【ワシントン=佐々木類】日米両政府は26日、日米同盟深化と米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題などに関する外務・防衛当局による審議官級の実務者レベル協議をワシントン市内で開いた。焦点の移設問題で、日本側は新たな修正案の正式提案に踏み切れず、実務者レベル協議は決裂して終了した。次回協議は未定。
次の焦点は、27日に来日したキャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)に対し、日本側が具体的な修正案を正式提案できるかどうかだ。
米側によると、岡田克也外相は23日、ルース駐日米大使との会談で、キャンプ・シュワブ沿岸部へ移設するとした現行案に関し、2本のV字形滑走路を南側の1本だけとし、これを沖合に移動させる「浅瀬案」を提案した。米側は、「最近の(日米両政府間)協議を通じ、われわれは勇気づけられている」(キャンベル氏)とし、日本側から26日にも詳細な説明を受ける構えだった。
これに対し、岡田外相27日の記者会見でキャンベル氏の発言について、「理解に苦しむ。適切な発言ではないと思う」と否定するなど迷走。26日行われた審議官級協議では米側が受け入れる可能性があるとみられた現行案の修正すら正式提案できず、政府内の混乱ぶりが浮き彫りになった。
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