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中国の世紀にはならない 日米欧の知が世界の針路を語る(産経N)


令和2(2020)年、新型コロナウイルス禍が混沌(こんとん)に陥れた世界はこの先、どこへ向かうのだろうか。産経新聞はフランスの経済学者で欧州を代表する知識人のジャック・アタリ氏(77)と戦略論研究で世界的権威の米歴史学者、エドワード・ルトワック氏(78)、国際政治学者の細谷雄一氏(49)によるオンライン鼎談(ていだん)を開催し、世界と日本がとるべき針路を語ってもらった。3氏は、民主主義を守るためにも、加速する変革に積極的に対応していく姿勢が必要だと説いた。
鼎談は7日に行われ、産経新聞の井口文彦執行役員兼東京編集局長が司会を務めた。アタリ、ルトワック、細谷の3氏は5月に、コロナ禍の影響を識者が語る連載

「コロナ 知は語る」にも登場している。
 コロナ禍は現代の社会や経済など各分野で従来の価値観を揺さぶり、そのあり方に変革を迫る。3氏はこれに対し、人々の生活がコロナ禍以前の状態に戻ることはなく、また、戻ろうと考えるべきでもないとの認識で一致した。
 アタリ氏はその上で、医療や教育など「命」にかかわる分野を重視した経済・社会構造への転換を求め、「次の脅威に備える」よう訴えた。ルトワック氏は技術革新の加速に対し、「私たちはコントロールする術(すべ)を理解できていない」と警鐘を鳴らし、グーグルなど「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる米IT大手4社による市場独占への対処など、政治レベルによる技術革新の管理を求めた。細谷氏は「アフターコロナに早く慣れた人や国が世界をリードする」と述べた。

 一方、国際社会ではいち早くウイルスを封じ込めた独裁体制の中国が、民主主義国家に対する「優位性」に自信を深め、米国主導の国際秩序への対抗姿勢と覇権奪取への意欲を鮮明にする。だが、3氏は民主主義の衰退と中国の覇権確立の可能性を明確に否定した。
 アタリ氏は独裁体制に付随する隠蔽(いんぺい)体質が感染拡大を招いたのであり、中国は封じ込めの成功例ではないと指摘。「中国は世界のリーダーになろうとするが、成功しない」と述べた。
 ルトワック氏は「民主主義国家はいつも弱く見えるが、歴史的に勝利を収めてきた」と語り、その理由について、独裁体制にはない自浄能力で「過ちを正してきたからだ」と強調した。
 細谷氏は「21世紀の形」が「2021年からの10年間で決まる」とする一方、「『中国の世紀』になるとは思っていない」と述べ、日米と欧州、インドを中心に民主主義国家が連携を深めれば、「民主主義は世界の中心的な流れであり続ける」と予測した。
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日米安保同盟の鍵は犠牲の共有 東京国際大学特命教授・村井友秀(産経:正論)


日本と中国は永遠の隣国である。二国間の関係は距離が近いほど、経済が大きいほど接触が多くなり摩擦が大きくなる。

 ≪日本に対する脅威≫
 現在の世界で隣国を超えて大規模な軍事作戦を展開できるのは米国だけである。従って日本を攻撃できる軍事能力のある国は、米国と隣国ということになる。世界の軍事力ランキング(GFP)を見ると、関係国で日本(5位)よりもランキング上位の国は米国(1位)、ロシア(2位)、中国(3位)である。米国は日本の同盟国で脅威ではない。日本の脅威になる国はロシアと中国、そして日本を核攻撃できる北朝鮮(25位)ということになる。
 また脅威は軍事能力と侵略意志の掛け算である。侵略意志とは相手の同意なしに現状を力で変更しようとする意志である。ロシアのプーチン大統領は力で東欧の現状を変更して失った旧ソ連の勢力圏を復活しようとしており欧州にとって脅威である。他方、極東ロシアの国境線は旧ソ連時代と同じでありロシアが失ったものはない。ロシアのアジア戦略は現状維持である。中国は軍事力を使って東南アジア諸国の抵抗を排除し南シナ海の現状を変更した(修正主義)現状変更勢力である。
 北朝鮮は朝鮮半島の現状を変更し南北統一すると宣言しているが、北朝鮮が主張した「高麗民主連邦共和国」は「一民族一国家二制度二政府」すなわち「一国二制度」であり、実際は現状維持が目標である。従って、能力と意志を掛けると日本の脅威になる国の一番手は中国である。

 ≪平和を守る日米同盟≫
 国際関係には、二国間の力関係が逆転する時に戦争の可能性が高まるという理論がある(パワーシフト理論)。過去の多くの戦争は、追い付こうとする弱者に危機感を抱いた強者が追い越される前に弱者を叩(たた)く「予防戦争」か、追い越して強者になった弱者が追い越されて弱者になった強者を叩く「機会主義的戦争」であった。
 21世紀に入ると中国はGDPで日本を追い越し軍事費も日本を上回った。現在、中国の軍艦や軍用機は日本の2倍以上ある。他方、21世紀に日米間や日露間でパワーシフトは見られず、パワーシフトが起こったのは日中間である。また米中間にパワーシフトはない。
 従って戦争が発生する可能性が高いのはパワーシフトが起こった日中間ということになる。但(ただ)し日米は同盟国であり、日米同盟と中国の間にパワーシフトはない。すなわち、日米同盟と中国の間で戦争が発生する可能性は低いということになる。日米同盟が機能している限り、日中間に戦争が起こる可能性は低い。

 ≪信頼と共感の日米同盟≫
 同盟が機能するためには価値観を共有し、共通の敵が存在し、共に戦う覚悟がなければならない。
 日本と米国は自由と民主主義という共通の価値観を持っている(敗戦国日本では戦勝国米国の価値観が徹底的に教育された)。また、現状を力で変更しようとする中国の台頭を脅威だと認識する人が日米で増えている。日米には共通の敵が存在する。
 しかし日米同盟を「血で結ばれた同盟」だと思っている人は日本にも米国にも中国にもいない。日米安保条約では「日本の施政下」にある領域で日米に対する武力攻撃が発生した場合に米国が「憲法の手続き」に従って対応することになっている。米国の施政下にある領域が攻撃された場合の日本の行動は日米安保条約にはない。
 米韓相互防衛条約では「各締約国の行政的管理下」にある領域が攻撃された場合に両国が適切な措置をとることになる。北大西洋条約機構(NATO)では、締約国の領域、軍隊、船舶、航空機が攻撃された場合、各締約国は集団的自衛権を行使して直ちに兵力の使用を含む行動をとる。米国がテロリストに攻撃された状況に対応しNATOが集団的自衛権に基づいて戦ったアフガン戦争では、今年1月までに英国455人、カナダ158人、フランス87人、ドイツ54人、イタリア48人が戦死した。
 日米安保条約は感情的に見れば日本の土地を米国の兵士が血を流して守り、日本の兵士は米国の土地を守らない条約だ。米軍が日本の土地を守る代わり、日本の土地(在日米軍基地)を米軍が使用できる(血と土地の交換)という説明は国際関係の専門家は理解できても、トランプ大統領を支持する米国の大衆は納得しないだろう。中国も日米同盟の信頼性を疑うかもしれない。中朝友好協力相互援助条約は、締約国が戦争状態になったとき他の締約国は直ちに全力で軍事援助することになっている。
 米国は感情的な世論によって動く国であることをトランプ大統領は証明した。危機になれば理性よりも感情の影響力が大きくなる。米国の大衆が感情的に共感しない同盟は、平時には存続できても有事に耐えられないだろう。日本の対米政策は大衆の感情を動かすものでなければならない。血と土地の交換は納得できなくても、血と血の交換は理解できるだろう。(むらい ともひで)

陸自OB3人が相次ぎ出した本 共通する「いま日本に足りないものへの危機意識」(朝日新聞)


陸上自衛隊幹部だった同期3人が相次いで本を出版した。中国の台湾侵攻を題材にした小説、国際政治の流れから読み解く学術書、自らの体験に基づく陸自の能力分析と、それぞれが興味深い。3人に執筆の動機を尋ねると、急変する安全保障関係に対応しきれない日本への危機感があった。(朝日新聞編集委員・牧野愛博)
『オペレーション雷撃』(文藝春秋)。陸自中部方面総監などを務めた山下裕貴元陸将が11月、初めて手がけた小説として発表した。題名は、中国の台湾進攻のための重要な作戦のコードネーム。「琉球独立団」を名乗る謎の集団が、沖縄県の多良間島を占拠する話も出てくる。戦闘場面は、専門家しか書けない詳細でリアルな迫力がある。
山下氏は「虚実を交え、自分が中国軍の作戦部長になったつもりで書いた。日本周辺の厳しい国際情勢、戦争に巻き込まれる可能性、予想される台湾進攻作戦の手順と方法、そしてハイブリッド戦の実相を国民に知らせたかった」と語る。「難しい本では、専門家や自衛隊の一部が読むだけだ。小説の形なら一般の人にも読んでもらえると思った」
2013年12月、視察に訪れた南スーダンで国連軍事部門司令官(ガーナ軍少将)と懇談する山下裕貴氏(左)=本人提供
山下氏は現役時代、自衛隊の予算編成の際、財務省や防衛省の事務方から「それでは国民に説明できない」という言葉を何度も浴びせられた。防衛省の記者たちからは「日本が本当に攻撃されるわけがない」とも言われた、と言う。山下氏は「日本が戦争に巻き込まれるリアリティーを考えたとき、中国の台湾進攻を題材にしたいと考えた」と語る。

陸自東北方面総監などを務めた松村五郎元陸将は10月、『新しい軍隊』(内外出版)を発表した。1928年のパリ不戦条約などを経て戦争の概念に変化が起きている、と歴史的に考察して解説している。戦争の目的が「相手軍隊を打ち破っての領土の占領」ではなく、サイバーや電磁波なども使って自分たちの政策を強制する時代になっているとした。
松村氏は「自衛隊にいた35年間、ずっともやもやしていた」と語る。冷戦時代はソ連軍の北海道上陸に備える日々だった。「当時は現実感もあったが、ソ連・東欧の崩壊で、意味が薄れた。住宅がひとつもない演習場が国土防衛の現実を想定しているとは言えない」
2004年に第3次イラク復興支援群長として派遣されたイラク南部、サマワ市内で現地の子どもと交流する松村五郎氏=本人提供
松村氏は著書で、宇宙やサイバー、世論操作などの「多様化戦」の時代に入っていると主張した。同時に「これからの防衛の焦点は原野での大規模決戦ではない。現実の脅威に備えるにはどうしたらよいのか、国民に議論してほしい」と語る。

両氏と同期で、陸自東部方面混成団長などを務めた二見龍元陸将補は8月、自身で6冊目になる『自衛隊は市街戦を戦えるか』(新潮新書)を発表した。現役時代、試行錯誤した市街戦の訓練などを振り返り、陸自に足りないものが何なのかを問いかけた。
二見氏は「現代は、非軍事も交えたハイブリッド戦争の時代。テロも起きるし、放送局なども標的になる。戦闘の舞台が市街戦になることは間違いない」と語る。「現在の世界情勢を考えると、今の訓練で国を守る責任が果たせるのかと問いかけたかった」と話す。
二見氏が最初の本を発表したのが19年1月だった。それまで軍事関連の書籍を扱ったことがない出版社から「最近、ミリタリー関連の書籍の売り上げが伸びているから」という理由から、「既にKindledで電子書籍として発表しているものを書籍化しませんか」という依頼があったという。二見氏は「自衛隊が世間に受け入れられるようになったほか、世の中がこうした本を欲する時代になっている」と語る。
3冊の本に共通しているのは、ハイブリッド戦争への危機意識だ。2014年冬、ロシアがウクライナ領だったクリミアを併合した際に使った手法として、17年ごろから国際社会で様々な論文が発表されるようになった。
正規軍による大規模な火力戦闘ではなく、非正規軍も使う。ロシアのプーチン大統領はクリミアに進出したロシア軍について「住民による自警団」だと強弁した。電磁波やサイバーなど多様な手段を駆使する。ロシア軍は電磁波攻撃でウクライナ軍の無線を使用不能にした。ロシアは、携帯電話で連絡を取るウクライナ軍にフェイクニュースを流し、おびき出した場所に集中砲火を浴びせた。
2018年12月に閣議決定された防衛計画の大綱には、ハイブリッド戦争の記述が盛り込まれた。ただ、同時に決まった19年度から23年度までの中期防衛力整備計画に、十分な対応策が盛り込まれたわけではない。山下氏は「電磁波はともかく、サイバーや宇宙への対応はこれからという段階だ」と語る。
もちろん、日本政府が事態を傍観しているというわけでもない。防衛省関係者は「日本の予算が約100兆円。約33兆円の厚労省予算を削る必要に迫られているとき、5兆円の防衛予算だけ聖域になるとは思えない」と語る。陸自関係者からは「我々も危機感は持っている。OBになってから声を上げるのではなく、現役時代から取り組んで欲しかった」という声も上がる。
とはいえ、先の大戦への反省から、戦後に一貫して軍事的議論を避ける風潮があった日本で、専門的な知識を踏まえた提言は貴重と言える。防衛省防衛研究所に在籍した経験がある専門家の一人は「昔は出版社も世論の反発を恐れ、こうした書籍を扱わない社も多かった。議論が広がる契機になるのではないか」と語った。

「敵基地攻撃能力」議論進展見通せず 選挙への影響懸念の声も(NHKニュース)


政府は、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有を含む、弾道ミサイルなどを阻止する抑止力の強化について引き続き検討することにしていますが、衆議院議員の任期満了を来年10月に控え、与党内には選挙への影響を懸念する声もあり、議論が具体的に進展するかは当面見通せない状況です。

政府はミサイル阻止に関する新たな方針の閣議決定で、「敵基地攻撃能力」と呼んでいた相手領域内でも弾道ミサイルなどを阻止する能力の保有には直接触れず、「抑止力の強化について、引き続き政府において検討を行う」という表現にとどめました。
政府は今後、防衛省や内閣官房の国家安全保障局を中心に、与党側の意見も踏まえながら検討を進める考えで、自民党からは、日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しているとして、早急に議論を進め結論を出すべきだという意見が相次いでいます。
一方、公明党は石井幹事長が「従来のわが国の防衛の在り方を大きく変える方向性になるので、国民の理解を得ながら、じっくり腰を据えて議論する必要がある。党においては、全く検討は進んでいない」と述べるなど、慎重な姿勢を崩していません。
また、衆議院議員の任期満了を来年10月に控え、選挙への影響を懸念する声や「新型コロナウイルスへの対応が求められる中、『敵基地攻撃能力』の議論を進めたら政権はもたない」といった声も出ていて、議論が具体的に進展するかは当面見通せない状況です。

防衛省、サイバー対処「統括アドバイザー」を民間から採用へ…年収は次官並み2000万円(読売新聞)


防衛省は来年度から、サイバー攻撃などに対処できる人材の育成を本格化させる。専門的な知見を備えるサイバーセキュリティー統括アドバイザー(仮称)を採用する。自衛官を大学などに派遣し、専門知識を身につけさせる方針だ。
統括アドバイザーは、サイバー攻撃の最新動向などに詳しい民間人1人を非常勤職員として期限付きで雇用する。年収は防衛次官並みの2000万円程度で処遇し、優秀な人材を確保する。防衛省や自衛隊のサイバー能力の強化に向け、支援、助言を受ける。
また、陸海空のサイバー関連部隊に所属する自衛官ら数十人を大学や企業などに送り、サイバー攻撃への対処法や解決策を学んでもらうことにしている。
自衛隊は2022年3月末、陸海空のサイバー関連部隊を再編し、自衛隊サイバー防衛隊(仮称)を540人規模で創設する予定だ。サイバー空間の脅威は拡大しており、中国軍は約3万人のサイバー攻撃部隊を抱えているとされる。人材育成が急務となっている。

【主張】回顧2020 新型コロナに明け暮れた 克服への新たな戦いに臨め(産経:社説)


歴史に「たら」「れば」はないのだが、それでも考えてしまう。もし、中国・武漢に端を発する新型コロナウイルスの感染拡大がなかったら。トランプ米大統領は再選を果たしたかもしれない。安倍晋三前首相が健康を害することもなかったかもしれない。
 間違いなく、東京五輪・パラリンピックは開催されたろう。そこでどんなドラマが繰り広げられたか。むなしい想像ではある。
 現実には、国内外が新型コロナに蹂躙(じゅうりん)され、対応に苦慮した1年だった。そしてそれは、今も続いている。

 ≪感染は中国が拡散した≫
 今年の「主張」を振り返ると最初に「新型コロナ」が登場したのは1月18日、「中国は正確な情報開示を」と求めたものだった。
 中国湖北省武漢市では昨年末から原因不明のウイルス性肺炎の患者が急増していたが、当初は人から人への感染を否定し、日本政府も危険性を低く見積もった反省がある。中国政府は22日、初めて会見を開き、習近平国家主席が防疫に向けた異例の声明を発表したが、当時の菅義偉官房長官は「現時点で持続的な人から人への感染は確認されていない」と述べるにとどまっていた。
 初動の時点で中国が正確な情報を開示し、世界保健機関(WHO)などが適切な対応をとっていれば、現在の世界的危機は未然に防げた可能性がある。
 「主張」は、中国よりの姿勢が目立つWHOのテドロス事務局長を「事務局長の更迭を」(2月1日)、「対中配慮を猛省せよ」(3月13日)と指弾し、感染源となりながら外務省報道官が「米軍が感染症を持ち込んだかもしれない」と発言するなど責任を転嫁し続ける中国に対しては「不毛な詭弁(きべん)をやめよ」(23日)、「調査団を受け入れよ」(5月8日)と、一貫して批判してきた。
 日本政府に対しては「強い危機感で水際対策を」(1月23日)、「国民の保護に覚悟を示せ」(31日)、「明確な発信怠るな」(2月15日)、「首相が国民に語りかけよ」(26日)と強いリーダーシップと危機感を求め、緊急事態宣言の際には「国民の底力が問われている」(4月8日)と、国民にも協力を呼びかけた。
 宣言の解除時には「次の波への備えを急げ」(5月26日)と求め、再拡大の兆候には「冬場の猛威に警戒強めよ」(11月7日)と警鐘を鳴らした。
 コロナ禍の東京五輪へは「完全な大会へ延期準備を」(3月18日)、「今夏の大会実施は不可能だ」(24日)と延期を促し、延期決定には「日本は成功に責任を負う」(26日)、「総力を挙げ来夏へ再始動を」(4月2日)と来年7月の聖火点灯を強く望んだ。
 終始、政策に疑問を呈したのは観光支援事業「Go To トラベル」に対してだった。夏の感染拡大には事業の「一時停止」を、先の再拡大時には「一部停止」を求めた。
 政府が11月25日に宣言した「勝負の3週間」も感染の収束には結びつかず、ようやく重い腰を上げて年末年始の全国一斉停止を決めたのは12月14日になってからだ。それも「28日から」という中途半端なもので、15日の「主張」は「28日まで待つ必要あるか」と政府の決定を批判した。

 ≪すべてに後手を引いた≫
 日本の感染者数、重症者数、死者数は、拡大しているとはいえ、欧米の状況とは桁が違う。その要因は分かっていないが、強制力を伴わない政府、自治体の要請を受け入れ、マスクの着用や「3密」の回避に努力してきた国民性に負うところが大きかったことは間違いないだろう。
 だが、個人の努力に依拠することには限度がある。
 補償を伴う強制力に法的根拠を持たせるには、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正が必要だ。「主張」は「特措法の改正をためらうな」(5月2日)、「収束した後では遅すぎる」(7月21日)などと訴えてきたが、政府・与党は年末になってようやく来年の通常国会に改正案提出を目指すようかじを切った。すべてに後手を引いてきた印象が強い。
 新型コロナは難敵である。英国など欧州では変異種が猛威をふるい始めた。来年こそは先手先手で戦いを挑んで封じ込め、国際社会とも連携して東京五輪を希望の大会として成功させてほしい。

立憲君主制度の根底的な議論を 東洋学園大学教授・櫻田淳(産経:正論)


 ≪どんな『鬼退治』を成したか≫
 「指に足りない一寸法師 小さい体に大きな望み、お椀(わん)の舟に箸の櫂(かい)、京へ遥々(はるばる)上り行く…?」
 本来ならば国民一致して祝福されるべき秋篠宮家の「慶事」の行方がさまざまな議論を巻き起こしている現状を前にして、筆者が思い起こすのは、この詞に歌われた童話『一寸法師』の物語である。
 『一寸法師』の物語が伝えるのは、「田舎から京に上った『下々の男』」ですらも、周囲が納得する「鬼退治」を敢然と成し遂げた後ならば、「都の『姫君』」と結婚して幸福な人生を送ることができるという価値意識である。
 『一寸法師』の物語に込められた価値意識は、日本の人々が古来、受け継いだ「常識」の一端を成すものである。
 しかるに、過刻、「姫君の御父上」が言及され、「宮廷執事長官」が念を押した「国民の理解」とは、結局、「『下々の男』は、どのような『鬼退治』を成したのか」という疑念に結び付いている。
 「姫君の御叔母上」や「親戚の姫君」の降嫁の際に問題にならなかったのは、彼女たちが嫁いだ先が「現に『鬼退治』の最中であるか、過去に『鬼退治』を成した家の末裔(まつえい)」の人物であるからである。
 こ度の一件で世の耳目を集める「下々の男」に求められているのは、多分に「自分は社会的に清廉で経済的に自立している」という一身上の条件の説明ではない。そうしたことは当然の前提であって、その上で「どのような『鬼退治』に取り組み、それを成したか」が問われているのである。

 ≪「聖の世界」に影落とす動き≫
 「鬼」とは古来、人々に災禍を及ぼし社会に不安を与えたもろもろの事象を指す。現今の世情ならば、その「鬼」とは、「疫病」や「自然災害」、さらには「社会における貧困や差別、抑圧」を意味するかもしれない。
 無論、憲法上の規定を念頭に置き、皇室の婚儀も「個人の自由」の問題であると語る向きがあろう。しかし、そもそも、古今東西の昔話でも、「シンデレラ」に類する話はあまたあるけれども、その「逆」の話は聞かない。「姫君の御祖母上」の「テニスコートの恋」が世の共感を集めたのも、「姫君の御母上」が「3LDKのプリンセス」と呼ばれたのも、彼女たちが体現したのが「シンデレラの物語」であったからに他ならない。
 「自由」を大義とする米国で創られた物語でも、ハリソン・フォード演ずるアウトローが「姫君」と結婚するには、「帝国への反乱」戦争を経て「英雄」にならなければならなかった。グレゴリー・ペック演ずる通信社記者の「ローマの恋」は、互いの身分の違いをわきまえた一時のものに終わった。
 「『階級のない』平等主義社会」であるはずの米国でも、このような物語に反映された認識が勝っている。「自由」の建前は、それを金科玉条のものとして語るわけにはいかない。しかも、大方の日本の人々にとっては、皇室は「聖の世界」にあるものと意識されている以上、その「聖の世界」に影を落とすような動きに世人が不安を抱き反発さえ覚えるのは、当然のことである。
 故に、こ度の宮家に係る一件は、その落着の仕方によっては、皇室に対する世の共感を剥落させるものになりかねない。それは、昭和天皇、そして上皇、上皇后両陛下以来、皇室の方々が積み重ねられてきた御努力の成果を切り崩すものになるであろう。そこにこそ、現今の最たる懸念がある。

 ≪日本たらしめる諸制度を守る≫
 筆者は、政治学徒としては国際政治・安全保障を専門とする以上、皇室制度それ自体の論評は本来、畑違いのものであると心得ている。ただし、四半世紀前、高坂正堯氏(国際政治学者)が遺稿で説いたように、安全保障の政策目標が、「日本人を日本人たらしめ、日本を日本たらしめている諸制度、諸慣習、そして常識の体系を守ること」にあるならば、その「日本人を日本人たらしめ、日本を日本たらしめている諸制度、諸慣習、そして常識の体系」の核心である皇室制度の行方には、筆者は相応の関心を払わざるを得ない。
 振り返れば、第二次世界大戦後、民主主義国家と立憲君主国家という二重の相貌を持つ日本においては、民主主義体制の条件に関してはさまざまな所見が披露され、それに拠(よ)った議論が延々と行われてきたけれども、立憲君主制度の条件に関しては、それにふさわしい議論は総じて怠けられてきた。
 こ度の宮家に係る一件には、そうした「怠惰」の一端が反映されている。日本における立憲君主制度の検証に際しては、皇位継承のありように絡む当座の議論に止まらず、「そもそも、『貴族制度』を欠落させた立憲君主制度は成り立つのか」も含めた根底的な議論が行われなければならない。
 過去七十余年に積もった「議論の怠惰」の付けを返し始めるのには、もはや一刻の猶予もあるまい。(さくらだ じゅん)

防衛予算 国民の理解深める努力続けよ(読売:社説)


 日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。政府はその事実を丁寧に国民に説明し、防衛政策に対する理解を深めなければならない。
 2021年度予算案の防衛費は、今年度当初比で0・5%増の5兆3422億円となった。9年連続での増額で、過去最大だ。
 中国は、日本の防衛費の4倍近い予算を投じ、軍備を増強している。北朝鮮のミサイル開発は、依然として脅威である。着実に防衛力を高めることが肝要だ。
 予算案では、宇宙、サイバー、電磁波といった新領域の能力強化や、島嶼とうしょ防衛を念頭に、新型ミサイルの開発に重点を置いた。
 宇宙分野では、監視用の衛星の設計費などで計659億円を計上した。サイバー関連では、陸海空の共同部隊を新設するなど、301億円を投じる方針だ。
 人工衛星や、サイバー空間のネットワークを通じた情報は、艦艇や戦闘機の運用に不可欠だ。防護力を高める狙いは理解できる。
 ミサイル開発では、国産の地対艦ミサイルの射程を伸ばすため、335億円を計上した。
 相手の射程圏外から発射できる「スタンド・オフ・ミサイル」として、5年後の配備を目指している。遠方から迎撃し、自衛隊員の安全を確保するという。
 射程の長いミサイルは、敵基地攻撃能力の手段となり得る。だが、菅内閣はそうした活用方法を否定している。攻撃能力の保有に関する検討も、先送りした。
 日本のミサイルで敵の拠点を攻撃するという選択肢を持つことは、抑止力の向上につながろう。新たな装備に予算を投じる以上、その目的を明確にする必要がある。政府は、攻撃能力の議論に背を向けてはならない。
 最先端の装備の購入や、研究開発などに一定の予算を割くのはやむを得ないが、防衛費を際限なく増やすのは難しい。
 防衛省は近年、補正予算で装備品を購入し続けている。20年度の第3次補正予算案では、哨戒機や潜水艦などの費用として3867億円を確保した。
 政府は18年に決めた中期防衛力整備計画で、19年度から5年間の防衛費の総額を27兆4700億円と定めている。その枠内で、計画的に予算を計上すべきだ。
 自衛隊は、災害時の救援や、新型コロナウイルスの感染者の治療などの任務もこなしている。国土の防衛を優先しつつ、様々な活動を通じ、自衛隊に対する世論の支持を広げていくことが大切だ。

新型コロナ 世界の感染者8158万人 死者178万人(30日午前3時)(NHK)


アメリカ、ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、日本時間の30日午前3時の時点で、世界全体では8158万6011人となりました。また亡くなった人は178万710人に上っています。

感染者の多い国
▽アメリカが1934万548人、
▽インドが1022万4303人、
▽ブラジルが750万4833人、
▽ロシアが307万3923人、
▽フランスが261万9669人。
死者の多い国
▽アメリカが33万5820人、
▽ブラジルが19万1570人、
▽インドが14万8153人、
▽メキシコが12万2855人、
▽イタリアが7万3029人。

在日米軍 ワクチン接種開始 青森・東京・神奈川・沖縄の6施設(NHK)


在日アメリカ軍は、日本国内の6つのアメリカ軍の施設で、軍の関係者を対象に新型コロナウイルスワクチンの接種を開始したことを明らかにしました。

在日アメリカ軍によりますと、29日までに、新型コロナウイルスワクチンの接種が始まったのは、
▽青森県の三沢基地、
▽東京都の横田基地、
▽神奈川県の横須賀基地とキャンプ座間、
▽沖縄県の嘉手納基地とキャンプ瑞慶覧の6つのアメリカ軍の施設です。
使用されたワクチンは、アメリカの製薬会社「モデルナ」が開発し、今月18日、アメリカのFDA=食品医薬品局から緊急使用の許可が出されていました。
ワクチンは、これまでに合わせておよそ8000回分が到着し、施設内の病院に勤務するアメリカ人の医療従事者などが優先的に接種を受けることになっています。
施設で働く日本人は接種の対象となっていません。
アメリカ国防総省は、各国に展開するアメリカ軍へのワクチンの配付について、優先的に接種を受ける必要があるスタッフの人数が比較的多く、ワクチンの輸送や保管に必要な冷凍設備などの物流網が整っている地域から進めているとしています。

【主張】外資の土地取得 一刻も早く新法成立図れ(産経:社説)


 安全保障に関わる重要施設周辺の土地の実態調査を行うため、政府が新法制定に乗り出した。政府は来年の通常国会で関連法案提出を目指す。
 重要施設周辺の土地が、外国人や外国資本に無制限に渡ることへの安全保障上の懸念は、以前から指摘されていた。
 にもかかわらず、この問題を長年放置してきたのは、政府と国会の怠慢と言わざるを得ない。遅きに失したとはいえ、今回法整備に向けた動きが緒についたことは一歩前進だ。
 安保上重要な施設周辺の土地所有者が誰か分からず、どう利用されているか把握できていないようでは話にならない。国民の不安や懸念を払拭し、安心と安全を確保するため、重要な土地所有に関する状況把握が欠かせない。
 自衛隊施設や原発など、安全保障上重要な施設周辺の国土利用に関する政府の有識者会議が提言をまとめた。
 提言は国の調査対象として、防衛施設周辺や国境離島、原子力発電所などの重要インフラ施設周辺を挙げた。これら重要性の高い土地の購入者には事前届け出を義務付ける。実効性を担保するため違反者には罰金などを検討する。
 安保上のリスクが高く、不適切な利用がある場合、土地の利用中止の勧告、命令を出す。憲法が保障する私権の制限とならぬよう勧告や命令が所有ではなく利用にとどまったが、危険を排除するには所有制限に踏み込むべきだ。

 北海道では中国資本が航空自衛隊も運用する新千歳空港の近接地を買収した事例も判明した。利用実態の把握が急がれる。
 所有者や利用状況など、これら情報は政府内に設ける司令塔的組織が一元的に管理する。現行法では不動産登記簿などの情報が各省庁や地方自治体にバラバラの状態で管理されているためだ。縦割り行政の弊害を減らすためにも、効率的な運用が求められる。
 米国では外資が軍事施設周辺の不動産を購入する際は審査対象となっており、大統領に取引停止権限が付与されている。フランスでも同周辺の建物の建造禁止や収用が可能だ。韓国でも同様に、建物の建設や土地取得は事前許可制となっている。日本は何の制約もなく無防備に過ぎる。
 国土保全は国の果たすべき責務である。政府は一刻も早く、新法成立を図らねばならない。

《独自》「国産トマホーク」開発へ 射程2千キロの新型対艦弾 12式は1500キロに延伸(産経N)


政府が研究開発を進める新型の対艦誘導弾の射程が約2千キロに及ぶことが28日、分かった。配備が実現すれば自衛隊が保有するミサイルでは最長射程となる。これとは別に、陸上自衛隊が運用する12式地対艦誘導弾の射程を将来的に1500キロに延伸する案が浮上していることも判明。「国産トマホーク」ともいえる長射程ミサイルの整備を進めることで、自衛隊の抑止力強化につなげる狙いがある。複数の政府関係者が明らかにした。
 新対艦誘導弾は防衛装備庁が平成30年度から研究を始め、令和2年度までに計105億円の関連予算を計上した。4年度までに試作品を開発し、同年度中に性能試験を行う計画だ。
 射程は約2千キロで、日本からの地上発射でも中国や北朝鮮が射程に入る。レーダーからの被探知性を低減させるステルス能力や、複雑な動きで敵からの迎撃を防ぐ高機動性も追求する。地上発射に加え、艦船や航空機からの発射も可能にする。
 12式地対艦誘導弾は、今月18日の閣議で射程の延伸が決まった。当面は従来の約200キロから900キロ程度に延ばすが、最終的に1500キロを目指す。

 政府は平成29年にF35戦闘機に搭載するノルウェー製の「JSM」(射程500キロ)と、F15戦闘機に搭載する米国製の「JASSM」「LRASM」(ともに射程900キロ)の取得を決めた。新型の対艦誘導弾と12式の射程はこれらを大幅に上回り、射程1600キロ以上とされる米国の巡航ミサイル「トマホーク」にも匹敵する。
 長射程ミサイルの導入について、政府は「自衛隊員の安全を確保しながら相手の攻撃を効果的に阻止する」と説明する。相手の射程を上回るミサイルを持つことで事態への対処を容易にする狙いがあり、主に島嶼(とうしょ)防衛を想定している。
 南西諸島に配備した場合、1500キロあれば平壌を、2千キロあれば北京をほぼ射程に収める。政府は12月の閣議決定で敵基地攻撃能力をめぐる検討の無期限延期を決めたが、北朝鮮や中国が自衛隊の長射程ミサイルを「敵基地攻撃能力」と認識すれば、日本への攻撃自体を思いとどまらせる効果も期待できる。

「敵基地攻撃能力」議論進展見通せず 選挙への影響懸念の声も(NHK)


政府は、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有を含む、弾道ミサイルなどを阻止する抑止力の強化について引き続き検討することにしていますが、衆議院議員の任期満了を来年10月に控え、与党内には選挙への影響を懸念する声もあり、議論が具体的に進展するかは当面見通せない状況です。

政府はミサイル阻止に関する新たな方針の閣議決定で、「敵基地攻撃能力」と呼んでいた相手領域内でも弾道ミサイルなどを阻止する能力の保有には直接触れず、「抑止力の強化について、引き続き政府において検討を行う」という表現にとどめました。
政府は今後、防衛省や内閣官房の国家安全保障局を中心に、与党側の意見も踏まえながら検討を進める考えで、自民党からは、日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しているとして、早急に議論を進め結論を出すべきだという意見が相次いでいます。
一方、公明党は石井幹事長が「従来のわが国の防衛の在り方を大きく変える方向性になるので、国民の理解を得ながら、じっくり腰を据えて議論する必要がある。党においては、全く検討は進んでいない」と述べるなど、慎重な姿勢を崩していません。
また、衆議院議員の任期満了を来年10月に控え、選挙への影響を懸念する声や「新型コロナウイルスへの対応が求められる中、『敵基地攻撃能力』の議論を進めたら政権はもたない」といった声も出ていて、議論が具体的に進展するかは当面見通せない状況です。

中国、「革命的兵器」開発急ぐ AI・脳科学で対米勝利目標(時事通信)


【北京時事】中国の習近平指導部はこれまでの発想を根本から覆す「革命的技術」による兵器開発を急いでいる。人工知脳(AI)や脳科学を活用し、打撃力に頼らない「未来の戦争」で米国に勝利することを想定。敵兵の脳をコントロールして中国に有利な動きをさせる技術開発を目指している。
10月に開かれた共産党の重要会議は「最先端の革命的な技術発展を加速し、武器装備のAI化を進める」という方針を決めた。これに関連し、今月24日付の中国人民解放軍機関紙・解放軍報は「新型兵器は急速にAI・無人化している」と指摘した。
 
中国の兵器は米国製より劣っているものが多く、特に航空機の開発は遅れが目立つ。しかし、米国が十分な技術を取得していない分野で中国が先行すれば、「伝統的領域や主流技術を追い越すことができる」(同紙)と判断。この考え方に基づき、中国は新たな兵器として注目されている無人機の性能を急速に向上させている。
さらに、従来とは全く異なる次元で「未来の戦争」に関する研究を進めている。解放軍報は「作戦は物理・情報領域から認知領域に広がっている」「破壊力、機動力以外の知力などの充実によって作戦の効果は最大化される」と強調。重点分野の一つに、脳とコンピューターを結合する技術を挙げた。
郭雲飛・軍戦略支援部隊情報工程大学校長は6月2日付の解放軍報で、脳科学の研究が進めば、敵兵の脳内にある文章や音声、映像などの記憶を読み取ったり、電気や磁気で外部から脳に刺激を与え敵兵に命令に反する行動をさせたりできると指摘。「大脳は未来の戦争の主戦場になり、『制脳権』が作戦のカギとなる」と分析した。

中国軍、今年の活動前年比1.5倍 米に対抗、大型艦整備(時事通信)


【北京時事】中国軍は今年、海軍を中心に公開活動を昨年の約1.5倍に急増させた。トランプ米政権との対立が深まる中、米軍に対抗し、南シナ海や台湾周辺で軍事演習を頻繁に実施。中央軍事委員会の指揮下にある海警局の艦艇も沖縄県・尖閣諸島周辺で日本領海への侵犯を繰り返した。
米戦略国際問題研究所(CSIS)のウェブサイト「アジア海洋透明性イニシアチブ」によると、今年2~11月にインド太平洋地域で実施したと公式に伝えられた海空戦力による演習やミサイル発射などの中国軍の活動は、昨年同期より21回増の65回に上った。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で4~6月は昨年より少なかったが、7月に米中が互いの総領事館を閉鎖した後、急増した形となった。
統計には公式発表されていない中国軍機による台湾周辺の飛行や陸上の動きは含まれておらず、実際はもっと多くの活動が行われた。「戦争準備」を呼び掛ける習近平国家主席(中央軍事委主席)の方針を反映した一年だったといえる。
 
背景には、海軍の急激な規模拡大がある。米海軍情報当局は今年2月、中国海軍の艦艇数が2015年の255隻から350隻に達したと推定。今年中に360隻、30年には425隻に増えると分析した。
最近は大型艦の建造が目立ち、昨年12月に中国初の国産空母「山東」(推定排水量約5万トン)が就役した。上海で建造中の2隻目の国産空母(同約8万トン)は来年進水すると予想されている。また、強襲揚陸艦075型(同約4万トン)は2隻目が今年4月に進水。075型は急速に建造が進み、25年までに計8隻になるという観測が出ている。
既に中国海軍は艦艇数では米軍を抜き世界一。しかし、兵器の性能や兵士の練度は米軍に水をあけられている。習指導部は「国防の実力は国際的地位、国家安全戦略の要求に達していない」と判断し、軍備拡張を続ける方針だ。
今年10月に開かれた共産党の重要会議は、軍創設100年に当たる27年に「奮闘目標を実現する」と決めた。台湾に武力侵攻する場合に米軍の介入を阻止できる軍事力の獲得を目指しているもようだ。

尖閣周辺で海保巡視船が中国船の接近阻止 漁船「かつてない危機」(産経N)


沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺で、26日に領海侵入した中国公船に追尾された漁船に乗っていた石垣市議の仲間均氏(71)が27日、産経新聞の取材に応じ、当時の緊迫した様子を語った。追尾は4時間以上に及び、中国公船が漁船に近づこうとしたが、海上保安庁の巡視船が間に入って阻止した。
 仲間氏によると、漁船は26日午前9時に石垣市の登野城漁港を出港。午後2時半ごろに尖閣諸島周辺の接続水域に入ったところ、海保の巡視船2隻が現れ、漁船の両側を守るように並走した。いつもと異なる動きに、仲間氏は「何かあるな」と感じたという。
 しばらくして中国海警局の大型船2隻が姿を見せ、漁船に接近。午後4時過ぎには、漁船を追うような形で領海内に侵入した。さらに漁船に近づこうとしたが、海保の巡視船が繰り返し阻止した。海上は波が高く、荒れていたが、巡視船は巧みな操船で漁船を守り続けたという。
 日没後の午後8時すぎ、漁船が接続水域に出ると中国船も出て、やがて姿を消した。仲間氏は「尖閣周辺で何度も操業したが、かつてないほど危機を感じる。使命感をもって守ってくれた巡視船に感謝したい」と話している。

【主張】「慰安婦合意」5年 韓国は約束破りを改めよ(産経:社説)


 慰安婦問題の解決を確認した平成27年の日韓合意から5年たった。
 合意当時、日韓両国が未来志向の新時代へ向かうよう願う声もあった。だが、その願いは裏切られ、今の両国は最悪の関係にある。

 その責任はひとえに、国同士の正式な合意を踏みにじった韓国の文在寅政権にある。
 両国は合意で、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した。「国連など国際社会」で互いに非難、批判することは控えると約束した。日本政府は合意に基づき10億円を拠出し、元慰安婦らを支援する財団が韓国につくられ、元慰安婦の7割超が財団の現金支給事業を受け入れた。
 日本は合意を誠実に守ってきた。一方、合意当時の朴槿恵政権の次の文政権は「両国間の公式合意だったことは否定できない」と認めているにもかかわらず、合意事項を次々にほごにしてきた。
 平成30年に文政権の閣僚は国連機関の場へ慰安婦問題を持ち出し「性奴隷」という史実に反する表現を使うなど日本を貶(おとし)めた。
 令和元年には韓国は合意に基づく財団を日本の同意なしに解散してしまった。ソウル中央地裁では、元慰安婦や遺族らが日本政府を相手取った賠償訴訟が始まった。日本政府は、国家は外国の裁判権に服さないとされる国際法上の「主権免除の原則」に基づき、訴訟の却下を求めたが、韓国司法は受け入れなかった。

 加藤勝信官房長官が25日の会見で「国際社会が韓国側による合意の実施を注視している状況だ」と述べたのは当然だ。日本は合意を破られた被害者である。
 韓国の政権は歴史問題をめぐって決着を表明し、その後の政権が問題を蒸し返してきた。27年の合意時に本紙主張は、韓国の度重なる「蒸し返し」から、「『妥結』の本当の評価を下すには、まだ時間がかかる」と指摘したが、懸念は現実となった。韓国は猛省し、国家間の約束を守り、国際法を尊重するという、国家としてあたり前の行動をとってもらいたい。
 日韓合意には「軍の関与」という誤解を生む表現などの問題もある。日本政府は歴史の歪曲(わいきょく)や事実に基づかない拡大解釈で日本の名誉が傷つけられないよう対外発信を強めるべきだ。「強制連行」という虚偽を広めた河野洋平官房長官談話の破棄も急務である。

天安門外交文書 武力弾圧に「融和」姿勢の誤り(読売:社説)


経済的な協力を続ければ、中国が自由で開かれた国になるという見通しは結果的に誤りだった。政府は、対中外交の歴史を今後の教訓として生かす必要がある。

 1989年6月の天安門事件から30年が過ぎ、外務省が当時の外交文書を公開した。
 中国の共産党政権が民主化を求めた学生らを武力弾圧し、多数の死傷者が出たことに対し、日本政府が当初から融和的な姿勢で臨んでいた事実が明らかになった。
 発生当日の文書では、事件を「容認出来ない」としつつも、「中国の国内問題」と位置づけた。
 欧米は制裁を主張したが、経済協力を継続し、「穏健にして安定した中国」につなげる方が長期的には日本や世界の利益になると指摘する文書もあった。
 当時の中国は、名目国内総生産(GDP)が日本の6分の1弱しかなく、2国間援助の約4分の3を日本が占めていた。日中戦争という歴史的な経緯を意識して、経済協力を全て停止するのは現実的ではないと判断したのだろう。
 だが、日本が厳しい態度を取らなかったことで、中国は、武力弾圧が事実上容認されたと受け取ったのではないか。
 実際、外交文書によると、当時の最高実力者・トウ小平は事件後、「人権が重いか、国権が重いかと言えば、国権は独立、主権、尊厳に関わるもので全てを圧倒する」と語っていた。

 共産党政権はその後、民主化や政治的な自由を求める動きに対する監視や情報統制を強め、改革・開放政策は変質していった。
 日本は、中国に巨額の円借款を供与してきた。中国への援助とは別に、人権や民主主義など普遍的な価値観では譲れないという日本の立場を伝え、改善を促す努力がもっと必要だったと言えよう。
 中国は、経済的に日本を凌りょう駕がするまでに発展したが、強権的な体質は一段と鮮明になっている。香港では民主派への締め付けを強め、東シナ海や南シナ海で威圧的な行動を繰り返している。
 国民生活が豊かになれば、やがて国際社会と協調的な姿勢に変わるという日本政府の期待は外れたと言わざるを得ない。
 米国も、経済的な関与が中国の民主化につながるという政策を取ってきた。だが、トランプ政権は「対中関与政策は失敗だった」と総括し、強硬姿勢に転じた。
 日本は中国に対し、国際規範を順守するよう粘り強く働きかけていかねばならない。

新型コロナ 世界の感染者8056万人 死者176万人(28日午前3時)(NHK)


アメリカ、ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、日本時間の28日午前3時時点で、世界全体では8056万6313人となりました。亡くなった人は176万1429人に上っています。

感染者の多い国
感染者が最も多いのは
▽アメリカで1901万6301人、
次いで
▽インドが1018万7850人
▽ブラジルが746万5806人
▽ロシアが301万9972人
▽フランスが260万8277人です。
死者の多い国
亡くなった人が最も多いのも
▽アメリカで33万2251人、
次いで
▽ブラジルが19万795人
▽インドが14万7622人
▽メキシコが12万2026人
▽イタリアが7万1925人となっています。

外国人の新規入国 きょうから全世界対象に停止(NHK)


変異した新型コロナウイルスが各国で相次いで確認されている状況を受けて、政府は28日から全世界からの外国人の新規入国を停止しました。

政府はすでに変異した新型コロナウイルスが確認されたイギリスと南アフリカからの新規入国を停止していますが、ほかの国でも確認されている状況を受けて、28日からは全世界からの外国人の新規入国を停止しました。
停止期間は1月末までとしています。
この期間は、日本人や在留資格がある外国人が外国への短期出張から帰国・入国した際に一定の条件のもと14日間の待機を免除している措置についても停止するとしています。
さらに、変異したウイルスが確認されたと発表している国や地域から帰国・入国するすべての人に、現地を出国する前72時間以内に検査を受けて証明書の提出を求めるほか、日本入国時にも検査を実施するとしています。
一方、中国や韓国など11の国と地域で実施しているビジネス関係者の往来は引き続き認められます。

【政治回顧2020】地上イージス断念 迷走した代替案(産経N)


 政府が配備を断念した地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア(地上イージス)」の代替策は、18日の閣議決定でイージス艦を増隻することに決まった。検討の過程では、レーダーなど地上イージスの構成品を石油採掘などで用いる海上リグに載せる案や、民間商船を活用する案が浮かんだ。期限とされていた年内に一定の方向性を示すことはできたが、来年に持ち越した課題も少なくない。
 「24時間365日の切れ目ない防護はできないとはっきり言うべきだ」
 自衛隊幹部だったOBは今回の代替策の決定について、こう語気を強める。
 24時間365日の切れ目ない防護とは、政府が平成29年12月に地上イージスの配備を決めた際に説明していた導入目的の一つだ。
 平成29年は北朝鮮による弾道ミサイルの発射が17発確認された年で、ミサイル対応にあたる海上自衛隊のイージス艦2隻が日本海に張り付き、「ほぼBMD(弾道ミサイル防衛)任務に専従する」(防衛白書)状態だった。
 イージス艦には定期的な整備が必要で、24時間365日の対応はできない。北朝鮮の脅威に備えることに加えて、イージス艦を本来任務である艦隊防空に戻すためにも、政府は地上イージスの導入を決めた。
 しかし、河野太郎前防衛相が今年6月に地上イージスの配備プロセスを停止し、地上イージスの導入は頓挫した。

 海上自衛隊が代替策として浮上した候補のうち、リグ案を推していたのは海上リグであれば地上イージスと同様、陸上自衛隊での運用が可能と踏んでいたからだ。そうであればイージス艦を本来任務に戻すという当初の目的は達成できる。
しかし、ここでリグ案に異を唱えたのが自民党国防部会だ。海上リグは速力で劣り、運用の柔軟性に欠ける。さらに、魚雷などの攻撃に弱いことが問題視された。
 自民党の大塚拓国防部会長は10月16日の部会で早くも「リグ案を部会で推す声は皆無。事実上、ないものと考えている」と海上リグを選択肢から外す考えを示した。
 国防部会が重視したのは代替策を柔軟に運用できることで、ある国防族議員は「北朝鮮ばかり言ってないで、南西地域で脅威を増す中国と正面から向き合うときだ」と強調。北朝鮮の弾道ミサイル対処にあたりつつ、南西地域で緊張が高まれば展開できる「イージス艦」案に部会内の意見は収れんしていった。
 来年に向けて課題は残っている。政府は代替策を「イージス・システム搭載艦」とし、通常のイージス艦が持つ対艦・対潜機能を付与するかは「引き続き検討」と判断を先送りにしている。
 通常のイージス艦は約300人の乗組員を必要とし、人員が不足している海自はイージス艦の導入にいまなお否定的だ。代替策としてのイージス艦2隻の導入コストは4800億~5千億円以上と見積もられており、人員と多額のコストを強いるイージス艦の導入が、今後建造を急ぐ新型護衛艦「FFM」の配備計画に狂いを生じさせるリスクを懸念しているからだ。
 自民党や防衛省内では、陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾を長射程化した「スタンド・オフ・ミサイル」を新造イージス艦に搭載すべきとの意見もある。実現すれば南西地域での抑止力の向上が図られ、地上イージスでは想定できなかった能力の付与になる。
 もっとも、地上イージス導入時に掲げていた当初目的がかすんでしまった感は否めず、「24時間365日はどこへ行ってしまったのか」と海自からは嘆きの声も聞こえてくる。(大橋拓史)

「地球温暖化」は理性的な対応を キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・杉山大志(産経:正論)


 2050年にCO2排出をゼロにするという目標が流行(はや)っている。威勢はよいが、意味を解(わか)って言っているのだろうか。
 経産省系の研究機関である地球環境産業技術研究機構の試算では日本全体での年間費用は一般会計約100兆円に匹敵すると示唆された。しかもこの中身はといえばCO2を発電所から回収し地中に貯留するCCSなど、未だ実用化されていない技術ばかりである。
 つまりCO2ゼロは達成不可能な目標だ。それを目指すというだけで、莫大(ばくだい)な国民負担が生じる。
 では、このような極端な対策を支持するような科学的知見はあるのだろうか?

 ≪温暖化での災害は皆無≫
 災害のたびに地球温暖化のせいだと騒ぐ記事があふれるが、悉(ことごと)くフェイクニュースである。これは公開されている統計で確認できる。台風は増えても強くなってもいない。台風の発生数は年間25個程度で一定している。「強い」に分類される台風の発生数も15個程度と横ばいで増加傾向はない。
 猛暑は都市熱や自然変動によるもので、CO2による温暖化のせいではない。温暖化による地球の気温上昇は江戸時代と比べて0・8度にすぎない。過去30年間当たりならば0・2度と僅かで、感じることすら不可能だ。
 豪雨は観測データでは増えていない。理論的には過去30年間に0・2度の気温上昇で雨量が増えた可能性はあるが、それでもせいぜい1%だ。よって豪雨も温暖化のせいではない。詳しくは筆者ホームページの「地球温暖化ファクトシート」をご覧(らん)頂きたい。データの出典も明記してある。観測データを見ると、地球温暖化による災害は皆無であったことが解る。

 ≪モデル予測に問題あり≫
 温暖化によって大きな被害が出るという数値モデルによる予測はある。だがこれは往々にして問題がある。
 第1に、被害予測の前提とするCO2排出量が非現実的なまでに多すぎる。第2に、モデルは気温予測の出力を見ながら任意にパラメーターをいじっている。この慣行はチューニングと呼ばれている。高い気温予測はこの産物である。第3に、被害の予測は不確かな上に悪影響を誇張している。
 政策決定に当たっては、シミュレーションは一つ一つその妥当性を検証すべきである。計算結果を鵜呑(うの)みにするのは極めて殆(あやう)い。
 実際のところ、過去になされた不吉な予測は外れ続けてきた。温暖化で海氷が減って絶滅すると騒がれたシロクマはむしろ増えている。人が射殺せず保護するようになったからだ。温暖化による海面上昇で沈没して無くなるといわれたサンゴ礁の島々はむしろ拡大している。サンゴは生き物なので海面が上昇しても追随するのだ。
 CO2の濃度は江戸時代に比べると既に1・5倍になった。その間、地球の気温は0・8度上がった。だが観測データで見れば何の災害も起きていない。むしろ、経済成長によって人は長く健康に生きるようになった。
 今後も緩やかな温暖化は続くかもしれない。だが破局が訪れる気配はない。「気候危機」や「気候非常事態」と煽(あお)る向きがあるがそんなものはどこにも存在しない。
 なぜフェイクが蔓延(まんえん)したか。政府機関と国際機関、御用学者等の連合体が、不都合なデータを無視し、異論を封殺し、プロパガンダを行い、利権を伸長した結果だ。

 ≪「上げ潮」で経済と両立≫
 日本政府のCO2ゼロ宣言は、プロパガンダの発生源である西欧に同調したものにすぎない。だが一旦(いったん)国の方針とした以上、後戻りは難しい。すると課題はこれをどう解釈し対処するか、である。菅義偉首相は正確には「実質」ゼロを目指すと言った。実質とは日本の技術によって海外で削減されるCO2も含める、という意味だ。これを弾力的に使うほかない。
 製造業を強化し、経済成長を図ることで、あらゆる技術の進歩を促すべきだ。温暖化対策技術は、それを母体として生まれる。これを「上げ潮シナリオ」と呼ぼう。
 世界でなかなかCO2が減らないのはコストが高いからだ。良い技術さえできれば問題は解決する。いまLED照明は実力で普及しており、既存の電灯を代替して大幅にCO2を減らしている。
 今後も例えば全固体電池が期待される。電気自動車は補助金がなくとも実力で普及できるようになることを目指すべきだ。日本はかかる真っ当なイノベーションを担うべきだ。政府の役割は基礎研究への投資等多々ある。
 だが一方で、日本を高コスト体質にしてはならない。かつて政府は太陽光発電を強引に普及させた。結果、電気料金は高騰した。いま流行りの洋上風力、水素発電等も政策を誤ればその二の舞いになる。日本の製造業がイノベーションの真の担い手になる為には、電気料金は低く抑えねばならない。原子力も石炭火力も重要だ。
 良い技術さえ在れば世界中でCO2は減る。日本のCO2排出は世界の3%にすぎない。その程度を日本発の技術で減らすことはできる。(すぎやま たいし)

脱炭素戦略 効果的な支援策を検討せよ(読売:社説)


 温室効果ガスを出さない「脱炭素」を実現するには、目標を掲げるだけでは不十分だ。官民で、山積する課題の克服に努めてもらいたい。

 政府は、2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標の達成に向けた「グリーン成長戦略」の実行計画をまとめた。洋上風力発電や原子力など14の重点分野を指定し、それぞれの拡大目標や必要な対応策を記した。
 これをたたき台に、政府の成長戦略会議などで議論を続け、来年夏に具体策を示す方針だ。
 政府は、脱炭素を成長戦略の柱に据えている。企業の投資を促進するために、政府が明確な道筋を示すことが大切だ。
 実行計画は、産業界などの電化が進むことで、50年の電力需要が現在より最大で50%増えると想定した。排出ゼロは、電力部門の脱炭素化が大前提だ。
 再生可能エネルギーの比率を、18年度の17%から50~60%に上げることを目安として提示した。
 そのために政府が期待するのが洋上風力だ。40年に、最大発電能力で原子力発電所45基分に相当する4500万キロ・ワットに引き上げることを目指すという。現状の2000倍以上の規模となる。
 洋上風力には海底に敷設する着床式と、海に浮かべる浮体式があるが、遠浅の海が少ない日本では浮体式に頼らざるを得ない。
 浮体式は世界でも技術が確立されておらず、政府が福島県沖で行った実証研究では、風車の不具合などで思うように発電できず、設備が撤去されることになった。

 普及拡大へのハードルはまだ高い。問題点を検証し、着実に技術開発を加速せねばならない。
 実行計画が、原発を重点分野に位置づけたことは妥当だ。国内で再稼働を進め、安全性が高いとされる小型炉の開発に海外と連携して取り組むとしている。
 原発は出力が安定しており、天候などに左右される再生エネを補完することができる。再生エネの比率が高まるほど、原発の重要性は増すことになる。それを国民に丁寧に説明することが大事だ。
 自動車では、30年代半ばまでに軽自動車を含む乗用車の新車販売を、全て電気自動車などの「電動車」とする目標を立てた。
 自動車業界からは、「大変難しい挑戦だ」と、政府の財政的な後押しを求める声が出ている。政府は、有望な技術や開発・普及に向けた課題などについて、産業界の意見も聞きながら、効果的な支援策を講じていく必要がある。

中国 改正国防法が成立 サイバー空間などを軍事活動の対象に(NHK)


中国では、26日、宇宙やサイバー空間などを軍事活動の対象とすることを新たに盛り込んだ改正国防法が成立しました。
中国では、26日まで開かれた全人代=全国人民代表大会の常務委員会で、国防法の改正案が可決、成立しました。
国防法の改正が行われるのは、2009年以来、11年ぶりとなります。
今回の改正では、宇宙やサイバー空間などを「重大な安全領域」と位置づけ、軍事活動の対象とすることが新たに盛り込まれました。
また、中国の主権や領土に加え、「発展の利益」が脅かされた場合に軍事活動を総動員することができるとしています。
「発展の利益」に関する具体的な説明はないものの、海外での経済活動も想定したものとみられます。
ハイテク分野などをめぐり、アメリカとの対立が深まるなか、中国としては、今回の改正を通じて軍の体制を強化するとともに、有事の際の軍事活動に対する法的根拠を整備するねらいがあるものとみられます。

在日米軍駐留経費の日米交渉 バイデン政権の外交方針が焦点(NHK)


在日アメリカ軍の駐留経費をめぐる日米交渉について、政府は、1月発足するバイデン次期政権との間で早期妥結を目指すことにしています。
現行の負担水準を維持したい日本政府に、バイデン政権がどのような姿勢で臨むかが焦点で新政権の外交方針を見極める機会にもなるとみられます。

「思いやり予算」交渉 異例の越年
在日アメリカ軍の駐留経費の日本側負担、いわゆる「思いやり予算」をめぐる日米交渉は、11月から実務者による交渉が行われています。
しかし、具体的な負担額で折り合いがついておらず、来年に持ち越される異例の展開になっています。
政府は、来年度予算案に今年度と同じ水準の2017億円を暫定的に計上していて、来年1月20日に発足するバイデン次期政権との間で改めて交渉を行い、早期の妥結を目指す方針です。
政府内には、同盟国に「応分の負担」を求めたトランプ政権と比べると、落としどころが探りやすくなるという期待感がある一方「防衛分野の負担を減らしたいのは次期政権も同じで、厳しい交渉になる」という見方も出ています。
現行の負担水準を維持したい日本政府に、同盟国との関係強化を重視するバイデン政権がどのような姿勢で臨むかが焦点で新政権の外交方針を見極める機会にもなるとみられます。

「地球温暖化」は理性的な対応を キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・杉山大志(産経:正論)


 2050年にCO2排出をゼロにするという目標が流行(はや)っている。威勢はよいが、意味を解(わか)って言っているのだろうか。
 経産省系の研究機関である地球環境産業技術研究機構の試算では日本全体での年間費用は一般会計約100兆円に匹敵すると示唆された。しかもこの中身はといえばCO2を発電所から回収し地中に貯留するCCSなど、未だ実用化されていない技術ばかりである。
 つまりCO2ゼロは達成不可能な目標だ。それを目指すというだけで、莫大(ばくだい)な国民負担が生じる。
 では、このような極端な対策を支持するような科学的知見はあるのだろうか?

 ≪温暖化での災害は皆無≫
 災害のたびに地球温暖化のせいだと騒ぐ記事があふれるが、悉(ことごと)くフェイクニュースである。これは公開されている統計で確認できる。台風は増えても強くなってもいない。台風の発生数は年間25個程度で一定している。「強い」に分類される台風の発生数も15個程度と横ばいで増加傾向はない。
 猛暑は都市熱や自然変動によるもので、CO2による温暖化のせいではない。温暖化による地球の気温上昇は江戸時代と比べて0・8度にすぎない。過去30年間当たりならば0・2度と僅かで、感じることすら不可能だ。
 豪雨は観測データでは増えていない。理論的には過去30年間に0・2度の気温上昇で雨量が増えた可能性はあるが、それでもせいぜい1%だ。よって豪雨も温暖化のせいではない。詳しくは筆者ホームページの「地球温暖化ファクトシート」をご覧(らん)頂きたい。データの出典も明記してある。観測データを見ると、地球温暖化による災害は皆無であったことが解る。

 ≪モデル予測に問題あり≫
 温暖化によって大きな被害が出るという数値モデルによる予測はある。だがこれは往々にして問題がある。
 第1に、被害予測の前提とするCO2排出量が非現実的なまでに多すぎる。第2に、モデルは気温予測の出力を見ながら任意にパラメーターをいじっている。この慣行はチューニングと呼ばれている。高い気温予測はこの産物である。第3に、被害の予測は不確かな上に悪影響を誇張している。
 政策決定に当たっては、シミュレーションは一つ一つその妥当性を検証すべきである。計算結果を鵜呑(うの)みにするのは極めて殆(あやう)い。
 実際のところ、過去になされた不吉な予測は外れ続けてきた。温暖化で海氷が減って絶滅すると騒がれたシロクマはむしろ増えている。人が射殺せず保護するようになったからだ。温暖化による海面上昇で沈没して無くなるといわれたサンゴ礁の島々はむしろ拡大している。サンゴは生き物なので海面が上昇しても追随するのだ。
 CO2の濃度は江戸時代に比べると既に1・5倍になった。その間、地球の気温は0・8度上がった。だが観測データで見れば何の災害も起きていない。むしろ、経済成長によって人は長く健康に生きるようになった。
 今後も緩やかな温暖化は続くかもしれない。だが破局が訪れる気配はない。「気候危機」や「気候非常事態」と煽(あお)る向きがあるがそんなものはどこにも存在しない。
 なぜフェイクが蔓延(まんえん)したか。政府機関と国際機関、御用学者等の連合体が、不都合なデータを無視し、異論を封殺し、プロパガンダを行い、利権を伸長した結果だ。

 ≪「上げ潮」で経済と両立≫
 日本政府のCO2ゼロ宣言は、プロパガンダの発生源である西欧に同調したものにすぎない。だが一旦(いったん)国の方針とした以上、後戻りは難しい。すると課題はこれをどう解釈し対処するか、である。菅義偉首相は正確には「実質」ゼロを目指すと言った。実質とは日本の技術によって海外で削減されるCO2も含める、という意味だ。これを弾力的に使うほかない。
 製造業を強化し、経済成長を図ることで、あらゆる技術の進歩を促すべきだ。温暖化対策技術は、それを母体として生まれる。これを「上げ潮シナリオ」と呼ぼう。
 世界でなかなかCO2が減らないのはコストが高いからだ。良い技術さえできれば問題は解決する。いまLED照明は実力で普及しており、既存の電灯を代替して大幅にCO2を減らしている。
 今後も例えば全固体電池が期待される。電気自動車は補助金がなくとも実力で普及できるようになることを目指すべきだ。日本はかかる真っ当なイノベーションを担うべきだ。政府の役割は基礎研究への投資等多々ある。
 だが一方で、日本を高コスト体質にしてはならない。かつて政府は太陽光発電を強引に普及させた。結果、電気料金は高騰した。いま流行りの洋上風力、水素発電等も政策を誤ればその二の舞いになる。日本の製造業がイノベーションの真の担い手になる為には、電気料金は低く抑えねばならない。原子力も石炭火力も重要だ。
 良い技術さえ在れば世界中でCO2は減る。日本のCO2排出は世界の3%にすぎない。その程度を日本発の技術で減らすことはできる。(すぎやま たいし)

【主張】自動車の電動化 日本の競争優位手放すな(産経:社説)


 政府が地球温暖化の防止に向けて、2030年代半ばに国内で販売する新車をすべて電動車に切り替える政府目標をまとめた。電動化が加速する世界の潮流を踏まえた対応である。
 菅義偉政権が、50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするため策定した「グリーン成長戦略」に、自動車分野における脱炭素化政策として盛り込んだ。
 電動化の対象として、電気自動車(EV)や水素を使う燃料電池車(FCV)に加えて、エンジンとモーターで駆動し、日本が強みを持つハイブリッド車(HV)を含めたのは当然である。
 自動車はわが国の基幹産業である。これまで世界で築いてきた競争優位を手放してはならない。それには欧米や中国などの開発動向を見極めつつ、蓄電池などの分野を含めて、世界標準となる新たな技術を確立する必要がある。
 世界では英仏などがガソリン車の販売を30年以降に禁止する方針を打ち出している。地球温暖化を防ぐには二酸化炭素(CO2)を排出するガソリン車の厳格な規制が必要との判断からだ。
 こうした地域ではEVへの転換を目指しているが、EVは販売価格が割高になるほか、急速充電器などのインフラ整備が大きな課題となる。1回の充電で走る距離を延ばす必要もある。

 このため、日本ではHVも対象に電動化を進める。これまでの技術的な優位を生かし、さらに性能が高い新車の開発で着実な電動化を図るべきだ。既存インフラを活用できるHVは、新興国でも需要が根強い。官民で売り込みを図る取り組みを進めてほしい。
 むろんEVの開発も急務だ。とくに車両性能を大きく左右する蓄電池の開発に注力してほしい。
 電動化に当たっては、発電部門の脱炭素化も欠かせない。トヨタ自動車の豊田章男社長も「自動車の電動化だけではCO2の排出削減にはつながらず、日本で自動車がつくれなくなる」と強い懸念を示している。
 再生可能エネルギーの導入拡大のほか、安全性を確認した原発の活用などを包含する全体戦略を策定する必要がある。
 日本の自動車関連産業には540万人が従事しており、電動化の成否が経済に与える影響は大きい。日本企業が世界で勝ち残るためにも政府の支援は不可欠だ。

10万円給付、幻の自衛隊活用案 河野氏(時事通信)


河野太郎行政改革担当相は25日の日本記者クラブでの会見で、新型コロナウイルス対策で今春に実施された一律10万円給付について、自身が防衛相当時、支給業務を自衛隊に担わせる案を一時検討していたと明かした。最終的に業務は市区町村が担当、河野氏の案は幻となった。
河野氏は当時について「人海戦術でやらざるを得ない。それができる組織は25万人の自衛官を擁する自衛隊しかないだろうと思った」と振り返った。内部で検討を打診したものの支給業務は市区町村が行うことになり、「『自衛隊撤収』と言った。統合幕僚長はうれしそうにしていた」と語った。

北海道知事、自衛隊派遣遅れ「旭川市の判断」(日経新聞)


北海道の鈴木直道知事は25日、日本経済新聞のインタビューに応じ、旭川市への自衛隊派遣について「対策に追われ、旭川市の決断が難しい状況もあった」と述べた。慶友会吉田病院の市への要請から派遣までに2週間を要し、道と市の見解も食い違っていた。

――大規模クラスター(感染者集団)が相次いでいますが、新型コロナウイルス感染拡大「第1波」での教訓が生かされていません。
「クラスターが医療機関でおきると医療提供体制への影響が大きい。新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れている医療機関はかなり感染防止対策を講じている。ただ、一度は陰性と判定が出てもその後陽性に転じて院内感染につながったケースもある。北海道だけの問題ではないが、検証して備えていくことが重要だ」

――新型コロナの検証会議などで有効な対策をもっと話し合ってみる考えは。
「かなり難しい話だ。クラスター発生情報は共有されており、現場の危機意識は高い。仮にこれをやればすべて回避できるという明確な答えがあれば世界中が採用している。医療機関もクラスターになりたくてなっているわけではない。これからも絶えず、新たな注意事項を共有して取り組んでいくことに尽きる」

――旭川市の慶友会吉田病院が自衛隊派遣を要望してから、同市に自衛隊が入るまでに2週間かかりました。即応性を磨くことを教訓にする必要はありませんか。
「重要だ。ただ、旭川市が自衛隊の来ることについて決めない中で、一方的に出動することはありえない。自衛隊派遣の是非を旭川市が判断することは大事だった。いろいろな対策に追われ、市の決断が難しい状況もあった。人員をこちらから送り、派遣が必要という議論の整理をしやすくした。市の要請を受けたのち、自衛隊に入ってもらった。要請から活動開始まではスムーズに進んだ」

――派遣までのスケジュールはスムーズでしたか。
「自衛隊というのは最後の砦として、様々な手段を講じた上でお願いすべきだ。状況に詳しいのは旭川市。道は自衛隊派遣が同市から必要ないんですよと聞いていた。市長ではないのでその判断を無視した上、受け入れ体制も定まっていないのに、よくわからないですが行ってくださいとはならない。自衛隊派遣では要請をすることではなく、現地で活動することこそ大事だ。なんとなく来てくださいとはならない」

――2021年には東京五輪の競技が札幌でも開催されます。
「無事開催しなければならず、感染対策は最優先だ。万全の新型コロナ感染対策を講じて成功することは、結果として北海道や札幌の対応の素晴らしさを知ってもらうことになる。今までは素晴らしい北海道の魅力を知ってもらおうとしてきたものの、パンデミックが広がったなかでは感染防止策を理解してもらう側面が大事になる」

――夕張市長時代はJR北海道の夕張支線を自ら廃線を持ちかけるなど積極的な対応が目立ちました。知事就任後はトーンダウンしているように見えます。
「JR北海道の問題はすごく重要だ。夕張市長時代も夕張支線については攻めの廃線提案ということで、政治的にも動いて方向性を見いだしてきた。今回も(単独で維持困難で地元と方法を検討したいと同社が示す)黄色線区をどう維持するかについて、いままでにない発想で国としても考えを整理して頂けるものと考えている」

コロナ感染の海上幕僚長ら 14人で飲酒伴う会食 防衛相が指導へ(NHKニュース)


海上自衛隊のトップ、海上幕僚長らが新型コロナウイルスに感染したことについて岸防衛大臣は、海上幕僚長らが今月、送別会として飲酒を伴う会食を14人で行っていたことを明らかにし、配慮が足りない面があったとして今後、指導する考えを示しました。

海上自衛隊のトップ、山村浩・海上幕僚長と海上幕僚長の補佐役、西成人・海上幕僚副長は新型コロナウイルスに感染したことが確認され、現在は在宅で業務を行っています。
これについて岸防衛大臣は閣議のあとの記者会見で、今月16日に山村海上幕僚長と西海上幕僚副長のいずれもが参加し、隊員と合わせて14人で送別会の目的で会食を行っていたことを明らかにしました。
そのうえで岸大臣は、「飲酒を伴ったが乾杯程度で、けん騒になっていなかったと報告を受けている。席の間隔も十分に確保するなど対策は徹底していたが、海上幕僚長と副長が同一の会食の場に参加したことは、安全保障を担う組織であることを考えれば配慮が足りない面があった」と述べ、今後、山村海上幕僚長を指導する考えを示しました。
また記者団が「会食の場が感染を広げた要因なのか」と質問したのに対し、岸大臣は「海上幕僚長や副長を含めて複数の感染者がいて、関連性についてはまだ調査中だが、そうしたことも否定できない状況だと考えている」と述べました。

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