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ウクライナ国防相、全土奪還に意欲 G7に国際法廷支持求める(産経N)


ウクライナのレズニコフ国防相は28日、首都キーウ(キエフ)で共同通信の単独インタビューに応じた。ロシアに対する大規模な反転攻勢を「準備している」とし、クリミア半島を含む全領土奪還に意欲を示した。対露反攻は5月にも始まるとみられているが、開始時期や方面、地点などは「最高機密」とした。

レズニコフ氏は日本が殺傷能力のある武器を提供できない状況を「理解する」とする一方、日本は「電子戦において非常に近代的な国」と指摘。イラン製無人機(ドローン)への対策は電波妨害が最も有効だとして機材支援を求めた。
5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)では、ウクライナ情勢が主要議題の一つ。レズニコフ氏は、ロシアのプーチン政権を裁くために国際法廷を設置する必要があると強調。「クレムリンの戦争犯罪者は罰せられると理解しなければならない」と述べ、支持を呼びかけた。対ロシア制裁の議論も求めた。
中国による和平仲介については「交渉はウクライナの勝利の後の議題だ」と消極的な見解を示した。(共同)
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ウクライナの和平 中国は仲介者になれない(産経:社説)


中国の習近平国家主席が26日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談した。ロシアが昨年2月、ウクライナに全面侵攻して以降初めてのことである。
習氏はこの中で「速やかな停戦と平和回復のために自ら努力を尽くす」と述べ、和平の仲介に意欲を示した。中国政府の特別代表をウクライナに派遣する方針も明らかにした。
しかし、和平を仲介するという中国の姿勢は全く信用できない。中国は終始、この侵略戦争でロシアに寄り添っており、公正な和平を実現するつもりなどない。
ゼレンスキー政権も重々承知している。それでも電話会談を行ったのは、中国が武器支援などでさらにロシアに肩入れしないよう、習氏との接点は持っておいた方がよいとの考えからだ。

中国は2月下旬、12項目から成る和平提案の文書を発表した。一方的に侵略しているロシアを全く批判せず、双方に停戦を求めるという偽善きわまる代物だ。ロシア軍の撤退こそが和平の前提であることを忘れては困る。
習氏は3月にモスクワを訪れ、プーチン露大統領と会談した。国際刑事裁判所(ICC)がプーチン氏に戦争犯罪容疑で逮捕状を出した直後の訪問だった。
今月18日には中露の国防相がモスクワで会談し、軍事協力の拡大で一致した。21日には中国の駐フランス大使が、ウクライナなど旧ソ連諸国の主権に疑義を呈する発言をして猛批判を浴びた。
そもそも中国は、欧米が輸入禁止としている露産石油を大口購入し、電子部品などの軍民両用品をロシアに供給してその継戦能力を支えている。中国製の弾薬がウクライナ侵略戦争で使われたとも報じられている。

習政権が和平仲介をアピールするのは、対中世論を和らげて米欧日の足並みの乱れを誘ったり、国際社会での自らの存在感を高めたりする思惑からだろう。
ゼレンスキー氏は習氏に、ロシアへの軍事協力をやめるようクギを刺した。「領土の妥協による和平はあり得ない」とも言明した。ウクライナはロシアの戦争犯罪が裁かれることも求めている。
現状では、ロシアを軍事的に追い込むことでしか公正な和平の道筋をつけられない。ウクライナが準備する反転攻勢を国際社会はしっかりと支えるべきだ。

防衛装備移転 輸出を広げ生産基盤強化せよ(読売:社説)


日本の安全保障政策を支える防衛産業を立て直すため、防衛装備品の輸出を促進することは重要だ。平和国家として歩んできた日本にふさわしい仕組みを考えたい。
 自民、公明両党が、装備品を輸出する際の条件の見直しに向け、協議を始めた。協議の結果を踏まえ、政府は「防衛装備移転3原則」の運用指針を改める方針だ。

 日本は長年、国際紛争を助長してはならないという立場から、武器輸出に制約を課してきた。
 1967年には、共産圏や紛争当事国など特定地域への輸出を禁じる「武器輸出3原則」を定めた。さらに76年には、特定地域以外でも輸出を「慎む」とする政府統一見解を示し、事実上の全面的な禁輸に踏み切った。
 この結果、納入先が自衛隊に限られた防衛産業では、十分な利益が見込めないとして事業から撤退する企業が相次いだ。
 防衛生産基盤が弱体化し、武器や弾薬を国内で十分に調達できない状態では、自衛隊が有事に継戦能力を維持するのは難しい。
 中国は軍備を増強し、北朝鮮は核・ミサイル開発を続けている。日本の安保環境は、冷戦時代やデタント(緊張緩和)時代とは一変した。脅威が高まる中で、政府は防衛産業を育成し、自衛隊の対処能力を向上させねばならない。

 政府は2014年、武器輸出3原則に代わって定めた防衛装備移転3原則で、救難、輸送、警戒、監視、掃海の5分野に限って輸出を解禁した。だが、輸出経験の乏しさもあり、日本企業は海外との受注競争で敗れることが多い。
 防衛装備品の輸出を後押しするため、海外移転の条件を見直すことは理解できる。
 与党協議では、殺傷力のある武器まで輸出を認めるかどうかが焦点となる。現在は3原則の運用指針で、欧米と共同開発する場合などに限り、輸出が可能だ。
 自民党内からは、ロシアの侵略を受けるウクライナへの支援強化を念頭に、迎撃ミサイルの供与などに道を開くべきだ、との声が出ている。公明党は、平和国家の理念を損なう、と主張している。
 ウクライナが、国際法に反した侵略を受けているのは明らかだ。ミサイル防衛といった防御型の武器や、地雷除去の装備などを供与することは検討に値しよう。
 東南アジアには、中国の強引な海洋進出に直面している国もある。そうした国にレーダーなどの装備を移転し、日本との安全保障協力を深めることも大切だ。

自衛隊ヘリ事故 民間作業船による機体回収 早ければきょうにも(NHK)


陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県の宮古島の周辺で消息を絶った事故で、早ければ30日にも民間の作業船によって機体の回収が行われるとみられます。
4月6日に陸上自衛隊のヘリコプターが宮古島の周辺で消息を絶ち、乗っていた隊員10人が行方不明になった事故では、これまでに5人の死亡が確認されています。

隊員が見つかった水深106メートルの海底では、胴体部分とみられる損壊した機体の一部のほかに操縦席や尾翼とみられる部分も見つかり、それぞれは分離していたことが防衛省関係者への取材で分かっています。
現場海域では29日に民間の作業船「新世丸」から無人探査機や大型のネットが海中に下ろされるなど、機体の回収に向けた準備が進められました。
防衛省関係者によりますと、ネットは機体をつり上げるために海底に敷かれ、その後、機体をワイヤーでつり上げネットの上に乗せ、ネットで包み込むようにしてクレーンで引き上げることになっています。
機体の回収は、早ければ30日にも行われるとみられます。
陸上自衛隊は機体を引き上げて調べるとともに、フライトレコーダーも回収して事故原因の究明を進めることにしています。
また、自衛隊は4月18日に見つけた隊員とみられる1人を作業の状況に応じて引きあげるとともに、行方が分かっていない4人の捜索を続けています。

クリミア燃料施設で火災 ウクライナ高官 “天罰は今後も続く”(NHK)


ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアにある燃料の貯蔵施設で大規模な火災が起き、ロシア側は無人機の攻撃を受けたとしています。
一方、ロシアでは来月の第2次世界大戦の戦勝記念日で恒例となっている軍事パレードが各地で見送られ、長期化する軍事侵攻の影響が広がっているものとみられます。

ウクライナ中部のウマニで28日に起きたロシア軍によるミサイル攻撃について、クリメンコ内相は29日、集合住宅が倒壊して23人が死亡し、このうち6人が1歳から17歳までの子どもだったと明らかにしました。
こうした中、29日には、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアの軍港都市にある燃料の貯蔵施設で大規模な火災が起き、現地を支配するロシア側の代表は無人機の攻撃を受けたとしています。
これについてウクライナ国防省の情報総局の高官は地元メディアに対して、ロシア海軍の黒海艦隊の施設が爆発したものだとしたうえで「ウマニでの住民殺害に対する天罰だ。この罰は今後も続くだろう」と述べ、住民に軍事関連の施設に近づかないよう呼びかけました。
一方、ロシアでは来月9日の第2次世界大戦の戦勝記念日を控え、首都モスクワをはじめ各地で式典の準備が進められています。
しかし、国境付近や中部の州などでは安全上の問題を理由に恒例の軍事パレードの中止が相次いで発表され、プーチン政権が国民の愛国心の高揚を図るために重視してきた行事にも、長期化する軍事侵攻の影響が広がっているものとみられます。

LGBT法案(産経抄)


エマニュエル米駐日大使のLGBTなど性的少数者に関する連続ツイートが、内政干渉まがいだと炎上している。確かに「国会に皆さんの声を届け、われわれの価値観が忠実に守られるよう行動するのです」「『差別禁止法』が、いまこの日本に求められている」などと説教されると、余計なお世話だと言いたくもなる。
▼そもそも米国で民主党が提出したLGBT差別禁止法案は、共和党が「女性に対する保護を切り崩す」と反対しているため成立の見通しはない。エマニュエル氏が述べる「われわれの価値観」とは、米民主党の価値観のことではないか。自国でできないことを、日本に求めるのはいかがか。

▼エマニュエル氏は言う。「『同性婚』か『異性婚』ではなく、単に『結婚』だけがある世界へ」。だが、それは「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題」(岸田文雄首相)である。国の成り立ちも文化も憲法をはじめ法体系も違う他国に、軽々に押し付けないでもらいたい。
▼与党内にも、LGBT理解増進法を5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)前に成立させるべきだとの意見はある。他国に恥ずかしいという理由だが、的外れだろう。同性愛を禁じる聖書にのっとり、同性愛者を迫害、弾圧してきた欧米諸国のような差別の歴史はそもそも日本にはないのである。
▼「日本人はまだ生徒の段階で、まだ12歳の少年」。日本を占領した連合国軍の最高司令官だったマッカーサーは、こう言い放った。エマニュエル氏の言葉からは、これとどこか似通う未熟な者を教え導こうという「上から目線」を感じる。
▼もっとも、政府・与党が米政権の内政干渉に焦り法制定を急ぐようであれば、「まだ12歳」扱いも仕方ないか。

領土保全こそ国家主権の責務 東京大学名誉教授・小堀桂一郎(産経:正論)


主権回復記念日にあたり
4月28日は日本国の対連合国平和条約発効といふ形での独立国家主権回復記念日である。この日を国民の祝日の一に制定し、国家主権の尊厳の認識を深めようとの目的で平成9年以来連年開催してゐる記念国民集会も26年の歴史を閲(けみ)した。だがその集会の目標は未(いま)だ達成できてゐない。
肝腎(かんじん)の国家主権自体も国際法上の効力発生以来71年といふ長い歳月の経過を見たのに、その主権に様々な形で制約を加へてゐる米国占領軍製の日本国憲法は今以(もっ)てその一箇条をも改訂できぬままに我が国の主権を緊縛し続けてゐる。それは法制の上でといふよりもむしろそれ以前に、日本人の国家意識に対する隠微で不吉な呪縛となつてしまつてゐる様である。
記念国民集会は令和2年に武漢肺炎猖獗(しょうけつ)のため開催中止を余儀なくされ、以来極めて規模を縮小して辛うじて行つてきたが、本年は集会規制緩和の措置を受け、3人の講師による講演会といふ地味ながら堅実な形で催せる事となつた。
令和5年といふ本年の集会に於(お)ける国家主権論でどの様な項目が重要な論題となるか、その選択は講師方にお任せしておけばよい事であるが、それとは少し別に、集会発足以来の世話人を務めてゐる筆者にも、主権の尊厳といふ大きな脈絡の中で例年に続けて特に強調しておきたい項目がある。
それは本紙の本年3月12日「日曜に書く」欄で論説委員の川瀬弘至氏が「日本の島は増えたけど」の題で書き、又そこで言及されてゐる長尾敬氏が「正論」4月号で述べてゐる、共に簡潔で明快な論策の趣旨を受け継ぐ形で訴へておきたい私見である。
国家主権問題としての領土論では私共の集会は、先の大戦の停戦後になつてロシア(当時ソ連邦)が不法に侵略し、その占拠が固定してしまつた我が国固有の北方領土を始めとして、韓国による島根県竹島の不法占拠、沖縄県尖閣諸島海域での危機的状況に向けての国民の関心の喚起を連年訴へ続けてきた。本年は之(これ)に加へて上記2氏の識見に同調して国民諸氏の然(しか)るべき認識と危機的事態に向けての積極的関心をお願ひしたい。

外国人の土地購入問題
それは、外国人がその財力に応じて我が国土の土地の一部を購入し、彼等の私有地としてそれを管理する事態に潜んでゐる危険性への認識である。この危険性はたしかに「潜んでゐる」のであつて、直ちに明らさまな危険として発露するわけではない。
我が国は平安時代の荘園を見ても、土地の私有が法的に認められてゐる長い歴史があり、大日本帝国憲法はその第27条で臣民の所有権の不可侵を定め、現行の日本国憲法も第29条で財産権の保障を述べてゐる。所有権者が日本国民である場合は勿論(もちろん)この規定でよい。
然し日本国民と外国人とでは個人が国家に対して有する権利・義務関係は当然相異する。外国人が日本国内に於いて享有する財産に関する諸権利には日本国民との間に或(あ)る種の差異があつて当然である。上記長尾論文によれば米軍による占領中の昭和24年に発せられた政令51号にたしかにその規制があつた。ところがこの政令は昭和54年に廃止され、外国人が日本国内で土地等の財産を所得する事は自由化されてしまつたといふ。
最近中国籍の或る女性が沖縄県の一無人島の一部を買つたといふ事件が話題となつたが、これに類する話は北海道を筆頭として全国各地で頻発してをり、土地の所有に伴つて移住してくる中国人の移民の数は、領土主権の在り方に対する重大な脅威となつてゐる。

国民の安寧守り抜くため
問題はこの種の外国人及び外国資本による日本国内の土地購入に対し、政府がその趨勢(すうせい)に規制をかけるといふ姿勢を持たず、唯その現状を調査し把握しておくといふ扱ひで済ませてしまつてゐる事である。国家安全保障の見地からすれば此処(ここ)では土地購入に対する抑制的な姿勢がぜひ必要であり、その姿勢をとらない限り外国側から見れば日本の不用心は外国資本の進出を歓迎すると見えてしまふ。
此処に公と私といふ図式を適用して事態を眺める時、国際社会は公の世界と映り、対して日本国の国益優先は私権の要求であり、外国人の権利に対する差別の如くに思はれ、それはとかく日本人の潔しとせぬところでもあらう。
だが国際社会は前世紀の帝国主義諸国の衝突、或いはそれに続く冷戦の時代と比べて政治道徳の法則は一向に普遍化してをらず、「公」の名に値するだけの公正が尊重されてゐる訳では全く無い。
かうした苛烈な弱肉強食の掟が支配する環境にあつて自国の領土の保全を全うし、国民の安寧を守り抜くためには、国家の「私」である所の主権の堅持が最も重要な要請となる。其処に発生するかもしれぬ自他の法的権利上の差別、それに向けられるであらう外国からの不満や怨嗟(えんさ)を恐れてはならない。むしろそれに堪へ抜く事が我が国の国家理性の要求であり、国民の在るべき様なのである。(こぼり けいいちろう)

【独自】北朝鮮、ロシア民間軍事会社に新たに砲弾1万発供与へ 5月初めまでに鉄道輸送計画(東京新聞)


ウクライナに侵攻したロシアの民間軍事会社「ワグネル」に対し、北朝鮮が砲弾約1万発の供与を決め、5月初めまでにロシア側に鉄道で輸送する計画であることが分かった。北朝鮮の内部事情に詳しい関係筋が明らかにした。北朝鮮のワグネルへの武器供与は判明している限り、昨年11月に続く2度目になる。ワグネルも加わる戦闘の長期化によりロシアの弾薬不足が深刻化しているとみられる。(編集委員・城内康伸)

◆「ロシア政府の意向」と北朝鮮関係筋
 この関係筋は、今回の取引について「ロシア政府の意向を受けたものだ」と説明した。同筋によると、砲弾は4月末から5月初めの間に、北朝鮮北東部・羅先ラソン特別市の豆満江トマンガン駅からロシア沿海州のハサン駅を経由して、極東ウラジオストクまで輸送される予定。
 ワグネルの創設者プリゴジン氏は2月、最前線で戦うワグネルの部隊に弾薬が十分に供給されていないとして、ロシア国防省や軍を批判していた。その一方で北朝鮮からの追加調達を模索していたもようだ。
 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は先月30日、ロシアが侵攻継続のため、北朝鮮から20種類以上の武器や軍需物資を調達する計画を進めていると明らかにした。ただ今回の取引がカービー氏が指摘した計画の一部であるかは不明だ。
 米政府は昨年12月、北朝鮮が同11月にワグネルに対し、歩兵用のロケット砲とミサイルを納入したと発表した。関係筋によると、この時も今回の輸送計画と同じルートでウラジオストクまで運び込まれた。

 一方、ロイター通信によると、プリコジン氏は北朝鮮からの武器調達を「臆測だ」と否定。北朝鮮は1月下旬に外務省幹部の談話で「米国は根拠のない『朝ロ武器取引説』を持ち出して、ウクライナに対する自国の武器提供を正当化しようと試みた」と非難した。
 米国は北朝鮮の武器輸出について「北朝鮮が、禁止されている大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発を進める資金となる」と懸念。国連安全保障理事会は、これまでに採択した複数の制裁決議で、北朝鮮の武器輸出を全面的に禁止している。

自衛隊と海上保安庁連携強化へ 有事の際の統制要領を策定 政府(NHK)


自衛隊と海上保安庁の連携の強化に向けて、政府は、有事の際には閣議決定を経て、海上保安庁を防衛大臣の指揮下に入れることができるなどとした、統制要領を策定し、概要を公表しました。
去年12月に改定された「国家安全保障戦略」には、有事の際に防衛大臣が海上保安庁を指揮する手続きを具体化させ、自衛隊との連携を強化する方針が明記されていて、政府はその手順などを定めた統制要領を策定し、概要を公表しました。
この中では、日本が直接攻撃を受ける「武力攻撃事態」に認定されて防衛出動が発令された際、通常の協力関係では適切な対処が困難な場合には総理大臣が閣議決定を経て、海上保安庁を防衛大臣の指揮下に入れることができるとしています。
防衛大臣の指揮は海上保安庁長官に対して行われ、一元的な指揮のもと、自衛隊が軍事作戦に集中する一方、海上保安庁は国民保護や海上での人命救助などに最大限の役割を果たすことで迅速に対処できるとしていて、海上保安庁の非軍事性に変更はなく、警察機関として活動するとしています。
政府は今後、武力攻撃事態を想定した共同訓練を早期に実施する方針です。

海上保安庁 防衛相の指揮下に入ることで何が変わる
海上保安庁が防衛大臣の指揮下に入ることで何が変わるのか。
防衛省は、有事の際、防衛省・自衛隊は作戦正面に集中する一方、海上保安庁は国民保護措置や海上での人命の保護などで最大限の役割を果たすとしていて、一元的な指揮によって、両者が通常の協力関係以上に迅速・的確な役割分担のもと、事態に対処できる意義があるとしています。
海上保安庁を防衛大臣の指揮下に入れることができるという条文は、自衛隊法が定められた昭和29年当時からありますが、その在り方が明文化されたのは、今回が初めてです。
「統制要領」の策定に至った理由について、防衛省の担当者は「『必要になったときに考えればいい』という発想で長年、積み残されてきたが、日本を取り巻く安全保障環境が、その発想を続けることを許すような状況ではなくなった」と説明しています。
また、防衛省は、防衛大臣の指揮下に入っても、海上保安庁の任務や所掌事務に変更はないとしています。
海上保安庁法25条では「海上保安庁や職員が軍隊として組織され、訓練され、軍隊の機能を営むことを認めるものと解釈してはならない」と定められ、他国の軍隊に対応する役割を担う自衛隊とは一線を画しています。
防衛大臣の指揮下で海上保安庁が実施できることとして、防衛省は住民の避難や救援、船舶の避難支援、捜索救難と人命救助といった項目を挙げていて、海上保安庁があくまで警察機関として活動することは変わらず「自衛隊への編入」や「準軍事化」ではないと説明しています。

「戦闘行われる海域」避けられるか
防衛大臣の指揮下で海上保安庁が活動する海域について、防衛省は、みずからが情報を集め、そのつど判断していくとしています。
海上保安庁は、現に戦闘が行われている海域で活動することは想定していないとしていて、海上保安庁の担当者は「指揮下に入ることで防衛省が収集した情報をもとに活動海域が示されるため、巡視船などが軍事目標にならない状況で活動することができる」と説明しています。
ただ、防衛省関係者からは「戦闘が行われる海域は変化するため、そのつど、エリアを明示するのは簡単ではない」という意見も聞かれます。
そのため、現に戦闘が行われている海域だけでなく、その後、戦闘が行われる可能性があるエリアについても、情報収集や分析を徹底することが重要だという指摘が防衛省関係者から出ています。
海上自衛隊の関係者は「海上保安庁の巡視船の装備では、戦闘が行われている海域で安全に活動するのは難しいだろう。線引きを的確に行うためにも、訓練を重ねていくことが重要になる」と話しています。

海上保安庁前長官「軍事活動しないことを内外に知らしめる必要」
海上保安庁の前長官の奥島高弘さんは、防衛大臣の指揮下に入った際の海上保安庁の活動について「有事、まさに外敵から武力攻撃を受けている状況で自衛隊と海上保安庁がどう役割分担をして、国民の安心安全を守るかということなので、今までとはステージは全然違う」とした一方で、「海上保安庁の任務、所掌事務、権限に変更はなく、海上保安庁法に基づいて避難する国民の輸送など、国民保護的な非軍事活動を行うことになる。あくまでも自衛隊の本来任務となる国防という出動目的を効果的にすることがいちばん大きな目的だと思う」と述べました。
また、防衛大臣の指揮下に入ることで、海上保安庁が軍事目標にされる懸念があることについては、「非軍事と言いながらも、巡視船は武器を持っているので、軍事目標になるかどうかは現段階では判断できない。だからこそ海上保安庁は軍事活動をしないということを内外に知らしめて、軍事目標となる危険性を下げていく必要がある。今後、訓練を通して、統制要領がきちんと機能するのか検証し、不具合があれば、見直していくことが大事だ」と述べました。

浜田防衛相 スーダン退避のための自衛隊機 活動終結し撤収命令(NHK)


アフリカのスーダンから日本人を退避させるために周辺国ジブチに派遣していた自衛隊機について、浜田防衛大臣は、希望する日本人の退避が完了したとして、活動を終結し、撤収するよう命じました。
スーダンの情勢悪化を受けて、政府は日本人やその家族を国外に退避させるために自衛隊機あわせて5機を周辺国ジブチに派遣していました。

自衛隊の輸送機で、スーダンから45人を輸送したほか、フランスなどの支援でこれまでに日本人57人とその家族8人の合わせて65人が、周辺国のジブチやエチオピアなどに退避しました。
政府は状況の変化に対応するため、その後も周辺国のジブチに自衛隊機を待機させていましたが、希望する日本人の退避が完了したとして、浜田防衛大臣は、自衛隊による輸送活動を終結し、撤収するよう命じました。
派遣されていた自衛隊の部隊は準備が整い次第、帰国する予定です。

退避の日本人、29日帰国へ チャーター機で、政府調整(産経N)


戦闘が続くアフリカ北東部スーダンから周辺国のジブチに退避した日本人が日本時間の28日午後にもチャーター機で現地を出発し、日本に帰国する方向で政府が調整を進めていることが27日、複数の関係者への取材で分かった。29日に羽田空港へ到着する見通し。

ジブチの自衛隊拠点で報道陣の取材に応じた武井俊輔外務副大臣は、スーダンから国外退避した邦人とその家族は計59人で、うち55人がジブチに滞在していると明らかにした。日本人は49人で、残り6人は外国籍の配偶者ら。小さな子どもを連れた人もいる。体調不良を訴える人はいない。
退避した人の一部はスーダンの首都ハルツームからポートスーダンまで陸路で移動して自衛隊機でジブチに入った。フランスなどの協力を受けて出国した人もいた。国連関係者やスーダンの日本大使館員ら一部を除き、日本への帰国を希望している。

経済的威圧を「対抗力」で抑止を 明星大学教授・細川昌彦(産経:正論)


5月の先進7カ国(G7)首脳会議を控えて、各G7大臣会合で共有された問題意識が浮かび上がってきた。対中国・ロシアが最大のテーマだが、その焦点の一つが「経済的威圧」だ。ルールによる国際秩序が大きく揺らぎ、パワーゲームにシフトしている現実にどう向き合うかがその本質だ。

危機感欠如の日本
近年、中国は巨大な市場や供給力を武器に相手国を威嚇して政策変更を迫る「経済の武器化」が常態化している。日本も尖閣沖での漁船衝突事件からレアアースの輸出制限によって深刻な事態に陥った。最近でも新型コロナの独立調査を求めた豪州に対して石炭、食肉などの輸入制限、台湾代表事務所を開設したリトアニアに通関拒否など枚挙にいとまがない。
習近平主席は国内向けの講話で、中国に経済的に依存させることによって相手国への反撃力・威嚇力を高めることを指示している。今後もこうした威圧は続くと見るべきだ。
もちろん根本的には中国への過度な依存を避けるべきだが、同時に経済的威圧そのものに対する対処も必要だ。G7はこれまでの「深刻な懸念表明」から行動へ踏み出そうとしている。大臣会合では、「経済的威圧に対抗し、損害を緩和するための対応を共同で検討する」「経済的威圧に必要な手段を備える」などが盛り込まれた。行動には2つある。
1つは経済的威圧を行おうとする国に対して牽制(けんせい)するための「抑止力」であり、2つ目は経済的威圧を受けた国への支援だ。
後者は途上国・新興国などG7以外の〝仲間づくり〟をするうえで重要だ。これらの国々が威圧を受けた場合に損害を緩和するための支援を行い、これらの国々を取り込む。今後どのような実効ある支援ができるか検討が必要だ。例えば、前述のリトアニアに対して米国は公的機関が米国企業のリトアニア進出を支援した。
問題は前者の抑止力で、対抗措置を打てるようにしておくことが必要だ。しかし日米欧の中で対抗措置を念頭においた法制度がないのは日本だけだ。
米国はもともと通商法301条があるが、さらに米国議会には経済的威圧対抗法案が提出されている。また欧州連合(EU)でも経済的威圧への対抗法案が提案され、今年3月に暫定合意している。そうした中で反撃もしてこない日本は経済的威圧の標的となる可能性が高いにもかかわらず危機感が薄い。国会、政府は相変わらず吞気(のんき)に構え、動きは鈍い。

EUの対抗措置も参考に
対抗措置を講ずる「構え」を持つことで、経済的威圧には相応のコストが伴うことを明確にし、抑止力が期待できる。さらに威圧を解消するために相手国との交渉材料にもなる。前出のG7大臣会合では「経済的威圧措置を抑止し対抗するため、それぞれの既存のツールを活用し、必要に応じて新たなツールを開発する」と声明に明記された。日本も早急に国内で制度整備すべきだ。
その際、EUは輸出入の制限や関税の引き上げだけでなく、外国直接投資、金融サービス、公共調達など幅広い分野の措置から効果的な手段を選択するとしている。日本もヒト・モノ・カネ・サービスなど多岐にわたる対応も含めて、省庁の縦割りを排して国家安全保障局(NSS)を中心に政府全体で早急に取り組むべきだ。
こうした対抗措置に対しては、世界貿易機関(WTO)協定違反の恐れを指摘する向きもある。しかしそもそもこうした経済的威圧はWTOの想定外、許容外であるとともにWTOによって規律できない現実はすでに露呈している。
従って国際法上受け入れられる効果的な自衛の措置を講じることは可能だろう。EUも「WTOで対抗できないような圧力行為に対抗するためであり、しかもしかるべく対話した上で不調な場合の措置で、国際的にも合法な措置だ」としている。
日本も問題点の指摘だけで思考停止することは許されない。目的は抑止であることを踏まえて早急に対応すべきだ。安全保障における「反撃能力の保有」と同様だ。

同志国協力も視野に
EUは一国では限界があるからこそEU全体で取り組む。さらに実施に当たっては同志国と協力するとしている。G7においても、個々の国による対応では中国に対抗できない場合、共同対処もあり得るだろう。国際協調によってこそ抑止の実効を挙げることができる。経済分野での集団安全保障にもつながり得る。日本は自らがそうした手段を持たずしてはG7議長国として共同での検討を主導できないだろう。
昨年12月の国家安全保障戦略で中国に対する懸念、経済安保も含めての対応の必要性が打ち出された。それを踏まえれば、経済的威圧への対処は不可欠であることは明らかだ。G7首脳会談を控え、岸田文雄首相は経済的威圧に断固として対抗すべく国内の制度や政府の体制を整備する方針を国内外に向かって発信すべきだろう。(ほそかわ まさひこ)

米韓首脳会談 「核の傘」の信頼性を確認した(読売:社説)


北朝鮮が韓国を核攻撃した場合は、米国が即座に圧倒的な核戦力で反撃し、政権を破滅させる。米韓の首脳が発した強い警告を、北朝鮮は重く受け止めねばならない。

 バイデン米大統領と韓国の尹錫悦大統領がワシントンで会談し、北朝鮮に対する核抑止力を強化するための具体策を盛り込んだ「ワシントン宣言」を発表した。
 宣言の柱となるのは、「米韓核協議グループ」と呼ばれる新たな協議体の創設である。
 これまでは、米国の核戦略に韓国は直接関与できなかった。今後は協議体を通じて、米軍の北朝鮮への核攻撃計画やその訓練に、韓国側の意見を反映させることができるようになる。
 潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載する米戦略原潜を韓国に寄港させるなど、米軍の核戦力を定期的に、目に見える形で展開する方針も宣言で示された。
 いずれも、米国が「核の傘」で韓国を防衛する措置の信頼性を高める狙いがある。バイデン氏は、北朝鮮の韓国への核攻撃に対しては、「迅速、圧倒的、決定的な対応」をとると強調し、金正恩政権は 終焉しゅうえん すると宣言した。
 背景にあるのは、北朝鮮の核・ミサイルの脅威増大だ。北朝鮮が、韓国に対する戦術核兵器の先制使用に言及する中で、韓国では米国が有事に介入しないのではないかという不安が広がり、独自の核武装論まで高まっていた。

 こうした動きを念頭に、宣言は、「韓国は米国の核抑止力を永続的に信頼することの重要性や必要性、利益を認識する」と明記した。韓国の核拡散防止条約(NPT)順守も確認している。
 韓国が独自の核武装を目指すことなく、米国の核抑止力に頼る姿勢を明確にしたと言える。
 韓国の核兵器保有は、NPT体制の弱体化とアジアでの核軍拡競争につながりかねない。宣言に沿って、韓国の抑止力強化と核不拡散体制の維持を両立していくことが重要である。
 バイデン氏は記者会見で、特に尹氏が日韓関係改善を進めていることに言及して、「政治的な勇気に感謝したい」と、高い評価を表明した。日米韓3か国が協力を進める意義も改めて訴えた。
 日韓関係は、3月の尹氏の訪日によって正常化に動き出したが、韓国内には、「日本に譲歩しすぎだ」といった不満も根強い。関係改善の道を後戻りさせないよう、日本側も韓国との対話を重ね、協力を深める必要がある。

G7広島サミットで“グローバル・サウス”との関係 議論へ(NHK)


G7広島サミットで政府は「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国との連携を重視する姿勢を示すため、代表格とされるインドなども交えて関係の在り方を議論することを検討しています。
G7=主要7か国の首脳会議、広島サミットの開幕まで3週間となりました。
議長国の日本は、メンバーの7か国以外に、インドのモディ首相やブラジルのルーラ大統領ら8か国の首脳と、7つの国際機関の代表を招待しています。

インドやブラジルは「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国の代表格とされ、政府はこれらの首脳らも交えてG7と「グローバル・サウス」との関係の在り方を議論することを検討しています。
「グローバル・サウス」の国々の中には、ロシアや中国への配慮からウクライナ情勢などをめぐって中間的な立場をとる国も多く、先に開かれたG7外相会合でも、食料分野の支援など関係強化の重要性が確認されました。
政府としては、首脳級で議論を深めることで、連携を重視する姿勢を示したい考えです。

ウクライナ 新たな旅団を編成し訓練も本格化 反転攻勢へ準備(NHK)


ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナ側は、東部の激戦地で徹底抗戦を続ける一方で、領土の奪還に向けて新たな旅団を編成し訓練も本格化しているとして、反転攻勢への準備が進んでいると強調しました。
ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトをめぐり、ロシア国防省は27日、空てい部隊の支援のもとで、突撃部隊が北西部や南西部の4つの区画を新たに支配したと主張しました。

一方、ウクライナ国家警備隊の幹部は27日、会見で、バフムトで徹底抗戦を続け、西部の補給ルートを確保しているとしました。
また、ロシアに支配されている領土の奪還に向けて、新たに編成された9つの旅団では、多くの志願兵が加わり訓練も本格化しているとして、反転攻勢への準備が進んでいると強調しました。
こうした中、バフムトで戦闘員を投入しているロシアの民間軍事会社ワグネルのトップは26日、再び弾薬不足に陥っているとした上で、気象条件が良くなればウクライナ側が反撃に出る可能性があると訴えました。
これについてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は26日「ウクライナ側の反転攻勢に対する不安がロシアで広がっていることが明らかになった」と指摘しています。
ロシア大統領府は27日、プーチン大統領が28日にサンクトペテルブルクで演説を行い、とくにウクライナに派遣された兵士やその家族に対する支援策について言及すると明らかにし、長引く軍事侵攻に対する国民の理解を得たいねらいもあるとみられます。

スーダン邦人退避 任務の完遂に感謝したい(産経:社説)


正規軍と準軍事組織が武力衝突したアフリカ北東部スーダンから、在留邦人が自衛隊機などで国外へ退避した。
激しい戦闘が続いた首都ハルツームで希望していた邦人全員の退避が完了した。政府は今後も、退避希望者らの支援にあたる。
危険な現地で奔走した大使館や統合任務部隊を編成して任務を遂行した自衛隊などの関係者の労苦に感謝したい。
ハルツームからスーダン東部のポートスーダンの空港まで多くの邦人が陸路で移動し、航空自衛隊機で自衛隊の拠点があるジブチへ飛んだ。スーダン北部の空軍基地から、仏軍機で出国できた邦人もいた。
岸田文雄首相は、大使館や自衛隊などの努力を称(たた)え、日本に協力したフランス、韓国、アラブ首長国連邦や国際赤十字、国連などに謝意を表した。
一昨年8月のアフガニスタンからの邦人退避では、政府の準備と決断が遅れ、自衛隊機を派遣したものの、国外へ移送できた人数は諸外国より少なかった。その反省から、現地情勢悪化を受けて迅速に対応したことは評価できる。

政府は、引き続き在留邦人支援に努めるのに加え、今回の退避劇を検証し、改善すべき点を見つけ出してほしい。
邦人の陸路移動は東京―岡山間よりも長い約670キロに及んだ。事故や襲撃による死傷者が出なかったのは幸いだった。自衛隊は初の陸上輸送の検討を行った。脱出が急がれたことや首都の遠さから陸自が進出、護衛して移動するのは困難だったかもしれない。
ただし、米軍は海軍の艦船をスーダン沖に展開させた。無人機(ドローン)を飛ばして米国人が加わった車列の移動を見守った。自衛隊も新しい装備を導入し、邦人保護にも積極的に活用してもらいたい。
自衛隊は、自衛隊法第84条の4「在外邦人等の輸送」に基づき派遣された。派遣先の国の同意が実施要件である。今回はスーダン政府が存在しているため支障はなかったが、現在の法制度では、破綻国家が極度に混乱して政府が瓦解(がかい)すれば、邦人を退避させたくても自衛隊派遣を試みることさえできない。
今のままでいいわけがない。人道を尊重し、国民の命を守る国へ一層の改革が必要だ。

「抑止力を強化すべき」 和歌山「正論」懇話会 元陸上幕僚長・岩田清文氏(産経N)


和歌山「正論」懇話会の第102回講演会が26日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で開かれ、元陸上幕僚長の岩田清文氏が「国際環境の変化と我が国の防衛-ウクライナに学び、台湾・日本有事に備える―」と題して講演。中国の台湾への武力行使を念頭に「最悪の事態に備え、抑止力を強化すべきだ」と訴えた。

岩田氏は中国と台湾の武力衝突の可能性について、「習近平国家主席は毛沢東氏を超える英雄になりたがっている。台湾統一のため武力行使も辞さない。中国の国力に陰りがみられるなど、習主席に焦りもある」と指摘。その上で「与那国島や石垣島上空が戦闘地域になり、南シナ海の航路が止まるなど、台湾有事は日本有事になる」と強調した。
中国に対する抑止力については「ロシアのウクライナ侵略では、ウクライナに反撃力がなかった。攻撃させない反撃能力は重要になる」と述べた

スーダン退避 自衛隊が活動の幅を広げた(読売:社説)


戦闘が行われている地域から自国民を退避させるという困難な任務を、自衛隊はひとまずこなしたと言えよう。この経験を今後の対策に生かせるよう、検証することが重要だ。
 政府は、スーダンの首都ハルツームから、日本人やその配偶者ら希望者全員が退避したと発表した。スーダンには、大使館員や国際協力機構(JICA)の職員など約60人が在留していた。
 ジブチに派遣していた航空自衛隊の輸送機が、スーダン東部のポートスーダンで邦人らを救出し、ジブチに運んだ。このほか、フランスや国際赤十字の協力でエチオピアなどに退避した人もいる。

 自国民の生命や財産を守るのは、国の最大の責務だ。
 日本は2021年、アフガニスタンでイスラム主義勢力が全土を掌握した際、調整に手間取り、自衛隊機の派遣が遅れた。
 今回は、外務省が収集した情報をもとに防衛省が邦人の救出作戦を練り、国家安全保障局が全体の計画をとりまとめたという。各機関が意思疎通を図り、それぞれの役割を担った初のケースだ。
 海外での自衛隊の活動についてはこれまで、様々な出来事への対応を積み重ねて、法整備や政策の見直しを行ってきた。
 安全保障関連法では武器使用基準を緩和し、任務を遂行するための警告射撃を認めた。アフガニスタンでの教訓から、自衛隊機の派遣要件も改めた。法制度を現実に即した形に見直したことが、今回の任務を可能にした面もある。

 一方、課題も残った。首都から約670キロ・メートル離れたポートスーダンまでの邦人の移動に自衛隊は関与せず、他の国や機関に支援を頼った。情報収集体制や作戦上の問題を点検してほしい。
 スーダン情勢は予断を許さない。国軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)の戦闘で、多くの市民が犠牲になっている。
 一時的とはいえ、国軍とRSFが停戦で合意したのは、国際社会が強く求めたからだろう。
 日本は関係国と連携し、和平に向けた外交努力を尽くさねばならない。先進7か国(G7)議長国として、来月の首脳会議(サミット)で紛争の早期終結や人道支援の議論を主導する必要がある。
 内戦には、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」が関与し、RSFに武器を供与している、という見方も出ている。
 紛争を助長する行為は許されない。国際社会が協力し、こうした動きに歯止めをかけるべきだ。

[深層NEWS]中国の超音速無人偵察機、小原凡司氏「衛星よりも使い勝手がいい」(読売N)


 笹川平和財団の小原凡司上席フェローと明海大の小谷哲男教授が26日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、中国の超音速無人偵察機について議論した。米紙ワシントン・ポストは流出した米機密文書をもとに、中国が超音速無人偵察機を近く実戦配備する可能性があると報じていた。

 小原氏は「衛星は気象の影響を受けやすいが、無人偵察機は情報が欲しい時に飛ばすことができる。衛星よりも使い勝手がいい」と指摘。小谷氏は「中国が米国の空母を狙うとなった時に、空母の位置をピンポイントで把握するために使うことは可能性として考えられる」と分析した。

ウクライナ 5月にも反転攻勢開始へ準備か ロシア側 警戒強化か(NHK)


領土の奪還を目指すウクライナ軍は、早ければ来月にも反転攻勢を開始するため準備を進めていると伝えられ、これに対し、ロシア側は支配地域を維持するため警戒を強めているとみられます。

ウクライナ軍の特殊部隊の司令官は、ロシアが完全掌握をねらう東部のバフムトを訪問したと、26日、SNSで明らかにし、「状況は困難だ。何が必要で、どう行動するべきか分かっているのはあなた方だけだ」と述べ、兵士を激励しました。
戦況を分析するイギリス国防省は26日「バフムトの西側地区で、近距離での激しい戦闘が続いている」としたうえで、ウクライナ側は防衛を続け、補給ルートを維持しようとしていると指摘しました。
一方、ウクライナ軍の南部方面司令部の報道官は、ヘルソン州を流れるドニプロ川東岸のロシア側の支配地域で、大砲や戦車、それに防空システムなどを破壊したと述べ、大規模な反転攻勢に向けて慎重に作戦を進めているものとみられます。

こうした中、有力紙ニューヨーク・タイムズは24日付けの電子版で、アメリカの当局者の話として、ウクライナ側は、早ければ来月にも反転攻勢を開始するため準備を進めていると伝えました。
また、インターネット上に流出したアメリカ政府の機密文書に基づく情報として、合わせて5万人規模となる12の旅団を今月中に編成し、このうち9つの旅団は、アメリカなどNATO=北大西洋条約機構の加盟国による訓練を受け、弾薬などが供給されているとしています。
そして、領土奪還の作戦は、黒海の北に位置するアゾフ海の沿岸など、ウクライナ南部で展開される可能性が高いと伝えています。
これに対し、ロシア軍は南部のヘルソン州とザポリージャ州でそれぞれ防衛作戦を続けているとウクライナ軍の参謀本部は指摘していて、ロシア側は支配地域を維持するため警戒を強めているとみられます。

「アフガニスタンでの教訓活きた」 河野克俊元統合幕僚長(産経N)


45人の邦人を救出した自衛隊のオペレーションを高く評価している。まず自衛隊拠点があるジブチへの輸送機派遣の判断が迅速だった。ジブチでの待機が早かったからこそ、適切なタイミングでスーダンに乗り入れ、邦人を運び出すことができた。

政府はアフガニスタンでの教訓を意識していたはずだ。2021年にアフガン情勢が悪化した際、自衛隊機を現地に派遣する判断が欧米などよりも遅れた。このため、多くの邦人らが自力で国外に脱出するための移動手段を確保する必要が生じた。今回、自衛隊機派遣が発表されたのは戦闘が本格化してから4日後だった。苦い経験を生かした結果だといえる。
とはいえ、激しい戦闘が起きている地域への派遣なだけに、簡単な判断ではなかったと思う。首相動静をみても、自衛隊の統合幕僚長や関係省庁の局長らが断続的に岸田文雄首相のもとに集まって対応を協議していた。緊張感が伝わる。
今回のことでも証明されたが、自衛隊は運用の時代に入った。一昔前は、自衛隊を海外に派遣するというと大騒ぎになったが、今は逆だ。邦人保護や国際貢献のために自衛隊を適切に動かさなければ批判される。
だからこそ、自衛隊が柔軟に、効率的に動けるかは常に検証した方がいい。政府はアフガニスタンでの教訓を踏まえ、輸送要件を「安全に実施できる」場合から「危険を避けるための方策を講ずることができる」場合に改めた。大きな一歩だったが、自衛隊の手足を縛る制約はなお多いのが現実だ。(聞き手 石鍋圭)

中国報道官(産経抄)


今年1月まで中国外務省の報道官を務めていた趙立堅氏といえば、日本や米国など西側諸国への居丈高な物言いで「戦狼(せんろう)外交官」の代表格と目されてきた。もっとも、駐フランス大使の盧沙野氏も負けていない
 ▼2年前、台湾訪問を計画していた仏上院議員に、中国が対仏制裁に出る可能性をちらつかせた。訪台を擁護する研究者に対しては「狂ったハイエナ」と罵倒した。新型コロナウイルスが欧州で猛威を振るっていたころには、「個人主義とエゴイズム」のせいだとあざ笑った
 ▼たださすがの盧大使も今回ばかりは自らの失態に、頭を抱えているのではないか。問題の発言が出たのは仏テレビ番組で、ロシアが2014年に併合したウクライナのクリミア半島についての質問に答えていたときだ。「旧ソ連諸国は国際法上、有効な地位を持っていない。主権国家の地位を具体化する国際合意がないからだ」
 ▼ソ連崩壊後独立して、国連加盟を果たした国々の主権を否定したことになる。ウクライナやバルト三国などから、一斉に反発の声が上がるのは当然だ。中国外務省は早速、「主権国家としての地位を尊重している」と火消しに追われるはめになった
 ▼大使の発言は、ウクライナは歴史的にロシアの一部、とするプーチン大統領の侵略正当化に手を貸す意味もある。ウクライナ和平の仲介役を自ら任じている中国の面目は丸つぶれである。中国は今月上旬に訪中したマクロン仏大統領を手厚くもてなし、台湾問題で中国に都合のいい発言を引き出したばかりだ。そんな外交成果も台無しとなった。もともと中国と距離を置いていたバルト三国は、ますます台湾に肩入れするだろう
 ▼中国外交はしたたかに見えて、時々大きなポカをする。

爆撃機飛ぶ上空、スーダン退避「すごいオペレーション」…670キロ走破し自衛隊機へ(読売N)


戦闘の激化で情勢が緊迫するスーダンから、45人の在留邦人が自衛隊機で脱出した。周辺国ジブチに逃れた人々は、緊張の退避を振り返り、一日も早い和平を願った。

 日本時間25日午前1時過ぎ、ジブチの自衛隊拠点に、航空自衛隊の輸送機「C2」が着陸した。45人の中には、子供の姿もあり、人々はホッとした様子で体育館に移ると、医務官から健康状態のチェックを受けた。
 「長距離、長時間にわたって、すごいオペレーションを組んでくれた」。スーダンで医療支援をする北九州市のNPO法人「ロシナンテス」の理事長・川原尚行さん(57)は25日、退避完了後に公開した動画で、国連や日本政府、自衛隊など関係機関に謝意を示した。
 川原さんが滞在していたのは首都ハルツーム。国軍と準軍事組織の停戦期間中も、戦闘員が町を行き交い、上空を爆撃機が飛ぶ中、C2が待つ紅海沿岸の港湾都市・ポートスーダンに向け、同僚の日本人の男女とともに車で出発した。
直線で東京―広島間に匹敵する約670キロの長距離運転に、川原さんは途中でめげそうになったが、同僚がコーヒーを手渡すなどして支えてくれたという。動画の中で、川原さんは「それを飲んで復活した。本当にありがとう」と両隣の2人に礼を言い、頭を下げた。

 川原さんは北九州市出身で、医務官として1998年に外務省入省。在スーダン日本大使館での勤務を経て退職後、2005年から現地で巡回診療などに携わっている。「いろいろな方に支えられた。一日も早く停戦し、平和が訪れることを願います」。約3分間の動画をそう締めくくった。

          ◇
 現地に職員を派遣している国内の各支援団体には25日、退避の連絡が相次いで入った。
 スーダンで感染症対策を支援する国際NGO「難民を助ける会」(東京)の男性職員も、自衛隊機でジブチに退避した。25日朝、「無事着きました」と同会に連絡があったという。
 国際協力機構(JICA)では、職員9人が退避した。広報担当者は、「日本への帰国はまだなので、オペレーション継続中という扱いだ」と気を引き締めていた。

自民・公明 防衛装備品の海外移転 運用指針など見直し議論へ(NHK)


防衛装備品の海外への移転をめぐって、自民・公明両党は、「防衛装備移転三原則」の運用指針などの見直しを議論する実務者協議の初会合を開きました。ウクライナへの支援として、殺傷能力のある装備品の輸出を認めるかどうかが焦点の一つになる見通しです。
初会合は国会内で開かれ、冒頭、座長を務める自民党の小野寺・元防衛大臣は、「去年末に国家安全保障戦略など3つの文書をとりまとめたが、いくつか残された宿題がある。防衛装備品移転の論点について具体的な方向性を出せるように議論していきたい」と述べました。
また、座長代理を務める公明党の佐藤国会対策委員長は「戦後の平和国家としての歩みを堅持しつつ、一層厳しさを増す安全保障環境の中でわが国にとって望ましい安全保障環境をどう創出できるかという観点に立って、しっかりと議論したい」と述べました。
会合では、
▽ウクライナへの支援として殺傷能力のある装備品の輸出を認めるかどうかや
▽殺傷能力のない装備品の移転の対象を、救難や輸送など「三原則」の5つの類型から拡大するかどうか、さらに
▽国際共同開発した装備品の第三国への移転の扱いを協議していくことを確認しました。
自民・公明両党は5月の大型連休明けから有識者のヒアリングを行い、議論を本格化させることにしています。

防衛装備品の輸出 制度の課題と協議の焦点
日本から海外への防衛装備品の輸出は、平和国家としての基本理念を堅持するため、ルールを厳格に定めた「防衛装備移転三原則」やその運用指針、それに自衛隊法で厳しく制限されています。
政府によりますと、2014年に「三原則」が策定されて以降、国内で製造された完成品の輸出は2020年のフィリピン政府への警戒管制レーダー1件しかないということです。

議論の経緯
ロシアによるウクライナ侵攻が起きた去年2月、日本政府は、ウクライナから防衛装備品の提供を要請されました。
しかし、政府は、「三原則」で認められていない殺傷能力のある装備品の輸出は見送り、運用指針を改正して防弾チョッキやヘルメットを提供しました。
こうした経緯を踏まえ、政府は、去年行われた防衛力強化に向けた与党協議で国際法違反の侵略を受ける国などには殺傷能力のある装備品の輸出を可能にすることなどを盛り込んだ「三原則」の運用指針の見直し案を示しました。
自民・公明両党は見直しの必要性では一致したものの、公明党が殺傷能力のある装備品の輸出に慎重な姿勢を示し、結論は出ていません。

与党協議の焦点
今後の与党協議の焦点は大きく3つです。

1 殺傷能力ある装備品
たとえばウクライナといった国際法違反の侵略を受けている国などに殺傷能力のある装備品の輸出を認めるかどうかです。
今のところ、自民党は前向きな姿勢で公明党は慎重です。

2 殺傷能力ない装備品の類型拡大
殺傷能力のない装備品は「三原則」では救難、輸送、警戒、監視、掃海の5つの類型に限られていますが、政府は新たに地雷の処理や教育訓練を追加したい考えです。

3 国際共同開発品の第三国移転
国際共同開発した装備品の第三国への移転の扱いもポイントになります。
日本は、イギリス、イタリアと航空自衛隊の次期戦闘機を共同開発することで合意していて2035年ごろまでに配備を始めたいとしています。
現在の運用指針では開発パートナーのイギリス、イタリアが第三国への移転を望んだ場合の対応は明確に定められていないため、その扱いも議論になります。

中国空母「山東」南シナ海方面へ航行 戦闘機など発着(NHK)


防衛省は、今月上旬から日本の南の太平洋で航行を続けてきた中国海軍の空母「山東」が、24日夜、南シナ海へ向けて航行したと発表しました。この間、戦闘機などの発着が合わせておよそ620回行われたということで、防衛省は中国が空母の運用能力の向上を図っているとみて分析を進めています。

防衛省によりますと、24日午後8時ごろ、中国海軍の空母「山東」など艦艇7隻が、沖縄県の与那国島の南およそ360キロの太平洋を航行しているのを海上自衛隊が確認しました。
その後、台湾とフィリピンの間のバシー海峡を航行して南シナ海へ向かったのが確認されたということです。
「山東」は2019年12月に就役した中国では初めての国産の空母で、今月5日に太平洋での航行が初めて確認されて以降、沖縄から小笠原諸島にかけての日本の南の海域で航行を続けてきました。
この間、戦闘機やヘリコプターの発着が合わせておよそ620回行われたのが確認されたということで、防衛省は中国が空母の運用能力の向上を図っているとみて分析を進めています。

中国の駐仏大使 主権否定の暴言許されぬ(産経:社説)


中国の盧沙野駐フランス大使が仏テレビ番組で、ウクライナやバルト三国など旧ソ連諸国の主権に疑義を呈した。
ソ連崩壊に伴って確定した国際秩序を否定する暴言で、到底容認できない。中国外務省報道官は記者会見で、「中国は旧ソ連諸国の主権と国家としての地位を尊重している」と釈明し、盧氏の発言の一部を事実上修正した。
ならば、中国政府は大使更迭など厳しい処分を盧氏に科すべきである。
盧氏は仏テレビ番組で、ロシアが2014年に併合したウクライナのクリミア半島について尋ねられ、「問題をどうとらえるかだ。クリミアは当初はロシア領だった。ソ連時代にウクライナに渡された」と述べ、帰属先をはっきりさせなかった。さらに「旧ソ連諸国は国際法上、有効な地位を持っていない。主権国家の地位を具体化する国際合意がないからだ」と述べた。
ウクライナの駐仏大使は「曖昧さの余地はない、クリミアはウクライナ領だ」と反論した。ラトビア外相が「(発言は)全く受け入れられない」と表明するなどバルト三国も反発した。仏外務省報道官も「驚愕(きょうがく)した。ウクライナは中国をはじめ国際社会が1991年に承認した」と指摘した。

ソ連は解体後、ロシアを含む15の独立主権国家に分かれ、いずれも国連に加盟した。中露両国は全ての旧ソ連諸国と国交をもち、条約を結んできた。
クリミア半島をめぐっては、独立したウクライナの領土だと国際的に認められてきた。それは中露両国も含めて、である。
中国外務省報道官は、「中国は各国の独立と領土の一体性を尊重している」と述べ、クリミア半島の帰属先をウクライナだと明言しなかった。
プーチン露大統領は「ウクライナの主権はロシアあってのことだ」という、現代国際秩序に真っ向から反する妄執に取り憑(つ)かれ、ウクライナ侵略を始めた。クリミア併合はその先駆けである。
中国は、ロシアが侵略者で、ウクライナが領土を強奪された被害者として抗戦している事実を認めるべきだ。それにはクリミア半島はウクライナ領だと明確に表明しなければならない。それすらできないようでは、中国による和平仲介の申し出など信用できない。

阪田元長官「9条論」のナンセンス 駒沢大学名誉教授・西修(産経:正論)


朝日新聞インタビュー記事
朝日新聞4月14日付の紙面に、元内閣法制局長官、阪田雅裕氏のインタビュー記事「憲法9条は死んだ」が掲載された。同氏は内閣法制局で要職を務め上げ、その発言には影響力がある。以下で記事にある同氏の9条論を検証する。
まず9条2項が「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定めているとし、その前提のもとに自らの解釈を展開している。しかし、引用が違う。9条2項の前段は「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と規定している。解釈上の要点は「前項の目的を達するため」にある。自分に都合のよい部分だけを切り取ることは許されない。
「前項の目的を達するため」はいわゆる芦田修正といわれるもので、新憲法の作成案を審議していた衆議院小委員会において、委員長の芦田均氏が提案した。芦田氏は、のちに自著で記している。「私がこの文言を加えたのは、9条1項を受けたもので、自衛のための戦争と武力行使は放棄していないことを明確にするためである」(『新憲法解釈』ダイヤモンド社、昭和21年11月)
この修正は衆議院を通過、連合国軍総司令部(GHQ)を通じて、日本国の占領管理に関する政策決定機関、極東委員会へ送付された。同委員会で芦田修正に伴う9条が論点となり、熱論が交わされた。委員会で当時の中国代表は「(芦田修正により)常識は、自衛のためであれば、軍隊の保持を認めることになろう」と述べた。
この解釈が大勢を占め、将来生まれるであろう軍隊の暴走を阻止すべく、文民条項の導入を要求、66条2項「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」が設定されたのである。文民(非軍人)の存在が軍人の存在を前提としていることは一連の流れから見て明らかである。
阪田氏はこの経緯を知っているからこそ「前項の目的を達するため」を除いて解釈したのであろう。内閣は、9条の意味について芦田修正や文民条項の導入過程に触れていない。なぜか。吉田茂内閣が衆議院へ『帝国憲法改正案』を上程したのは昭和21年6月25日のこと。6月28日には、吉田総理は「自衛戦争を認めない」との答弁をしている。極東委員会での議論に先行していた。後日、事実関係を知っても内閣は6月の解釈に固執し続けた。9条の正しい解釈は、芦田修正と極東委員会の発意による文民条項とを含意したものでなければならない。
それゆえ、内閣は当初から、9条の解釈を誤っていたのである。

反撃能力保有は以前から
第二に、阪田氏は、安保3文書で反撃能力(敵基地攻撃能力)を認めたことが「専守防衛」に照らし、詭弁(きべん)だと断言している。詭弁というのならば、世界でも有数の国防力を誇る自衛隊を「戦力に非(あら)ず」と内閣が解釈してきたことの方が、よほど詭弁ではないのか。
反撃能力については、すでに昭和31年2月29日、鳩山一郎総理(船田中防衛庁長官代読)が「(外国からの)誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思います」と答弁している。阪田氏は、よもやこの答弁を忘れてはいまい。
第三に、阪田氏は、平和安全法制で集団的自衛権が認められ、海外での武力行使が可能になったと断定している。同法制は海外のどこででも武力を行使することを容認していない。容認しているのは「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」に限定される。
考えてみよう。公海上でわが国を防衛するために自衛隊が米軍と共同訓練しているときに、自衛隊が他国から武力攻撃を受けた場合、米軍は自衛隊を守る義務がある。他方で米軍が他国から武力攻撃を受けた場合、自衛隊は米軍を防備することができなかった。なぜならば、憲法で禁じられている集団的自衛権の行使に当たるとされていたからである。

9条改正に向け衆知を
厳しい国際環境のもと、このようなエゴイスティックな行為は許されるはずがなかろう。限定的な集団的自衛権の行使ができると解釈を変更したことで、米軍などと共同運用が可能になり、わが国の安全と信用が格段に上がった。
阪田氏は、9条解釈を平和安全法制以前に戻すことを主張している。私にはナンセンスとしか思えない。
阪田氏の結論は「憲法9条は死んだ」というものである。憲法9条を「生き返らせる」には、内閣が文民条項の導入を踏まえた解釈に変更するか、あるいは憲法9条を改正するかの選択肢しかない。前者は不可能である。だとすれば、後顧の憂いを残さぬ9条改正に向けて、衆知を集めることがわれわれに課された最大の課題といえる。(にし おさむ)

退避に自衛隊機再派遣も 出国の45人無事と副大臣(東京新聞)


【ジブチ共同】アフリカ北東部スーダンに在留する邦人とその家族計45人が自衛隊機でジブチに国外退避したことを受け、武井俊輔外務副大臣は24日、ジブチの自衛隊拠点で記者会見した。まだスーダン国内に邦人が複数人残留しているとした上で、退避希望者については自衛隊機の再派遣の検討も含めて「最大限努力をしたい」と強調した。
 今回退避した45人について「健康状態に大きな問題は見られない」と述べ、全員無事だったことを明らかにした。45人はジブチ到着後に医師の診察を受けた。武井氏は退避任務を「成功裏に遂行することができた」と語った。

在留邦人ら45人 スーダンからジブチへ 残る数人の退避に全力(NHK)


情勢が悪化しているアフリカのスーダンから在留邦人を退避させるために派遣された自衛隊の輸送機は、スーダン国内の空港で在留邦人など45人を乗せ、周辺国ジブチに退避させました。
スーダンには退避を希望する日本人が数人残っていて、政府は早期の退避に全力をあげる方針です。
ジブチに派遣された航空自衛隊のC2輸送機は、日本時間の24日夕方、ジブチの空港を離陸し、スーダン東部の都市、ポートスーダンの空港で在留邦人41人と、その家族の外国人4人の合わせて45人を乗せました。
そして、日本時間の25日午前1時すぎ、ジブチの空港に到着し、45人を退避させました。
関係者によりますと、退避した人たちはスーダンの首都ハルツームから、複数のグループに分かれて陸路で空港に移動したということです。

海外に滞在している日本人の自衛隊機による輸送は、今回で6回目です。
ジブチに入った武井外務副大臣によりますと、退避した人たちは疲れた様子ではあるものの、健康状態に大きな問題はなく、それぞれの要望を聴き取ったうえで日本への帰国などに向けて調整を進めるということです。
スーダンには退避を希望する日本人が数人残っていて、政府は関係国とも連絡をとりながら早期の退避に全力をあげる方針で自衛隊は備えを進めているものとみられます。
スーダンからの在留邦人の退避について、岸田総理大臣は、24日午後11時50分ごろ総理大臣公邸で記者団に対し「危険かつ困難な状況の中、成功裏に邦人退避を遂行した大使館や自衛隊をはじめとする関係者の努力に敬意と感謝を申し上げたい。また協力してもらった韓国、UAEをはじめ、関係各国や国連などの関係機関に感謝を申し上げる」と述べました。
退避した日本人らについては、希望に基づいて、日本への帰国などの調整に当たるとともに、必要な支援を行っていくとしています。

武井外務副大臣 ジブチに到着 日本人の退避に対応へ
アフリカ・スーダンからの日本人の退避に対応するため、武井外務副大臣が25日午前0時半前、周辺国のジブチに到着しました。
武井副大臣は記者団に対し「危険かつ大変困難な状況の中、成功裏に邦人退避を遂行することができた。退避した人たちは大変疲れた様子だが、健康状態には問題がないとのことだ。ほっとしている」と述べました。
そのうえで「引き続き、スーダンに残る邦人の早期退避、安全確保および、必要な支援に全力をあげて対応していく」と述べました。

退避のNPO法人理事長「一日も早く平和が訪れること願う」
2006年からスーダンで医療や教育などの支援に取り組むNPO法人「ロシナンテス」の川原尚行理事長が、退避先のジブチからNHKのオンラインインタビューに応じました。
川原さんは「自衛隊の飛行機に乗ってジブチに到着した。45人の命が守られたということで、自衛隊や外務省、そしてJICAなどの皆さんには大変お世話になった。感謝を申し上げたい」と話し、速やかに日本に帰国したい考えを示しました。
また、スーダン情勢について「私が20年以上関わってきた国で国民が悲しむ姿を見ると涙が出てくる。スーダンに一日も早く平和が訪れることを願っている」と話していました。

“学術会議 国の機関から切り離し民間法人に” 自民会合で意見(NHK)


日本学術会議の会員の選び方などを見直す法改正案について、会議側の反対を踏まえ、政府が今の国会への提出を見送ったことを受けて、自民党の会合では、会議を国の機関から切り離し、民間法人とすべきだなどという意見が出されました。

国の機関である日本学術会議について、政府は、会員の選考に関与する第三者委員会の設置などを盛り込んだ法律の改正案を今の国会に提出する方針でしたが、会議側が「独立性が損なわれる」と反対したことなどを踏まえ、先週、提出見送りを決めました。
これを受けて、24日、自民党の作業チームなどの会合が開かれ、所管する後藤経済再生担当大臣は「このまま改正案を閣議決定すれば、学術界との決定的な決裂を招くおそれがあると考えた。政府案に加え、特殊法人などの民間法人とする案もそ上に載せ、改めて丁寧に議論し、早期に結論を得たい」と述べました。
自民党の出席者からは「会議側の理解が得られないのであれば、会議を国の機関から切り離し、民間法人とすべきだ」とか、「会員選考の透明性が確保されないのであれば、学術界の代表とは言えないのではないか」といった意見が出されました。
政府は、こうした意見も踏まえ、対応を検討することにしています。

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