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緊急事態宣言:支援策の拡充検討せよ(朝雲:時の焦点)


 志賀直哉の小説『流行感冒』は、スペイン風邪が猛威をふるった大正期の志賀自身の経験が基になっているという。
 主人公は、ウイルスを家に持ち込むまいと細心の注意を払っていたが、お手伝いさんが「薪(まき)を買いに行く」と嘘をつき、芝居を見に行っていた。主人公は彼女に暇を与えようとしたが、妻がとりなし、矛(ほこ)を収めた。
 その後、流行が収まったと気を許した主人公は罹患(りかん)してしまう。家の離れに植木を植えるため、昼間は主に植木屋と暮らしていたことが原因と分析している。
 歴史学者の磯田道史さんの言葉を引用すれば、お手伝いさんを辞めさせようとした主人公の行動は、今で言う「自粛警察」であり、感染は「植木屋クラスター」と言えよう(著書『感染症の日本史』)。歴史を紐解けば、いつの時代も感染症が人々を苦しめてきたことが分かる。
 新型コロナウイルスの「第4波」を踏まえ、菅首相が、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に緊急事態宣言を発令した。3度目となる今回の宣言では、飲食店に加え、大型商業施設の休業やイベントの無観客開催の要請など、幅広い営業制限に踏み込んだ。
 感染力の強い変異ウイルスの増加に歯止めがかからず、関西圏では事実上、医療崩壊が起きている。東京でも変異型が急増している。社会経済活動を大幅に制約する判断は、やむを得まい。
 ただ、政府は2度目の宣言の際、飲食店を「急所」と呼び、営業時間短縮を中心とする対策をとってきた。今回は人の流れを止めるため、広範囲の私権制限を行う。
 百貨店や大規模イベントでクラスターが頻発しているわけではない。感染症対策のために設備投資を行ってきた事業者は多い。企業などに困惑が広がるのも当然だ。
 菅内閣は「第4波」収束までのシナリオを明示しなければならない。病院間の連携強化や病床の確保、検査体制の充実など、抜本的な対策を講じる必要がある。
 大型連休中に営業自粛を求められる事業者のダメージは計り知れない。菅首相は当面、2021年度予算の予備費で経済を下支えする方針だが、それで十分だろうか。
 昨年、安倍政権は緊急事態宣言の発出を踏まえ、国民への一律10万円の給付や、事業者への持続化給付金など思い切った施策を講じた。
 国民の生活不安を解消するため、菅政権も思い切った経済対策に乗り出すべきだ。
 磯田さんによると、江戸時代には13回の麻疹(はしか)の流行が確認されており、江戸後期には、既に給付金制度があったことが多くの文献に残されているという。
 感染症は、暮らしのあらゆる面に影響を及ぼしている。政府は支援を躊躇(ちゅうちょ)してはならない。
夏川 明雄(政治評論家)
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【主張】「従軍慰安婦」不可 教科書の記述是正を急げ(産経:社説)


「従軍慰安婦」という用語は不適切だとする政府の答弁書が閣議決定された。根拠なく「従軍」を冠した戦後の造語がまかり通っていたことが問題である。教科書にも使われており、早急な是正を求めたい。
 日本維新の会の馬場伸幸衆院議員の質問主意書に答えた。閣議決定の意味を重く受け止めるべきだ。
 「従軍慰安婦」は一部書籍で使われて広まった。慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話でも「いわゆる従軍慰安婦問題」と記されている。

 答弁書では、朝日新聞が、慰安婦狩りをしたなどとする吉田清治氏の虚偽の証言に基づく報道を取り消した経緯に触れ、「従軍慰安婦」は「誤解を招くおそれがある」とした。「単に『慰安婦』という用語を用いることが適切」と明記している。
 河野談話での使用について「当時は広く社会一般に用いられている状況にあった」と言い訳しているが、事実を無視した用語にすぎない。これを放置してきたことで、強制連行された「性奴隷」などという嘘が世界に広まった。
 「従軍慰安婦」は河野談話を契機に、9年度から使用の中学教科書に一斉に登場した。偏向した歴史教科書への批判を受けて一時は消えたが、今春から使用されている中学教科書で復活した。先に検定結果が公表された高校教科書でも使われているが、不適切な表現が検定をパスしていたことにあきれる。当然、修正が必要だ。

 朝鮮半島から日本への労働者動員に関し、「強制連行」の表現が不適切とする答弁書も閣議決定した。労働者に関し、移入の経緯はさまざまあり、「連行」などとひとくくりに表現するのは適切ではない、との指摘はもっともだ。
 当時の国民徴用令に基づく徴用・募集・官斡旋(あっせん)による労務について、「強制労働」などと、実態を無視した批判が相変わらずある。事実をもとに、日本への不当な非難を排することが欠かせない。
 政府は、河野談話を継承するとしている。だが、同談話は、慰安婦の強制連行などを裏付ける証拠のないまま、韓国側に配慮した作文であることが分かっている。談話によって日本の名誉が著しく傷つけられてきた。教科書などへの影響もいまだに続く。
 やはり、この談話は撤回が必要である。

サイバー戦防護 自衛隊の能力向上が急務だ(読売:社説)


重要インフラをサイバー攻撃から守ることは、安全保障上の新たな課題だ。自衛隊の対処能力を抜本的に向上させなければならない。
 自衛隊は、その一環として、北大西洋条約機構(NATO)のサイバー防衛協力センターが実施する大規模演習に初めて本格的に参加した。
 電力や水道、防空、人工衛星などのシステムが相次いでサイバー攻撃を受けたという想定である。自衛隊と民間の重要インフラ事業者などの担当者27人がチームを組み、実戦形式で訓練した。
 こうした機会を生かし、自衛隊と民間事業者の協力をさらに深めることが重要だ。
 これまで、平時でもサイバー攻撃によって、機微な情報や暗号資産が盗まれる被害が多くみられる。有事になると、鉄道、電力などの社会基盤や軍内部のシステムに対する攻撃が想定される。
 「次の戦争はサイバー空間から始まる」という指摘もある。ロシアはウクライナ侵攻の際、変電所や軍のシステムへのサイバー攻撃で大きな被害を与えたという。

 日本では、インフラなどのシステム防護には、内閣サイバーセキュリティセンターと事業者が対処することになっている。
 だが、サイバー攻撃では、武力攻撃を受ける有事に限らず、攻撃側は日頃から、様々なシステムへの不正な侵入を繰り返している。自衛隊のサイバー部隊を有効に活用することが必要ではないか。
 米国では、情報機関や軍が重要インフラのシステム防護に関わっている。「前方防衛」を掲げ、平時から他国のシステムを監視し、攻撃を受けたら即座に反撃する体制を取っているという。
 日本も、有事のサイバー攻撃に対して、「妨げる能力」を持つ方針を防衛大綱に明記している。自衛隊がサイバー空間で反撃できるようにするものだ。
 専守防衛だけで対処しようとすると、後手に回ってしまう可能性が高い。どのような事態に、どこまでの活動が認められるか、国会でも真剣に議論すべきである。
 現在290人体制のサイバー防衛隊を増強することが急務だ。
 防衛省は今月、専門的な知見から助言するサイバーセキュリティーの幹部ポストを設け、民間から公募した。年収最高2000万円で兼業も認め、優秀な人材の確保を目指している。
 従来の発想にとらわれず、民間の力も生かして、十分な体制を整えてもらいたい。

アフガニスタン駐留米軍 完全撤退に向け撤収作業開始(NHK)


アフガニスタンに駐留するアメリカ軍について、バイデン政権は、ことし9月に予定している完全撤退に向け、撤収作業を始めたことを明らかにしました。アフガニスタンに駐留するアメリカ軍の部隊について、バイデン政権はことし9月11日までに完全に撤退させるとしています。
これについてホワイトハウスのジャンピエール副報道官は29日、記者団に対し、現地での撤収作業はすでに始まっていることを明らかにしました。

アメリカ軍は撤収を支援するため、現地に陸軍の特殊部隊を新たに派遣したほか、周辺の基地や海域に爆撃機や空母を追加で配備していますが、これについてジャンピエール副報道官は「支援のため、派遣部隊は一時的に増員されるものの、9月11日までに完全に撤退するという約束は守り続ける」と述べました。
バイデン大統領は、28日に議会で行った施政方針演説で、アメリカ軍はアフガニスタンから完全に撤退するものの、テロの脅威に対しては、アルカイダや過激派組織IS=イスラミックステートが活動する中東・アフリカ地域を中心に、広範囲で警戒を続ける考えを強調しています。

日本学術会議の在り方検討 新たな有識者会議を設置へ 政府(NHK)


日本学術会議のあり方をめぐり、学術会議が、現在の国の機関としての組織形態が役割を果たすのにふさわしいとする報告書をまとめたことを受けて、政府は、さらに検討する必要があるとして、新たな有識者会議を設置する方向で調整に入りました。

日本学術会議のあり方をめぐり、学術会議は先週、現在の国の機関としての組織の形態が「学術会議の役割を果たすのにふさわしい」と評価する報告書をまとめました。
一方、国からの独立などを提言している自民党の作業チームは「自分たちの権利や居場所を確保する観点しか盛り込まれていない」などと批判しており、会議を所管する井上科学技術担当大臣に組織を見直すべきだという考えを伝えました。
こうした状況を受けて、政府は、学術会議のあり方をめぐって、さらに検討する必要があるとして、新たな有識者会議を設置する方向で調整に入り、今後、具体的な人選などの検討を進めることにしています。

尖閣・領土主権堅持の世界的意義 東京大学名誉教授・小堀桂一郎(産経:正論)


≪「主権回復記念日」に際し≫
 4月28日は日本の対連合国講和条約が発効した記念の日である。昭和27年のこの日から既に69年の歳月が過ぎた。この日付にその旨を明記してゐる市販の暦もあるけれども極めての少数派であらう。
 平成9年のこの日に、此(これ)を主権回復記念日といふ国民の祝日に制定しようとの趣旨で開催した民間有志の発案になる国民集会も本年で第25回となる所だが、武漢肺炎の猖獗(しょうけつ)が未(ま)だ終熄の見込の立たない現状では、集会開催は慎しまざるを得ない。昨年迄(まで)連年欠かさず集会の形で訴へ続けて来た祝日の制定といふ目標も、依然として達成ができぬままに休会となつた。
 記念日制定は、元来独立国家としての主権意識確立のための手段だつたのだが、その手段も入手できぬうちに、肝腎(かんじん)の我が国の国家主権そのものが危殆(きたい)に瀕(ひん)するといふ事態になつてをり、口には言へぬ程の憮然(ぶぜん)たる思ひである。
 国家主権意識の涵養(かんよう)を訴へる動機として当初から、対外的には北方領土及び竹島の返還要求、被拉致同胞の全員奪還、対内的には国軍と交戦権保有を明記した自主憲法制定等の諸課題がその主要項目であつた。就中(なかんづく)、ここ数年来沖縄県尖閣諸島に於(お)ける領土領海の防衛をめぐる国家主権の危機的状況が緊急逼迫(ひっぱく)の度を増してゐる。
 主権回復記念日国民集会を主催する同憂の士達の中には、尖閣諸島防衛の緊急性確認のため現地の海域に何度も渡航し実情視察に努めた勇敢な行動力の持ち主も幾人か居る。だが海上保安庁・政府はその篤志家達を激励するどころか無用の冒険主義は迷惑と言はむばかりに行動を制止する始末だ。
 中国側は周知の如く、無法にも尖閣諸島に対する領有権を強弁し本年2月に制定したばかりの「海警法」を振翳(ふりかざ)し、我が国の領海で操業してゐる日本漁船群に向け武装船による威圧を加へて来てゐる。それに対しての日本側の只々事勿(ことなか)れ主義に堕した対応は実に慨嘆に堪へない。昨年11月24日の王毅中国外相の傲慢無礼な暴言に我が茂木敏充外相が示した屈辱的な応対が事の原因をも結果をも示現してゐるが、あれは相手の国際法規を蹂躙(じゅうりん)する覇権主義的姿勢に暗黙の了解を与へたに等しい。

≪尖閣防衛は自由守る要≫
 尖閣諸島の防衛問題は今や我が国土の辺境部の危機といふ範囲を超えた、国際社会に於ける国家主権の尊厳をめぐる象徴的案件である。中国の習近平現政権は米中による太平洋の二分割統治を覬覦(きゆ)してゐると見られる覇権主義に取憑(とりつ)かれてをり、その野望は自由主義世界にとつてといふよりも全世界にとつての既成秩序崩壊を意味する禍根である。中国海軍の戦力は現に数量の上で米国を凌駕(りょうが)するまで増大して西太平洋の制覇を狙つてゐると見られる。
 然(しか)し尖閣諸島はまさに彼等の最も手近な戦略の展開範囲である所謂(いわゆる)第一列島線の線上に位置する。この線を自由に踏み越えて艦隊が行動できるならば、米国に対する中国の潜勢力は第二列島線内で飛躍的に増大するであらう。故に尖閣の領有を守り、この島々の海域が日本の主権の下にあるといふ事実を世界に認識させる事は<自由で開かれたインド太平洋>を維持するための鑰(かぎ)となる。現に日米豪印の4国は緊密な連繋の下に中国の逸脱行為抑止の態勢をとつてゐるが、尖閣の領土保全はその要の一としての役割を果すであらう。
 そこで、その尖閣防衛のための有効な戦法如何(いかん)であるが、それには情報戦とその裏付けとしての実際行動との両面を併せて推進する事が是非必要である。

≪情報戦略と実際行動を≫
 情報戦遂行の資財は幸ひに我に豊富にある。それはこの島に定住し多年漁業を営んで来た日本の漁民の歴史それ自体である。歴史の代表的文献として惠忠久著『尖閣諸島 魚釣島 写真・資料集』(平成8年、尖閣諸島防衛協会刊)があり、同書には明治16年の調査実施、明治30年代に日本漁民が定住を始めた沿革、当時中華民国がこの島嶼(とうしょ)を日本国沖縄県八重山郡の行政管内にある事を認めてゐた公文書、そして昭和40年代に同海域の海底資源発見の報と同時に中国側で地図の描き替へが始まつた歴史的経緯が詳細に収録されてある。
 その他にもこの諸島が日本国の領土である事を立証する<文書道理>は十分に我方の手中にあり、今後の情報戦の勝敗はこの史料的証拠を如何に効果的にクアッド各国を首(はじめ)とするアジア諸国に向けて発信するかにかかつてゐる。
 同時に実際行動が情報戦略の裏付けとして是非必要である。即(すなわ)ち国民が自国の主権の下にある領土領海で生業を営む自由を行動を以て世界に明示する事である。更に同島には例へば動植物の生態研究の施設を建設し、この施設への人材の派遣と物資補給のための上陸及び居住設備を戦前と同様に復元し実際に人員の駐在が望ましい。
 尖閣の防衛・保全を完遂する事は台湾の独立保障にほぼ決定的な好(よ)き影響を及ぼすのみならず、他ならぬ日中関係自体で、彼の我に対する蔑視を改めさせ、あるべき対等の交流を実現させるだらう。(こぼり けいいちろう)

【主張】昭和の日 「一致団結」思い起こそう(産経:社説)


新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、再び昭和の日を迎えた。東京、大阪など4都府県には3度目の緊急事態宣言が出されている。
 昭和期の日本は、第二次世界大戦での敗戦という未曽有の出来事を経験した。多くの人が亡くなり、空襲や原爆の被害も大きかった。だが、焼け跡から復興を成し遂げた。苦難を乗り越えてきた先人の歩みを改めて想起したい。

 それはコロナ禍と戦う今の日本人の指針となるはずである。
 終戦の年の暮れ、産経新聞は社説(現在の「主張」)でこう訴えている。
 「行き方は違うが戦時中の一致団結心と敗戦後の一致団結心はなんの変りもなく、苦難克服への努力が一日早ければ早いだけ平和日本の建設に前進出来るのである」(昭和20年12月11日)
 昭和の戦争は一面的に是非を問えるものではない。それでも日本人が力を振り絞って難局に臨んだことは確かだろう。
 敗戦後の日本では食料をはじめあらゆる物資が不足し、法外な値を付けた取引もあった。本紙社説はそのような自分本位の姿勢を戒め、国民の団結を呼びかけた。
 コロナとの戦いも、国民の団結が大切である。
 「3密」を回避する、人との接触機会を減らす、手洗いなど感染予防を徹底する。緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置の対象地域でなくても、これらはコロナを抑え込む基本である。

 コロナへの慣れや自粛疲れはあるだろう。だが、国民が倦(う)まずにコロナ対策の基本に取り組まなければ、ワクチンが行き渡らない今、変異株、従来株が広がるばかりである。不用心かつ自分本位の行いは慎みたい。
 敗戦からの昭和日本の復興は奇跡といわれた。
 それができた国民にコロナ禍を克服できないわけがない。
 昭和の日は、昭和天皇の誕生日にちなんでいる。今年は明治34年のご生誕から120年の節目に当たる。
 祝日法で昭和の日は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日とされている。
 敗戦と復興という昭和の苦難の歩みを思い、令和に生きる私たちはコロナ禍を克服して日本の未来を拓(ひら)いていきたい。

【独自】陸上イージス代替艦、波の揺れ少ない「多胴船型」を検討(読売N)


政府が導入を断念した地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の代替艦として建造を計画する「イージス・システム搭載艦」を巡り、複数の胴体を組み合わせた「多胴船型」を検討していることがわかった。近く、設計に関する調査研究を民間企業に委託する方針だ。

 多胴船は、主に双胴船型と三胴船型に分類される。複数の船体が並んで上部構造物を支える形になるため、通常の「単胴船型」と比べて波の影響を受けにくい。代替艦の主任務はミサイルの警戒・迎撃で、波による揺れが少ない構造は、迎撃ミサイル発射に適しているというメリットがある。また、甲板を広く取れ、大型装備品の搭載も可能になる。
 ただ、海上自衛隊での導入実績が少ないことなどから、単胴船型と比べて建造費がかさむことが想定され、2隻で約5000億円超と見積もる代替艦の導入コストが膨らむ可能性がある。
 海自の艦船では、対潜水艦の警戒任務を担う音響測定艦が双胴船型で、三胴船型は米海軍の沿海域戦闘艦(LCS)で採用されている。

吉田外務報道官 処理水放出 中国報道官のやゆ投稿を批判(NHK)


福島第一原発のトリチウムなどを含む処理水の放出方針をやゆするイラストを中国外務省の報道官がツイッターに投稿したことについて、外務省の吉田外務報道官は「極めて遺憾で残念な言動だ」と批判しました。
東京電力福島第一原子力発電所のトリチウムなどの放射性物質を含む処理水を国の基準を下回る濃度に薄めて海に放出する方針を政府が決めたことをめぐって、中国外務省の趙立堅報道官は、葛飾北斎の浮世絵をまねて、これをやゆするイラストをツイッターに投稿しました。
外務省の吉田朋之外務報道官は、記者会見で「国際社会に高い透明性を持って積極的に対応してきた日本側の真摯(しんし)な努力に対し、何ら科学的な根拠にも基づかず一方的かつ感情的にあおるもので極めて遺憾だ」と述べました。
そのうえで「世界に冠たる大国である中国のしかるべき立場にある人として果たして国際社会がどのように見ると思っているのか。どういう反応があろうと高い透明性を持って説明を行い、こうした残念な言動に対してはしっかり反論していきたい」と述べました。

中国の報道官 日本政府の削除要請に応じない考え
趙報道官のツイッター投稿に対し、日本政府は外交ルートを通じて中国側に厳重に抗議し、削除を求めています。
趙報道官は、28日の記者会見で「日本は、予算をけちろうと、一方的に海に放出する決定をしており、極めて無責任だ」と述べ、日本政府の決定を重ねて批判しました。
そして、日本側の削除要請に応じるかどうかについて「すでにこのツイートを、みずからのアカウントでトップに表示されるように設定した」と述べ、応じない考えを示しました。
そのうえで、このイラストは中国の若いイラストレーターの作品だと説明し「正しい民意と正義の声を反映したものであり、日本政府のほうが間違った決定を削除して、謝罪すべきだ」と逆に反論しました。

防衛相 カナダ国防相と会談 中国「海警法」への懸念を共有(NHK)


岸防衛大臣は、カナダのサージャン国防相とオンラインで会談し、中国が海警局に武器の使用を認めた「海警法」への懸念を共有し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、引き続き防衛協力を進めていくことを確認しました。

会談で、岸防衛大臣とカナダのサージャン国防相は、東シナ海や南シナ海で海洋進出を強める中国を念頭に、力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対することで一致しました。
そして、中国が海警局に武器の使用を認めた「海警法」への深刻な懸念を共有したうえで、法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、引き続き防衛協力を進めていくことを確認しました。
会談では、北朝鮮情勢をめぐっても意見が交わされ、大量破壊兵器や弾道ミサイルの完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄の実現や、関係船舶が制裁に違反して洋上で物資を積み替える、いわゆる「瀬取り」への対処で連携していくことも改めて確認しました。

【主張】ASEANの仲介 国軍に遠慮が過ぎないか(産経:社説)


 東南アジア諸国連合(ASEAN)がミャンマー問題を議論する特別首脳会議を開催し、暴力の即時停止や全当事者による対話の開始、特使派遣などで合意した。
 開催を呼びかけたインドネシアのジョコ大統領らとともに、ミャンマーは、クーデターを起こした国軍のミン・アウン・フライン総司令官が出席した。
 ミャンマー国軍は首脳会議での合意を受け入れ、群衆への無差別攻撃ともいえる激しい弾圧をただちにやめなければならない。
 「内政不干渉」と「コンセンサスによる意思決定」が看板のASEANが加盟国の政治問題解決に踏み出したことは評価できる。
 ミャンマーの混乱は地域の不安定化につながる恐れがある。事態収拾に向け、地域機構として積極的役割を担うべきだ。
 首脳会議の議長声明は、暴力やその犠牲者について「深い懸念」を表明した。だが、問題は国軍が民主体制から力ずくで権力を奪取したことであり、この点に触れなかったのは極めて物足りない。
 国軍は、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)の2期目の政権発足を前に、スー・チー氏らを拘束した。
 対話により問題解決を目指すというのなら、当事者が国軍とNLDであることを明示し、その前提としてスー・チー氏らの解放を要求すべきである。

 本来は会議にNLDの代表も招くべきだった。ミャンマーの代表として出席した国軍総司令官に対し、一連の行動について厳しく問いただしたのか。国軍に遠慮した印象は否めない。
 総司令官がASEAN首脳会議出席を権力の正当化に利用する可能性もある。国軍の言い分を追認することになっては、むしろ逆効果である。
 スー・チー氏は新型コロナウイルス対策を怠った自然災害管理法違反などで訴追されている。支持者が作った「挙国一致政府(NUG)」は非合法化された。対話を入り口で拒否する態度であり、改めさせねばならない。
 国際社会の関与として、対話を促すのは一つの方法だ。先進7カ国(G7)や国連が圧力を強めれば、ミャンマーがよりどころとするASEANの存在感は増し、仲介の困難は少なくなる。日本はこれら別々のアプローチの調整役の役割も果たすべきだ。

中国空母「遼寧」東シナ海へ北上 防衛省、沖縄通過で警戒(産経N)


防衛省統合幕僚監部は27日、中国海軍の空母「遼寧」など計6隻の艦艇が、太平洋から沖縄本島と宮古島の間を北上し、東シナ海に向かったのを確認したと発表した。6隻は今月初めに、同じ海域を南下していた。同省は東シナ海で中国の動向を警戒している。

 防衛省によると、6隻が26日夜、宮古島の南約160キロを北東に進むのを確認。海上自衛隊の護衛艦やP3C哨戒機が監視に当たった。
 27日午前には、遼寧から早期警戒ヘリコプター1機が発艦。尖閣諸島(沖縄県石垣市)大正島周辺の領空から北東に50~100キロの付近まで接近したため、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)して対応した。日本領海への侵入や、自衛隊の艦艇、航空機に対する危険な行為はなかった。

中国、日本の外交青書に反発 「内政干渉、断固反対」(時事N)


 【北京時事】中国外務省の汪文斌副報道局長は27日の記者会見で、日本政府の2021年版外交青書について「中国の脅威をわざと誇張し、悪意の攻撃と中傷を行い、中国の内政に不当に干渉した。断固反対だ」と強く反発した。その上で外交ルートを通じ日本側に抗議したと述べた。

中国海洋進出「安保上の懸念」 危機感反映、表現強める―外交青書
 21年版外交青書は、沖縄県・尖閣諸島周辺での中国海警船の活動を「国際法違反」と初めて指摘。これに対し汪氏は、「中国海警局が釣魚島(尖閣諸島の中国名)海域を巡航し法を執行する活動は、自国固有の権利の行使だ」と従来の主張を繰り返した。

「中国海警局の領海侵入は国際法違反」外交青書に初めて明記(NHKニュース)


外務省は、ことしの外交青書をまとめ、中国による海洋進出などについて「安全保障上の強い懸念」と危機感を示したうえで、沖縄県の尖閣諸島周辺で中国海警局の船が領海侵入を繰り返していることなどを「国際法違反」と初めて明記しました。
外交青書は、昭和32年から毎年発行されている日本外交の方針や国際情勢をまとめた文書で、27日の閣議で報告されました。
この中では、日中関係を引き続き「最も重要な二国間関係の一つ」とする一方、中国による海洋進出や軍事力の拡大について「日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念」と危機感を示し、去年使っていた「地域・国際社会共通の懸念事項」という記述よりも表現を強めています。
そのうえで、沖縄県の尖閣諸島周辺で中国海警局の船が領海侵入を繰り返していることなどを「国際法違反」と初めて明記し、中国が海警局に武器の使用を認めた「海警法」の施行を批判しています。
さらに、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に関する記述を大幅に増やして懸念を強調しています。
また、韓国については、去年と同じく「重要な隣国」とする一方、慰安婦問題をめぐることし1月の韓国裁判所の判決は、厳しい状況にある両国関係をさらに深刻化させるものだとして適切な措置を求めています。
北朝鮮については、日米韓3か国で連携して非核化を目指すとともに、拉致問題の早期解決に向けて全力を尽くすとしています。

韓国外務省が抗議
日本の外交青書について、韓国外務省は報道官の論評を出し、慰安婦問題に関する記述に関連し「この問題は世界で類を見ない、紛争下の女性の人権じゅうりんで、普遍的な人権侵害の問題だ」としています。
そのうえで「日本政府が1993年の河野談話や2015年の両国の合意などで表明した責任の痛感と謝罪、反省の精神に一致する行動を示すことを強く要求する」としています。
また、韓国が「トクト(独島)」と呼んで領有権を主張している島根県の竹島について「日本固有の領土である」と明記されたことに強く抗議するとし「いかなる挑発に対しても断固として対応していく」としています。
さらに外交青書の記述をめぐって、韓国外務省はソウルにある日本大使館の相馬 総括公使を呼んで抗議し、これに対して相馬総括公使は日本の立場を説明し、抗議は受け入れられないと応じたということです。

ワクチン大規模接種 東京の会場は自衛隊が設置と運営を 菅首相(NHKニュース)


新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるため、菅総理大臣は、東京と大阪に国が開設する大規模な接種会場のうち、東京の会場について、自衛隊が設置と運営にあたるよう岸防衛大臣に指示しました。

来月24日を目標に設置し、3か月間、医師や看護師の資格を持つ自衛隊員が接種を行う方針です。
政府は、新型コロナウイルスのワクチン接種を加速するため、東京 大手町と大阪の中心街に大規模な接種会場を開設し、1日当たり1万人の接種が行えるよう、5月中にも運営を始める方針です。
これについて菅総理大臣は、閣議のあと岸防衛大臣と会談し、東京 大手町の会場について自衛隊が設置と運営にあたり、来月24日を目標に設置し、3か月間、運営するよう指示しました。
接種は、医師や看護師の資格を持つ自衛隊員が行う方針で、大阪の会場についても、自衛隊が設置や運営などの支援を行うことで、今後、具体的な調整を進めるということです。
岸防衛大臣は、閣議のあと記者団に対し「菅総理大臣から『防衛省・自衛隊は、わが国最後のとりでであり、国家の危機管理上、重大な課題に対して、役割を十分に果たしてもらいたい』と指示を受けた。きょう午後、省内で会議を行って必要な準備を速やかに進め、早期に運営すべく詳細を詰めていく」と述べました。

河野規制改革相「接種のスピードあげることは非常に重要」
河野規制改革担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「首都圏には多くの高齢者が住んでいて、ワクチン接種のスピードをあげることは非常に重要だ。大阪でも、適切な支援を検討するよう指示があったので、防衛省としっかり調整したい」と述べました。

加藤官房長官「国としても強力に後押し」
加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「菅総理大臣から岸防衛大臣に対し、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県におけるワクチン接種を国としても強力に後押しするべく、自衛隊の医官や看護官などを活用した大規模接種センターを東京都に設置し、同様に人口が集中し、感染拡大が顕著である大阪府を中心とする地域を対象として適切な支援も行うよう指示があった。これ以外の地域は現在、想定していない」と述べました。
そのうえで、記者団が「他県から東京に移動する際の感染リスクはないのか」と質問したのに対し「予防接種の意義は大変重要で、そうしたことを踏まえつつ、感染防止等に十分配慮しながら実施していきたい」と述べました。

自民 二階幹事長「大いに期待 見守っていきたい」
自民党の二階幹事長は、記者会見で「政府は、できる範囲で懸命に努力している。しっかりやってもらいたいし、大いに期待して見守っていきたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「なぜ東京と大阪だけ国が主導」
立憲民主党の安住国会対策委員長は、会派の代議士会で「なぜ東京と大阪だけ国が主導するのか。まさか東京都議会議員選挙に向けた対策ではないか。パフォーマンスはもうやめてほしい。ワクチン接種は効率的に根拠を持って対応するのが政府の責任で、今後、厳しく追及していく」と述べました。

公明 山口代表「接種スピード促進に期待」
公明党の山口代表は、記者会見で「自治体の負担を軽くする効果や接種スピードの促進が期待できる。一方で、会場へのアクセスの円滑性をどう確保するかが課題になり、政府は混乱を招かないような、わかりやすい説明と利便性の提供に努めてもらいたい」と述べました。

【主張】日独2プラス2 対中抑止で一層の連携を(産経:社説)


中国の覇権主義的行動を抑止していくために、欧州で中核的地位を占めるドイツと協調を深めていきたい。
 日独両政府が、初の外務・防衛閣僚会合(2プラス2)をテレビ会議方式で開いた。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、両国が緊密に連携していくと合意したことを評価したい。
 ドイツ側から今夏、海軍のフリゲート艦をインド太平洋地域へ派遣すると説明があり、日本側はドイツの同地域への関与強化だとして歓迎した。独フリゲート艦と海上自衛隊による共同訓練実施の調整を進めることになった。
 両政府は中国を念頭に、南シナ海などでの力による現状変更の試みに深刻な懸念を表明した。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していく重要性も確認した。
 ドイツは昨年9月、新外交方針をまとめ、インド太平洋地域で日本やオーストラリアと連携していくと打ち出した。海外領土を持たないドイツがフリゲート艦を派遣するのは、対中国政策をめぐって国際社会の中で発言権を高める狙いもある。
 ただし、メルケル独政権が今までの対中傾斜を完全に改めたとまでは言い切れない。外交筋によれば、派遣フリゲート艦が「友好親善」の名目で中国にも寄港する可能性がある。このような寄港が行われるとすれば望ましくない。

 ドイツにとって中国は最大の貿易相手国で、多くのドイツ企業が収益をあげている。メルケル首相は2005年の就任以来、15年間で12回訪中し、中国との経済関係を深めてきた。香港や新疆ウイグル自治区における人権弾圧などを受け、中国寄りの外交姿勢を軌道修正しつつあるが、中国にも笑顔をふりまくようでは困る。
 日本は、2プラス2会合などを重ね、ドイツを対中抑止を図る仲間にしていくことが必要だ。
 日独関係には韓国の反日行為が影を落としている。
 韓国系団体が首都ベルリンの公有地に慰安婦像を設置し、独ザクセン州ドレスデンの州立博物館などでも展示されている。日本政府は、歴史を捏造(ねつぞう)して日本を貶(おとし)める慰安婦像の不当性をドイツ側に繰り返し説くべきだ。ドイツ政府は良好な日独関係のためにも、歴史の真実のためにも、慰安婦像の撤去に動くべきだ。

「採択の特例」は絵に描いた餅 教育研究者・藤岡信勝(産経:正論)


 ≪「過度な不利益」を回避≫
 平成28年度から導入された、教科書検定における「一発不合格」制度は、一切の交渉の余地なく、年度内に合格する道が絶たれる過酷な制度である。翌年度の採択レースに参入できなければ、自動的に採択数はゼロとなる。教科書会社にとっては死活問題である。
 文部科学省もその過酷さをよく心得ており、制度導入を検討した教科書検定審議会の前年7月23日の「報告」には、「教科書発行者の過度な不利益を回避するため」として、「翌年度に再申請を行い合格した図書については、都道府県教育委員会が調査を行い、市町村教育委員会等が必要に応じて採択替えを行うことができるようにすることが適当である」と書かれていた。
 令和元年度検定で「一発不合格」を食らった自由社の中学校歴史教科書は、「翌年度に再申請を行い合格した図書」に該当する。右の引用文にある「採択替え」とは、誤解されやすいが、実際にA社をB社に「替える」ことではなく、仕切り直して検討するという意味である。その結果、引き続きA社を選んでも何ら問題はない。各種団体の「役員改選」と語感は似ている。役員が全員再任されても「改選」と言う。
 一般に採択替えは4年ごとに行われる。一度採択替えで選ばれた教科書は、4年間同じものを採択し続けることが法令で義務づけられている。この縛りを一時的に解いて「採択の特例」とした。その際、自由社のみならず他社も改めて検討の対象となる。つまり、新制度では採択替えが全国一斉に行われると解釈するのが普通の人間の感覚である。自由社も1年遅れで検討対象の資格を与えられると期待する。ところが、その期待は見事に裏切られる。

 ≪調査すらしなくてもいい≫
 新制度では、都道府県教委が1年遅れで合格した教科書を調査し、調査表をつくり、採択区の教育委員会に送る。ここまでは疑問の余地がなく、何の問題もない。
 調査表を受け取った採択区の教育委員会はどうするか。「採択替えを行うことができる」と書かれている。「できる」規定だから、「行ってもいいが、行わなくてもいい」という意味になる。いい加減(かげん)な話だ。採択区の教育委員会の側から見ると、文科省の決めた新制度のもとで、次の3つの選択肢があることになる。
 (1)採択替えの事務自体をしない。
 (2)採択替えの事務はするが、1年前に選んだ教科書を引き続き採択する。
 (3)採択替えの事務をし、結果として自由社(あるいは第三の教科書)を採択する。
 ここでの問題は、(1)が許されていることである。その結果、無数の不都合が起こる。
 第1に、採択替えの事務自体をしなくていいのなら、好き好んで資金と労力を費やし採択替えの事務をする教育委員会が果たしてどのくらいあるだろうか。甚だ疑問である。
 第2に、この制度のもとでは、他社の教科書は全て1度は調査の対象となって調査表がつくられるのに比し、自由社は調査すらしなくてもよいことになる。これは甚だしい不公平である。
 第3に、教科書の調査もせずに、教育委員会はどうして採択替えの事務をするかどうかを決めることができるのか。どんな判断をするにせよ、調査しなければ判断の根拠がないではないか。行政の恣意(しい)か、それとも世間の風評を根拠にするのだろうか。

 ≪今こそ公平な行政を≫
 第4に、都道府県教委の資料を基にすれば判断できると文科省は言うかもしれない。だが、その論理でいけば、県下の全採択区が同一の行動になるはずだが、そんなことは考えられない。県教委の調査表は指導・助言・援助にとどまり、採択区の教育委員会は自立して決定する権能を有する。
 第5に、自由社の立場からみると、見本本を送っても調査さえされない可能性が高いなら、何のために無駄な資金を投じ、面倒な作業をするのかということになる。かといって、見本本を送らなければ、調査しない口実にされる。ダブルバインド状態だ。これでは、「過度な不利益」の回避どころか、さらに不利益を増大させる懲罰的規定であるとさえ言わねばならない。いずれにせよ「採択の特例」は絵に描いた餅にすぎない。
 文科省は検定期間中の情報漏洩(ろうえい)があれば合格を取り消す旨の罰則規定を急いでつくり、2月15日に前倒しして発効させ、その上で2月17日に自由社に合格の内示を出した。こうして3月末まで公表できないよう口を封じ、搬送業者と相談することさえ禁止したので、自由社は多大な困難を経験した。
 とはいえ、各地の教育委員会が採択替えの事務をすることを妨げられてはいない。全国の教育委員会に訴えたい。行政の公平性の観点から、自由社の歴史教科書を調査していただきたい。正義を貫く教育委員会が一つでも多く出現することを期待する。(ふじおか のぶかつ

ASEAN ミャンマー軍を抑えられるか(読売:社説)


ミャンマー軍の国民に対する暴挙の停止につなげることが重要だ。東南アジア諸国連合(ASEAN)は特使派遣などを通じて、事態収拾の取り組みを強化すべきである。

 ASEANがミャンマー情勢に関する特別首脳会議をインドネシアで開き、暴力の即時停止と最大限の自制、平和的解決に向けた全当事者による対話の開始を求める議長声明を発表した。
 会議には、2月にクーデターを強行したミャンマー軍の最高司令官も出席した。国際社会が軍のトップに直接自制を促す機会となったのは一歩前進と言えるが、対応の遅れは否めない。
 軍や警察の発砲などによる死者はすでに700人を超えた。政権から追いやられたアウン・サン・スー・チー氏ら民主派勢力に対する拘束や弾圧が続いている。国民の抵抗運動と米欧の制裁により、経済はまひ状態に陥っている。

 「内政不干渉」を掲げるASEANが、問題の平和的解決に向けて積極的に動き出したのは、地域を揺るがす危機に対処できなければ、存在意義が問われるという懸念が高じたからだろう。
 だが、今回の議長声明で軍の行動が実際に変わるかどうかについては疑問が残る。声明は、混迷を生んだ軍の責任には言及せず、暴力の停止を求める対象を明記していない。軍に対する民主派解放の要求も盛り込まれなかった。
 軍の最高司令官は首脳会議で、統治の正当性を強調したという。外遊できるほど権力を完全に掌握し、ASEANでも認知されていると、国内外に誇示する狙いがあったのではないか。
 民主派は、軍による統治の正当性を認めず、民政復帰を要求している。ASEANは首脳会議に民主派を招かなかったことで、軽視しているとの批判は免れない。
 議長声明では、ASEAN特使がミャンマーを訪問して全ての当事者と会い、対話を仲介するとしている。だが、軍は民主派主体の「国民統一政府」を非合法化し、対話に応じる可能性は低い。
 特使は早急に現地入りし、軍にスー・チー氏らの解放と弾圧停止を促すべきだ。強い態度で臨まなければ、仲介者としての信頼を得ることも期待できまい。
 民主派が少数民族の武装勢力と連携して軍に対抗した場合は、深刻な内戦と人道危機に陥る可能性が高い。欧米や日本はASEANを支援し、中国やロシアも巻き込みながら、問題解決に向けて関与を強める必要がある。

英 最新鋭空母をインド太平洋地域派遣へ「日本と共同演習も」(NHK)


イギリス政府は最新鋭の空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群をインド太平洋地域に派遣し、日本、インド、韓国などに寄港すると発表しました。中国の急速な台頭で米中の対立が深まるなか、イギリスとしてもこの地域への関与を強めるねらいがあるとみられます。

イギリスのウォレス国防相は26日、議会で最新鋭の空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群を各国に派遣する計画について説明しました。
それによりますと、部隊は5月からおよそ7か月をかけて地中海からインド洋、太平洋へと航海して40か国以上を訪問し、インド太平洋地域では日本、インド、韓国、シンガポールなどに寄港する計画だということです。
ウォレス国防相は日本などへの寄港について「政治的な結び付きを強めることにもつながる」とする一方、中国に関しては「みずからの主張を強めているが、今回の派遣は中国に対抗するものではない」と述べました。
イギリスは3月公表した外交・安全保障の新たな方針でインド太平洋地域を重視する姿勢を示していて、空母の派遣には中国の急速な台頭で米中の対立が深まるなか、イギリスとしてもこの地域への関与を強めるねらいがあるとみられます。

イギリス海軍高官「インド太平洋地域 地政学的な重要性を増す」
イギリス海軍のイアン・ロウアー参謀長補佐はNHKのインタビューに対し「インド太平洋地域は地政学的な重要性を増していて、この地域には日本のような強力なパートナーもいる。クイーン・エリザベスの初めての派遣として自然な選択だ」と述べました。
そして「イギリスと日本は志を同じくする開かれた海洋貿易国だ。単に日本を訪問するだけでなく共同演習も行う」として、自衛隊と共同演習を実施し日本との安全保障上の連携を強化したいという考えを示しました。
また、中国をめぐっては「今回の空母の派遣は対立をあおるものではない。国際法にのっとったもので国益にかなうものだ」と述べました。
クイーン・エリザベスを中心とする空母打撃群の要員は3000人を超えるということで、派遣にあたってはワクチンの接種や感染防止のためのマスクの着用、定期的な検査の実施など感染対策を徹底するとしています。

中国 尖閣諸島の地形図公表 中国側主張の地名記す 日本は抗議(NHK)


中国政府は、沖縄県の尖閣諸島について、最新の衛星画像などに基づいて作成したとする地形図をホームページ上で公表しました。中国は尖閣諸島を「自国の領土だ」と主張していて、今回の地形図作成もそうした主張をアピールするねらいがあるものとみられます。
中国の自然資源省は26日、沖縄県の尖閣諸島のうち、魚釣島、北小島、南小島の3つの島について、周辺の浅瀬を含めた地形図など合わせて9枚の画像をホームページ上で公表しました。
地形図には、島にある丘陵の標高などのデータとともに中国側が主張する地名が記されていて「長年の歴史的な調査や、最新の高解像度の衛星画像などに基づいて作成した」と説明しています。
そのうえで、この調査について「基礎的な地理データを整備するとともに、島の資源管理と生態環境の保護にとって重要な意義がある」としています。
中国は尖閣諸島を「自国の領土だ」と主張していて、周辺での公船の活動を活発化させており、今回の地形図の公表もそうした主張をアピールするねらいがあるものとみられます。

外務省 中国政府に抗議
外務省は、中国がホームページ上で公表した文書に中国側の独自の主張に基づく記述が含まれているなどとして、東京と北京の外交ルートを通じて中国政府に抗議しました。

トランプ氏、文在寅大統領を「弱い指導者」と批判(産経N)


トランプ前米大統領は23日、声明を発表し、韓国の文在寅大統領を「指導者としても交渉人としても弱い」と批判した。自身と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との良好な関係を誇示した上で、文氏が金氏から「全く敬意を持たれていなかった」と主張した。
 声明でトランプ氏は、金氏とは「最も困難な状況下で知り合った(そして好きになった)」と説明。対照的に文氏に関しては、トランプ氏が要求した在韓米軍の駐留経費増額交渉以外では弱腰だったと非難した。バイデン政権が十分な駐留経費増額を求めていないと不満も示した。
 声明を出した意図は不明。文氏は最近、米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューでトランプ氏の北朝鮮政策が失敗に終わったと批判しており、その意趣返しの可能性もある。(共同)

【主張】日本学術会議 反省なき組織に未来ない(産経:社説)


日本学術会議が総会を開き、昨年秋に菅義偉首相が、学術会議推薦の候補のうち会員に任命することを見送った6人について、即時任命を要求する声明を出した。

 政府の要請で検討してきた組織改革をめぐっては、首相所轄の「特別の機関」である現行形態のままが望ましいとする報告書をまとめた。いずれも井上信治科学技術担当相に提出した。
 6人の任命ばかりに固執し、自らのありようにはきちんとした反省を示さない学術会議について、国民に尽くす未来を思い描くことは難しい。
 そのうえ、学術会議は、最も深刻な問題である「軍事忌避」体質を改めようという姿勢を示さなかった。このような組織を国民の税金で養う必要があるのかとさえ思ってしまう。
 学術会議は法律で設置され、税金で運営されている。会員は特別職国家公務員だ。国政選挙や国会の首相指名選挙を経て就任し、学術会議を所管する首相が任命権を行使するのは当然だ。学術会議の反発は民主主義的コントロールを拒むもので筋が通らない。
 6人の任命にこだわるべきではない。学術会議は、日本を繰り返し緊急事態宣言に追い込んだ新型コロナの問題を討議し、抜本的対策を提言していけばどうか。

 自民党のプロジェクトチームは学術会議を国の機関ではなく、独立した法人格を持つ組織へ改組するよう提言した。これに対し、学術会議の報告書は、特殊法人化も検討対象に含めたものの、今の形態を変更する積極的理由はないと記した。自己改革するつもりがないとしか思えない。
 学術会議が抱える根本問題は、国民を守る自衛隊の抑止力の向上を妨げてきたことだ。平成29年の声明で、軍事科学研究を「絶対に行わない」とした過去の声明の継承を宣言した。これにより、防衛省予算で軍民両用技術研究を助成する「安全保障技術研究推進制度」への大学、研究機関の応募が激減した。研究者の学問・研究の自由を脅かすものでもある。その異常性を自覚すべきだ。
 軍事忌避を学術会議が続ければ日本を侵略したり、威嚇したりしようという悪意を持つ国の政府、軍が喜ぶばかりだ。学術会議は長年にわたる軍事忌避という反国民的姿勢を猛省し、直ちに改めてほしい。

処理水海洋放出 国際社会に安全性を訴えよ(読売:社説)


 東京電力福島第一原子力発電所に貯蔵されている処理水の放出は、国際的に認められた方法で行われる。対外発信を強化し、国際社会に妥当性を訴える必要がある。
 放出が決まった処理水は、福島第一原発の溶融燃料に触れた地下水を浄化処理したものだ。微量の放射性物質トリチウムが含まれており、現在、1000基のタンクに貯蔵されている。
 トリチウムは放出基準を大きく上回らない限り、環境や人体に影響は及ぼさない。海洋放出は現在、世界中の原発で行われている。
 国際原子力機関(IAEA)や日本の原子力規制委員会も認めている処分方法で、海洋放出の決定は妥当な判断である。
 大量の水の中にあるトリチウムを除去するのは技術的に困難だ。タンクが満杯になりつつあることも考慮すれば、これ以上、保管を続けるのは現実的ではない。
 ところが、中国は日本の決定に「強い不満」を表明した。韓国も「容認できない」と批判し、国際海洋法裁判所への提訴も示唆している。中韓両国ともトリチウムを含む水を海洋放出している。不合理な主張だというほかない。

 もともとトリチウムは自然界にも存在する物質で、放射線は弱い。さらに、政府は風評被害を懸念して、放出基準値の40分の1まで希釈して放出する計画だ。世界保健機関(WHO)の飲料水基準より低いレベルとなる。
 こうした点を無視し、いたずらに敵対的な感情をあおる言動には、日本政府は毅然きぜんと対応してほしい。中韓など15か国・地域は、処理水問題以前から日本の海産物の輸入規制を続けている。粘り強く撤廃を求めることが大切だ。
 トリチウムの性質や放出方法は、国内でも十分に理解されているとは言い難い。背景には原発事故の処理を巡る政府や東電への国民の不信があるのではないか。
 政府は、基準値内のトリチウムが海産物に影響しないことを内外に向け丁寧に説明しなければならない。それが国内での風評被害防止にもつながるだろう。英語での情報発信も強化し、国際世論に呼びかけてもらいたい。
 海洋放出を始めるのは2年後になる。作業の信頼性や透明性を高めるため、水質監視の仕組み作りに取り組むことも重要だ。
 監視には、東電や政府だけでなく、IAEAのほか、中国や韓国にも加わってもらったらどうだろう。幅広い角度から処理水の安全性を確認する体制を整えたい。

中国海警局の船4隻 尖閣沖の領海一時侵入 海上保安本部が監視(NHK)


25日、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国海警局の船4隻がおよそ1時間半にわたって日本の領海に侵入し、海上保安本部が再び領海に入らないよう監視を続けています。

第11管区海上保安本部によりますと、尖閣諸島の魚釣島の沖合で、中国海警局の船4隻が、25日午前10時すぎから相次いで日本の領海に侵入しました。
4隻は、およそ1時間半にわたって領海内を航行したあと、いずれも正午前後までには領海から出ました。
4隻は、午後0時10分現在、尖閣諸島の沖合の接続水域を航行していて、海上保安本部が再び領海に入らないよう監視を続けています。

中国海軍 初の大型強襲揚陸艦など3隻就役 海軍力の増強を誇示(NHK)


中国海軍の新たな軍艦が就役する式典が、習近平国家主席も出席して、南シナ海に面する南部・海南島で行われました。中国軍で初めてとなる大型の強襲揚陸艦など合わせて3隻が一度に就役し、海軍力の急速な増強を誇示した形です。
国営の中国中央テレビは、南部・海南島三亜にある軍港で23日、3隻の軍艦が就役する式典が、習近平国家主席も出席して、行われたと伝えました。

式典で習主席は艦長らに軍旗などを手渡した後、艦内を視察したということです。
中国共産党系のメディア、「環球時報」によりますと、就役したのは中国軍で初めてとなる大型の強襲揚陸艦、大型の駆逐艦、そして、最新鋭の原子力潜水艦の3隻で、いずれも周辺国と領有権の争いがある南シナ海の海域を管轄する艦隊に配備されたということです。
「海洋強国」を目指す中国は、3隻の主力艦を同時に配備することで、海軍力の急速な増強を内外に誇示した形で、南シナ海や台湾周辺などでの活動を一層活発化させていくとみられます。

中国、海警に続き海事局の権限強化へ(産経N)


【北京=三塚聖平】中国が、領海の管理強化に向けて「海上交通安全法」の改正作業を進めている。中国の海事当局が「脅威」があると判断した外国船に、領海からの退去を求めることを可能とする内容だ。尖閣諸島(沖縄県石垣市)における中国公船の活動強化につながる恐れもあり、2月に施行された「海警法」に続き影響が懸念される。
 中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)は、26~29日に北京で開く常務委員会の会議で海上交通安全法改正草案などを審議する。同草案は、昨年12月に審議が始まっており、年内にも施行される可能性がある。
 法改正により、交通運輸省の傘下にある海事局の権限が強化される。

 国連海洋法条約によって、外国籍の船舶は平和や秩序を乱さない無害通航であれば、事前通告なしで他国の領海を通過できるが、草案では外国船が「中国の領海の安全を脅かす」可能性があれば、海事管理機関が退去を命じる権利があると明記した。1984年に施行された現行法では、「港の安全に脅威があるとき」に港を離れるよう命じる権利があると定めており、この権限を領海にまで拡大した形だ。
 中国は、海上警備を担う海警局(海警)に武器使用を認めた「海警法」を2月に施行した。独自の領有権主張を展開する東・南シナ海での海警の活動を正当化する狙いが指摘される。
 海事局は、主に海上の交通管理や汚染防止などを担っているが、海上交通安全法改正を海警と連携して尖閣周辺などで活動を活発化させる根拠とすることが想定される。昨年12月に全人代常務委で改正草案が審議された際には、「海上交通管理の強化や、国家海洋権益の確保のため、有力な法律の支えを提供する」と強調している。
 海事局は体制の強化も進めており、中国メディアによると初の1万トン級巡視船「海巡09」が今年半ばに南部・広東省で配備される。

【主張】気候変動サミット 倍加した脱炭素目標は重い(産経:社説)


■いつまで原発から逃げるのか
 バイデン米大統領が盟主となり、世界の40カ国・地域の首脳に参加を呼び掛けたオンライン「気候変動サミット」が22、23の両日にわたって開かれた。
 地球温暖化防止を目指す「パリ協定」の目標実現に向けて、米国やカナダなどから2030年時点における温室効果ガス(大部分が二酸化炭素)の排出削減目標の引き上げや、排出を実質ゼロにする時期の前倒し計画が示された。
 菅義偉首相は46%(2013年度比)という日本の削減目標を提示した。従前の26%減でさえ困難視されていたのに、その2倍に近い目標値である。ものづくり日本を支える産業界には試練の季節の到来だ。

 ≪裏付け乏しい46%削減≫
 16日の菅氏とバイデン氏の会談で結ばれたパートナーシップを尊重するあまり、米国の50~52%減(2005年比)に近づけようとしたのなら、あまりに無謀、無分別ではないか。サミットを前に欧州連合(EU)は55%以上減、英国は35年までに78%減という目標値を打ち出していたが、ともに高い数値を算出できる1990年比の削減率なのだ。
 70年代から省エネに取り組んでいた日本は削減率の高低を気にすべきでなかったが、政権内には欧米に対する「見劣り」を嫌う意見があったというのは残念だ。
 11月には英国で国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開かれる。菅氏が示した46%削減は、パリ協定の30年目標を5年ごとに見直すルールに沿ってCOPで報告する国別削減目標(NDC)に他ならない。
 政府は今夏の次期「エネルギー基本計画」の改定後にCOP26に向けて、現行の26%への確実な上積みを行う計画だったが、バイデン政権による米国のパリ協定復帰で拙速を余儀なくされたのだ。
 脱炭素は世界の潮流となっているものの、二酸化炭素の排出削減は、国の経済や国民の暮らしと深く関わる重大な政策要件である。それがムードで決められたとすれば背筋が寒くなる。
 NDCは、削減策の内訳について妥当性が問われる。政府はしっかり説明できるのか。水素やアンモニアを燃料の一部にしても削減量は多くない。
 再生可能エネルギーでは洋上風力発電が有力視されているが、短期間での主力化は難しい。太陽光発電は、すでに立地で摩擦を起こしている。
 残された9年間で46%減に近づけるには福島事故以来、停止を続けている原発の再稼働以外に選択肢は見当たらない。しかし、政府から原子力の積極利用の声は聞こえてこない。政治はいつまで原子力発電から逃げ続けるつもりなのか。30年目標の大幅引き上げを機として、原発活用の検討に向き合ってもらいたい。

 ≪活路は高温ガス炉だ≫
 今回の気候変動サミットには、世界最多の二酸化炭素排出国である中国に削減の国際協調を促す目的もあった。習近平国家主席の参加を引き出したのは、成果のひとつである。
 習氏は「石炭の消費量を30年にかけて減じていく」と表明した。この発言は原発の大増設を意味している。30年には発電総量で米国を抜いて世界一の原発大国に躍進する見通しだ。
 中国の石炭火力発電は大気汚染の原因であるだけでなく、大量の石炭輸送が非効率なのだ。原子力への転換は脱炭素、脱汚染とともに豊富な安定電力で中国の経済力を一段と押し上げる。
 中国製原発の輸出にも余念がない。電気自動車や太陽光パネルの生産も伸長させている。脱炭素の気候変動対策は、世界の安全保障や覇権争いとも絡み合う。
 46%削減の表明で厳しい立場に身を置いた日本だが、実は世界をリードする切り札を持っている。日本原子力研究開発機構が開発した次世代原発・高温ガス炉の存在だ。小型モジュール炉(SMR)であるだけでなく原理上、炉心溶融事故は起き得ない。発電しながら水から水素を製造できる。
 国際的な評価が高く、今年の原産年次大会(日本原子力産業協会主催)でも海外の専門家から脱炭素のエネルギー源として期待の声が寄せられた。高温ガス炉は、50年時点の二酸化炭素の排出実質ゼロ(カーボンニュートラル=CN)と整合する。このイノベーションを発展させない手はない。

敵基地攻撃能力の保有主張 安倍氏「本気で検討を」(共同通信)


自民党の安倍晋三前首相は22日夜、東京都内で開かれた夕刊フジ主催の憲法シンポジウムに出席し、相手国の弾道ミサイル発射拠点などを攻撃する「敵基地攻撃能力」を自衛隊は保有すべきだとの意向を重ねて示した。「本気で、打撃力を抑止力として考えるべきだ。実際の手段と作戦計画も整える必要がある」と述べた。保有は合憲だとも主張した。
同時に迎撃ミサイルを軸にした自衛隊のミサイル防衛について「莫大な費用をかけているが、本当に難しい技術だ」と指摘。有事に米軍が敵基地攻撃に向かう際、自衛隊が加わらない場合が生じ得るとして「まさに日米同盟に対する大きな挑戦になる」と危惧した。

防衛省・自衛隊施設で再エネ促進、気候サミットで表明(読売新聞)


米、安保影響も訴え
岸防衛相は23日未明、オンライン形式で開かれた気候変動問題に関する首脳会議(サミット)の「閣僚級セッション」にビデオメッセージを寄せた。2021年度内に防衛省と自衛隊関連の約1000施設の半数以上に、太陽光など再生可能エネルギーを導入する方針を表明した。
岸氏は「環境への配慮と国防の活動は、必ずしも両立し得ないとは限らない」と述べ、防衛省内に省エネなどを議論する「気候変動タスクフォース」を設置する意向も示した。
一方、オースティン米国防長官は、気候変動に伴う飢餓や海面上昇などによって難民が増加したり、自然災害で米軍施設に被害が出たりする例が相次いでいると説明。その上で、「我々は共に、より安全で、より持続可能な未来を築くことができる」と述べ、各国が気候問題に協調して対処することを呼び掛けた。

都独自目標、知事が紹介
東京都の小池百合子知事は23日、米国主催の気候変動問題に関する首脳会議(サミット)にビデオメッセージを寄せ、2030年までに温室効果ガスの排出量を00年比で半減させる都独自の目標などを紹介した。
小池知事は英語で「私たちはそれぞれが持つ知恵を共有し、強みを生かしていかなければならない」と述べ、都内で販売される全ての新車の乗用車を30年までに脱ガソリン車とするなどの都の取り組みを伝えた。

「F2戦闘機接触事故は遺憾 教育徹底し再発防止図る」岸防衛相(NHKニュース)


福岡県の航空自衛隊の基地に所属するF2戦闘機、2機が山口県上空で接触した事故について、岸防衛大臣は大変遺憾だとしたうえで、隊員の教育を徹底し再発防止を図る考えを示しました。

22日、福岡県の航空自衛隊築城基地に所属するF2戦闘機、2機が山口県上空で編隊飛行中に接触し、垂直尾翼の部品の一部が山間部に落下しました。
けが人の情報は確認されておらず、パイロット2人と同乗していた航空専門誌のカメラマンにもけがはありませんでした。
岸防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「両機は築城基地に着陸しており、現時点で民間に被害は確認されていないが、このような事態が発生したことは大変遺憾だ」と述べました。
そのうえで「F2の運用において、基本的な手順をもう一度、再確認する」と述べ、隊員の教育を徹底し、事故の再発防止を図る考えを示しました。

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