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処理水海洋放出めぐる中国の偽情報拡散防止へ政府が米韓と連携 8月の首脳会談でも議題か(産経N)


東京電力福島第1原発の処理水放出をめぐり、科学的根拠に基づかない中国の「偽情報」に対処するため、日本政府は米国や韓国と連携を強めている。8月18日に米国で開催される日米韓首脳会談でも中国問題の一つとして偽情報対策が議題に上る可能性がある。
「米国や韓国をはじめとする国際社会とも協力しながら、悪意のある偽情報の拡散には必要な対策を取る」。外務省の小野日子(ひかりこ)外務報道官は26日の記者会見で、国際会議などで処理水を「核汚染水」と表現して日本批判を展開する中国を念頭にこう述べ、科学的根拠に基づく情報発信を強化する考えを示した。

中国は処理水放出を対日批判の「外交カード」として、偽情報の発信を強めている。インドネシアで13日に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会合でも、中国外交担当トップの王毅共産党政治局員が「『核汚染水』の排出は海洋環境と人類の生命・健康にかかわる重大な問題だ」と独自の主張を展開した。
政府レベルで中国に同調する動きが広がっているわけではないが、中国語圏を中心に世論レベルで中国の宣伝が効けば、日本産食品に風評が立ちかねない。実際、太平洋島嶼国の有力紙で中国の言説に影響を受けたとみられる記事が掲載されたケースもある。
福島第1のトリチウムの年間排出量は事故前の管理目標と同じ22兆ベクレル未満を予定する。濃度を国の規制基準の40分の1、世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1に希釈して放出する。一方、中国の秦山第3原発が放出するトリチウムは約143兆ベクレル(2020年)と6・5倍に上る。だが、王氏は14日の林芳正外相との会談で「事故由来の核汚染水と原発の正常な運転で生じる廃水は性質が完全に異なり、同列に論じられない」と主張した。

中国の偽情報拡散を踏まえ、林氏は同日、ブリンケン米国務長官、韓国の朴振(パク・チン)外相と会談し、処理水に関する偽情報の拡散防止での連携についても意見を交わした。また、事務レベルでも森健良外務事務次官がシャーマン米国務副長官、韓国外務省の張虎鎮(チャン・ホジン)第1次官と24日に電話で会談し、処理水の海洋放出に関する偽情報の拡散防止での連携について話し合った。
外務省幹部は「先進7カ国(G7)各国、自由・民主主義の国は偽情報に対する認識を持っている」と危機感が共有されているとの考えを示す。
政府は今夏にも処理水放出を開始するとみられるが、その前後では中国が一層激しく対日批判をする事態も想定される。別の外務省幹部は日米韓首脳会談に関し「中国の動き次第で偽情報を協議する可能性はある」と話している。
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家康の洋時計(産経抄)


静岡県のリニア問題を長年追ってきた地元記者の小林一哉さんから、徳川家康と日本最古の西洋時計にまつわる興味深い話を聞いた 
 ▼約400年前、フィリピンからメキシコに向かっていたスペイン船が暴風雨のために現在の千葉県御宿町沖で座礁する。海岸に流れついた317人の乗組員は地元の人たちに救助された。すでに将軍職を退き大御所として駿府(静岡県)に移っていた家康は一行と面会する。海外貿易の活発化を熱望していた家康は彼らを手厚くもてなした
 ▼一行が帰国して1年後の1611年、スペイン国王フェリペ3世の派遣大使として探検家のビスカイノが日本に到着する。持参した家康への贈り物のひとつに時計があった。家康を祀(まつ)る久能山東照宮で大切に保管され、現在は国の重要文化財となっている。名誉宮司の落合偉(ひで)洲(くに)氏が国宝指定をめざすプロジェクトを立ち上げ、小林さんが手伝ってきた
 ▼いまだ宿願は果たされていないものの、価値の高さは大英博物館の専門家が太鼓判を押している。製造された16世紀からの部品が99%も残り、当時として最高の技巧がこらされている
 ▼ビスカイノが日本を離れて時を置かずに、家康は全国にキリスト教禁令を発布する。まず宣教師を送り込んでカトリックへの改宗を進めてから軍隊を送り込む。家康はビスカイノとの会見中にスペインの植民地化戦略に気づいて決意したのかもしれない。スペインと敵対する英国出身のアダムスが、家康の外交顧問だった影響もあるだろう
 ▼家康の洋時計は、いわば日本外交の大転換を象徴するお宝である。NHKの大河ドラマ「どうする家康」では、家康は生涯で何度も大きな決断を迫られる。果たして洋時計は登場するだろうか。

モスクワに無人機攻撃、ロシア国防省は「ウクライナによる攻撃」主張(読売N)


タス通信によると、ロシアの首都モスクワで30日午前、無人機による攻撃があった。2機が墜落して高層ビルが被害を受け、警備員1人が負傷した。1機は郊外の上空で破壊された。ロシア国防省は、ウクライナによる攻撃だと主張している。

 攻撃を受けたビルは、ガラスが粉々に砕けるなどの被害があった。露独立系メディアによれば、攻撃対象となったビルには、ロシア政府の複数の官庁が入居している。モスクワの国際空港は一時、離着陸が中止された。
 ロシアが2014年に一方的に併合した南部クリミアでも、ウクライナが無人機25機で攻撃した。タス通信が伝えた。露側が防空システムで破壊したという。

 ウクライナの英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」によると、ウクライナ軍は29日に露軍が占領する南部ヘルソン州とクリミアを結ぶチョンハル橋を攻撃した。長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」12発を発射したとの情報がある。
 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は29日、激戦地となっている東部ドネツク州の要衝バフムト近郊を視察した。
 一方、プーチン露大統領は8月2日、トルコのタイップ・エルドアン大統領と電話会談する。タス通信によると、プーチン氏が29日に記者団に語った。ロシアが離脱した黒海経由のウクライナ産穀物の輸出合意などについて、協議するとみられる。
 プーチン氏は30日に露西部サンクトペテルブルクで開かれた海軍の式典に出席し、「今年だけで様々なクラスの軍艦30隻が補充される」と語った。具体的な配備先には触れなかった。露海軍は昨年4月、黒海艦隊の旗艦「モスクワ」をウクライナの攻撃で失った。

G7とグローバル・サウス ウクライナ情勢めぐり協議へ(NHK)


G7=主要7か国とグローバル・サウスと呼ばれる新興国などの政府高官らが、8月5日からサウジアラビアでウクライナ情勢などについて協議することになりました。
G7としては、この枠組みでの協議を継続し、ウクライナ支援などを巡ってグローバル・サウスの国々への働きかけを強めるねらいもあるとみられます。

外交筋によりますと、協議は8月5日と6日にサウジアラビア西部のジッダで行われ、G7とグローバル・サウスの国々の安全保障担当の政府高官が出席するほか、ウクライナからイエルマク大統領府長官が出席する方向で調整が進められています。
この協議はG7に加えて、インドやブラジル、トルコといったグローバル・サウスの国々の政府高官も出席するのが特徴で、6月デンマークで初めて開催されたのに続いて2回目となります。
協議では、ウクライナやロシアの情勢を巡って意見が交わされるほか、ことし9月の国連総会に合わせてアメリカで開く予定のウクライナの安全保障などを議論する首脳級の会議に向けた調整が進められるということです。
G7は7月リトアニアで開いた首脳会議で、ウクライナへの長期支援などを確認しましたが、グローバル・サウスの中にはロシアとの関係に配慮する国もあります。
G7としては、今回の枠組みでの協議を継続し、ロシアに対する圧力やウクライナ支援を巡ってグローバル・サウスの国々への働きかけを強めるねらいもあるとみられます。

英軍 ウクライナ兵士への訓練を公開 反転攻勢は自走砲がカギか(NHK)


イギリス軍は、ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナの兵士らに対する訓練の様子を公開し、兵士たちは反転攻勢の作戦を進めるうえで必要とされる自走砲といった兵器の扱い方を学びました。

イギリス軍は、ウクライナへの支援の一環としてウクライナ兵らに兵器の使い方を指導していて、27日、イギリス南部で行われた訓練の様子がメディアに公開されました。
このなかで、ウクライナ兵は、イギリス軍の自走式りゅう弾砲「AS90」5門を使い、弾薬を実際に装填して発射する手順を確認するなど扱い方を学んでいました。
兵士らは、7週間にわたって指導を受けたということで、イギリス軍は、ウクライナに戻った兵士らが、習得した技術を仲間とも共有してもらいウクライナ軍の戦闘力の向上を目指すとしています。
ウクライナ軍にとっては、ロシア軍が築いた防衛線の突破を図るなど、反転攻勢の作戦を進める上で戦車部隊と連携する砲兵戦力の強化も課題で、イギリスから30門以上供与されている「AS90」などの自走砲をどう効果的に活用するかもカギになっているとみられます。
建設関係の仕事をしていたという46歳の兵士は「指導されたことはすべて覚えた。戦場でも同じようにできると思う」と話していました。
指導を行ったイギリス軍のリチャード・ダガン氏は「AS90は攻撃用の兵器でウクライナ側が望む作戦にも役立つ」と話していました。

ウクライナ、北朝鮮製ロケット弾使用か(産経N)


ウクライナ軍がロシアに対抗するため、北朝鮮製のロケット弾を使用していると英紙フィナンシャル・タイムズが28日報じた。主に1980~90年代に製造されたとみられる。戦争の長期化でウクライナ側は弾薬不足に陥っており、信頼性の低い武器を併用せざるを得ない状況になっているようだ。
東部ドネツク州の激戦地バフムト周辺で、旧ソ連製の多連装ロケットシステム(MLRS)に使われていた。戦闘などを通じてロシア側から押収した可能性があるが、入手経緯は不明。北朝鮮はロシアの侵攻を支援しており、ウクライナに直接提供した可能性は低い。
ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、バフムト近郊の部隊を訪れ、兵士らを激励。通信アプリに「ウクライナが勝つ」と投稿した。(共同)

国の守りと白書 総合防衛の進捗も説明を(産経:社説)


令和5年版の防衛白書は、国家安全保障戦略など安保3文書の決定後初の白書として、防衛力の抜本的強化策を詳しく説明した点が特徴だ。
反撃能力(敵基地攻撃能力)について「侵攻を抑止する上で鍵となる」とした。ミサイル防衛を活用しつつ、相手からのさらなる武力行使を防ぐには、反撃能力保有が必要と説いたのは妥当である。

ロシアのウクライナ侵略を挙げて「高い軍事力を持つ国が、あるとき侵略という意思を持った」とし、「相手の能力に着目した防衛力を構築する必要」があると指摘した。脅威対処型の防衛力整備への転換を訴えたものだ。令和5年度から5年間の防衛費総額約43兆円について、弾薬・誘導弾2兆円、無人アセット防衛能力1兆円―など内訳を表で示した。
目指す防衛力の姿を理解してもらう記述が多いことは評価できる。一方で物足りなさもある。

第一は中国への評価だ。中国の「軍事動向など」は「深刻な懸念事項」で「最大の戦略的挑戦」としたが、それだけでいいのか。
東西冷戦期に政府はソ連を「潜在的脅威」と位置付けた。現代中国がそれ以下とは思えない。今回の白書は「戦後最大の試練の時を迎え、新たな危機の時代に突入」と記した。台湾との軍事バランスが中国側に有利な方向へ「急速に傾斜」しているとも分析した。もっと現状に即して中国を位置付けるべきだろう。
核問題の記述には一層の工夫を求めたい。北朝鮮や中国の核戦力増強、ロシアの核を用いた威嚇などを個別に指摘したが、核については独立した章も設けて、日本国民にとっての核脅威と、それに備える核抑止を取り上げてほしい。多くの国民に核抑止の重要性を認識してもらう必要がある。

国家安保戦略は、国民保護や防衛に資するインフラ整備、研究開発など総合的な防衛体制という概念を打ち出した。防衛省以外の省庁が主体となり政府横断的に取り組むべき重要課題だ。これら防衛省の担務外の記述は防衛白書では少ない。
岸田文雄政権は新しい白書をつくってもよいし、防衛白書を用いてもよい。総合的な防衛上の課題の意義や進捗(しんちょく)状況を国民に包括的に説明する義務を果たしてもらいたい。それはシェルター整備などを進める助けにもなるはずだ。

防衛白書 日米韓連携で抑止効果高めよ(読売:社説)


防衛費を大幅に増額して新たな装備を配備することになる。安全保障環境の変化を見極め、能力を発揮できる体制を整えることが重要だ。
 政府が2023年版の防衛白書を公表した。昨年末に決めた新たな国家安全保障戦略など3文書を踏まえ、地域情勢の分析や防衛力強化の方向性を示したものだ。

 白書は、北朝鮮のミサイル開発について「戦術核兵器の搭載を念頭に長距離巡航ミサイルの実用化を追求」していると指摘した。
 北朝鮮は今年、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級を含め、弾道ミサイルを12回発射した。脅威の増大に対処するには、日米韓の防衛協力の強化が欠かせない。
 白書が特に強調したのが、日韓防衛当局間の連携の重要性だ。

 昨年の白書は、日韓で機密を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、韓国側が一方的に終了を通告した事実を含め、懸案への言及が目立った。
 これに対して、今年の白書は、3月の首脳会談を契機に日韓関係が大きく好転したことを踏まえ、防衛当局間で緊密な意思疎通を図っていく姿勢を打ち出した。GSOMIAの正常化も明記した。
 日米韓は、北朝鮮のミサイル情報を即時に共有する仕組みを年内に構築することで合意している。隙のない防衛態勢を作り、抑止力を向上させるべきだ。

 白書はまた、敵のミサイル発射拠点などを攻撃する反撃能力について「武力行使の3要件」に基づき、必要最小限度の自衛の措置として行使する、と明記した。
 そのために政府は、米国製巡航ミサイル「トマホーク」を導入するほか、国産の地対艦誘導弾の射程を伸ばす開発を進めている。
 装備を充実させることに加え、それを運用する人材の育成にも力を注ぐ必要がある。
 台湾情勢を巡っては、中台の軍事バランスが「中国側に有利な方向に急速に傾斜する形で変化している」と強い警戒感を示した。
 力による一方的な現状変更は許されない。自衛隊は、警戒監視に万全を期してほしい。
 白書は、サイバー攻撃が「現実の脅威」と記し、とりわけ中露と北朝鮮が専門部隊を増強していると論じた。AI(人工知能)がサイバー攻撃や偽情報の流布に利用される可能性にも触れた。
 政府は、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐため、敵のサーバーに侵入し、無力化する「能動的サイバー防御」を導入する方針だ。法整備を急ぎたい。

ゼレンスキー大統領 バフムト方面を訪問 兵士たちを激励(NHK)


ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、反転攻勢を進めるなかでロシア軍との激しい戦闘が続く東部ドネツク州の拠点、バフムト方面を訪問したと明らかにしました。

SNSにメッセージとともに投稿した動画では、ゼレンスキー大統領が兵士たち一人一人に声をかけ、激励する様子が写っています。
また、メッセージでは、特殊部隊の兵士をたたえるために訪れたとしていて、現在の作戦の詳しい状況については控えるとしたうえで「非常に強力で効果的な彼らに感謝している。ウクライナのための彼らの活動は本当に英雄的だ」と強調しました。
ウクライナ軍は東部や南部で反転攻勢を続けていますが、当初の想定よりも進展は遅れているという指摘も出ています。
ゼレンスキー大統領が訪問したバフムト方面は、反転攻勢を進める中で激しい攻防が続く地域の一つで、みずから前線に行くことで、反転攻勢に関わる兵士たちの士気を高めるねらいもあるとみられます。

アメリカ 台湾に480億円相当の軍事支援 軍の備蓄武器供与(NHK)


アメリカのバイデン政権は台湾の防衛力を強化するため、アメリカ軍が在庫として備蓄している武器を供与する枠組みを活用して、日本円にしておよそ480億円相当の軍事支援を行うと発表しました。

アメリカのバイデン政権は28日、防衛関連の物資の供与や軍事訓練など、台湾に対して3億4500万ドル、日本円にしておよそ480億円相当の軍事支援を行うと発表しました。
これについてAP通信はアメリカ政府当局者の話として、携行型の防空ミサイルシステムや重火器、それにミサイルなどを供与する予定だと伝えています。
アメリカ政府によりますと、今回の支援では、アメリカ軍が在庫として備蓄している武器を直接供与する枠組みを活用するということです。
アメリカメディアは、アメリカが台湾への軍事支援でこの枠組みを活用するのは初めてだと伝えています。
バイデン政権は中国が軍事的な圧力を強める台湾に対して武器の売却を進めていますが、武器の製造には一定の時間がかかるため、バイデン政権としては今回の枠組みを活用することで、台湾の迅速な防衛力の強化につなげる狙いがあるとみられます。

自衛隊「パワハラ」扱いは慎重に 麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男(産経:正論)


昨年、防衛省の防衛監察本部が、全自衛隊員を対象にパワー・ハラスメント(以下「パワハラ」)やセクシュアル・ハラスメント(以下「セクハラ」)の実態を調査した特別防衛監察で、被害を受けたとする隊員からの申告が約1400件あったという。

厳しい訓練と規律の理由
パワハラを繰り返したとして、複数の幹部自衛官が降任処分という極めて厳しい懲戒処分を受けたことに対し、違和感を覚えたのは筆者だけではあるまい。パワハラがどういう状況で行われたのか知る立場にない筆者が、軽々に物申すことは控えなければならない。
一般的に言えるのは自衛隊は有事、極限状況下でも国家、国民を守るために、防衛任務を果たさなければならない。自(おの)ずと訓練は厳しくなり、規律の厳格さも徹底して要求される。そうした特殊性を度外視し、一般社会と同等の基準や価値観で判断しているとしたら、将来蹉跌(さてつ)をきたす可能性がある。
米海兵隊は4軍の中の最精鋭を誇り、新兵の訓練も厳しい。入隊教育期間は13週間に及び、4軍の中でも最も長く、苛烈な訓練が行われる。着隊した途端、罵詈(ばり)雑言が面と向かって浴びせかけられ、個性を徹底的に否定される。部隊の一員として自覚させられ、命令に対する絶対的服従を徹底して叩(たた)き込まれる。戦場ストレスを克服して任務を遂行するのに欠かせない訓練である。脱落者は容赦なく除隊させられ、厳しい戦闘訓練や罵詈雑言のストレスに耐えた者だけが「Marine(米海兵隊員)」と名乗ることを許される。これをパワハラと切って捨てれば、米海兵隊の精強性は崩壊する。
同様に、国家防衛という至上の任務を与えられている自衛隊が、一般社会とハラスメント基準が同じであってよいわけがない。セクハラについては、規律、団結維持の観点から、一般社会よりもっと厳格な基準が必要であり、罰則についてもより厳しくすべきだろう。パワハラについても、一般社会と基準が違って当然だ。

一般社会の「定義」でいいか
防衛省におけるパワハラは、「階級、職権、期別、配置等による権威若(も)しくは権力又は職場における優位性を背景に、職務の適正な範囲を超えて、隊員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又は職場環境を悪化させる行為」と定義されており(防衛省ホームページ)、「職務」には、教育訓練も含まれる。
この定義だと米海兵隊の新兵教育は「組織的パワハラ」と断罪されかねない。平時におけるデスクワークの職場では、それでいいかもしれないが自衛隊の任務は戦闘に勝つことだ。想定される実戦状況下、そのための教育訓練で、この定義はそのまま適用できない。
軍隊と一般社会とでは、価値観が違う。だからこそ、軍法があり、軍法会議がある。一般社会の基準や価値観で軍事行動を裁くことはできない。自衛隊は「軍隊」ではないが軍事組織である。日本国憲法において特別裁判所の設置が禁じられており、自衛隊には軍法も軍法会議も存在しない。ここに問題の淵源(えんげん)がある。
大戦後、同様な位置付けに置かれたドイツ軍も軍法はなかった。だが冷戦後、NATO域外派遣が合憲とされた判断に合わせて、軍法を制定した。軍事裁判所は未だ設置されていないため、一般司法裁判所で軍法に基づき裁かれる。有事がリアルになった昨今、自衛隊も軍法の必要性が語られるが、ここではひとまずおく。

萎縮し、精強性減じるな
戦場で心身ともに極限状況で任務を完遂するには、並外れた気力、体力、忍耐力、そして戦場ストレスへの耐性が求められる。自衛官は厳しい教育訓練を通じて、この能力を身につける。厳しい訓練には苦痛が伴う。だが苦痛に耐え、乗り越えてこそ精強性が身につく。苦痛に心が萎えそうになった時、罵詈雑言に近い言葉で兵士を奮い立たせるのは、指揮官の役目である。それをパワハラと断罪するのは、精強な自衛官育成を放棄しているに等しい。
座禅で睡魔や邪念が入るような時、僧侶が修行者を警策(きょうさく)で打つ。これを「暴力」と非難する人はいない。警策で打つ行為は、坐禅(ざぜん)修行が円滑に進むようにという「慈悲」であり「愛の鞭(むち)」である。
筆者もパイロット学生時、教官から罵詈雑言を浴びせかけられることは日常茶飯事だった。それは極限状態にあってミスを起こさないための「警策」であった。おかげで35年間のパイロット生活を無事終えることができたと心から感謝している。
「パワハラ」と「愛の鞭」との境界は、曖昧である。時々の状況や環境にもよる。軍法のない自衛隊が、大声で叱咤(しった)激励することさえ一律に「パワハラ」と断罪すれば、指揮官や指導者を萎縮させるに違いない。結果的に精強な自衛隊育成の足枷(あしかせ)になると懸念する。自衛隊に対し、一般社会の基準や価値観を安易に適用することには慎重であるべきだ。自衛隊の精強性を減じ、ひいては日本の抑止力の低下につながりかねないのだ。(おりた くにお)

防衛白書記載に韓国が抗議 竹島領有主張「撤回を」(産経N)


【ソウル=桜井紀雄】韓国外務省は28日、日本政府が令和5(2023)年版防衛白書で韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)の領有権を主張したことを受け、在韓日本大使館の公使を呼んで抗議した。「不当な領有権主張を繰り返したことに強く抗議し、即刻撤回を求める」とする報道官論評も発表した。
韓国国防省も同日、日本大使館の防衛駐在官を呼び抗議した。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、日本との安全保障協力強化を進める一方、島の領有権を巡っては、断固対応する立場を示している。

防衛白書に初めて明記された「敵基地攻撃能力」 行使する際の定義があいまいでは…(東京新聞)


浜田靖一防衛相は28日の閣議で、2023年版の防衛白書を報告した。昨年末に改定した国家安全保障戦略に盛り込んだ敵基地攻撃能力(反撃能力)保有を初めて明記。能力保有につながる長射程ミサイルの必要性を強調した。ただ、記載した定義では、どのような場面で能力を行使するのかは曖昧で、識者は「防衛費を倍増させるのだから国民の理解を得る説明をすべきだ」と求める。(川田篤志)

◆1ページ超を使って解説した2つの定義
 白書では軍拡を進める中国や北朝鮮、ウクライナに侵攻するロシアを念頭に、日本は「戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境」に直面していると分析。対抗するため敵基地攻撃能力の保有に加え、本年度からの5年間で43兆円を投じ、27年度までに防衛費を関連経費と合わせ倍増させる「従来とは全く異なる水準の予算規模」で防衛力を強化する方針を強調した。
 敵基地攻撃能力に関しては、1ページ超を使って解説。中国や北朝鮮を念頭に、日本のミサイル防衛システムでは迎撃が困難とされる極超音速ミサイルの開発などを受け、保有の必要性を主張。自衛のための措置で、対象を軍事目標に限るなど憲法や国際法の範囲内で行使するとも説明した。
 定義は2つを併記した。1つは「ミサイル防衛で飛来するミサイルを防ぎつつ、相手からのさらなる武力攻撃を防ぐために、わが国から有効な反撃を加える能力」と説明。具体的な記述はないが、先に仕掛けてきた相手のミサイルの飛来を減らすため、発射基地などをたたくことを想定しているとみられる。
 2つ目で、相手の武力攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限の措置として「相手の領域において反撃を加える能力」と位置づけた。こちらも直接の言及はないが、密接な関係にある米軍などが攻撃され、日本が他国を武力で守る集団的自衛権を行使するシナリオも含まれるとみられる。

◆懸念を払拭しようとして理解しにくく
 慶応大の神保謙教授(国際安全保障論)は取材に、2つの定義は「複雑でわかりにくい」と指摘。敵基地攻撃能力が国際法に反する先制攻撃に当たるという懸念を払拭しようと、第1の定義を強調したことにより、理解しにくくなっていると分析する。
 第2の定義は台湾に軍事侵攻する中国に対し、米軍とともに自衛隊が参戦するシナリオも想定されると指摘。だが、長射程ミサイルで中国艦船をたたくのか、中国本土の飛行場なども攻撃するのかなど具体的な方針は曖昧で「中国による報復で不要なエスカレーションを招く恐れがある」と問題視する。
 浜田防衛相は28日の記者会見で、説明が不十分ではないかとの問いに「保有の背景など必要な記載に努めた」と強調したが、神保氏は「運用はプロに任せろでは国民は納得しない」と疑問を投げかける。

防衛白書 防衛力の抜本的強化へ「反撃能力」必要性を強調(NHK)


ことしの防衛白書は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中、防衛力の抜本的強化を行っていくとした上で、初めて保有することを決めた、相手のミサイル発射基地などを攻撃できる「反撃能力」の必要性を強調しています。
防衛白書は、28日の閣議で報告されました。
この中で中国については、無人機の活動が活発化していることや、ロシア軍との共同での活動がたび重なっているなどとして、日本と国際社会にとって安全保障上の深刻な懸念事項だとしています。
また弾道ミサイルの発射を繰り返している北朝鮮については、おととし打ち出した「5か年計画」に沿って、関連技術の開発を「自衛的」な活動として常態化させていると指摘しています。
その上で日本の防衛体制について、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中、相手の能力と新しい戦い方に着目した防衛力の抜本的強化を行っていくとしています。
そして、その一環として初めて保有することを決めた、相手のミサイル発射基地などを攻撃できる「反撃能力」について、日本への侵攻を抑止する上で「鍵」となると、その必要性を強調しています。
一方で専守防衛の考え方を変更するものではなく、攻撃は厳格に軍事目標に限定するとしています。
このほか、元陸上自衛官の女性が性被害を受けたことを踏まえ、ハラスメントについての項目を新たに設け、一切許容しない組織環境を構築していくことも盛り込んでいます。

中国 台湾 北朝鮮の軍事動向
中国をめぐっては、アメリカとの軍事力の格差を埋め合わせるため、軍隊にAI=人工知能などの最先端の技術を用いる「智能化」が必要条件であると認識し、陸・海・空で無人機の装備品の自律性を高めることなどを追求しているとしています。
そして将来的に「智能化戦争」でアメリカに「戦える、勝てる」軍隊の建設を目指し、近代化の動きは今後さらに加速すると見込まれるとしています。
台湾をめぐっては、去年8月、中国が9発の弾道ミサイルを発射し、このうち5発が日本のEEZ=排他的経済水域内に着弾したことや、台湾周辺でおよそ1週間にわたって大規模な軍事演習を行ったことに触れています。
そして中国軍による威圧的な軍事活動の活発化により、台湾海峡の平和と安定について、日本を含むインド太平洋地域のみならず、国際社会において急速に懸念が高まっているとしています。
また中国と台湾の軍事バランスについて、全体として中国側に有利な方向に急速に傾斜する形で変化している一方、台湾もウクライナ侵攻を受けて自身の防衛努力を強化しているとしています。
北朝鮮をめぐっては、去年、かつてない高い頻度で弾道ミサイルなどの発射を繰り返し、その数は少なくとも59発に及ぶとしています。
1年を通してミサイル関連技術・運用能力向上を追求してきた背景には、核・長距離ミサイルの保有による対米抑止力の獲得、米韓両軍との武力紛争に対処可能な、戦術核兵器およびその運搬手段である各種ミサイルの整備というねらいがあると見られるとしています。
そして北朝鮮が紛争のあらゆる段階において事態に対処できるという自信を深めた場合、軍事的な挑発行為がさらにエスカレートしていくおそれがあるとして、日本の安全保障にとって、従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威だとしています。

安全保障関連3文書 位置づけや内容記載
ことしの防衛白書には、去年策定された安全保障関連の3つの文書について、それぞれの位置づけや内容が記載されています。
このうち「国家安全保障戦略」については国家安全保障の最上位の政策文書で、外交・防衛分野のみならず、経済安全保障、技術、情報も含む幅広い分野の政策に戦略的な指針を与えるものだとしています。
「国家防衛戦略」は、国家安全保障戦略を踏まえ、防衛の目標や達成するためのアプローチ・手段を示す、これまでの防衛計画の大綱に代わるもので、国家安全保障戦略ともに、おおむね10年間程度の期間を念頭に置いています。
「防衛力整備計画」は、国家防衛戦略に従い、防衛力の水準やそれに基づくおおむね10年後の自衛隊の体制、5年間の経費総額や主要装備品の整備数量を示しています。
この中に、防衛力の抜本的な強化策である「スタンド・オフ防衛能力」「無人アセット防衛能力」など7つの主要事業や、計画の実施に必要な金額として2023年度から2027年度までの5年間で43兆円程度とすることが盛り込まれています。
白書にはまた「防衛力整備計画」に基づく各自衛隊の体制強化のポイントも記載されています。この中では、各自衛隊の統合運用の実効性強化に向けて、平素から有事まであらゆる段階において領域横断作戦を実現できる体制を構築する必要があるとして、速やかに常設の統合司令部を創設するとしています。
陸上自衛隊は、南西地域の防衛体制を強化するため、沖縄県にある第15旅団の師団への改編を計画しているほか敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」を装備した部隊を配備するとしています。
海上自衛隊は、護衛艦や掃海艦艇、哨戒艦を同じ部隊で管理する「水上艦艇部隊」を編成することや既存の部隊編成を見直し、海自情報戦基幹部隊を創設するとしています。
航空自衛隊は、F35戦闘機の取得を加速させるほか、F15戦闘機やF2戦闘機の能力向上を推進するとしています。
また宇宙領域の重要性が高まっているとして、宇宙領域専門部隊を新たに編制するとともに、航空自衛隊の名称を「航空宇宙自衛隊」に改称するとしています。

「10年間の世界の変化」を特集
ことしの防衛白書は、「10年間の世界の変化」を特集しています。
この中で中国については、公表されている国防費が2.2倍になったことや、太平洋では2013年以降、日本海では2016年以降軍用機を飛行させ、活動の範囲を拡大・活発化させていて「海上・航空戦力や核・ミサイル戦力を中心に、軍事力を広範かつ急速に強化している」と指摘しています。
北朝鮮については、弾道ミサイルなどの発射数が、2013年から2022年までは、その前の15年間と比べると8.4倍になっているとし、この10年でミサイル関連技術が飛躍的に向上しているとしています。
ロシアについては、この10年間で北方領土を含む極東に新型装備を配置し、ミサイル能力を増強しているとしています。

ウクライナ侵攻「長期化する可能性指摘」
ロシアによるウクライナ侵攻については去年から今年にかけての戦闘の経過や今後の見通しなどが記されています。
この中では去年の9月上旬にウクライナが反転攻勢を本格化させ、東部でロシア軍が占領していた地域の大部分を奪還し、11月中旬にはヘルソン州なども奪還したとしています。
一方でロシアはウクライナ全土へのミサイル攻撃などを強化し、電力網に被害を与え、非戦闘員の犠牲を拡大させることで、ウクライナの抗戦意思を減らす企図があると見られるとしています。
今後の見通しとしては「戦闘が長期化する可能性が指摘されている」としています。
またウクライナ侵攻からの教訓として「力による一方的な現状変更は困難であると認識させる抑止力が必要であり、防衛力を構築し、相手に侵略する意思を抱かせないようにする必要がある」としています。

浜田防衛相「防衛力抜本的強化の方向性を解説」
浜田防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「国家安全保障戦略など3文書の策定後初めて刊行される白書で、3文書策定の経緯や概要をしっかりと記述した。今の日本の安全保障環境は誰が見ても厳しく、今後の防衛力抜本的強化の方向性について解説した」と述べました。

韓国 竹島についての記述に抗議
防衛白書が島根県の竹島を「わが国固有の領土」と記載していることに反発して、韓国外務省は28日、報道官の論評を発表しました。
このなかで、竹島を「トクト(独島)」と呼んで韓国の領有権を主張した上で、竹島の記載について「即刻撤回するよう求める」としています。
また、韓国外務省のソ・ミンジョン(徐旻廷)アジア太平洋局長が28日午前、ソウルにある日本大使館の山本公使を呼んで、竹島についての記述に抗議しました。
一方、日本大使館によりますと、山本公使は韓国側に対して「竹島は歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も、明らかにわが国固有の領土だ」と述べ、韓国側の申し入れは、受け入れられないと反論したということです。

松野官房長官「きぜんと対応」
松野官房長官は午後の記者会見で、防衛白書に島根県の竹島を「わが国固有の領土」と記載したことに韓国側が抗議したことについて「竹島は歴史的事実に照らしても国際法上も明らかにわが国固有の領土であり、韓国側からの申し入れは受け入れられないと反論した。引き続き、わが国の領土、領海、領空を断固として守り抜くという決意のもときぜんと対応していく」と述べました。

中国 報道官「“中国の脅威” 故意に誇張」
防衛白書が中国をめぐりロシア軍との共同での活動がたび重なっているなどとして、日本と国際社会にとって安全保障上の深刻な懸念事項だとしていることについて、中国外務省の毛寧報道官は28日の記者会見で「中国の内政に乱暴に干渉し、正常な国防の発展や海軍と空軍の活動を好き勝手に中傷するとともにいわゆる『中国の脅威』を故意に誇張して地域に緊張を作り出している」と反発しました。
そのうえで「中国は強烈な不満と断固とした反対を表明し、日本に厳正な申し入れをした」と述べました。
そして「われわれは日本が周辺の安全保障への脅威を誇張することをやめ、実際の行動でアジアの周辺国と国際社会の信頼を得ることを求める」と強調しました。

米紙“ウクライナ軍 数千人規模の兵士を投入” 反転攻勢強化か(NHK)


ロシアによるウクライナへの侵攻が続く中、アメリカの有力紙は26日、アメリカ当局者の話としてウクライナ軍が数千人規模の兵士を南部に投入したと伝えました。ウクライナが反転攻勢を強めているとみられ、南部での攻防が全体の戦況にどのような影響をもたらすのかが今後の焦点となりそうです。

26日付けのアメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは、アメリカの当局者の話としてウクライナ軍が数千人規模の兵士をウクライナ南部に投入したと伝えました。
投入したのはザポリージャ州とみられ、兵士の多くが欧米各国による訓練を受け、供与された兵器を装備しているということです。
ロシアが一方的に併合したクリミアに通じるロシアの支配地域を東西に分断させるねらいで、まずはザポリージャ州の要衝トクマクを目指すとしています。
こうした中、ロシア国防省は26日朝からウクライナ軍がザポリージャ州のオリヒウ方面で大規模な攻勢を再開したと26日発表し、ロシア軍がすべて撃退したと主張しました。
ロシアのプーチン大統領は27日、国営メディアのインタビューで前線の状況について問われたのに対し、「ここ数日、戦闘が激化していることは確かだ」としたうえで「主な戦闘はザポリージャ方面で起きた」と述べて、南部で激しい戦闘となっていることを認めました。
ウクライナが反転攻勢を強めているとみられ、南部での攻防が全体の戦況にどのような影響をもたらすのかが今後の焦点となりそうです。

ウクライナが南部で反攻本格化 ロシア支配地の分断狙い(産経N)


ロシア国防省は26日、ロシアが大半を支配する南部ザポロジエ州方面で同日朝、ウクライナ軍が大規模攻撃を再開したと発表した。ロシア側は全て撃退したとしたが、ウクライナは部隊が段階的に前進していると主張した。米紙ニューヨーク・タイムズは米当局者の話として、ウクライナが6月に始めた反転攻勢を本格化させたと伝えた。
ロシアのプーチン大統領は27日、国営テレビに対し、ウクライナ軍がザポロジエ州方面で26日ごろから攻勢に出たことを認めた上で「敵方はわが軍の反撃で大きな損害を出した。大規模反攻は成功していない」と強調した。
両軍はザポロジエ州オリヒウ周辺で激しく交戦。同紙によると、ウクライナは数千人規模の部隊を新たに投入。オリヒウ南方のトクマクや、アゾフ海に近い拠点都市メリトポリへの進軍を目指している。ロシアの実効支配地域を東西に分断する狙いがあるとみられる。(共同)

北朝鮮の戦術核への適正な抑止 防衛大学校教授・倉田秀也(産経:正論)


以前本欄でも指摘した通り、北朝鮮は大別して2つの戦争を想定している。その一つは米国からの直接の核攻撃であり、大陸間弾道ミサイル(ICBM)はそれを抑止するために配備される。いま一つは、朝鮮半島内部での通常兵力による南北間の軍事衝突が在韓米軍、ひいては在日米軍の介入にエスカレートする戦争である。

「金正恩政権の終焉」の警告
北朝鮮が配備しようとする戦術核は、通常兵力による戦闘が全面戦争にエスカレートしようとしたとき、基地、司令部などの軍事目標を標的に使用されるもので、大都市を壊滅し、多くの人口を殺傷することを目的としていない。
敵側の武力行使がエスカレートすることに対して、それを上回るエスカレートの用意を示して、敵側にそれ以上の武力行使をためらわせる段階を設けることがある。これをエスカレーション・ラダー(梯子(はしご))という。北朝鮮の戦術核は、そのエスカレーション・ラダーのうち、最初の核によるラダーに位置づけられる。
これに対し韓国で尹錫悦政権の発足を受け、米韓間の拡大抑止の強化が謳(うた)われるなか、常套(じょうとう)的に用いられている言辞がある。2022年11月、ワシントンでの米韓安保協議会でオースティン米国防長官は「米国、あるいは同盟国、パートナーに対する非戦略核を含むいかなる核攻撃も…金(正恩)体制の終焉(しゅうえん)に帰結する」と述べた。
さらに今年4月末、尹大統領が訪米し、バイデン米大統領と発表した「ワシントン宣言」は、北朝鮮が韓国に対して核兵器を使った場合、「圧倒的かつ決定的な対応をとる」と明記し、バイデン氏は会見で、北朝鮮が核を使用すれば政権が「終焉する」との警告を発した。政権が「終焉する」とは、明言はされていないものの平壌に対する核使用を示唆している。
ウクライナ戦争でロシアの戦術核使用が懸念されるなか、核使用を許さない意志表明としてはともかく、北朝鮮が爆発力を制御した戦術核を使用することに対し、果たして抑止論として有効か。

指導部失ったときの核使用
米国では過去―その正当性はともかく―核開発を進める北朝鮮に武力行使が主張されたことがある。断念せざるをえなかったのは武力攻撃で北朝鮮の政治体制を崩壊させたとしても、北朝鮮の第2撃能力で同盟国を犠牲にできないとの判断からであった。北朝鮮のICBM開発に伴い、米国が犠牲にしなければならないのは、いまや米本土にも及ぼうとしている。
加えて、北朝鮮は核使用のハードルを下げつつ、米国が核による報復を行うことがいかに「不合理」な選択であるかを誇示している。22年9月の最高人民会議で採択された核に関する法令では5つの「核兵器の使用条件」が示され、「敵対勢力」による核・非核攻撃が「差し迫った」と判断される場合が挙げられた。「戦争の拡大と長期化を防ぎ、戦争の主導権を掌握するため」として戦術核の使用を示唆していた。さらに、この法令は「国家核戦力に対する指揮統制システム」が「危険に瀕する場合」には「事前に決まった作戦方案に従って」核が自動的に使用されるとも明記していた。
北朝鮮が「敵対勢力」による核、あるいは非核攻撃が「差し迫った」と判断して戦術核を使用した場合、米国が報復することになるであろう。金正恩政権を「終焉」させることもできよう。しかし、北朝鮮は「事前に決められた作戦方案」に従って「報復に対する報復」を行うことになる。指導部を失った北朝鮮は使う核兵器をあえて戦術核に限ることはない。東京、ワシントンに向かうこともある。北朝鮮の戦術核使用に対し東京、ワシントンの人口を危殆(きたい)に晒(さら)すことは果たして合理的か。

エスカレーションの阻止
北朝鮮が朝鮮半島内部で使う戦術核の配備を急ぐなか、その使用を抑止するために求められるのは、応分の核戦力となる。それはグアムから戦略爆撃機に搭載される低出力核か、トランプ政権末期に潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)に配備された低出力核しかない。確かに、米国が応分の報復の用意を示したにもかかわらず、北朝鮮がいったん戦術核を使用すれば、エスカレーションが止まらないこともありえる。しかし、米国と日本は北朝鮮の戦術核使用を抑止する上で、低出力核で十分か―十分でないとすれば、より強固なエスカレーション・ラダーをどのような核戦力と通常戦力で構築するかが議論されなければならない。
北朝鮮の中距離核ミサイルに対して米国は、地上はもとより、海上、海中にも中距離核ミサイルを配備していない。だからこそ、北朝鮮が戦術核使用という核による最初のエスカレーション・ラダーに足をかけることを阻止し、それが失敗した場合にも、それ以上の核使用を躊躇(ちゅうちょ)させることが適正な抑止となる。米国が北朝鮮に発すべき警告は、米国が一気にエスカレーション・ラダーを駆け上がり、東京とワシントンを危殆に晒すことではないはずである。(くらた ひでや)

習近平氏、インドネシアに「2プラス2」提案 首脳会談(日経)


【北京=田島如生】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は27日、中国を訪問中のインドネシアのジョコ大統領と四川省成都で会談した。両国の戦略的協力を深めるため、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の新設を提案した。
中国国営新華社が伝えた。習氏は「両国の外相と国防相による2プラス2の対話メカニズムを立ち上げ、高水準の戦略的な相互信頼を築きたい」と述べた。

北朝鮮 軍事パレード実施をきょう国営メディアで発表か(NHK)


韓国メディアは、北朝鮮が27日夜、朝鮮戦争の休戦70年にあわせて軍事パレードを行ったと伝えました。北朝鮮は28日、国営メディアを通じて発表するとみられ、後ろ盾の中国とロシアの代表団が見守る中で新型兵器が登場したのかや、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が演説してアメリカなどにメッセージを打ち出したのかが注目されます。

韓国の通信社、連合ニュースによりますと、北朝鮮が「戦勝記念日」と位置づける、朝鮮戦争の休戦協定の締結から70年となったのにあわせて、首都ピョンヤン中心部の広場では27日夜8時ごろから記念式典が始まり、その後、軍事パレードが行われたということです。
北朝鮮による軍事パレードはことし2月以来で、2020年10月以降、5回連続で夜間に実施されたことになります。
これに先だって、国営の朝鮮中央テレビは、キム・ジョンウン総書記がロシアのショイグ国防相とともに「武装装備展示会」の会場を訪れた際の映像を放送し、今月12日に2回目の発射実験が行われた固体燃料式の新型ICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星18型」や、新たに開発されたとみられる大型の無人機などが映し出されました。
北朝鮮は28日、国営メディアを通じて、軍事パレードの実施を写真や映像とともに発表するとみられ、後ろ盾の中国とロシアの代表団が見守る中で新型兵器が登場したのかや、キム総書記が演説してアメリカなどにメッセージを打ち出したのかが注目されます。

プーチン大統領が北朝鮮にメッセージ 連携強化の意向強調
ロシア大統領府は27日、北朝鮮に向けたプーチン大統領のメッセージを発表しました。
この中でプーチン大統領は、キム・ジョンウン総書記に対して「戦勝70年を心からお祝いする」とした上で「現代の脅威と挑戦に直面する中で、友好、善隣、相互扶助の輝かしい伝統を守り高めていくことは、とりわけ重要だ」とアピールしました。
そして「ウクライナにおける特別軍事作戦を北朝鮮が強く支持し、重要な国際問題でロシアと連帯していることは、西側の政策に反対するという、共通の利益と覚悟をいっそう際立たせている」として、ウクライナへの軍事侵攻をめぐって、対立を深める欧米に対抗するため北朝鮮との連携を強化する意向を強調しました。

過去の大規模な軍事パレード
北朝鮮は、朝鮮労働党や軍の記念日などにあわせて、キム・ジョンウン総書記の出席のもと、首都ピョンヤン中心部の広場で大規模な軍事パレードを行い、みずからの軍事力を誇示してきました。
2020年10月の党創立75年にあわせて行われた軍事パレードでは、北朝鮮で最大の片側11輪の移動式発射台に搭載されアメリカ全土を射程におさめるとされる液体燃料式のICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星17型」を初めて公開しました。
また、その際「北極星4」と記されたミサイルが、続いておととし1月の軍事パレードでは「北極星5」と記されたミサイルが、それぞれ公開され、新型のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルとみられていました。
さらに、軍の創設から75年となったことし2月の軍事パレードでは「火星17型」が10基以上登場したほか、片側9輪の移動式発射台に搭載され液体燃料式よりも迅速に発射できる固体燃料式の新型のICBM級の「火星18型」が初めて公開されました。
一方、2020年以降の軍事パレードはいずれも夜に会場をライトアップする形で行われていて、前回はキム総書記が初めて娘を伴って出席していました。

航空自衛隊と仏航空宇宙軍が国内初の共同訓練 “連携強化を”(NHK)


航空自衛隊は、フランス航空宇宙軍と国内では初めてとなる共同訓練を行っていて、27日、双方のトップが記者会見して連携を強化していく考えを示しました。
航空自衛隊とフランス航空宇宙軍の共同訓練は、宮崎県にある新田原基地を拠点に26日から行われていて、双方の戦闘機や輸送機など合わせておよそ10機が参加しています。

27日、新田原基地では記者会見が行われ、航空自衛隊トップの内倉浩昭航空幕僚長が、「今回の訓練は自由で開かれたインド太平洋へのフランスの継続的な関与につながると考えている」と述べました。
これに対し、フランス航空宇宙軍トップのステファン・ミル参謀長は「フランス軍戦闘機の初の日本訪問という歴史的な場に立ち会えて大変光栄だ。よりよい相互関係を築くきっかけとなるだろう」と述べました。
航空自衛隊とフランス航空宇宙軍が日本国内で共同訓練を行うのは初めてで、今回は編隊を組んで飛行するなど、戦術的な訓練を29日まで行うということです。
航空自衛隊は、去年の秋以降、ドイツとインドの空軍ともそれぞれ国内では初めてとなる共同訓練を行っていて、活動を活発化させている中国軍を念頭に、各国との連携を強化したいねらいがあるとみられます。

秦剛外相解任 習氏への打撃は不可避だ(産経:社説)


中国の秦剛外相が就任後7カ月で解任された。世界2位の経済大国の顔ともいうべき外相の動静が1カ月途絶えた末の更迭劇だ。しかも解任が発表された際、その理由を中国政府は一切説明しなかった。異様というほかない。
昨年末に外相に就任した秦氏は今年3月の初会見で、憲法の条文を読み上げ「台湾は中国の領土の一部だ」と主張し、「中国の意思と能力を過小評価してはならない」と述べた。恫喝(どうかつ)を厭(いと)わない物言いで、戦狼(せんろう)外交官として知られていた。

4月には、中国の仲介で外交関係を正常化させたイランとサウジアラビア両国の外相を北京に招いて会談を行った。しかし、6月25日にロシアなど3カ国の高官と北京で会談したのを最後に、公の場から姿を消した。
以後、新型コロナウイルスに感染したとの報道や健康不安説、さらには女性問題で調査を受けているといった報道など、さまざまな臆測が流れた。解任の理由は不明だが、中国外務省のホームページではすでに秦氏の外相就任後の活動記録は公開されていない。前任の王毅・中国共産党政治局員が約10年、外相を務めたことを考えると秦氏の任期の短さは際立つ。
解任劇で改めて浮かび上がるのは、中国共産党指導体制の意思決定過程の不透明さだ。外相が理由不明のまま更迭される事態は国際的信用にかかわる問題である。習近平政権が掲げる「大国外交」への打撃は避けられまい。
秦氏が駐米大使に起用された後1年余りで外相に抜擢(ばってき)され、その3カ月後に副首相級の国務委員に任命されるスピード出世を果たした背景には、外務省儀典局長時代に信頼を得た習氏のツルの一声があったとされる。秦氏の解任が今後の習体制にどのような影響を与えるのか。権力闘争の行方も注視する必要がある。

中国の外交政策を決めるのは習氏がトップを務める党中央外事工作委員会であり、外相更迭で中国の外交政策が大きく変化することはない。ただ、後任の外相には王毅氏が返り咲く。これまでと違い王氏は、中国共産党指導部メンバーの政治局員だ。
王氏は対日強硬派として知られる。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出計画などで中国と懸案を抱える日本政府は、これまで以上に警戒しなければならない。

スウェーデンの加盟めぐる思惑 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛(産経:正論)


「エルドアン」を抑え込む
初代の北大西洋条約機構(NATO)事務総長だった英国のヘイスティングス・イスメイ卿は「アメリカ人を引っ張り込み、ロシア人を締め出し、ドイツ人を抑え込んでおく」のがNATOの目的だ、と喝破した。
それをもじれば、今日のNATOは、「スウェーデン人を引っ張り込み、ロシア人を締め出し、トルコのエルドアン大統領を抑え込んでおく」ことに、躍起になっている。
ロシア人、その代表たるプーチン大統領を締め出す必要は、別に説明を要しまい。スウェーデンは中立主義の国である。禁酒主義者が、はずみでアルコールの味を覚えて愛飲家になる例はままある。そうたとえるのは、国家の命運がかかる今日のスウェーデンの場合、適当ではあるまい。
昨年5月16日、スウェーデンのアンデシヨン首相(当時)は熟慮の末、自国のNATO加盟申請に踏み切った。その動機が今日のロシアのウクライナ侵略の深刻さにあることは、NATO加盟国間では周知である。
いや例外がなくはない。トルコのエルドアン大統領である。米紙「ニューヨーク・タイムズ」(2022年5月30日付)は「NATOにとり、トルコは破壊を好む同盟国だ」と見出しを打ち、こう報じたことがある。「トルコのエルドアン大統領が今月、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟をブロックすると脅しをかけたところ、西側諸国は憤慨した。が、ショックではなかった」
なぜショックではなかったのか。エルドアン大統領が政治的駄々(だだ)っ子であることは、欧米では周知の事実だからだ。

ロシアのプーチン大統領は
ところで、フィンランドは今年4月4日に31番目のNATO加盟国になった。残るはスウェーデンだけであった。が、スウェーデンの加盟に難色を示してきたのは、トルコのエルドアン大統領だけではない。ロシアのプーチン大統領もアンチ・スウェーデンである。
ただ、プーチン大統領は普通の政治家ではない。冷戦下、ドイツが東西に分断されていた時代に、彼はKGB将校として東独のドレスデンで幅を利かせていた。
だからスウェーデンのNATO加盟問題についてのプーチン大統領の反応について、ドイツの「ツァイト」紙は1年半ほど前に、こう書いていた。見出しは「スウェーデン、NATO加盟を申請の意向、プーチン、またまた仕返しの脅し」。
ウクライナとゼレンスキー大統領で頭がいっぱいのプーチン大統領殿にそんな余裕があるのだろうか。どうやら、あるらしい。というのも、ツァイト紙にはこうあるからだ。「プーチン大統領は、予定されているNATO拡大には、しかるべき対応をとると述べ、…ロシアによるしかるべき対応を覚悟しろと挑発した」
だが一体、ロシアにどんな対応策があるのだろう。ロシア国内では、一時武装蜂起した民間軍事会社ワグネル創設者、プリゴジン氏の問題がくすぶっている。プーチン、プリゴジン会談は実現したというが、プリゴジン氏を悪者扱いしてきたプーチン大統領のメンツが潰れただけの話である。悪者扱いされてきた男は失うものがないが、大統領殿が男を下げたことは間違いない。

今後になお波乱あるか
さて、スウェーデンを取り巻くNATO情勢は急変している。例えば、ドイツの「南ドイツ新聞」は6月14日、「NATO拡大問題―エルドアンはスウェーデンを震え上がらせている」との見出しで、こう書いていた。「スウェーデンは、NATO首脳会談の開催以前に、NATO加盟国になるだろうとみられていた。が、アンカラとストックホルムを隔てる壁は依然として存在している」
その4週間前には、ツァイト紙が「スウェーデンはNATO加盟申請を正式表明、プーチンはまたもや反対の脅しをかけている」と書いている。同様の記事は、米国でも英国でもあった。あって当然である。NATO加盟国にとっては、ロシアに対抗するためにはヨーロッパの北辺を重視する必要があるのだから。
さていよいよ大詰め。「ストルテンベルグNATO事務総長は、スウェーデンに対するNATO招聘(しょうへい)問題を前進させることでトルコが同意と発表」(ロイター電、7月11日)。この見出しがすべてを語っているが、念のためNATOのホームページを調べてみよう。
すると案の定…。「NATO事務総長は、スウェーデンの加盟議定書を議会に上程するとのトルコの決定を歓迎」との見出しで、「エルドアン大統領がスウェーデンのNATO加盟議定書をトルコ大国民議会に可能な限り速やかに上程すると表明した」と報じた。が、「上程」は今後のことだ。トルコの欧州連合(EU)加盟問題もからむ。
エルドアン大統領の過去の言動に照らして、今後もなお波乱があると私は予想している。どうだろうか。(させ まさもり)

米クラスター弾 使わずにすむ体制作りを急げ(読売:社説)


ウクライナの反転攻勢を支えるためとはいえ、米国が非人道的な兵器を供給し、前線で使われるなど、不幸な事態が拡大しているのは残念だ。
 その原因を作ったロシアの侵略を改めて非難する。
 ウクライナ軍が、米国からクラスター弾の供与を受け、 榴弾りゅうだん 砲の砲弾などとして、実戦での使用を始めた。米国がウクライナに支援してきた通常砲弾の在庫が減少しており、ウクライナ側は弾薬の補給を求めていた。

 クラスター弾は、内蔵した大量の小型爆弾が飛散する仕組みで、殺傷力が高い。通常の砲弾よりも広範な地域を制圧できる。
 ウクライナの反転攻勢がロシアの防衛線に阻まれ、大きな成果が出ていない中、クラスター弾は、露軍が築いた 塹壕ざんごう などの拠点を突破する効果が期待されている。
 問題は、クラスター弾が持つ非人道性だ。小型爆弾が起爆せず、不発弾となる割合が通常砲弾よりも多いという。このため、戦闘が終了した後、民間人が広範囲に放置された不発弾に触れて犠牲になる事例が少なくない。

 2010年には、クラスター弾の使用や開発などを禁止する国際条約が発効し、日英独仏など100か国超が参加している。一方、米国やロシア、中国、ウクライナなどは条約に署名しておらず、国際法上の規制は受けない。
 ロシアは、ウクライナ軍のクラスター弾使用を非難しているが、ロシア自身が今回の侵略当初からウクライナの市街地にクラスター弾を撃ち込んできた。まず使用を停止すべきはロシアである。
 一方、ウクライナ軍はクラスター弾を使用する際、民間人が被害を受けるリスクを抑えるため、人口密集地での使用を避け、軍事目標に限定することが重要だ。
 クラスター弾の発射状況を記録し、戦闘終了後に不発弾を除去する取り組みも不可欠になる。除去作業にあたっては、国際社会全体で協力する必要がある。
 バイデン米大統領は今回の供与が非常に困難な決断だったとし、通常砲弾の供給体制が整うまでの一時的な措置だと強調した。
 ウクライナがクラスター弾を使う期間ができるだけ短くなるように、関係国は弾薬の支援体制を強化してもらいたい。
 日本などクラスター弾禁止条約の加盟国は、条約の重要性を指摘しつつ、米国の決定を尊重する立場を示している。非人道的な状況を解消するには、ロシア軍の撤退と侵略の失敗を導くしかない。

ハンガリー外相 “スウェーデンのNATO加盟 妨げず”(NHK)


NATO=北大西洋条約機構へのスウェーデンの加盟について、トルコとともに承認していないハンガリーの外相は「妨げになることはない」と述べ、今月加盟を承認する立場を表明したトルコよりも早く、国内の議会で承認の手続きが行われる見通しを示しました。
スウェーデンのNATO加盟をめぐっては、すべてのNATO加盟国の承認が必要ですが、トルコとハンガリーが承認していません。

このうちトルコは、今月承認の手続きを進めることでスウェーデンと合意し、エルドアン大統領は議会での承認が閉会中の議会が再開することし10月以降になるという見通しを示しています。
これについて、日本を訪れているハンガリーのシーヤールトー外相は26日、都内でNHKのインタビューに応じ「われわれは加盟に反対したことはない。政府は支持している」と強調しました。
そのうえで「決定はすでに議会にゆだねられている。9月中旬の議会の開会前には議員が集まるはずだ。ハンガリーが妨げになることはない」と述べ、スウェーデンのNATO加盟についてトルコよりも早く、議会で承認の手続きが行われるという見通しを示しました。
また、ハンガリーがウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアからエネルギーの輸入に頼っていることについては、「現実的な関係を維持したいと思っている。ロシアとの対話のチャンネルが開かれていれば、和平に向けた交渉が行われる希望がある」と述べ、ロシアとの関係を維持しながらロシアとウクライナの和平交渉の実現に向けて働きかけていく考えを示しました。

“ロシア 黒海に最新鋭の軍艦配備か” 航行の安全に懸念も(NHK)


ロシア軍がウクライナの東部や南部への攻撃を続ける中、南部の黒海では、海軍が最新鋭の軍艦を配備し民間の船を妨害することもあるとの分析が出ていて航行の安全に懸念が広がる可能性もでています。
ロシア軍は25日もウクライナ東部や南部への攻撃を続けています。
このうち、ウクライナ東部ドネツク州の知事は、ロシア側のミサイル攻撃などで市民2人が死亡し、2人がけがをしたと26日発表しました。

南部ヘルソン州の知事もロシア軍による砲撃で2人が死亡し、3人がけがをしたとしています。
これに対してウクライナ側は、軍の参謀本部が26日、東部ドネツク州の一部の地域でロシア軍の攻撃を撃退したほか、南部ザポリージャ州などでは、ロシア軍の進軍を阻止していると発表しました。
また、アメリカ政府は25日、ウクライナに対し、地対空ミサイルシステムの追加のミサイルなど最大4億ドル相当、日本円にして最大564億円相当の追加の軍事支援を行うと発表し、ウクライナの反転攻勢を後押しするねらいです。

こうした中イギリス国防省は26日、ロシアがウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止したあと、ロシア海軍の黒海艦隊が最新鋭のコルベット艦を黒海の南部に配備したとの分析を発表しました。
イギリス国防省は、コルベット艦はボスポラス海峡とウクライナ南部のオデーサとの間をパトロールしていることから、ウクライナへ向かうとみなした民間の船を妨害することもあるとして「黒海で暴力の範囲と激しさが増すおそれがある」と指摘し航行の安全に懸念が広がる可能性もでています。

中国外相解任、対米外交に影響も 「知米派」突然の退場(産経N)


【北京=三塚聖平】中国の秦剛国務委員兼外相の外相職解任は、異例の3期目に入った習近平政権にとって最初の政治的な事件となった。政府は秦氏の動静に関し回答を避け続け、政権の不透明な体質が改めて浮き彫りになった形。知米派の習外交の「顔」が突然退場することは、最大の課題である対米関係改善に影響を与える可能性がある。

秦氏は昨年末、初代外相を務めた周恩来元首相に次ぐ56歳の若さで外相に就任。今年3月からは国務委員(副首相級)を兼任するスピード出世を果たした。
秦氏の出世について、香港メディアは「最高指導者の高い信頼」の表れだと指摘。習国家主席が抜擢(ばってき)したとみられている。それだけに政府は秦氏の問題に神経をとがらせ、外務省報道官は「提供できる情報はない」などと述べるにとどめた。北京の外交関係者は「異常な事態」と指摘した。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報の胡錫進(こ・しゃくしん)前編集長は今月中旬、中国の交流サイト(SNS)に「敏感な問題なので公に議論できないことは理解できるが、こうした状況は極力短くすべきだ」と投稿。具体的な言及を避けつつも、秦氏の問題について迅速な情報公開を促したとして注目された。

習政権は結局、秦氏の動静不明から1カ月のタイミングで解任を決めたが、ここに至っても具体的な理由を説明していない。
習政権は米国との緊張緩和に動いているが、駐米大使を務めた秦氏の外相解任が与える影響が注視される。外交担当トップの王毅共産党政治局員が秦氏に代わって外相を務めることになるが、王氏は米国での駐在経験はない。既に引退した王氏の前任者である楊潔篪(よう・けつち)氏ら知米派が政権高官に見当たらなくなったと指摘されており、対米政策の立案で強硬論が優先されることも想定される。

自衛隊差別「社説」 人権重んじ尊重の念持て(産経:社説)


浮き彫りになったのは自衛隊員の人権を軽視した問題にとどまらない。沖縄を含む日本を命がけで守っている隊員への敬意を欠いた点も見過ごせない。
自衛隊駐屯地の開設などにより沖縄県石垣市の人口が初めて5万人を上回ったことについて、地元紙の八重山毎日新聞が自衛隊員とその家族を同市の人口に含めることに批判的な社説を掲載した。

同紙19日付社説は、「『自衛隊のおかげで5万人に達した』などと言われたら素直に喜べないのが一般市民の受け止めではないか」とし、「自衛隊員、家族は(人口5万人に)含めずに公表すべきではないか。そんな意見があってもおかしくない」と論じた。
自衛隊員と家族を除いて人口を示すのは暴論で、自衛隊への尊重の念もない。極めて残念だ。
自衛隊を支援する市民有志でつくる八重山防衛協会は「自衛隊員や家族を市民と認めないと言っているばかりか、職業差別を助長させかねない論調」として抗議した。同紙は20日付1面で、「自衛隊員、その家族の皆さまの人権に対する配慮を欠いた表現があったことを深くおわびいたします」とする記事を掲載した。二度と繰り返さないようにすることが大切である。
沖縄が本土復帰した昭和47年から県内に配備された自衛隊には革新(左派)勢力から激しいバッシングを受けてきた歴史がある。
デモ隊が押しかけてきて「人殺し集団は帰れ」とののしられた。隊員の住民登録を拒否したり、電報を受けつけなかったりする嫌がらせが、革新系労組などによって続いた。那覇市では成人式への参加を認めない運動が起きた。これらの被害は家族にも及んだ。

現在の沖縄では約8割もの県民が自衛隊に信頼を寄せている。自衛隊員やその家族の人権が損なわれることはあってはならない。
自衛隊配備の是非を論じること自体はもちろん自由だ。ただし、自衛隊員が「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め」ると宣誓し、命がけで任務を遂行する人々である点への敬意は失わないでほしい。
専制主義の中国が軍拡を続けた結果、八重山諸島は国防の最前線になった。石垣の自衛隊員も、沖縄を含む日本と国民を守るために赴任しているのである。

秦剛外相解任、後任は王毅氏 理由や動静不明―中国(時事N)


【北京時事】中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は25日、秦剛国務委員兼外相(57)の外相職を解き、後任に外交トップで前外相の王毅共産党政治局員(69)を充てる人事を決定した。国営新華社通信が報じた。理由や秦氏の処遇については説明していないが、事実上の更迭とみられる。秦氏を巡っては、既に1カ月間動静不明で、さまざまな臆測を呼んでいた。

秦氏は昨年末に外相に就任。習近平国家主席の信頼が厚いとされ、駐米大使からスピード出世を遂げた。わずか7カ月での外相交代は過去に例がなく、習政権の意思決定の不透明さと予測不可能性を改めて国際社会に印象付けることとなりそうだ。

 秦氏が最後に公の場に姿を見せたのは、6月25日のロシア外務次官らとの会談だ。中国外務省は今月11日、秦氏が「体調」を理由に東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議を欠席すると発表。同会議を含めた外相業務は、王氏が代理をこなしていた。
 中国外務省は秦氏の消息について「提供できる情報はない」(報道官)と説明を避け続けた。官製メディアは秦氏の問題を取り上げず、行方不明の理由について新型コロナウイルス感染や権力闘争、女性問題といった真偽不明の情報が拡散。外相の長期不在は外交日程にも影響し始めていた。

ウクライナ “兵士の心のケアの問題が今後さらに深刻に”(NHK)


ロシアの軍事侵攻が続くウクライナでは、国防省の専門家などが会議を開き、軍事侵攻の長期化を受けて、兵士の心のケアの問題が今後、さらに深刻になるとして十分な体制の構築を急ぐことを確認しました。
会議は、ウクライナ国防省の関連機関で精神的な治療に携わる専門家などが集まって、25日、首都キーウで開かれました。

この中で、兵士の心のケアについて、戦場で精神的なダメージを受けた兵士たちは、症状の深刻さに応じて、前線から離れた施設に段階的に移して治療していることなどが紹介されました。
キーウにある施設の代表は軍事侵攻が始まって以降これまでに、およそ4500人の兵士を受け入れて治療したことを明らかにしました。
また、退役軍人省の施設では、1日におよそ20人の兵士を受け入れていることや、欧米諸国の事例も踏まえて対応していることなどが紹介されました。
傍聴していた、けがで一時的に前線を離れているという女性兵士からは「兵士を戦場に送る前に何らかの対応をとるべきだ」という指摘も出され、会議では兵士の心のケアの問題が今後、さらに深刻になるとして十分な体制の構築を急ぐことを確認しました。
会議で発言した女性兵士のオレーナ・イワネンコさんは「現場の指揮官は精神的にも強かったが、人の心に手を差し伸べられる専門家ではなかったので、支援が必要だ」と話していました。

防衛装備品輸出ルール見直し 自公 実務者協議を来月にも前倒し(NHK)


防衛装備品の輸出ルールの見直しをめぐり、自民・公明両党は、秋以降に再開するとしていた実務者協議を、早ければ来月にも前倒しして行うことで調整しています。一方政府は、これまでの協議で両党が一致した点を踏まえ、イギリス・イタリアと共に開発する次期戦闘機を念頭に、共同開発した装備品を第三国へ輸出できるようにする方向で検討しています。

防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の見直しをめぐり、岸田総理大臣は25日、自民・公明両党の実務者協議のメンバーから協議の進捗について報告を受け、検討を加速するよう指示しました。
政府内からは「9月に予定される国際会議で新たな方針を示すことも念頭にある」との声も出ていて、両党は秋以降に再開するとしていた実務者協議を、調整がつけば来月にも前倒しして行うことで調整しています。
再開する協議では殺傷能力のある装備品の輸出をめぐり、大幅に認めたい自民党と、慎重な公明党との間で一致点を見いだせるかが最大の焦点です。
一方政府は、これまでの協議で両党が一致した点を踏まえ、イギリス・イタリアと共に開発する次期戦闘機を念頭に、共同開発した装備品を第三国へ輸出できるようにする方向で検討しています。

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