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安全保障政策の宿題解決を急げ 防衛大学校教授・神谷万丈(産経:正論)


2022年は日本の安全保障政策の分水嶺(れい)の年として記憶されることになるだろう。特に今回の安全保障3文書で、「反撃力」という名の下に日本が敵のミサイルの発射拠点などへの一定の攻撃力を持つことが明確に打ち出されたのは画期的だった。

必要と正面から向き合う
日本の防衛力をめぐるこれまでの議論では、ともすれば、国が置かれている状況の下で何がなされるべきなのかを考えるよりも先に、専守防衛の基本方針などとの関係で何をしてはいけないのかが問題にされがちだった。しかし3文書はそうした思考パターンから脱却し、「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境」の下で日本と、そしてインド太平洋を中心とする世界の平和のために必要な防衛力のあり方と正面から向き合う姿勢を鮮明にしている。
政府はそれを隠していない。3文書に「政府が決定した防衛力の抜本的強化とそれを裏付ける防衛力整備の水準についての方針は、戦後の防衛政策の大きな転換点となるもの」(「国家防衛戦略」)との文言が含まれているのがその証左だ。こうした新方針を実践するための予算措置についても、「国家安全保障戦略」に、27年度には「防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組をあわせ」予算を国内総生産(GDP)の2%とすることが明記された。高く評価したい。
だが、こうしためざましい前進にもかかわらず、日本の安全保障政策には一つの宿題が残されている。それは、自衛隊の憲法上の位置づけが依然として明確になっていないという問題だ。私が教える防衛大の学生は、国民のため、日本に住む全ての人々の命と生活を守るために、生涯をかけようとしている若者たちだ。その防大生から、これまでに幾度も問われたことがある。「先生、自衛隊は日本の役に立っていますよね。大多数の日本人はそれを認めてくれているのですよね。それなのに、自衛隊を憲法に書くことに反対する人が少なくないのはなぜですか」

自衛官の士気にかかわる
この11月の『読売新聞』の世論調査では、日本の防衛力強化への賛成が68%に達した。また近年の内閣府の調査によれば、自衛隊の災害派遣活動についてはほぼ全ての回答者がこれを評価し、海外での活動についても評価するとの回答が9割近くにのぼっている。今の日本では、ほとんどの国民が自衛隊が自分たちのために役立っていると考えているのだ。
にもかかわらず、憲法学者の間では、いまだに少なからぬ自衛隊違憲論がある。やや旧聞に属するが、15年6月の『朝日新聞』の憲法学者へのアンケートでは、回答した118人のうち現在の自衛隊が「憲法違反にあたる」とする者が50人で、「憲法違反の可能性がある」の27人を加えると全体の65%に及んだ。よく、こうした意見があるとしても政府は自衛隊を合憲と認めているのだし、現状のままでもさしつかえないのではないかという声を耳にするが、妥当ではない。それが自衛官の士気にかかわる問題だからだ。
私は、現在の憲法のままでも自衛隊は合憲だと考えているが、同時に、今の文言には違憲解釈の余地があることも認めざるを得ないと思う。だからこそ自衛隊違憲論を唱える学者がなくならないのだと思う。問題の根幹は、現在の憲法がそのような解釈を許す書き方になっていることにある。そして憲法制定から75年以上を経てなおそうした状況が放置されているのは、政治の怠慢に他ならない。

自衛隊の憲法への明記を
岸田文雄首相には、この不作為から脱却しようとする意思がみてとれる。首相は、今年5月3日の憲法記念日に『産経新聞』に発表されたインタビューで「自衛隊の違憲論争に終止符を打つ」ために自衛隊を憲法に明記することの重要性について国民に「丁寧に説明を続けていきたい」と述べた。大いに心強い言葉に違いない。
だが今回の3文書策定によって自衛官がいざという時に覚悟しなければならない身体生命への危険の度合いは、これまでよりもはるかに高まったということを忘れてはなるまい。政府は「国家安全保障戦略」で「防衛力の中核である自衛隊員の能力を発揮するための基盤の強化」を打ち出し、「隊員の処遇の向上を図り」「全ての自衛隊員が高い士気を維持」できるようにすることをうたっている。
そのために何よりも求められているのは、全ての防大生や全ての自衛官が、自分たちはもしかすると憲法に反する存在なのではないかなどと思い悩むことなく、日本に暮らす人々のために全力投球できるように環境を整えることだと信じる。
その政治的なプロセスは容易ではなかろう。だが2023年、岸田首相には、国民への「丁寧な説明」を加速するとともに、自衛隊の憲法への明記の実現に向けて具体的な行動を起こす勇気を望みたい。そして心ある政治家には、この点では与野党を超えた協調を求めたい。(かみや またけ)
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防衛産業の生産ライン国有化可能に 防衛省が法案提出へ(NHK)


防衛産業からの企業の撤退が相次ぐ中、防衛省は、重要な装備品の国内での製造を維持するため、事業の継続が困難になった企業の生産ラインを国有化し、別の企業に委託できるようにする方針を固め、必要な法案を来年の通常国会に提出することにしています。
自衛隊の装備品を生産する国内の防衛産業は、利益率が低いことなどを理由に企業の撤退が相次いでいて、先に政府が決定した「国家安全保障戦略」では、生産や技術基盤の強化が必要だとしています。

これを受けて防衛省は、企業への支援を強化することにしていて、特に、自衛隊の任務に不可欠な装備品を生産する企業が、事業の継続が困難になって撤退する際、ほかに手段がない場合には、生産ラインを国有化できるようにする方針を固めました。
国が買い取る形で生産ラインを保有し、受け皿となる別の企業に事業を委託することで、初期投資の負担を軽減し、生産基盤の引き継ぎをスムーズにする狙いがあります。
また、防衛省は、防衛装備品の海外への移転を官民一体となって進めるため、企業の装備移転の活動を補助する新たな基金も創設する方針で、必要な法案を来年の通常国会に提出することにしています。

プーチン大統領 中国 習主席と会談 軍事面での連携強化に意欲(NHK)


ロシアのプーチン大統領は中国の習近平国家主席とオンライン形式で会談し「両国の軍の協力強化を目指している」と述べて、軍事面でのさらなる連携強化に意欲を示しました。一方で習主席は、ウクライナ情勢をめぐって外交的な解決の重要性を強調しました。

ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は30日、オンライン形式で会談を行いました。
会談の冒頭、プーチン大統領は「両国の軍事や軍事技術の協力はわれわれの国の安全や地域の安定を維持している。両国の軍の協力強化を目指している」と述べ、軍事面でのさらなる連携強化に意欲を示しました。
そのうえで「地政学的な緊張が高まる中、ロシアと中国の戦略的な協力関係は安定の要因として一層、重要になっている」と強調し、習主席を2023年春にモスクワに招待しました。

中国外務省によりますと、これに対し習主席は「双方は引き続き互いの核心的利益に関わる問題について支援を強化し、外部勢力による干渉や破壊を食い止めるために手を携えるべきだ」と述べ、ロシアとの関係を重視していく姿勢を示しました。
一方で、ウクライナ情勢をめぐって習主席は「和平への道のりは順風満帆ではないが、努力を諦めないかぎり和平の可能性は常に存在する」と述べ、プーチン大統領に対し外交的な解決の重要性を強調しました。

中国船の航行、年間最多 尖閣周辺(日経新聞)


沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で29日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは11日連続で、年間最多の計334日となった。2020年の計333日を上回った。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、1隻は機関砲のようなものを搭載。領海に近づかないよう巡視船が警告した。〔共同〕

漂流する防衛財源 税外「5兆円強」、土壇場の空手形(日経新聞)


防衛力強化の財源論が漂流を続けている。財務省は2023年度予算案が決まった23日、今後5年間の財源構成を示す資料を公表した。検討過程では「4.6兆円程度」とされていた税外収入の規模は、最終盤で「4.6兆~5兆円強」に書き換えられた。増税の先延ばしと圧縮を狙う与党の意向が浮かび上がる。

政府は27年度までの防衛費を43兆円程度とする方針だ。22年度の水準が続く場合に比べて14.6兆円程度の上積みとなる。
「防衛力強化資金(仮称)、4.6兆~5兆円強」。財務省が23日に公表した資料には、こう明記されていた。防衛力強化資金は税外収入をためておく新たな仕組みだ。14.6兆円のうち最大5兆円強を税外収入で確保することを意味する。資料では決算剰余金で3.5兆円程度、歳出改革で3兆円強を捻出することも明示した。
残りが増税だ。そこだけ金額が空欄だった。27年度の単年度のところには1兆円強と記載しているが、総額はない。与党税制調査会は法人、所得、たばこの3税の増税方針を固めるにとどまり、増税の開始時期や規模の判断は先送りした。
増税規模を明示すれば、税率や実施時期の選択肢はおのずと絞られる。与党内で短期間に結論を出すことや増税そのものへの反発が出たことに配慮せざるをえなかった。
実は14日の与党税調に提示した資料には、防衛力強化資金での確保額は「4.6兆円」と記されていた。これに決算剰余金と歳出改革で捻出する分を足し合わせ、14.6兆円から差し引くと、残る増税分が3.5兆円であることが分かる。財務省は当初、この金額を念頭に24年度から増税する方向で調整を進めていた。

3.5兆円もの新たな税収を確保するには、24年度には増税を始めなければならないというのが多くの関係者の見立てだ。増税をできるだけ先延ばしするには、増税規模を圧縮するしかない――。16日の与党税制改正大綱の決定直前、こんな与党の意向が働いたことで、4.6兆円だった税外収入に「~5兆円強」が加わった。
財務省幹部は「4.6兆円を超える積み上げは存在しない」と明言する。今のところ「~5兆円強」は空手形にすぎない。
自民党の萩生田光一政調会長は増税以外の財源について協議する場を年明けに設置する考えを示した。与党から財務省に対し、税外収入などを上積みするよう求める圧力が強まるのは間違いない。防衛財源の攻防「第2幕」が始まる。

<独自>統合司令部、来年度創設見送り 場所巡り対立も(産経N)


政府が陸海空自衛隊の一体的運用を進めるために新設する常設の「統合司令部」について、令和5年度の創設は見送られることが29日、分かった。来年度の当初予算案に関連経費が計上されなかった。複数の政府関係者が明らかにした。防衛省・自衛隊内部には統合司令部の設置場所を巡る意見の対立もあり、6年度中の創設を目指して慎重に調整を進める方針だ。

政府は16日に閣議決定した新たな「安保3文書」に、常設の統合司令部を「速やかに創設する」と明記した。3文書に盛り込んだ「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の運用には、攻撃目標などに関する日米間の調整が必要となるため、統合司令部の創設により連携を強化する狙いもある。
現在は、制服組トップの統合幕僚長が防衛相への軍事的助言を行うと同時に作戦指揮を統括し、統合幕僚監部(統幕)が統幕長を支える。新たな体制では、自衛隊全体の作戦指揮を執る「統合司令官」を新設し、政治への対応は引き続き統幕長が担当する。
統合司令部の設置構想は平成23年の東日本大震災を機に浮上した。統幕長が首相らへの説明に忙殺され指揮に当たる時間が不十分だったとの反省から、30年改定の「防衛計画の大綱」への記載が検討されたが、見送られた経緯がある。
理由の一つが設置場所を巡る意見対立だった。有事対応は政治判断を求められる場面が多く、首相官邸に近い東京・市谷の防衛省庁舎を推す声が省内を中心に強い。ただ、約400人規模の統合司令部を置くには手狭で、陸上自衛隊の5つの地方方面隊を束ねる陸上総隊司令部のある朝霞駐屯地(東京都練馬区)が陸自や統幕の関係者の間で有力視されている。
また、航空自衛隊の戦闘機部隊を指揮する空自航空総隊司令部がある横田基地(東京都福生(ふっさ)市)や、海上自衛隊の自衛艦隊司令部がある横須賀地区(神奈川県横須賀市)を候補地とする見方も根強い。日米間で指揮統制システムが既に共有されていることが理由だ。
陸海空各自衛隊が自らの拠点に統合司令部を置きたいとの思惑もあり調整が難航することも予想される。

中国戦闘機が南シナ海で米軍機に6メートルの異常接近(産経N)


【ワシントン=坂本一之】米インド太平洋軍は29日、南シナ海上を現地時間21日に飛行していた米空軍の電子偵察機RC135に対し、中国人民解放軍の殲(せん)11戦闘機が異常接近し危険な行動で飛行を妨害したと発表した。

米軍のRC135が南シナ海の国際空域で通常の飛行をしていたところ、中国軍の殲11戦闘機がわずか20フィート(約6メートル)まで接近した。RC135が衝突を避けるため回避行動をとった。ホームページで殲11戦闘機の動画を公開した。
インド太平洋軍は声明で、同機のパイロットの行為は「危険だ」と非難。「自由で開かれたインド太平洋地域のため国際法の下、安全に配慮しながら航行や飛行を継続していく」と述べた。
また、「インド太平洋地域の全ての国が国際法に基づき国際空域を安全に飛行するよう求める」とし、中国に危険行為の自制を要求した。
中国機の危険行為に巡っては、オースティン米国防長官が11月にカンボジアで会談した中国の魏鳳和(ぎ・ほうわ)国務委員兼国防相に対し、偶発的な衝突の危険性が高まっているとして懸念を伝えていた。

【独自】自衛隊を支える装備品工場、事業継続が難しければ国有化も…国内製造維持が狙い(読売N)


政府は、衰退傾向にある防衛産業を包括的に財政支援し、それでも事業継続が困難な場合は工場などの製造施設を国有化できる仕組みを創設する方針を固めた。製造施設は国が保有したまま、生産は事業を受け継ぐ企業に委託する。企業の固定経費を軽減し、重要な装備品の国内製造を維持する狙いがある。必要な法案を来年の通常国会に提出する方針だ。

 法案は「防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律案」(仮称)とする方向だ。法案概要によると、防衛産業に関わる企業を対象に、生産基盤の強化や海外輸出の助成など包括的な支援策を明記する。特に「自衛隊の任務に不可欠な装備品を製造する企業」については、これらの支援でも事業を続けられず「他に手段がない場合」に限り、施設の国有化を認める。
 具体的には、国が製造施設を買い取り、事業継承を希望する他の民間事業者に管理を委託できるとの規定を設ける。
 事業を継承する企業にとっては生産設備を導入する費用が不要となるメリットがある。企業の撤退で専門技術が途絶えると復活が難しく、国が積極的に関与する必要があると判断した。
 ただ、政府は、国有化はあくまでも最終的な手段に位置づける。法案では包括的支援策として〈1〉製造工程の効率化やサイバーセキュリティー強化など「生産基盤強化」のための経費支給〈2〉装備品の海外移転(輸出)を行う企業への財政支援〈3〉日本政策金融公庫による貸し付け促進――の3本柱を明記する。
海外輸出の支援金は新設する基金から支出する。基金創設のため、2023年度予算案に約400億円を計上した。輸出先の要望に応じた装備の仕様変更などにかかる経費が支援の対象となる。装備品の納入先を国外に広げ、生産数増加による価格低下や利益率向上を図る。

 支援対象となる「不可欠な装備品を製造する企業」の数や事業内容を把握するため、防衛産業の調査権限を防衛省に付与する。護衛艦関連だけでも約8300社が関与するなど、サプライチェーン(供給網)は巨大だ。調査に際し、外国製部品への依存度やバックアップ体制の不備など、経営リスクも点検する。回答は「努力義務」とする。
 防衛産業は、防衛装備移転3原則によって海外輸出が平和貢献・国際協力の推進に資する場合などに限定され、市場規模が小さい。このため採算が悪化する企業も多く、03年以降で100社超が撤退したという。最近では21年に住友重機械工業が機関銃の生産、20年にはダイセルが戦闘機の緊急脱出座席の部品生産を、それぞれ取りやめると表明した。

政府「Jアラート」の発信迅速化へ対策 1分程度短縮見込み(NHK)


Jアラート=全国瞬時警報システムの警戒情報について、政府は発信までの時間を短縮するため、都道府県ごとになっている対象地域を広げることになりました。

政府のJアラートは、ことしは10月と11月に北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際に作動しましたが、警戒を呼びかける情報の発信が日本上空の通過が予想された時刻より遅れるケースがありました。
このため政府は、情報を発信するまでの時間を短縮するため、対象となる地域を今よりも広げることになりました。
現在は都道府県ごとに発信されていますが、対象地域を絞り込むための情報分析には時間がかかりすぎるとして、隣接する自治体も含めて広い範囲に発信するということです。
10月にJアラートが作動した時と比べると1分程度、情報を発信するまでの時間を短縮できる見込みだとということです。
システムの改修には半年程度かかるため、政府は来年夏ころからの運用開始を目指して作業を急ぐことにしています。

ウクライナ各地のインフラ施設などにミサイル攻撃 影響広がる(NHK)


ウクライナに侵攻するロシア軍は、年の瀬に入っても攻撃を繰り返していて、29日も首都キーウをはじめ各地のインフラ施設などに対する大規模なミサイル攻撃を行い、新たに死傷者も出て、市民生活に深刻な影響が広がっています。

ロシア軍は29日、ウクライナへの大規模なミサイル攻撃を行い、ウクライナ軍のザルジニー総司令官がSNSに投稿したところによりますと、各地のエネルギー関連のインフラ施設に向けて空と海から69発の巡航ミサイルが発射され、このうち54発を迎撃したということです。
一連の攻撃を受けて、東部ハルキウ州のシネグボフ知事は、2人が死亡したことを明らかにしたほか、首都キーウのクリチコ市長は、14歳の女の子を含む3人が負傷し、落下したミサイルの破片で住宅や子どもの遊び場が被害を受けたとしています。
また、南部オデーサ州では、エネルギー関連施設が攻撃を受け、西部リビウでも大規模な停電が起きています。
ロシア軍は年の瀬に入ってもミサイルや無人機を使ってウクライナのインフラ施設への攻撃を繰り返していて、厳しい寒さの中、市民生活に深刻な影響が広がっています。
一方、ロシアと同盟関係にあるベラルーシの国防省は、29日、ウクライナ側からベラルーシに飛来した地対空ミサイルを迎撃し、残骸が南西部のブレスト州に落下したと発表しました。
ベラルーシの国営通信によりますと、けが人などの情報はないということです。
これについてベラルーシ外務省はウクライナの大使を呼んで抗議し事実関係の調査を求めたということです。
一方、ウクライナ国防省は声明を発表し、ロシア軍によるウクライナへのミサイル攻撃を非難したうえで、「ロシアはベラルーシを戦争に引きずり込もうとしている。ロシアが巡航ミサイルを発射しベラルーシの上空で迎撃させるような意図的な挑発を行った可能性は排除できない。今回の件についてウクライナ側は客観的な調査を行う用意がある」とコメントしています。

プーチン大統領 海洋でも核戦力を強化する考えを強調
ロシアのプーチン大統領は29日、ロシア海軍の最新の原子力潜水艦などの進水式に、オンラインで出席しました。
潜水艦は極東ウラジオストクに司令部がある太平洋艦隊に配備されるもので、プーチン大統領は、「ロシア海軍の核戦力を大幅に向上させる弾道ミサイルを搭載している。今後、こうした潜水艦を4隻、建造する」と述べました。
そのうえで「ウクライナの特別軍事作戦などで得られた経験を考慮し、最新兵器を搭載する様々な艦船の建造を急いでいく。海洋での国益を守り、ロシアの安全を確保するため、あらゆることを行う」と述べ、欧米との対立が深まる中、海洋でも核戦力を強化していく考えを強調しました。

回顧2022 露の侵略が秩序壊した テロに斃れた安倍氏を悼む(産経:社説)


国際秩序が1人の独裁者の身勝手で愚かな妄執によって破壊され、平和が踏みにじられた。後世、この1年は歴史の転換点として刻まれよう。
ロシアのプーチン大統領がウクライナに軍事侵攻を始めたのは2月24日だ。国際法違反の侵略は今も続く。民主主義陣営が制裁の足並みを崩さず連帯し、露軍を敗北に追い込むべきはもちろんだ。
多くの市民を殺戮(さつりく)し、「ジェノサイド(大量虐殺)」と非難される侵略を命じたプーチン氏は戦争犯罪人である。核兵器の使用までちらつかせる暴君の脅しに屈してはならない。防衛強化策が決まった
ウクライナの惨状は同時に、日本の防衛力強化が喫緊の課題だということを国民に強く認識させる契機となった。
岸田文雄政権は12月16日、国家安全保障戦略などの安保3文書を閣議決定した。首相にとっての大きな業績だ。反撃能力の保有を明記し、令和9年度に防衛費と補完する関連予算を国内総生産(GDP)比2%にするというのが主な内容である。
平成27年に集団的自衛権の限定的行使を認める安保関連法が成立したときのように反対派が勢いづくことはなかった。これは中国やロシア、北朝鮮という強権国家と隣り合う脅威を、現実のこととして捉える世論の広がりと無縁ではあるまい。
反撃能力の保有は、安倍晋三元首相が問題提起したことだ。退陣直前の令和2年9月には首相談話で、周辺国のミサイル性能進化を念頭に「迎撃能力を向上させるだけで本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜くことができるのか」と説き、反撃能力なしには国防は全うできないことを認めた。
これに加えて、安倍氏が国民に安保環境の深刻さを伝えた発言として「台湾有事は日本有事」という指摘があった。
10月の中国共産党大会で習近平国家主席は、台湾統一に関し「決して武力行使の放棄を約束しない」と威嚇した。
習氏は異例の3期目入りで独裁体制を確立している。ウクライナを侵略するロシアと台湾併吞(へいどん)を視野に入れる中国は、力による現状変更を試みる強権国家という点で変わりがない。
中国は今夏、米国のペロシ下院議長の台湾訪問に反発し、直後の軍事演習で日本の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイル5発を撃ち込んだ。日本や在日米軍への攻撃能力を誇示する敵対的な挑発であるのは疑いようがない。
今年は日中両国が国交を正常化してから50年という節目の年だったが、それを祝うムードは広がらなかった。

中朝の脅威はっきりと
米中新冷戦の時代は今後も続く。自由や民主主義、法の支配などの価値観を米国と共有する日本が、中国の覇権主義的な振る舞いに与(くみ)すべきではないのは当然だ。安保3文書の防衛力強化策を実行に移し、日米同盟を強化することで中国や北朝鮮の脅威への抑止力を高めなければならない。
日本の守りの強化に動いてきた安倍氏は7月8日、参院選の街頭演説中にテロリストの凶弾に斃(たお)れた。暴力で政治家の命を奪い、言論を封殺するのは、民主主義に対する挑戦である。断じて認めるわけにはいかない。
安倍氏の突然の死去は日本の政治にとって大きな損失でもあった。憲政史上最長の8年8カ月間にわたり首相を務めただけではない。「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指した戦略的外交で欧米各国を糾合した指導力は、日本外交の評価を過去に例がないほど高めた。国葬で送ったことは当然だった。
明らかな業績を理解せず、安倍氏の批判に終始した国葬反対派がいたのは残念だが、その一方で多くの国民が全国から献花に訪れ、長蛇の列ができた。
安倍氏暗殺で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題に焦点が当たり、与野党は協調して被害者救済法を成立させた。政治が放置してきた被害者の救済はもちろん大切だ。だからといって卑劣なテロが正当化されるわけではないことを改めて指摘したい。
年の瀬を迎えた今もウクライナは攻撃され続け、北朝鮮はミサイル発射を繰り返している。来年は平和の実現に向けたさらなる取り組みが求められる。

防衛の国力結集阻む〝壁〟打破を 明星大学教授・細川昌彦(産経:正論)


政府は16日、国家安全保障戦略など安保3文書の改定を閣議決定した。岸田文雄首相は「戦後の安全保障政策を大きく転換するもの」と位置付ける。焦点であった「反撃能力の保有」を明記するなど、率直に評価したい。しかし転換すべきはそれだけではない。国の防衛は防衛省だけでなく省庁横断的に取り組むべしと、縦割り打破を打ち出したことは極めて重要だ。キーワードは「総合的な国力」「総合的な防衛体制」だ。
こうした方向性にはもちろん賛同する。しかし総論や表面だけで評価するのは早計だ。安保3文書に盛り込まれた具体策の各論を見れば逆行する懸念さえある。例えば防衛産業と研究開発の強化がそうだ。

防衛産業政策「縦割り」排せ
防衛産業を「いわば防衛力そのものと位置付けられる」として、その生産基盤の強化を掲げたことは重要だ。拙稿でも装備品調達の改善にとどまらず、より根本的な防衛産業に対する産業政策が必要であることを指摘した。
そうした観点から、設備の高度化や供給網の強靱(きょうじん)化などの企業の取り組みに対する支援が明記されたことはその一歩として評価したい。ただし、その成功のカギこそ「省庁の縦割りの打破」だ。
装備品の性能向上には半導体、革新材料などの部材や装置が不可欠である。従って産業全体を広く俯瞰(ふかん)して取り組む必要がある。また海外の例を見ても、事業の集約・再編まで視野に置いた産業力強化の取り組みが不可欠だ。そのためには防衛省と経済産業省が一体となって政策展開すべきだろう。
ところが防衛省には、経産省が関与するのを警戒する向きもある。ある元防衛省幹部はそうした本音を自民党幹部にも吐露しているという。経産省も「防衛省のお手並み拝見」といった姿勢ではいけない。本気で防衛産業の産業政策にその知見を活(い)かして、防衛省とともに汗をかく覚悟が必要だ。

省独自より経済安保の活用を
「総合的な国力」の象徴的な分野である研究開発でも、防衛省の〝自前主義〟が露呈している。防衛装備庁に新たな研究機関を創設する、としている。もちろん防衛装備品の研究開発は強化すべきだ。ただしその際、忘れてはならないのが日本特有の問題だ。
すなわち日本学術会議による「軍事研究には携わらない」との長年の方針が研究現場では大きな制約になっている。防衛省自身もかつて先進的な民生技術の研究開発の公募制度を作ったものの、学術界の協力を得られず、十分な成果を挙げられなかった苦い経験をしている。防衛省の下での制度では学術界の協力が得られないのが日本の実態だ。
学術界を見ると、日本のために貢献したいと思う研究者は多い。国の総力を結集するためには、そうした研究者たちが参加できる仕組みこそ必要なのだ。
そこでこうした状況を打開する仕組みが今年成立した経済安保推進法による新制度だ。省庁の縦割りを排して、内閣府主導で文科省、経産省も協力する新たな官民協力の仕組みを創設した。5000億円の基金の予算措置も講じている。新設のシンクタンクで安全保障の現場のニーズを調査し、プロジェクトの組成段階から防衛省などの安全保障官庁が関与する。
防衛省はこうした仕組みよりもあくまで自分たちだけで決められる〝自前主義〟にこだわるようだ。しかしながら防衛省の下に研究機関を置いても、学術界からの参加は得られないのは明らかだ。国の総力を結集するというならば、経済安保における仕組みの活用こそ真剣に考えるべきだろう。

隗(かい)より始めよ
防衛省のこれまでの歴史を振り返ると同情すべき状況もあった。かつての防衛庁の時代には次官は旧大蔵省出身、装備局長は旧通産省出身、安全保障は外務省主導という中で、翻弄されてきた面もある。その結果、長年〝自衛隊の管理官庁〟にとどまらざるを得なかった。先般の官邸主導の防衛の有識者会議も、実態は財務省に仕切られていたようだ。
こうしたことはある意味、霞が関のタブーであった。現在の防衛省が「自分たちだけで決めたい」と思うのは自然な反応だろう。
しかし日本が直面している危機を考えれば、必要なのは「総力の結集」だ。
政府は防衛省予算だけでなく、他省庁の関連経費も含めて国内総生産(GDP)の2%を目指す。その際、〝数字合わせ〟をする財政当局の思惑で「形だけの連携」にならないよう注視すべきだ。
研究開発においても文科省など他省庁の技術シーズと防衛のニーズのマッチングをするという。各省がお付き合いの格好づけに終わらせない「本気の連携」が必要だ。そのためには防衛省自身も本気で縦割りを排した制度を活用して、総力を結集しようとする姿勢を示すべきだろう。
「国力の結集」が単なる数字合わせのための掛け声か、真の安全保障政策の転換となるのか、これからの具体化で明らかになる。(ほそかわ まさひこ)

現実の脅威に備え固めよ :安保3文書(朝雲:時の焦点)


日本は中国や北朝鮮、ロシアに囲まれ、世界でも厳しい安全保障環境にある。深刻な現実を直視し、有事への備えを盤石にせねばならない。
 政府が、「国家安全保障戦略」などの3文書を閣議決定した。
 外交・防衛政策の指針である国家安保戦略の改定は、2013年の策定以来、初めてだ。防衛計画の大綱は「国家防衛戦略」に改称し、中期防衛力整備計画は「防衛力整備計画」に改めた。
 米国の戦略体系と足並みをそろえ、今後の防衛目標や達成手段を網羅的にとりまとめたことは評価できる。今回の改定内容を、着実に遂行していくことが重要だ。

 国家安保戦略は、中国の軍事動向について「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置づけ、策定時には「懸念」にとどめていた認識を修正した。核・ミサイル開発を進める北朝鮮についても、警戒を引き上げた。
 日本が他国から攻め込まれるという最悪の事態をも想定し、国を防衛する意思と手段を整えておく必要がある。民主主義や「法の支配」といった価値観を共有する各国との連携を深めたい。
 国家安保戦略では、敵のミサイル発射拠点などを破壊する「反撃能力」の保有が明記された。
 反撃能力の保有は、憲法が許容する自衛権の範囲に含まれるが、歴代の政権は政策判断として保有してこなかった。
 日本は「盾」に徹し、米軍に「矛」の役割を頼るという、戦後の防衛政策の大転換である。
 政府が、反撃能力の行使について、集団的自衛権の限定行使を容認する際に決めた「武力行使の新3要件」をあてはめることにしたのは適切な判断だ。「日本の存立が脅かされ、ほかに適当な手段がない」といった要件である。これにより、専守防衛の姿勢は変えず、国際法が禁じる先制攻撃にもあたらないことが、より明白になったと言える。

 反対派は「対抗措置を講じれば緊張が高まりかねない」と主張するが、筋違いだ。日本の厳しい安全保障環境を見て見ぬふりする態度は、もうやめたほうがいい。
 政府は、敵の射程圏外から攻撃できる長射程の「スタンド・オフ・ミサイル」の配備を急ぐ方針だ。陸上自衛隊の「12式地対艦誘導弾」の改良と並行し、外国製ミサイルの購入など多角的に配備を進めるべきだ。
 近年、安全保障の概念は、伝統的な防衛政策にとどまらず、経済や科学技術分野にも広がっている。とりわけ、政府や重要インフラへのサイバー攻撃の脅威は重大だ。
 国家安保戦略は、サイバー攻撃を防ぐ「能動的サイバー防御」の必要性を示した。未然に攻撃者のサーバーに侵入ができる権限を、政府に付与するとした。
 法整備のほか、専門の人材育成が急務だ。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の態勢強化など、政府を挙げて取り組んでほしい。
 藤原 志郎(政治評論家)

中国「海外警察」 違法な活動を即刻停止せよ(読売:社説)


他国の主権や法制度を侵害し、国際法に違反する活動である可能性が高い。中国は各国の懸念を深刻に受け止め、現状を直ちに是正すべきだ。

 中国の公安当局が「海外警察」と呼ばれる出先機関を諸外国に設け、反体制派中国人らの追跡や、中国への連れ戻しに使っている実態が明らかになった。
 スペインの民間活動団体が公表した報告書によると、欧米など53か国で102か所の海外警察の拠点が確認された。日本でも東京など2か所にあるという。
 海外警察は、国外に逃亡した容疑者を取り締まるだけでなく、民主活動家らの連行にも関与している疑いが強い。オランダに移住した中国人男性は、中国に残した家族に危害が加えられると脅され、帰国を要求されたという。
 報告書は、2014年~22年10月に強制帰国させられた人は1万1000人に上るとしている。
 当事国の了解を得ない水面下での警察活動は重大な主権侵害だ。到底認めるわけにはいかない。
 海外警察を運営しているのは、華僑を多く送り出している福建省福州市や浙江省温州市など、地方の公安当局とされる。アイルランドのダブリンでは、福州警察の「海外サービスステーション」と称する看板が掲げられていた。

 華僑が世界中に持つコミュニティーは、中国を逃れた犯罪者や民主活動家らが身を隠す場になりうる。当局としては捜査の足がかりにしたいのだろう。
 中国側は報告書の指摘を「完全な誤り」だとし、問題の施設は「海外在住中国人のために運転免許証などの更新をオンラインでサポートしている」と説明した。
 だが、相手国の同意なしに、領事館のような役割を持つ機関を別に設けて活動すること自体、ウィ
ーン条約違反である。中国は現地の状況を精査し、違法な活動を停止しなければならない。
 日本をはじめ、各国政府は厳しく対処する必要がある。国連の場でもこの問題を提起し、国際世論の関心を高めるべきだ。
 オランダやアイルランドはすでに海外警察の閉鎖を命じた。オランダでは、脅迫に関わった関係者が拘束されたという。米国も「司法と法執行の協力プロセスを逸脱し、主権を侵害している」と批判して監視を強めている。
 日本政府は「仮に主権侵害の活動が行われているなら、断じて容認できない」との立場だ。国内の中国人の弾圧に拠点が使われる事態があってはならない。

ウクライナ 東部ルハンシク州内の拠点奪還めぐり攻防激化か(NHK)


ロシアが侵攻するウクライナでは、東部ルハンシク州でも、ウクライナ軍が奪還を目指す州内の拠点をめぐって双方の攻防が激しくなっているとみられます。
一方、ロシアのプーチン政権は、一方的に併合したとするウクライナの4つの州はロシアの領土だとする主張を改めて示し、強硬な姿勢を崩していません。

ウクライナ軍は、ロシアに支配された領土の奪還を目指して反転攻勢を続けていて、このうちロシア軍がことし7月に全域の掌握を宣言した、東部ルハンシク州では、要衝クレミンナの奪還に向けて攻勢を強めているとみられています。
戦況を分析するイギリス国防省は28日、「ロシア軍がここ数日、クレミンナ周辺での軍備を増強している可能性が高い。ロシア軍は東部ドンバス地域の戦闘において、クレミンナを物資輸送などの拠点として重視している」と指摘していて、双方の攻防がさらに激しくなるとみられます。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、和平に向けて、ロシア軍のウクライナからの撤退やウクライナの領土保全の回復など、10の項目を掲げています。
これについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は28日、「ロシアの領土について、4つの新たな州がロシアに編入したという今の現実を無視する和平案はありえない」と主張しました。
ロシアのプーチン政権は、一方的な併合に踏み切ったウクライナの4つの州をウクライナがロシアの領土だと認める必要があるとの強硬姿勢を崩しておらず、和平に向けた道筋は見えていません。

海軍:井上成美(産経抄)


令和元年から翌年にかけて、旧日本軍の井上成美(しげよし)海軍大将の肉声を記録した未公開テープが2カ所で発見されて話題になった。戦前、米内光政や山本五十六とともに「海軍三羽烏(がらす)」と称され、日独伊三国同盟の締結に反対していたことでも知られる。戦後は神奈川県横須賀市の自宅で隠遁(いんとん)生活を送っていた 

▼海上自衛隊第1術科学校(広島県江田島市)で見つかったテープの内容は、海軍兵学校の同期会の会報に掲載するためのインタビューである。「軍人としてのデューティ(義務・任務)、将校としてのデューティ、そういうものが加わって人間ができていく」。兵学校の校長時代、敵性語とされた英語の授業を続けるよう指示した井上らしい
▼安全保障に関わる「特定秘密」を漏洩(ろうえい)したとして、防衛省は海上自衛隊の1等海佐(54)を懲戒免職処分とした。1佐は情報収集を任務とする「情報業務群」の司令を務めていた。漏らした相手は、海自の階級では最高位の海将を経験したOBである 
▼講演する機会が多かったOBが、1佐に情報の提供を依頼していた。ただOBは取材に対して、特定秘密の提供まで求めていないと語っている。OBを通じて、秘密が外部に流出した形跡もない。それでも情報部隊のトップとして、はなはだデューティの意識に欠けた行動だと、非難せざるを得ない
▼海兵校長だった井上は、こんなエピソードも残している。校内に飾られていた歴代海軍大将の写真を全部下ろさせた。半分は国賊で学生の手本にならないというのが、理由だった
▼1佐は元上司でもあったOBを畏怖していたという。自衛隊では、退官後も強固な上下関係が続く。たとえそうであっても、デューティを優先してほしかった。

特定秘密の漏洩 戦う組織に生まれ変われ(産経:社説)


特定秘密保護法(平成26年12月施行)で定められた「特定秘密」を外部に漏らしたとして、自衛隊の警務隊が、同法と自衛隊法違反容疑で海上自衛隊の1等海佐を横浜地検に書類送検した。防衛省は、この1佐を懲戒免職処分にした。
特定秘密流出の摘発は初めてだ。国防に関わる特定秘密は日本の平和、国民の生命を守る上で厳重な秘匿が求められる。漏(ろう)洩(えい)は極めて遺憾で、二度とあってはならない。
1佐は海自主力の自衛艦隊傘下の情報業務群で司令を務めていた令和2年3月、海自OBで自衛艦隊司令官経験者の元海将に安全保障情勢を説明した。その際、特定秘密を口頭で漏らしたという。
流出は、現役自衛官のOBに対する誤った身内意識が招いた。現役組と退官したOBとの間では、先輩後輩の絆はあるとしても、秘密の取り扱いには厳重な一線を画すのが当然だ。

秘密を守る義務は、退官後も続いている。防衛省・自衛隊OBが経験や専門知識を生かして、安保問題を語るのは、世論の啓発上も有益だ。だが、特定秘密を知らせる必要は毛頭ない。自衛隊員は、秘密保全を遂行できない軍事組織は国防の務めを全うすることが難しいと肝に銘じるべきだ。同盟国や有志国から機微な情報が伝わらなくなっては国の安全を大きく損なう。
1つの情報の扱いが戦勝と敗北を分かつことさえある。日本を取り巻く安全保障環境が戦後最も厳しくなった今、自衛隊は襟を正す必要がある。これを機に、情報保全を徹底した、戦える組織に生まれ変わってもらいたい。それが平和を保つことに直結する。

特定秘密を知らされた元海将からのさらなる漏洩が確認されなかったのは、せめてもの救いだ。
今回の関係者が外国勢力とつながっていたとは考えられない。その上で指摘したいのは、問題は特定秘密が世間に広がる恐れだけではない、ということだ。外国勢力につながったスパイ、工作員から特定秘密が狙われているとの警戒心を強く持つ必要がある。
防衛省は今回、OBに対して、現役職員から秘密に関する情報提供を求めず、退職後も守秘義務が続いていると注意喚起した。外国政府やそのスパイ、工作員が接近してくるリスクも現役、OBに徹底的に教育すべきである。

首相、防衛増税前に衆院解散 具体的時期触れず(東京新聞)


岸田文雄首相は27日のBS―TBS番組で、防衛費増額に伴う増税を開始する前に衆院解散・総選挙に踏み切るとの見通しを示した。増税は2024~27年の適切な時期に始まるとした上で「スタートの時期はこれから決めるが、それまでには選挙がある」と述べた。ただ解散の具体的時期には触れなかった。
 増税分は防衛費増額の財源の一部となる。開始時期を巡っては「24年以降の適切な時期」として来年に決める計画だ。増税の対象は法人、所得、たばこの三つの税。27年度時点で1兆円強を見込む。自民党の萩生田光一政調会長も増税前に衆院解散で国民に信を問う必要があるとの認識を示している。

「特定秘密」漏えい 防衛相“極めて遺憾” 再発防止策検討へ(NHK)


浜田防衛大臣は、海上自衛隊の幹部が高度な情報保全が求められる「特定秘密」が含まれる情報を、OBに漏らしたとして懲戒免職となったことについて、極めて遺憾だとして、現職幹部とOBとの接触の在り方を厳格化するなど、再発防止策を講じる方針を示しました。

防衛省・自衛隊は、高度な情報保全が求められる「特定秘密」が含まれる情報をOBに漏らしたとして、海上自衛隊の1等海佐を26日付けで懲戒免職の処分にし、特定秘密保護法違反などの疑いで書類送検しました。
これについて浜田防衛大臣は、閣議の後の記者会見で「防衛省・自衛隊への国民の信頼を損なうものであり極めて遺憾だ。自衛隊の円滑な運用を確保し、わが国防衛を全うするためには情報の保全は徹底が不可欠だ」と述べました。
そのうえで現職幹部とOBとの接触について「今後、具体的に示したいが、厳しくなることは間違いない」と述べ、接触の在り方を厳格化するなど、再発防止策を講じる方針を示しました。
防衛省は27日午後、井野副大臣をトップとする、再発防止を図るための検討委員会の初会合を開くことにしています。

「特定秘密」漏えい 漏らした内容にはアメリカ提供の情報も(NHK)


海上自衛隊の1等海佐が、高度な情報保全が求められる「特定秘密」が含まれる情報をOBに漏らした問題で、漏らした内容には、アメリカ側から日本側に提供された情報が含まれていたことが防衛省関係者への取材で分かりました。

海上自衛隊の1等海佐は、情報業務群の司令を務めていたおととし3月、すでに退職していた元上司のOBに対して、特定秘密保護法で定められた「特定秘密」にあたる日本周辺の情勢に関する情報などを漏らしたとして、26日に懲戒免職されました。
この「特定秘密」には、アメリカ側から日本側に提供された情報が含まれていたことが、防衛省関係者への取材で分かりました。
主に日本周辺を航行している外国艦艇の位置などの情報だったということで、OB以外への漏えいは確認されなかったということです。
海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長は、26日の会見で「海上自衛隊の情報管理の信頼を損ねたことは間違いない。今後、関係国の信頼回復に真摯(しんし)に努めたい」と述べています。
今回の問題を受け防衛省は、再発防止策を検討する委員会を立ち上げ、来年3月までに具体的な対策をまとめるとしています。

中国コロナ急拡大 習政権は情報隠蔽やめよ(産経:社説)


中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大している。
中国の習近平政権が7日、ロックダウン(都市封鎖)と厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策から大幅な緩和に方針転換した後、感染者と死者が急増しているとみられる。
こうした事態に陥った中で、中国国家衛生健康委員会が25日、新型コロナの感染者数と死者数の公表を中止した。今後は下部組織の中国疾病予防コントロールセンターが「参考と研究のため」に情報提供するが、中国全土の24日の新規感染者数は2940人で死者はいなかったとした。

一方、中国・浙江省の省政府は、1日当たりの省内の新規感染者は100万人を突破し、近く迎えるピーク時には200万人に達するとの見通しを示した。これでは中国政府の発表を信じることはとてもできない。
感染症のパンデミック(世界的大流行)の際に重要なのは、感染者や死者の数を把握し、正直に公表することだ。それなしに、当該国も世界各国、国際機関も、各国民も適切な対応がとれない。

中国共産党政権の隠蔽(いんぺい)体質は今に始まったことではないが、習国家主席は正確なデータの把握と公表が為政者として最低限の義務である点を忘れてはならない。
3年前に中国・武漢市から新型コロナの感染が世界に広まった。その際も習政権は適切な情報公開を怠り、感染防止や水際対策などで中国および各国の初動の遅れ、混乱を招いた。中国は共産党体制の欠陥を再びさらけ出した。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が詳細な情報提供を中国に求めたのは当然だ。米国務省報道官は「ウイルスを野放しにすれば変異する恐れがあり、あらゆる人々の脅威となる可能性がある」と懸念を示した。

ゼロコロナ政策の撤廃は当然としても今回の感染急拡大は、習政権が政策転換に沿った適切な対応策を講じなかったために生じた。中国では高齢者のワクチン接種率が低く、国産ワクチン自体も欧米製より効果が不十分とされる。体制の優位性を示すために「ワクチン民族主義」をとったのであればあきれるほかない。
日本の水際対策はこのままでいいのか。岸田文雄首相は国民の不安を払拭するため、即座に動くべきである。

民主主義の危機に法を守る意味 日本大学教授・松本佐保(産経:正論)


国際秩序激震の一年
一年を振り返り、国際政治で最も特筆すべき事件は、今年2月下旬に起きたロシアによるウクライナへの軍事侵攻である。戦争という2国間の軍事衝突にとどまらず、ウクライナを支援する欧州連合(EU)諸国や北大西洋条約機構(NATO)、アジア・中東・アフリカ諸国、また日米同盟への影響など、国際秩序にとって激震の根源となっている。
軍事力を増大させる中国やミサイル発射を連発する北朝鮮だけでなく、本来、日本の領土である北方領土を占拠するロシアの存在を改めて認識し、日本は安全保障政策やエネルギー政策の見直しを迫られている。軍事力による国家主権への侵害は人ごとではないとの認識から、防衛予算の倍増と増税が議論されている。
11月には米国の中間選挙が行われた。この激動の時代にあって米史上最も注目された中間選挙だった。バイデン大統領の人気は下降、またインフレ状況や共和党のトランプ前大統領の「功績」である中絶への厳しい規制及び非合法化で、不利に思われた民主党が善戦し上院では多数派を維持したことは特筆に値する。中絶問題は米人口の60%がその非合法化に反対でこれを逆手に取った民主党が若い女性や無党派層にアピールしたことが有利に働いた。
しかし善戦の最大の理由は、2021年1月に起きた米議会襲撃事件を「民主主義の危機」とし、大統領選の結果を暴力で変更しようと襲撃を扇動したトランプ氏の危険性を広く訴えたことだ。
トランプ氏は2020年大統領選に不正があったと主張し「憲法の終わり」ともツイート。これに対し、米企業家のイーロン・マスク氏が「憲法はどの大統領より偉い」と発言するなど、トランプ熱は明らかに冷めつつある。
もちろんトランプイズムは消滅するどころか、フロリダ州で大勝したデサンティス知事がこれを引き継ぐ可能性が示唆される。トランプ氏のコアな支持基盤であるキリスト教福音派の主張、中絶反対や性的少数者LGBTの権利の抑制、移民規制や反エリート主義を唱え、増加するヒスパニックからの支持も厚いからだ。暴力の扇動や脱税疑惑等もない、「クリーンなトランプ」として、トランプなき後のトランプイズム継承者たり得る。

ドイツでクーデター未遂事件
国際法違反のロシアによる対ウクライナ戦争の真っただ中で、米国内で法の遵守(じゅんしゅ)を訴えることにそれなりに効果があったとしたなら、民主主義の希望の灯は消えていないことになる。
そうした中、12月上旬にドイツで政府転覆計画の廉(かど)での逮捕劇が起きた。同国連邦検察は25人を逮捕、「ハインリヒ13世」と名乗る貴族の末裔(まつえい)や極右関係者、元軍人、陰謀論「Qアノン」信奉者などで構成されるグループが、連邦議会議事堂を襲撃し、政権を奪取しようとしていたクーデター未遂事件である。
ドイツ捜査当局の強制家宅捜索の対象は130カ所で、オーストリアとイタリアにまで及んだ。以前からドイツ警察の監視対象であった極右勢力「ライヒスビュルガー(帝国の住民)」運動の関係者が数十人含まれている。
この団体は、現代ドイツの民主主義国家を認めず、暴力を推奨し反ユダヤ主義や反移民など人種差別的な主張を掲げている団体で、納税を拒否している。逮捕された中には、合法的な極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)党」の前下院議員でベルリン地裁の女性判事や、元ドイツ軍特殊部隊(KSK)将校らがおり、検察は、地方で民主的な組織を排除する目的があったとみている。

ネットで不安を煽られ
1970年にイタリアで類似したクーデター未遂事件が起きた。首謀者は元ファシスト軍人で有罪となったが減刑され、60年代にネオ・ファシスト党である国民戦線を結成、戦後再建された民主主義国イタリアを転覆しようとした。
今回のクーデター未遂事件の逮捕者にロシア人女性がおり、ロシアの関与が取り沙汰されている。ロシアは陰謀論やヘイトを拡散するデジタル工作を仕掛け、EUやNATOの解体を狙い、これら構成国の仲たがいや、各国の民主主義の破壊を目的としていると、過激派研究で知られる英シンクタンク「戦略対話研究所」(ISD)が警戒している。
米中間選挙でもし共和党のトランプ派が勝利し民主党が惨敗していたなら、米国の対ウクライナ軍事支援は減速し、ロシアに好都合になり得た。米国に起源を持つフェイクニュースを発信する「Qアノン」信奉者のネットワークは、今回のドイツでのクーデター未遂事件にも関与、そのグローバルな影響力が危惧される。
戦争による物価高騰、エネルギー危機に世界が直面し、インターネットで人々の不安は簡単に煽(あお)られる。だからこそ、国際法にせよ国内法にせよ、法による支配や民主主義厳守の重要性を、今一度確認する必要があろう。(まつもと さほ)

パトリオット「百%たたき壊す」 不利にならずとプーチン氏(東京新聞)


ロシアのプーチン大統領は25日放映の国営テレビの番組で、米国がウクライナに供与を約束した主力地対空ミサイルシステム「パトリオット」について「もちろんたたき壊す。100パーセントだ」と述べ、ロシア軍の不利にはならないとの見方を示した。
 プーチン氏は、ウクライナへの侵攻長期化で同国を支援する欧米との対立がかつてなく激化していることを「危険だとは思わない」とし「われわれはロシアと国民の利益を守るため正しいことをしている。他の選択肢はない」と強調した。
 その上で、ロシアは話し合いによる解決の用意があると述べ、交渉を拒否しているのはウクライナ側だと改めて指摘した。

また面目つぶれたプーチン政権…防空網誇示の直後、無人機で再攻撃受ける(読売N)


ロシア軍が戦略爆撃機の拠点としている南部サラトフ州のエンゲルス空軍基地が26日、無人機で今月2度目の攻撃を受け、再発防止に躍起になっていたプーチン露政権の威信は再び傷ついた。攻撃への関与を公式には認めていないウクライナ軍は、ロシアの首都モスクワにも届く無人機の開発を急いでおり、無人機を使った攻防が激しくなる可能性がある。
 5日の無人機による攻撃後、エンゲルス空軍基地は無人機攻撃の防止を目的にした防衛強化策が講じられたと伝えられていた。20日には、プーチン大統領が、空軍基地への攻撃やエネルギー関連施設などでの火災が頻発していることを踏まえ、情報機関に活動強化を指示していた。

 露国防省は26日、ウクライナとの国境地帯を管轄する露軍西部軍管区が、高性能地対空ミサイル「S300V」を使って24時間態勢で警戒していると発表したが、その直後に空軍基地に対する今回の攻撃が明らかになった。プーチン氏は米国がウクライナへの供与を表明した地対空ミサイル「パトリオット」よりもS300が優れているとも語っていただけに、面目がつぶれた形だ。

 ウクライナはロシアが一方的に併合した南部クリミアと露本土を結ぶ「クリミア大橋」で発生した10月の爆発や越境攻撃について、関与を公式には認めていないが、今後も露領内深くへの攻撃を続けるものとみられる。米国のオースティン国防長官は今月上旬、ウクライナが兵器を独自に開発し、露本土を攻撃することは許容する考えを示している。
ウクライナは露本土を攻撃可能な無人機の開発を急いでいる。ウクライナの国防相は今月8日、過去1か月に自前の無人機7機種の実戦配備を決めたことを明らかにした。航続距離が1000キロ・メートルの無人機も近く投入する見通しだ。
 5日の空軍基地への攻撃には、旧ソ連の偵察用無人機「Tu(ツポレフ)141」の改造型を使ったと指摘されている。ウクライナ政府高官は露領内で特殊部隊が協力したと述べており、持ち運びが可能な小型の自爆型無人機で攻撃した可能性も排除できないとの見方が出ている。

韓国国防省 北朝鮮の無人機5機が領空侵犯と発表 撃墜には失敗(NHK)


韓国軍は、北朝鮮の無人機5機が、26日に軍事境界線を越えて韓国の領空を侵犯し、このうちの1機が首都ソウルの北部の上空まで飛来したと発表しました。これに対抗して韓国軍が偵察機を軍事境界線の北側に投入し、北朝鮮の軍事施設の撮影などを行ったとしています。

韓国軍の発表によりますと、北朝鮮の小型無人機5機が26日午前10時25分ごろから軍事境界線を越えて韓国の領空を侵犯しました。
韓国軍はこれらの無人機に対し、攻撃ヘリコプターなどを投入して100発余り射撃したものの撃墜には失敗し、軍の関係者は「国民に被害が出ない範囲で対応した」と説明しています。
通信社の連合ニュースによりますと、無人機5機はおよそ7時間にわたって韓国の領空を飛行し、このうち1機は、首都ソウルの北部の上空まで飛来したあと北朝鮮側に引き返し、残る4機は、北西部のカンファ(江華)島周辺の上空を飛び回ったすえにレーダーから消えたということです。
一方、韓国軍はこれに対抗して、有人と無人の偵察機を軍事境界線の北側に投入し、北朝鮮の軍事施設の撮影などを行ったとしています。
韓国の専門家の間では、北朝鮮が偵察能力の強化を図ろうとしていることからその一環の動きではないかとする見方のほか、北朝鮮軍が行っている冬季訓練の中で偵察活動を行った可能性を指摘する声が出ています。

米 ホワイトハウス報道官「韓国と緊密に協議」
北朝鮮の無人機5機が軍事境界線を越えて韓国の領空を侵犯したと韓国軍が発表したことについて、アメリカ・ホワイトハウスの報道担当者は26日、取材に対し「韓国と緊密に協議している」とコメントしました。そのうえで「われわれは、韓国が自国の領土を保全する必要があることを認識しており、アメリカによる韓国の防衛への関与は揺るぎない」と強調しました。

「国を守る」朝日主張の奇怪 日本学術機構代表理事・政治学者 岩田温(産経:新聞に喝)


「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」からなる「安保3文書」が16日、閣議決定された。従来以上に日本の安全保障上の脅威が高まっていることを背景になされた決定である。

「安保3文書」が決定される1カ月ほど前の11月24日、朝日新聞は「『国を守る』を考える 『国民第一』に総合力を磨け」との社説を掲載した。朝日が「国を守る」ことを真剣に考え始めたのかと興味深く読み始めた。
冒頭では北朝鮮、中国の脅威について触れ、欧州ではロシアがウクライナを一方的に侵略した事実を指摘している。そのうえで「国民の多くが不安に思い、防衛費の増額に賛同する意見が増えるのも、もっともである」と続ける。ついに朝日も眼前の危機を注視し、現実的な防衛政策を説くようになったのかといささか感慨深いものがあった。
だが、やはり朝日の主張は奇怪である。突如「国を守る」とは何を守るのかを問い始める。領土、独立、統治機構、自由や民主主義などの価値。こう列挙した後に、「いずれも重要」と留保を付けながら、「基軸は『国民』であるべきだ」と説く。
国家が国民を守るのは当然のことだ。国民の生命、財産を守る気概を持たぬ政府など無用の長物だろう。しかし、「国を守る」ことを「国民を守る」ことと同一視することは間違っている。
具体的に考えてみよう。尖閣諸島を狙ってある国が侵攻してきたとする。尖閣諸島には国民が誰も住んでいない。この島を防衛するために自衛隊が生命を懸ける行為は間違っているといえるだろうか。自衛隊も国民だ。国民を守ることが「基軸」であるならば、尖閣諸島を侵略国に差し出すことが賢明だという結論に行き着かないだろうか。

ロシアがウクライナに侵攻した際、日本では奇妙な言説が横行した。ウクライナ側が「戦うだけの選択肢」ではならぬというのだ。ロシアの侵略行為を非難するのではなく、ウクライナの対応が悪いと言わんばかりの主張だった。
祖国の独立が失われれば、その後、国民はいかなる悲惨な状況に追いやられるのか。二度と主権を有した独立国家として認められないのではないか。そうした危機感がウクライナ国民に悲壮な決意を抱かせた。
確かに国民を守ることは重要だ。だが、祖国の独立を守ることを貶(おとし)めるような議論は歴史を知らぬ浅薄な議論と言わざるを得ない。

いわた・あつし 昭和58年、静岡県生まれ。早稲田大学大学院政治学科修了。専攻は政治哲学。著書に「政治学者、ユーチューバーになる」など多数。

学術会議の拒否 変わらないなら民営化だ(産経:社説)


政府は、日本学術会議の在り方に関し、会員の選考過程に第三者が関与することを柱とした改革方針をまとめた。来年の通常国会への関連法改正案の提出を目指す。
政府方針に対し、学術会議は「学術会議の独立性に照らしても疑義があり、存在意義の根幹に関わる」として再考を求める声明を発表した。
同会議の梶田隆章会長(東京大卓越教授)は会見で「70年以上の歴史を持つ学術会議の性格を変えてしまいかねない」と危機感を示した。見当違いも甚だしい。

政府方針では、会員以外にも推薦を求める仕組みを導入し、選考について意見を述べる第三者委員会も設置する。声明は「任命拒否の正当化につながりかねない」と反発した。だが、任命権限は首相にある。「独立性」の意味をはき違えているのではないか。
学術会議は、法律に基づいて設置された「国の特別の機関」である。税金で運営され、会員は特別職国家公務員だ。国政選挙や首相指名選挙などの民主的な手続きを経て就任した首相の人事に従えないなら、もはや国民の税金を1円たりとも投入する必要はない。完全民営化すべきだ。

学術会議を巡っては、改革すべき重要な問題がまだある。昭和25年と42年に「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」との声明をまとめ、平成29年3月に声明の継承を宣言している。
声明は全国の科学者の学問・研究の自由をかえって脅かすもので、国民を守るための防衛力の充実を妨げてきた。問題の本質は侵略国を喜ばせる「軍事忌避」の体質にこそある。
今年7月、軍事、民生の両方で使える「デュアルユース(軍民両用)」の科学技術研究について「デュアルユースとそうでないものとに単純に二分することはもはや困難」と事実上容認する見解を示した。軍事と民生を切り離す発想から脱却したのであればよいが、一連のおかしな声明を撤回していない以上、体質が本当に変わったのか疑わしい。
政策の策定に科学的な知見を取り入れることは重要であり、科学的な助言を行う機関は必要である。だが、防衛を損なう反国民的言動を反省せず、民主主義を軽視し、自らに人事権があるかのような独善的な振る舞いをする、今のままの学術会議なら必要ない。

プーチン大統領、ロシアは正しい 米ミサイル「100%粉砕」(時事N)



 ロシアのプーチン大統領は、越年する見通しとなったウクライナ侵攻を巡り「われわれは正しい方向に行動しており、国益を守っていると思う」と述べた。米国がウクライナへの供与を約束した地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」に関しては「100%粉砕する」と警告した。
国営テレビの単独取材に語ったもので、25日の番組で放送された。事前収録は、年内最後の記者団の取材に応じた22日とみられる

前海上自衛隊トップも調査対象 きょうにも1佐を懲戒処分(東京新聞)


海上自衛隊の男性1等海佐が特定秘密保護法で定められた「特定秘密」を外部に漏えいした疑いがある問題で、防衛省は山村浩・前海上幕僚長も調査対象としていることが26日、政府関係者への取材で分かった。山村氏は2019年4月~22年3月に海自トップとして在任。漏えいは数年前とされ、当時の監督責任は免れないと判断しているとみられる。
 防衛省は26日にも1佐を懲戒処分にする。警務隊も同法違反容疑での立件に向け詰めの捜査をしている。特定秘密の漏えい疑いが明らかになるのは、今回が初めて。
 政府関係者によると、1佐は元海将の海自OBに特定秘密を含む情報を漏らした疑いがある。

尖閣諸島 中国海警局の船 領海出る 領海侵入は最長の72時間余(NHK)


今月22日、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、日本の領海に侵入した中国海警局の船2隻は25日午前、いずれも領海を出ました。
今回の領海侵入は72時間余りにわたって続き、10年前に政府が尖閣諸島を国有化して以降、最も長くなりました。
第11管区海上保安本部によりますと、今月22日午前9時半すぎ、尖閣諸島の大正島の沖合で、中国海警局の船2隻が日本の漁船の動きに合わせるように日本の領海に侵入しました。
23日午前に別の2隻に入れ代わり、その後、漁船が周辺海域から離れたのに合わせるように、2隻は25日午前10時20分までに相次いで領海を出たということです。

今回の領海侵入は72時間45分にわたって続き、過去最長だったことし7月5日から7日までの64時間17分を上回り、10年前に政府が尖閣諸島を国有化して以降、最も長くなりました。
海上保安本部は、再び領海に侵入しないよう警告を行うとともに、警戒を続けています。

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