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安倍氏の国葬 真心込めて故人を送れた(産経:社説)


安倍晋三元首相の国葬が執り行われた。日本の国として、功績のあった故人を、真心込めて送ることができて本当に良かった。
内外の約4200人が参列した。テレビやインターネットの中継で、多くの人々が見守った。
国葬の実施を判断し、葬儀委員長を務めた岸田文雄首相はじめ、準備や進行、警備、海外要人の接遇などに当たったすべての関係者の労苦に感謝したい。
岸田首相は弔辞で「歴史はその(在任の)長さよりも、達成した事績によってあなたを記憶する」と称(たた)え、安倍氏の業績を踏まえ国政を運営する思いを披露した。

感動を呼んだのは、安倍氏を長く支えた菅義偉前首相による友人代表の弔辞だった。
菅氏は、暗殺された伊藤博文を偲(しの)んだ山県有朋の歌を「私自身の思い」として、2度読み上げた。安倍氏の読みかけの本にペンで線を引いてあった歌だった。
「かたりあひて 尽(つく)しゝ人は 先立ちぬ 今より後の世をいかにせむ」
式場では、日本の葬儀としては異例の拍手がおこったが、中継をみていて共感した人は多かったのではないか。言葉の力が、故人を見事に送ったのである。
国葬は、式場の中だけで行われたわけではない。近くの九段坂公園はじめ、全国各地で一般向けの献花場が設けられ、多くの人々が足を運んだ。
九段坂公園で献花しようとする老若男女の列は4キロ超に及んだ。全国から集まった約2万6千人が献花したが、時間切れでかなわなかった人もいた。一般で募られた安倍氏へのデジタル献花は、50万人を突破した。
日本は国として、礼節を尊(たっと)んだといえるだろう。
ただし、国葬当日に、残念な振る舞いに及ぶ人々が少ないながら存在した。法的根拠がない、説明が不十分だ―などと反対を叫ぶ集会やデモである。高齢者の姿が目立ったが、式場近くで集団での抗議に及ぶ場面もあった。
心静かに故人を送るのが葬儀の日である。それが分からず、礼節に反して騒ぎ立てたのは情けない。国会が平成11年に、国葬の法的根拠である内閣府設置法を可決成立させたことを知らないのか。政府与党は堂々と国葬の正しさを説いてもらいたい。
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大砲は無き道理を造る器械なり 拓殖大学顧問・渡辺利夫(産経:正論)


日中国交50年に際して
ソ連崩壊にともないベラルーシ、カザフスタン、ウクライナの3国は保有核を放棄し、その代わりに米国、ロシア、英国が彼らの安全を保障するという国際合意が1994年に成立、「ブダペスト覚書」といわれる。2月以降のロシアによるウクライナ侵略はこの合意のあからさまな侵犯である。国際合意は専制主義国家の暴力的で覇権的な行動を抑止する力をもたなかったのである。
中国の香港における狼藉(ろうぜき)は「香港国家安全維持法」により正当化されてしまった。1984年に中英合意が成り、中国全人代で「香港基本法」が成立、1997年以降の50年間にわたり香港の高度自治を維持する「一国二制度」が保障されることになった。しかし、道半ばでこの国際合意は弊履(へいり)のごとくに捨て去られてしまった。
台湾は、中国が核心的利益と呼ぶところのそのまた核心だという。中国の台湾侵攻を抑止する国際的な合意はどこにも存在しない。ウクライナはロシアにより、香港は中国により、合意が存在していてもあたかも存在していないかのように振る舞われている。台湾海峡で何が起こるか。中国の専制主義的な体制と意思決定のありようを思うと身が縮む。
台湾有事は日本有事であろう。中国は尖閣諸島の領有権はみずからにあると主張、しかも尖閣諸島を台湾の付属島嶼(とうしょ)群だとしている。台湾統一は尖閣諸島の領有と「ひと繫(つな)がり」である。海警局船の領海侵入、中国海軍の軍艦や潜水艦による接続水域航行が頻繁化している。尖閣諸島は他国の支配がここに及んでいないことを確認したうえで、明治28(1895)年の閣議決定により標杭(ひょうぐい)を設置して以来、南西諸島の一部として日本の領有となった。中国が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのは、その周辺に石油が豊かに埋蔵されていることが国連機関によって報告された1970年代以降である。近年の尖閣諸島への中国の接近と侵入はあまりにも威圧的であり、一触即発の危険がある。

中国の恫喝と福澤諭吉の箴言
福澤諭吉は、明治11年の『通俗国権論』において次の箴言(しんげん)を残していた。「百巻の万国公法は数門の大砲に若(し)かず、幾冊の和親条約は一筺(いっきょう)の弾薬に若かず。大砲弾薬は以(もっ)て有る道理を主張するの備(そなえ)に非(あら)ずして無き道理を造るの器械なり」。習近平氏を仰ぐ中国共産党の振る舞いを見事に言い当てているかのごとくである。
8月初旬のペロシ米下院議長の訪台への報復として実施された中国軍の軍事演習は、海峡中間線越え飛行の急増、台湾周辺への9発の弾道ミサイル発射を含む過去最大規模のものであったという。9発のうち5発が日本の排他的経済水域に撃ち込まれた。8月4日のことであったが、日本の国家安全保障会議が開かれたのは8日後の8月12日、わずか20分であったと報道されている。
台湾海峡における中国の軍事的恫喝(どうかつ)のレベルが一段と上がり、これを既成事実として常態化させるというのが中国の狙いだと、日米の軍事専門家の何人かが語っている。今年9月29日は、昭和47(1972)年の日中共同声明の調印からちょうど50年である。いかにも手荒な国交樹立50年ではないか。
アジア太平洋の地政学を顧みて、焦点はやはり台湾の帰趨(きすう)である。台湾社会はその深層部分にいたるまで民主主義が浸透している。市場経済を原則とし、分厚い中間層を擁して人々は台湾への帰属意識を格段に強めている。台湾住民の対日感情は世界のいずれに比較しても強く、台湾に深い思いを寄せる日本人は私の周辺のマジョリティである。もう一段高いリスクに対し
米国には「台湾関係法」がある。これにもとづいて台湾有事に際して米国は台湾防衛に参戦するであろう。台湾が中国に吞(の)み込まれるのを阻止することができなければ、米国は周辺諸国により〝自由と民主主義を守る気はないのだ〟とみなされて、彼らは一挙に中国に阿(おもね)る外交政策を採用することであろう。清朝以前の「華夷秩序」体系の再現であり、「海の中華帝国」が構築される蓋然性が高い。米国がこの状態を黙認すれば、米国自身のアイデンティティ・クライシスでもあろう。
日本はどうか。平成27(2015)年に成立した平和安全法制によって、ようやく日本も同盟国との集団的自衛権行使を容認するにいたった。とはいえ大変に手の込んだ法律であり、有事においてこれが果たして即座に有効性を発揮するかどうか。少なくない懸念が私にはある。いや、私の懸念などどうでもいい。中国が日本の平和安全法制をそのようなものとみなしているとすれば、どうか。日本は排他的経済水域への弾道ミサイル発射を受けてなお平和安全法制の「事態認定」さえ行わなかった。中国による日本侵攻の、もう一段と高いリスクの既成事実を積み上げられたのではないか。
我が国人よ、日本を変えることができるのは日本人だけなのだ。(わたなべ としお)

北ミサイル発射 戦術核の脅威は放置できない(読売:社説)


北朝鮮が、既存の防衛システムでは迎撃困難な弾道ミサイルの発射実験を繰り返している。日米韓は連携し、新たな脅威に対処できる能力の整備を急がねばならない。

 北朝鮮が29日夜、日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。
 25日と28日にも弾道ミサイルが発射され、通常のミサイルよりも低い高度を、変則軌道で飛行したとみられている。
 25日のミサイルはロシア製の改良型と分析されている。小型核弾頭を搭載すれば、韓国などを狙う戦術核兵器になり得る。
 北朝鮮が今年発射したミサイルは30発を超え、過去最多だ。大半が短距離弾道ミサイルで、レーダーやミサイル防衛網をかいくぐる低高度・変則軌道型が目立つ。発射場所を隠し、短時間の準備で撃つ奇襲能力も高めている。
 一連の発射は、北朝鮮が米本土を射程内に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)だけでなく、戦術核の開発にも注力していることの証しだと言える。
 戦術核には、核弾頭の小型化技術が必要となる。そのためか、北朝鮮は、廃棄を宣言した核実験場の再稼働を進めている。7回目の核実験を警戒せねばならない。
 脅威の増大に対処するには、日米、米韓同盟の強化と、日韓それぞれの防衛力向上が不可欠だ。
 ハリス米副大統領は29日に訪韓した際、北朝鮮との軍事境界線沿いの非武装地帯を訪れ、韓国防衛の固い決意を示した。韓国沖では米原子力空母が参加する米韓合同演習が約5年ぶりに行われた。
 こうした取り組みの積み重ねが、抑止力の向上につながる。

 韓国は北朝鮮のミサイル発射の兆候を探知した場合の先制打撃、独自の迎撃、報復攻撃――の三つの能力の拡充を進めている。日本も、北朝鮮の攻撃に対し、相手方のミサイル基地などを壊滅させる反撃能力の保有が急務だ。
 そのためには、どのようなミサイルが必要なのか、反撃目標を特定するための情報収集をどうするかなど、米軍との協力体制の構築に向けて、具体的な作業を今からでも始めるべきだ。
 北朝鮮は、国連安全保障理事会の常任理事国である中国とロシアを後ろ盾にして、安保理決議に違反する核・ミサイル開発を続けている。これを放置すれば、世界の核不拡散体制が崩れかねない。
 日米韓は、欧州諸国とも協力し、北朝鮮の脅威を国際社会全体で抑え込む重要性を国連総会などで訴えていく必要がある。

“北朝鮮が弾道ミサイル2発発射” EEZ外に落下と推定 防衛相(NHK)


防衛省によりますと、29日午後8時47分ごろと8時53分ごろ、北朝鮮の西岸付近から弾道ミサイル合わせて2発が東の方向へ発射されました。
2発はいずれも最高高度がおよそ50キロ、飛行距離が300キロ程度で、日本のEEZ=排他的経済水域の外側の北朝鮮の東岸付近に落下したと推定されています。
この発射による航空機や船舶への被害の情報は入っていないということです。
北朝鮮は28日も弾道ミサイル2発を発射していて、防衛省によりますと、北朝鮮が弾道ミサイルを2日続けて発射したのは初めてだということです。
北朝鮮によるミサイル発射は巡航ミサイルも含めてことし21回目で、防衛省は引き続き情報の分析を進めるとともに、警戒・監視を続けています。

浜田防衛相「断じて容認できない」北朝鮮側に抗議
浜田防衛大臣は、防衛省で記者団に対し、北朝鮮が29日午後8時台、2発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射したことを明らかにしました。
北朝鮮は28日も弾道ミサイルを発射していて、防衛省によりますと、2日連続で弾道ミサイルを発射するのは初めてだとしています。
いずれも落下したのは北朝鮮東岸付近で、日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしています。
▽1発目は午後8時47分ごろ、
▽2発目は午後8時53分ごろ、
いずれも北朝鮮西岸付近から東方向に向けて発射し、最高高度50キロ程度で、300キロ程度飛行したと推定されるということです。
これまでのところ、航空機や船舶などの被害の情報は確認されていないとしています。
浜田大臣は、今回の発射について「きのうも弾道ミサイルを発射したばかりだ。挑発を一方的にエスカレートさせるような、立て続けの発射も含め、一連の北朝鮮の行動はわが国、地域および国際社会の平和と安全を脅かすものであり断じて容認できない」と述べ、北朝鮮側に対し、北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにしました。

プーチン大統領 “ロシアが4州を併合” 30日に文書に調印へ(NHK)


ロシア大統領府はプーチン大統領が30日にウクライナの東部と南部の4つの州をロシアが併合する文書に調印すると発表しました。
プーチン大統領が一方的な併合に踏み切ることになり、ウクライナや国際社会の非難がさらに強まるとみられます。
ロシアのプーチン政権を後ろ盾とする親ロシア派の勢力は、ウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州、南東部ザポリージャ州、それに南部ヘルソン州の4つの州で「住民投票」だとする活動を強行した結果、今月27日、住民の大多数がロシアへの編入に賛成したと一方的に発表しました。
その後、親ロシア派の幹部は首都モスクワを訪れてプーチン政権に対して編入を要請し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は29日、プーチン大統領がモスクワのクレムリンで30日の午後3時、日本時間の30日午後9時から併合に関連する式典を開くと発表しました。
プーチン大統領は4つの州の親ロシア派の幹部と面会しロシアが併合する文書に調印するとしていて、式典で併合について演説する予定だということです。
さらにロシアのメディアは、式典のあとモスクワの中心部など各地で併合に関連するイベントが行われる見通しだと伝えています。
ウクライナ軍が東部や南部で反転攻勢を続ける中、プーチン大統領は危機感を強めているとみられる一方、今月発表された予備役の動員によってロシア国内で混乱が広がっています。
プーチン大統領としては一方的な併合に踏み切りロシアの領土だと主張することで、ウクライナや軍事支援を行う欧米側をけん制するとともに、国民の愛国心を高めたい思惑もあるとみられます。
8年前の2014年にもウクライナ南部クリミアで親ロシア派が住民投票を実施し、その結果を根拠にプーチン大統領はクリミアを一方的に併合しています。
ウクライナ政府は「偽の住民投票であり正当性が全くない」として強く反発しているほか、アメリカやEU=ヨーロッパ連合は追加の経済制裁を科す方針を明らかにしていて、国際社会からロシアへの非難がさらに強まるとみられます。

ウクライナ大統領府顧問「法的には何の意味もない」
ロシア大統領府が、プーチン大統領が30日にウクライナの東部と南部4つの州の併合に関連する式典を開くと発表したことについて、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は29日、SNSに「クレムリンの見せ物小屋だ。法的には何の意味もない」と投稿してロシア側の動きを批判しました。

プーチン大統領「住民投票」だとする活動の正当性を強調
ロシア大統領府によりますとプーチン大統領は29日、トルコのエルドアン大統領との電話会談の中でウクライナの東部と南部の4つの州で強行された「住民投票」だとする活動について「国際法の規範と原則に完全に従い、透明性のある方法で行われた。地域の住民はみずからが決定する権利を行使した」などと説明したということです。
プーチン大統領は30日に首都モスクワのクレムリンで4つの州をロシアが併合する文書に調印し一方的な併合に踏み切る構えで、それを前にウクライナ情勢で仲介役を務めるエルドアン大統領に対し「住民投票」だとする活動の正当性を強調したものとみられます。

国連 グテーレス事務総長「併合は非難に値する」
ロシア大統領府がウクライナの東部と南部の4つの州を併合する文書にプーチン大統領が調印すると発表したことについて国連のグテーレス事務総長は29日、ニューヨークの国連本部で急きょ記者会見し、武力によってほかの国の領土を併合することは国連憲章と国際法に違反していると指摘しました。
そのうえで「ロシアは安全保障理事会の常任理事国の一つとして国連憲章を尊重する特別な責任がある。併合のためのいかなる決定も法的な価値を持たず、非難に値する」と強調しました。
また、「国連の目的と原則を侮辱している。現代の世界ではありえない」と述べ、容認されてはならないと指摘しました。
グテーレス事務総長の今回の発言について国連の報道官は、ウクライナ情勢をめぐる事務総長の発言としてはこれまでで最も強い表現だと説明しています。

米 国務長官「国際平和と安全の原則に対する侮辱だ」
親ロシア派の勢力がウクライナ東部と南部の4つの州で「住民投票」だとする活動を強行し住民の大多数がロシアへの編入に賛成したと一方的に発表したことを受けアメリカのブリンケン国務長官は29日声明を発表し「結果はロシア政府が作り上げたもので、ウクライナの人たちの意志を反映していない。国際平和と安全の原則に対する侮辱だ」と非難しました。
そのうえで「アメリカはこうした偽の住民投票やその投票結果、ロシアによる併合の試みを決して認めない」と強調しました。
さらにブリンケン長官は「アメリカと同盟国や友好国は、領土を守るために戦うウクライナへの支援を続ける。ウクライナの主権や独立、領土保全を全力で支持する」として、ウクライナへの支援は揺るぎないという姿勢を改めて打ち出しました。

独戦闘機「ユーロファイター」が日本に初飛来 空自百里基地(産経N)


ドイツ空軍の戦闘機が28日、初めて日本に飛来した。戦闘機は「ユーロファイター」3機で、そのうちの1機は空軍トップのインゴ・ゲアハルツ総監が自ら操縦し、航空自衛隊百里基地に着陸。日本には30日まで滞在し、空自のF2戦闘機3機などと日本国内で初めて共同訓練をする。
シンガポールから約8時間にわたってゲアハルツ総監が操縦した機体は特別塗装が施され、放水車が放水で歓迎する中をエプロンに停止。ゲアハルツ総監はキャノピーが開くと手を振って出迎えた空自隊員らにあいさつした。

特別塗装で、右翼に大きく日の丸と後縁部付近に小さめの韓国の国旗、左翼には大きくオーストラリア国旗と後縁部に小さめのシンガポール国旗が描かれている。
今回の飛来は、8月から10月にかけてドイツ空軍が初めてアジア太平洋地域に戦力を展開する訓練を行っていることを象徴したもの。訓練にはユーロファイター6機、A400M輸送機4機、A330MRTT空中給油・輸送機3機が参加しており、日本にはユーロファイター3機、A400M輸送機1機、A330MRTT空中給油・輸送機1機が飛来した。A400Mも初来日だ。
記者会見したゲアハルツ総監は「チーム一丸となって参加することを大切にしたいと思い、(自らも)飛行を決断した。総監として操縦して来日するのは、日本との関係を大事にしていることの証でもある」と意義を説明した。

日中国交50年 関係を根本から見直せ 経済・学術界も安保の視点を(産経:社説)


日本と中国が国交を正常化して50年の節目を迎えた。
両国の関係は、当初の熱狂的ともいえる友好ムードとはうってかわって、冷え込んでいる。
その最大の理由は、途上国から世界第2位の経済大国にのし上がった中国が、軍事力の増強を進め、覇権主義的なふるまいを隠さなくなったからだ。
日本は対中関係の見直しが必要だ。自国と東アジア、インド太平洋地域の平和を保つために、防衛のみならず、経済、学術分野も含めて対中抑止に努めるべき時代になったことを肝に銘じたい。

肥大化を日本が助けた
両国は東西冷戦のさなか、隣国同士でありながら外交関係がない問題を是正した。それにより、差し迫るソ連の脅威に連携して対抗できた。その戦略的狙いは間違っていなかった。
一方、戦争の傷を癒やし、中国との安定した友好を築こうとした日本の希望はかなわなかった。
日本は長期にわたり中国の経済発展を後押しした。だが中国共産党政権は、日本の支援も利用して国力を増すにつれ、強面(こわもて)の姿勢を隠さないようになった。
日本固有の領土である沖縄県尖閣諸島の奪取に野心をみせ、海警局船の領海侵入や接続水域での徘徊(はいかい)を常態化させた。台湾併吞(へいどん)を視野に入れ、これに懸念を示す日米などの国際社会も威嚇する。
中国が対外強硬姿勢や国内の人権弾圧を改めるべきは当然だ。同時に日本には、平和を脅かす「異形の大国」が育つのに手を貸した痛切な反省が必要である。
日本は、約3兆6600億円もの対中ODA(政府開発援助)を供与した。だが、中国側は自国民に日本の協力を広く伝えず、日本政府もそれを許した。中国は日本の首相の靖国神社参拝を批判する内政干渉を続け、日本国内にはそれに呼応する勢力が存在した。
日本の最大の痛恨事は、1989年の天安門事件を巡る対応だ。民主化を求める学生を戦車で蹂躙(じゅうりん)する弾圧を行った中国は国際社会の制裁を受けた。ところが日本政府は真っ先に経済支援を再開し、孤立からの脱却を助けた。
専制主義のまま再び経済成長を始めた中国はその後、世界貿易機関(WTO)に加盟した。日米欧はこれを容認したが、中国は自由貿易の恩恵に浴しながら、不公正な貿易慣行は改めなかった。
トランプ米前政権のペンス副大統領(当時)は2018年の演説で、歴代の政権はWTO加盟などで「中国の自由化」を期待したが「その希望はかなわなかった」と述べた。「(米国家安全保障戦略で)中国に新たなアプローチを採用した」とも語った。中国と国交を結んだニクソン米大統領以来の対中関与政策からの決別だ。対中抑止へと舵(かじ)を切るこの基本路線はバイデン政権も踏襲している。

政治リスクに向き合え
これは本来、日本こそ語るべきことだった。日本政府が今年12月に向けて防衛力の抜本的強化策の検討を進めているのは、対中抑止を図って平和を守るためだ。
この抑止は防衛努力だけでは足りず、経済界や学術界の協力も欠かせない。だが日本は、その意識や対応が遅れている。もっと対中リスクを踏まえた取り組みを強めなくてはならない。
隣り合う経済大国である中国との全面的なデカップリング(切り離し)は非現実的だ。それでも経済安全保障の視点を抜きにした対中ビジネスはあり得ない。

中国が2010年、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を受けた事実上の制裁措置としてレアアース(希土類)の対日輸出を規制したのは一例だ。外資企業の技術を不当に得ようとする中国の姿勢も変わらない。中国には企業に情報提供を強制できる法律もある。
新疆ウイグル自治区で疑われる強制労働などの人権問題も見過ごせない。日本企業が中国事業でこれに加担したとみなされれば、欧米市場から排除されかねない。
経済安保の観点では、軍事転用が可能な機微技術を育成し、その国外流出を防ぐことも重要だ。ところが日本学術会議が、軍民融合を掲げる中国側との協力促進を図ることを目的とした覚書を締結しているのはどうしたことか。
国交正常化50年を機に日本がなすべきことは、こうした問題に対処できるよう対中関係を根本から見直すことである。それを抜きにした日中友好などあり得ない。

巨大で傍若無人な中国とどう付き合うか 日本は防衛強化も...安定的関係への道は見えず(東京新聞)


経済規模で日本の4倍近くに成長した中国は強国としての自信を深め、日本を含む周辺国とはあつれきが目立つ。台湾や沖縄県・尖閣諸島を巡る中国の挑発を受け、日本側は防衛費の増額など抑止力の強化に向けた動きを強めている。緊張緩和へ対話も模索するが、中国と対立する米国との同盟強化も進めており、日本が目指す「建設的かつ安定的な関係」構築への方策は見えない。(川田篤志、北京・白山泉)

◆「対話」掲げる一方、両国で防衛強化の動き
 「日本の漁業者が操業している日本近海にミサイルを撃ち込んだのは重大な問題だ」
 秋葉剛男国家安全保障局長は8月、中国・天津で中国外交トップの楊潔篪ようけっち・共産党政治局員と会談。ペロシ米下院議長の台湾訪問に反発し、中国が8月上旬に台湾周辺で行った軍事演習で、日本の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイルが初めて落下したことに抗議した。反論する楊氏との会談は7時間に及んだ。
 防衛省によると、中国の2022年度の国防費は約24兆7000億円で、30年前の39倍。日本の防衛費の4.6倍に相当する。岸田文雄首相は中国の脅威を踏まえ米側に「防衛費の相当な増額」を伝達。防衛費は対国内総生産(GDP)比1%前後で推移してきたが、政府・自民党内には5年以内の倍増を求める声もある。今夏には、米国などと他国を武力で守る集団的自衛権の発動を想定した初の実動訓練も行った。
 一方、8月に予定されていた日中外相会談は、台湾に関する先進7カ国(G7)外相声明に中国が反発して中止になった。対面での日中首脳会談は、3年近く開かれていない。外務省幹部は「対話を続け、信頼関係が醸成できれば、できることも広がる。まずは対話が大切だ」と強調するが、「力対力」に偏れば融和が遠のくジレンマを抱える。

◆変わる経済関係 中国の大国化で日系企業は淘汰
 中国は「世界の工場」から「世界の消費市場」に変貌し、長期停滞に陥った日本との経済関係は以前ほど重視していない。経済的なむすびつきに頼って日中関係を維持してきた「政冷経熱」の時代は過去となりつつある。
 「経済貿易の連携は一貫して日中関係のバラスト(安定の重り)とスクリュー(推進力)の役目を果たしてきた」。中国の李克強りこくきょう首相は22日、日本の経済界とのオンライン対話で、経済連携をテコにした関係改善に意欲を示した。
 米国との対立を抱える中国は、日本など周辺国との関係は改善したいのが本音だ。国交50周年はその好機だが、米国との安全保障協力を深める岸田文雄政権にいら立ちを隠さない。「日本は独自の外交を行うべきだ」(中国のシンクタンク研究者)と米国への接近を盛んにけん制している。
 国交正常化以降、日本は3兆円超の政府開発援助(ODA)を通じて中国の成長を支援した。中国に進出する日系企業は1万社以上。政治的な関係が冷え込んでも、経済貿易関係が両国をつなぎとめる役割を果たしてきた。
 しかし日本はデジタル化や技術革新で後れをとり、中国市場で競争力を失う日系企業も増えている。中国の経済専門家は「中国を『工場』と捉えてきた日系企業は転換が必要だ。中国市場の力を日本経済回復のエンジンにする時代に変わった」と指摘する。
 一方、中国海警局の船は、節目の日を控えた28日も沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に侵入した。中国の挑発的行為に、多くの日本人が嫌悪感を抱くが、中国がそうした懸念に配慮する姿勢は乏しい。日本は、傍若無人で巨大な中国といかに付き合うかという難題を抱え、中国との次の50年を歩む。

防衛相“辺野古移設が唯一の解決策 理解を” 沖縄 玉城知事に(NHK)


浜田防衛大臣は、就任後初めて沖縄県の玉城知事と会談し、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設を断念するよう求められたのに対し、基地の固定化は避けなければならず、辺野古への移設が唯一の解決策だとして理解を求めました。

28日から2日間の日程で沖縄県を訪れている浜田防衛大臣は28日夕方、沖縄県庁で就任後初めて玉城知事と会談しました。
会談では、玉城知事がアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり「先日の知事選挙などで反対の民意が圧倒的多数で示されている。この民意を真摯(しんし)に受け止め、辺野古新基地建設を断念し、県民の民意に添う形で問題解決に向けた対話の場を設けてほしい」と求めました。

これに対し、浜田大臣は「普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない。日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせた時、辺野古移設が唯一の解決策だ」と述べ、理解を求めました。
会談のあと、浜田大臣は記者団に対し、沖縄をはじめとした南西諸島の防衛体制について「南西地域への部隊配置はわが国への攻撃を抑止する効果を高めるものであり、引き続き目に見える形で強化していく」と述べました。

北朝鮮 弾道ミサイルは2発 EEZ外に落下と推定 防衛副大臣(NHK)


井野防衛副大臣は記者団に対し、北朝鮮が28日夜、北朝鮮西岸付近から2発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射したことを明らかにしました。いずれも変則軌道で飛行した可能性があり、落下したのは日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしています。

井野防衛副大臣は、28日午後7時半ごろ、防衛省で記者団に対し、北朝鮮が28日午後6時台に、2発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射したことを明らかにしました。
いずれも変則軌道で飛行した可能性があり、落下したのは北朝鮮東岸に近い日本海で、日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしています。
このうち
▽1発目は午後6時10分ごろ、北朝鮮西岸付近から東方向に向けて発射し、最高高度50キロ程度の低い高度で、およそ350キロ程度飛行し、
▽2発目は午後6時17分ごろ、北朝鮮西岸付近から東方向に向けて発射し、最高高度およそ50キロ程度の低い高度でおよそ300キロ程度飛行したということです。
これまでのところ、航空機や船舶などの被害の情報は確認されていないとしています。
井野副大臣は、今回の発射について「今月25日も弾道ミサイルを発射したばかりであり、これまでの弾道ミサイルなどのたび重なる発射も含め、一連の行動はわが国地域および国際社会の平和と安全を脅かすものだ」と述べ、北朝鮮側に対し、北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにしました。

ピョンヤン郊外から日本海に短距離弾道ミサイル2発発射 韓国軍
韓国軍は、北朝鮮が首都ピョンヤンの郊外から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射したと発表しました。
アメリカのハリス副大統領が29日韓国を訪問するのを前に、日本海で共同訓練を行っている米韓両国に対抗してミサイル能力の向上を誇示する狙いがあるとみられます。
韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が28日午後6時10分ごろから20分ごろにかけて、首都ピョンヤン郊外の国際空港があるスナン付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射したと発表しました。
飛行距離は360キロあまりで、高度は30キロあまりと低く、音速の6倍にあたるマッハ6で飛行したということです。
スナン付近からは、ことし6月にも短距離弾道ミサイル2発が発射されていて、アメリカ軍と韓国軍は、発射されたミサイルの種類などについて詳しい分析を進めています。
北朝鮮は今月25日にも北西部から日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射したばかりで、北朝鮮による弾道ミサイルなどの発射はことしに入ってこれで20回と、異例の高い頻度で繰り返されています。
米韓両軍は、4年ぶりとなる本格的な野外機動訓練を含む合同軍事演習に続き、26日からアメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」も加わって日本海で共同訓練を行っています。
これに対し、26日の国連総会で北朝鮮の大使は「戦争の瀬戸際に追いやる危険な行為だ」と非難していて、アメリカのハリス副大統領が29日に韓国を訪問するのを前に、米韓両国に対抗してミサイル能力の向上を誇示する狙いがあるとみられます。

海上保安庁 航行中の船舶に注意呼びかけ
海上保安庁は「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射された」という情報があると、防衛省から連絡を受けたと午後6時13分に発表しました。
さらに海上保安庁は「弾道ミサイルの可能性があるものは、すでに落下したとみられる」という情報があると、防衛省から連絡を受けたと午後6時26分に発表しました。
航行中の船舶に対し、今後の情報に注意するよう呼びかけています。

これまで被害情報なし 海上保安庁
北朝鮮から弾道ミサイルの可能性がある飛しょう体が発射されたとみられることを受け、海上保安庁が日本周辺の海域で被害などの確認を進めていますが、これまでのところ日本に関係する船舶への被害の情報は入っていないということです。

岸田首相「詳細はこれから確認」
岸田総理大臣は、総理大臣官邸に入る際記者団に対し、「国民に対する情報提供と安全確保の指示を出した。詳細はこれから確認する」と述べました。

岸田首相 情報収集と分析を指示
政府は先ほど、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表しました。
岸田総理大臣は情報の収集と分析に全力を挙げ 国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、それに不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示しました。

官邸対策室に緊急参集チームを招集
政府は、総理大臣官邸の危機管理センターに設置している官邸対策室に関係省庁の担当者をメンバーとする緊急参集チームを招集し、情報の収集と被害の確認などにあたっています。

防衛省 日本への影響がないか情報の収集
防衛省はさきほど、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のあるものが発射されたと発表しました。
防衛省は日本への影響がないか情報の収集を進めています。

弾道ミサイルなどの発射はことし20回目
防衛省などによりますと、北朝鮮が弾道ミサイルなどを発射したのはことしに入って20回目です。
これまでに、1月に7回、2月に1回、3月に3回、4月に1回、5月に4回、6月は1回、8月に1回、9月に1回、それぞれ弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。
これまでの19回のうち、16回は弾道ミサイルと推定され、もう1回も弾道ミサイルの可能性が指摘されています。残りの2回は長距離巡航ミサイルなどと推定されています。
このうち、直近の今月25日に発射された弾道ミサイルについて防衛省は、北朝鮮が午前6時52分ごろ、内陸部から1発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射したと公表しています。
最高高度が50キロ程度、変則軌道で650キロ程度、飛行し、落下したのは北朝鮮東側の沿岸付近で、日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしています。

弾道ミサイルなどの発射 ことしは異例の高い頻度
北朝鮮による弾道ミサイルなどの発射はことしに入り、これで20回に上り、異例の高い頻度で繰り返されています。直近では、今月25日に日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射し、韓国の専門家からは、低空で飛行して変則的な軌道で落下するロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」を改良したミサイルの可能性があるとの見方が出ています。
また北朝鮮は、ことし6月には、異なる4か所の地点から短距離弾道ミサイル合わせて8発を発射していました。
こうした中、26日から、アメリカ軍と韓国軍は日本海でアメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」などからなる空母打撃群が参加した共同訓練を4日間の日程で行っていて、訓練に北朝鮮が強く反発することが予想されるとして米韓両軍は、さらなる発射などに警戒を強めていました。

日米韓 発射を非難し緊密な連携を確認
外務省の船越アジア大洋州局長は、28日夜、アメリカ国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表、韓国外務省のキム・ゴン朝鮮半島平和交渉本部長とそれぞれ電話で協議しました。
協議では、北朝鮮が今月25日に続き、28日夜も弾道ミサイルを発射したことを非難したうえで、核・ミサイル活動の強化は、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦だという認識で改めて一致しました。
そして、最新の北朝鮮情勢をめぐって意見を交わすとともに、国連安保理決議に沿った北朝鮮の完全な非核化に向けて、地域の抑止力強化などで引き続き、日米韓3か国で緊密に連携することを確認しました。

安倍元首相との出会いと思い出 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛(産経:正論)


平成13年初夏のある日、当時はまだ元気だった愚妻、道子が「岡崎さんて方から電話」と受話器を私に渡した。出てみると、以前からの知人、岡崎久彦(以下、人物敬称略)が、集団的自衛権問題で政治家教育をやるから手伝え、と言った。

晋三少年の面接官だった
数日後、都内の喫茶店で待っていると、岡崎が安倍晋三と一緒に現れた。安倍が「初めまして」と言ったので、私は「初めてではありませんよ。成蹊大学で入学面接をしたのは私ですよ」と言った。安倍は笑って頭をかいた。
実際、昭和49年3月まで成蹊に在籍した私は、最後の仕事として成蹊高校から成蹊大学法学部(私は経済学部にいたが)への進学希望者の面接にあたった。そこへ晋三少年が現れた。手元の身上書には「父・安倍晋太郎、母・洋子」とあった。つまり、晋三はあの安保騒動の岸信介の孫であった。私は安保騒動の傍観者だったが、岸、安倍一族には関心があった。というのも、翌4月から防大の教壇に立つことになっていたから。
防大退官の翌平成13年5月にPHP研究所から拙著「集団的自衛権」が出版された。そんなこともあってか、私は19年4月、安倍晋三が設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の一員に選ばれた。私はそれまで、安倍自身が集団的自衛権についてどのような見解、あるいは問題意識をもっているかを知らなかった。
そこでその1年前の18年に出た安倍の著書「美しい国へ」(文芸春秋社刊)を購入、ページを繰ってみた。そのなかでは「〝行使できない権利〟集団的自衛権」と中見出しの下、「現在の政府の憲法解釈では、米軍は集団的自衛権を行使して日本を防衛するが、日本は集団的自衛権を行使することはできない」とあった。

集団的自衛権の問題意識
それだけではない。事と次第では、米軍兵士が公海上で遭難しても、その救助にあたる自衛隊は、敵から攻撃を受けるかもしれない。その場合、「自衛隊はその場から立ち去らなければならない」。それと言うのも、安倍に言わせると、「権利があっても行使できない」からである。このくだりを読んで、私は前記「懇談会」への参加を決めた。安倍の問題意識に同感したからである。
「懇談会」には岡崎久彦ら計13人が参加、完成した報告書は平成20年6月24日に首相の福田康夫に提出された。と言うのも、安倍は、その前年の9月12日に退陣を表明したからだ。その翌日、安倍は慶応大学病院に緊急入院、政務は一旦打ち切りとなった。
残念至極。安倍がこの時期に健康であったなら、もっと早く、てきぱきと次の手が打たれたであろうに。ただ、周知のように、安倍は復活した。平成24年末には政権に復帰、結局、通算在任3188日という憲政史上最長記録を樹立した。この記録は少なくとも当分、破られないであろう。
私は26年にわたり防衛大学校の教壇に立った。その経験から、防大卒業式での首相訓示が卒業生にとり、重要な意味を持つことを知っている。首相在任記録を持つ安倍晋三の防大卒業式訓示も何回か現場で聴いた。その全文は「首相官邸」のホームページで入手できる。そのうちから印象に残ったくだりを紹介したい。まず平成25年度訓示。
「15年前の11月、中川尋史空将補と、門屋義広1等空佐が殉職したのは、22日でありました。…突然のトラブルにより、急速に高度を下げるT33A…そこから20秒間。…2人は脱出せず、機中に残りました。…2人は、まさに、命を懸けて、自衛隊員としての強い使命感と責任感を、私たちに示してくれたと思います」
「15年前」の自衛官の殉職を記憶している首相が安倍晋三以外にいるだろうか。

いまも心に残る訓示
次は令和元年度訓示。
「本年は、日米安保条約の改定から60年となります。…当時、条約の改定を巡っては、戦争に巻き込まれるといった激しい批判がありました。それでも、先人たちは、50年、100年先を見据え、敢然と行動しました」
「先人」とは誰か。安倍の祖父、岸信介である。2人は同じ遺伝子で結ばれている。
無論、安倍は自衛官に対してもたびたび訓示している。令和元年9月17日、自衛隊高級幹部に対しての訓示。「65年の自衛隊の歩みを振り返るとき、社会から厳しい目を向けられたこともありました。しかし今や国(民の9割から信頼を勝ち得ています。我が国において、信頼できる組織として真っ先に自衛隊の名が挙がるようになりました」
うれしいことだ。が、安倍はアバウトすぎる。平成30年1月の内閣府世論調査では「自衛隊によい印象」を持っているのは、正確には国民の89・8%である。安倍に訂正を申し入れたい。黄泉(よみ)の世界で安倍晋三は、「プロフェッサー・サセは相変わらず数字に細かいな」とボヤくだろう。(させ まさもり)

【安倍元首相国葬】菅義偉前首相「真のリーダーでした」 友人代表の追悼の辞全文(産経N)


27日に営まれた安倍晋三元首相の国葬(国葬儀)で、自民党の菅義偉前首相は友人代表として追悼の辞を述べた。菅氏は安倍氏との出会いや第2次安倍政権時代の日々を振り返り、「あらゆる苦楽を共にした(第2次安倍政権での)7年8カ月。私は本当に幸せでした」と述べた。菅氏の追悼の辞の全文は次の通り。


7月の8日でした。
信じられない一報を耳にし、とにかく一命をとりとめてほしい。あなたにお目にかかりたい。同じ空間で同じ空気を共にしたい。その一心で現地に向かい、そしてあなたならではの温かなほほ笑みに、最後の一瞬、接することができました。
あの運命の日から、80日がたってしまいました。
あれからも朝は来て、日は暮れていきます。やかましかったセミはいつのまにか鳴りをひそめ、高い空には秋の雲がたなびくようになりました。
季節は歩みを進めます。あなたという人がいないのに、時は過ぎる。無情でも過ぎていくことに、私はいまだに許せないものを覚えます。
天はなぜ、よりにもよってこのような悲劇を現実にし、生命(いのち)を失ってはならない人から生命を召し上げてしまったのか。
口惜しくてなりません。悲しみと怒りを交互に感じながら、今日のこの日を迎えました。

しかし、安倍総理とお呼びしますが、ご覧になれますか。ここ武道館の周りには花をささげよう、国葬儀に立ちあおうと、たくさんの人が集まってくれています。
20代、30代の人たちが少なくないようです。明日を担う若者たちが大勢、あなたを慕い、あなたを見送りに来ています。
総理、あなたは今日よりも明日の方がよくなる日本を創りたい。若い人たちに希望を持たせたいという強い信念を持ち、毎日、毎日、国民に語りかけておられた。そして、日本よ、日本人よ、世界の真ん中で咲き誇れ。これがあなたの口癖でした。
次の時代を担う人々が未来を明るく思い描いて初めて経済も成長するのだと。いま、あなたを惜しむ若い人たちが、こんなにもたくさんいるということは、歩みをともにした者として、これ以上にうれしいことはありません。報われた思いであります。
平成12年、日本政府は北朝鮮にコメを送ろうとしておりました。私は当選まだ2回の議員でしたが、「草の根の国民に届くのならよいが、その保証がない限り、軍部を肥やすようなことはすべきでない」と言って、自民党総務会で大反対の意見をぶちましたところ、これが新聞に載りました。
すると、記事を見たあなたは「会いたい」と電話をかけてくれました。
「菅さんの言っていることは正しい。北朝鮮が拉致した日本人を取り戻すため、一緒に行動してくれればうれしい」と、そういうお話でした。
信念と迫力に満ちたあの時のあなたの言葉は、その後の私自身の政治活動の糧となりました。
そのまっすぐな目、信念を貫こうとする姿勢に打たれ、私は直感いたしました。この人こそはいつか総理になる人、ならねばならない人なのだと、確信をしたのであります。

私が生涯誇りとするのは、この確信において、一度として揺らがなかったことであります。総理、あなたは一度、持病が悪くなって、総理の座をしりぞきました。そのことを負い目に思って、二度目の自民党総裁選出馬をずいぶんと迷っておられました。
最後には2人で銀座の焼鳥屋に行き、私は一生懸命、あなたを口説きました。それが使命だと思ったからです。3時間後にはようやく、首をタテに振ってくれた。私はこのことを「菅義偉、生涯最大の達成」として、いつまでも誇らしく思うであろうと思います。
総理が官邸にいるときは欠かさず、一日に一度、気兼ねのない話をしました。今でも、ふと一人になると、そうした日々の様子がまざまざとと蘇ってまいります。
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に入るのを、私はできれば時間をかけたほうがいいという立場でした。総理は「タイミングを失してはならない。やるなら早いほうがいい」という意見で、どちらが正しかったかは、もはや歴史が証明済みです。
一歩後退すると勢いを失う。前進してこそ活路が開けると思っていたのでしょう。総理、あなたの判断はいつも正しかった。
安倍総理。日本国はあなたという歴史上かけがえのないリーダーをいただいたからこそ、特定秘密保護法、一連の平和安全法制、改正組織犯罪処罰法など難しかった法案を、すべて成立をさせることができました。どの一つを欠いても、わが国の安全は確固たるものにはならない。あなたの信念、そして決意に、私たちはとこしえの感謝をささげるものであります。
国難を突破し、強い日本を創る。そして真の平和国家日本を希求し、日本をあらゆる分野で世界に貢献できる国にする。そんな覚悟と決断の毎日が続く中にあっても、総理、あなたは常に笑顔を絶やさなかった。いつもまわりの人たちに心を配り、優しさを降り注いだ。
総理大臣官邸で共に過ごし、あらゆる苦楽を共にした7年8カ月。私は本当に幸せでした。私だけではなく、すべてのスタッフたちがあの厳しい日々の中で、明るく生き生きと働いていたことを思い起こします。何度でも申し上げます。安倍総理、あなたはわが国、日本にとっての真のリーダーでした。

衆議院第1会館1212号室の、あなたの机には読みかけの本が1冊、ありました。岡義武著『山県有朋』です。
ここまで読んだという最後のページは、端を折ってありました。そしてそのページにはマーカーペンで、線を引いたところがありました。しるしをつけた箇所にあったのは、いみじくも山県有朋が長年の盟友、伊藤博文に先立たれ、故人をしのんで詠んだ歌でありました。
総理、今、この歌くらい、私自身の思いをよく詠んだ一首はありません。
「かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の世をいかにせむ」
「かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の世をいかにせむ」
深い悲しみと寂しさを覚えます。総理、本当にありがとうございました。どうか安らかに、お休みください。
令和4年9月27日 前内閣総理大臣 菅義偉

安倍元首相国葬 功績たたえ多くの人が悼んだ(読売:社説)


海外から多くの要人が来日し、安倍晋三元首相を悼んでくれたのは、日本人にとってありがたいことではないか。改めて哀悼の意を表したい。
 7月に銃撃されて死去した安倍氏の国葬が、東京・日本武道館で行われ、国内外から参列した4200人が献花した。
 このうち海外からは、国際機関を含む210超の代表団から700人が出席した。
 日本が世界第3位の経済大国であることに加え、安倍氏が首相時代、「地球儀を 俯瞰ふかん する外交」と称して80か国・地域を訪ね、良好な関係を築いたことが多数の参列につながったのだろう。

 ◆日本の存在感を高めた
 国葬会場の近くに設けられた一般用の献花台にも、多くの人が弔問に訪れた。憲政史上最長の8年8か月間、首相の重責を担った人が、突然の蛮行で亡くなった衝撃の大きさを物語っている。
 安倍氏は、2012年末に首相に返り咲いて以降、「アベノミクス」を旗印に経済再生に取り組んだ。混迷していた政治を安定させた功績は大きい。
 国際社会で日本の存在感を高めたことも特筆に値する。
 国際情勢の変動期を迎え、集団的自衛権の限定的な行使容認に道を開いた。安倍氏が掲げた「自由で開かれたインド太平洋」の構想は、欧米各国に浸透している。
 政府は、こうした外交の「遺産」を活用し、日本の国際的な地位をさらに高める必要がある。
 岸田首相は、国葬に参列した30か国以上の首脳級らと「弔問外交」に臨んだ。米国のハリス副大統領には安倍氏の外交路線を引き継ぐ考えを伝え、ハリス氏も、インド太平洋構想の重要性を唱えた。
 ロシアはウクライナを侵略し、中国は台湾を威嚇し続けている。安倍政権時代に比べ、国際情勢は一段と悪化している。
 国際秩序をどう回復し、世界の平和と安定に貢献していくか。岸田首相は、米欧などと協調し、これまで以上に戦略的な外交を展開することが欠かせない。
 首相経験者の国葬は戦後、1967年の吉田茂元首相だけだった。75年に佐藤栄作元首相が死去した際には、内閣と自民党、国民有志による「国民葬」が行われた。近年は、政府と自民党が費用を折半する「合同葬」が主流だ。

 ◆内心の自由とは別問題
 様々な追悼形式がある中、岸田首相が、国外からの弔意に礼節をもって応えようと安倍氏の葬儀を国葬としたことは理解できる。
 立憲民主党や共産党は、国葬について「内心の自由を侵す。憲法違反だ」と批判した。だが、国葬への賛否も、弔意の表明も自由に行われたではないか。誰の内心の自由が侵されたと言うのか。
 野党は「安倍氏の政治的評価が定まっていない」と主張するが、どんな歴史的人物でも評価に異論を唱える人がいる。時間をかければ定まるものでもない。
 初めから「国葬反対」の前提に立って無理な論点を持ち出し、反対論を盛り上げようという野党の姿勢は理解に苦しむ。遺族への配慮も欠いていよう。
 一方で、政府の運び方にも不十分な点があった。国葬を55年ぶりに実施するからには、政府は早い段階で国会で説明するなど、策を尽くすべきだった。
 参院選直後の臨時国会で審議しなかったことが、説明不十分という印象を与えたのではないか。
 岸田首相が「国葬は国民の権利を制約するものではないため、行政権の範囲で実施できる」と国会で説明したのは、国葬の閣議決定から1か月半後だ。
 国民民主党の玉木代表は、各党と党首会談を開くよう促していたが、首相は応じなかった。
 一部の野党は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と安倍氏ら自民党との関わりを、国葬反対論に結びつけた。

 ◆警備の体制も問われた
 旧統一教会の問題は、国葬とは別に、活動の実態解明を進めるべきだ。反社会的な活動が続いているなら、具体的な対応策を考えねばならない。与野党が協力し、国会に調査会を設ける手もある。
 国葬では、警察の威信も問われた。安倍氏を警護できず、命を守ることができなかった失態を踏まえ、最大級の態勢で警備に臨んだ。警視庁は全国からの応援を含め2万人を動員し、会場周辺の不審物の確認にも全力を挙げた。
 式典は大きな混乱なく終了した。今回の警備体制を改めて検証し、来年5月に広島市で開かれる先進7か国首脳会議(G7サミット)に生かしてほしい。

国連事務総長「核で脅す時代は終わりに」核廃絶目指す国際デー(NHK)


核兵器廃絶を目指すための国際デーに合わせて、国連のグテーレス事務総長は「核で脅す時代は終わりにしなければならない」と演説し、ロシアによる軍事侵攻で核の脅威が高まる中、対話や外交交渉を通じて、核兵器が使用されるリスクを減らすよう、国際社会に訴えました。
国連は、9月26日を「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」と定めていて、ニューヨークの国連本部では各国の高官が集まって会合が開かれました。

この中で演説したグテーレス事務総長は先月、広島原爆の日に合わせて広島市を訪問し被爆者と面会したことに触れ、「被爆者は年々少なくなっているが、そのメッセージはますます大きくなっている。核兵器廃絶は、われわれができる将来の世代への最大の贈り物だ」と述べました。
そのうえで、ロシアのプーチン大統領が核戦力の使用も辞さない構えを再び示すなど、核の脅威が高まっていることを念頭に、「核で脅す時代は終わりにしなければならない。すべての国に対し、緊張を緩和し、核の脅威を排除するために、対話や外交交渉など、あらゆる手段を講じるよう求める」と述べ、核兵器が使用されるリスクを減らすよう、国際社会に訴えました。

核兵器禁止条約 批准の国と地域は68に
核兵器廃絶を目指してつくられた「核兵器禁止条約」について、国連は、今月(9月)、新たに2か国が批准の手続きを終えたと明らかにしました。
2か国は、ドミニカ共和国とコンゴ民主共和国で、これで批准した国と地域は68となりました。
また、これとは別に、新たに5か国が条約に参加する意思を示す署名を行い、これで署名した国と地域は91になりました。

ロシアと中国の海軍艦艇計7隻 伊豆諸島周辺航行を防衛省が確認(NHK)


防衛省は、ロシア海軍と中国海軍の艦艇合わせて7隻が26日から27日にかけて伊豆諸島周辺を航行したのを確認したと発表しました。両国の艦艇が太平洋で合同パトロールを行っているとみて、警戒と監視を続けています。

防衛省によりますと、26日、中国海軍のミサイル駆逐艦など3隻が伊豆諸島の須美寿島と鳥島の間を通過し、太平洋を西に向けて航行しているのを確認しました。
また、27日にはロシア海軍のフリゲート艦など4隻が、伊豆諸島の八丈島と御蔵島の間の接続水域を通過したあと、太平洋を西に向けて航行しているということです。
ロシア海軍の艦艇がこの海域を通過したのは初めてです。
これらの艦艇7隻のうち6隻は、今月、日本海で機関銃の射撃を行ったのが確認されていて、「ボストーク」と呼ばれるロシア軍の大規模な軍事演習に参加したとみられています。

ロシア国防省は演習の終了後、ロシアと中国の艦艇が太平洋で合同パトロールを行っていると発表していて、防衛省によりますと、今回の艦艇がその活動にあたっているとみられるということです。
ロシアと中国の艦艇をめぐっては去年10月、初めて共同で津軽海峡を通過したあと、日本列島を周回するように航行したことが確認されていて、防衛省は両国が連携した活動を強めているとみて、警戒と監視を続けています。

露「入隊事務所」への放火相次ぐ 幹部銃撃も(産経N)


ウクライナへの侵略を続けるロシアで、予備役を徴兵する「部分的動員」が導入された21日以降、招集令状を受け取った国民の出頭先となる各地の入隊事務所への放火が相次いでいる。26日には東シベリア・イルクーツク州の入隊事務所に押し入った男が幹部を銃撃する事件も発生。頻発する抗議デモとともに、動員への国民の反発の強さが浮き彫りになっているが、政権側は最大30万人とする徴兵を予定通り進める構えだ。

露国外に拠点を置く独立系メディア「メドゥーザ」によると、21日から26日までに、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクを含む全国11都市の入隊事務所で火炎瓶が投げ込まれるなどの放火事件が発生。地方行政施設に対する放火も全国で6件発生したという。
26日にはイルクーツク州の入隊事務所で、事務所幹部が住民の男(25)に銃撃され、重体となった。
動員発令後、露国民の間で出国を図る動きが続いている。メドゥーザは25日、露大統領府筋2人の話として、政権側が28日にも、動員対象年齢の男性国民の出国を禁じる可能性があると伝えた。
一方、露支配下にあるウクライナ4地域の「住民投票」は、27日の最終日を前に、いずれの地域でも投票結果が有効になるとする投票率50%を超えた。タス通信が伝えた。賛成多数とする結果が公表されるのが確実となった。住民投票を一方的に正当だと主張するロシアは結果公表後、即座に併合手続きに着手する見通しだ。

「誇りある国」安倍元首相の遺産 麗澤大学教授・八木秀次(産経:正論)


安倍氏が戦ってきた人たち
旧統一教会とのごく僅かの「接点」を誇大視し、2世信者に殺されたのも自業自得、国葬で送るなどとんでもないと反対。誇らしげに国葬への欠席を表明し、当日は反対デモまでする。ちょうど7年前の9月に安保法制を「戦争法」と呼んで国会前で騒いでいたのと同じ人たちだ。日本の宗教観では生前の恩讐(おんしゅう)を超えて故人を弔う。それとは遠い人たちだ。安倍晋三元首相の「私が戦ってきたのは『こんな人たち』だったんだよ」との声が聞こえてきそうだ。しかし安倍氏のレガシー(遺産)は「こんな人たち」の難癖で帳消しにされるようなものではない。
「ジャパン・イズ・バック(日本は戻ってきた)」。第2次政権発足直後の2013年2月、訪米中の講演で安倍氏が述べた言葉だ。何を成し遂げようとしたのかがこの言葉に示されている。
民主党政権を経て「日本は二流国家になってしまうのか」との米側の懸念に、そうであってはならない。日本は国際秩序のルールのプロモーターであらねばならない。国際社会に多くの善をなすため経済も国の守りも強くなければならない。自分はそれらを実現するためにこそ再び首相になったのだとし、「私はいま毎朝、大いなる責任の意識を重々しくも醒(さ)めて受け止め、目を覚ますのであります」と述べた。自らの背負う運命の重さに希望を持ちつつも耐えようとする姿がうかがえる。
実際「アベノミクス」で日本経済は活気を取り戻した。財政出動と低金利政策で景気を刺激し、株価も大きく上がった。円安誘導で地方もインバウンド需要で沸き、雇用も大幅に増えた。コロナ禍の襲来で目標は十分に達成できなかったが「それでも…就任前の8年ほど前に比べ、日本はパンデミックのような経済的ショックにも耐えられるほど強さを増したと、多くの経済学者は評価した」と英BBC(7月9日)は評した。

日本の危機を先読みし
同盟国との情報共有緊密化のための特定秘密保護法や集団的自衛権の限定行使を可能にする安保法制、テロなど組織犯罪に対処する組織犯罪処罰法(共謀罪)などを、左翼勢力やメディアの猛烈な反対にも屈せずに制定した。これにより日米は守り合う関係に深化し、抑止力が高まった。日本の守りは「強く」なった。
安倍氏は常に50年後、100年後を見通し国家ビジョンを構想した。「世界における日本の地位を塗り替えた」(米タイム誌7月15日発売号)と評される「自由で開かれたインド太平洋」構想は第1次政権時の07年にインド国会の演説で原型を発表した。「当時は、世界の多くの識者は彼が挑発的で危険だと考えていた」と元米国家安全保障会議アジア上級部長のマイケル・グリーン氏は振り返っている(朝日新聞7月10日付)。当時の国際社会には中国の覇権への警戒心がなく、脅威を認識していた安倍氏が逆に危険視された。
安倍氏のビジョンは先見的で、安倍氏の見ている現実を理解できない者には危険に映る。安保法制も同様で、ロシアのウクライナ侵攻で日本国民の多くもようやく安倍氏の意図を理解し始めていた。
昨年12月、「台湾有事は日本の有事であり、日米同盟の有事」と発言し、批判もあったが、今年8月のペロシ米下院議長の台湾訪問に反発した中国の軍事演習で安倍氏の発言の正しさは証明された。憲法9条の改正も、今後訪れる日本の危機を先読みしたとき、避けて通れない選択と認識していた。

歴史が正当に評価する
第2次政権発足直後、安倍氏は欧米メディアから「歴史修正主義者」と警戒された。中国は「戦後の国際秩序」を強調し、戦後秩序の破壊者に仕立てようとした。靖国神社参拝には米オバマ政権も「失望」を表明した。安倍氏は歴史認識に関する国際社会の日本への誤解を解く努力を重ねた。
慰安婦についての河野談話の作成過程を検証し、強制連行に根拠がないと認定した。その結果、強制連行説に基づく記事を多数掲載した朝日新聞は記事の取り消し、訂正、謝罪に追い込まれた。
米連邦議会上下両院合同会議での演説で日米の和解と同盟の深化を表明した後、戦後70年談話では自由、民主主義、人権という「基本的価値」の堅持を表明するとともに「戦争に何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子供たちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と謝罪の歴史を断ち切った。オバマ米大統領の広島の原爆爆心地訪問、安倍首相の米ハワイ真珠湾訪問を経て日米は完全に和解した。いつしか国際社会の安倍氏への警戒心は期待に変わっていた。
安倍氏は、日本を過去の戦争への贖罪(しょくざい)意識を持ち続けて萎縮する国ではなく、世界の平和と繁栄に貢献する「誇りある国」にしようとした。「ジャパン・イズ・バック」はそういう意味でもあった。その思いは国際社会に理解され、日本は国際秩序形成の主要プレーヤーになった。安倍氏のレガシーは歴史が正当に評価するに違いない。(やぎ ひでつぐ)

ドイツ空軍トップ、自ら戦闘機ユーロファイター操縦し訪日へ…「協力緊密化探る」(読売N)


【ベルリン=中西賢司】ドイツ空軍は28日、日本に初めて戦闘機を派遣する。航空自衛隊との共同飛行などを通じ、防衛協力の強化を図る狙いだ。空軍トップのインゴ・ゲアハルツ総監(56)が、読売新聞の電話インタビューに応じ、「民主主義などの価値観を共有するパートナーであることを示したい」と語った。

 訪日は、インド太平洋地域の安定に向けた貢献を掲げるドイツ政府の外交戦略「インド太平洋指針」の一環だ。昨年の海軍に続き、今年8月から空軍の戦力を初めて同地域に派遣し、豪州での多国間合同訓練に参加した。日本と同時期に韓国にも輸送機を派遣し、30日に経由地のシンガポールに戻る。ドイツには10月初旬に帰任する。
 総監は、天候が良ければ自ら主力戦闘機ユーロファイターを操縦し、シンガポールから日本に向かう予定だ。「航空自衛隊の出迎えを受け、編隊を組んで飛行する」という。自衛隊幹部との会談などを通じ、「どの分野で協力を緊密化できるかを探りたい」とし、「我々にとり最大の課題である人材確保をどう行っているかも知りたい」と述べた。
 また、アジアの訪問先である日本、韓国、シンガポールは、ドイツと同様、ウクライナを侵略するロシアに経済制裁を科しているとし、「各国は強い絆で結ばれており、欧州とインド太平洋はもはや切り離せない関係にある」と強調した。
 日本へはフィリピンから沖縄上空を飛び、台湾海峡は通らない。総監は「誰かを刺激するようなことはしない」と述べ、中国への配慮ものぞかせた。
 自身にとっても初来日で、東京では自衛隊幹部と皇居周辺をジョギングする計画だ。「大好物のスシを本場で味わいたい。日本の文化に触れ、感動を持ち帰りたい」と話した。

安倍元首相「国葬」27日午後から日本武道館で 約4300人参列へ(NHK)


安倍元総理大臣の「国葬」が27日午後、東京の日本武道館で行われます。国内外からおよそ4300人が参列する見通しで、会場近くには、一般向けの献花台も設けられます。
ことし7月に参議院選挙の応援演説中に銃撃されて亡くなった安倍元総理大臣の「国葬」は、27日午後2時から東京 千代田区の日本武道館で行われます。
国内の政財界などの関係者3600人程度に加え、218の国や地域それに国際機関などから700人程度の、合わせておよそ4300人が参列する見通しです。

「国葬」は葬儀副委員長の松野官房長官が開式の辞を述べ、国歌の演奏や黙とうのあと、安倍元総理大臣の生前の姿をまとめた映像が上映されます。
続いて、葬儀委員長の岸田総理大臣、衆・参両院の議長、最高裁判所長官の三権の長、それに友人代表として第2次安倍政権で官房長官を務めた菅前総理大臣が追悼の辞を述べます。
そして天皇皇后両陛下と上皇ご夫妻のそれぞれの使いによる拝礼が行われたあと、参列者による献花などが行われます。
また、会場近くの「九段坂公園」に午前10時から午後4時まで一般向けの献花台が設けられます。
戦後、総理大臣経験者を対象とした「国葬」が行われるのは1967年の吉田茂氏以来55年ぶりで、各種の世論調査で賛否が分かれる中での実施となります。
一方26日から、岸田総理大臣は参列する各国の首脳らとの「弔問外交」に臨んでいて27日午前も、インドのモディ首相やオーストラリアのアルバニージー首相らと個別に会談することにしています。

中国海軍の情報収集艦 日本海に 米韓共同訓練の情報収集か(NHK)


防衛省は中国海軍の情報収集艦1隻が、東シナ海から対馬海峡を通過して日本海に入ったと発表しました。日本海では、アメリカ軍と韓国軍が26日から共同訓練を実施していて、防衛省は中国軍の艦艇が情報収集を行う可能性があるとみて警戒と監視を続けています。

防衛省によりますと、今月23日の正午ごろ、長崎県の対馬の南西およそ100キロの東シナ海を、中国海軍の情報収集艦1隻が東に向けて航行しているのを海上自衛隊が確認しました。
この艦艇はその後、対馬海峡を通過し、日本海に入ったということです。
日本海ではアメリカ軍と韓国軍が26日から4日間の日程で、アメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」などからなる空母打撃群が参加した共同訓練を実施しています。
防衛省は中国海軍の艦艇が、共同訓練に関して何らかの情報収集を行う可能性があるとみて、警戒と監視を続けています。

インドと中国、国連演説でウクライナ侵攻に懸念表明 露は両国に秋波(産経N)


【ニューヨーク=平田雄介】ロシア、中国、インドの外相が24日、ニューヨークの国連総会で演説した。ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、インドは途上国を牽引(けんいん)する立場から食料危機やインフレなどの影響に懸念を示し、ロシアへの不快感を表明。中国も戦闘長期化に懸念をにじませた。一方、露外相は、台湾情勢で中国、国連安全保障理事会の改革でインドを支持する立場を強調し、秋波を送った。国連外交筋は「中印のロシア離れを防ぐ狙いがあるのだろう」と話している。

インド「戦争と紛争の時代ではない」
インドのジャイシャンカル外相は演説で「生活費の上昇や、燃料や食料、肥料の不足は、ウクライナ紛争の結果だ」と指摘し、「南の途上国が最も打撃を受ける」と危惧を示した。ロシアの侵攻をめぐるインドの立場について従来どおり直接の対露批判を控える一方、「今は戦争と紛争の時代ではない。開発と協力の時代だ」と強く訴えた。
ジャイシャンカル氏はまた、「インドは25年以内に先進国になる」との目標を語り、日本やドイツ、ブラジルとともに常任理事国入りに名乗りを上げる安保理改革でも本格的な交渉を始めるべきだと訴えた。

中国「危機解決の努力支持」
中国の王毅外相兼国務委員も、貧困の撲滅と開発を「国際的課題の中心に据えるべきだ」と述べ、途上国への中国の支援実績をアピール。食料やエネルギー価格の高騰など地球規模で余波が広がる「ウクライナ危機の解決に向けた建設的な努力を支持する」と訴えた。
王氏は、台湾情勢について「中国が完全に統一されて初めて、台湾海峡に真の平和が訪れる。外部の干渉に対抗するために、最も強力な措置を取る」と述べた。中国が侵攻すれば台湾を防衛するとしたバイデン米大統領の発言などを念頭に米国を牽制(けんせい)した。

露はインドとブラジルの常任理事国入り支持
王氏の後に登壇したラブロフ露外相はウクライナを支援する米国を非難する中で「米国は台湾で火遊びをしている。何よりも軍事支援を約束している」と中国に加勢した。
ラブロフ氏は、インドが唱える安保理改革についても、「インドとブラジルは特に常任理事国にふさわしい」と語った。
ラブロフ氏は演説後の会見で「日本とドイツは西側諸国で、(途上国などからの代表を増やす)ロシアの改革意図にはそぐわない」と述べた。発言には日独とインド、ブラジルを分断する狙いもありそうだ。

北の弾道ミサイル 日本は防衛力強化を急げ(産経:社説)


北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射した。今年に入り、巡航ミサイルの発射を含め19回目で、常軌を逸している。航空機や船舶の被害情報はないが、危険極まりない。
日本や世界の安全保障にとっても深刻な事態である。日本は国際社会と連携し北朝鮮による暴挙をやめさせなければならない。
浜田靖一防衛相は、ミサイルは最高高度約50キロで、通常軌道なら約400キロ飛翔(ひしょう)し北朝鮮東側の沿岸付近に落下したと説明した。変則軌道の可能性があるという。日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下したとみられる。

韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮が北西部平安北道泰川付近から日本海へ短距離弾道ミサイル1発を発射し、約600キロ飛行したとしている。韓国当局は北朝鮮による潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射を警戒していたが、別のミサイルだったとみられる。
合同演習のため米原子力空母ロナルド・レーガンが韓国・釜山港に入港中だ。この動きに反発した可能性もあるが、そもそも北朝鮮の弾道ミサイル発射は国連安保理決議違反で、許されない。

日本政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議したが、それで済ませてはいけない。非難や抗議だけしていても、日本国民の生命や安全は守れないからだ。
実際、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は国際社会の非難に一切耳を貸してこなかった。それどころか、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射をちらつかせ、7回目の核実験を強行する恐れも指摘されている。最近になって核兵器の使用を法令化までしている。
弾道ミサイルがいつ何時、頭上を襲ってくるか分からない。日本はそんな危険にさらされているのだ。反撃能力の保有やミサイル防衛態勢の整備など、防衛力の強化を図らねばならない。
気を付けねばならないのは、北朝鮮の動きが中国やロシアを後ろ盾としていることだ。中露両国は今年5月の国連安保理で、北朝鮮への制裁強化の決議案を拒否権を行使して否決した。中露両国が問題行動を続ければ、北朝鮮はつけあがるばかりである。
日本は被害がなかったからといって、ミサイル発射に慣れてはいけない。北朝鮮の思うつぼだ。米韓など国際社会と連携し、北朝鮮への警戒を強めていくべきだ。

親ロシア派勢力が「住民投票」強行 ウクライナ政府 反発強める(NHK)


ウクライナでは、東部や南部のロシアの支配地域で、「住民投票」だとする活動が強行されていてロシアは投票結果を根拠に併合に乗り出す構えですが、ウクライナ政府は「偽りの住民投票は法的に意味がない」と反発を強めていて、領土の奪還を目指す姿勢を鮮明にしています。

ロシアがウクライナへの軍事侵攻を続ける中、東部や南部のロシアの支配地域では親ロシア派の勢力が今月23日から「住民投票」だとする活動を強行しています。
これに関連してロシアのラブロフ外相は24日の記者会見で、ロシアの記者がこの地域の併合を念頭に、「自国への攻撃を受けた場合、それが核兵器使用の根拠となるのか」と質問したのに対して「悲観的な予測をするつもりはないが、われわれには核の安全保障に関する基本原則があり、それはロシアの全領土に適用される」と述べ、核戦力の使用の可能性を明確には否定しませんでした。
これに対して、ウクライナ政府は、ロシアが一方的な併合に向けて既成事実化を進めているとして強く反発しています。

マリャル国防次官は、NHKのインタビューで、「ロシアにとって唯一の選択肢は住民投票をでっちあげることなのだが、法的には全く意味がない」と指摘したうえで「こうした地域は国際的に承認されたウクライナの国土であり、返還されなければならない」と述べ、領土の奪還を目指す姿勢を鮮明にしました。
親ロシア派の勢力は「住民投票」だとする活動を27日まで行うとしていて、ロシア国営のタス通信は、終了後、30日にも、併合の手続きが行われる可能性があると伝えていて、情勢が緊迫しています。
一方、ロシアのプーチン政権は予備役の動員に踏み切りましたが、ロシア国内では動員に抗議する活動が各地で相次いでいます。
政権側は学生の招集を延期する方針を発表するなど国内の世論に配慮したとみられる動きもみせています。

南西防衛、地元理解に課題 有事巻き込まれ、くすぶる不安(時事通信)


軍事力を背景にした中国の海洋進出が強まる中、防衛省は年末までの国家安全保障戦略など3文書改定で、南西諸島への自衛隊の重点配備を改めて打ち出す見通しだ。ただ、既に部隊が置かれている沖縄県などの離島では「有事」に巻き込まれることへの不安もくすぶっており、地元の理解が課題となっている。

「一人ひとりの働きが南西地域の防衛、わが国の安全保障に直結する」。浜田靖一防衛相は21日、日本最西端で沿岸監視に当たる陸上自衛隊与那国駐屯地(同県与那国町)を視察し、隊員を激励した。与那国島は台湾までわずか約110キロメートルの位置にある。
南西諸島は九州南端から奄美大島(鹿児島県)、沖縄本島、与那国島を超えて台湾に連なる約1200キロメートルに及ぶ離島群を指す。米中が対立する軍事ラインである第1列島線と重なり、中国はこのラインを越える形で軍艦や潜水艦をたびたび通過させ、威嚇を繰り返している。
 
中国の動きに対応し、防衛省は奄美大島、宮古島(沖縄県)にミサイル部隊を配備。今年度中に石垣島(同県)にも追加する。与那国島では陸自だけでなく、航空自衛隊も沿岸監視に当たっている。2023年度には電磁波で敵の通信、レーダーを妨害する電子戦部隊も配備される予定だ。
防衛省関係者は与那国島について「中国艦艇などの重要な情報を取ることができる場所だ」と打ち明ける。南西シフトは中国に対抗する上で欠かせないとの位置付けだ。
しかし、受け入れる側は必ずしも賛成一色ではなく、反対運動も続く。ロシアのウクライナ侵攻では真っ先に軍事拠点が狙われており、石垣島の住民は「島に部隊が来るリスクが怖い」と不安を隠さない。
最近も、ペロシ米下院議長の台湾訪問に反発した中国が台湾海峡周辺での軍事演習で弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)に落下。この影響で与那国島では漁師が漁の自粛を余儀なくされた。
 
自衛隊関係者は住民から「自衛隊がいるから与那国が狙われている。だから漁業ができない」と嘆く声を聞いた。宮古島や石垣島でも主力産業の観光業への悪影響を懸念する声は根強い。
南西諸島に自衛隊員を迅速に輸送する目的で導入が決まった陸自の「V22オスプレイ」配備先はいまだに確定していない。防衛省は佐賀空港(佐賀市)が適地だとして14年に受け入れを地元に求めたが合意を得られていない状況だ。
浜田氏は21日の視察の際、記者団に「部隊配置はわが国への攻撃を抑止する効果を高めるものだ。その必要性を丁寧に説明し、理解を得ていきたい」と述べた。

防衛費5年で40兆円超を検討 次期中期防、1.5倍に強化案(共同通信)


政府が、今後の防衛装備品などの経費額を示す次期中期防衛力整備計画(中期防)を巡り、2023年度から5年間の総額で40兆円超を視野に検討していることが分かった。中期防単位では現行(19~23年度)の27兆4700億円から1.5倍近くになる。中国の軍備拡大や北朝鮮の核・ミサイル開発を踏まえ、岸田文雄首相が打ち出した「防衛力の抜本的強化」を具体化する。年末の正式決定に向け財源が焦点となる。複数の政府関係者が24日、明らかにした。
防衛費を巡っては、自民党が現在の国内総生産(GDP)比1%程度から2%以上に増額するよう主張している。

米、豪向け原潜建造検討 中国対抗へ早期配備と報道(産経N)


米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は23日、米政府がオーストラリア向けの原子力潜水艦数隻の建造を検討していると報じた。米英豪は安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じ、米英が技術協力しオーストラリア国内で計8隻の原潜を建造・配備する予定だが、完成は遅れる見通し。軍拡を続ける中国に対抗するため、一部を米国製にして配備を早める狙いという。

同紙が伝えた欧米の外交筋の話によると、米英豪3カ国の高官は、米国が建造する原潜数隻を2030年代中ごろまでにオーストラリアに提供する案について協議した。オーストラリアが自前で建造しようとしている第1号艦の完成は40年以降とされ、米国製であれば配備時期の大幅な前倒しにつながる。
ただ同案では米国が原潜の建造能力を増強する必要があり、数十億ドル(数千億円)の費用がかかる。他にも複数の案が検討されており、原潜計画の詳細の策定期限である来年3月までに判断するという。(共同)

北の「核使用法令」 圧力強めて暴走を止めよ(産経:社説)


北朝鮮の国会にあたる最高人民会議が、核兵器の使用条件などを定めた法令を採択した。体制維持のため核の先制使用ができるなど核使用のハードルを下げる内容だ。

金正恩朝鮮労働党総書記は演説で「核保有国としてのわが国の地位が不可逆的なものになった」と強調した。
法治が通らぬ独裁国家の「法令」とは聞いてあきれる。法に名を借り、核を放棄しないとの宣伝である。日米韓はさらに結束を強め、核放棄へ圧力をかけ続けねばならない。
法令では、核戦力は正恩氏の「唯一の指揮に服従する」と書かれた。核以外の通常兵器であっても「北朝鮮指導部への攻撃が迫っていると判断された場合」や「国の存立や人民の生命が危ぶまれる事態」などには核兵器の使用が可能としている。

韓国紙は「(正恩氏の)思い通りに核の先制攻撃を行うことができる法令」と解説するが、「核」を脅しや駆け引きに使うのは、北朝鮮の常套(じょうとう)手段である。
北朝鮮が強気に出る背景にはウクライナに侵攻したロシアとの新たな協力関係がある。北朝鮮は否定するが、ロシアは国連安全保障理事会の決議違反を承知で北朝鮮から大量の弾薬を調達する手続きを進めているとされる。
ロシアは5月には、北朝鮮への制裁強化決議案に拒否権を行使するなど安保理での北朝鮮の後ろ盾になっている。
懸念されるのは7回目の核実験だ。16日の米韓の高官レベル協議では、核実験が行われたらこれまでとは別次元の「強力で揺るぎない対応」がとられることが確認された。核実験が強行されれば、朝鮮半島の緊張は一気に高まることが予想される。

何より「核使用法令」は日本の安全保障を脅かしかねない。非核国に対しては「核攻撃をしない」との原則をかかげているものの、「核保有国と結託しない限りは」との条件付きである。「核保有国との結託」がどう解釈されるかも正恩氏の胸三寸だ。米国との防衛協力を進める日本や韓国へのあからさまな揺さぶりである。
日本政府は今年12月に、相手領域内でミサイル発射を阻止する「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有の是非を決める方針だ。抑止力を高め国民の生命を守るために保有は不可欠だ。

防衛装備品の輸出「国主導」で推進、国家安保戦略に明記へ…防衛産業の立て直し図る(読売N)


 政府は、年末までに改定する国家安全保障戦略に、防衛装備品の海外輸出を「国主導」で推進する方針を明記する調整に入った。政府が外国との受注交渉に全面的に関与し、防衛関連企業への財政支援を導入する方向だ。事実上の企業任せだった手法を転換し、輸出拡充を図る。
 複数の政府関係者が明らかにした。国家安保戦略は外交・安保政策の基本となる文書で、2013年の策定後、初の改定となる。

 自衛隊の航空機や車両などを生産する防衛産業は納入先が防衛省・自衛隊に限られるなど経営に制約が多く、衰退傾向が続く。03年以降、100社超が防衛分野から撤退した。
 有事の継戦能力を維持するには、装備品を生産する防衛産業は欠かせない。このため、政府は自衛隊以外への販路拡大を助け、防衛産業の経営基盤を強化する必要があると判断した。
 装備品の輸出や技術供与は許可制だが、現在、相手国との受注交渉などは主に企業が行っている。官民一体で交渉に臨む外国との競争に敗れることも多く、交渉段階から政府が積極関与することで、官民で売り込む体制を目指す。
 企業への財政支援策としては、相手国の要望に合わせた装備品の改良や仕様変更が必要な際、費用の一部を企業に支援する制度を創設する案が有力だ。売却後も、企業による継続的なメンテナンスと合わせ、装備品の使用について自衛隊による教育・訓練を行うことも検討する。
 政府は14年、装備品輸出を事実上禁じていた「武器輸出3原則」に代わる「防衛装備移転3原則」を決定した。輸出促進を狙ったものだったが、完成品の輸出はフィリピンへの防空レーダー1件しかない。

 3原則の運用指針は、移転する装備品の用途を救難や輸送、警戒監視などに限っている。護衛艦や戦闘機などは輸出できず、輸送機や車両などが想定される。今後、こうした制約の緩和の検討も進める見通しだ。
 米政府は、米企業製の装備品を同盟国などに有償提供する「対外有償軍事援助(FMS)」制度で輸出を増やしている。交渉は政府間で行い、トランプ前米大統領は積極的に「セールス役」を務めた。必要な訓練などもパッケージで提供する。経団連は4月、防衛省に「日本版FMS」の創設検討を要望していた。
 防衛省幹部によると、フランスは東南アジア諸国に戦闘機を売り込む際、民間航空機の直行便を増やすなどの取引を国主導で進める。韓国は移転のための改良研究開発費を支援するなどし、販路を急拡大させた。

 ◆ 防衛装備移転3原則 =防衛装備品の海外移転について〈1〉紛争当事国への移転などの禁止〈2〉平和貢献・国際協力の推進や日本の安全保障に資する場合に限定〈3〉相手国の適正な管理を確保――の三つの原則に基づいて認める政府の方針。「移転」は、物品の輸出や技術の提供を意味する。

ウクライナ軍事侵攻中のロシア 予備役動員へ国内で抗議相次ぐ(NHK)


ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン政権は予備役の動員に踏み切り、各地で連日、市民を招集していますが、これに抗議する動きが相次いでいます。プーチン政権は多くの参加者を拘束し力で押さえ込んでいますが、国民の間では不満が広がっているものとみられます。

ウクライナで今月に入ってウクライナ軍が東部や南部で反転攻勢を続ける中、ロシアのプーチン大統領は21日、予備役を部分的に動員すると表明し、各地で市民が軍に招集されています。
ロシアの独立系のメディアは、優先的な招集の対象ではない高齢者や学生も動員され、国防省が示した30万人という規模を大幅に上回る100万人が動員される可能性があると伝えています。
またシベリアのケメロボ州にある村では、住民の男性すべてが動員されたとも伝えています。
こうした中、24日、動員に抗議する活動が首都モスクワや第2の都市サンクトペテルブルク、それに極東シベリアの都市などロシア各地で行われました。

抗議活動の参加者は治安部隊によって次々と拘束され、ロシアの人権団体は、日本時間の25日午前3時すぎの時点で、少なくとも32の都市で740人余りが拘束されたとしています。
拘束された参加者に招集令状が渡されることもあると伝えられていて、その合法性について記者に問われたロシア大統領府のペスコフ報道官は「何の違法性もない」と行為を正当化しています。
プーチン政権は市民の抗議活動を力で押さえ込みながら、あくまでウクライナ侵攻を続ける構えですが、国民の間では不満が広がっているものとみられます。
一方、ウクライナではロシアの支配地域で親ロシア派の勢力が「住民投票」だとする組織的な活動を強行していて、プーチン政権による一方的な併合をねらった動きだとして、ウクライナや欧米各国が強く非難しています。
「住民投票」についてロシア国営のタス通信は24日、議会関係者の話として、今月27日の投票終了後、ロシアの議会での決議を経て30日にも、併合の手続きが行われる可能性があると伝えています。

北朝鮮が弾道ミサイル発射か 防衛省(NHK)


防衛省は、先ほど、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表しました。

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