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安保理で北朝鮮情勢協議 今年初、非公開会合(産経N)


国連安全保障理事会は30日、非公開会合で北朝鮮情勢を協議した。今月の議長国である日本の石兼公博国連大使は会合後、記者団に議論の内容を明らかにせず「現状とその評価について有意義な意見交換ができた」と語った。北朝鮮に関する会合は今年初めて。

通常、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射などを受けて公開で会合を開く場合が多いが、北朝鮮は1日の短距離弾道ミサイル発射を最後に明白な挑発行為を控えている。石兼氏は協議した理由について「重要な問題だということだ」と述べた。
米国は昨年12月中旬、北朝鮮を非難する安保理議長声明案を各理事国に配布したが、採択できていない。採択は全会一致が原則で、外交筋によると、北朝鮮を擁護する中国の賛成を得られていないという。(共同)
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覚悟なき日本人の安全保障戦略 東京国際大学特命教授・村井友秀(産経:正論)


安全保障は空気と同じである。人は空気があるから生きていける。しかし、空気は見えず匂いもない。故に人は空気を意識せずに生きている。空気がなくなったとき、人は空気があるから生きていたと理解するが、その時はもう手遅れである。安全保障も同じである。安全が保障されているから人は普通に生活できる。安全がなければ経済もない。安全保障の利益はとてつもなく大きい。

安全保障のコスト
何らかの利益を得ようとすればコストがかかる。水も電気も安全もタダではない。安全保障は全ての国民の利益である。日本人も安全を得たければコストを負担しなければならない。ウクライナの多くの市民は安全保障、すなわち祖国と家族を守るために命を懸けている。しかし、戦争に負けた日本では、全ての戦争を邪悪なものとして否定する平和教育が浸透し、日本人は勇気、自己犠牲といった世界中の国が学校教育で重視する道徳を失い、無抵抗主義が日本人の思想を支配した。無抵抗主義に染まった日本人は犠牲を払う覚悟を失った。
最近実施された米国のシンクタンク(CSIS)による台湾有事シミュレーションでは、中国の台湾侵攻作戦が失敗する第一の条件は、台湾市民が降伏せずに戦い続けることである。犠牲なしに正義は成就できない。正義とは「弱きを助け強きを挫(くじ)く」ことである。正義がなければ、世界は弱肉強食の場になる。
戦後の日本が大きなコストを払わずに安全を得ることができたのは、冷戦下で西側の覇者である米国が、西側の一員である日本の安全保障のコストを負担したからである。今、米国は世界に提供してきた安全保障の負担を減らそうとしている。他方、米国の覇権に挑戦する中国は過去30年間で軍事費を40倍に増やし、世界に対する影響力を拡大している。日本に対しても日本人が先祖から引き継ぎ子孫へ伝えるべき財産である固有の領土を奪おうとしている。

軍拡競争の抑止力
鉄砲から生まれた中国共産党(中共)は戦争を躊躇(ちゅうちょ)しない。中共は合理的な政権であり、簡単に勝てると思えば戦争する。日本が軍縮すれば中国は日本に簡単に勝てると思うだろう。ギブアンドテイクが基本であり、日本から何かを得ようとすれば何かを日本に与えなければならない外交に対して、戦争では敗者に何も与えず、勝者が全てを取ることができる。軍事的優位に立てば、現状変更国にとって戦争は外交よりも魅力的である。日本の軍縮は中国に戦争するように挑発しているのと同じである。
軍拡を続ける中国に、日本には簡単に勝てないと思わせるためには、日本が軍拡して日中間の軍事バランスが圧倒的に中国に有利になる状況を阻止しなくてはならない。ただし、日本が軍拡すれば、中国との間で軍拡競争が発生するだろう。日中双方にとって好ましい事態ではない。しかし、日本が軍縮すると中国が今よりも軍事的優位になり、最悪の場合、中国が戦争を外交よりも効果的な対日政策だと判断する可能性がある。
他方、中国の経済と社会の矛盾が拡大する中で軍拡競争になれば、軍事バランスが今よりも極端に中国優位になることはないだろう。また、近代戦史を見れば、両国政府が大戦争を望まない限り、偶発的事件が大戦争に拡大する可能性も低い。したがって、日本が軍拡した場合の最悪のケースは日中の軍拡競争になる。軍縮と軍拡の最悪の場合を比較すれば、戦争よりも軍拡競争の方がマシである。日中間の軍拡競争は軍事衝突を抑止するだろう。

日本人の覚悟
日本が地域の安全保障に貢献するためには軍拡競争のコストを負担すべきである。日本の軍拡の道筋を示すものが「国家安全保障戦略」以下の安保関連3文書である。但し、3文書は、毛沢東が言う「愚か者の戦略」である「専守防衛」という世界の非常識を引きずっている。「専守防衛」で戦うということは、ロシアに侵略されたウクライナのように、8カ月で約4万人の民間人の死者(ミリー米統合参謀本部議長)を出しながら終わりが見えない長期戦を戦うということである。ウクライナ政府が国民の犠牲を防ぐために熱望しているのは反撃兵器である。日本も「専守防衛」という世界の非常識から脱却し、反撃兵器による「懲罰的抑止」という世界の常識に一歩でも近づくべきだろう。
今、日本では多くの国民が日本防衛のための増税に反対している。他方、安全を失った現在のウクライナでは増税などという生易しい手段は全く意味をなさない。ウクライナ国民の多くが、敵対行動をとった文民だとしてロシア軍に攻撃されることを覚悟してロシア軍の情報をウクライナ当局へ通報している。今、日本国民がなすべきことは、日本人全体すなわち日本の安全保障のために一人一人がどのような貢献をするのか、どのような犠牲を払うのかをよく考えることである。(むらい ともひで)

ロシア軍が補給路死守へ攻撃強化か…東部戦線巡りゼレンスキー氏「非常に厳しい状況」(読売N)


ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は29日のビデオ演説で、ロシア軍が制圧を狙う東部ドネツク州の情勢に関し、激戦地の要衝バフムトに加え、州都ドネツクの南西約30キロ・メートルにあるウフレダルが「非常に厳しい状況になっている」と述べた。露軍の地上部隊がドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)の全域制圧に向け、ウクライナ軍の分散を狙っているとの見方が出ている。
ウクライナ東部ウフレダル近郊で27日、ロシア軍の攻撃で炎上する住宅=ロイター
 ゼレンスキー氏は露軍の攻撃に関し「人命を顧みず、多くの犠牲を出しながらも、激しい攻撃を続けている」と非難した。「ロシアは戦争を長引かせようとしている」とも語った。

 人口約1万5000人のウフレダルを巡っては、ウクライナの国防次官が25日の記者会見で、露軍が攻撃を強化しているとの見解を明らかにしていた。
 タス通信によると、ロシアが一方的に任命したドネツク州のトップは30日、露軍がウフレダルの東側を包囲したと主張した。露軍はバフムトだけでなく、ウフレダルの攻略を本格化させている可能性がある。
 ウフレダルは露本土とロシアが2014年に併合した南部クリミアを結ぶ露軍の主要な補給路の北側に位置している。砲撃や敵情の把握に有利な高台で、露軍は「陸の回廊」と呼んで特に重視する補給路の死守も意識しているようだ。
 米政策研究機関「戦争研究所」は28日、露軍がウクライナ軍を分散させるため、複数戦線での攻撃に着手した可能性があると分析した。一方で、露軍が消耗が進む中で戦線拡大を図っているとして「戦闘能力の過大評価に基づく作戦だ」との厳しい見方も示した。
 地元州当局などによると、露軍は29日、昨年11月に撤退した南部ヘルソン州の州都ヘルソンの病院などを砲撃し、少なくとも3人が死亡、8人が負傷した。国内第2の都市、東部ハルキウ中心部も29日深夜、露軍のミサイル攻撃で1人が死亡した。地対空ミサイルS300を使ったとみられる。

首相 防衛費増額に伴う増税方針 重ねて理解求める 衆院予算委(NHK)


国会では30日から、衆議院予算委員会で新年度予算案の実質的な審議が始まりました。岸田総理大臣は、防衛費の増額に伴う政府の増税の方針に重ねて理解を求めました。

午前中は自民党が質問に
衆議院予算委員会では、30日から岸田総理大臣とすべての閣僚が出席して、新年度、令和5年度予算案の基本的質疑が始まり、午前中は自民党が質問に立ちました。
萩生田政務調査会長は、防衛費の増額に伴う増税について、「5年で43兆円という防衛予算をどこまで税外でしっかり積み上げられるのか、党の特命委員会で聖域なく徹底的に議論する。税制措置の4分の1という数字はあくまでも目安だ。将来的な増税は否定しないが、努力なしに国民の理解をいただくことは難しい」と指摘しました。
岸田総理大臣は「国民の負担をできるだけ抑えるべく、行財政改革の努力を最大限行ったうえで、それでも足りないおよそ4分の1について税制措置をお願いする。財源調達の見通しや景気の動向などを踏まえ、税制措置の実施時期などを柔軟に判断するのが政府・与党の方針だ」と述べ、重ねて理解を求めました。
牧原秀樹氏は、岸田総理大臣が派閥の会長を続けていることについて、「この年末年始は会合が復活し、2009年の政権交代を思い出すような党や政権に対する非常に厳しい風を感じた。菅前総理が岸田総理の派閥離脱について指摘したが、思いを聞きたい」と質問しました。
岸田総理大臣は「自民党という政権内部で権力闘争をしている余裕はないほど、日本を取り巻く状況は緊迫度を高めている。派閥のありようや性格は時代とともに変化しているが、国民から疑念や批判を浴びないよう、適切に対応しなければならない」と述べました。
鈴木貴子氏は先週、岸田総理大臣が参議院本会議で、育児休業中の人などのリスキリング、学び直しを後押しする方針を示したことについて、「私のまわりでも、『本気で言ってるの』という反応が相次いだ。ぜひ発言の真意を答弁していただきたい」と求めました。
岸田総理大臣は「私自身も3人の子どもの親で、経済的、時間的、精神的に大変だということを目の当たりにし、経験もした。本会議での発言は、ライフステージのあらゆる場面で、学び直しを本人が希望した場合にはしっかりと後押しできる環境整備を強化していくことが大事だという趣旨だ」と述べました。
一方、子育て世帯に対する住まいの支援について、斉藤国土交通大臣は「公営住宅に子育て世帯が優先的に入居できる取り組みを地方公共団体と連携して、拡大していきたい」などと述べました。

松野官房長官「リスキリング 強いるような趣旨ではない」
松野官房長官は、午前の記者会見で、「産休・育休中にリスキリングを強いるような趣旨ではなく、ライフステージのあらゆる場面で学び直しに取り組もうとする際、本人が希望した場合には、それをしっかり後押しできる環境整備を強化していくことが重要だということだ」と述べました。
そのうえで、「政府としては、学び直しを希望する働く人の誰もが主体的にスキルアップを行うことができる環境整備に引き続き取り組んでいく」と述べました。

ゼレンスキー大統領“新たな武器の供給加速を” 軍事支援訴え(NHK)


イギリス国防省は、ウクライナ軍の兵士が、戦車の訓練を受けるため、イギリスに到着したことを明らかにし、30日にも訓練が始まる見通しです。こうした中、ウクライナ東部のハルキウでは、ミサイルが住宅に着弾し、高齢の女性1人が死亡するなど市民の犠牲が増え続けていて、ゼレンスキー大統領は、欧米諸国にさらなる軍事支援を訴えています。

イギリス国防省は29日「ウクライナ軍の戦車部隊の兵士が、訓練を開始するためイギリスに到着した」とSNSに投稿し、兵士たちが航空機から降りてくる写真を掲載しました。
イギリス政府は、ドイツやアメリカに先立って主力戦車「チャレンジャー2」のウクライナへの供与を決め、国防省の高官は、30日からイギリス国内で戦車の操縦や整備についての訓練を開始する見通しを示しています。
欧米各国による戦車の供与の動きにロシア側が反発する中、ウクライナ南部のヘルソン州の当局は29日、ロシア軍が州都ヘルソンに向けて砲撃を行い、病院や学校が被害を受けて3人が死亡し、看護師など少なくとも6人がけがをしたと発表しました。
また、東部ハルキウ州の知事は30日、SNSへの投稿で、州都ハルキウの中心部にある4階建ての住宅にミサイルが着弾し、高齢の女性1人が死亡したほか複数のけが人が出ているとしています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は29日に新たに公開した動画で、市民の犠牲についてロシア側を強く非難したうえで「ロシアは戦争を長期化させ、われわれの戦力を疲弊させようとしている。ウクライナに必要な新たな武器の供給を加速させなければならない」と述べ、欧米諸国にさらなる軍事支援を訴えました。

東部ハルキウ 4階建て住宅にミサイル着弾
ウクライナ東部のハルキウで29日夜、4階建ての住宅にミサイルが着弾し、ハルキウ州のシネグボフ知事によりますと、1人が死亡し、複数のけが人が出ているということです。
現地の映像では、4階建ての建物の最上階の部分が大きく壊れ、白い煙が立ちのぼっています。
また、建物の周辺では一面にがれきが散乱する中、消防隊員が明かりを照らしながら活動する様子が確認できます。
集合住宅の2階に住んでいるという女性は「ベッドにいたところ突然、強い衝撃が私を押し上げました。どうして死なずにすんだのか、私には分かりません」と震えながら話していました。

国会、30日から予算委論戦 防衛力強化などで対決(産経N)


国会は30日から3日間の日程で、衆院予算委員会で岸田文雄首相や全閣僚が出席する令和5年度予算案の実質審議がスタートする。立憲民主党、共産党などの野党は防衛力強化に伴う「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有や防衛費増額に伴う首相の増税方針、原発の運転期間延長、子供・子育て政策を中心に、一問一答形式となる予算委の質疑で攻勢を強める構えだ。

「北朝鮮はミサイルの開発能力を大幅に上げている。一挙に撃たれたときに、国民の生命・財産を守ることができるのか。抑止力・対処力を持つため、専守防衛の範囲内での反撃能力が必要だ」
自民党の茂木敏充幹事長は29日のNHK番組で、反撃能力保有の必要性を強調した。これに対し、立民の岡田克也幹事長は「相手国に攻撃能力を持つということは(自衛隊と米軍の役割分担の)盾だけではなく、矛の一部を持つということだ。専守防衛と整合性のある説明ができるのか」と疑問を呈した。

予算委の最大の焦点は、岸田政権が昨年末に閣議決定した国家安全保障戦略など「安保3文書」で示された防衛力強化のあり方だ。とりわけ反撃能力に関しては、共産も「憲法9条で絶対許されない海外での武力行使だ」(小池晃書記局長)と主張し、立民とともに反対の論陣を張る。また、防衛力強化に向けた政府の増税方針に関しても野党は撤回を求めており、首相に早期の衆院解散・総選挙を迫るなど政権への揺さぶりを強めそうだ。
首相が重視する子供・子育て政策では、児童手当の拡充も焦点だ。25日の代表質問で首相に児童手当の所得制限撤廃を提案した茂木氏は29日のNHK番組で、自民が旧民主党時代に所得制限を主導した経緯との整合性に関し「反省する。所得制限はなくすべきという方向でまとめたい」と説明した。野党は所得制限撤廃に賛成しており、予算委で首相が新たな方向性が示す可能性もある。
今国会は会期中の4月に統一地方選や千葉5区、和歌山1区などの衆院補選を控える。予算委での論戦は今後の政治決戦の前哨戦の様相を帯びることになりそうだ。(永原慎吾)

米、韓比と防衛協力深化へ 対北朝鮮、中国で長官歴訪(東京新聞)


【ワシントン共同】オースティン米国防長官は29日から2月2日に韓国とフィリピンを訪問する。同盟関係にある両国の国防相とそれぞれ会談。核ミサイル技術を向上させる北朝鮮や、インド太平洋地域で覇権主義的な動きを強める中国をにらみ、防衛協力を深める。
 韓国の尹錫悦政権は前政権の対北朝鮮融和策を否定し、米国との連携強化を進めている。オースティン氏は今月31日にソウルで李鐘燮国防相、尹大統領と会談。韓国で自前の核兵器保有や米軍の核再配備を求める議論が広がる中、米軍が核兵器を含む戦力で同盟国を防衛する「拡大抑止」の提供を再確認する。

ロシア軍攻撃続く ゼレンスキー大統領 “長距離ミサイル必要”(NHK)


欧米からウクライナへの戦車の供与が相次いで決まる一方、ロシア軍は東部や南部で攻撃を繰り返し、市民の犠牲が増え続けています。ウクライナのゼレンスキー大統領は「十分なミサイルがあれば、このロシアのテロを止めることができる」と述べ、長距離ミサイルなどさらなる武器の支援を各国に求めています。

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナにむけて欧米各国は主力戦車の供与を相次いで表明していて、フランスに駐在するウクライナのオメリチェンコ大使は27日、現地のテレビ局に対し、欧米から供与される戦車の数があわせて321両になったことを明らかにしました。
一方、ロシア軍は、ウクライナの東部や南部で攻撃を繰り返していて、ゼレンスキー大統領は28日、公開した動画で、東部ドネツク州のウクライナ側の拠点のひとつバフムトからおよそ20キロ西にあるコスチャンチニウカの住宅地でロシア軍による砲撃があり、市民3人が死亡、14人がけがをしたと明らかにしました。
ウクライナ側は、ロシアが軍事侵攻を始めて1年となる2月24日までに再び大規模な攻撃を仕掛けてくる可能性があると、警戒を強めています。
ゼレンスキー大統領は「ウクライナ軍に十分なミサイルがあれば、このロシアのテロを止めることができる。ウクライナには長距離ミサイルが必要だ」と述べ、アメリカが供与に応じていないより射程が長いミサイルなどさらなる武器の支援を各国に求めています。

沖縄で有事想定の避難検証 政府、3月に初の図上訓練 県と先島諸島5市町村が参加(日経新聞)


政府は3月、中国による台湾有事リスクを念頭に沖縄県の離島住民の避難方法を検証する図上訓練を初めて開く。沖縄県と石垣市、宮古島市、多良間村、竹富町、与那国町の先島諸島5市町村が参加する。民間船舶や航空機を使った輸送手段で多くの住民を迅速に避難させられるか試す。

国民保護法に基づいて訓練する。武力攻撃が予測される事態を政府が認定して避難を進める想定で動く。
例えば与那国島は台湾からの距離が110キロメートルほどで有事の際には影響が生じる可能性がある。観光客を含めて12万人の避難が必要になると見込む。
民間の船と航空機を使う想定で、自衛隊の輸送艦や輸送機の利用や米軍との連携方法もあわせて検討する。沖縄本島の住民は屋内避難を要請し、先島諸島の住民は九州に避難させる。港湾施設や空港がどの程度使えるか調べる。
政府は図上訓練の成果を踏まえ、年内に実際に住民を避難させる実動訓練も開く方向だ。避難先での生活支援などの計画策定も進める。
岸田文雄首相は26日の衆院本会議で「南西地域の住民避難は今年度末に武力攻撃予測事態を想定した図上訓練を実施する」と説明した。「訓練を積み重ね、迅速な住民避難ができるための実効性の向上に努める」と述べた。


防衛費、27年度にGDP比2%、非防衛省予算は2兆円規模(日経新聞)


政府は防衛費を2027年度に国内総生産(GDP)比2%に増額すると決めた。防衛省単体の予算に加え研究開発や公共インフラへの投資など防衛省以外の予算も合算する。海外で一般的な省庁横断型の予算とし、日本を取り巻く厳しい安全保障環境に対応する。
日本の防衛予算は22年度当初で5兆4000億円ほどになりGDP比で0.96%だ。日本の防衛費は1976年の三木武夫内閣以来、おおむね1%以内を目安としてきた。21年度で米国は3.12%、ロシアは2.73%、韓国は2.57%と2%を上回る。
22年2月にロシアがウクライナに侵攻して以降、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が相次ぎ国防費を2%にすると表明した。21年度に1.31%だったドイツも2%以上に引き上げる方針で、日本も各国と足並みをそろえる。

27年度にGDP比で2%とする新たな防衛費は11兆円程度になる。このうち自衛隊員の人件費や装備品の取得費など防衛省単体の予算は8兆9000億円を占める想定だ。防衛省予算を増額したうえで、残りの2割にあたる2兆円規模を防衛省以外の経費とする。
具体的には科学技術の研究開発や公共インフラの活用、サイバー、国際協力といった予算を加える。海上保安庁など他省庁予算も一体にする。従来は省庁ごとの予算編成で防衛関連の研究開発などが進まない弊害があった。
22年度予算で年4兆円超の科学技術予算のうち防衛省は4%にとどまる。5割弱の米国や1割弱の英国を下回る。防衛省は24年度にも防衛分野の技術を開発する新たな研究機関をつくる。人工知能(AI)や無人機の活用を進める。
公共インフラは有事に自衛隊が利用できる港湾や空港を増やすのが柱だ。政府は部隊展開や住民避難などで利用を見込む空港や港湾を「特定重要拠点」に指定して整備する。
サイバー分野は内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を改組し、政府の司令塔をつくる。

ドネツク州で激戦続く 露軍、損害度外視で攻勢か(産経N)


ウクライナ軍東部方面部隊のチェレバティ報道官は27日、最前線である東部ドネツク州の要衝バフムトや同州西部の小都市ウグレダルで、両市の制圧を狙うロシア軍と防衛するウクライナ軍の戦闘が続いていると発表した。ウクライナ国防省は、露軍が3月までに同州全域の制圧をプーチン大統領から命じられ、損害を度外視して攻勢を強めているとの観測を示している。
ウクライナのゼレンスキー大統領は同日のビデオ声明で、ウグレダルとバフムト周辺の戦況は「特に深刻だ」と指摘。「露軍を止められるのは力だけだ」と述べ、国際社会による軍事支援の重要性を強調した。

チェレバティ氏によると、ウグレダル周辺で露軍は過去24時間に322回の砲撃を実施。58回の近接戦闘が起き、ウクライナ軍が露軍兵約300人を死傷させ、戦車と歩兵戦闘車計7両を破壊したとした。バフムト方面でも露軍を撃退し続けているとした。
一方、同州の親露派武装勢力幹部は27日、露国営テレビで「ウグレダルの一角を露軍が占拠した」と主張した。タス通信が伝えた。
英国防省は27日の戦況分析で、露軍がウグレダル方面で実質的な前進を遂げた可能性は極めて低いと指摘。ロシア側は優勢を強調するために戦果を誇張している可能性があるとした。
ウグレダルは露本土とウクライナ南部クリミア半島を結ぶ回廊の北方に位置。露軍は同市を掌握することで、支配下に置く回廊の安全性を高める思惑だとみられている。

洗脳手伝ううち自分自身も洗脳 東京大学名誉教授・平川祐弘(産経:正論)


渡辺京二氏が熊本で歳末に亡くなった。『逝きし世の面影』(平成十年、葦書房)という情緒豊かな標題の書物で、日本が西洋化することで失った明治末年以前の文明の姿を追い求めた。この代表作が十七年に平凡社ライブラリーとして再刊され、解説を書いた。
「西洋人という鏡に映った旧日本の姿に新鮮な驚きを感じた渡辺氏の、イデオロギーや先入主にとらわれない、率直な反応が、美しい日本語に表現されていて、本書を価値あるものとした。共感は批評におとらず理解の良き方法である」

明治は「美化された幻影」か
九州で予備校講師を務めた著者は、学問の本道を進んだ人ではない。だが歩き方には力があった。滅んだ古い日本の姿をしのぶには、異邦人の証言に頼らねばならないとし、私たちは自覚しないが、西洋人がひとしく注目した明治初年の生活の特徴を、「陽気な人びと」「簡素とゆたかさ」「親和と礼節」等に分類、詳述した。
「外国人が見た日本」という視角について渡辺氏は指摘する。「日本の知識人には、この種の欧米人の見聞記を美化された幻影として退けたいという、強い衝動に動かされてきた歴史があって、こういう日本人自身の中から生ずる否認の是非を吟味することなしには、私たちは一歩も先に進めない」
なぜインテリは逝きし明治の面影を「美化された幻影」として退けるのか。それは敗戦後、占領軍の管理下で日本批判が繰り返され、知識層は日本が好(い)い国のはずはない、と自虐的に思いこんだからである。一例が中野好夫氏で、戦争中の愛国者は、一転、戦後民主主義の旗振りとなった。前非を悔いた東大英文科の有名教授は、以前は愛した小泉八雲ことラフカディオ・ハーンを戦後は全面的に否定し、ハーンがたたえた神道の国日本をぼろくそに難じた。
米英側では日本に帰化したハーンを敵国を美化した日本政府御用の裏切り者と非難した。『ケンブリッジ英文学史』はハーンは「全く無価値」と切って捨てた。そんな様だから、戦後の東大英文科出身者でハーンをまともに扱った人はいない。

トウダイモトクラシ
外国文学専攻の秀才は、本国の作家評価に敏感に反応する。戦前に英文科主任だった市河三喜氏が東大に集めたハーン関係資料は、篤志家の関田かをる氏が私費で出版助成するまで、誰も利用しなかった。トウダイモトクラシとはこのことだ。
劇作家でシェークスピアの翻訳者の木下順二氏も、中野氏に似た。木下氏の父はハーンから直接教わったが、木下氏本人は熊本中学五年生で百枚の小泉八雲論を校友会雑誌に寄稿した。中学で木下氏に英語を教えた丸山学氏は後に熊本商大教授でハーン研究の開拓者となるが、熊本の五高生だった木下氏は丸山氏の紹介で「八雲先生と五高」という記事を『九州新聞』に寄稿した(昭和十年四月『五高同窓会会報』に転載)。
この秀才は同十一年、東大英文科に進学、中野氏に師事し、昭和十年代を通じ、中野氏とハーンや演劇を論じ合い中野氏の勧めで『夕鶴』を書いた。民話に想を得るあたりハーンの刺激にちがいない。
ハーンの民俗学に着目した丸山氏の『小泉八雲新考』が平成八年に講談社学術文庫として再刊され、監修の木下氏にお会いしたが、かつて傾倒したハーンにすこぶる冷淡で「日本人が小泉八雲を好きなのは自己愛のあらわれ」と敗戦直後の中野氏と同じだった。
中野氏は敗戦直後に発した悪口を改め、筑摩書房の明治文学全集に小泉八雲の解題を書いたのに、と私は思った。来日外国人の日本観を「美化された幻影として退ける」と渡辺氏が言ったのは、木下氏も念頭にあってのことだろう。

占領下の検閲で歪んだ日本観
だが占領下の報道制限と検閲で一番被害を蒙(こうむ)ったのは、ハーンよりもハーンが良しとした神道だ。日本の宗教文化についての発言は厳しくコントロールされ、米軍が「神社神道」を改名した「国家神道」なるものに対し知識人は悪口を言うべきもの、という社会通念が固着した。戦後の閉ざされた言語空間で培養された蛸壺(たこつぼ)史観の持ち主の一人は、昨年も『文藝春秋』で神道について歪(ゆが)んだ見方を述べた。占領軍の検閲・宣伝工作の後遺症は恐ろしい。
それだけに令和三年に刊行された山本武利著『検閲官 発見されたGHQ名簿』(新潮新書)には愕然(がくぜん)とした。なんと占領下、中野氏の紹介で木下氏が検閲官として連合国軍総司令部に勤務したことが詳述されていたからである。
山本氏の調査は仮借ない。読んで陰鬱(いんうつ)になった。日本の多くの英才は「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」という憲法に違反する仕事をしながら、検閲する自分を正当化した。
彼らは日本独立後も、戦後の閉ざされた言語空間の枠を維持し続けた。同胞の洗脳を手伝ううちに、自分自身が洗脳されてしまった人たちだったのである。(ひらかわ すけひろ)

陸自の災害情報、自治体・省庁と迅速共有へ…来年にも新システム導入(読売N)


南海トラフ地震などの広域災害に備え、国立研究開発法人・防災科学技術研究所は、陸上自衛隊が把握した災害情報を被災自治体や関係省庁と迅速に共有する新システムを開発し、年内にも試験運用を始める。紙や口頭による情報伝達の遅れを解消し、早期の負傷者搬送や孤立集落の支援につなげたい考えで、来年の導入を目指す。
 2011年の東日本大震災では被災状況の把握が進まず、救助救援に遅れが出た。これを教訓に、国は広域災害時の情報共有体制を強化。道路・建物の被害状況や負傷者数、避難者数など自治体や省庁が持つ情報を内閣府の情報管理システムで集約し、デジタル地図上に示して共有する仕組みを18年までに完成させた。

 一方、陸自は被災地に大勢の隊員を派遣し、短期間で多くの情報を収集するが、防衛上、秘密の情報を扱うためシステムから切り離されている。情報は被災自治体の災害対策本部に詰める隊員が紙や口頭で関係機関に伝えており、広域災害では共有が追いつかない懸念があった。
 そこで防災科研は、内閣府のシステムにつなぐ陸自用の新システムを構築する。専用パソコンを携帯した隊員が、通行できない道路や、地域ごとの避難者数などの情報を現場で入力する方式が検討されており、情報が内閣府のシステムを介して自動的に共有される。負傷者搬送時に通行止めの道路を回避でき、孤立集落への円滑な救援物資の配送にもつながると期待される。
基礎システムは開発済みで、18~22年には防衛省や愛知県などが実施した災害訓練で使用。参加隊員からは「入力が簡単。直感的に覚えられた」と操作方法を評価する声が上がったほか、東日本大震災の経験から、警察や消防が捜索するエリアと重複しないよう「それぞれの捜索区域を示す機能もあればいい」との意見も寄せられたという。

 防災科研は実用化に向け、こうした要望も検討した上で、今年実際に災害が起きれば現場で性能を検証する。開発に携わる伊勢正・主幹研究員は「南海トラフ地震などの広域災害に立ち向かう上で必要だ」と強調する。
 防衛省担当者は「災害発生初期から各機関が持つ情報をうまく共有することは、大きな被害が出た地域の絞り込みなど初動の迅速化、効率化につながると期待できる」と話している。

政府 中国などへの先端半導体関連品目の輸出規制を検討へ(NHK)


アメリカが中国に対して、先端半導体や関連する製造装置の輸出規制を強化する中、政府は中国などを念頭にした輸出規制について検討を進めています。今後、具体的な対象品目などについて政府内で調整する方針です。
半導体をめぐってはアメリカのバイデン政権が去年10月、大量破壊兵器の開発や軍事システムに転用が可能な先端半導体や製造装置などについて、中国向けの輸出規制を強化すると発表し、日本などにも協力するよう求めています。

こうした中、アメリカ政府は27日までに首都ワシントンで、半導体の製造装置で高いシェアを持つ日本やオランダと協議を行ったということです。
協議の詳細は明らかにされていませんが、先端半導体や製造装置の輸出規制などについて議論したとみられ、日本政府としても中国などを念頭にした輸出規制について検討を進めています。
工業製品などの輸出管理は、外為法=外国為替及び外国貿易法に基づいて行われます。
軍事転用できる製品を輸出する際は、経済産業大臣の許可が必要で、今後、具体的な対象品目などについて調整を行うことにしています。
ただ、新たな規制によって中国に輸出できなくなるメーカーへの影響のほか、中国側の反発も予想されることから、慎重に検討を進めることにしています。

ロシア軍の攻撃続く ウクライナは供与戦車が300両超と明かす(NHK)


ロシア軍は今月26日の大規模な攻撃のあとも東部や南部で攻撃を繰り返し、市民の犠牲が増え続けています。
こうした中、欧米からウクライナへの戦車の供与をめぐって、フランスに駐在するウクライナの大使は、供与される戦車の数があわせて300両を超えたことを明らかにしました。

ロシア軍は、今月26日にウクライナ各地でミサイルや無人機による大規模な攻撃を行ったあとも、東部や南部で攻撃を繰り返しています。
東部ドネツク州の知事は28日、ウクライナ側の拠点の1つ、バフムトからおよそ20キロ西にあるコスチャンチニウカの住宅地でロシア軍による砲撃があり、市民3人が死亡し、少なくとも2人がケガをしたとSNSで明らかにしました。
ウクライナ側は、ロシアが軍事侵攻を始めて1年になる2月24日までに再び大規模な攻撃を仕掛けてくる可能性があると、警戒を強めています。
こうした中、フランスに駐在するウクライナのオメリチェンコ大使は27日、現地のテレビ局に対し、欧米からウクライナに供与される戦車の数があわせて321両になったことを明らかにしました。
一方で、各国が供与する戦車の数の内訳や具体的な型式などは、明らかにしていません。
ゼレンスキー大統領は27日、イギリスのテレビ局スカイニュースのインタビューで「300から500両の戦車が必要だ」と述べていて、今後も戦況に応じて引き続き軍事支援を求めていくものと見られます。

<独自>韓国の「ホワイト国」復帰検討、徴用工見極め判断(産経N)


政府は、韓国を輸出管理で優遇する「ホワイト国(優遇対象国)」に再指定し、対韓輸出管理を緩和する方向で検討していることが分かった。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が関係改善を模索していることを踏まえた。いわゆる徴用工訴訟問題を巡る韓国の解決策も見極めた上で、再指定の可否を慎重に判断する。複数の政府関係者が27日、明らかにした。

対韓輸出管理を巡っては、当時の安倍晋三政権が令和元年8月、徴用工問題をめぐり文在寅(ムン・ジェイン)政権が具体的な対応を示さないことへの事実上の対抗措置として韓国をホワイト国から除外。半導体材料3品目の輸出管理も厳格化した。韓国は輸出管理措置の解除を求めてきたが、日本は韓国の輸出管理体制の不備などを理由に応じてこなかった。
しかし、昨年5月に発足した尹政権は、徴用工問題解決に向けた具体的な検討に着手するなど日本との関係改善に取り組んできた。韓国側がホワイト国への復帰を日本に求めてきた経緯もあり、政府は輸出管理緩和に向けた検討を始めた。

一方、徴用工問題の解決策を巡っては、韓国外務省が今月12日の公開討論会で、日本企業の賠償支払いを韓国の財団が肩代わりする案を公表。原告側が要求してきた日本企業による謝罪や財団への資金拠出などは条件として明示しなかった。この解決案には原告側が反発の声を強め、16日の日韓局長協議で韓国側は国内の情勢を伝えた上で、日本の「誠意ある呼応」が必要との考えを示した。
日本側に韓国世論への理解を求める形だが、日本は昭和40(1965)年の日韓請求権協定で徴用工問題は解決済みとの立場だ。30日にはソウルで日韓局長協議が開かれる予定で、日本側は改めてこうした考えを伝える見通しだ。
ホワイト国 日本企業が軍事転用可能な先端材料や電子部品を輸出する際、手続きの簡略化など安全保障上の輸出管理において日本政府が優遇措置を取っている国。現在は輸出管理上の国別カテゴリーをA~Dの4グループに分類し、ホワイト国にあたるグループAは米国や英国など26カ国。韓国は南アフリカやバルト三国が含まれるグループBに分類されている。

戦車の供与(産経抄)


第二次世界大戦の最中、米陸軍のパットン少将が北アフリカの現地部隊の司令官に就任する。「ロンメルが砂漠で待ち構えている。できればあの天才戦術家に決闘状を送りたい」

▼1970年に公開されたハリウッド映画「パットン大戦車軍団」で、主人公が副官に語りかける場面である。ロンメルは「砂漠の狐(きつね)」の異名を持ち、ナチス・ドイツ軍の戦車部隊を率いて米英連合軍を翻弄してきた。まもなく米独の戦車同士の決戦が始まる
▼戦史に名を残す二人の猛将が知ったら、さぞ驚くことだろう。ドイツがついに「世界最強」との評価のある戦車「レオパルト2」のウクライナへの供与を発表した。戦車「エイブラムス」を擁する米国も続いた。米独戦車のそろい踏みである
▼ロシアによる侵略が刻一刻と迫っていたちょうど1年前の出来事だった。ドイツからヘルメット5千個を送るとの知らせを受け取った、ウクライナの失望は大きかった。ドイツは武器輸出世界第4位の実績を持ちながら、紛争地には輸出しない方針を守ってきた
▼先の大戦への負い目からだが、ウクライナでのロシア軍の蛮行が知られるにつれ風向きが変わった。すでに対戦車砲や地対空ミサイルを供与しており、今回の決断に至る。英国の戦車「チャレンジャー2」の合流もすでに決まっている。春先にも予想されているロシア軍の攻勢に対する備えが、少なくとも装備面では整いつつある
▼もっとも勝利へのカギを握っているのは、結局人である。映画では、パットンによる前線兵士への心ない振る舞いも描かれていた。ウクライナ政府の高官が汚職により相次いで辞任した、とも伝えられる。ウクライナ軍の士気が高く維持されているのか、何より気がかりだ。

コロナ「5類」に 医療体制の準備に万全を期せ(読売:社説)


新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが変更される。3年続いたコロナ対応の大転換である。医療体制の整備、充実など、移行までに取り組むべき課題は多い。

 政府は、コロナを現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げると発表した。5月8日に移行する。感染者への入院勧告や自宅療養の要請といった措置はなくなる。
 マスクも移行後は一律の着用を求めず、個人の判断に委ねるという。移行に先立ち、プロスポーツや大規模イベントに関する収容人数の上限も27日で撤廃された。
 コロナはオミクロン株が主流となって以降、重症化率は下がり、致死率もインフルエンザ並みとなった。こうした状況を受け、政府は社会経済活動の正常化へと 舵かじ を切ることを決めたのだろう。
 ただ、不安要素もある。今冬の「第8波」では、1日あたりの死者数が高齢者を中心に500人を超え、過去最多になった日もあった。感染者数が爆発的に増えたためとみられている。
 コロナはインフルと違って季節にかかわらず流行を繰り返す。十分な準備をせずに、「5類ありき」で移行を進めれば、再び社会に混乱が起きかねない。
 重要なのは医療体制だ。コロナをインフル並みの扱いにした場合、患者は制度上どこの医療機関でも診てもらえることになる。
 そうなると、これまでコロナの患者を診てこなかった医療機関は、コロナ患者とそれ以外の患者を同時に診察することになる。それは現実に可能なのか。

 国や自治体、医師会が連携して感染対策を指導するなど、円滑な受け入れ体制を整えるべきだ。
 5類になると、保健所などによる入院調整の仕組みもなくなる。希望する入院先が 逼迫ひっぱく している場合、コロナ患者の受け入れ先は誰が調整するのか。医療機関が見つからずに混乱する事態が生じないよう具体策を検討してほしい。
 医療費の問題も影響が大きい。現在、全額を公費で負担しているが、今後は徐々に見直し、いずれは自己負担が生じる見通しだ。その場合、受診やワクチン接種を控える人が増える可能性がある。
 重症化リスクの高い高齢者らには公費負担を続けるなど、柔軟な対応が大切ではないか。
 無理のない移行のためには、どのようなスケジュールで準備を進めるべきか。政府は移行までの工程表を作成するなど、具体的な計画を国民に示してもらいたい。

戦車支援、戦火の拡大に対応 EU高官「バランス取る」(東京新聞)


欧州連合(EU)の外務省に当たる欧州対外活動庁のナンバー2、サニーノ事務局長は27日、欧州諸国によるウクライナへの主力戦車供与方針について、ロシアが30万人を部分動員したり、「北大西洋条約機構(NATO)との戦い」だと主張したりして戦火拡大を示唆していることへの対応であり、ロシアが民主主義国に勝利しないよう「バランスを取るためだ」と説明した。東京都内で共同通信など一部メディアの取材に答えた。
 サニーノ氏は「戦争の新展開が比較的短時間で具体化する恐れがある」と指摘。こうした中での各国の主力戦車供与は「極めて重要」と述べた。

陸上自衛隊とアメリカ海兵隊 2月から九州・沖縄で共同訓練(NHK)


陸上自衛隊は、離島の防衛を想定したアメリカ海兵隊との共同訓練を、2月から九州・沖縄で行うと発表しました。
陸上自衛隊によりますと、アメリカ海兵隊との共同訓練は2月16日から3月12日にかけて九州・沖縄で行われ、沖縄に駐留する第3海兵遠征軍など合わせて1700人が参加します。

訓練場所は、
▽大分県にある日出生台演習場や、
▽鹿児島県の徳之島と喜界島、
▽沖縄県にある海兵隊基地のキャンプハンセンなどで、
水陸両用車や航空機を使った着上陸訓練や、実弾の射撃訓練などを行うとしています。
離島の防衛を想定したこの共同訓練は2006年に始まりましたが、これまではいずれもアメリカで実施され、日本で行われるのは初めてです。
また、沖縄の海兵隊が参加するのも初めてで、陸上自衛隊は今回、九州や沖縄で行うことについて、「日米同盟の抑止力や対処力の強化に向けて訓練効果が十分望める反面、地域住民の方々にご迷惑をかける点もある。できるだけ早く情報を伝え、広くご理解いただきたい」としています。
安全保障関連の新たな3文書では、中国などを念頭に抑止力を高めるためとして、日米共同訓練を通じてそれぞれの施設の共同使用や部隊の展開を進めるとしていて、今後も国内の各地で共同訓練などが行われるとみられています。

日本の生存戦略をうらなう一年 拓殖大学顧問・渡辺利夫(産経:正論)


習「一強体制」の脆弱性
中国では昨秋の一連の政治日程を通じて習近平の個人独裁体制が確立された。習に異を唱える者はもとより、冷静で公正な立場から習に助言することさえはばかられるような雰囲気が指導部内に漂う。習一強体制は盤石なようにみえながら、危うい政治決定により脆弱(ぜいじゃく)性を露(あら)わにし始めている。
あの強権をもって進められてきたゼロコロナ政策が一気に廃止された。大規模なPCR検査や住民の行動追跡、広範な市域のロックダウン…長きにわたり住民を不安と恐怖に陥れてきた制限のすべてが最終的に解除された。いかにも唐突な政策転換であった。
高齢者や農村部でのワクチン接種の加速化、病床確保などの準備を整え、起こり得る事態を想定しての制限解除ではなかった。ゼロコロナ政策に対する政府批判や抗議行動が広がり、工場閉鎖などによる生産活動の停滞、流通の遅滞、失業者の急増などに直面し、これら事態に追い込まれての政策破綻であった。独裁体制下では、手順を踏んで政策を柔軟に修正していくことが難しい。習一強体制という現在の中国の権力政治がいかに破壊的なものかが、この事実の中にはっきりとみて取れる。
PCR検査を廃止したことにより新規感染者の把握が困難になり、感染者数も発表されないことになった。直近にいたるもコロナ関連の死者数の実態は不明である。喜劇的な悲劇があの巨大国家の中で演じられている。
昨夏の米下院議長の訪台時には、中国軍が台湾周辺に大規模なミサイル攻撃演習を展開、そのうちの5発を日本の排他的経済水域に落下させた。初めてのことである。最近の中国外交の好戦的で挑発的な発言や行動は、この国の国策映画『戦狼(せんろう)』になぞらえられて戦狼外交と呼ばれる。戦狼外交は果たして成果を得たのかといえば、むしろ周辺諸国の対中政策を硬化させるという、中国の意図するものとは逆のベクトルを作り出している。

日本の防衛政策の大転換
その典型が、昨年12月に閣議決定された国家安全保障戦略をはじめとする日本の「安保3文書」である。安保戦略は次のような認識に立つことを表明している。
「我が国はまず、我が国に望ましい安全保障環境を能動的に創出するための力強い外交を展開する。そして、自分の国は自分で守り抜ける防衛力を持つことは、そのような外交の地歩を固めるものとなる」
近代日本の最初の本格的な対外戦争が日清戦争であった。戦争外交の全過程を担った外務大臣・陸奥宗光の著作『蹇蹇(けんけん)録―日清戦争外交秘録』にこうある。
「要するに兵力の後援なき外交は如何(いか)なる正理に根拠するも、その終極に至りて失敗を免れざることあり」
100年以上も以前の外交認識に日本もようやく辿(たど)り着いたということなのか。戦後の長きにわたり日本の防衛政策を方向づけてきた「専守防衛」が転換され、閣議決定により日本の防衛費は対GDP比1・09%から今後5年間で2%となり、敵国のミサイル基地などを叩(たた)く反撃能力の保有が決定された。この反撃能力の保有により専守防衛という戦後レジームの中核を支えてきた観念が崩れて、歴史的転換というべき画期的な政策変更がなされた。
中国による台湾有事が差し迫った危機として日本人の心を震わせ、これが日本の防衛政策の大きな転換を促すことになった。中国の戦狼外交はまずは隣国日本の、日本人にとってさえ驚きをもって迎えられるほどの大きな転換を実現させてしまった。1月中旬にワシントンで開かれた岸田・バイデン会談において安保3文書が閣議決定されたことを踏まえ、日米同盟の一層の深化がうたわれることにもなった。

独裁体制とどう向き合う
習はその政治生命を賭してみずからへの権力集中に努め、そうして集団指導体制から個人独裁体制へと権力構造の転換を図ったのだが、このことが中国政治と中国外交の安定性と脆弱性を一層深刻なものとしてしまった。
権力が一人の人間に集中すればするほど、この独裁者の失敗はエリートや民衆の大きな反発を招く。これを抑え込むために独裁者はいよいよみずからの権力を強化しなければならない。だがその過程で不安定性と脆弱性がより深刻なものになるという自己矛盾を独裁体制は孕(はら)んでいる。
普通選挙を経て手にした権力ではないがゆえに国民の支持を受けられず、社会主義を放棄してしまったがゆえにイデオロギー上の正統性も存在しない。この正統性欠如のゆえに権力をますます「一強」に集中させ、恐怖政治を演出するより他に生き残る道はない。
いつ崩壊するかもしれない大国の政権と日本はどう付き合うのか。プーチン、金正恩、習近平の個人独裁体制といかに向き合うか。おそらく令和5年は日本の生存戦略をうらなう一年になるのではないか。(わたなべ としお)

北朝鮮無人機5機の韓国領空侵犯 国連軍“休戦協定に違反”(NHK)


先月、北朝鮮の無人機5機が軍事境界線を越えて韓国の領空を侵犯したことについて、国連軍は1953年に結ばれた朝鮮戦争の休戦協定に違反するという見解を示しました。
先月26日、北朝鮮の無人機5機が軍事境界線を越えて韓国の領空を侵犯し、このうち1機は首都ソウル北部の上空まで飛来したあと、北朝鮮側に引き返しました。

これについて国連軍司令部は26日「調査の結果、韓国の領空を侵犯した行為は北朝鮮による休戦協定違反と確認した」とする見解を発表しました。
また、韓国軍の攻撃ヘリコプターなどが無人機に対して射撃したことは、休戦協定には違反しないとしました。
一方で、韓国軍は当時、偵察機を軍事境界線の北側に投入し、北朝鮮の軍事施設の撮影などを行いましたが、これについては国連軍は協定違反だったとしています。
韓国国防省は「北の領空侵犯に対する自衛のための措置であり、休戦協定によって制限されるものではない」と主張しています。
当時、韓国軍が北朝鮮の無人機を発見してから実際に対応するまでに1時間余りかかったことが明らかになり、韓国軍の合同参謀本部は26日に開かれた国会の委員会で、対応は不十分だったと認めました。
委員会で野党からは「軍の幹部は責任を取るべきだ」などと厳しい批判が相次ぎました。

有識者会議 「反撃能力必要」相次ぐ…議事録 異例の全文公表(読売新聞)


政府は24日、防衛力強化のあり方を議論した「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の議事録全文を内閣官房のホームページで公表した。反撃能力については保有の必要性を指摘する意見が相次ぎ、安全保障に資する研究開発の促進に向け、環境整備を求める声も目立った。

同会議は昨年9月から4回開かれ、報告書の内容は、12月に改定された国家安保戦略に盛り込まれた。安保関連の会議で議事録が発言者名を含めて全て公になるのは異例だ。議論の透明性を高め、国民の理解を広げる狙いがある。
反撃能力に関しては、中西寛・京大教授が、防衛力の抜本的強化に向け「反撃能力の装備等も加えて拡充する(べきだ)」と主張した。黒江哲郎・元防衛次官は「保有するかどうかを議論するのはもう遅い。能力をどのように発動するのか(議論すべきだ)」と問題提起した。
研究開発では、上山隆大・総合科学技術・イノベーション会議議員が「安心して安保上の研究ができる特別の空間を大学の内と外に作ることも必要だ」と提案。山口寿一・読売新聞グループ本社社長は「防衛に結び付く研究開発の促進や、宇宙・サイバー・電磁波など、新しい分野への対応は、省庁の縦割りを超えて政府全体で取り組む姿勢が不可欠だ」との見解を示した。


統合司令部の設置 岸田首相「米国へ指揮権の委譲ない」(日経新聞)


岸田文雄首相は25日の衆院本会議で、陸海空の3自衛隊の部隊運用を一元的に担う常設の「統合司令部」を創設することに関し「日米間での指揮権の共有や委譲は考えていない」と語った。立憲民主党の泉健太代表の質問に答えた。

首相は「あくまで陸海空の自衛隊の一元的な指揮を行うためだ」と強調した。泉氏は「日米の一体化が進めば進むほど『専守防衛』を逸脱する懸念が拭えない」と主張した。
国家安全保障戦略など安保関連3文書は自衛隊に常設の統合司令部を設ける方向性を示した。トップに統合司令官を置く。自衛隊全体の作戦指揮を統括し、米軍との調整を担う。
代表質問では日本が保有を決めた「反撃能力」も論点となった。首相は「相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力として不可欠だ」と訴えた。「攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の防衛の措置だ」と説明した。
反撃能力を行使する対象について「攻撃を厳格に軍事目標に対するものに限定するといった国際法の順守を前提とする」と述べた。「個別具体的な状況に照らして判断していく」と唱えた。

防衛費に初の建設国債、隊舎整備や艦艇建造に(日経新聞)


政府は防衛費の財源を確保するため、初めて建設国債を使う。建設国債は主に公共事業の資金を手当てする目的で発行する。過去には海上保安庁の巡視船の調達に使った例はあるものの、防衛費にはあてていなかった。
政府が23日、国会に2023年度予算案を提出した。防衛費は過去最大の6兆8219億円に上る。建設国債で財源を手当てするのはそのうちの6%にあたる4343億円になる。自衛隊の隊舎などの施設を整備したり、艦艇を建造したりする。

建設国債を規定するのは財政法だ。将来世代にも恩恵がある公共事業などが対象で、道路や橋の整備といった目的に発行してきた。これまで自衛隊施設といったものは有事に損壊する恐れがある「消耗品」とみなし、財源の調達手段として認めなかった。
一方で海上保安庁の巡視船は対象になっていた。そうした事例を根拠に、与党から防衛予算に充当するよう求める声があがった。
政府の防衛力強化に関する有識者会議では「自衛隊の隊舎など、防衛費から捻出するものには建設国債があてられない」との意見もあった。防衛費の財源が不足するなか、政府・与党内の調整で建設国債の活用が決まった。
防衛費は23〜27年度で43兆円にする計画だ。過去5年に比べて5割ほど増える規模になる。
必要となる財源の増加には①歳出改革(1兆円強)②決算剰余金(7000億円程度)③税外収入(9000億円程度)④増税(1兆円強)――の4本柱で対応する。
増税は法人・所得・たばこの3税を予定する。政府は22年に国家安全保障戦略など安保関連3文書を決めた際、増税の時期などは明示しなかった。自民党の特命委員会は今月から税金以外の財源案に関する議論を始めた。
日本経済新聞社の22年12月下旬の世論調査では、防衛費の財源に増税をあてる岸田文雄首相の説明について「不十分だ」が84%に達した。1月23日に始まった通常国会では財源問題が争点になる。

「情報技術」でどこに向かうのか 大阪大学名誉教授・猪木武徳(産経:正論)


いつの時代いずこの国でも、社会は常に難問と試練に直面し、どうにかこうにか切り抜けてきたのが実情であろう。突如襲って来る試練もあれば、気づかぬうちに徐々に進行する病弊もある。
現代社会も、情報通信技術(ICT)の急速な展開がもたらす監視社会の問題、自由と平等を掲げるデモクラシーにおける合意形成の綻(ほころ)びなど、向き合わねばならない難問は多い。

「バスに乗り遅れるな」
近年DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉をしばしば耳にする。情報通信技術でわれわれの生活をあらゆる面で利便性の高い方向に変化させる戦略を指す言葉として用いられる。
都市や地域社会がいかなる機能や構造を具(そな)えれば、日常生活が快適になるのかは技術的に興味深い課題であろう。ビジネス環境の激しい変化に対応するため、企業が個人情報の収集手段としてのデジタル技術に強い関心を示すのは当然であろう。生産性や競争力を高める新技術がもたらす効率性は、市場での熾烈(しれつ)な競争を大きく左右するからだ。
社会全体としての長期的な視点からDX化を検討することが必要な中、政府各省庁は「バスに乗り遅れるな」と一直線にDX化路線をひた走っているように見える。
例えば都市生活にDX化が進むと、当然、「計画」や「デザイン」による上からの関連事業が増える。実際、「スマートシティ」プロジェクトではICTを軸に最高の利便性を目指す都市をデザインする事業が注目を浴びる。
「スマートシティ」構想は、「第5期科学技術基本計画」の中にも「超スマート社会の実現」として盛り込まれ、多くの地域で関連事業が検討されている。しかしすでに導入が始まっている諸外国では挫折しているケース(グーグルの計画した未来都市トロント)も報道されている。
管理者側が、センサー、ロボット、バイオテクノロジー、素材・ナノテクノロジーなど様々な新技術を用いて大量のデータを収集し、都市における人々の行動データを分析し、「最適な状態」を達成できるようにするという。しかしこうした社会を、どれ程の人々が望んでいるのだろうか。ここにはデモクラシーにおける合意形成の問題が存在する。
そうした社会状況(例えば監視されることによる自由の喪失)に対して拒否感が強く、なんとも住みにくそうだと感じる人もいるからだ。

自ら決定できるか否か
近代合理主義哲学の祖とみなされるデカルトは、「一人の建築家が平野の中で思いのままに設計した規則正しい街並みの方が、不規則に広がりながら膨張した町よりも美しく秩序だっている」という例を挙げながら、「理性による計画」の優位性を語った。しかし住人にとっての自由という点から考えると、デカルトの挙げる例は説得的とは言い難い。
こうしたデカルトの考えは、20世紀の社会主義計画経済の発想に繫(つな)がると看破したハイエクの指摘は正しかったと言わざるを得ない。
他方、DX化とは異なる方向からの「まちづくり」のアプローチもある。その代表例として筆者が最近知ったのは、NPO法人プラス・アーツ理事長の永田宏和氏らが進めてきた「地域豊穣(ほうじょう)化」のまちづくり活動だ。それは「技術による上からの最適化」ではない。計画は常に不完全であるからこそ、住民が不完全性に内在する「自由の余白」へ参加しつつ、自分たちの求める豊かなまちづくりに取り組むという考え方だ。
いずれにしても、問われているのは、主人公であるべき住民が何をよしとするのかを、自ら決定できるか否かという自発性だ。
何らかの前提で理論的に「最適だ」と考えられるまちを「上から」指示するのではなく、住民に選択の余地がなければならない。「これもできる、あれもできる」という技術的な夢想に隷従することになってはならない。自分たちの将来社会の姿を自発的に描かなければ、技術の単なる召使いとなってしまう。

技術が自由を奪うことも
科学技術の急速な進展は、生活におけるわれわれの身体的な負荷を驚くほど低下させた。楽に、早く、遠くへ、そして多くを成し遂げられるようになった。小さいが欲張りな人間は、とてつもない巨人に変身したのである。
だがこの変身は、人間の内部・外部にさまざまな空隙とキシミを生み出し、われわれはその痛みが何かによって癒やされることを強く求めているように見える。
科学・技術の個別の分野での発見や革新は、必ずしもそのままで社会進歩を意味するわけではない。技術は、時に人間を自由にすることができるが、人間から自由を奪うこともあり得る。
スマートフォンの画面を見つめ続け、自分以外の存在への関心と考えを異にする他者との共存の意思を失うことは、決して文明への道を歩んでいることにはならないのだ。(いのき たけのり)

1位は露、2位は習主席 世界10大リスク(朝雲:時の焦点)


前回本欄では2023年の国際情勢展望と題した文章を執筆したが、年明け早々に著名な国際政治学者のイアン・ブレーマー氏が率いる米コンサルティング会社「ユーラシア・グループ」が毎年恒例の「世界10大リスク」を発表したので、今回もまだ年初ということでこの報告書を紹介したい。今年も不確実性に満ち、激動が予想される国際情勢について、大局的観点から鋭い分析と見通しを地政学的リスクとして提示しており、世界の動向への関心が強い読者にとっても有益な報告書だと確信する。

 まず、今年の世界10大リスクを順番に列挙する。
 ①「ならず者国家」ロシア②権力が最大化した習近平中国国家主席③人工知能(AI)で生成された偽情報の拡散による社会混乱④世界的な景気後退など高インフレの影響⑤イランをめぐる情勢緊迫化⑥エネルギー危機⑦世界的な人的資源開発の遅れ⑧米社会の分断⑨1990年代半ばから2010年代初めに生まれたデジタルネーティブ「Z世代」の動向⑩水資源の枯渇
 このように、ユーラシア・グループが発表した「今年の10大リスク」は、戦争や紛争など軍事・安全保障情勢にとどまらず、大国の政治動向や国際経済、最新技術がはらむ危険性、環境・エネルギー問題など幅広いテーマに目配りしていることに特徴がある。また、ロシアや中国、イランの動向が上位の重大リスクとして取り上げられているように、独裁的な指導者が体制・政権を牛耳る権威主義国家に対して厳しい視線を向け、そのリスクへの警戒と対処を国際社会に呼び掛けている。

 さて、1位には予想通り、ウクライナを侵略しているロシアを挙げ、「世界の最も危険なならず者国家になる」と指摘した。また、ロシアが「核の脅し」を強めると分析し、「事故や誤算」による核兵器使用リスクは「1962年のキューバ危機以降で最も高い」と警告した。世界の平和と安全に特別の責任を有する国連安保理の常任理事国が欧米などの安全保障に深刻な脅威を与えるならず者国家という現状認識は共有しておきたい。

 2位は、中国共産党総書記として異例の3期目に入った習近平国家主席を挙げた。権力集中を「極限」まで進める習主席にはチェック機能が働かず、「重大な間違い」を犯すリスクも高いと指摘し、公衆衛生や経済、外交の分野でリスクがあると分析している。昨年末以降の「ゼロコロナ」政策の事実上の撤廃に伴う感染者急拡大など国内外で新たな混乱を引き起こしていることは危惧が早くも的中しつつあることを物語る。

 3位は、人工知能などの技術革新による世界の混乱で、社会に偽情報があふれ、「大半の人々には真偽の見極めができなくなる」と懸念を示した。こうした技術は海外の民主主義国を揺るがし、国内の反体制派を封じ込めたい独裁者への「贈り物」になるとも警告した。今年はこれらのリスクをいかに軽減していくかの取り組みが重要な1年となろう。

敵基地攻撃は「先制攻撃にならざるを得ない」立民の泉氏が批判 岸田首相は「抑止力として不可欠」 衆院代表質問(東京新聞)


岸田文雄首相は25日の衆院代表質問で、安全保障政策の大転換で決定した敵基地攻撃能力(反撃能力)保有について「抑止力として不可欠。必要最小限度の防衛措置だ」との認識を強調した。立憲民主党の泉健太代表は、防衛費の大幅増に伴う増税を「額ありき、増税ありきで、国会での議論はなく、乱暴だ」と批判し、衆院を解散して増税に関して国民の信を問うよう求めた。(山口哲人)
 泉氏は防衛財源の一部に建設国債を充てることについて「かつて日本は戦時国債を乱発して軍拡も戦線拡大も止められず、財政も破綻状態となった」と指摘し、撤回を要求。敵基地攻撃能力保有に関しては「相手国のミサイル発射着手段階での敵基地攻撃は、先制攻撃にならざるを得ない」と述べ、反対を表明した。
 これに対し、首相は「反撃能力は相手の武力攻撃の可能性を低下させられる」と説明。増税を含む財源確保も「国民負担を抑えるべく行財政改革の努力を最大限行う」と理解を求めた。泉氏から「防衛増税を行うなら国民の信を問え」と衆院解散を迫られたが「首相の専権事項として適切に判断する」と答弁するにとどめた。
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題で、細田博之衆院議長に教団側との接点を説明させるように立民の大築紅葉氏から求められたのに対しては、首相は「説明責任の果たし方は三権の長として自身の判断で対応すべきだ」と語った。
 代表質問は26日に衆参両院、27日に参院で行われる。

森元首相「ロシアが負けることは考えられない」都内の会合で(NHK)


ウクライナ情勢をめぐり、ロシアのプーチン大統領と親交があった森元総理大臣は東京都内で開かれた会合で、ウクライナ支援に力を入れる日本政府の外交姿勢に疑問を呈した上で、「ロシアが負けることは考えられない」と指摘しました。
この中で森元総理大臣は、日本とロシアとの関係について「せっかく積み立ててここまで来ているのに、こんなにウクライナに力を入れてしまっていいのか」と述べ、日本政府の外交姿勢に疑問を呈しました。
その上で「ロシアが負けるということは、まず考えられない。そういう事態になれば、もっと大変なことが起きる」と指摘しました。

アメリカ 主力戦車「エイブラムス」31両 ウクライナに供与へ(NHK)


アメリカのバイデン大統領は、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの軍事支援としてアメリカの主力戦車「エイブラムス」を供与すると発表しました。

バイデン大統領は25日、ホワイトハウスで演説し、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナに対してアメリカの主力戦車「エイブラムス」31両を供与すると発表しました。
バイデン大統領は「エイブラムスは世界でもっとも有能な戦車であり、ウクライナの防衛力や戦略的な目標を達成する力を高める」と述べてその意義を強調しました。
バイデン政権の高官は戦車は新たに調達する必要があるため、実際にウクライナに届くのは数か月後になるとしていて、それまでの間、ウクライナ側に対し戦車の運用や維持のための訓練などを行うとしています。
ウクライナに対してはドイツ政府がドイツ製の戦車「レオパルト2」の供与を決めるなど、各国による戦車の供与の表明が相次いでいます。
バイデン大統領は演説の中で「きょうの発表はウクライナの主権と領土の一体性を守るためのアメリカと各国の多大な努力と取り組みの結果だ」と強調しています。
一方で、バイデン大統領は「戦車の供与はウクライナの防衛を助けるものであり、ロシアへの攻撃の脅威ではない」と述べ、ロシア国内を攻撃するものではないと訴えました。

ゼレンスキー大統領「勝利への重要な1歩」
ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、SNSで「勝利への重要な1歩だ」と述べ謝意を示しました。そして欧米各国によるウクライナへの戦車の供与の表明が相次ぐなかで「きょう、世界はウクライナの解放という共通の目標に向けてかつてないほど団結している。われわれは前進している」と述べ、戦車の供与の重要性を強調しました。

「エイブラムス」とは
「エイブラムス」はアメリカ陸軍の主力戦車で、湾岸戦争など数々の戦場に投入されてきました。アメリカ陸軍によりますと、主砲は120ミリ砲、高出力のガスタービンエンジンを搭載し、最高速度は時速およそ68キロで、高い攻撃能力に加えて機動力にもすぐれているとしています。
またオーストラリアやエジプト、イラクなどが保有しているということです。
アメリカ国防総省は「エイブラムス」が特殊な燃料を必要とするうえ維持管理が難しいなどとして、これまでウクライナへの供与に慎重な姿勢を示していました。

「エイブラムス」供与の経緯は
「エイブラムス」のウクライナへの供与をめぐっては、アメリカのバイデン政権は当初、慎重な姿勢を示していました。
その理由についてアメリカ国防総省のシン副報道官は今月19日の記者会見で、ドイツ製の戦車「レオパルト2」などと比べて維持管理が簡単ではないと説明した上で「現時点で供与するのは理にかなっていない」と述べました。
またロシアを過度に刺激し戦闘がエスカレートするのを避けたい思惑もあったと見られます。
ところがドイツ製の戦車「レオパルト2」の供与をめぐって、ドイツが慎重な姿勢を崩さない一方、ポーランドが自国の保有分の供与の許可をドイツに求めるなど、ヨーロッパの同盟国内で足並みが乱れ始めました。
アメリカの政治専門サイト「ポリティコ」は25日、政府高官の話としてオースティン国防長官やサリバン大統領補佐官など安全保障政策を担当する高官がドイツ側と協議を重ね、「レオパルト2」を供与するよう求めたものの、ドイツ側は「アメリカがエイブラムスを供与しなければ、提供しない」として応じなかったと伝えています。
このためバイデン大統領が最終的に「エイブラムス」の供与を決断したとしています。
バイデン大統領としては「エイブラムス」の供与を決めることで、ドイツの決定を後押しするとともに、同盟国の結束を図る狙いがあったものと見られます。

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