのは当然ではないか。
 それ故、内閣の任命権を「形式的なもの」と決めつけてきた従来の解釈は疑問だ。内閣の任命は「羈束裁量行為」であり、一部会員の任命拒否は裁量権の範囲内と考えるべきで、違法ではない。

 ≪学術会議のバランス考慮≫
 政治的に偏向した学術会議に対する厳しい批判はもっともなものが多い。また同会議が「軍事目的のための科学研究を行わない」との声明をこれまで繰り返してきたため、わが国では「自衛を目的とする軍事研究」はおろか、軍事に応用可能というだけで優れた科学研究が否定されてきた。その国家的損失は極めて大きい。
 他方、同会議は中国科学技術協会との間で協力のための覚書を交わしており、軍民融合を進める中国への技術流出の危険がある。
 学術会議には「安全保障関連法に反対する学者の会」のメンバーも10人は任命されている。菅首相は大学の偏りなども考慮したと述べており、6人の任命拒否はやむを得ない。(ももち あきら)

防衛省、弾道ミサイル探知レーダー「SPY7」導入へ イージス代替策(毎日新聞)


防衛省は弾道ミサイルを探知する高性能レーダーとして米ロッキード・マーチン社の「SPY7」を導入する方針を固めた。配備を断念した陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策として艦船に搭載することを検討する。
自民党内では、米海軍で採用実績のあるレイセオン社の「SPY6」を推す声が根強い。経費抑制や日米間の連携に有効との指摘があるが、防衛省はSPY7の探知範囲が広域かつ高高度に及び、性能が高いと判断した。
政府はアショア配備の一環としてSPY7を陸上に導入する予定だった。岸信夫防衛相は27日の記者会見で、艦船など洋上での転用について「SPY7はもともと洋上使用も前提とされており、改めて洋上(転用時の)再評価は必要ない」と述べた。

防衛省資金、大学応募6分の1以下に 学術会議「禁止」影響か(産経新聞)


防衛省が先進的な民生技術の基礎研究に資金を供給する安全保障技術研究推進制度に関し、制度が始まった平成27年度は大学からの応募数が58件だったのに対し、今年度はその6分の1以下の9件だったことが27日、分かった。日本学術会議が29年3月に出した「軍事的安全保障研究に関する声明」が影響したとみられ、大学からの応募数は年々減少している。

岸信夫防衛相は27日の記者会見で「安全保障技術の優位性を維持、向上していくことは国民の命、平和な暮らしを守るために不可欠だ。この制度の積極的な活用を今後も図っていく必要がある」と強調した。
日本学術会議は声明で同制度について「政府による研究への介入が著しく問題が多い」と指摘し、軍事研究の禁止をうたった昭和25年、同42年の2つの声明を「継承する」と強調した。
岸氏は記者会見で「研究は応募者の自由な発想、意思で行う。予算執行の観点から研究の進捗(しんちょく)管理は必要だが、研究内容に介入することはない」と述べた。

イージス代替、越年か 防衛相、期限言及せず(毎日新聞)


岸信夫防衛相は27日の記者会見で、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策の取りまとめに関し「スケジュール感については予断を持って話すことは控えたい」と述べた。政府はこれまで年末までに取りまとめる方針だったが、検討作業が難航しているのを受け、越年に含みを持たせた形だ。
菅義偉首相は26日の所信表明演説で、9月に安倍晋三首相(当時)が公表した談話を踏まえて代替策を取りまとめる考えを示した。一方で、談話に明記されている「今年末までに」という取りまとめの期限には言及しなかった。
談話は閣議決定を経ておらず、安倍氏も公表時に「(次の内閣を)縛ることにはならない」と表明していた。代替策の検討が難航する状態が続けば、取りまとめが越年を余儀なくされることもありそうだ。

防衛省、ミサイル探知の新手法研究 複数衛星で横方向から観測―中朝に対応(時事通信)


防衛省は、中国やロシアの最新鋭ミサイルに対応する新たな手法の調査・研究に乗り出す。関係者が27日、明らかにした。同一軌道上に複数の人工衛星を展開し、遠くを飛んでいるミサイルを横方向から探知する「リム観測」と呼ばれる手法。今後、実用化の可能性を探る。
中ロと北朝鮮は、高い軌道を描く弾道ミサイルとは別に、低高度を高速で滑空する新型ミサイル開発を進めている。地上のレーダーでは水平線などに阻まれて探知・追尾が難しく、人工衛星による宇宙からの観測が効果的とされる。
米国は対抗策として、多数の小型衛星を低高度の軌道上に張り巡らせて警戒に当たる「衛星コンステレーション(星座)」計画を推進。1000基以上の配備で切れ目ない警戒網の実現を目指しており、防衛省も参加を検討している。
リム観測も複数の衛星を用いる点は米計画と同じ。ただ、米計画の衛星がミサイルを真下に見下ろす形になるのに対し、リム観測は遠距離から横方向にレンズを向けるため、衛星1基当たりの観測範囲が広くなり、少ない基数での運用も期待できる。

「学問の自由、侵害は学術会議」北大・奈良林名誉教授 声明…錦の御旗に(産経N)


北海道大学の奈良林直(ただし)名誉教授が産経新聞のインタビューに応じ、平成28~30年度の防衛省の安全保障技術研究推進制度に採択された同大の研究に関し、北大が30年3月に防衛省からの資金提供を辞退した経緯を説明した。日本学術会議が29年3月に出した「軍事的安全保障研究に関する声明」が辞退に影響したとし、「学問の自由を侵しているのは学術会議の方だ」と強調した。

 奈良林氏によると、採択されたのは船底を微細な泡で覆うことで水中の摩擦抵抗を減らす同僚の教授の研究で、実現すれば自衛隊の護衛艦や潜水艦の燃費向上と高速化が期待できる。
 この技術は民間船にも応用できるデュアルユース(軍民両用)のため、奈良林氏は「民間船の燃費が向上すれば、二酸化炭素の排出量が減る。地球温暖化対策が叫ばれる時代の中で、優先すべき研究テーマだ」と語った。
 北大は1年の期間を残し防衛省に辞退を申し入れたが、奈良林氏は学術会議の声明に伴い研究継続への圧力があったと指摘する。
 同氏によると、28年9月に設立された軍事研究に反対する団体や学者らでつくる「軍学共同反対連絡会」は北大総長に対する面会要求や公開質問状の送付を繰り返した。同連絡会のホームページには「(北大が)私たちの運動と世論、学術会議声明を無視し得なくなったからで、画期的だ」との記載もある。
 北大では推進制度への応募を模索した別の研究もあったが、こうした経緯を踏まえて応募は見送られたといい、奈良林氏は「学術会議の声明が錦の御旗になってしまった」と話した。

農業再生で食の安全保障確立を 日本財団会長・笹川陽平(産経:正論)


 新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)で国際社会の食物生産や流通に異変が起きている。

 ≪約20カ国・地域が輸出規制≫
 ロシアやインド、ベトナムなど約20カ国・地域が自国の食糧市場を優先して小麦やコメの輸出規制に乗り出しているのだ。日本は主食のコメは自給できており、小麦も主な輸入元である米国やカナダ、オーストラリアは輸出規制をしておらず、今のところ問題はない。
 しかし、カロリーをベースにした2019年度の食料自給率は世界の100位台、38%(生産額ベースでは66%)にとどまり、25年度を目指した45%の達成目標も5年遅らせ30年度に先送りされた。
 コロナ禍では食料の生産や流通に予期せぬ支障が発生する事態がいつでも起こり得ることが示された。世界の人口は55年に100億人に達するとみられ、これに伴う食料需要の増大や温暖化による異常気象で生産が減少する事態など国内外のさまざまな要因で食料供給に影響が出る可能性もある。
 1999年に公布・施行された「食料・農業・農村基本法」は国内の農業生産の増大や輸入備蓄を適切に組み合わせ 食料を安定的に確保するとしている。食料政策は国の根幹であり、あらゆる事態に備える必要がある。そのためにも久しく衰退産業と位置付けられてきた農業の再生・振興こそ急務と考える。カギとなるのは農業を支える担い手の確保、土地、それを支える技術である。
 まずは土地。1960年代に600万ヘクタールを超えた農地は2019年には440万ヘクタールに減り30年には414万ヘクタールに減少する。これに伴い島根県に匹敵する67万ヘクタールもの耕作放棄地、荒廃農地が発生しており、自治体の誘致策もあり、その気になれば確保に困らない。
 次に技術。日本にはコメや果物など農産物の品種改良に向けた世界に誇る技術があり、食材の安全性を担保する原料原産地表示制度なども進んでいる。私事になるが、過日も東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗元首相から、地元・石川県の砂丘地農業研究センターで開発されたという1粒の直径が4センチ以上もあるブドウをいただき、日本の品種改良技術のレベルの高さを改めて実感した。

 ≪焦点は若い担い手の確保≫
 残る問題は担い手の確保。00年に389万人を数えた農業人口は18年、175万人まで減少し、うち120万人は65歳以上の高齢者で占められ、日本の農業が縮小する最大の原因となってきた。
 しかし近年、明るい兆しも見えてきた。49歳以下の若い農業の担い手の増加である。農林水産省などの統計によると、10年、約1万7000人だった49歳以下の新規就農者は17年、約2万1000人と増加傾向にあり、戸数も全体で14万近くに増えた。1戸当たりの耕作面積も全体平均の1・43ヘクタールに対し、若手農家の約半数(47%)は10ヘクタールを超えている。
 2010年に8兆1千億円まで落ち込んだ農業総産出額も17年には9兆3千億円に回復。単純計算すると、農業従事者1人当たりの農業生産額は農業人口の減少もあって年間約250万円から約530万円に増え、若手農家が農業を主導する形ができつつある。加えて“平成の農地改革”と呼ばれる2009年の農地制度改正で農地の貸借が自由化され、法人・個人を問わず農業に参入できるようになった。17年現在、3030法人が参入している。

 ≪東京一極集中の流れに変化も≫
 さらに国民の意識にも変化がみられる。内閣府が14年、都市地域住民を対象に「農山漁村地域への定住願望」を調べたところ、31・6%が「有り」と答え、約10年前の調査より10%以上増えていた。新型コロナウイルス禍に伴うテレワークの浸透で、東京一極集中の人の流れに変化が出る兆しも見える。日本財団が8月上旬に行った18歳意識調査では、回答を寄せた17~19歳1000人のうち5人に1人(22%)が「若者の地方移住が進むと思う」と答え、43・5%は将来住みたい場所として「都市部」より「地方」を選んでいた。
 こうした点に植物工場での農業生産、通信技術を活用したフードテックの登場など新しい動きを加味すると、家族経営が中心だった日本の農業は大きく変化し、若者がサラリーマンとして農業に参入する新しい形さえ見えてくる。政府は今年3月、農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円とする新たな目標を打ち出した。菅義偉首相が官房長官時代から取り組んできた思い入れの強い政策で、オールジャパン態勢で実現を目指す考えのようだ。
 19年の輸出額が目標とした1兆円を下回ったことなどから、達成を困難視する向きもあるようだが、「和食」が13年にユネスコの無形文化遺産に登録されて以降、海外の日本食レストランは約3倍の約15万6000店に増えた。農業の再生・復興が進めば実現可能な数字で、食の安全保障確立にもつながると考える。(ささかわ ようへい)

核兵器禁止条約 安全保障の観点が欠けている(読売:社説)


核兵器廃絶を目指す精神は尊ぶべきだ。だが、核抑止力が安全保障に果たす役割を無視し、「禁止」を一方的に迫る内容では、実効性に欠けると言わざるを得ない。
 核兵器の開発や保有、使用などを包括的に禁じる核兵器禁止条約が、制定から約3年を経て、発効に必要な50か国・地域の批准を集めた。条約の規定により、90日後の来年1月22日に発効する。
 米英仏中露の核保有国や、日韓など米国の同盟国は参加しておらず、条約には拘束されない。
 批准国は、中南米やアフリカなど核の脅威に直接さらされていない国が多い。核兵器が持つ重みについて、認識を共有するのは困難だ。地雷やクラスター弾の禁止条約と同列には論じられまい。
 条約の前文は、被爆者の苦しみに言及し、惨禍を繰り返さない決意を示している。核兵器の使用が人道上許されないという点には、議論の余地はない。

 一方、安全保障の観点から見れば、核保有国や、米国の「核の傘」を必要としている国の個別の安保環境を考慮していない点で、条約には致命的な欠陥がある。
 米国とロシアは、核戦力の均衡を通じて戦争を防ぐ枠組みを維持してきた。日本は、核保有国の中国、ロシアに近接し、北朝鮮の核の脅威に直面する中で、米国の核抑止力に依存している。ロシアと対峙たいじするドイツも同じ状況だ。
 米国の同盟国にとって、核使用の「威嚇」も禁止する条約の規定は、「核の傘」の信頼性の否定に等しい。日米安保体制や北大西洋条約機構(NATO)の根幹が揺らぐことになる。
 現実の脅威に適切に対処しながら、地道に核軍縮を前進させるというのが、日本の立場だ。禁止条約は受け入れられない。締約国会議のオブザーバー参加も、条約への賛成と受け取られる可能性があり、慎重に対処すべきだろう。
 日本は唯一の被爆国として核保有国と非保有国の対話を仲介し、亀裂を修復する必要がある。
 世界の核兵器の9割を持つ米露が核軍縮を進め、軍拡競争に歯止めをかけることが先決である。来年2月に失効する新戦略兵器削減条約(新START)の延長に向け、歩み寄りの動きが出ているのは多少なりとも明るい兆候だ。
 世界の大半の国が参加する核拡散防止条約(NPT)の役割も、高めねばならない。NPT脱退を宣言して核開発を続ける北朝鮮を非核化させることは、NPT体制の信頼回復への手立てとなる。

アメリカとインド 中国念頭に軍事連携強化で協定締結(NHK)


アメリカとインドの外務・防衛の閣僚協議が開かれ、海洋進出などの動きを強める中国を念頭に、機密情報の共有など、軍事面での連携をより一層強化するための協定が結ばれました。

アメリカとインドで3回目となる外務・防衛の閣僚協議、いわゆる2プラス2は、アメリカ側からポンペイオ国務長官とエスパー国防長官が、インド側から、ジャイシャンカル外相とシン国防相が出席して27日、インドの首都ニューデリーで開かれました。
協議では、アメリカの軍事衛星が収集した画像などの機密情報をインド側に提供することを可能にするための協定などが結ばれました。
両国は、すでに軍どうしが食料や燃料などを相互に提供できるようにしたり、基地の使用を認めたりする協定を結んでいて、海洋進出などの動きを強める中国を念頭に、軍事面での連携をより一層強化することになります。
アメリカとインドは、今月6日に東京で、日本、オーストラリアと4か国外相会合を行い、法の支配などに基づく自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、結束していく方針を確認しています。
今回の協議では、この4か国の枠組みを軍事面でも示すため、来月、インド近海で行われる共同訓練の実施を歓迎する意向も示されました。

立民 福山幹事長 首相の「学術会議 会員に偏り」指摘を批判(NHK)


日本学術会議をめぐって、菅総理大臣が会員が一部の大学に偏っているなどと指摘したことについて、立憲民主党の福山幹事長は「総理大臣は形式的に会員を任命する立場のはずで、偏りなどを判断してはならない」と批判しました。

日本学術会議の会員候補6人が任命されなかったことをめぐり、菅総理大臣は26日夜、会員が一部の大学に偏っていると指摘し、民間や若手、地方からも選任される多様性の確保が必要だという認識を示しました。
立憲民主党の福山幹事長は、27日の記者会見で「形式的に会員を任命する立場のはずの総理大臣が、会員の偏りなどを判断してはならない」と菅総理大臣を批判しました。
そして、「もっと言えば、菅総理大臣は、会議の『推薦リスト』すら見ていないのに、なぜそんなことが分かるのか。いよいよ説明が苦しいと言わざるをえない」と指摘しました。

【主張】核兵器禁止条約 廃絶と安全につながらぬ(産経:社説)


核兵器の開発や実験、保有、使用を全面的に禁ずる核兵器禁止条約が来年1月発効する。50の中小の国・地域が批准して発効基準を満たした。
 これが核廃絶の歩みを前進させるとの見方が新聞やテレビニュースなどで広がっている。
 唯一の戦争被爆国として日本が核兵器廃絶を追求するのは当然だ。だが、核廃絶や平和に寄与するという前提で核禁条約を論じたり、日本が加わったりすることはとても危うい。
 核兵器を持つ国はどこも核禁条約に加わっていない。核拡散防止条約(NPT)で核保有を認められた米露中英仏の5カ国やNPT外で核を持つインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮である。これで核を廃絶できるのか。
 そのうえ日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)加盟の非核保有国の全てが核禁条約を結ばなかった。その重みも理解しなくてはならない。核禁条約は締約国と、核保有国を含む非締約国との溝を深め、核軍縮の議論を停滞させる恐れもある。
 日本は中露や北朝鮮の核の脅威に直面している。北朝鮮が声明で「取るに足らない日本列島の4つの島を核爆弾で海中に沈めるべきだ」と脅してきたのはわずか3年前のことだ。

 現在の科学技術の水準を踏まえれば、核攻撃を抑えるには核による反撃力を持つことが欠かせない。核抑止を一方的に解けば放棄しない国の前で丸裸になる。もし全核保有国が放棄しても、ひそかに核武装する国やテロ組織が現れれば万事休す、である。
 自国や同盟国の側に核抑止力がなければ、北朝鮮のような悪意ある国からの核攻撃やその脅し、化学兵器など他の大量破壊兵器による攻撃を防げない。この安全保障上の厳しい現実を肝に銘じたい。日本が非核三原則を採れているのも同盟国米国の「核の傘」(核抑止力)に依存しているからだ。
 加藤勝信官房長官は会見で「わが国のアプローチと異なる」として核禁条約に署名せず、締約国会議へのオブザーバー参加にも慎重姿勢を示した。
 国民の命を守る責務を担う政府として妥当な姿勢である。政府は広島、長崎の悲劇を語り伝え、核禁条約とは別の形で核軍縮外交を着実に進めるとともに、「核の傘」やミサイル防衛の有効性を常に点検しなければならない。

「北方領土は日本領」地図に知事激怒 ロシア・サハリン職員が懲戒免職(産経N)


【モスクワ=小野田雄一】ロシアが不法占拠する北方領土を事実上管轄するロシア極東サハリン州は26日、地域の水産業の振興に関する会議で北方四島が日本領として描かれた地図を資料として使用する「重大なミス」を犯したとして、地元水産当局の職員を懲戒免職にしたと発表した。

 サハリン州の発表によると、この職員は、10月中旬に同州で開かれた会議用の説明資料として、北方四島が日本と同じ色で色分けされた地図を使用。リマレンコ知事は激怒し、内部調査を指示した。その結果、職員が日本のウェブサイトから地図を借用していたことが判明。同氏は職員を懲戒免職にするとともに、上司もけん責処分とした。
 発表は「国境の変更不可は憲法で定められ、(職員のミスは)断固として容認できない。こうした職務怠慢には最も厳しい処分が避けられない」とするリマレンコ氏のコメントも記載している。
 インタファクス通信によると、会議の様子を伝える写真がソーシャルメディアに投稿され、スライドに当該の地図が写っていたことから、地元住民らが問題視していたという。

学術会議に菅首相「民間出身者や若手会員が極端に少ない」…組織全体の見直し訴える(読売N)


菅首相は26日、NHK番組に出演し、日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題を巡り、同会議は民間出身や若手の会員が「極端に少ない」とし、一部の大学などを念頭に「一定のところに多く固まっていることも事実だ」と指摘した。
 また、首相は現在の会員が後任を推薦できる仕組みを問題視し、「誰かがもう一度、組織全体の見直しをしなければいけない時期ではないか」と述べ、同会議を改革する必要性を訴えた。「民間出身者や若手研究者、地方の会員も選任される多様性が大事だ」とも述べた。

新型コロナ 世界の感染者4323万人 死者115万万人(午前3時)(NHK)


アメリカ、ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、日本時間の27日午前3時の時点で、世界全体で4323万8481人となりました。
また、亡くなった人は115万6212人に上っています。

感染者の多い国
▼アメリカが866万1917人
▼インドが790万9959人
▼ブラジルが539万4128人
▼ロシアが152万800人
▼フランスが118万2374人
死者の多い国
▼アメリカが22万5379人
▼ブラジルが15万7134人
▼インドが11万9014人
▼メキシコが8万8924人
▼イギリスが4万4986人

【全文】菅首相 所信表明演説(NHK)


菅総理大臣は26日召集された第203臨時国会で初めてとなる所信表明演説を行いました。
文字数にしておよそ7000字。平成以降、分量としては平均的だということです。菅総理大臣の所信表明演説全文は次のとおりです。

1. 新型コロナウイルス対策と経済の両立
このたび、第99代内閣総理大臣に就任いたしました。
新型コロナウイルスの感染拡大と戦後最大の経済の落ち込みという、国難の最中(さなか)にあって、国のかじ取りという、大変重い責任を担うこととなりました。
まず改めて、今回の感染症でお亡くなりになられたすべての皆様に、心からの哀悼の誠をささげます。
そして、ウイルスとの闘いの最前線に立ち続ける医療現場、保健所の皆さん、介護現場の皆さんをはじめ多くの方々の献身的な御努力のおかげで、今の私たちの暮らしがあります。
深い敬意とともに、心からの感謝の意を表します。
6月下旬以降の全国的な感染拡大は減少に転じたものの、足元で新規陽性者数の減少は鈍化し、状況は予断を許しません。
爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守り抜きます。
そのうえで、社会経済活動を再開して、経済を回復してまいります。
今後、冬の季節性インフルエンザ流行期に備え、地域の医療機関で1日平均20万件の検査能力を確保します。
重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患を有する方に徹底した検査を行うとともに、医療資源を重症者に重点化します。
ワクチンについては、安全性、有効性の確認を最優先に、来年前半までにすべての国民に提供できる数量を確保し、高齢者、基礎疾患のある方々、医療従事者を優先して、無料で接種できるようにします。
私たちが8年前の政権交代以来、一貫して取り組んできたのが、経済の再生です。
今後もアベノミクスを継承し、更なる改革を進めてまいります。
政権発足前は極端な円高・株安に悩まされましたが、現在は、この新型コロナウイルスの中にあってもマーケットは安定した動きを見せております。
人口が減る中で、新たに働く人を400万人増やすことができました。
下落し続けていた地方の公示地価は昨年、27年ぶりに上昇に転じました。
バブル崩壊後、最高の経済状態を実現したところで、新型コロナウイルスが発生しました。
依然厳しい経済状況の中で、まずは、雇用を守り、事業が継続できるように、最大で200万円の持続化給付金や4000万円の無利子・無担保融資などの対策を続けてまいります。
さらに、Go Toキャンペーンにより、旅行、飲食、演劇やコンサート、商店街でのイベントを応援します。
これまで、延べ2500万人以上の方々が宿泊し、感染が判明したのは数十名です。
事業者が感染対策をしっかり講じたうえで、利用者の方々にはいわゆる「3密」などに注意していただき、適切に運用してまいります。
今後とも、新型コロナウイルスが経済に与える影響をはじめ、内外の経済動向を注視しながら、ちゅうちょなく、必要な対策を講じていく考えです。

2. デジタル社会の実現 サプライチェーン
今回の感染症では、行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れ、サプライチェーンの偏りなど、さまざまな課題が浮き彫りになりました。
デジタル化をはじめ大胆な規制改革を実現し、ウィズコロナ、ポストコロナの新しい社会をつくります。
役所に行かずともあらゆる手続ができる。
地方に暮らしていてもテレワークで都会と同じ仕事ができる。
都会と同様の医療や教育が受けられる。
こうした社会を実現します。
そのため、各省庁や自治体の縦割りを打破し、行政のデジタル化を進めます。
今後5年で自治体のシステムの統一・標準化を行い、どの自治体にお住まいでも、行政サービスをいち早くお届けします。
マイナンバーカードについては、今後2年半のうちにほぼ全国民に行き渡ることを目指し、来年3月から保険証とマイナンバーカードの一体化を始め、運転免許証のデジタル化も進めます。
こうした改革を強力に実行していく司令塔となるデジタル庁を設立します。
来年の始動に向け、省益を排し、民間の力を大いに取り入れながら、早急に準備を進めます。
教育は国の礎です。
すべての小中学生に対して、1人1台のIT端末の導入を進め、あらゆる子どもたちに、オンライン教育を拡大し、デジタル社会にふさわしい新しい学びを実現します。
さらに、テレワークやワーケーションなど新しい働き方も後押ししてまいります。
行政への申請などにおける押印は、テレワークの妨げともなることから、原則すべて廃止します。
マスクや防護ガウンの生産地の偏りなど、サプライチェーンの脆弱性が指摘されました。
生産拠点の国内立地や国際的な多元化を図るとともに、デジタル化やロボット技術による自動化、無人化を進め、国内に医療・保健分野や先端産業の生産体制を整備してまいります。

3. グリーン社会の実現
菅政権では、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力してまいります。
わが国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。
もはや、温暖化への対応は経済成長の制約ではありません。
積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です。
鍵となるのは、次世代型太陽電池、カーボンリサイクルをはじめとした、革新的なイノベーションです。
実用化を見据えた研究開発を加速度的に促進します。
規制改革などの政策を総動員し、グリーン投資の更なる普及を進めるとともに、脱炭素社会の実現に向けて、国と地方で検討を行う新たな場を創設するなど、総力を挙げて取り組みます。
環境関連分野のデジタル化により、効率的、効果的にグリーン化を進めていきます。
世界のグリーン産業をけん引し、経済と環境の好循環を作り出してまいります。
省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで、安定的なエネルギー供給を確立します。
長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換します。

4. 活力ある地方を創る
私は、雪深い秋田の農家に生まれ、地縁、血縁のない横浜で、まさにゼロからのスタートで、政治の世界に飛び込みました。
その中で「活力ある地方を創る」という一貫した思いで、総務大臣になってつくった「ふるさと納税」は、今では年間約5000億円も利用されています。
いわゆる東京圏、1都3県の消費額は全国の3割にすぎません。
観光や農業改革などにより、地方への人の流れをつくり、地方の所得を増やし、地方を活性化し、それによって日本経済を浮上させる。
インバウンドは政権交代時の約4倍の年間3200万人に、農産品の輸出額は政権交代時から倍増して年間9000億円となりました。
日本の農産品はアジアをはじめ海外で根強い人気があり、輸出額はまだまだ伸ばすことができます。
年初以来、新型コロナウイルスの影響が出る中でも、直近は前年から11パーセントの増加となり、回復の動きが出ています。
4月に農林水産省に発足した輸出本部の下で、関係省庁が一体となって相手国との交渉を行い、輸出用の加工施設の認定も急速に進みました。
2025年に2兆円、2030年に5兆円の目標に向けて、当面の戦略を年末までに策定し、早急に実行に移してまいります。
これまでの農林水産業改革についても確実に進め、地方の成長につなげてまいります。
新しい日常においても旅は皆さんの日常の一部です。
日本に眠る価値を再発見し、観光地の受入れ環境整備を一挙に進め、当面の観光需要を回復していくための政策プランを、年内に策定してまいります。
地方の所得を増やし、消費を活性化するため、最低賃金の全国的な引き上げに取り組みます。

5. 新たな人の流れをつくる
新型コロナウイルスとの闘いの中で、地方のよさが見直される一方で、産業や企業をめぐる環境は激変しております。
こうした状況を踏まえ、都会から地方へ、また、ほかの会社との間で、さらには中小企業やベンチャーへの新たな人の流れをつくり、次なる成長の突破口を開きます。
大企業にも中小企業にも、それぞれの会社にすばらしい人材がいます。
大企業で経験を積んだ方々を、政府のファンドを通じて、地域の中堅・中小企業の経営人材として紹介する取組を、まずは銀行を対象に年内にスタートします。
わが国にとって、海外との人の交流を行い、海外の成長を取り込んでいく必要性は、ポストコロナにおいても変わりはありません。
今月から、ビジネス関係者や、留学生について、全世界からの入国を緩和しました。
入国時の検査能力を来月中に1日2万人に引き上げ、防疫措置をしっかりと講じながら、グローバルな経済活動を再開してまいります。
海外の金融人材を受け入れ、アジア、さらには世界の国際金融センターを目指します。
そのための税制、行政サービスの英語対応、在留資格の緩和について早急に検討を進めます。
コーポレートガバナンス改革は、わが国企業の価値を高める鍵となるものです。
更なる成長のため、女性、外国人、中途採用者の登用を促進し、多様性のある職場、しがらみにとらわれない経営の実現に向けて、改革を進めます。

6. 安心の社会保障
わが国の未来を担うのは子どもたちであります。
長年の課題である少子化対策に真正面から取り組み、大きく前に進めてまいります。
政権交代以来、72万人の保育の受け皿を整備し、ことしの待機児童は、調査開始以来、最少の1万2000人となりました。
待機児童の解消を目指し、女性の就業率の上昇を踏まえた受け皿整備、幼稚園やベビーシッターを含めた地域の子育て資源の活用を検討し、年末までにポスト「子育て安心プラン」を取りまとめます。
男性の育児参加を進めるため、今年度から男性国家公務員には1か月以上の育休取得を求めておりますが、民間企業でも男性の育児休業を促進します。
「共働きで頑張っても、1人分の給料が不妊治療に消えてしまう」。
以前お話しした夫婦は、つらそうな表情で話してくれました。
こうした方々の気持ちに寄り添い、所得制限を撤廃し、不妊治療への保険適用を早急に実現します。
それまでの間、現在の助成措置を大幅に拡大してまいります。
児童虐待を防止するため、児童相談所や市町村の体制強化など対策を強化します。
ひとり親家庭への支援など、子どもの貧困対策に社会全体で取り組みます。
新型コロナウイルスにより、特に女性の雇用が厳しい状況にさらされていますが、こうした中にあっても、これまで進めてきた女性活躍の勢いを止めてはなりません。
すべての女性が輝ける社会の構築に向けて新たな男女共同参画基本計画を年末までに策定します。
また、厳しい状況にある大学生、高校生の就職活動を支援します。
同一労働同一賃金など働き方改革を進めるとともに、就職氷河期世代について、働くことや社会参加を促進できるよう、個々人の状況に応じた支援を行います。
障害や難病のある方々が、仕事でも、地域でも、その個性を発揮して活躍できる社会をつくってまいります。
人生100年時代を迎え、予防や健康づくりを通じて健康寿命を延ばす取組を進めるとともに、介護人材の確保や介護現場の生産性向上を進めます。
一方で、各制度の非効率や不公平は、正していきます。
毎年薬価改定の実現に取り組むとともに、デジタル化による利便性の向上のため、オンライン診療の恒久化を推進します。
2022年には、いわゆる団塊の世代が75歳以上の高齢者となります。
これまでの方針に基づいて、高齢者医療の見直しを進めます。
すべての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでまいります。

7. 東日本大震災からの復興 災害対策
先月訪れた福島のふたば未来学園では、生徒の皆さんから復興に寄せる熱意、風評被害と闘う取組を伺う中で、未来を切り拓き、世界に羽ばたく若者たちが育ちつつある、そうした思いを強くしました。
たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域のすべてについて避難指示を解除する決意は揺るぎません。
福島の復興なくして、東北の復興なし。
東北の復興なくして、日本の再生なし。
被災者の皆さんの心に寄り添いながら、一層のスピード感を持って、復興・再生に取り組みます。
この夏、熊本をはじめ全国を襲った豪雨により、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、被害に遭われた皆様に、お見舞いを申し上げます。
毎年のように甚大な被害をもたらす豪雨や台風への対策は、一刻の猶予も許されません。
これまでは同じダムでも、水力発電や農業用のダムは洪水対策に使えませんでしたが、省庁の縦割りを打破し、すべてのダムを活用することで、洪水対策に使える水量は倍増しました。
7月の豪雨では、木曽川で新たに事前放流を行い、流域の町長さんから私宛てに感謝のお手紙をいただきました。
堤防や遊水地の整備、大雨予測の精緻化などを組み合わせて、身近な河川の洪水から命を守ります。
自然災害により住宅に大きな被害を受けた方々が、より早く生活の安定を図ることができるよう、被災者生活再建支援法を改正し、支援金の支給対象を拡大いたします。
水害や地震などの自然災害が相次ぐ中で、防災・減災、国土強じん化は引き続き大きな課題です。
省庁、自治体や官民の垣根を越えて、災害の状況を見ながら、国土強じん化に取り組み、災害に屈しない国土づくりを進めてまいります。

8. 外交・安全保障
総理就任後、G7、中国、ロシアなどとの電話会談を重ねてきました。
米国をはじめ各国との信頼、協力関係をさらに発展させ、積極外交を展開していく決意です。
拉致問題は、引き続き、政権の最重要課題です。
すべての拉致被害者の1日も早い帰国実現に向け、全力を尽くします。
私自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。
日朝平壌宣言に基づき、拉致・核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指します。
厳しい安全保障環境の中、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは政府の最も重大な責務です。
イージス・アショアの代替策、抑止力の強化については、先月公表の談話を踏まえて議論を進め、あるべき方策を取りまとめていく考えです。
わが国外交・安全保障の基軸である日米同盟は、インド太平洋地域と国際社会の平和、繁栄、自由の基盤となるものです。
その抑止力を維持しつつ、沖縄の基地負担軽減に取り組みます。
普天間飛行場の危険性を1日も早く除去するため、辺野古移設の工事を着実に進めてまいります。
これまでにも、沖縄の本土復帰後最大の返還となった北部訓練場の過半の返還など、着実に前に進めてきました。
引き続き、沖縄の皆さんの心に寄り添いながら、取組を進めてまいります。
先日はベトナムとインドネシアを訪問しました。
ASEAN、豪州、インド、欧州など、基本的価値を共有する国々とも連携し、法の支配に基づいた、自由で開かれたインド太平洋の実現を目指します。
中国との安定した関係は、両国のみならず、地域および国際社会のために極めて重要です。
ハイレベルの機会を活用し、主張すべき点はしっかり主張しながら、共通の諸課題について連携してまいります。
北方領土問題を次の世代に先送りせず、終止符を打たねばなりません。
ロシアとは、首脳間の率直な意見交換も通じ、平和条約締結を含む日露関係全体の発展を目指します。
韓国は、極めて重要な隣国です。
健全な日韓関係に戻すべく、わが国の一貫した立場に基づいて、適切な対応を強く求めていきます。
新型コロナウイルスにより人間の安全保障が脅かされており、国際連携の強化が必要です。
保健分野など途上国を支援するとともに、多国間主義を推進していきます。
安保理改革を含む国連改革や、WHO、WTO改革などに積極的に取り組みます。
世界経済が低迷し、内向き志向も見られる中、率先して自由で公正な経済圏を広げ、多角的自由貿易体制を維持し、強化していきます。
日英の経済連携協定を締結し、日系企業のビジネスの継続性を確保します。
また、経済安全保障の観点から、政府一体となって適切に対応していきます。
来年の夏、人類がウイルスに打ち勝った証として、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催する決意です。
安全・安心な大会を実現するために、今後も全力で取り組みます。
2025年大阪・関西万博についても、新型コロナウイルス感染症を乗り越え、日本の魅力を世界に発信してまいります。

9. おわりに
国の礎である憲法について、そのあるべき姿を最終的に決めるのは、主権者である国民の皆様です。
憲法審査会において、各政党がそれぞれの考え方を示したうえで、与野党の枠を超えて建設的な議論を行い、国民的な議論につなげていくことを期待いたします。
政権交代以降、経済を再生させ、外交・安全保障を再構築するために、日々の課題に取り組んでまいりました。
今後も、これまでの各分野の改革は継承し、その中で、新たな成長に向かって全力を尽くします。
携帯電話料金の引下げなど、これまでにお約束した改革については、できるものからすぐに着手し、結果を出して、成果を実感いただきたいと思います。
私が目指す社会像は、「自助・共助・公助」そして「絆」です。
自分でできることは、まず、自分でやってみる。
そして、家族、地域で互いに助け合う。
そのうえで、政府がセーフティネットでお守りする。
そうした国民から信頼される政府を目指します。
そのため、行政の縦割り、既得権益、そして、悪しき前例主義を打破し、規制改革を全力で進めます。
「国民のために働く内閣」として改革を実現し、新しい時代を、つくり上げてまいります。
御清聴ありがとうございました。

習氏3期目続投へ「道筋」整備 次期指導部、李強氏昇格が有力 5中総会26日開幕(産経N)


【北京=西見由章】中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第5回総会(5中総会)が26日、北京で開幕する。習近平党総書記(国家主席)は中長期目標の議論を通じ、2022年秋以降、3期目となる総書記続投へ道筋をつけたい考えだ。最高指導部の次期人事をめぐる党内の駆け引きも水面下で激化している。

 共産党関係筋によると、5年に1度開かれる22年秋の次期党大会で大幅に入れ替わる最高指導部の政治局常務委員(現行7人)について、上海市トップの李強・党委員会書記の昇格が有力視されている。李氏は習氏が02~07年に浙江省トップを務めた際の部下で、習氏の“子飼い”。次期首相候補との呼び声もあり、党大会前に前倒しの昇格を模索する動きもあるという。
 習派は李氏のほか、習指導部の“大番頭”として党内調整を取り仕切ってきた丁薛祥(てい・せつしょう)中央弁公庁主任や、李氏と同様に浙江省で習氏に仕えた陳敏爾(ちん・びんじ)重慶市党委書記も政治局常務委員に昇格させたい考えだ。
 習指導部は5中総会前の今月中旬、習氏を「党中央や全党の核心」として擁護する義務を盛り込んだ党規則を策定。習氏は慣例打破となる3期目続投に向けて布石を着々と打っている。
 一方、李克強首相や汪洋(おう・よう)人民政治協商会議(政協)主席ら党の共産主義青年団(共青団)出身者は、長期政権化を狙う習派と距離を置く。最高指導部の人事でも共青団派の胡春華(こ・しゅんか)副首相を推す動きがあり、習派との激しい駆け引きが続いているもようだ。

「正義」よりも「寛容」の価値示せ 東洋学園大学教授・櫻田淳(産経:正論)


 ≪政治と知の懸隔を浮き彫りに≫
 日本学術会議に絡む紛糾は、当代日本における「政治の世界」と「知の世界」の懸隔を浮き彫りにしたようである。
 日本学術会議から会員推薦された学者6人の任命を拒否した菅義偉内閣の対応は、数々の学会、野党、メディアの批判を呼んでいる。確かにこの度の政府判断については、筆者にも数人の学者の任命拒否には納得し難い思いが残る。しかしながら、この件を「学問の自由」が侵害された事例として語るのは、率直に誤りである。
 広く「自由」と呼ばれるものの条件について筆者が思い起こすのは、米国の社会哲学者、エリック・ホッファーが著書『人間の条件について』に残した次のアフォリズム(箴言(しんげん))である。
 「人々が自分を労働者、実業家、知識人、あるいは国家、教会、人種、政党の一員であることを第一とするような社会秩序には、純粋な自由が欠如している」 ホッファーは、昼間は港湾労働に従事し、夕刻以降には図書館に通うという生活を齢(よわい)65まで続けながら、独自の思想世界を築いた。「沖仲仕の哲学者」として語られたホッファーが、このような「自由」に絡む言葉を紡ぎ出したことこそ、「学問の自由」の本来の意義がある。
 「学問の自由」は、大学に身を置く人々の「専有物」ではない。ホッファーが指摘したように、「一人の人間であるという実感」が「自由」の本義であるならば、特定の組織や立場に連なることに価値を置く姿勢それ自体が、「自由」とは隔たったものであるとも評し得る。
 故に、特定の組織や立場によって、「学問の自由」の擁護を声高に呼号する人々が、実は「学問の自由」の土壌を無自覚に侵食する人々だということもある。そうした逆説が意味するところを理解することは、現今では大事である。
 加えて、「学問の自由」の擁護の大義の下に「学問の自由」の土壌が侵食された典型的な事例は、2017年の「軍事的安全保障研究に関する声明」を含めて、学術研究の軍事関与を禁止する趣旨で日本学術会議が発出していた2、3の声明であろう。
 しかし、振り返れば、半世紀前、永井陽之助(政治学者)は、著書『平和の代償』の後書きに次のように記した。
 「米国で学んだ大きな教訓は、平和の時、戦争を研究し、戦争のとき、平和を説くのが真の知識人の任務である、ということであった」
 永井の記述は、キューバ危機に際して世界が核戦争の瀬戸際に追い込まれた最中に米国滞在した体験を反映させたものであるが、それは、「危機の収束が『善意』の結果として実現された」という往時の日本で優越した国際政治認識を批判したものであった。

 ≪批判される軍事忌避の姿勢≫
 そして、永井をして「愚者の楽園」と呼ばしめた日本の国際政治認識を裏付けたのは、例えるならば「病(戦争)のことを考えなければ病(戦争)には罹(かか)らない」という想定に反映された軍事忌避の姿勢であった。
 前に触れた「軍事的安全保障研究に関する声明」を含む2、3の声明は実質上、こうした軍事忌避の姿勢を根拠付けつつ、永井が指摘した知識人の任務としての「平時に戦争を研究し戦時に平和を説く」姿勢を妨げてきた。この一事をもってしても、日本学術会議の姿勢が批判されるべき理由がある。
 こうした「学問の自由」の動揺を招いた遠因は、一部の学者が戦争認識を含めて自らの奉じる「正義」を「問答無用の正義」のように平然と振り回してきた事実にこそある。ジョン・ロック(17世紀英国の思想家)は、『寛容についての手紙』書中に記す。
 「使徒たちの後継者であることを熱望し、教えを説くという任務を引き受ける人は、聴衆に向けて全ての人に対する平和と善意との義務を告げなければなりません。すなわち、…彼は、誰かある人が、自らの教派への燃えるような熱意から、あるいは他人の術策に乗って、自分とは意見を異にする人々に対して向けている全ての情熱や非理性的な反感をやわらげ、静めるように懸命に努力しなければなりません」

 ≪全ての人に平和と善意の義務≫
 「使徒たちの後継者であることを熱望し、教えを説くという任務を引き受ける人」を養成していた枠組みが、欧州世界においては大学の原型であった。故に、大学で教えを説く人々は、「全ての人に対する平和と善意との義務」を負わなければならないはずである。
 特に大学に身を置く人々が、「寛容」の価値をこそ大事にしなければならないというのは、このジョン・ロックの記述にも示されている。自己懐疑の裏付けを欠いた「正義」の標榜(ひょうぼう)は、容易に「独善」と「偏狭」に結び付く。現今、筆者を含めて日本の学者が自戒とともに確認すべきは、「独善」と「偏狭」を避け「寛容」を標榜する姿勢の意義である。(さくらだ じゅん)

宇宙・電磁波・サイバーは「重大な安全保障分野」、中国・国防法の改正草案発表(読売新聞)


【北京=中川孝之】中国の国防法改正草案が発表され、宇宙や電磁波、サイバーの三つの領域が「重大な安全保障分野」と明記された。いずれも南シナ海などでの米軍との対抗を念頭に、戦力強化を急ぐ領域だ。法的根拠を整えることで、予算を重点的に配分し、関連装備の開発などを加速する狙いとみられる。

改正草案は、全国人民代表大会(全人代=国会)が21日に公表した。宇宙や電磁波、サイバーを領土や領海に並ぶ防衛領域と明記し、こうした領域での活動の安全を守るため、「国家は必要な措置を取る」とした。
改正理由について、魏鳳和ウェイフォンフォー国務委員兼国防相は「安保上の脅威が複雑化している」ためだと説明した。年内にも可決される見通しだ。
米国やロシアなども宇宙空間での安全保障強化に乗り出しており、競争が激しくなっている。中国は、宇宙空間で独自の衛星測位システム「北斗」などの拡充を進め、米艦艇を狙うミサイルの誘導技術の向上を図る方針だ。
改正草案ではこのほか、中国の「発展の利益」が脅かされた場合、「全国総動員または一部の動員を行う」ことや、「国家の海外での利益を守る」との規定が盛り込まれた。習近平(シージンピン)政権が進める巨大経済圏構想「一帯一路」に基づく海外での経済活動を念頭に置いた規定の可能性があり、シーレーン(海上交通路)防衛などを名目とした中国軍の活動拡大につながるとの見方も出ている。

◆国防法=中国の国防の基本姿勢を定める法律。1997年3月に成立した。国家の主権や統一などを守るため、軍事のほか外交、教育などの活動にも適用されるとする。

首相「日米で抑止力強化」 中国・北朝鮮の脅威念頭 富士山会合(日経新聞)


日米の政府関係者や有識者らが国際問題を話し合う「富士山会合」(日本経済研究センター、日本国際問題研究所共催)が24日、都内で開かれた。菅義偉首相は中国や北朝鮮など周辺国の脅威が増すなか、日米の連携を一層強化していくと訴えた。
首相は会合にビデオメッセージを寄せた。北朝鮮による核・弾道ミサイルの開発や中国の脅威を念頭に「日本と周辺地域の安全を確保するには日米同盟の抑止力を強化していくことが極めて重要だ」と述べた。
東シナ海や南シナ海では中国の軍事活動が活発になっている。首相は「安全保障環境は厳しさを増している」と指摘し、中国とロシアを含む近隣諸国とは「安定的な関係を築くための外交を展開する」とも話した。
北朝鮮による日本人拉致問題についても触れ、「早期解決に向けて全力で取り組み、米国や関係国と連携していく」と強調した。
2020年は現行の日米安全保障条約調印から60年の節目にあたる。菅首相は「戦後の長い間、地域に平和と繁栄をもたらしたのは日米の同盟関係と協力だ」と力を込めた。
日米の相互理解の促進と日米関係の発展に長年貢献してきたことをたたえる「富士山会合生涯功労賞」に選ばれた安倍晋三前首相は会場で、「(日米)同盟強化のためには互いの努力が大切だ」と述べた。台頭する中国への懸念を示し、「安全保障に関わる政策は諦めずに息長く進める必要がある」と語気を強めた。
西村康稔経済財政・再生相も登壇し、日本の経済再生と新型コロナ対策について講演した。

「米中対立の行方」をテーマにしたパネル討論では、ジョセフ・ナイ米ハーバード大学特別功労教授が激しさを増す米中対立について「中国と競争を厳しくする一方、協力することも重要だ」との認識を示した。高原明生・東京大教授も「多くの企業は中国市場への投資を試みている。協力を忘れてはいけない」と指摘した。
兼原信克・前官房副長官補は、アジア各国が民主化を進めてきた一方で「中国は(民主化の)道から外れている」と批判した。東シナ海や南シナ海での中国の動向を念頭に「中国はアジアの共栄を考えていない」とも話した。
ランドール・シュライバー前米国防次官補は、サイバー防衛や宇宙開発の分野だけでなく、軍事向けの資金をアジアに割り当てることが大切だと述べた。その上で「日米同盟は有事への対応について規定を設けるべきだ」と求めた。
富士山会合は今回が7回目。米中対立やインド太平洋戦略における日米同盟の役割などについて議論した。今年は新型コロナの影響でオンラインとリアル会場を組み合わせた形式で開催した。

岸防衛相も「有効性に疑問」 核兵器禁止条約発効決定に(共同通信)


岸信夫防衛相は25日、核兵器禁止条約の来年1月発効が決まったことについて、核保有国が参加していないとの観点から効果に疑問を呈した。山口市で記者団に「核保有国が乗れないような条約になっており、有効性に疑問を感じざるを得ない」と述べた。
日本は唯一の戦争被爆国だとした上で「核兵器廃絶に向けて国際社会が合意できる環境をつくるため、日本としてリーダーシップを取らないといけない」と強調した。

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