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ロシア軍 ウクライナ南部ヘルソン方面に4万人規模の部隊集結か(NHK)


ロシアによる軍事侵攻への反転攻勢を強めるウクライナ軍が南部ヘルソン州の中心都市に向けて部隊を進めているとみられる中、ロシア側は4万人規模の部隊を集結させているとする見方が出ていて、予断を許さない情勢が続いています。
ウクライナ軍は30日、ロシアによる軍事侵攻への反転攻勢を強めていて、東部ドネツク州の10の地区でロシア軍を撃退したと発表したほか、南部ヘルソン州では中心都市ヘルソンに向けて部隊を進めているとみられます。
こうした中、ウクライナのメディアは29日、ロシア側がヘルソン方面に4万人規模の部隊を集結させているとする、ウクライナ軍の情報部門トップの見方を伝えました。
その多くは空てい部隊などの精鋭で、ヘルソンの解放には11月末までかかる可能性が高いとしていて、予断を許さない情勢が続いています。
ヘルソン州をめぐっては、ウクライナのレズニコフ国防相も25日、NHKとのインタビューで、ロシア軍が中心都市ヘルソンとその周辺に部隊を集めていると指摘していました。
一方、ロシア側は、ウクライナ南部クリミアに駐留するロシア軍の黒海艦隊が無人機による攻撃を受けたと主張し「船舶の安全な航行が保証できない」などとして、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明しています。
これについてロシア国防省は30日「無人機は南部オデーサ近くの海岸から発射された」として、改めてウクライナ側を非難しました。
ウクライナ政府からの公式な反応はありませんが、クレバ外相は30日、ツイッターで「ロシアのふるまいは予想の範囲内だ。何百万もの人を飢餓のリスクにさらしていながら、交渉に臨む姿勢を装っている。だまされてはいけない」などと投稿し、合意の履行を一方的に停止するとしたロシア側の姿勢を強く批判しました。

ウクライナ 本格的な冬を前に 集中暖房施設などの復旧作業
ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナでは、本格的な冬を前に、砲撃や戦闘で破壊された集中暖房の施設などの復旧作業を急いでいます。
このうち、侵攻当初、ロシア軍との間で激しい戦闘があった首都キーウ近郊のイルピンでは、集中暖房のボイラー施設で修理が行われていました。この施設は、街のおよそ7000戸に暖房のための温水を供給しているということですが、ボイラーにはロシア軍との戦闘による銃弾の痕が残ったままです。施設の建物には、砲弾が直撃して屋根に穴が開いたほか、爆風でほとんどの窓ガラスも割れたということですが、ほぼ修復を終え、仕上げの塗装作業が行われていました。
イルピンのクラフチュク副市長は「赤十字などの支援を受けて、ボイラー室の窓を交換した。復旧作業は継続中だが、11月の初めまでには作業を完全に終えたい」と話していました。
一方、ウクライナでは10月、火力発電所などエネルギー関連施設が相次いでロシア軍の攻撃を受け、各地で停電が相次ぐなど、冬を前にして市民生活への影響が広がっています。
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自民、トマホーク導入賛意 新藤氏「日本防衛に必要」(産経N)


自民党の新藤義孝政調会長代行は30日のフジテレビ番組で、政府が米国製の巡航ミサイル「トマホーク」購入を検討していることについて、抑止力強化が必要だとして賛意を示した。「日本に対する(周辺国の)脅威が上回っているなら、それに対処するのは自国防衛のために必要なことだ」と語った。

中国の急速な軍事力拡大や北朝鮮の核・ミサイル開発を念頭に、以前は売却先を厳しく限定してきた米国が、日本と交渉するようになってきたとも説明し「当然、われわれの自衛の必要な範囲として検討すべきだ」と述べた。
これまでの日本の防衛戦略には、敵の射程圏外から攻撃可能な「スタンド・オフ・ミサイル」と、敵基地攻撃能力(反撃能力)が欠けていたとも指摘した。
トマホークは射程が長く、目標を精密に攻撃できる巡航ミサイル。低空飛行のためレーダーで捕捉されにくいとされる。

サイバー要員、27年度最大5000人に拡充へ 防衛省検討 アクティブ・サイバー・ディフェンスの対応急ぐ(日経新聞)


防衛省はサイバー攻撃に対処する自衛隊の要員を2027年度までに最大で5000人規模に増やす検討に入った。およそ890人の現行の体制の5倍ほどになる。年末に改定する国家安全保障戦略など3文書に反映する。
サイバー領域の専門人材を5000人規模に増やすのは海外と比べて対処能力が手薄だとの危機感からだ。政府・与党は攻撃の兆候の探知や発信元の特定など「アクティブ・サイバー・ディフェンス(積極的サイバー防衛)」の整備への協議も急ぐ。
ロシアによるウクライナ侵攻は通常戦力とサイバー攻撃などの「ハイブリッド戦」だった。各国はサイバー領域での優位性を確保しようと動く。中国のサイバー戦部隊は攻撃部隊3万人を含め17万5000人程度、北朝鮮も6800人の規模だとみられる。
自衛隊は3月に新設した自衛隊サイバー防衛隊を中心に1000人に満たない。想定通りに体制を拡充できても十分とは言い切れない。

人材育成のため23年度に陸上自衛隊の通信学校(神奈川県横須賀市)を「陸自システム通信・サイバー学校」に改編する。防衛省内に政策立案を担う「サイバー企画課」も設ける。
サイバー分野で抑止力を高めるには平時から相手の情報を収集するなどの対策が要る。日本は憲法に基づく「通信の秘密」や相手システムへの侵入などを制限する不正アクセス禁止法などの制約がある。
年末の国家安全保障戦略などの改定に向けて、積極的サイバー防衛に乗り出す必要性や要件なども政府・与党の議論のテーマになる。

ミサイル情報収集へ衛星50基の打ち上げ検討 敵基地攻撃に利用視野(朝日新聞)


ミサイル防衛のため、多数の小型人工衛星を一体的に運用して情報収集する「衛星コンステレーション」について、防衛省が約50基の打ち上げを検討していることがわかった。迎撃が難しい「極超音速ミサイル」の探知や追尾の研究実証に生かし、「敵基地攻撃能力」を保有した際、攻撃対象の情報収集に利用することも視野に入れる。

複数の政府・与党関係者が明らかにした。衛星コンステレーションは、多数の小型衛星を低高度の周回軌道に打ち上げ、一体的に運用する。特定の地点を高い頻度で観察できるため、相手部隊の動向把握につながる。政府関係者は「敵基地攻撃能力を持つことになれば、攻撃対象の情報収集にも役立つだろう」と話す。
音速の5倍(マッハ5)以上の速度で軌道を変えながら飛ぶ極超音速ミサイルを探知・追尾するための研究実証も計画している。
防衛省は、衛星コンステレーションの整備について、政府が年内に改定する安全保障関連3文書の一つ次期中期防衛力整備計画(2023~27年度)への明記をめざしている。この期間中に衛星を順次打ち上げ、運用は民間委託も検討。すでに進めている民間の衛星画像の取得や、米国の情報とも合わせて情報収集体制を強化したい考えだ。(以下有料記事)

中露の「キラー衛星」に対抗、日本上空の監視衛星2基態勢へ…宇宙防衛を強化(読売新聞)


防衛省は、日本上空の宇宙空間の警戒を強化するため、監視衛星を2基態勢で運用する方針を固めた。2基目の衛星には、中国やロシアの「衛星攻撃衛星(キラー衛星)」の活動を妨害する機能の付与を検討している。複数の政府関係者が明らかにした。

監視衛星態勢の構築と拡充は、宇宙分野の防衛力強化策の柱の一つとして、年末までに改定する「防衛計画の大綱」(防衛大綱)や「中期防衛力整備計画」(中期防)に明記する。
衛星には、光学望遠鏡を搭載し、高度約3万6000キロ・メートルの静止軌道でキラー衛星の動きなどの情報を収集する。来年度から地上のレーダーでの警戒が始まる予定だが、宇宙空間ではより詳細なデータが得られる。
現在、2026年度までに1基目を打ち上げることが固まっている。ただ、1基ではセンサーの角度によって警戒範囲に限界がある。日本上空を全てカバーするには複数の衛星が必要で、防衛省はまず1基目の運用を検証し、2基目の打ち上げ時期を調整する。
監視衛星の必要性は、中露がキラー衛星の開発を進めていることを受け、18年の防衛大綱や中期防で初めて打ち出された。
日本の安全保障関連の衛星としては、地上の動向を把握する「情報収集衛星」に加え、ミサイル誘導に不可欠な「測位衛星」などが運用されている。これらがキラー衛星の攻撃で無力化されると、日本の防衛に重大な影響を及ぼす。
このため、2基目の監視衛星には、キラー衛星の攻撃を阻止するため、電波妨害装置などを搭載する方向だ。防衛省が来年度から具体的な設計に着手する。
キラー衛星への攻撃について、浜田防衛相は「自衛のための必要最小限度の措置でなければならない。個別具体的な状況を踏まえて判断する」(27日の衆院安全保障委員会)と述べ、法的には可能だとの認識を示している。

◆ キラー衛星 =宇宙空間で他国の衛星を攻撃する軍事衛星。標的の衛星に接近し、ロボットアームで捕獲したり、電磁波を照射したりして機能を喪失させる。中国は2010年以降、衛星同士を近づける実験を繰り返している。ロシアも関連技術を開発しているとされる。

米空軍 嘉手納F15退役を来月開始 高性能機の巡回配備に移行(産経N)


【ワシントン=坂本一之】米空軍は28日、沖縄県の嘉手納基地に常駐するF15戦闘機の老朽化を受けて11月から約2年をかけて段階的に退役させると発表した。今回の措置は装備の近代化の一環で、より性能の高い戦闘機による巡回配備に移行する。「インド太平洋地域における戦力の近代化は米国の最重要課題だ」と指摘した。

米空軍は同日の声明で、30年以上運用しているF15を退役させ、高性能の戦闘機を巡回配備させて「嘉手納での安定したプレゼンスを維持する」と述べた。新たな戦闘機の具体的な機種は言及せず、嘉手納での戦闘機部隊の長期的な対応については決定していないと説明した。
東・南シナ海で海洋進出を図る中国の習近平共産党総書記(国家主席)は22日閉幕の党大会で、台湾統一を巡り「決して武力行使の放棄を約束しない」と威嚇した。中国に対する抑止力の重要性はインド太平洋地域で高まっていて、米国のプレゼンス低下を懸念する声もある。
米空軍は今回の措置について態勢の強化と説明し、米国の「日本防衛と抑止力に対するコミットメントは鉄壁だ」としている。

年金制度 負担のありよう問い直せ(産経:社説)

5年に1度の年金制度改正の議論が厚生労働省の年金部会で始まった。将来の年金給付水準の過度の落ち込みを防ぐため、現在は40年の基礎年金(国民年金)の加入期間を45年に延長する案などが挙がっている。
少子高齢化の進行などで、今のままでは、特に基礎年金の水準低下が避けられないからだ。
年金をはじめとする社会保障制度は、負担と給付の均衡によって成り立つ。子や孫の代まで持続可能になるよう、現実を見据えた改革を行わなければいけない。どんな改革が必要で、誰が負担するかを明らかにして、理解と協力を得る過程こそが重要である。
急がなければいけないのは、全国民に共通の基礎年金の立て直しである。
現在60歳になるまでの40年間となっている基礎年金の納付期間を45年間に延ばす案はその一つだ。会社員が納める厚生年金保険料は基礎年金分が含まれるため、60歳以上で働く会社員では、既に納付が40年を超えるケースもある。
これに対し自営業者らは制度改革を行えば、納付期間が5年延びることになる。受け取る年金はその分増えるとはいえ、新たな負担に理解が得られるかが課題だ。
45年化のもう一つの問題は国庫負担が増えることだ。厚労省はいつ、どのくらいの財源が必要になるか示さなければいけない。

一方、逼(ひっ)迫(ぱく)する国民年金財政の負担を軽減するため、拠出の一部を、厚生年金財政が積立金で肩代わりする案も浮上している。働き方や世代の違いを超えて、納得できるよう議論を深めてほしい。
短時間労働者への厚生年金のさらなる適用拡大など、働き方に合う制度への転換は欠かせない。零細企業などでは、実態は被雇用者なのに厚生年金に加入できないケースがある。雇用先の規模による不利益の解消が急がれる。
年金で大きな改革が必要になるのは、人口減少などを織り込んで年金水準を抑制する「マクロ経済スライド」の実施が、デフレで遅れたことが原因である。
その結果、将来世代の年金水準は予定以上に落ち込み、逆に今の受給者の年金水準は相対的に高まった。マクロ経済スライドの発動要件の見直しなど、制度に切り込んだ改革も検討してほしい。
将来世代の年金を守るのは、果敢な改革だけである。

プーチン大統領 国防相に軍の強化命じる 巻き返し図るねらいか(NHK)


ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン政権は、予備役の動員について30万人の招集を終えたと発表しました。
一方、プーチン大統領は国防相に軍の強化を命じ、さらなる長期化を見据えて戦力の強化を図るねらいがあるものとみられます。

プーチン大統領は28日、ショイグ国防相から予備役の動員について目標としていた30万人の招集が完了し、「追加の動員は計画されていない」とする報告を受けました。
予備役の動員をめぐっては、プーチン政権が兵員不足を補うため、先月踏み切りましたが、対象ではない人も招集されるなど混乱が生じ、各地で抗議活動が相次いだほか、招集を恐れて国外に逃れる人たちが後を絶たず社会に動揺が広がりました。
こうした中でプーチン大統領は「動員の初期段階では問題や困難があった」と問題を認めたうえで、ショイグ国防相に改善を指示しました。
また、実際に戦闘に参加しているのは4万人余りで、残りは訓練中であることを国防相に確認する形で強調していて、ロシアの有力紙コメルサントは「国民を安心させるためだ」という見方を伝えています。
プーチン大統領は「装備を整え訓練を行い、直接、戦闘に参加しなければならない場合に自信を持たせることが最も重要だ」とも述べていて、動員された兵士が訓練や装備が不十分なまま戦闘にかり出されているといった指摘も伝えられる中で、国民の懸念に配慮する姿勢を示したものとみられます。
一方、プーチン大統領は、海軍の増強などに力を注いできたとしたうえで、「陸軍を含むすべての軍の構成についてよく考え調整する必要がある」と述べ、軍の強化を命じました。
そのうえで必要な決定を短期間で行うよう指示していて、軍事侵攻のさらなる長期化を見据えて戦力を強化し、ウクライナ軍の反転攻勢に対して戦況の巻き返しを図るねらいがあるものとみられます。

動員の完了 ショイグ国防相が報告
今回、ロシアのプーチン大統領は、モスクワ郊外の公邸で、動員の完了をショイグ国防相に報告させ、国営メディアでその様子を公開しました。
これについてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は大統領みずから完了を発表することもできたと指摘したうえで「改めて国防相の権威づけを図り、ウクライナに戦闘部隊を送っている強硬派が影響力を増す中でバランスを取ろうとしているようだ」と分析しています。
ウクライナ侵攻をめぐっては強硬派の意見が強まり、プーチン大統領への圧力になっているという見方も出ていて、このうち、チェチェンの戦闘員を率いるカディロフ氏は27日、SNSで、東部の防衛態勢に不満を表し、10月1日に続いてロシア軍の現地の司令官を痛烈に批判しました。
カディロフ氏は南部ヘルソン州で、チェチェンの戦闘員23人が死亡し58人がけがをしたと明らかにし、ウクライナ軍の反撃で大きな打撃を受けたものとみられます。
また、アメリカの有力紙ワシントン・ポストは25日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の代表で、政権に近いとされるプリゴジン氏が軍の上層部を批判し、プーチン大統領に苦言を呈したと報じています。

米のシンクタンク「決定的な影響与えることはない」
ロシアのプーチン政権による予備役の動員をめぐって、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は28日「ロシアの戦力に決定的な影響を与えることはない」とする見方を示しました。この中で「ロシアが4万人余りの訓練不足の戦闘要員を投入したことでロシアの防衛ラインは一時的に強化されたかもしれないが、彼らはまだ大規模で準備を整えたウクライナ軍の反撃に直面していない」と指摘しています。
その上で、今回動員された30万人のうち、あわせて15万人が11月中に戦闘任務につくという見通しを示した上で「部隊に追加配備しても、戦況を変える可能性は依然として低い」と分析しています。
一方、10月中に動員を完了させたことについては、例年より1か月遅れて来月1日に始まる18歳から27歳までの秋の徴兵に合わせたものだという見方を示し、「ロシア軍には新たに徴集する12万人の訓練を同時に行う能力がないようだ」と指摘しています。

米トマホーク購入、政府検討 台湾有事「数年内」に備え(日経新聞)


政府が米国製の巡航ミサイル「トマホーク」の購入を検討していることが分かった。いわゆる「反撃能力」の具体的手段として念頭に置く。国産の長射程巡航ミサイルの配備は2026年度以降になる。想定より早いタイミングでの台湾有事をにらみ日本の防衛政策上の空白を埋める。
台湾情勢をはじめ日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることを背景に、トマホークの取得案が浮上した。
中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は16日、党大会で台湾統一へ武力行使を辞さない姿勢を示した。8月には台湾周辺で軍事演習し、日本の排他的経済水域(EEZ)内にも弾道ミサイルを撃ち込んだ。
これまで台湾有事のリスクが高いのは「習氏の党総書記としての3期目が終わる年にあたる27年」の指摘が多かった。早まるとの見方がここに来て相次ぐ。

ブリンケン米国務長官は17日に台湾統一について「中国が以前に比べてかなり早い時間軸で目指すと決意している」と語った。米海軍のマイケル・ギルディ作戦部長は19日に台湾侵攻が23年までに起きる可能性は排除できないと見通した。
岸田文雄政権は防衛力の5年以内の抜本的な強化を掲げてきた。相手の脅威圏外から対処する「スタンド・オフ・ミサイル」を整備する。年末の国家安全保障戦略などの改定に向けて保有の是非を議論する反撃能力の選択肢になる。

防衛省は国産巡航ミサイル「12式地対艦誘導弾」の能力向上型をスタンド・オフ・ミサイルの柱に位置づけた。射程を現行の百数十キロメートルから1000キロメートル超にのばし、地上だけでなく艦艇や戦闘機からも撃てるようにする計画だ。
地上発射型は当初予定を3年前倒しし、26年度の運用開始を目指す。それでも弾数の量産や艦艇や戦闘機から発射するタイプの導入には一定の時間がかかる。
台湾周辺で軍事衝突が起きれば日本の南西諸島防衛に影響は避けられない。湾岸戦争やイラク戦争などの米軍の軍事作戦で実績があるトマホークを即戦力として早期に配備し、その後に国産ミサイルを活用する二段構えの構想になる。
トマホークの射程は千数百キロメートルに至り、艦艇や潜水艦などから発射できる。英国も導入している。
防衛省は自衛隊で使う場合、海上自衛隊のイージス艦の垂直発射装置を改修して運用すると見込む。同省幹部は1発あたり数億円になるとの見通しを示す。

米国は同盟国などと協力を深めて抑止力や対処力を高める「統合抑止」の戦略を打ち出している。日本がトマホークで侵攻を阻止・排除できる能力を確保すれば、日米の統合抑止力は上がる。
実際に購入できるかは米国政府との交渉になる。政府・与党内で17年にも導入を求める声があがったものの実現しなかった経緯がある。
政府・与党は反撃能力を巡って要件や行使対象とともに必要な装備も話し合う。どのような脅威に対処するかで装備の種類や数が変わる。防衛費の増額をまかなう財源も課題になる。
公明党の北側一雄副代表は27日、反撃能力の保有は北朝鮮への対応策になると言及した。「中国本土にミサイルを反撃能力で発射する想定は現時点でしていない」と主張した。

米製トマホーク導入案浮上 反撃能力の整備念頭―政府(時事通信)


米国製の巡航ミサイル「トマホーク」を導入する案が政府内で浮上した。「反撃能力」(敵基地攻撃能力)の保有を念頭にしたもので、すでに米国側に打診している。政府関係者が28日、明らかにした。
トマホークは地上や海上から発射可能で、射程は1000キロメートルを超える。米国は1991年の湾岸戦争などの実戦に投入。英国も導入している。
 
政府は年末までに、防衛力の抜本的強化に向けて国家安全保障戦略など安保関連3文書を改定する。その中で反撃能力の保有を明記し、海上自衛隊の護衛艦を改修し、トマホークを運用する段取りを描いている。
防衛省は相手の射程圏外から攻撃できる長射程のスタンド・オフ・ミサイルとして、国産の「12式地対艦誘導弾」を1000キロメートル超の長射程化にする改良を続けている。ただ、運用開始は2026年度の見込みで、配備までは一定の時間がかかる。そのため、「信頼性が高い」(防衛省幹部)との評価があるトマホークを早期配備する案が浮上した。
しかし、政府内には「海外製の装備品は急に価格が高騰することや、納入時期が遅れることもある」(防衛省関係者)との懸念の声も出ている。「米国製に安易に頼ると、国産ミサイル不要論につながる」との指摘もあり、今後、慎重な検討が進む見通しだ。

ロシアの駐日大使が離任へ ガルージン氏、来月にも(産経N)


ロシアのミハイル・ガルージン駐日大使(62)が11月下旬にも離任する見込みであることが28日、ロシア政府関係者への取材で分かった。後任は不明。来月中旬に日本の政財界やメディア関係者を集めた離任パーティーが東京で予定されている。

18年3月に駐日大使に着任したガルージン氏は、ロシア外務省の歴代の日本専門家の中でも屈指の日本語能力で知られ、ソ連時代を含めて日本勤務は計4回。北方領土問題やロシアのウクライナ侵攻を巡っては、ロシア政府の立場に忠実な能吏として知られてきた。
ガルージン氏は5月の共同通信とのインタビューで、ウクライナ侵攻後の対ロ制裁に加わった日本を「不当に制裁を発動して非友好的な行動を取り続け、ロシアに損害をもたらそうとしている」と厳しく批判し、平和条約交渉を行うのは不可能と明言していた。(共同)

30万人の部分動員完了 露国防相が報告(産経N)


ロシアのショイグ国防相は28日、ウクライナでの軍事作戦に絡んで9月に開始した30万人規模の部分動員の手続きを完了したとプーチン大統領に報告した。国営テレビが中継した。
ショイグ氏はモスクワ郊外の大統領公邸でプーチン氏と会談。動員された30万人のうち21万8千人は訓練中で、8万2千人が訓練を終えて現地に送られ、うち半数の4万1千人は既にロシア軍部隊に編入されたと述べた。予備役をこれ以上動員する予定はないとも明言、国民の不安の沈静化を図った。
プーチン氏は「軍事作戦を教訓に、あらゆる軍組織の改善が必要だ」と述べ、特に地上軍の改革と装備強化の必要性を強調した。
ウクライナでの兵員不足を受けてプーチン氏は9月21日に部分的動員を大統領令で命令。動員資格に外れた人が多数招集されるなどロシア社会に動揺が広がっていた。(共同)

海上自衛隊の国際観艦式、中国「艦艇派遣しない」と連絡(朝日N)


防衛省は28日、11月開催予定の海上自衛隊の国際観艦式について、中国側から「艦艇を派遣しない」と連絡があったと発表した。8月に台湾周辺で軍事演習をしていた中国軍の弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことなどを受け、日中は緊張関係が続いている。

トマホーク搭載の潜水艦を視野、「実験艦」新造を検討…防衛大綱に開発方針記載へ(読売N)


政府は、長射程ミサイルを発射可能な潜水艦の保有に向け、技術的課題を検証する「実験艦」を新造する方向で調整に入った。年末までに改定する防衛計画の大綱に開発方針を盛り込む見通しだ。実戦配備に進めば、米国政府に購入を打診している巡航ミサイル「トマホーク」の搭載も視野に入れる。
 複数の政府関係者が明らかにした。政府は、自衛目的でミサイル発射拠点などを破壊する反撃能力の保有を目指している。その手段となる地上目標を攻撃可能な長射程ミサイルは、陸上自衛隊の「12式地対艦誘導弾」の改良型やトマホークを主力に据える方向だ。

 発射機材は、車両や水上艦、航空機を念頭に置いてきたが、配備地などを探知されかねない。相手に反撃を警戒させ、抑止力を高めるには、より秘匿性の高い潜水艦を選択肢に加える必要があると判断した。
 実験艦は2024年度にも設計に着手し、数年かけて建造する計画だ。ミサイル発射方式は、胴体からの垂直発射と、魚雷と同様の水平方向への発射の両案を検討する。実験艦の試験を踏まえ、10年以内に実用艦の導入を最終判断する。
 海上自衛隊の潜水艦の装備は現在、魚雷と射程の短い対艦ミサイルが中心だ。最新の「たいげい」型は対地・対艦兼用ミサイルを搭載しているが、射程は250キロ・メートル程度にとどまる。トマホークは潜水艦からの発射も可能で、射程は1250キロ・メートル超だ。
 対地の長射程ミサイルを発射可能な潜水艦は、米英仏中露などが保有する。韓国も弾道ミサイルを発射できる潜水艦を配備している。

リトアニア シモニテ首相「安全保障 日本と協力したい」(NHK)


リトアニアのシモニテ首相がインタビューに応じ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、隣国ロシアからのサイバー攻撃への対策など安全保障について日本と協力していきたいと述べました。
来日中のリトアニアのシモニテ首相は28日、都内でNHKのインタビューに応じ、ウクライナへの軍事侵攻について「ロシアとウクライナだけの問題ではなく、独裁国家が自国の意思を他国に強いることができるかという問題だ」と述べ、旧ソビエトに併合された自国の歴史を踏まえ、ルールに基づく国際秩序を守ることが重要だと訴えました。

リトアニアはことし6月、ウクライナへの軍事侵攻に対する制裁の一環としてリトアニアを通ってロシアの飛び地・カリーニングラードを結ぶロシアの鉄道貨物輸送を制限したところ、政府機関や民間企業がロシアのハッカー集団による大規模なサイバー攻撃にあいました。
シモニテ首相は「われわれは軍事行動や兵器だけでなく、エネルギーやプロパガンダといった脅威について話し合う必要がある」と述べ、情報を盗んだりインフラの停止を狙ったりするサイバー攻撃への対策強化に日本のIT企業が持つ技術を活用するなど、安全保障に関わる幅広い分野で日本との協力を進めていきたいという考えを明らかにしました。
一方、エネルギー価格の高騰への影響については「ロシアは脅しをかけているが、ヨーロッパにはほかの調達先がありこの問題を乗り越えることができる」と述べ、価格高騰への懸念からロシアに安易に譲歩するのではなく、強い態度で臨むべきだと強調しました。

防衛費財源「法人税は選択肢」 公明・北側氏(産経N)


公明党の北側一雄副代表は27日、日本記者クラブで会見し、防衛費増額の財源について「当面は国債を発行するにしても、財源の将来的な手当は決めておかなければいけない」と指摘し、恒久財源として「法人税(増税)は一つの選択肢だ」と述べた。他方で防衛省の施設については「建設国債の発行も選択肢だ」と語った。

敵ミサイル拠点などへの打撃力を持つことで相手に攻撃を躊躇(ちゅうちょ)させる「反撃能力」(敵基地攻撃能力)に関しては「先制攻撃とならないことが非常に大事だ」と強調した。
北側氏は、反撃能力の対象範囲について「ミサイルの発射基地は反撃の対象になるだろうが、それに限られるとは思っていない。ただ、どこでもいいわけではなく、必要最小限の措置でなければいけない」と述べた。弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮が念頭にあり、「中国本土に対してミサイルを反撃能力で発射するような想定は現時点ではしていない」と語った。

チャーチルの英知学び日韓連携を 防衛大学校教授・神谷万丈(産経:正論)


このところ日本の政治は旧統一教会を巡る問題一色の感がある。だがこの間も日本をとりまく安全保障情勢が一層厳しさを増しつつあることを忘れてはならない。

抜け落ちたままの韓国
ロシアのウクライナ侵略は、ウクライナの善戦にもかかわらず終結の見通しが立たず、ルールを基盤とする国際秩序の危機は続いている。中国では、習近平国家主席が共産党大会で、台湾への「武力行使の放棄は決して約束しない」と言い放った。台湾に隣接する日本にとって看過できない発言だ。北朝鮮は尋常ならざる頻度で様々なミサイルの発射を繰り返しており、近く7回目の核実験が行われるのではないかとの観測もある。
旧統一教会問題では不手際が目立つ岸田文雄政権だが、こうした安全保障上の懸念の増大への対応はおおむね適切だ。ウクライナ戦争が明らかにしたように、国の安全を守るためには自助努力を十分に行った上で友好国と力を合わせることが必要だが、岸田首相は日本に対する脅威の高まりを前に、その両方に力を注いでいる。
自助努力については、就任以来唱えてきた防衛力の抜本的強化を着実に前進させつつある。防衛予算の大幅増や「反撃能力」の保有について、首相の決意は揺らいでいない。友好国との連携では、日米の結束をますます強めると同時に、欧州諸国や豪州、インドなどとの結びつき強化にも取り組み続けている。
だがこうした国際協調強化の努力から、本来はそこに加わっていて然(しか)るべきである一つの国がほぼ抜け落ちたままになっているのが気にかかる。それは韓国だ。
必要な協力が全く行われていないわけではない。最近の北朝鮮による相次ぐミサイル発射を受けて、日米韓の外交当局者間では電話での協議や意見交換が繰り返されているし、10月4日には日韓の外相が、6日には首脳が電話で会談した。9月30日には日米韓の海軍共同訓練が日本海で5年半ぶりに実施されてもいる。だが日韓関係には、1965年の国交正常化以来最悪といわれる冷え込みから脱却するきざしはみられない。

日本にとっての国益は
それを象徴しているのが、両国間の首脳会談がまだ実現していないことだ。日本の政界には、文在寅前政権が慰安婦問題やいわゆる徴用工問題で日本との国際的な合意を反故(ほご)にするかのような態度をとったことなどから、韓国に対する根強い不信感が広がっている。徴用工問題で成果が見込めないうちは、首脳会談を行う意味はないとの主張も多い。
私も、日韓関係の冷え込みの原因の多くは韓国側にあると思う。だから、日本の側から徴用工や慰安婦の問題などで譲ることはあり得ない。だが、果たして両国関係を今のような状態にとどめておくことが日本の国益に資するだろうか。私はそうは考えない。
現在日本にとり最も重要な国益とは何か。それは、冒頭で挙げたような脅威の高まりから国の安全を守り抜くことだ。そのためには、先に述べたように自助努力と国際的な連携がともに必要だ。
ここで認識されるべきは、韓国は日本の安全を脅かす国ではないということだ。最近語られることの多い自由対専制という構図の中で、韓国は日米欧などとともに自由の側に属する国だ。しかも韓国は、国内総生産(GDP)世界第10位の経済力を持つ。この国を味方にできるかどうかは、日本の安全に少なからぬ影響を与える。

最大の脅威に立ち向かうため
韓国が好きか嫌いかという問題ではない。外交とは、相手に対する好悪の感情ではなく、あくまでも国益の観点から進められるべきものだ。ここで思い出されるのが、ヒトラーを倒すためならば「悪魔とでも手を組む」と言ってスターリンと結んだチャーチルの英知だ。筋金入りの反共主義者のチャーチルは、ソ連もスターリンも憎んでいた。だがそれでも、英国にとっての当面の最大の脅威に立ち向かうためには、ソ連との連携を躊躇(ため)らわなかったのだ。今、日本の対韓政策に求められるのは、この冷徹な損得勘定だろう。
しかも韓国は決して「悪魔」ではない、自由や民主主義といった価値を日本と共有する国だ。さらに韓国では5月に尹錫悦政権が発足している。
尹大統領は日本との関係を重視していることで知られ、駐日大使には、慶応義塾大学で博士号を取得した韓国きっての知日派国際政治学者の尹徳敏氏が起用された。文政権下とは大きく異なる日韓関係改善のための条件が、韓国側に整いつつあるのだ。
だからといって関係改善のために日本が両国間の重要な懸案で理不尽な譲歩をすることがあってはならない。だがそれでも、韓国側から関係改善のための「球」が投げられてきた場合には、日本側から投げ返す球の内容を可能な限り工夫することが求められよう。韓国と力を合わせることが日本の安全と国益にとって得になるかどうかという、現実的な計算に基づいた外交姿勢が求められるのだ。(かみや またけ)

科学技術と安保 「産官学」の連携へ知恵を絞れ(読売:社説)


先端的な科学技術の研究を、民生と軍事に切り分けるのは無理がある。その境界を取り払い、科学技術の成果を活用するため、政府は具体的な仕組みを整えるべきだ。

 政府の防衛力強化に関する有識者会議で、先端研究を民生と軍事の双方で活用する「デュアルユース(両用)」が論点となった。「科学技術と防衛が遮断されている現状を改めるべきだ」といった指摘が相次いだという。
 民生と軍事の相互利用は、世界の潮流だ。米国では、国防総省の下にある研究組織が民間と協力し、全地球測位システム(GPS)を開発した。今後、各国が人工知能(AI)や量子などの研究を軍事に活用する可能性がある。
 日本の学術界は、「戦争に加担することになる」といった理由で、防衛関係の研究に消極的だ。
 だが、既に最新鋭の戦闘機や護衛艦には、電子機器など様々な民生品が使われている。旧態依然とした考え方は通用しない。
 科学技術政策に、安全保障の視点を取り入れることが重要だ。

 政府の総合科学技術・イノベーション会議の構成員に、防衛相を含める必要がある。外交・安保の司令塔である国家安全保障会議が、科学技術予算の編成に関与する仕組みも検討に値しよう。
 技術の活用が軍事偏重とならないよう調整するのは、政治の役割だ。実態を検証するため内閣と国会に組織を設けるのも一案だ。
 実際、特定秘密保護法の運用では、有識者でつくる情報保全諮問会議と、衆参の情報監視審査会がそうした役割を担っている。

 防衛力強化の会議では、大学の外部に拠点を設け、防衛装備庁や民間の研究者を集める構想が提案されている。また、政府内では、「産官学」が連携する研究機関を新設する案も浮上している。
 狙いは理解できるが、防衛装備庁には、陸海空3自衛隊の各研究組織や、宇宙など新領域を担う次世代装備研究所がある。文部科学省が所管している研究機関も多い。新たな組織を設ける場合、既存の組織の統廃合も考えたい。
 研究者側も意識を改めねばならない。日本学術会議は7月、デュアルユースの先端研究を事実上、容認する見解をまとめた。具体的な行動で示してもらいたい。
 政府は、大学の研究開発を後押しするため、10兆円規模のファンドを設け、数校を指定して支援する方針だ。自由な発想に基づく基礎研究を、防衛装備品の開発にもつなげていくことが大切だ。

政府 米巡航ミサイル「トマホーク」購入を検討 防衛力抜本強化(NHK)


防衛力の抜本的な強化に向けて、政府がアメリカの巡航ミサイル「トマホーク」を購入できないか検討に入ったことが分かりました。

政府はいわゆる「反撃能力」の保有も念頭に、敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」として陸上自衛隊の「12式地対艦誘導弾」の改良型などを量産したいとしています。
ただ、このミサイルの運用が始まるのは2026年度以降の見通しとなっていることから、政府は十分に配備されるまでの抑止力や対処手段としてアメリカの巡航ミサイル「トマホーク」を購入できないか検討に入りました。
「トマホーク」について政府はアメリカ軍が各地の軍事作戦で運用しており高い信頼性があるとしていて、与党やアメリカ政府などと購入に向けて丁寧に調整を進めていく方針です。
一方、政府はいわゆる「台湾有事」を念頭に人員や物資を大規模に輸送する能力を増強する必要があるとして、自衛隊の輸送能力を補う目的で確保している民間フェリーの体制を現在の2隻から6隻程度に増やすことも検討しています。

中国国防省 “世界一流の軍隊建設” 装備や戦略の増強加速へ(NHK)


先の中国共産党大会で改正された「党規約」に中国軍を世界一流の軍隊に築き上げるという文言が盛り込まれたことを踏まえ、中国国防省の報道官は装備や戦略の増強を加速させる考えを強調しました。

今月開催された中国共産党大会では党の最高規則に当たる「党規約」が改正され、中国軍について「世界一流の軍隊に築き上げる」という文言が新たに盛り込まれました。
これに関連して中国国防省の譚克非報道官は27日、コメントを発表し、軍の創設から100年となる2027年までに装備や戦略を増強する目標の実現に向けて「世界一流の軍隊の建設を加速させる」と強調しました。
習近平国家主席は党大会で「世界一流の軍隊を早期に作り上げることは社会主義現代化強国を建設するうえでの戦略的な要請だ」と述べ、軍事力の増強を急ぐよう求めていて、中国国防省としても習主席の方針を徹底させる考えを示した形です。
また台湾情勢を巡って譚報道官は日本とアメリカに対し「中国の内政に干渉している」などと名指しで批判したうえで、とりわけ日本に対しては「軍事分野で言動を慎むよう促す」と述べ、強くけん制しました。

防衛省、シェルター整備検討 浜田靖一防衛相インタビュー(産経N)


浜田靖一防衛相は26日、産経新聞の単独インタビューに応じ、他国からミサイル攻撃などを受けた際に国民を保護する緊急一時避難施設(シェルター)の整備について、「(必要経費の)積み上げの中で思い切って取り組むことは重要だ。年末に向けた議論の中で強く言っていきたい」と述べ、シェルター整備を所管する内閣官房だけでなく、防衛省も含めた政府全体で検討する考えを示した。政府は年末までに国家安全保障戦略など「安保3文書」を改定し、防衛力の抜本的強化を目指しており、防衛省は自衛隊施設の活用も念頭に検討を進める。

浜田氏はシェルターや自衛隊施設の整備について「(予算不足のため)計画を立てて少しずつ対応してきたが、それでは遅い」と指摘。その上で、「『(ミサイルを)撃っても(日本には身を守る設備が整備されているので)無駄だ』と(相手に)伝える広い意味での抑止手段とも考えられる」と説明した。防衛省は令和5年度当初予算の概算要求で、老朽化した庁舎や隊舎の整備や司令部の地下化などを進める方針で、地下施設のシェルター活用を進める内閣官房とも連携する。
また、ミサイル拠点などへの攻撃能力を持つことで相手に攻撃を躊躇(ちゅうちょ)させる「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有に関し、浜田氏は「(相手が日本への攻撃に着手したかどうかを見極める)政治的判断をどう早くできるか。(情報の)精度を上げていけるかが重要だ」との見解を示した。

相手の攻撃着手後であれば、先に攻撃しても専守防衛に反しないとする政府見解をめぐっては、公明党が否定的な見方を示し、今後、自民、公明両党による協議は難航も想定されるが、浜田氏は「(日本の防衛政策が変わる)歴史的転換期に思い切った議論をしてもらうのが重要。その点では懸念していない」と語った。防衛費のあり方については「平和を希求する国家として意思を示すのが重要。(周辺国の軍事拡張で)今やらないと5年後どうなっているか分からない。岸田文雄首相が表明した『抜本的強化』には背景がある」として丁寧に説明していく考えを示した。

イランの無人機 侵略者加担を即刻やめよ(産経N)


ロシア軍によるウクライナへの大規模攻撃にイランが供与した自爆ドローン(無人機)が投入され、首都キーウの住民らが犠牲になった。
無差別攻撃の威力と恐怖を高める武器供与である。侵略者に加担するイランの振る舞いは断じて許されない。
イラン外務省は供与を否定しているが、信じるわけにはいかない。米欧はイランを名指しで批判し、欧州連合(EU)はイランへの追加制裁で合意した。
イランはウクライナに武器を供与する米欧に非難の矛先を向けるが、全くの詭弁(きべん)である。無法な侵略の後押しと、国連憲章が認める自衛のための戦いに救いの手を差し伸べることは根本的に違う。
日本を含む国際社会は、ドローン供与を即刻やめるようイランへの圧力を強めるべきである。
無人機はイラン製の「シャヘド136」などとみられ、機体を塗り直し、ロシア語で使われるキリル文字が表記されている。

露軍によるミサイルや無人機での攻撃の標的は、主に電力施設であり、電力インフラの約4割が破壊されたという。ウクライナ社会を混乱に陥れる狙いは明らかだ。厳冬期を前に各地では停電が発生している。戦闘長期化に備える寒さ対策の支援も必要だ。
イラン製無人機を使う背景には露軍の兵器、弾薬不足がある。米欧の制裁で半導体などの部品が入手できなくなり、高性能兵器の国内生産も困難になったようだ。
問題は、イランが自国の都合のためだけに、ロシアに接近していることだ。イランは、核開発問題のほか、人権侵害などを含め、国連や、米国をはじめとする2国間の制裁を受けている。この点ではロシアと同じ立場である。

苦境のロシアに手を貸せば、見返りを期待できる。核開発技術の支援や国連安全保障理事会常任理事国としての庇護(ひご)も受けられると見込んでいるのだろう。
だが、それは、米欧との溝が一層深まることを意味する。イランのほか、中国や北朝鮮などの強権国家が親ロシアの一点のみで結束することは大きな懸念だ。
イラン国内では髪を覆う「ヘジャブ」が絡んだ女性の急死を発端に反政府デモが広がっている。米欧との核合意の再建も困難な状況だ。今は、国際的孤立からの脱却を最優先にするときだと厳しく認識すべきである。

自公、国家戦略に経済安保明記へ 機密情報資格も導入方向(東京新聞)


自民、公明両党は26日、外交・安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略」など3文書改定に向けた実務者によるワーキングチーム会合で、国家安保戦略に経済安全保障の概念を明記する方針で一致した。機密情報の取扱者を限定する「セキュリティー・クリアランス」について、制度を導入する方向性も確認した。具体的な範囲や対象については引き続き検討する。
 会合は2回目で経済安保をテーマに協議。半導体など重要物資の安定確保に向けたサプライチェーンの強化や重要技術の開発支援の在り方も課題となっている。
 2013年に初策定された現行の国家安保戦略には経済安保の概念が示されていない。

浜田防衛相 フィンランド国防相と会談 防衛協力推進で一致(NHK)


浜田防衛大臣は日本を訪れているフィンランドのカイッコネン国防相と会談し、フィンランドのNATO=北大西洋条約機構への加盟を見据えて、両国間の防衛協力を推進していくことで一致しました。

浜田防衛大臣とカイッコネン国防相との会談は、26日午前10時すぎからおよそ45分間、防衛省で行われました。
冒頭、浜田大臣は「両国は地理的に離れているが、ロシアの東側と西側に位置しており、情勢認識や戦略的利益の点で多くの共通点がある。両国間の防衛協力を一層進展させていきたい」と述べました。
これに対し、カイッコネン国防相は、ことし5月にNATO=北大西洋条約機構への加盟を申請したことについて「ロシアのウクライナ侵攻により、フィンランドは歴史的な決断にいたった。将来のNATO加盟を見据え、日本との防衛協力を進展させることは極めて重要なことだ」と述べました。
そのうえで両者は、ロシアのウクライナへの侵攻などで国際社会が厳しい安全保障環境に直面する今こそ、国際社会の結束が重要であるという認識を確認したうえで、フィンランドのNATOへの加盟を見据えて、両国間の防衛協力を推進していくことで一致しました。

中国共産党「党規約」公表 “台湾独立”に断固として反対(NHK)


中国共産党大会で改正案が採決された党の最高規則、「党規約」の内容が公表され「『台湾独立』に断固として反対し、抑え込む」という表現が新たに盛り込まれました。

中国国営の新華社通信は、今月の共産党大会で改正案が採決された党の最高規則、「党規約」の全文を26日伝えました。
この中で、台湾情勢をめぐり「『台湾独立』に断固として反対し、抑え込む」という表現が新たに盛り込まれ、「祖国統一の大業を完成する」という目標が示されました。
また、習近平国家主席の党での核心的な地位を擁護することなどを、党員の新たな義務に加えました。
さらに、2035年までに社会主義の現代化を、おおむね実現させ、その後、今世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」を築くという戦略も明記されました。

一方、習主席の党での核心的な地位と思想の指導的な地位を確立するという意味で、忠誠を示すスローガン「2つの確立」については「党規約」に盛り込まれませんでした。
また、習主席の指導思想の名称が建国の父とされる毛沢東の「毛沢東思想」と同じように「習近平思想」になるという見方も出ていましたが、今回の「党規約」では変更されませんでした。
習主席は党大会のあと、指導部を自身と関係の深いメンバーで固め、権力の集中を進めたものの、「党規約」の改正では、当初の見方に反して、権威を抑える形となりました。

露軍、ウクライナで略奪か 撤退時に文化財も(産経N)


【キーウ(キエフ)=黒川信雄】ロシア軍の苦戦が伝えられるウクライナ南部へルソン州で、露軍や親露派勢力が現地の文化財や住民の資産などを略奪しているとの情報が相次ぎ浮上している。露軍部隊はすでに同州のドニエプル川西岸から撤退を開始しており、占領地を離れる前に「価値のあるものをすべて奪っている」とウクライナ側は批判している。
ウクライナメディアは24日、ヘルソン州の州都ヘルソンにあった著名な軍人の像が奪われ、台座だけが残されている様子を相次ぎ報じた。露側は「ウクライナ軍による破壊を避けるために〝避難〟させた」と主張しているが、奪った事実を認めた格好だ。ヘルソン州の高官は24日、オンラインで会見し、「像だけでなく、博物館の所蔵品なども数多く盗まれた」などとロシアを批判した。

店舗の商品や一般市民の資産が略奪されているとの報道も多い。
現地のオンラインメディアは23日、ロシア側がスーパーマーケットから多くの商品を奪っていると報道。住民らがSNS(交流サイト)上で送信したという、空になった店舗の棚の写真を複数公開した。露軍の兵士が衣料品を店舗から盗み、それを着用して民間人のふりをして逃げているとの報道もある。
別のヘルソン州高官は、州西部から退避した住民の住宅に露軍が押し入って家財を盗んだり、消防車など緊急時に必要な公共財も運び出していると指摘した。
ロシアはヘルソン州の併合を一方的に宣言したが、ウクライナ軍の攻勢を受けて劣勢となり、さらにドニエプル川に架かる橋を破壊されたことで西岸地域で数万人規模の露軍部隊が孤立したとされる。そのため露軍は21日までに、東岸地域への撤退を開始していた。

米国の新安保戦略 対中露の核抑止に全力を(産経:社説)


バイデン米政権が外交や国防の政策指針である国家安全保障戦略を公表した。「ポスト冷戦期は終わった」とし、次の時代を形成する大国間競争で民主主義の価値観を共有する国々と連携し、権威主義国に勝ち抜くという基本理念を示した。
中国に関しては、「国際秩序を変える意図を持ち、その能力を備える唯一の競争相手」「米国にとって最も重大な地政学的試練」と強調した。いずれも妥当な認識である。
特に着目したいのは、ウクライナを侵略するロシアによる核使用の脅しなどを踏まえ、米国の核戦力の近代化と同盟諸国に対する拡大抑止の強化をうたった点だ。
ちょうど60年前の1962年10月に起こったキューバ危機で、米国と旧ソ連は全面核戦争の瀬戸際に立たされた。米国は長らく、ソ連・ロシアの戦略核に対する抑止を想定してきたが、中国が台頭した今は60年前と全く異なる。

安保戦略で、中国が核軍拡を続ければ米国は2030年までに中露という「2つの主要核保有国」の抑止を迫られる事態に直面すると指摘したのはもっともだ。
これは日本を含む国際社会が認識すべき厳しい現実でもある。中露の核に対する抑止力強化は、今や米国および同盟諸国にとって喫緊の「最優先事項」である。
安保戦略は、現下の情勢を念頭に「ロシアや他の国が核兵器を使用したり、使うと脅したりして目的を達することを許さない」と断じた。中露はもちろん、核保有を誇示する北朝鮮なども牽制(けんせい)するものだ。台湾有事でも中国の核使用が懸念される。こうした現状を看過することはできない。
ただし、バイデン大統領の持論である「核兵器の役割低下」が盛り込まれ、トランプ前政権の安保戦略で明記されたミサイル防衛への言及もなかったことには懸念も残る。米国が核戦略で現実路線を定着させたいのならば、戦略実現の明確な道筋を示し、中露との競争で世界を主導すべきだ
問題は、これに日本がどう応えるかである。岸田文雄首相が訴える「核兵器のない世界」は究極の理想であり、唱えるだけでは脅威はなくならない。最も重視すべきは、中露や北朝鮮に囲まれた日本が核の惨禍に見舞われないことだ。米国の「核の傘」に頼るだけではなく、自らの抑止力を高める一段の取り組みを求めたい。

野田佳彦元首相による安倍晋三元首相の追悼演説 全文(日経)


本院議員、安倍晋三元首相は、去る7月8日、参院選候補者の応援に訪れた奈良県内で、演説中に背後から銃撃されました。搬送先の病院で全力の救命措置が施され、日本中の回復を願う痛切な祈りもむなしく、あなたは不帰の客となられました。
享年67歳。あまりにも突然の悲劇でした。
政治家としてやり残した仕事。次の世代へと伝えたかったおもい。そして、いつか引退後に昭恵夫人と共に過ごすはずだった穏やかな日々。
すべては一瞬にして奪われました。
政治家の握るマイクは、単なる言葉を通す道具ではありません。人々の暮らしや命がかかっています。マイクを握り日本の未来について前を向いて訴えている時に、後ろから襲われた無念さはいかばかりであったか。改めて、この暴挙に対して激しい憤りを禁じ得ません。
私は、生前のあなたと、政治的な立場を同じくするものではありませんでした。しかしながら、私は、前任者として、あなたに首相のバトンを渡した当人であります。
我が国の憲政史には101代64名の首相が名を連ねます。先人たちが味わってきた「重圧」と「孤独」を我が身に体したことのある一人として、あなたの非業の死を悼み、哀悼の誠をささげたい。
そうした一念のもとに、ここに、皆様のご賛同を得て、議員一同を代表し、謹んで追悼の言葉を申し述べます。
安倍晋三さん。あなたは、昭和29年(1954年)9月、後に外相などを歴任された安倍晋太郎氏、洋子様ご夫妻の次男として、東京都に生まれました。
父方の祖父は衆院議員、母方の祖父と大叔父は後の首相という政治家一族です。「幼い頃から身近に政治がある」という環境の下、公のために身を尽くす覚悟と気概を学んでこられたに違いありません。
成蹊大学法学部政治学科を卒業され、いったんは神戸製鋼所に勤務したあと、外相に就任していた父君の秘書官を務めながら、政治への志を確かなものとされていきました。そして、父晋太郎氏の急逝後、平成5年(1993年)、当時の山口1区から衆院選に出馬し、見事に初陣を飾られました。38歳の青年政治家の誕生であります。
私も、同期当選です。初登院の日、国会議事堂の正面玄関には、あなたの周りを取り囲む、ひときわ大きな人垣ができていたのを鮮明に覚えています。そこには、フラッシュの閃光(せんこう)を浴びながら、インタビューに答えるあなたの姿がありました。私には、その輝きがただ、まぶしく見えるばかりでした。
その後のあなたが政治家としての階段をまたたく間に駆け上がっていったのは、周知のごとくであります。
官房副長官として北朝鮮による拉致問題の解決に向けて力を尽くされ、自民党幹事長、官房長官といった要職を若くして歴任したのち、あなたは、平成18年(2006年)9月、第90代の首相に就任されました。戦後生まれで初。齢52、最年少でした。
大きな期待を受けて船出した第1次安倍政権でしたが、翌年9月、あなたは、激務が続く中で持病を悪化させ、1年あまりで退陣を余儀なくされました。順風満帆の政治家人生を歩んでいたあなたにとっては、初めての大きな挫折でした。「もう二度と政治的に立ち上がれないのではないか」と思い詰めた日々が続いたことでしょう。
しかし、あなたは、そこで心折れ、諦めてしまうことはありませんでした。最愛の昭恵夫人に支えられて体調の回復に努め、思いを寄せる雨天の友たちや地元の皆様の温かいご支援にも助けられながら、反省点を日々ノートに書きとめ、捲土(けんど)重来を期します。挫折から学ぶ力とどん底からはい上がっていく執念で、あなたは、人間として、政治家として、より大きく成長を遂げていくのであります。
かつて「再チャレンジ」という言葉で、たとえ失敗しても何度でもやり直せる社会を提唱したあなたは、その言葉を自ら実践してみせました。ここに、あなたの政治家としての真骨頂があったのではないでしょうか。あなたは「諦めない」「失敗を恐れない」ということを説得力もって語れる政治家でした。若い人たちに伝えたいことがいっぱいあったはずです。その機会が奪われたことは誠に残念でなりません。

5年の雌伏を経て平成24年(2012年)、再び自民党総裁に選ばれたあなたは、当時首相の職にあった私と、以降、国会で対峙することとなります。最も鮮烈な印象を残すのは、平成24年(2012年)11月14日の党首討論でした。
私は、議員定数と議員歳費の削減を条件に、衆院の解散期日を明言しました。あなたの少し驚いたような表情。その後の丁々発止。それら一瞬一瞬を決して忘れることができません。それは、与党と野党第1党の党首同士が、互いの持てるすべてをかけた、火花散らす真剣勝負であったからです。

安倍さん。あなたは、いつの時も、手ごわい論敵でした。いや、私にとっては、かたきのような政敵でした。
攻守を代えて、第96代首相に返り咲いたあなたとの主戦場は、本会議場や予算委員会の第一委員室でした。
少しでも隙を見せれば、容赦なく切りつけられる。張り詰めた緊張感。激しくぶつかり合う言葉と言葉。それは一対一の「果たし合い」の場でした。激論を交わした場面の数々が、ただ懐かしく思い起こされます。
残念ながら、再戦を挑むべき相手は、もうこの議場には現れません。
安倍さん。あなたは議場では「闘う政治家」でしたが、国会を離れ、ひとたびかぶとを脱ぐと、心優しい気遣いの人でもありました。
それは、忘れもしない、平成24年(2012年)12月26日のことです。解散総選挙に敗れ敗軍の将となった私は、皇居で、あなたの親任式に、前首相として立ち会いました。
同じ党内での引き継ぎであれば談笑が絶えないであろう控室は、勝者と敗者の2人だけが同室となれば、シーンと静まりかえって、気まずい沈黙だけが支配します。その重苦しい雰囲気を最初に変えようとしたのは、安倍さんの方でした。あなたは私のすぐ隣に歩み寄り、「お疲れさまでした」と明るい声で話しかけてこられたのです。
「野田さんは安定感がありましたよ」
「あの『ねじれ国会』でよく頑張り抜きましたね」
「自分は5年で返り咲きました。あなたにも、いずれそういう日がやって来ますよ」
温かい言葉を次々と口にしながら、総選挙の敗北に打ちのめされたままの私をひたすらに慰め、励まそうとしてくれるのです。
その場は、あたかも、傷ついた人を癒やすカウンセリングルームのようでした。
残念ながら、その時の私にはあなたの優しさを素直に受け止める心の余裕はありませんでした。でも、今なら分かる気がします。安倍さんのあの時の優しさが、どこから注ぎ込まれてきたのかを。
第1次政権の終わりに、失意の中であなたは入院先の慶応病院から、傷ついた心と体にまさにむち打って、福田康夫新首相の親任式に駆けつけました。わずか1年で辞任を余儀なくされたことは、誇り高い政治家にとって耐え難い屈辱であったはずです。あなたもまた、絶望に沈む心で、控室での苦しい待ち時間を過ごした経験があったのですね。
あなたの再チャレンジの力強さとそれを包む優しさは、思うに任せぬ人生の悲哀を味わい、どん底の惨めさを知り尽くせばこそであったのだと思うのです。

安倍さん。あなたには、謝らなければならないことがあります。
それは、平成24年(2012年)暮れの選挙戦、私が大阪の寝屋川で遊説をしていた際の出来事です。
「総理大臣たるには胆力が必要だ。途中でおなかが痛くなってはダメだ」
私は、あろうことか、高揚した気持ちの勢いに任せるがまま、聴衆の前で、そんな言葉を口走ってしまいました。他人の身体的な特徴や病を抱えている苦しさをやゆすることは許されません。語るも恥ずかしい、大失言です。
謝罪の機会を持てぬまま、時が過ぎていったのは、永遠の後悔です。いま改めて、天上のあなたに、深く、深くおわびを申し上げます。
私からバトンを引き継いだあなたは、7年8カ月あまり、首相の職責を果たし続けました。
あなたの仕事がどれだけの激務であったか。私には、よく分かります。分刻みのスケジュール。海外出張の高速移動と時差で疲労は蓄積。その毎日は、政治責任を伴う果てなき決断の連続です。容赦ない批判の言葉の刃も投げつけられます。在任中、真の意味で心休まる時などなかったはずです。
第1次政権から数え、通算在職日数3188日。延べ196の国や地域を訪れ、こなした首脳会談は1187回。最高責任者としての重圧と孤独に耐えながら、日本一のハードワークを誰よりも長く続けたあなたに、ただただ心からの敬意を表します。
所感を述べるオバマ氏(中央)と安倍氏(2016年5月、広島市中区の平和記念公園)
首脳外交の主役として特筆すべきは、あなたが全くタイプの異なる2人の米国大統領と親密な関係を取り結んだことです。理知的なバラク・オバマ大統領を巧みに説得して広島にいざない、被爆者との対話を実現に導く。かたや、強烈な個性を放つドナルド・トランプ大統領の懐に飛び込んで、ファーストネームで呼び合う関係を築いてしまう。
あなたに日米同盟こそ日本外交の基軸であるという確信がなければ、こうした信頼関係は生まれなかったでしょう。ただ、それだけではなかった。あなたには、人と人との距離感を縮める天性の才があったことは間違いありません。

安倍さん。あなたが後任の首相となってから、一度だけ首相公邸の一室で、ひそかにお会いしたことがありましたね。平成29年(2017年)1月20日、通常国会が召集され政府4演説が行われた夜でした。
前年に、天皇陛下の象徴としてのお務めについて「おことば」が発せられ、あなたは野党との距離感を推し量ろうとされていたのでしょう。
2人きりで、陛下の生前退位に向けた環境整備について、1時間あまり、語らいました。お互いの立場は大きく異なりましたが、腹を割ったざっくばらんな議論は次第に真剣な熱を帯びました。
そして「政争の具にしてはならない。国論を二分することのないよう、立法府の総意をつくるべきだ」という点で意見が一致したのです。国論が大きく分かれる重要課題は、政府だけで決めきるのではなく、国会で各党が関与した形で協議を進める。それは、皇室典範特例法へと大きく流れが変わる潮目でした。
私が目の前で対峙した安倍晋三という政治家は、確固たる主義主張を持ちながらも、合意して前に進めていくためであれば、大きな構えで物事を捉え、のみ込むべきことはのみ込む。冷静沈着なリアリストとして、柔軟な一面を併せ持っておられました。
あなたとなら、国を背負った経験を持つ者同士、天下国家のありようを腹蔵なく論じあっていけるのではないか。立場の違いを乗り越え、どこかに一致点を見いだせるのではないか。
以来、私は、そうした期待をずっと胸に秘めてきました。
憲政の神様、尾崎咢堂は、当選同期で長年の盟友であった犬養木堂を五・一五事件の凶弾でうしないました。失意の中で、自らを鼓舞するかのような天啓を受け、かの名言を残しました。
「人生の本舞台は常に将来に向けて在り」

安倍さん。
あなたの政治人生の本舞台は、まだまだ、これから先の将来に在ったはずではなかったのですか。
再びこの議場で、あなたと、言葉と言葉、魂と魂をぶつけ合い、火花散るような真剣勝負を戦いたかった。

勝ちっ放しはないでしょう、安倍さん。
耐え難き寂寞(せきばく)の念だけが胸を締め付けます。
この寂しさは、決して私だけのものではないはずです。どんなに政治的な立場や考えが違っていても、この時代を生きた日本人の心の中に、あなたの在りし日の存在感は、いま大きな空隙となって、とどまり続けています。
その上で、申し上げたい。
長く国家のかじ取りに力を尽くしたあなたは、歴史の法廷に、永遠に立ち続けなければならない運命(さだめ)です。
安倍晋三とはいったい、何者であったのか。あなたがこの国にのこしたものは何だったのか。そうした「問い」だけが、いまだ中ぶらりんの状態のまま、日本中をこだましています。
その「答え」は、長い時間をかけて、遠い未来の歴史の審判に委ねるしかないのかもしれません。
そうであったとしても、私はあなたのことを問い続けたい。
国の宰相としてあなたがのこした事績をたどり、あなたが放った強烈な光も、その先に伸びた影も、この議場に集う同僚議員たちとともに、言葉の限りを尽くして、問い続けたい。
問い続けなければならないのです。
なぜなら、あなたの命を理不尽に奪った暴力の狂気に打ち勝つ力は、言葉にのみ宿るからです。
暴力やテロに、民主主義が屈することは、絶対にあってはなりません。
あなたの無念に思いを致せばこそ、私たちは、言論の力を頼りに、不完全かもしれない民主主義を、少しでも、よりよきものへと鍛え続けていくしかないのです。

最後に、議員各位に訴えます。
政治家の握るマイクには、人々の暮らしや命がかかっています。
暴力にひるまず、臆さず、街頭に立つ勇気を持ち続けようではありませんか。
民主主義の基である、自由な言論を守り抜いていこうではありませんか。
真摯な言葉で、建設的な議論を尽くし、民主主義をより健全で強靱(きょうじん)なものへと育てあげていこうではありませんか。
こうした誓いこそが、マイクを握りながら、不意の凶弾にたおれた故人へ、私たち国会議員が捧げられる、何よりの追悼の誠である。
私はそう信じます。
この国のために、「重圧」と「孤独」を長く背負い、人生の本舞台へ続く道の途上で天に召された、安倍晋三元首相。
闘い続けた心優しき一人の政治家の御霊に、この決意を届け、私の追悼の言葉に代えさせていただきます。
安倍さん、どうか安らかにお眠りください。

ウクライナ国防相「全領土の解放に現実的な計画」(NHK)


ウクライナのレズニコフ国防相が25日、NHKの単独インタビューに応じました。このなかでレズニコフ国防相は「占領されているすべての領土を解放するための現実的な計画がある」と述べ、計画に沿って、先月から反撃を強め東部ハルキウ州のほぼ全域を奪還したのに続いて、南部ヘルソン州の解放を着実に進めることにも自信を示しました。

ウクライナのレズニコフ国防相は25日首都キーウで、ロシアによる軍事侵攻が始まって以来、日本のメディアでは初めてNHKの単独インタビューに応じました。
この中でレズニコフ国防相は、ウクライナでの戦況について「第1段階はロシア側の動きを阻止することで、第2の段階は前線を安定させることだった。いまは反転攻勢という第3段階に入っていて、着実に領土の奪還を進めている」と述べました。
領土奪還に向けた南部の状況についてレズニコフ国防相は、ロシア軍が農業用の用水路をざんごうとして使い、抵抗を続けているとして、反撃のスピードはこのところ弱まっているものの、部隊の機動力が低下する冬が来るまでに戦果を挙げていきたいと強調しました。
そして「一時的に占領されているすべての領土を解放するための現実的な計画が私たちにはある」と述べ、この計画に沿って、先月から反撃を強め東部ハルキウ州のほぼ全域を奪還したのに続いて、南部ヘルソン州の解放を着実に進めることにも自信を示しました。

一方、今月10日以降、ロシア軍によるミサイルや自爆型の無人機などによる攻撃が相次いでいることについてレズニコフ国防相は「ロシアが攻撃したのは民間の施設だけで、軍事施設は含まれていない」と述べ、ロシア側を改めて強く非難しました。
そのうえで「私たちが最優先で行うべきは防空システムの整備だ。市民を守らねばならない」と述べ、イランがロシアに供与していると指摘されている自爆型の無人機を効率的に撃墜することなどが可能な防空システムの導入に向けて欧米側の支援を訴えました。
そして、ロシアが核戦力の使用も辞さない構えを見せていることに関してレズニコフ国防相は「戦場で使えばロシア軍も危険にさらされる。仮に黒海で使えば、トルコ、ルーマニア、ブルガリアというNATOの加盟国も影響を受けるわけでどのような結果となるか彼らもわかっているだろう」と述べ、ロシア側を強くけん制しました。

ウクライナ復興話し合う国際会議 日本や欧米 長期的支援を確認(NHK)


ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナの復興について話し合う国際会議が25日、ドイツで開かれ、日本や欧米各国が長期的な復興を支援していく方針を確認しました。

会議はことし7月のウクライナの復興支援会議で示された計画を国際機関の専門家なども交えて議論しようとG7=主要7か国の議長国のドイツがベルリンで開き、日本も参加しました。
会議ではオンラインで参加したゼレンスキー大統領が「ロシアはわれわれが冬を越すことを難しくするためあらゆるものを破壊している」と強く非難し、迅速な支援を訴えました。
ウクライナ側は7月の会議で復興に7500億ドル、日本円で110兆円余りが必要だと示していて、ドイツのショルツ首相は第2次世界大戦後のヨーロッパの復興計画「マーシャルプラン」に匹敵する大規模な事業になるとして、各国に協力を呼びかけました。
ショルツ首相は会見で「国際社会がウクライナとともに立ち、今後もそうするというメッセージが発せられた」と述べ、長期的な支援の方針を確認したと強調しました。
ただ、ウクライナ側が求めている各国で凍結されているロシアに関係する資産を復興の資金とする案については「法的に難しい問題だ」と指摘し巨額の資金の確保が引き続き課題となっています。
また会議の締めくくりには岸田総理大臣のビデオメッセージが流され「来年のG7議長国としてウクライナの復興に向けた議論をリードする」と強調するとともにウクライナへの防寒具の供与や東日本大震災の経験を踏まえたがれきを再利用する技術の共有などの支援をいっそう進める方針を説明しました。

岸田首相 ウクライナ冬前に暖房など支援
ロシアによる軍事侵攻が続く中、日本時間の26日未明、ウクライナの復興支援を話し合う国際会議がベルリンで開かれ、岸田総理大臣はビデオメッセージを寄せました。
この中で、岸田総理大臣は「ロシアによるミサイル攻撃や核兵器の威嚇は 決して認められず強く非難する。国際社会が結束して対ロ制裁とウクライナ支援を強力に推進することが重要だ」と述べました。
そのうえで、避難民の保護など従来からの取り組みに加え、厳しい冬を迎えるのを前に暖房整備や防寒具の供与、それに、東日本大震災の経験を踏まえたがれきを再利用する技術の共有などの支援を一層積極的に行う考えを示しました。
そして「日本は来年、G7の議長国になる。ウクライナの一刻も早い平和の回復と復興の実現に向け 国際社会の議論を積極的にリードしていく」と強調しました。

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